TOPIC No.2-50g-1 2004/2005年度 韓国状況


海はゴミ投棄場ではない――とても深刻な海洋投棄

2005/12/30 JANJAN

 韓国人は誰も彼も魚介類を本当に好んで食べます。獲れたての新鮮な刺身も好きですが、牡蠣、さざえ、ウニ、ワカメ、カニに至るまで、海で生まれて育った動植物のほとんどを食用にします。

 そういった意味で考えると、海は私たちの食卓と言えるでしょう。朝、水揚げした魚介類はその日の午後にはテンジャン(味噌)チゲとして、刺身として、和え物として私たちの食卓に上ります。おかずと汁物の具材料が育つ海に、私たちは陸地で処理できなかったあらゆる汚物と排水後の沈殿物を今日も流し捨てています。費用が削減できるという理由で、食卓を汚染させるというとんでもないことが今もとめどなく続いています。なぜこのような嘆かわしいことが起きているのでしょうか。

 私たちが処理費用削減を理由に、海に汚染物質を投棄し始めたのは1988年からです。1年に約980万トンにも達する汚染物質を東海(日本名:日本海)と西海(黄海)に、時には南海(朝鮮半島南岸の近海)にも捨てています。廃棄物の種類は主に生活下水の沈殿物、焼却場の有毒性のヘドロ、人間と動物の糞尿、畜産排水、汚染された浚渫土(※)など多種多様で、大部分が重金属などでひどく汚染された物質です。

(※)浚渫土:海底・河床などの土砂を、水深を深くするために掘削した土

 これらの収集されたゴミが運び込まれる集積所が馬山港内にもあります。廃棄物でいっぱいになった古びた廃船を目の当たりにするとその深刻さが感じられ、その周辺は鼻をつくとてもひどい悪臭と、病気にかかったクラゲの群れがぷかぷかと白く浮んでいる奇妙な現象を見せています。

 このように捨てられた廃棄物はそれほど長い時間を経ず、再び私たちの体内に入ってきます。日本海の深く青い海で育ったズワイガニが汚染されていたという知らせもあり、大型動物であるクジラの体内からも水銀をはじめとした重金属が検出されました。海に捨てられるヘドロの汚染度は想像を絶する程で、カドミウムが最大101ppm、クロムは4,186ppmも検出されました。

 汚染されたヘドロが捨てられた海域で採取された海産物が無事なはずはありません。発ガン性物質であるカドミウムの場合、貝類の食品基準値が2ppmであるのに対し、巻貝は20.7ppmで基準値の10倍を超え、一般的にズワイガニと呼ばれるカニからは6.4ppmが検出され、基準値の3倍を超えたそうです。

 しかし海洋水産部は海洋投棄地域の汚染の実態について、調査結果の詳細を公表していません。環境部(2003)によると、全国で発生した下水汚泥の73.3%が海洋に投棄されており、大邱、仁川、光州、大田、蔚山の5つの広域市と全羅北道は発生量をすべて海に捨てていることが明らかになりました。

 ロンドン協約事務局は韓国とフィリピン、そして日本が海洋投棄をしていると指摘しています。実際、日本の場合は海洋投棄比率が0.2%に過ぎませんが、韓国は海洋投棄比率が70%を超える、最悪の海洋投棄国家であることになります。担当部署である海洋水産部は海洋投棄を漸進的に減らしていくと表明していますが、実際の投棄量は増加傾向にあり、環境部は「高みの見物」とばかりに眺めているだけです。廃棄物を出さないために努力すべき自治団体が心配し、並べ立てているのは、費用のことばかりです。

 海産物が韓国の食生活を占める比重はとても大きいにも関わらず、海産物の安全に対しては政府を信頼することが本当に難しい状況です。海洋投棄と臨海公団の汚染行為など、汚染源に対する全面的な調査と海産物安全制度導入を通じて、国民が恐怖に怯えることなく、海産物を安全に口にすることができるように食品安全ネットワークを早急に確保しなければなりません。

 魚も貝も、カニに至るまで深く青い海に棲む生き物たちの無事が守られなければ、私たちが子孫に残してやれるものは、元の姿に回復するための計り知れない負い目と不幸な未来だけです。

 海が病めば人間も病み、海が傷つけば私たちも傷つくことになります。海はまぎれもなく私たちの食卓なのです。(ユン・ミスク)(ENVIROASIA)

シルミド部隊員に34年ぶり「死亡通知書」 韓国

2005/11/04 The Sankei Shimbun

 北朝鮮の故金日成主席暗殺などを目的に韓国が1960年代末に極秘創設したものの、71年に反乱事件を起こして死亡した「実尾島(シルミド)部隊」の部隊員の遺族に対し、韓国国防省が最近になって「死亡確認通知書」を送っていたことが4日分かった。聯合ニュースが伝えた。

 事件は国家機密として長く闇に葬られてきたが、事件を題材にした映画が大ヒットし、真相解明を求める声が高まっていた。同省は現在、事件経緯などを調査中で、部隊員の死亡から34年ぶりの公式通知となった。

 当時、部隊員は31人が集められたが、今回通知書が送られたのは21人の遺族。通知書には「68年5月1日に空軍の募集を受け、特殊任務遂行のため訓練を受けている最中、71年8月23日に死亡したことを確認、通知する」と記されていた。残る10人の部隊員については、まだ遺族が確認されていないという。

 部隊は68年1月、当時の朴正熙大統領暗殺を狙って北朝鮮ゲリラ31人が青瓦台(大統領官邸)近くまで侵入した事件への報復として朴政権が同じ人数で創設。韓国北西の孤島、実尾島で過酷な訓練を施したが、南北融和ムードが高まったため派遣されず、71年8月に反乱事件を起こして全員が死亡したとされている。(共同)

北朝鮮、履物6000万足要求 韓国に鉱物と交換提案 2005/10/29 The Sankei Shimbun

 韓国紙、朝鮮日報は29日、北朝鮮が28日に開城で行われた第11回南北経済協力推進委員会で履物6000万足、せっけん2万トン、衣類3万トンの提供を韓国側に要求したと報じた。

 同紙は、北朝鮮がこうした物資と北朝鮮の鉱物との交換を提案したが、経済的な採算性は不透明だと指摘。北朝鮮が要求した量は、北朝鮮の住民1人当たり履物2・5足、せっけん9個、洋服1着程度に当たるという。

 第11回南北経済協力推進委員会は合意文を発表できず、共同報道文だけを発表し終了した。(共同)

黄元書記らも盗聴対象 金大中政権下で情報機関

2005/10/26 The Sankei Shimbun

 韓国の情報機関、国家情報院による不法盗聴事件をめぐり、金大中(キム・デジュン)政権期の2000年4月―01年11月までの間、同院が当時の与党幹部や1997年に北朝鮮から亡命した黄長●(ファン・ジャンヨプ)・元朝鮮労働党書記らを対象に不法な盗聴を繰り返していたことが韓国検察当局の調べで分かった。聯合ニュースなどが26日伝えた。

 10月に逮捕した元同院次長、金銀星(キム・ウンソン)容疑者の供述などから判明。検察当局はまた、当時の同院院長だった林東源(イム・ドンウォン)、辛建(シン・ゴン)の両氏についても「共犯」だったと指摘。軍事政権下で絶大な権勢を誇った情報機関が金政権下でも盗聴行為を繰り返していたことで波紋が広がっている。

 検察によると、金容疑者は同院次長当時の01年、黄元書記の訪米問題が浮上すると、黄元書記に対する盗聴を実施。政界の動向把握も盛んに行っていたほか、車両搭載型の携帯電話盗聴器を開発、盗聴を繰り返していたという。(共同)●=火ヘンに華

捕虜、拉致被害者21人生存 北朝鮮、韓国に回答

2005/10/25 The Sankei Shimbun

 韓国の通信社、聯合ニュースは25日、北朝鮮に拉致された韓国人被害者や朝鮮戦争時に北朝鮮の捕虜となった元韓国軍兵士のうち21人の生存が確認されたと報じた。韓国側の確認要請に対して北朝鮮側から連絡があったという。

 韓国統一省当局者によると、韓国が安否確認を要請した拉致被害者51人と捕虜52人のうち、北朝鮮側から同日までに拉致被害者11人と捕虜10人は生存しているとの回答があった。また拉致被害者10人と捕虜6人は死亡、これ以外は確認が不可能と説明したという。

