TOPIC No.5-3 中毒関連

Index
3-0.未整理情報、3-1. アジ化ナトリウム中毒、3-2. ヒ素中毒、3-3. 食中毒、
3-4.食品衛生管理方式HACCP、 3-5. 雪印食中毒事件
01.市民のための中毒の知識「中毒110番」より by(財)日本中毒情報センター (一般市民専用電話(情報提供料:無料)大阪 072-727-2499 365日 24時間)
02.こどもの事故について(異物誤飲) by 広島市立 ふないりこども救急室 
03.中毒情報を捜して by県立広島病院 麻酔・集中治療科 西岡憲吾
04.日本中毒学会ホームページ
05.中毒研究(中毒情報専門誌)by株式会社じほう
06.食中毒関連情報 by 厚生労働省ホームページ
07.知ろう!防ごう!食中毒 by 社団法人 日本食品衛生協会

TOPIC No. 5-3-1 アジ化ナトリウム中毒


アジド類による中毒 ニュース欄 1998.08.12 by中毒情報センター

国立療養所の医師を逮捕

2000年3月7日 17時35分
 京都市右京区の国立療養所宇多野病院(斉田孝彦院長)で1998年10月、毒物のアジ化ナトリウムが混入され、医師8人が嘔吐(おうと)などを訴えた事件で、京都府警太秦署捜査本部は7日、傷害と浄水毒物混入の疑いで、同病院内科医長の医師石田博容疑者(43)=同区鳴滝嵯峨園町=を逮捕した。

 石田容疑者は事件当時「自分もポットの湯を飲んで、

三重大でポットの湯に毒物混入、助教授・学生ら5人軽症(0:40a.m. JST October 17, 1998 )
 16日午後3時10分ごろ、津市上浜町の三重大学から、電気ポットの湯でコーヒーや紅茶を飲んだ教職員らが、吐き気やめまいなどの異常を訴えていると、三重県警津署に通報があった。同県警科学捜査研究所がポットに残っていた湯を調べたところ、試薬などに使うアジ化ナトリウムが検出された。

新潟の中毒

元社員に2年4月の実刑判決 新潟の毒物混入事件

6:09p.m. JST October 12, 1999
 昨年8月、新潟市の木材加工会社「ザイエンス」新潟支店で起きた毒物混入事件で、傷害などの罪に問われていた元経理担当社員小山内明彦被告(44)=北海道室蘭市=に対する判決公判が12日、新潟地裁で開かれた。姉川博之裁判長は「模倣犯を生んだ」などとして同被告に懲役2年4月(求刑懲役3年6月)の実刑判決を言い渡した。

 判決によると、小山内被告は昨年8月10日、当日予定されていた本社の経理指導で約400万円の使い込みが発覚することを恐れ、混乱を起こして指導を中止させようと、支店事務所の電気ポットにアジ化ナトリウム約20グラムを混入、お茶などを飲んだ社員9人に薬物中毒の傷害を負わせた。

 判決理由で姉川裁判長は「犯行は身勝手で安易」としたうえで、三重や愛知、京都で同じアジ化ナトリウムを使った事件が続発したことに触れ、「社会的影響は無視できない」とした。

TOPIC No. 5-3-2 ヒ素中毒


ヒ素およびヒ素化合物による中毒についてby ニュース欄 1998.08.03 日本中毒情報センター

和歌山・ヒ素保険金事件by Mainichi INTERACTIVE


ヒ素ネットのNPO認可へ

2000年1月31日 14時58分 共同通信社
 アジア各地で深刻化している地下水のヒ素汚染問題に取り組んでいる宮崎県の非政府組織(NGO)「アジアヒ素ネットワーク」は31日、県にNPO(民間非営利団体)としての法人認可を申請した。4月末にも認可の見通し。

