仮面ライダークウガ
 ソニックウェーブDX変身ベルト

全く新しい変身体験!

 

 

 

仮面ライダーといえば変身ベルト、と先に述べたが、全てのライダーがベルトを着けているかというと、意外とそうでもない。
歴代ライダーは、みなベルトがポイントであったのだが、90年代に入ってからは「真・仮面ライダー」や「仮面ライダーZO」「仮面ライダーJ」といった、クリーチャーっぽさを前面に押し出したベルトの無いデザインのライダーが連続して登場した。たまには毛色の変わったのが出てきたほうが楽しいけれども、変身ベルトがないと、どこか寂しく感じたのもまた事実である。

そして2000年。
ついにTV媒体で「仮面ライダー」が復活した。そして変身ベルトも!!

 

「光る!回る!」がウリの変身ベルトだが、長いブランクを破って久々に登場した「仮面ライダークウガ」の「ソニックウェーブ DX変身ベルト」は、単に光って回るだけではない、すごいギミックを搭載している。
仮面ライダークウガは4タイプの違った能力を持つスタイルに「超変身」するという設定なのだが、玩具にもそれが活かされていて、ベルト中央の回転発光する光の色を、赤、青、緑、紫の4タイプに切り替える事が出来るのである。従来の変身ベルト玩具の四倍も楽しめるのだ!
しかも、「ソニックウェーブ」という名がついているだけあって、ギミックを作動させたときにはカッコイイ変身サウンドが鳴り響く!
そのうえ、その変身サウンドもタイプ毎に全部違う音が出るのだ。驚くべき凝りようである。

 

 

ソニックウェーブがうなる!

まず、電源スイッチを入れるとヴォォォォォ……ンという起動音がなる。
そして、ベルトの正面に着いている四つのスイッチのうち、好きなものを選んで押すことで、その色のフォームへの変身準備へと入る。
このスイッチが、一見スイッチらしく見えないようになっているのがイカしているところだ。

赤いスイッチを押すと、キュワアァァァァン!という音が鳴り、変身待機状態に入る。
すると、待機状態である事を示すヴォウ…ヴォウ…ヴォウ…という、いかにも気合をためていそうな音が鳴りはじめる。
さあ、変身ポーズをとって、左腰についているアクションスイッチを押そう!!
ベルト中央の円形窓が赤く回転発光(しかも点滅までする)をはじめる!!
同時に。ベルト左右の電池ボックスを兼ねたスピーカーから、ステレオでものすごいサウンドが鳴り響く!!

キュワアァァァン!キュワアァァン!キュワアァン!キュワアン!キュワン!キュワン!キュワキュワキュワ……シャキーン!!!

とんでもなくでけえ音(しかも左右からステレオ)が大迫力で迫ってくる!!
ピーとかプーとかいう電子音ではなくて、効果音をサンプリングした物を使っているのが素晴らしい。しかも、クリアーで重厚なその音は、従来の変身ベルト玩具とは比べ物にならないほどカッコイイのだ。
TVCMで「ソニックウェーブがうなる!!」と正宗一成にいわせるだけの事はある。

そして、変身が完了すると、もうアクションスイッチを押しても変身サウンドは鳴らない。
どういう事かというと、今度はそれぞれのタイプが得意とする攻撃の音が出るようになるのだ。
赤い色の「マイティフォーム」は、格闘による打撃を得意としているので、押すたびにブオォォォ…バシイイン!!という、パンチやキックの打撃音が鳴る。
変身サウンドだけでなくバトルアクションのサウンドまで楽しめるというのは、実に楽しい。変身前と変身後で機能が変わるので、いかにも「変身した!!」という気分が味わえるようになっているのだ。

それから、大型のアクションスイッチで作動するという機構も、なかなか上手いと思う。
左の腰についている大き目のスイッチをポンと押すだけでいいので、スイッチの位置をいちいち目で見て確認したりしなくても、ただ腰に手を置いて構えるだけで作動させる事が出来るのだ。
「クウガの変身ポーズは、玩具ギミックを意識しすぎててイヤだ」という意見もあるが、実は1号ライダーのポーズなどでも作動できるのである。
意識的にスイッチ操作をしなくても、自然な動作の中でスタートできる構造になっているのは、大きく評価できる。

 

 

 

他の3タイプも基本的には同じように作動する。
ただし、それぞれベルトの発光色と鳴り響くサウンドが違っているわけだ。どのサウンドも特徴的で、しかも凄い迫力だ。
変身サウンドだけでなく、変身後の攻撃サウンドも変わる。
青い色の「ドラゴンフォーム」は棒術でしばき倒す音、緑色の「ペガサスフォーム」はボウガンを発射する音、紫色の「タイタンフォーム」は剣で切りつける音が出る。
しかも、このアクションサウンドも当然ながら左右のスピーカーからステレオで迫ってくる。単に迫力があるというだけでなく、音が右から左へ、左から右へと駆けぬけるという凄まじさ。まさに「ソニックウェーブ」である。

しかも、説明書には書かれていない、秘密の能力も……。

 

 

君はもう、手に入れたか……

ギミックだけでなく、外観にもかなり細かく気を配っているのが、この商品のイカしたところだ。
一番驚いたのは、プラスチックの成形色を剥き出しにしているのではなく、全体に渋いシルバーグレーの塗装が施してある事だ。
黒い部分の塗装も、なんとつや消しのブラックになっている。
目立つ派手な色ではなく、たいへん落ち着いた色合いで、本当に美しい。

 

 

ミニチュア玩具ではなく、身につける玩具だから、子供向けとはいっても実際かなり大きなサイズだ。それにもかかわらず、全体に塗装を施してリアルな外観にするというのは、すごいことだ。そのコダワリには頭が下がる。

各所に刻まれた細かい古代文字の印刷もすごい。
また、ワンポイントで配置されているゴールドメッキのパーツがさらに高級感を醸し出している。

そのまま撮影用に使えるんじゃないかと思うくらい、リアルで渋い外観なのだ。オモチャっぽさが全くない。
着用できるサイズに制限があるのが残念なところだが、小柄な人やスマートな人なら、大人でも無改造で身につける事が出来る。

 

これだけ多くのサウンドを収録し、しかもそれら全てがカッコイイ音で、その上それが迫力あるステレオサウンドで鳴り響くなんて、あまりにも凄すぎる!今までに発売された全ての変身アイテム玩具を見渡してみても、ここまで凄いものはひとつもなかった。まさに最高の変身ベルト玩具といえるだろう。

大人のライダーファンの間では、可動フィギュア「装着変身」シリーズのほうが評判になっていたようだが、それにも決して負けていない、本当に楽しい逸品だ。数ある変身アイテム玩具のなかでも特にオススメできる名作である。
番組自体、非常に人気があったこともあり、現在では玩具店の店頭で見かけることもほとんどなくなってしまった。完全に入手不可能になってしまう前に、ぜひとも手に入れておく事をオススメする。

 

 

 

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