 韓国人拉致被害者は拿捕(だほ)された漁船の乗組員などが多く合計で500人近くに上るとみられる。統一省当局者は他の拉致被害者についても今後、北朝鮮側に安否確認を働きかけていくと述べた。(共同)

ソウル市長、トップに躍進 韓国の次期大統領候補

2005/10/16 The Sankei Shimbun

 16日発売の韓国の週刊誌「時事ジャーナル」によると、各界の専門家1000人を対象とした「次期大統領にふさわしい人物」の調査で、野党ハンナラ党所属の李明博(イ・ミョンバク)ソウル市長が27.9%で一位となり、各種世論調査でトップを維持してきた高建(コ・ゴン)前首相を追い抜いた。

 次期大統領選は2007年末の予定。高前首相は19.3%で李市長と8.6ポイント差。3位は鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相、金槿泰(キム・グンテ)保健福祉相がともに6.4%、続いてハンナラ党の朴槿恵(パク・クンヘ)代表が6.1%だった。

 李市長は現代建設の社員から社長、会長まで上りつめ、国会議員を経て2002年4月から現職。(共同)

韓国:済州島が「独立」へ 政府、国際都市目指す

2005年10月16日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE 東京朝刊

 【ソウル堀信一郎】韓国・済州島を香港、シンガポールのような国際観光、貿易都市にしよう−−。

 韓国政府は14日、済州特別自治基本計画案を確定した。外交、安保分野を除いて済州島に大幅な自治権を認めるという内容。11月の通常国会に提案し、来年7月から済州島は特別自治権を与えられる。

 基本計画によると、済州島は、自治警察、教育自治制度を導入する。特別自治税も新設し、韓国政府が行っている約350の業務を特別行政機関に移管するという。

 また、外国人観光客への査証(ビザ)免除を大幅に拡大し、観光客を呼び込む計画だ。

韓国、増える北支援 米との亀裂、鮮明に

平成17(2005)年10月10日 The Sankei Shimbun

 対北朝鮮外交でかろうじて「協調」を保っていた米韓関係の亀裂が目立ってきた。六カ国協議の米代表ヒル国務次官補が非公開セミナーで、韓国の北寄り姿勢に強い不快感を示したのをはじめ、米国は北朝鮮が世界食糧計画(WFP)の来年以降の人道的支援を拒否したことでも、「韓国の増加し続ける直接支援が“抜け道”になっている」と疑惑の目を向けている。韓国政府はこうした批判に神経をとがらせているが、「米国」対「南北」の構図が見え始めている。

 増え続ける韓国の対北支援に対して、米国の警戒の目は厳しさを増している。北朝鮮は九月下旬、崔守憲外務次官が国連アナン事務総長に人道支援打ち切りと職員の引き揚げを要求したが、米国からは「韓国の監視なしの食糧供給のせいだ」「南北の共謀だ」との非難さえ出た。

 韓国の今年の直接支援はコメ五十万トン、肥料三十五万トンで一兆ウォン(約一千億円)超。民間支援は薬品から農機具まで六千万ドル(約六十六億円)で、盧武鉉政権の二年半で二兆三千五百億ウォン(約二千三百五十億円)、これは金大中前政権の一兆二千六百億ウォン(約千二百六十億円)をはるかにしのぐ。

 最近は、朝鮮労働党創建六十周年(十日)の芸術公演「アリラン」に韓国から約一万人が訪朝。北朝鮮に落とす外貨収入は一千万ドル(約十一億円)が見込まれるなど、有形無形の支援は拡大の一途だ。

 韓国統一省は「同胞への当然の支援であり国際支援とは立場が違う。また北朝鮮が人道支援を断ったのは緊急支援の時代は終わったからで、いまは開発支援を希望しているのだ。韓国は農業や畜産など技術支援を行う」と主張している。

 韓国側がこうした対北支援に傾くなか、六カ国協議で米首席代表を務めるヒル国務次官補がセミナーで「韓国は米国にとりあまり助けにならなかった」と述べ、韓国の北寄り姿勢を批判していたことは、韓国内でも大きく報じられた。韓国政府は事実関係を否定したものの、外交当局には米国の厳しい空気を認める官僚も少なくなく、米韓のきしみは顕在化してきた。

 韓国では、九月中旬の六カ国協議で共同声明を「韓国の外交的勝利」「朝鮮半島の歴史的転換点」などと評価した。合意は軽水炉問題はじめ実際には核廃棄の道筋さえみえていない。だが韓国では「北が核廃棄を宣言した」との点を重視し、「(合意は)五十五兆ウォン(約五兆五千億円)の経済効果」などと祝賀ムードさえ見られた。

 こうした楽観一色の韓国に米国はいらだちを隠さなくなったわけだ。厳しい指摘や批判を前に、韓国では「米朝対立より米韓関係が心配」などの声もきかれる。

 韓国の文正仁・延世大教授(政治学)は、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に「非難は見当違いである。韓国の食糧支援は南北関係改善、軍事的緊張緩和、同胞の救済という複雑かつ困難な努力の一部だ」と、米側に反論している。(ソウル 久保田るり子)

現代峨山、金副会長を解任 金剛山観光に影響も

2005/10/05 The Sankei Shimbun

 北朝鮮の金剛山観光事業を行っている韓国企業の現代峨山は5日の臨時理事会で、同事業をめぐって多額の資金を不正流用したなどとして対北朝鮮事業の窓口役だった金潤圭(キム・ユンギュ)副会長の解任を決めた。

 同社は既に金氏の代表権をはく奪していたが、これに北朝鮮側が反発。金剛山観光の受け入れ人数削減などを同社側に通告しており、金氏の解任により北朝鮮側が態度を硬化させ、事業推進に影響が出る可能性もある。

 同社によると、理事会は解任理由について「南北経済協力事業を遂行する過程で、各種の不正と職権乱用、独断的な業務処理を行い、会社と事業のイメージを失墜させ、会社に深刻な損害を与えた」とした。

 金氏の不正をめぐっては韓国政府の南北協力基金も流用されたとの疑いがあり、政府が調査中。流用が事実なら事業への政府支援も見直しを迫られる恐れがある。(共同)

コンサート会場で11人圧死、70人以上重軽傷…韓国

2005年10月03日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=平野真一】韓国中部・慶尚北道(キョンサンプクト)尚州(サンジュ)市の市民運動場で3日午後5時40分(日本時間同)ごろ、テレビ局主催の歌謡コンサートを見るため詰めかけた観客が押し合いとなり、老人や子どもを中心に11人が圧死、70人以上が重軽傷を負った。

 開門と同時に観客が先を争って入場しようとし、倒れた人を踏みつけたと見られる。事故の起きた門の周辺には約5000人が集まっていたという。

 韓国はこの日、建国記念日に当たる「開天節」の祝日で、各地で行事が開かれていた。

北朝鮮、アリラン公演で外貨獲得 韓国からは1万人

2005/09/27 The Sankei Shimbun

 北朝鮮が10月の朝鮮労働党創建60周年などを記念して8月から開演したマスゲームと芸術公演「アリラン」の観覧を軸に、中国を中心とした観光客の誘致を本格化させている。10月17日の終演を控え、外貨獲得に拍車を掛けようとしているとみられる。韓国からも人道支援などで関係の深い市民団体の関係者ら約1万人が訪朝する予定という。

 北京の北朝鮮大使館関係者によると、週2便の平壌―北京間の航空路線を9月28日から週5便に一時増便、中国のマスコミ関係者計1000人を対象に往復航空券を無料とするツアーを企画した。

 「アリラン」の入場料は韓国人向けには60―300ドルで、訪朝費用(1泊2日)は1人平均計約1000ドル(約11万円)。訪朝する市民団体は20以上に上り、平壌の工場や史跡発掘調査現場などの視察が主目的だが、短期間での訪朝団としては過去最大規模という。

 北朝鮮は、北京在住の韓国人を含む一部外国人にも「アリラン」観光を呼び掛けており、北京の日本人向けミニコミ誌にも広告が掲載された。(共同)

離散家族再会、11月5日に 北朝鮮・金剛山で

2005/09/23 The Sankei Shimbun

 韓国統一省は23日、12回南北離散家族再会を11月5−10日に北朝鮮の金剛山で行うことを明らかにした。

 南北は9月16日に11月の再会事業開催で合意。10月から南北の担当者が実務接触を行い、参加予定者名簿の交換と生死確認などを経て、南北各100人が再会する予定。(共同)