 3月25日には、初の海外拠点としてバングラデシュのダッカに事務所を開設。専従スタッフ2人を置き、各国の研究者と連携して活動を本格化させたいとしている。

亜ヒ酸混入は7日午前

1999年10月10日 15時28分 共同通信社
 鹿児島市の亜ヒ酸混入事件で、所員が湯を沸かしていたやかんは出勤直後に必ず前日の残り湯を捨てた上で、内部も水道の水で念入りに洗ってから使用していたことが10日、鹿児島中央署の捜査本部の調べで分かった。事件が発生した7日も午前8時半の出勤直後にやかんを洗っていたことから、捜査本部は、犯行時間は同8時半から次に沸かした湯をポットにつぎ足した正午すぎまでと断定した。

尿から通常の140倍のヒ素 鹿児島市の亜ヒ酸混入事件

11:11p.m. JST October 09, 1999
 鹿児島市の設計事務所でやかんやポットに猛毒の亜ヒ酸が混入された事件で、ポットの湯を飲んだ社員5人の尿から通常の140―40倍のヒ素が検出されたと、9日、入院先の市医師会病院が発表した。専門家によると、致死量の約半分を摂取した場合、値は140倍程度になるという。一方、5人のうち2人は、先に3人が使ったポットに湯を注ぎ足してコーヒーを入れていたことが、鹿児島県警の調べで分かった。2人はほかの3人より症状が軽く、県警では、湯を足したことで亜ヒ酸の濃度が薄まった可能性があるとみている。

 5人の尿は事件翌日の8日に採取された。鑑定した聖マリアンナ医科大(川崎市)の山内博・助教授は「ヒ素の値は急性ヒ素中毒患者に見られる値だが、生命に危険性のない程度のものだ。だが、体内に蓄積される期間が長いため、1カ月は測定を続けることが必要だ」と話している。

 県警によると、亜ヒ酸はやかんとポットの残り湯から検出された。

 調べでは、5人の社員のうち、女性2人と男性1人は昼食後、ポットの湯でお茶を入れて飲み、間もなく吐き気を訴えた。その後、午後1時ごろ、再度やかんで湯を沸かし、ポットに注ぎ足した。午後3時ごろ、外出先から事務所に戻った男性2人が、この湯でコーヒーを入れて飲み、午後8時近くになって吐き気を訴えたとされる。

亜ヒ酸 やかんとポットで濃度に差

1999年10月9日 10時53分 共同通信社
 鹿児島市西千石町の三反田藤男設計事務所の5人が入院した亜ヒ酸混入事件で、お茶とコーヒーに使ったポットの湯と、やかん内に残っていた亜ヒ酸の検出濃度が異なっていることが9日、鹿児島中央署の捜査本部の調べで分かった。

 調べでは、事務所では7日午前8時半と11時半の2回、やかんで湯を沸かし、ポットに移してお茶などを飲んでいた。

亜ヒ酸は給湯室で混入か

1999年10月9日 16時22分 共同通信社
 鹿児島市の三反田藤男設計事務所の5人が入院した亜ヒ酸混入事件で、鹿児島中央署の捜査本部は9日、犯人が給湯室でやかんに亜ヒ酸を入れた可能性が高いとみて流し台付近を再検証、現場に亜ヒ酸が残っていないか調べるとともに、下水管への流出も考慮し、ビルのマンホールから下水を採取して分析を進めている。

事務所員狙い亜ヒ酸混入か

1999年10月8日 17時52分 共同通信社
 鹿児島市のビルに入居している設計事務所の三反田紀子さん(59)ら5人が吐き気などを訴えた亜ヒ酸混入事件で、当初はテナントの共用とみられていたポットとやかんが同事務所の専用だったことが8日、鹿児島中央署の捜査本部の調べで分かった。捜査本部は、犯人が設計事務所の所員を狙って亜ヒ酸を混入した可能性が高いとみて捜査している。

