Q | 悪性症候群について教えて下さい。 |
A |
■悪性症候群は、抗精神病薬の最も重大な副作用の一つです。 最近は、抗うつ薬によっても、また、抗パーキンソン薬の中止などによっても生じることが知られています。 ■特に急性期などで心身ともに疲労している時に、内服薬を急激に増量したり、注射剤を使うなど強力な治療を行う時に起こりがちです。 ■といっても、まれにしか起こらないものです。 ■解熱剤に反応しないような40度近い高熱が出る、流れるような著しい発汗やよだれが出る、体が硬くなる、反応に乏しくなり意識レベルが低下したように見えるといった症状がみられます。 ■検査では、白血球やCPK、GOT、LDHなどの上昇が見られます。 ■適切な治療をせず放置すれば死に至ります。 ■しかし、現在は、悪性症候群に対する認識が高まり、また治療法が確立されたため、死亡する可能性は非常に少なくなりました。 ■きわめてまれではありますが、最善をつくしても救命し得ないこともないわけではありません。 ■治療としては、原因となる薬物を中止し、体を冷やし、点滴などで十分な補液を行い、時にはダントロレン(ダントリウム)やブロモクリプチン(パーロデル)といった特殊な治療薬を使います。 ■何かおそろしいイメージを与えてしまったかもしれませんが、精神科の医師は悪性症候群については熟知していますので、必要以上に心配されることはありません。 |