朝鮮半島和平に積極努力 南北会談で6項目合意

2005/09/16 The Sankei Shimbun

 平壌での韓国と北朝鮮の第16回閣僚級会談は16日、朝鮮半島の平和を保障するため努力し、軍事的緊張緩和への実践的な方法を模索するなど計6項目の合意を盛り込んだ共同報道文を発表、閉幕した。

 韓国同行記者団によると、共同報道文はこのほか、韓国側が求めた国防相会談など軍事会談について「軍事当局者会談が開催されねばならないとの認識で一致した」と明記。離散家族再会を11月に行い、朝鮮戦争時に行方不明となった人々の生死確認作業に向けた協議を続けるとした。

 また、開城工業団地や対北朝鮮投資など南北経済協力・交流拡大に向けた措置を引き続き取ることも盛り込まれた。

 次回会談は12月13―16日に韓国南部・済州島で開かれる。

 14日に本格協議入りした会談は、北朝鮮側が米韓合同軍事訓練中止や国家保安法廃止を一貫して主張、強硬姿勢を崩さなかったが、最終的には意見の調整がついた。韓国首席代表の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相ら代表団は16日午後、空路、平壌からソウルに戻る予定。(共同)

韓国の連立協議が決裂 朴代表、大統領要請を拒否

2005/09/08 The Sankei Shimbun

 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は7日、青瓦台(大統領官邸)で野党第一党、ハンナラ党の朴槿恵(パク・クンヘ)代表と会談、連立政権への参加を正式に要請した。朴代表は拒否し、連立政権樹立に向けた協議は決裂した。青瓦台と同党が同日、共同発表した。

 また、大統領は韓国の悪弊とされる「地域主義」を解消するために選挙制度改正が必要だとして協力を求めたが、朴代表はこれも拒否。両者の間の溝は埋まらず、具体的な合意はなかった。

 少数与党による政権運営に苦しむ大統領は、大統領弾劾や国家保安法廃止などで激しく対立してきた同党と対話を促進することで、国政の行き詰まりを解消しようとしたが、思惑は外れた。

 会談で大統領は経済活性化など重要政策を推進するために連立政権が必要と主張し、首相職をハンナラ党に譲り渡す考えを示した。しかし、朴代表は「権力は国民が付与するもので、誰かが分けることができるものではない。野党には野党の仕事がある」と述べ、拒否の立場を強調した。

 双方は国政全般にわたり議論。朴代表が政権運営や経済政策に注文を付けたのに対し、大統領が反論する場面もあった。大統領は野党の意見を取り入れる考えも示し、譲歩の余地を残した。

 会談には大統領側から李炳浣(イ・ビョンワン)・大統領秘書室長ら、ハンナラ党側からは孟亨奎(メン・ヒョンギ)・政策委員長らが同席した。(共同)

揺れる金剛山観光 北朝鮮、韓国企業人事に不満?

2005/09/07 The Sankei Shimbun東京朝刊から

 【ソウル=久保田るり子】韓国の現代グループが推進する北朝鮮・金剛山観光が揺れている。これまで1日約1000人だった観光客を9月から600人に減らすと北朝鮮が一方的に通告してきたが、その理由が同事業の責任者で先ごろ、不祥事で引責引退した現代の幹部人事だったため、「北朝鮮は人事にまで干渉するのか」と、韓国側をうんざりさせている。

 不正が発覚したのは90年代から対北事業を進めてきた現代峨山の金潤圭副会長で、8月下旬に取締役を解かれた。この直後、北朝鮮側は金氏の人事を不満として観光客数削減を通告してきた。北側は日帰りツアーや1泊2日も認めず、2泊3日のみとしたため、秋の観光シーズンを前に韓国側の旅行代理店には問い合わせや抗議が殺到。予約取り消しや払い戻しで混乱状態だ。

 金剛山事業は創業者の鄭周永・現代グループ名誉会長が推進し、五男の鄭夢憲・現代峨山会長が引き継いだが、鄭夢憲氏は2年前、金大中前政権の対北秘密送金事件公判中に謎の自殺を遂げた。現在は未亡人、玄貞恩会長が後を継いでいる。

 観光客削減通告後、先月30日に玄会長は金剛山に建設する南北離散家族面会所の着工式に参加したが、北側は入国審査でハンドバッグまで開けたり、着工式で会長席を低い位置に置くなど露骨な冷遇ぶりをみせた。

 こうした北の態度に韓国メディアは「北朝鮮は私企業の人事にまで干渉しようとする今回の措置をすぐ撤回し、現代峨山と被害を受けた南側観光客に謝罪しなければならない」(中央日報社説)などと批判している。

 玄会長は7月に訪朝し金正日総書記と会談、開城と景勝地、白頭山観光の独占観光権について金総書記からの“お墨付き”を得た。先月からテストツアーを始めたばかりとあって、嫌がらせにも沈黙している。韓国政府も北朝鮮に抗議などはせず低姿勢が目立つ。こんな韓国側の対応が北朝鮮側の高飛車な態度をさらに助長しているようだ。

中韓は直接援助停止を 北朝鮮食糧支援で米NGO

2005/09/02 The Sankei Shimbun

 米国の非政府組織(NGO)「北朝鮮の人権に関する米国委員会」は1日、北朝鮮への食糧支援に関する報告書を公表し、モニタリング強化や透明性確保の観点から、最大の援助国である中国と韓国に対して、現在の2国間直接援助を世界食糧計画(WFP)を通じた支援に切り替えるよう提言した。

 報告書は、北朝鮮が食糧支援を悪用し、本来の援助対象者の半分以下にしか食糧が行き渡っていないと指摘。北朝鮮が国外から入ってくる食糧の約10%分に対してしか対価を払っておらず、食糧支援で浮いた経費を軍事費などに転用していると批判した。

 また食糧支援がエリート層に渡ることを防ぐため、モニタリングへの制限などを撤廃するよう北朝鮮当局に要求した。(共同)

「世界初」のデジタル国会 全議席にPC設置 韓国

2005/09/01 The Sankei Shimbun

 韓国の通常国会が1日開会し、新たにすべての議員席にコンピューター端末が設置された本会議場での“デジタル国会”が始まった。インターネット普及率が高い情報技術(IT)大国の「象徴的事業」と位置付けるとともに議事進行の迅速化を図るのが狙いだ。

 国会事務局によると、他国では地方議会で同様のシステムがあるが、国会では例がないという。

 これまで各議員に配布していた資料をオンライン化、議決の投票もコンピューターで行う。大統領弾劾決議案や予算案など重要議案で、長期化しがちな会議を少しでもスムーズに進める助けになるよう期待されている。

 議長席や各議員席、閣僚席に設置されたコンピューター端末は、必要のない時は机の中に収納できる。開会日の1日には、議長の冒頭発言中にも、議員が国会職員に使用方法などを問い合わせたり、熱心に画面に見入る姿が見られた。

 議場は8月中旬にデジタル化工事を終了、南北共同行事で訪問した北朝鮮代表団も視察した。(共同)

韓国第3の航空会社就航 低価格運賃が売り

2005/08/31 The Sankei Shimbun

 韓国で3番目の民間航空会社となる韓星航空が31日、同国中部の清州と南部の済州島を結ぶ路線に初就航した。低価格運賃を売り物とし、年内にソウル―済州島路線も就航、将来は中国などへの国際線にも乗り出す意向という。

 韓星航空は清州―済州島路線にプロペラ旅客機ATR72を導入。当面は同路線を1日2往復する。韓国では、済州島に本社を置く済州エアーも来年6月に就航する予定だ。(共同)

金剛山観光の受け入れ半減 北朝鮮、韓国側に通告

2005/08/29 The Sankei Shimbun

 北朝鮮の金剛山観光を推進している韓国の現代峨山は29日、北朝鮮が金剛山観光の受け入れ人数を9月からこれまでの半分程度の1日当たり600人にすると先週末に通告してきたことを明らかにした。