3-3. 食中毒


レバ刺しに食中毒菌 厚労省が注意呼び掛け

2005/02/09 The Sankei Shimbun

 「レバ刺し」としても食べられている牛の肝臓内に、食中毒菌のカンピロバクターがあることが厚生労働省研究班の調査で判明し、同省は9日、お年寄りや子どもら抵抗力の弱い人が生の状態で食べないよう、ホームページで注意を呼び掛けた。「通常の加熱調理をすれば、感染の危険性はない」としている。

 カンピロバクターは牛だけでなくさまざまな動物が保菌し、感染すると下痢や発熱などの症状が出る。通常は1週間程度で治るが、抵抗力が弱い場合に重症化する恐れがある。

 これまで肝臓内にはなく、処理過程で付着すると考えられていたため、食肉処理場などでは肝臓の表面を洗浄、消毒するだけになっている。

 厚労省研究班が各地の食肉衛生検査所で調査したところ、胆のう内の胆汁236検体中60検体(25・4%)から、胆管内の胆汁142検体中31検体(21・8%)から多くの菌を検出。胆汁は肝臓でつくられるため、肝臓内の菌の存在が確認された。

 ホームページのアドレスはA HREF="http://www.mhlw.go.jp/">http://www.mhlw.go.jp/(共同)


看護師ら約260人食中毒 東京

2002年06月01日 The Sankei Shimbun
 東京都内で開かれた日本看護協会の総会で、中華弁当を食べた看護師ら約260人が下痢などの食中毒症状を訴えたことが1日、都や千代田区保健所の調べで分かった。入院した人はおらず、症状は全員軽いという。

 都などによると、同区内の日本武道館で5月29日から31日まで開かれた総会に全国から看護師や助産師ら約5000人が出席。事前に昼食を申し込んで30日に中華弁当を食べた人のうち262人が30日夜から下痢や腹痛の症状を起こしたという。都などは、中華弁当が原因とみて菌の特定を急いでいる。

中高生ら88人が食中毒 広島

2002年05月06日 The Sankei Shimbun
 広島県食品衛生室は6日、同県大和町の広島三育学院(天野裕司校長)の中学、高校の生徒や教師計88人が下痢や腹痛などの食中毒症状を訴え、うち16人が入院したと発表した。いずれも快方に向かっているという。

 同室によると、88人はいずれも同校の給食を食べており、調査した東広島地域保健所は、同校の給食施設を原因とする食中毒と断定。施設の使用自粛を同校に要請するとともに原因の特定を急いでいる。

 同校は全寮制で、連休中もほとんどの生徒が寮におり、給食が提供されていたという。

期限守っても食中毒の危険…卵の生食

2002年05月05日 Yomiuri On-Line
 卵を生で食べる場合、賞味期限表示で新鮮なものを選んでも、食中毒になる危険性はほとんど変わらないことが、国立医薬品食品衛生研究所など7機関の共同研究で分かった。

 生卵でサルモネラ菌食中毒になる人は年間約2万8000人にのぼると推定されており、同研究所は「新たな生食対策を考えていく必要がある」と警告を発している。

中華料理で51人が食中毒 東京・国立市

2000.12.27 The Sankei Shimbun
 東京都に二十七日までに入った連絡によると、中華料理店「プリンセス・ライラ」(東京都国立市)で飲食した計五十一人が二十−二十三日、下痢や腹痛の食中毒症状を訴えた。全員快方に向かっている。

 症状を訴えた人はいずれも同店で二十−二十二日に飲食しており、都は同店の料理が原因と断定。同店を二十七日から十日間の営業停止処分にした。

O-157で女性死亡 埼玉

2000.11.27 The sankei Shimbun
 埼玉県医療整備課は二十七日、同県内の女性(49)が病原性大腸菌O-157に感染し、多臓器不全で死亡した、と発表した。

 同課によると、女性は八日から下痢や腹痛を訴えて入院。検便の結果、十七日にO-157とベロ毒素が確認された。女性は二十四日に死亡した。

 女性の孫の男児からもO157を検出しており、埼玉県はこの男児から女性に感染した可能性があるとみて調べている。

 男児は既に回復しており、ほかの家族から菌は検出されていないという。

園児55人が食中毒か 福島・いわき市

2000.07.02 The Sankei Shimbun
 福島県のいわき市保健所は二日、同市の保育園に通う零歳から六歳までの園児五十五人が発熱や腹痛などの食中毒のような症状を訴えていると発表した。四人が一時入院したが、全員回復に向かっているという。

