カプコンの名作よ永遠なれ
甦れ!珠玉の傑作ゲームたち!!
わしは昔、かなり気合の入ったゲーマーだった。
腕前の方は決して上手くはなかったが、気合いでカバーしていた。好きなゲーム、気に入ったゲームはとことん遊びまくる方だった。
本格的にビデオゲームで遊ぶようになったのは、高校生になってからだ。
それまでは小遣いが少なかったので、好きなようにゲームができなかったからなのだが、それ以上に大きかったのは友人の存在だ。
同じクラスにH原という名のバリバリのゲーマーがいて、そいつに受けた影響が大きかった。そいつは、アーケードゲームでも長時間遊べる、エンディングのあるものならちゃんとラストまで到達できる、という事をわしに教えてくれたのだ。
H原は、ある時わしに、今は亡き「ゲーメスト」という雑誌を見せてくれた。
アーケードゲームの専門誌があるなんて思いもよらなかったが、当時のゲーメストは、本にはうるさいこのわしがその存在を知らなかったぐらいマイナーな雑誌だった。その後わしも、毎号入手するのに色々苦労したものだ。
そのH原がみせてくれた中に、カプコンの特集号があった。
第一作目の「バルガス」から、その頃最新ゲームだった「サイドアームズ」や「トップシークレット」までのカプコン歴代ゲームが全部紹介してあったのだが、それをみたわしはたいへんに驚いた。
なぜなら、そこにはそれまでわしが衝撃を受けたゲームがずらりと並んでいたからだ。
「これは他のゲームとは違うぞ」と感じたものが、みんな同じメーカーによる作品だということを、わしはその時はじめて知った。
それまで、ゲームをつくった会社の事など全く考えていなかったわしが、「カプコン」の名を強く意識するようになったのはそれからだ。
その後わしは新作と平行して、かつて好きだった過去のゲームにも再挑戦するようになる。そしてますますカプコンのゲームに入れ込むようになっていった。
やがて、カプコンのゲームはわしの求めるものとは違う方向へと向かい始めた。
しかし、わしの不満が大きくなるにつれて、世間での評価は逆に高まっていった。
「ファイナルファイト」が出た時、「わしの好きなカプコンは、もう終ったな」と思った。
そしてその「ファイナルファイト」は大ヒット作となった。それ以降のカプコンは世間で様々な名作・佳作と呼ばれる作品を生み出した。
だが、わしの心をとらえるような作品があらわれる事はなかった。
今ではカプコンのゲームどころか、アーケードゲームで遊ぶ機会そのものが極端に少なくなってしまった。家のなかで古いゲームを遊ぶばかりである。
わしは既に、ゲーマーでもなんでもない。
もう、わしに衝撃を、驚きを、感激を与えてくれるゲームが生まれる事はないのだろうか。
こんな事を言っても、年寄りの愚痴にしか聞こえないかもしれない。
今の若いゲーマーが、ここで紹介する昔のゲームで遊んでみても、古臭い、つまらないゲームだとしか思わないかもしれない。
だが、そうでない人も、きっといると信じたい。
そんな人が、少しでも多くいる事を願って……。
その後のカプコン