 現代峨山は、北朝鮮との窓口の役割を果たしてきた同社の金潤圭副会長が最近、同社の代表権をはく奪されたことが理由とみられるとしている。

 現代峨山にとっては秋の観光シーズンを迎えるだけに半減通告は打撃で、同社が推進している開城工業団地開発にも影響が出るのではないかと憂慮する声も出始めている。

 金氏は現代グループの故鄭周永名誉会長、故鄭夢憲会長の側近として、金剛山観光など対北朝鮮事業を事実上取り仕切り、北朝鮮側からも厚い信頼を得ていた。

 しかし社内監査で不正が発覚し、鄭夢憲会長の妻だった玄貞恩現代グループ会長との確執が表面化。金氏は副会長職は維持したが、代表権はなくなった。(共同)

韓国人拉致問題で対立 南北赤十字会談

2005/08/26 The Sankei Shimbun

 韓国と北朝鮮の第6回南北赤十字会談は最終日の25日、朝鮮戦争の行方不明者の生死確認をめぐり、北朝鮮による韓国人拉致被害者も対象に含めたい韓国と、朝鮮戦争当時に対象を限定する考えの北朝鮮が対立、調整が続いた。聯合ニュースが伝えた。

 同会談は北朝鮮の金剛山で開催。韓国側は「拉致被害者の問題では合意できない」と述べた。南北友好ムードが高まる中で、韓国人拉致被害者に対する北朝鮮の対応が注目されていたが、北朝鮮側が韓国側の要求をはねつけた形となりそうだ。

 韓国側代表団の説明によると、韓国側は朝鮮戦争時の捕虜と同戦争後に拉致された韓国人被害者の問題を一括して扱うよう要求。これに対し、北朝鮮側は朝鮮戦争当時の捕虜に限定するべきだと主張したという。

 双方は離散家族再会事業については年間に数回行うことで一致した。(共同)

北朝鮮代表団と会見 韓国大統領

2005/08/17 The Sankei Shimbun

 韓国の盧武鉉大統領は17日、解放60周年を記念する南北共同行事への参加のため訪韓している北朝鮮代表団と会見した。

 青瓦台(大統領官邸)を訪問したのは北朝鮮の金己男・祖国平和統一委員会副委員長(朝鮮労働党書記)や林東玉・党統一戦線部第一副部長らで、韓国側は鄭東泳・統一相、権鎮鎬・青瓦台国家安保補佐官らが同席。

 韓国政府は、金己男副委員長は金正日書記の特使ではないとしているが、北朝鮮側が金総書記のメッセージなどを伝えたかどうか、北朝鮮の核問題についてどう意見交換するかなどが注目されている。(共同)

黄海の衝突防止で直通電話 南北軍当局

2005/08/10 The Sankei Shimbun

 韓国国防省によると、黄海での偶発的衝突の防止などを目的とした韓国と北朝鮮の軍当局間の直通電話が10日、設置され、試験通話に成功した。13日から本格稼働し、黄海上での不法操業漁船の情報などを交換する。

 今回の直通電話は7月下旬の南北軍事実務協議で設置に合意。韓国側は通信連絡所に海軍と陸軍の担当官らを置き、黄海上のほか南北を結ぶ鉄道・道路周辺で緊急事態が発生した場合などの連絡にも使用する意向だ。(共同)

南北で光ケーブル初連結 離散家族の映像再会に利用

2005/07/18 The Sankei Shimbun

 韓国通信最大手KT(旧韓国通信)は18日、韓国の京畿道坡州市●山と北朝鮮の開城を光ケーブルで連結したと発表した。南北間で光ケーブルが連結されるのは初めて。

 KTは今回連結された光ケーブルの通信容量のうち4分の1は南北の離散家族の映像を通じた再会に、残りの4分の3は開城工業団地との通信回線として利用されるとしている。

 KTは30日までに光ケーブルをソウルと平壌へ延長する予定。南北当局は8月15日前後にテストケースとして南北それぞれ20組、計40組の離散家族再会を計画している。(共同)●=さんずいに文

韓国、北へコメ50万トン支援で調整

2005年07月11日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=中村勇一郎】韓国と北朝鮮が9日からソウルで開いている南北経済協力推進委員会第10回会議は11日、韓国から北朝鮮へのコメ支援実施などについて協議した。

 韓国は近年より10万トン多い50万トンを借款方式で実施する方向で、合意文書採択に向けた最終調整を進めている。

韓国、北朝鮮に肥料15万トン 追加支援を決定

2005/06/27 The Sankei Shimbun

 韓国統一省は27日、先の北朝鮮の要請に応じ、肥料15万トンの追加支援を決定、南部の麗水港から28日、北朝鮮に向け輸送を開始すると明らかにした。

 北朝鮮は今年1月に50万トンの支援を要請。5月の南北次官級協議での合意により、これまでに20万トンの支援を終了した。北朝鮮は今月18日に追加支援を求めてきた。

 統一省は「北(北朝鮮)の住民の食糧難を緩和させる人道的、同胞愛的側面から決定した」と説明。28日は麗水港から5000トンを北朝鮮・南浦港に向け輸送する予定。(共同)

北朝鮮が韓国に肥料追加支援要請

2005/06/20 The Sankei Shimbun

 韓国の統一省は20日、北朝鮮の朝鮮赤十字会が18日に板門店を通じ韓国の大韓赤十字社へ肥料15万トンの支援を要請してきたと明らかにした。21日からソウルで開催予定の南北閣僚級会談でこの問題が協議されるとみられる。

 北朝鮮は今年1月に韓国に肥料50万トンの支援を要請。韓国側は5月の南北次官級会談で20万トンの支援を決め、今月19日に輸送の最後の船が出航している。

 南北関係は訪朝した鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相が17日に金正日総書記と会談し、交流や協力が活性化するとみられている。(共同)

韓国代表団、閣僚級団長ら20人訪朝へ 南北共同宣言5周年式典

2005/05/28 The Sankei Shimbun

 韓国統一省によると、韓国と北朝鮮は28日、平壌で6月15日に開催される南北共同宣言5周年記念式典に参加する韓国政府代表団を閣僚級の団長ら20人とし、これ以外に記者や支援要員50人を随行させることなどで合意した。

 24日から北朝鮮の開城で続いていた南北協議で合意。代表団は6月14日から17日まで訪朝し、民間主催で行われる記念行事に参加するほか「6・15南北当局合同行事」として南北双方の当局が主催する行事を行うことも決まった。

 韓国代表団は専用機で平壌入りする予定。団長は鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相が確実視されており、鄭統一相が初めての平壌訪問中に接触する北朝鮮側高官の顔触れなどにも注目が集まりそうだ。(共同)

高校生が大規模集会を準備 韓国、大学入試制度改革に反発

2005/05/07 The Sankei Shimbun

 韓国で大学入試制度見直しに反発する高校生がソウルなどで7日に大規模な抗議集会を開くため準備を進め、教育当局などは沈静化に躍起となっている。集会への参加を求める訴えは携帯メールを通じて広がり、金振杓副首相兼教育人的資源相は6日、記者会見で生徒らに自制を求めた。

 きっかけは政府が2008年の大学入試から高校の内申書を重視するとの方針を最近、決めたこと。激しい受験競争や塾通いなどを緩和し、学校教育中心に移行させることが狙いだ。

 しかし高校生や父母らは、学校内での競争がむしろ激化し学生の負担も増すなどと大反発。学校の成績を苦にしたとみられる高校生の自殺も起き、抗議の声が広がった。

 「20万人が集まれば(新制度は)廃止される」とするメールもあり、地方でも集会呼び掛けの動きが広がっている。当局は集会阻止のため、参加希望の高校生らへの説得に当たる一方、7日は非常態勢を取って集会が予定されている場所などに職員を派遣する。(共同)

ソウル中心に謎の地下室 大統領の避難用か

2005/05/06 The Sankei Shimbun

 韓国の国会議事堂があるソウル市の汝矣島地区で6日までに、広さ約600平方メートルの地下室が発見された。公式記録にない「秘密の地下室」で、関係者らは朴正煕元大統領時代に有事の避難施設として造られたのではないかと推測している。

 ソウル市がバスターミナル建設に伴い土地調査を進める過程で発見した。コンクリートで固められた室内はVIP用とみられる高級ソファやトイレ、シャワーも完備しているが、最近使用された様子はなかった。3カ所の入り口はすべて封鎖されていた。

 地下室については同市や国防省にも「記録がない」という。関係者らによると、南北対立が激しかった1970年代初めから約10年間、汝矣島地区では「国軍の日」式典が毎年開催されており、北朝鮮の攻撃やクーデターなどの突発事態に備えて、要人を退避させるため設けた秘密施設の可能性があるという。