 同保健所によると、園児は六月二十日から三十日にかけて相次いで症状を訴えた。いずれも園内で調理された給食を食べており、同保健所は給食が原因の食中毒の可能性が高いとみて、検便などを実施して原因の特定を急いでいる。

 保育園は三日から給食を中止することを決めた。

早稲田中・高の食堂で食中毒、7人が入院 東京・新宿区 (2000.06.26) asahi.com

コンサートの出演者ら54人が食中毒 (2000.06.01) asahi.com
 東京都衛生局は1日、渋谷区内で5月24日に開かれたコンサートに出演した子どもやスタッフら54人が、下痢や腹痛などを訴え、患者の便から「ウェルシュ菌」を検出したと発表した。症状はみんな比較的軽いという。品川区保健所は同区西五反田8丁目の弁当店「厨美膳(くりやびぜん)品川五反田店」が調理した仕出し弁当が原因の食中毒と断定し、同店の営業停止処分を検討している。

O157感染時に抗菌剤使うと合併症の危険増す恐れ  (2000.05.29) asahi.com
 子供が病原性大腸菌O(オー)157感染症にかかったとき、抗菌剤を使うと、溶血性尿毒症症候群(HUS)という重い合併症を起こす危険が高まる、と米医師らが医学誌に報告する。日本ではO157感染症の抗菌剤治療については賛否両論ある。厚生省の治療マニュアルでは主治医の判断に任されているが、改めて論議になりそうだ。

 米ワシントン大医学部のフィリップ・タール医師らが、1997年4月から99年8月末の間に米西部の医療施設に来た10歳以下のO157感染症の患者71人を調べた。

 HUSを発症した10人の半分にあたる5人が抗菌剤治療を受けていた。発症しなかった61人の中で抗菌剤治療を受けた人は4人にすぎなかった。研究チームは「小児に対して抗菌剤治療はしない方がいい」と結論づけている。

高1生徒ら43人が食中毒

2000年4月22日 13時47分
 静岡県食品衛生室に22日に入った連絡によると、同県三ケ日町の「県立三ケ日青年の家」を13日から15日まで利用した同県浜松市の聖隷学園高校1年生と県内の会社の計325人のうち43人が下痢などの食中毒症状を訴えた。全員症状は軽く快方に向かっているという。県は、食中毒とみて青年の家の食堂部門を担当する三ケ日町の業者「マルタフードサービス」を22日から当分の間、営業禁止にした。

選手に補償金4700万

2000年4月21日 17時09分
青森市の青森競輪場で開催の競輪に参加したプロ選手が集団食中毒となった問題で、青森市は21日、競輪の開催中止に伴う出場予定選手90人への補償金額が約4700万円になると発表した。
 青森市によると、15日に青森競輪場内の食堂で食事をしたA級、B級の選手約40人が集団食中毒となり、うち4人が市内の病院に入院。16、17日と22、23、24日の計5日間の競輪の開催を中止した。

旅行客82人が食中毒症状

2000年3月10日 16時40分
 鳥取県に10日入った連絡によると、南紀観光のバスツアーに参加した鳥取県内の82人が、下痢や発熱などの食中毒症状を訴えた。いずれも症状は軽く入院していないが、県はツアーの参加者約360人に聞き取り調査をしている。

