電光艇

謎の怪艇現る!!

 

 

わしは以前、第五話で押川春浪の小説「海底軍艦」をとりあげた。いまから100年も前、熱狂的なファンを数多く生んだ冒険小説だ。日本SFの祖ともいわれる傑作である。もしも未読ならばぜひとも一度は読んで欲しい作品だ。

「海底軍艦」には、強力無比の超兵器として「電光艇」という名の海底戦闘艇が登場する。
これは非常に魅力的なメカニックなのだが、小説に登場するメカなので、どういう形をしているのかは作中の描写から読者が自分で想像するしかない。
感覚というものは人それぞれだから、同じ文章を読んでも、そこから受ける印象が皆同じだとは限らない。むしろ、大きく違っている方が当たり前だ。「海底軍艦」を読んだ読者は、皆心の中にそれぞれ違った、独特の形をした電光艇を海上に、海中に、駛らせていることだろう。

 

上のイラストは、「超絶プラモ道」の著者としても知られるマンガ家のはぬまあん氏によって描かれた「電光艇」だ。もちろんデザインも氏自身の手によるものである。
Uボートや伊号などの大戦中に活躍した潜水艦とも、現代の原潜などとも異なった、力強いスタイルが大変にカッコイイ。

これはもともと、雑誌「DO-PE」の1992年夏号に掲載されたものだ。
「押川春浪のメカニック世界」と題し、見開きで海底軍艦と電光艇に関する紹介が載っている。

当時から「カッコイイなあ」と思っていたが、先日改めて見返してみて、あまりにもカッコイイので、ウチの掲示板で「ここに載せたいぐらい」だとわしが書いたところ、なんと御本人よりお許しの書きこみを頂く事が出来た。実にありがたい事である。

はぬ先生、本当にありがとうございました!!心より感謝します!!

 

 

また、同号には目玉企画として、室内プールを借り切り、水モノプラモや水中モーターで思いっきり遊ぶ……というオタクの夢を実現した、非常にうらやましいレポート「電動艦隊」が載っており、これがまた読んでいてめっぽう楽しい。
こちらでは、はぬまあん氏のデザインをもとに製作された電光艇の1/100モデルが掲載されている。
どちらかというと、この企画がまずあって、それにあわせる形で上のイラストや記事が書かれたのだろうから、紹介する順番が反対になってしまったような気もするが、とにかくどちらもカッコイイことにかわりはない。

見よ!この勇姿!!

 

 

これは、ニチモの伊-19をベースに、赤木宏行氏によって作られたものだそうで、軽量キャストがつかわれているため水に浮き、電動で水上を走るうえに三尖衝角までもが別モーターによって回転するのだという。
すばらしい!イカス!!
できることなら、一度でいいから実際に航行する姿をこの目で見てみたいものである。

 

 

こんなにカッコイイ電光艇を描き出し、イカした模型をつくり、さらに「海底軍艦」の魅力を伝える記事を書く……なんと素晴らしい事だろう。
わしは、感動のあまり熱涙あふるる思いである。

こんなにカッコイイ電光艇を生み出したはぬまあん氏は、現在「スーパーロボットマガジン」などで活躍中だ!
みんなで応援しよう!!

 

 

 

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