 ソウル市はバスターミナルの関連施設を造るスペースの不足に悩んでいた矢先だっただけに、「地下室は売店やトイレなど関連施設に活用したい」考えだ。(共同)

「北」人権に韓国弱腰 国連決議を棄権、擁護も

2005/05/05 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮の深刻な人権問題に対する韓国政府の消極的な態度に、内外から批判が高まっている。韓国政府は、先の国連人権委員会で北朝鮮批判の決議案に棄権したほか、韓国の市民団体の中にはこの決議案に際し、逆に“北朝鮮擁護”の動きに回る場面もあり国際社会の顰蹙(ひんしゅく)を買ったという。

 いずれも北朝鮮の独裁体制には目をつぶり「北を刺激してはいけない」「非難より支援を」という近年の韓国政府の対北融和策を反映したものだが、日米、欧州をはじめ国際社会では、北朝鮮の人権抑圧に対し関心と批判の動きが活発化しており、韓国の“孤立化”が目立つ。

 ジュネーブの国連人権委員会(4月)での決議案棄権は、一昨年、昨年に続くものだが、韓国のNGO(非政府組織)「市民とともにする弁護士」の代表が韓国紙に寄せたその報告によると「(北の人権問題に対する)国際社会の雰囲気は想像以上で、北朝鮮はもちろん、韓国に対しても非友好的な雰囲気が国連周辺で広範囲に広がっている」(4月27日付の東亜日報)という。

 報告によると、人権委員会では北朝鮮における公開処刑のビデオが紹介された際、参加者の間から「こうした事態を止めさせるため韓国政府はなぜ軍事力を使わないのか」といった声まで出ていたという。

 一方、多くの脱北者の証言を基に決議案に盛り込まれた「北朝鮮の監獄や収容所での乳幼児殺害」の部分は、「動かぬ証拠を示せ」という韓国の一部NGOの強い反対で削除される場面もあったという。

 報告によると、国連人権委員会では北朝鮮の人権問題の前に、韓国政府は北朝鮮と歩調を合わせ「第2次大戦中の日本の人権蹂躙(じゅうりん)を強く批判」したとし、「日本の過去を非難しながら現在の北朝鮮で進行している深刻な人権蹂躙に沈黙するのは矛盾だ」と厳しく指摘している。

 これについて韓国政府は、「棄権はしたが決議採択に際し、北朝鮮の人権状況を批判する演説をしている」(潘基文外交通商相)というが、冷淡さは免れない。

韓国4月輸出7.7%増 輸出増加率は鈍化傾向

2005/05/01 The Sankei Shimbun

 韓国の聯合ニュースによると、産業資源省は1日、4月の貿易収支(通関ベース、暫定値)を発表、輸出が昨年同月比7.7%増の231億5000万ドル、輸入は同12.5%増の211億9000万ドルで19億6000万ドルの黒字を記録した。

 前年同月比の輸出増加率は2003年3月以来、鈍化傾向で、3月の14.2%から4月は7.7%へと1けたとなった。貿易収支の黒字幅も前年同月の26億5000万ドルより6億9000万ドル減少した。

 同省は昨年4月の輸出増加率が36.7%と高かったため、輸出増加率が鈍化した面もあると指摘した。(共同)

平壌で「6・15統一大祝典」 韓国と北朝鮮の市民団体

2005/04/30 The Sankei Shimbun

 韓国と北朝鮮の市民団体は30日、「6・15南北共同宣言発表5周年記念民族統一大祝典」(略称は6・15統一大祝典)を6月14日から同17日まで平壌で開催することで合意したとソウルと平壌で発表した。

 南北と海外同胞代表が4月26日から28日まで北朝鮮の金剛山で実務協議を行い、その結果を共同で発表した。

 南北の代表はそれぞれ615人、海外同胞代表が200人から300人の計1500人規模で、これまでの南北の民間団体が共同で行う行事としては最大規模になるとみられる。韓国の代表団は直行便で韓国から平壌入りする。

 祝典期間中には「民族統一大会」のほか、写真展示会、芸術公演、スポーツ競技、各階層別の集会などが開催される。(共同)

南北国会会談を提案 韓国、北朝鮮の議長に親書伝達

2005/04/04 The Sankei Shimbun

 韓国の聯合ニュースによると、マニラで開催中の列国議会同盟(IPU)総会に出席中の韓国議員団は4日、北朝鮮の最高人民会議(国会に相当)の崔泰福議長に南北国会会談の開催を正式に提案した。

 韓国の与党ウリ党の柳在乾議員団長ら超党派の議員が、国会議員会談と交流活発化を呼び掛ける金元基国会議長の親書を崔議長に手渡した。

 親書で金議長は「平壌訪問を望んでいる」とし、崔議長の韓国訪問も「いつでも歓迎する」と明記。柳団長によると、崔議長は「とても良いことだ」「早速、返答する」と述べたという。(共同)

サムスン電子、社員平均年俸7130万ウォン

2005/04/01 朝鮮日報 趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者 rcho@chosun.com 金起弘(キム・ギホン)記者 arma90@chosun.com

 昨年、韓国大手企業のうち、職員の平均給料がもっとも多かった企業はサムスン電子で、平均年俸が7130万ウォンに達した。

 サムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が代表取締役会長を務めているサムスン電子は、登記理事の平均年俸でも89億7500万ウォンで1位となり、最高給企業であることを立証した。

 これは本紙が、時価総額上位20社(3月決算法人除外)が31日に告示した事業報告書を分析した結果分明らかになった。サムスン電子は社員の平均賃金で1位となった。

 昨年10兆7000億ウォンを超える純益が高い賃金の背景となった。サムスン電子社員の平均賃金は03年に比べ46%も増加した。男性社員の平均年俸は7990万ウォンに達している。

 社員年俸ランキング2位は、原油価格の上昇で業績を伸ばしたS-OIL(6590万ウォン)、次にSK(株)(6430万ウォン)、新韓(シンハン)銀行(6400万ウォン)、SKテレコム(5930万ウォン)の順となっている。

胡主席、年内の訪朝決定か 韓国紙報道

2005/03/23 The Sankei Shimbun

 韓国の有力紙、朝鮮日報は23日、中国高官の話として、胡錦涛・中国国家主席が年内に北朝鮮を訪問すると報じた。

 同高官は北朝鮮の核問題解決に向けた6カ国協議が再開できない場合でも「訪問には影響を与えない」と述べた。

 実現すれば、中国最高指導者の訪朝としては、2001年9月の江沢民国家主席(当時)以来となる。(共同)

韓国04年成長率は4・6% 韓国銀行が下方修正

2005/03/22 The Sankei Shimbun

 韓国銀行(中央銀行)が22日発表した韓国の2004年の国内総生産(GDP)成長率の暫定値は前年比4・6%だった。昨年末に発表した推定値から0・1ポイント下方修正した。

 この結果、韓国政府の昨年の目標成長率5%を下回る実績となった。昨年10−12月期の前年同期比成長率は3・3%。

 同銀行は、輸出や設備投資は増加したが、個人消費の低迷や建設投資が鈍化したため目標を達成できなかったと分析している。(共同)

韓国の李憲宰副首相が辞意 不動産投機疑惑で

2005/03/07The Sankei Shimbun

 韓国の財政経済省は7日、李憲宰副首相兼財政経済相が同日午前、青瓦台(大統領官邸)に辞意を伝えたと明らかにした。

 李副首相に対しては、夫人名義の不動産について投機疑惑を指摘する報道が相次ぎ、与党の一部などからも引責辞任を求める声が出ていた。

 李副首相は同日午前に同省の幹部会で「個人の問題で現在のような混乱や疑惑が続くことは大統領の国政運営に負担になるだけでなく、ようやく回復の兆しをみせている経済にも助けにならない」とし、辞意表明した。(共同)

北朝鮮が肥料50万トン要請か 韓国、可否を検討中

2005/02/06 The Sankei Shimbun

 韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮の朝鮮赤十字会が1月13日に韓国の大韓赤十字社に対し、春の種まき時期までに50万トンの肥料支援を行うよう要請した。韓国側の関係者が明らかにした。

 韓国は2000年の南北首脳会談以降、毎年肥料支援を行っており、最近3年間は年間約30万トンを実施。今回の要請は「(北朝鮮の)必要量の約40%」(農業研究機関)と大規模で、韓国政府が可否を検討中という。