 鳥取県によると、患者は3日と4日に県内を出発した「南紀勝浦温泉の旅」1泊2日のバスツアーに参加した。鳥取県は関係府県に施設の調査を依頼している。

秋田の高校生がO157感染、中国から修学旅行帰り

00:26a.m. JST October 24, 1999
 中国への修学旅行から19日に帰国した秋田経法大付属高校(秋田市)の2年生10人が、腸管出血性大腸菌O157などに感染していることが23日、秋田市保健所の調査で分かった。ほかに生徒ら200人余りが下痢や腹痛などの食中毒に似た症状を訴えており、同保健所で原因を調べている。同校は昨年4月の中国への修学旅行でも280人が食中毒症状を示し、37人が腸管出血性大腸菌O26などに感染していた。

 同保健所によると、O157などの感染者を含め、症状はいずれも軽いという。

 修学旅行は14日から19日までの日程で、2年生382人と引率の教諭ら38人の計420人が天津、北京両市を訪問。途中で約30人の生徒が下痢や頭痛などを訴えたという。帰国翌日の20日、生徒の一人が病院で診察を受け、食中毒の疑いがあることが判明。保健所が修学旅行に参加した生徒らを対象に検査した。

保育園児7人からO157

1999年9月7日 17時15分 共同通信社
 兵庫県尼崎市内の保育園に通う1〜2歳児の男女7人が病原性大腸菌O157に感染していたことが、7日分かった。同市によると、うち2人は8月末ごろに下痢など比較的軽い症状を訴えたが、既に回復。残り5人は症状もないという。同市は保育園の給食などが原因になった可能性があるとみて調べている。


パック入り食品からボツリヌス菌 女児重体

08:32a.m. JST August 29, 1999
 千葉県柏市内の小6女児(12)が今月6日、ボツリヌス菌による食中毒で意識不明の重体となり、同県衛生部が調べたところ、女児が食べたとみられるパック入りのハヤシライスと同種製品からボツリヌス菌が検出されたことが、29日までに分かった。同県はこの製品が原因とみて、製造元の食品製造会社「米久」(静岡県沼津市)がある静岡県に連絡、同社は製品の自主回収を始めた。

 女児は6日に意識障害を起こし入院、現在も意識は戻っていないという。(時事)

サルモネラ菌中毒

サルモネラで男児死亡

1999年9月13日 20時41分 共同通信社
 宮崎県門川町の会社員(42)ら家族四人が今月3日から5日にかけて下痢やおう吐などの食中毒症状を訴え、6日になって二男(2っ)が病院で死亡していたことが13日、同県衛生管理課に入った連絡で分かった。

 家族全員の便からサルモネラが検出されており、同課などは二男がサルモネラの毒素でショック死したとみて調べている。

幼稚園児ら197人が食中毒 神奈川・相模原

4:48p.m. JST June 03, 1999
 神奈川県衛生部に3日までに入った連絡によると、相模原市新磯野の学校法人川崎学園「つくしの幼稚園」(川崎喜代治理事長)で出された給食を食べた園児、職員合わせて197人が発熱、下痢などの食中毒の症状を訴え、うち園児4人が入院した。患者の検便からサルモネラ菌が検出されたことから、県では給食が原因の食中毒とみて調べている。

 5月25日に給食を食べた312人のうち、園児191人、職員6人が同26日から31日にかけて発症した。入院中の園児4人は快方に向かっている。給食は園内で調理しており、25日のメニューは大豆のかき揚げ、サラダ、みそ汁だった。(時事)

乾燥イカ食中毒に終息宣言 患者は1505人 厚生省

6:33p.m. JST May 17, 1999
 厚生省は17日、青森県八戸市の水産加工会社で製造された乾燥イカが原因とみられるサルモネラ食中毒について、患者の発生はほぼ終息したと発表した。14日現在の集計では、山梨県を除く46都道府県で、1505人の患者が発生した。過去10年で13番目の規模の食中毒で、これほど全国的に患者が発生した例は珍しいという。

