Q | 統合失調症の治療法について教えて下さい。 |
A |
薬物療法が最も大切。しかし、それだけではない。
■統合失調症の原因の項でお話したとおり、病気の背景には、脳の中の化学物質のアンバランスがありますから、特別なお薬によって、そのアンバランスを整える薬物療法が最も重要です。通常、薬物療法を抜きにした治療は考えられません。時に薬漬けなどと批判されることがありますが、実はこの薬物療法が奏効するかどうかで、患者さんの人生や家族の生活は大きく変わってきます。適切な処方を作りあげるのは一種の芸術のようなものです。 ■この薬物療法を基本にして、それを補う形でいくつかの治療法があります。まず、精神療法、それは主治医の先生と病気や治療、生活上の心配事などを話し合い解決法を見つけたり、元気や安心を与えてもらうものです。通常の診察の中で主治医との会話の中で行われているものです。 ■統合失調症では、病気の自覚が乏しいために治療がなかなか軌道に乗らないことがあります。また、危険な行動があったり、引きこもりが強かったりする場合は入院が必要なことも少なくありません。入院では、有害な現実刺激から離れてゆっくり休養したり、生活リズムをとり戻したり、集団の中で対人関係を学んでいく意味があります。 ■私の勤務する草津病院では、作業療法やレクリエーション活動を毎日のように行っています。また、外来リハビリテーション治療の一環として、デイナイトケアを行っています。対人関係を中心とした生活技能を高めるための生活技能訓練(SST)にも早くから取り組んでいます。さらに、主に一人暮らしの方の生活指導や援助のために訪問看護指導を行っています。 |