 同機関は、北朝鮮が核問題や日本人拉致問題のため国際社会の援助が期待出来ないと判断、韓国に大規模支援を求めたと分析している。(共同)

北朝鮮制裁、望ましくない 韓国統一相

2005/02/04 The Sankei Shimbun

 韓国の鄭東泳統一相は4日、韓国記者団との懇談で日本の北朝鮮に対する経済制裁について「望ましくない」と述べた。聯合ニュースによると、統一相は「日本国内の世論が悪化して残念だ。日本の気持ちも理解するが、冷静に大局的に問題を見てほしい」と話した。

 鄭統一相は「日本の制裁は北韓(北朝鮮)に苦痛を与えるが、苦痛を与える以上に何の助けになるのか」と指摘した。(共同)

会見阻止で謝罪求める 韓国議員、11時間後に退去

2005/01/13 The Sankei Shimbun

 北京市内のホテルで12日、北朝鮮の脱出住民問題について記者会見しようとして中国当局に阻止された韓国の野党、ハンナラ党の金文洙議員ら4議員は13日未明、中国当局者らと会見場で約11時間にらみ合った末、会見を中止に追い込んだ責任者処罰と謝罪などを求める5項目の抗議声明を読み上げ退去した。

 中国側は、北朝鮮の脱出住民を支援して中国で服役中の韓国人活動家の処遇や、脱出住民の実態などを現地調査した金議員らの会見を不適当とみなしたとみられるが、国会議員の会見が違法扱いされ、記者団との接触が公安当局により実力で封じられた異例の事態は、今後の中韓関係に波紋を呼びそうだ。脱出住民の韓国への移送への影響も懸念される。

 金議員らは声明で、会見を違法とする法的根拠を明示するよう求めるとともに、「会見を妨害し、議員や記者を排除しようとした責任者の処罰、謝罪」を要求。韓国政府に対しても、「(中国に)厳重に抗議し、責任者処罰と再発防止の約束を得るよう強力な外交措置」を講ずるよう求めた。

 金議員らは13日に青島市に立ち寄り、服役中の韓国人活動家と面会し帰国する。(共同)

08年に国民所得2万ドルに 韓国大統領が年頭会見

2005/01/13 The Sankei Shimbun

 韓国の盧武鉉大統領は13日、年頭会見し、2008年に1人当たりの国民所得2万ドル(約210万円)を達成して10年に先進経済国となる考えを強調、大企業と中小企業間の格差を解消し、技術革新を積極的に促進する経済改革を進める方針を示した。

 盧大統領は「3万の技術革新の中小企業を育成したい」とし、大企業との格差を縮める努力を強調。技術革新を推進する人材育成のため大学改革も必要との認識を示した。また、昨年好調だった輸出をさらに強化し、各国との「自由貿易協定(FTA)の締結を推進する」と述べた。

 一方、北朝鮮の核開発問題解決や、南北問題に関しては国民の反応を見極める考えを示した。(共同)

胡主席、南北訪問を計画か 韓国紙報道、11月にも

2005/01/04 The Sankei Shimbun

 4日付の韓国紙、東亜日報は北京発で、中国の胡錦涛国家主席が今年11月に韓国南部の釜山で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議直前に平壌とソウルを訪問する計画を進めていると報じた。北京の西側外交消息筋の話として伝えた。

 同消息筋によると、胡主席が釜山でのAPEC前にソウルを訪れ盧武鉉大統領と会談することは昨年のチリ・サンティアゴでのAPEC首脳会議で確定しており、訪韓前に平壌を訪問して金正日総書記と首脳会談を行う計画を進めている。しかし、訪朝は、6カ国協議が軌道に乗り、核問題の協議にある程度の道筋がつくことが前提で、核問題で成果がない場合には平壌を訪れないという。(共同)

教育、農林など5閣僚交代 韓国、内閣改造で安定模索

2005/01/04 The Sankei Shimbun

 韓国の盧武鉉大統領は4日、副首相兼教育人的資源相に李基俊・前ソウル大総長、農林相に朴弘綬・国会議員(ウリ党)を任命するなど5閣僚を交代させる内閣改造を行った。青瓦台(大統領官邸)が同日発表した。

 盧大統領は2月末で就任3年目に入るのを前に、新たなスタートを内外に示すのが狙い。昨年末の国会で深刻化した与野党間の対立解消と国政安定が優先課題となる。

 このほか、行政自治相に呉盈教・大韓貿易投資振興公社社長、女性相に張夏真・忠南大教授、海洋水産相に呉巨敦・前釜山市長権限代行をそれぞれ任命。張氏は女性で、内閣は民間からの積極起用による実務型の布陣を維持した。

 李氏は2000年に北海道大から名誉哲学博士号を得ている。

 韓国では4月に補欠選挙を控え、結果次第では与党ウリ党が過半数割れする可能性もある。昨年末の国会で同党は最大争点となった国家保安法廃止案を採決に持ち込むことに失敗し、盧大統領の支持率も低迷している。

 盧大統領は2003年2月の就任以降、たびたび内閣を改造しており、今回は昨年4月の総選挙以降、3度目となる。(共同)

与党指導部が総辞職 韓国政界、混乱のスタート

2005/01/03 The Sankei Shimbun

 韓国の与党ウリ党の李富栄議長ら指導部は3日、かつて民主化運動弾圧に利用された国家保安法の廃止などが年末国会で実現しなかった責任を取って総辞職を表明した。野党ハンナラ党も早期に党名変更や指導部交代を実施する方針で、韓国政界は年初から混乱のスタートを切った。

 同法廃止を主張したウリ党に対し、ハンナラ党は対北朝鮮の安全保障上、問題だと強く反発し、国会で激しく対立した。

 ウリ党では国会議員団のトップである千正培院内代表が1日未明に辞意を表明していたのに加え、李議長を含む党の常任中央委員が3日、総辞職を表明した。

 ウリ党は5日に党中央委を開き対応を協議する。4月初めに予定されている党大会まで非常対策委員会をつくり党を運営することが検討されているが、与党指導部の弱体化が懸念される。

 一方、ハンナラ党も国会運営などをめぐり党指導部への批判が出ており、朴槿恵代表はできるだけ早く党名を変更し、党指導部の人事刷新を行う方針を明らかにした。

 朴代表は早ければ今月中、遅くても旧正月(2月9日)までに党名変更や指導部刷新を行うとみられている。

 韓国国会は2月の臨時国会でも国家保安法改廃を審議するが、与野党指導部の混乱が影響を与えるとみられる。(共同)

韓国核問題、IAEAの査察終了 定期査察に切り替え

2004/12/16 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースは16日、科学技術省関係者の話として、同国の未申告核関連実験に関し、国際原子力機関(IAEA)が今年秋から断続的に実施した査察が今月14日、すべて終了したと報じた。

 IAEAが韓国側との協議で、今後は通常の定期査察に切り替える方針を示した。IAEA理事会は11月下旬、「深刻な懸念」を盛り込んだ議長総括を発表したが、国連安全保障理事会への報告は見送り、一応の決着をみていた。(共同)

不正受験で101人通告 韓国警察

2004/12/11 The Sankei Shimbun
 韓国の警察庁は11日、大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)の不正受験に関与した受験生99人を含む101人の名簿を新たに教育人的資源省に通告したことを明らかにした。

 試験当日に携帯電話で不審な電子メールを送受信した疑いがある1625人を捜査し、刑事罰に相当するとした94人と、刑事事件にはならないが試験場に携帯電話を持ち込んだことが確認された7人の計101人が判明した。

 同省は6日に、警察から通告を受けた238人の受験生のうち226人の受験を無効にしている。今回通告を受けた受験生に対しても同じ基準で処分を決める方針。(共同)

受験生226人、試験無効 韓国の不正受験さらに拡大も

2004/12/06 The Sankei Shimbun
 韓国の大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)の大規模不正受験で、教育人的資源省は6日、不正に関連した226人の試験を無効にすると発表した。

 韓国の警察当局はこれ以外に、試験当日に携帯電話メールで解答とみられる内容を送受信した可能性のある約1600人に対する捜査を行っており、韓国の不正受験事件はさらに拡大する可能性もあり韓国社会に大きな衝撃を与えている。

