つうしんテレフォン
「つうしんテレフォン」は、マンガやTVアニメで人気の「カードキャプターさくら」で、主人公のさくらが持っている携帯電話の玩具だ。
親友である知世から、さくらに贈られたものという設定だ。知世の母親は玩具メーカーの社長で、新製品の実用テストも兼ねてプレゼントされたということになっている。
知世や、さくらのパートナーである守護獣「ケロちゃん」も同じ物を持っている。事件がおきると、これでお互いに連絡をとりあうのだ。
玩具のくせに本当の電話並みの性能を持っているのか、それとも玩具メーカーが携帯電話事業に進出しているという事なのかはよくわからない。あまり深く考えない事にしよう。
実際の玩具は、当然ながらバンダイが発売している。
安い!本当に安い!!
一目見てまず思うのは「安っぽい!」ということだ。
わしは最初見た時、ユタカのフックトイかと思ったぞ。
明るめで軽い色の成形色に加えて、ボタン部分のブルーメッキがよけいに安っぽさを際立たせている。もう少し何とかならんかったのか。
LEDはひとつ。呼び出し時などに光るのだが、太陽の部分がレンズ状になっていて、光を強調するようになっているあたりは、よくできている。
この玩具、見た目が安いだけではない。実際に値段が安いのだ。
なんと、定価で1680円である。
ガッツウィットの半額以下。クレヨン王国つうしんきと比べても半額に近い。安いのは嬉しいが、当然ながら機能は大幅に削られている。
まず、一見13個並んでいるようにみえるボタンは全部中でつながっている。実は大きな一枚の板なのである。いきなりガックリくる。とりあえずボタンを押すとさくらがしゃべる。それだけ。
当然、時計機能も無し。しゃべる以外のジャンケンや占いなども無し。
しゃべる内容も、やはり少ない。
「知世ちゃん」か「ケロちゃん」か「雪兎さん」のうちの誰か(あるいは複数)と「ケーキを食べてるの」か「たこ焼をたべてるの」か「公園にいったの」か、そのいずれかである。
なんとも寂しい限りだ。
少し工夫されているのは、時々話し中だったり、留守電が出たりする事だ。
その時は「ほえ!今クラブなの。後で電話するね。」などという声がして、しばらく待つと、今度はさくらのほうから電話してくるようになっている。
このあたりは安いなりになかなか頑張っているといえるだろう。
とはいえ、これだけではやはり寂しい。これでは子供もすぐ飽きると思うのだが。
いきなり切るなあ!!
値段が値段だから、ある程度はボイスの削減も仕方ないとは思うが、気になる事がひとつある。
それは、「たこ焼を食べてるの」などと言うだけ言うと、そのまま黙ってしまう事だ。
電話なんだから、切る時は一言ことわってから切って欲しいと思うのだが。
さくらの方からかけてきた時は最後に「またね!」と言ってから黙るようになっている。
だったら、こっちからかけた時も「またね!」って言うようにしておけばいいのにと思うのはわしだけだろうか?
しかし、こういった脇道の玩具価格が主力商品の価格よりも高いとなかなか売れないだろうし、そう考えれば、この選択は商売としては正解だろうと思う。
それに不満も多いが、丹下桜の声がいつでもどこでも聴き放題というのはやっぱり嬉しい。
もっと豊富なボイスを入れておけば、大きいおともだちにもバンバン売れるんだろうけどねえ。