Q | 抗精神病薬の副作用を教えて下さい。 |
A |
以下に書いたようにたくさんありますが、これらがすべて出るわけではありません。この中の一部の症状が出ることがあります。全く出ないこともあります。大部分の副作用は可逆的です。つまり、もとに戻ります。また、体が薬になじんできたり病状が良くなって薬の量が減れば徐々におさまってきます。しかし、時には直ちに対処すべき場合もありますから、薬の副作用について気になることは、担当の先生とよく相談してください。 (1)鎮静作用と関係したもの ★ぼおっとしたり眠くなったりすることがあります。−−−しばらくするとおさまってくることがあります。 ★体がだるくなることがあります。 (2)錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう)といって運動神経領域の症状 −−−抗パーキンソン薬を併用することで軽くできます。 −−−これらの副作用は非定型抗精神病薬では起きにくくなります。 ★ろれつが回らなくなることがあります。発音が不明瞭になるため何を言っているのか聞きとりづらくなります。 ★ものが飲み込みにくくなることがあります。−−−喉にものをつめないように注意が必要です。 ★よだれが出ることがあります。 ★手が震えたり体が硬くなったりすることがあります。また前かがみの姿勢になったり、手をあまりふらずに歩いたり歩幅がせまくなったりします。表情が乏しくなります。動作が緩慢になります。−−−こういった症状をパーキンソン症状と言います。 ★体が傾いたり首が曲がったり眼がつりあがったりすることがあります。−−−これらはジストニアと呼ばれています。 ★じっとしていられず、そわそわして足踏みしたり、立ったり座ったり歩き回ったりするようになることがあります。−−−こういう状況をアカシジアと言います。 ★顔面、首や舌が勝手に捻じるように動くようになることがあります。−−−ジスキネジアと呼ばれます。 (3)自律神経症状 ★便秘することがあります。−−−必要に応じて下剤を使います。 ★たまっているにもかかわらず、おしっこが出にくくなることがあります。−−−必要に応じて排尿を調節するお薬を使います。 ★喉がかわくことがあります。 ★鼻がつまることがあります。−−−必要に応じて点鼻薬を使うことがあります。 ★眼がかすむことがあります。−−−薬物調整中にはメガネの度を調節するのは待ちましょう。 ★脈が早くなり動悸がすることがあります。−−−場合によっては、脈を下げるお薬を併用します。 ★立ちくらみがしたりふらついたりすることがあります。−−−必要に応じて血圧を調節するお薬を使います。 (4)内分泌障害や代謝障害 ★太ったり食欲が増すことがあります。−−−非定型抗精神病薬では、起きやすくなります。 ★男性で勃起しなくなったり、精液が出なくなったりすることがあります。−−−これらの副作用は非定型抗精神病薬では起きにくくなります。 ★女性で生理が不順になったり止まったりすることがあります。また妊娠してもないのに乳汁が出ることがあります。−−−これらの副作用は非定型抗精神病薬では起きにくくなります。 (5)その他 ★肝臓の機能が悪くなったり白血球数が増加したり減少することがあります。−−−病院では時々血液検査をして調べています。 ★心電図に異常が出ることがあります。−−−病院では時々心電図をとります。 ★発疹(赤いぶつぶつ)が出ることがあります。−−−薬の飲み始めや薬が変わった時にこういう症状が出た場合は要注意です。すぐ医師に連絡して下さい。 ★まれですが、けいれん発作を起こすことがあります。−−−フェノチアジン系薬剤の大量投与やゾテピン(=ロドピンなど)で起こりやすいとされます。 ★きわめてまれですが、重篤な副作用として悪性症候群が起きることがあります。 (2001.9.30) |