薬を飲みはじめて特に夕方から寝る前にかけて、足がむずむずして落ち着かないことがあります。そのためになかなか寝つけないこともあります。
抗精神病薬の副作用の一つとして、「いらいらしてじっとしていられない」「体がムズムズする」というのがあります。周囲から見ると、立ったり座ったり歩き回ったりし落ち着きなく見えます。激しくなると、暴れ出しそうになったり、時に自殺したくなったりすることもあります。
■こういう状況が起きた時、患者さんの苦痛はかなり大きいものと推測されます。特に夕方以降に起きやすく、睡眠障害の原因になることがあります。ムズムズ感は下肢にくることが多いですが、背中にきたり腕などにくることもあります。
精神症状の悪化との判別がむずかしいことがあります。私は、わからない時は、可能ならば原因と考えられる薬をやめてみることがあります。それで改善したら薬の副作用だったということになります。
■患者さんによっては、歩いたり体操をしたり、湿布を貼ったりして、とりあえず自己対処している方がおられます。
こういう状況が起きたら担当医に相談してください。
@お薬を減量したり、
A他のものに変更したり、
B副作用を止めるために別のお薬を追加したり増量することがあります。
■上記Bの追加するお薬としては、
(A)抗パーキンソン薬である、アキネトン(=ビペリデン)、ヒベルナ(=プロメタジン)、アーテン(=トリヘキシフェニジル)、ペントナ(=マザチコール
(B)抗不安薬である、ホリゾン(=ジアゼパム)、レキソタンセニラン(=ブロマゼパム)、デパス(=エチゾラム
(C)抗てんかん薬である、リボトリール(=クロナゼパム
などがあります。なお、アキネトンヒベルナホリゾンについては注射剤があります。
赤字は商品名、緑字は一般名です。)
■「副作用止めをもっと増やして欲しい」と言われることがありますが、増やせばとよいというものではありません。副作用止めの副作用もまたあるからです。