 教育人的資源省は、携帯電話の所持自体を不正行為とすることを事前に通知していたことを基準に、238人の受験生について処分を検討。

 このうち(1)メールを送受信した195人(2)携帯電話を試験場に持参したがメールの送受信をしなかった14人(3)試験監督官の指示に従わず携帯電話をかばんや引き出しに入れていた11人(4)代理が受験した6人−の計226人の受験を無効にした。

 一方、当日携帯電話を持ち込まなかった者や監督官の指示に従って携帯電話を提出した者など12人の受験は有効とした。同省は、警察の捜査で今後明らかになる不正に対しても同じ基準で処分を決めるとしている。(共同)

北朝鮮の崩壊「ほぼない」 韓国大統領

2004/12/05 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースによると、同国の盧武鉉大統領は4日、ワルシャワで講演し、北朝鮮の体制について「崩壊する可能性はほぼないようだ」と述べ、今後も金正日総書記による体制が続くとの認識を示した。

 盧大統領はポーランド在住韓国人を前にした講演で「北韓(北朝鮮)で問題が起き、(一時に)数百人が中国に入る事態となれば、中国にとっては頭の痛い問題となる」とし、「北韓が崩壊しないように中国が多くの援助をしている」と指摘。「韓国も崩壊を望んでいない」と強調した。

 また核開発問題について「米国内には政権とは別に強硬策を訴える人が多い」とした上で「われわれは忍耐し時間をかけて解決しなければならない」と強硬策に反対する姿勢をあらためて示した。(共同)

韓国不正受験、全国拡大か 新たに82人

2004/11/30 The Sankei Shimbun
 韓国の大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)の組織的カンニング事件で同国の警察当局は30日、新たにソウルなど全国で不正受験を行った疑いがある受験生が21グループ、計82人いることが分かったと発表した。

 携帯電話のメール機能を悪用した不正受験はこれまで180人の関与が発覚、いずれも南西部の光州市に限定されていたが、全国に拡大する可能性が高くなり、韓国社会は衝撃を受けている。

 警察によると、不正受験は試験会場の受験生が携帯メールで回答を受信する方法で行われた。光州市での事件発覚を受け携帯電話会社の協力で試験当日に送受信された不審な携帯メールを調べたところ、光州市以外にソウルや全羅北道、忠清南道などで回答とみられるメールを送受信した例が相次いで確認された。

 警察は82人に対する捜査に着手、容疑が固まれば摘発する方針。(共同)

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女子高生も不正受験 韓国の大学修学能力試験

2004/11/27 The Sankei Shimbun
 韓国の大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)の組織的カンニング事件で、全羅南道の警察当局は27日、女子高生らもカンニングなどをしていたことが新たに分かったと発表、事件にかかわった受験生らは計約160人に上ることが明らかになった。

 実際に犯行には至らなかったものの、携帯電話のメールで解答を知らせる同じ手口の不正を計画していた別の受験生グループが存在したことも発覚。替え玉受験も明らかになるなど受験競争の厳しさで知られる韓国社会の波紋が続いている。

 今回の事件で警察は、これまでに受験生ら12人を逮捕、関与者は約140人と発表したが、実際は二百数十人がかかわったとの指摘も出ている。(共同)

「親北朝鮮サイト」へのアクセスを禁止に 韓国

2004/11/15 The Sankei Shimbun

 韓国の情報機関、国家情報院は15日、「親北朝鮮的な傾向が強い」と指摘された31のインターネットサイトへの韓国内でのアクセスについて、政府の命令で同日までに禁止したことを明らかにした。

 対象になったのは在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」や東京で朝鮮中央通信の報道内容を伝えている「朝鮮通信」、「わが民族同士」など韓国外で運営されているサイト。

 国家情報院などは今月初めに情報通信省に対し、46のサイトにアクセスできなくするよう要請。同省が情報通信倫理委員会を開き、31サイトへのアクセス禁止を決め、15サイトについては引き続き審議することにした。(共同)

韓国公務員労組がスト突入 全国77支部で4万人参加か

2004/11/15 The Sankei Shimbun
 韓国の全国公務員労組が15日、ストに突入した。同労組は全国77支部で計約4万4000人がストに参加中と発表したが、通信社の聯合ニュースによると、支部労組の多くがストを撤回して通常勤務し、行政自治省は参加者は2800人(午前11時現在)にとどまったとしている。各地の市役所など自治体業務に大きな影響は出ていない。

 労組側は韓国政府が労働改革の一環として進める公務員労組法案で団体行動権が保障されていないことに反発。これに対して政府はストを「不法集団行為」と位置付けて厳しく対処する構えで、緊張が高まっている。

 韓国警察庁は全国の市役所などに機動隊を配置。政府はストに加わった公務員については解職なども辞さない方針で、公務員の大量処分の可能性も出ている。(共同)

韓国農民がコメ開放反対集会 ソウルで機動隊と衝突

2004/11/14 The Sankei Shimbun
 コメ開放に向けた農業自由化反対などを訴えた韓国の全国農民会総連盟主催の集会が13日、ソウル中心部で行われ、約1万1000人(警察庁推計)の参加者の一部と機動隊が衝突、複数の負傷者が出た。

 参加者はソウル駅から市庁前広場までの約1.5キロをデモ行進し、韓国政府に食料自給率の目標値を法制化することなどを要求。市庁前で約1万人参加の複数の労働団体の集会と合流、日韓自由貿易協定(FTA)交渉の中止などを訴えた。

 市庁前では参加者が機動隊に空き瓶や瓦などを投げつけた。(共同)

核関連実験に政府一部関与 「軍事色」疑惑強まる 韓国

2004/11/08 The Sankei Shimbun
 今年9月に表面化した韓国の未申告核関連実験問題で、韓国側が国際原子力機関(IAEA)の査察に対し、科学技術省の高官が実験を承認するなど、政府当局者の一部関与を認めていたことが分かった。IAEAに近い複数の外交筋が明らかにした。

 韓国側は一連の実験について「純粋に研究目的で行われ、政府は知らなかった」と釈明。しかし政府の一部関与が判明したことで今後、実験の目的についても本当に科学的な研究のためだったのかなど疑惑が深まりそうだ。

 IAEAでは今月25日からの定例理事会(35カ国)で、韓国の未申告実験問題を審議する予定。韓国政府は今理事会で問題の収拾を図りたい意向だが、IAEA内部や一部の理事国には「政府関与の程度など未解明な点が多い」(外交筋)と徹底的な究明を求める声もあり、調査が継続される可能性も出てきた。

 外交筋によると、韓国側は9月下旬の査察で、一連の実験が科学者のみの判断で行われたのでなく、韓国原子力研究所の幹部や科学技術省の高官の承認があったことを認めた。また現時点では大統領や首相レベルの関与はないと判断されるという。

 <韓国の未申告核関連実験> 韓国が国際原子力機関(IAEA)に未申告で核関連実験を行っていた問題。これまで(1)2000年のウラン濃縮(2)1982年のプルトニウム抽出(3)80年代の3施設でのウラン転換−の3実験が発覚。IAEAは8月末−9月初旬、9月下旬、11月上旬と3回にわたって韓国に査察団を派遣。9月下旬の査察では、ソウルの原子炉や、大田の韓国原子力研究所を査察。科学者への事情聴取のほか、70年代に発見された韓国中部のウラン鉱山の廃鉱も調査した。

              ◇

 韓国の未申告核関連実験問題で、政府の一部関与が判明したことにより、実験は韓国政府が説明していたような純粋な学術目的ではなく、核兵器開発の基礎技術の温存など軍事色の強いものとの疑惑が強まるのは確実だ。

 11月25日からの国際原子力機関(IAEA)定例理事会で、同問題についてさらなる調査が必要との結論となった場合、この問題を6カ国協議の障害と主張してきた北朝鮮が反発、協議への影響は必至だ。

 IAEAは既に韓国政府が1970年代、朴正煕元大統領の指示でひそかに進めていた核兵器開発計画にまで調査の範囲を広げ、科学者への事情聴取などを実施。

 その結果、一連の実験が個別に行われていたのではなく、科学技術省などの承認で一貫して組織的に行われていたことをつかみ、「純粋な研究とは考えにくい」(IAEA当局者)との結論に近づいているという。また、科学者らによる1980年代の劣化ウラン弾製造も重視。保障措置(核査察)協定違反には当たらないものの、「核物質を軍事的にとらえていた証拠」(外交筋)とみている。(共同)