 乾燥イカは駄菓子などの原材料に使われており、最終的に20品目が回収対象となっていた。

丸松水産が倒産 乾燥イカ菓子による食中毒問題で

10:02p.m. JST May 07, 1999
 乾燥イカ菓子による食中毒問題で工場の一部が営業禁止処分となっていた青森県八戸市の水産加工会社「丸松水産」(松原好春社長)が7日までに2度目の不渡りを出し、銀行から取り引き停止処分を受けた。近く自己破産の申し立てをするとしている。負債総額は約2億円に上る見込み。

 信用調査会社の帝国データバンクによると、同社は従業員30人。1996年3月期決算で年間売り上げは約3億円に上っていたが、設備投資の負担が膨らみ、採算は良くなかったという。昨年11月に同県の中小企業経営安定化緊急支援資金の導入を受けるなどして経営安定化を目指したが、食中毒問題で運転資金が枯渇したものと見られる。

 今回の食中毒問題は、丸松水産の乾燥イカを原料とした菓子がサルモネラ菌に汚染されていたのが原因とされる。厚生省によると、先月20日現在、全国38都道府県で453人が発症、その後も被害が広がっていた。青森県の調査で工場内の調理台などからサルモネラ菌が検出され、同県は同23日、同社の第2工場に対し、食品衛生法に基づき、営業を禁止する行政処分を出していた。

1〜3月に24トンを供給

1999年4月24日 19時49分共同通信社
 乾燥いか菓子による食中毒が全国に広がった。サルモネラが確認された青森県八戸市の水産加工会社『丸松水産』(松原好春社長)は、1〜3月だけで原材料の乾燥いか約24トンを出荷したが、厚生省は『製品はほぼ回収され、流通の中間段階はともかく小売店には置かれていないと思う』としている。 

 同社は『衛生管理には万全を期していたつもりだが、うちから菌が出たことは確か』と当惑。

製造会社を営業禁止処分

1999年4月24日 8時48分共同通信社
 乾燥いか菓子によるサルモネラの食中毒が相次いでいる問題で23日、青森県生活衛生課は、同県八戸市の丸松水産が製造した乾燥いか製品が一連の食中毒の原因と断定、同日付で同社を営業禁止処分にした。各地で症状を訴えるなどしていた被害者は新たに計 170人いたことが共同通信社のまとめで分かった。

 同課によると、食中毒で原因者を期限のある営業停止ではなく、期限を定めない営業禁止処分にするのは珍しいという。

井戸などからサルモネラ

1999年4月21日 15時50分共同通信社
 乾燥いか菓子による集団食中毒で原材料を製造した丸松水産(青森県八戸市)の井戸水などから、サルモネラが検出されたことが21日、青森県の調査で分かった。 

 調査によると、敷地内の井戸水から検出されたサルモネラは、食中毒患者から検出されたものと同じ型だった。 

      

 工場に残っていた製品や、従業員の便からも同じ型のサルモネラが検出された。   

 同社は冷凍いかの解凍などに、この井戸水を使っている。

乾燥イカ食中毒被害 愛知県は124人 三重県は38人

8:29p.m. JST April 21, 1999
 青森県の水産加工会社が製造した乾燥イカ菓子による食中毒で、愛知県内では21日、新たに38人から食中毒症状の届けがあり、被害者の累計は124人になった。入院した人は21人にのぼり、このうち10人が現在も入院している。また、三重県でも新たに6人が食中毒症状を訴えていることがわかり、被害者の累計は38人になった。

 厚生省は21日、この青森県の水産加工会社の工場を立ち入り検査したが、汚染源は特定されなかった。

 愛知県衛生部によると、県内で流通が確認された乾燥イカ菓子は6種類。「バリバリいか」「おやつちんみ」「元祖おやつちんみ」「元祖東京おやつちんみ」「するめジャーキーカット」「するめジャーキー」。

