Q | ドグマチールという薬の特徴を教えて下さい。 |
A |
概要 不思議な薬です。神経症にも、うつ病にも、精神分裂病にも、また、内科では胃薬としても使えます。剤形には、50mg錠、100mg錠、200mg錠、そして細粒、さらに注射剤があります。ベンズアミド系の抗精神病薬です。一般名はスルピリド、製品名は、ドグマチール(藤沢)、ミラドール(三井)、アビリット(住友)などがあります。 作用と副作用 作用としては、他の抗精神病薬と同様、幻覚や妄想を軽くあるいは消失させたり、思考をまとまらせたり、気分を安定化させたり、少量では抗うつ効果があります。副作用についても、他の抗精神病薬と同様です。 特徴 特徴は、鎮静作用がほとんどないこと、副作用が軽く、飲みごこちが悪くないことがあげられます。従って、患者さんにほとんど苦痛を与えることがありません。使いやすい薬と言えます。また、効果の発現が、他の抗精神病薬よりもやや早い気がします。ただ、肥満や生理不順、乳汁分泌は、やや起こりやすい印象を持っています。乳腺炎になってしまった例を1、2例経験しています。 私の使用法 私は、興奮や不穏状態ではない精神分裂病の患者さんの治療にまず、使ってみます。私が使用する場合、1日1200mgを最初から使用し、300〜800mgで維持します。時に、1600〜2400mgまで使います。300mg以下での維持は困難なことが多いように思いますが、中には、1日量が100〜200mgの方もまれにおられます。これは、はっきりしないことですが、たとえば5年とか10年とか使っているうちに、やや維持効果が低下するのではないかという印象があります。副作用は出にくいのですが、それでも出る場合は、私はパーフェナジンに切り替えていきます。 |