 このうち流通量が多いのは「するめジャーキー」で260万袋以上が出荷されているが、回収量は約1000袋にとどまっている。「おやつちんみ」も24万袋が流通しているが回収量は3万5000袋になっている。

イカ駄菓子の食中毒、都内でも患者

9:08p.m. JST April 15, 1999
 東京都衛生局は15日、乾燥イカを使った駄菓子が原因の食中毒が都内でも発生したと発表した。4日ごろ府中市内の雑貨店で買った乾燥イカを食べた女児(8つ)が、8日から食中毒症状を訴えて入院、現在も入院しているという。そのほか、3月末から4月にかけて食中毒症状を訴えた都内の約15人のうち少なくとも8人は乾燥イカを食べ、原料製造元で検出されたのと同じサルモネラ菌が検出された。いずれも下痢など症状は軽めか中程度という。

 都によると、原料の乾燥イカを製造したのは青森県八戸市の「丸松水産」で、製造を自粛する4月6日まで約1カ月で約11トンを出荷した。加工した製品は「まめいち信生」(江東区)と「シンコー商会」(浦和市)、「タクマ食品」(愛知県春日井市)の3社が、「おやつちんみ」「バリバリいか」など8つの商品名で販売している。

 青森県は製造、販売業者に回収命令を出したが、家庭で保管されている分も相当量あるとみられ、都は食べずに最寄りの保健所に連絡するよう呼びかけている。

3-4.食品衛生管理方式HACCP


HACCP承認制度見直しへ 厚生省が評価検討会

2000.08.30(14:00)asahi.com
 雪印乳業大阪工場の食中毒事件を受けて厚生省は30日、国が食品工場の衛生管理にお墨付きを与える総合衛生管理製造過程(HACCP=ハサップ)承認制度を見直すために、食品衛生の専門家ら11人を集めた評価検討会の初会合を開いた。

 厚生省の西本至生活衛生局長はあいさつで「雪印事件の原因究明の過程で、いろいろな問題が出てきた」とし、HACCP承認に際しての審査のあり方や承認後の監視、現地調査などについて検討を求めた。

生食OKの卵に認定印、来夏にもお目見え

03:14a.m. JST May 09, 1999
 安心して生で食べられる卵に「お墨付き」を与える「日本鶏卵HACCP認定機構」(理事長=今井清・日本大学教授)が8日、東京都内で第1回の理事会を開き、発足した。卵に入り込む病原菌のサルモネラによる食中毒が増加していることに危機感を抱いた食品衛生の専門家らが集まったもので、生産現場で衛生管理状況を検査する。早ければ来夏には認定マーク付きの卵が市場にお目見えする。

 厚生省のまとめによると、国内のサルモネラ食中毒発生件数は1998年で630件。5年前に比べ、4倍以上に増えた。原因ははっきりしていないが、検出された菌の半分以上がサルモネラの一種で、親鶏から卵に感染するサルモネラ・エンテリティディス(SE)だ。

 SEは病気を起こす力が強い。十分に加熱すれば問題ないが、抵抗力の弱い高齢者や病人、乳幼児が感染した卵を生で食べると死亡することもある。一方、一世帯が年間に買う卵の平均数は5年前の約780個(1個50グラムとして計算)から98年度は約700個に減っており、鶏卵業者の多くは食中毒の増加が原因とみている。

 発足した同機構は、卵を産む鶏とその親、それらの鶏が食べるエサを始め、洗卵まですべての生産過程でサルモネラの有無を調べる。サルモネラが発見されず、管理体制が基準を満たしていれば、認定証を発行する。米航空宇宙局(NASA)の宇宙食開発から生まれた食品衛生管理方式「HACCP」を採用し、世界で最も厳しいといわれる基準で検査する。将来は流通過程にも対象を広げていく方針だ、という。

 HACCP = Hazadrous Analysis Critical Control Point:食品の製造・生産プロセスにおいて、O-157のような、食品の案全性に重大な危害を与える原因を着実にコントロールしていくための手法。

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