30代男性が北朝鮮侵入か 韓国警察、身元など調査

2004/10/27 The Sankei Shimbun
 韓国の江原道鉄原郡の軍事境界線付近にある鉄製の金網が破られた事件で、韓国警察当局は27日、現場周辺で事件前、30歳代前半の民間人とみられる男性が北朝鮮行きを示唆していたことを確認し軍に通報した。この男性が金網を破って北朝鮮に向かった可能性があるとみて身元などを調べている。

 聯合ニュースによると、運動靴を履いてリュックサックを背負った男性が21日、現場付近で一人暮らしのお年寄りの家を訪ね「食事をさせてほしい」と訴えた。男性は食事をしながら「自分は統一主義者だ。父の故郷は(北朝鮮の)咸鏡南道だ」と話し、北朝鮮へ行きたいような口ぶりだったという。(共同)

憲法裁決定を受け入れ 首都移転で韓国大統領

2004/10/25 The Sankei Shimbun
 韓国の盧武鉉大統領は25日、国会の施政方針演説で、盧政権が推進していた首都移転に憲法裁判所が違憲決定を下したことについて「決定の法的効力については否定しない」と言明、憲法裁決定に従う考えを初めて示す一方、ソウル首都圏の過密解消に向けた政策を再検討、早期に計画を策定する意向を強調した。

 李海●(●=王へんに賛の夫がそれぞれ先)首相が代読した演説で盧大統領は「首都圏の過密問題を解消し、国家の均衡発展を成し遂げるのは、われわれの核心政策」とし「過密解消が国家の未来に向けた時代的な課題だ」と強調。

 その上で「政策全体を総合的に再検討しなければならない」とし「憲法裁の決定に抵触せず、国家均衡発展戦略の趣旨を損なわないよう適切な計画を必ず推進する」と指摘。行政機関の一部移転など憲法裁決定に反しない範囲内で首都の過密解消策を強力に推進する考えを示した。

 演説は、李首相が野党を冒涜(ぼうとく)する発言をしたなどとして、首相の政治姿勢に野党ハンナラ党が反発、同党議員が議場から一斉に退場する中で行われた。(共同)

兵役逃れで91人を刑事処分 韓国、野球選手ら

2004/10/25 The Sankei Shimbun
 韓国のプロ野球選手や芸能人の兵役逃れを捜査していたソウル警察庁は25日、関係者136人を捜査した結果、兵役法違反容疑で43人を身柄拘束、48人を書類送検したと発表した。

 兵役逃れを請け負うブローカーの逮捕をきっかけに8月末に始まった集中捜査はいったん終了。プロ野球選手は90人が捜査対象となり27人が身柄拘束となった。

 人気俳優ソン・スンホン(宋承憲)さんら約50人は時効(3年)により刑事処分を受けなかったが、兵務庁に書類が送られ、11月中に入隊する予定。(共同)

韓国の売春街、ゴーストタウン化…法規制に女性ら抗議

2004/10/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】韓国で売春仲介業者への罰則を強化した2つの関連法が施行されてから1か月。警察は、1日約3000人を動員し、21日までに業者や女性従業員、男性客4365人を摘発した。

 各地の売春街はゴーストタウンと化し、関係者は「生存権を保障しろ」と抗議の声をあげている。

 9月23日に施行された2法は、仲介業者に対する罰則を、5年以下の懲役または1500万ウォン(1ウォンは約0・1円)以下の罰金から、懲役10年以下または1億ウォン以下の罰金へと厳しくした。

 売春を強要された女性は被害者として処罰対象から除外されたが、自発的に売春した女性や男性客はこれまで通り処罰対象となっており、女性従業員らは国会前などで抗議集会を開き、猛反発している。

韓国憲法裁、首都移転「違憲」と決定…盧政権に打撃

2004/10/21 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】韓国の憲法裁判所は21日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が主要政策の一つとして進めてきたソウルからの首都移転計画について、「憲法改正の手続きを踏んでいない」などとして違憲の決定を下した。

 憲法改正には国会(定数299)の3分の2以上の賛成と国民投票での過半数の賛成が必要だが、いずれも困難で、首都移転計画は事実上不可能となった。盧大統領の今後の政権運営にも大きな打撃を与えそうだ。

 決定を受け、李海チャン(イ・ヘチャン)首相や与党ウリ党の李富栄(イ・ブヨン)議長は同日、政府・与党の緊急会議を開き、移転活動の中断を決定、発表した。(李海チャンの「チャン」は王ヘンに「賛」の「夫」が「先」)

 違憲訴訟は、ソウル市議や大学教授ら169人が7月、「国民投票を実施せず首都移転を強行するのは参政権の侵害」として起こした。

 同裁判所は「憲法に首都はソウルとする条項はないが、朝鮮王朝以来600年にわたって認識されており『不文の憲法』に該当する」とし、「憲法改正の手続きを踏まない首都移転は違憲」とした。判事9人のうち8人が違憲判断を示した。

 大統領直属機関「新行政首都建設推進委員会」は、忠清南道公州市・燕岐郡への2012年からの移転を目指していた。

北朝鮮・金剛山に韓国企業がゴルフ場、韓国が承認

2004/10/13 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=福島恭二】韓国政府は13日、北朝鮮の金剛山で観光事業を行っている韓国企業の現代峨山に対して、現地でのゴルフ場建設事業を承認したと発表した。

 発表によると、ゴルフ場は18ホールと9ホールの2つで、クラブハウスや練習場などを備える。18ホールは来年11月、9ホールは同9月のオープンを目指す。国際大会も開催出来る規格で、現代峨山はゴルフ客誘致で観光客増を図りたい考えだ。総事業費は約617億ウォン(約60億円)。

南北統一の敵は日米? 韓国の中高生アンケート

2004/10/05 The Sankei Shimbun
 韓国の中高生の約37%が朝鮮半島周辺の大国のうち南北統一に「最も友好的」な国としてロシアを挙げる一方、約45%は米国が「最も敵対的」と感じていることが5日分かった。

 韓国大統領の諮問機関「民主平和統一諮問会議」が韓国の中高生1200人を対象に実施したアンケート結果として発表。南北統一に敵対的な国に日本を挙げた回答も約29%に上った。

 北朝鮮については「包容しなければならない同胞」とする答えが約51%に上ったが、約43%は「敵だが同胞」と回答。北朝鮮への複雑な心情も浮き彫りになった。

 北朝鮮が韓国に侵攻する可能性では、「高い」とした生徒が約56%。北朝鮮の核開発で危険を感じているとする回答も6割以上に達した。(共同)

北朝鮮崩壊に備え非常計画 韓国政府が準備と現地紙

2004/10/05 The Sankei Shimbun
 韓国紙、中央日報は5日、韓国政府が北朝鮮の政権崩壊などに備えて2つの非常計画を準備していることが判明したと報じた。北朝鮮の体制崩壊に備えた韓国の非常時のシナリオが具体的に明らかになるのは初めてとみられ、北朝鮮側の反発も予想される。

 同紙が国会の統一外交通商委員会での質疑などを通じて明らかになったと報じたのは(1)大量の脱出者などが発生した場合に備えた「忠武3300」(2)北朝鮮政権が崩壊した時や崩壊が近い場合に備えた「忠武9000」−の2つの計画。

 同紙によると、「忠武3300」では、北朝鮮の内乱などで大量の脱出者が発生した場合に(1)金剛山観光、開城工業団地などで北朝鮮に滞在している韓国人の安全な帰還(2)京畿道華城郡などあらかじめ指定した全国の公共施設に計20万人の北朝鮮難民収容(3)軍はこれとは別に10カ所の難民収容所を設置−などを主な内容としている。

 また、北朝鮮の体制が崩壊した場合などには、韓国の統一相が本部長となる非常統治機構の「自由化行政本部」が設置されるという。(共同)

北朝鮮の警備艇、北方限界線を侵犯

2004/09/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 韓国軍の合同参謀本部によると、韓国・大延坪島の北東沖約6・7キロの黄海で23日午前11時30分ごろ、不法操業中の中国漁船を追跡していた北朝鮮の警備艇1隻が、海上の南北軍事境界線、北方限界線(NLL)を侵犯した。

 韓国海軍の艦艇が警告通信を行ったところ、10分後に北朝鮮側に戻った。(ソウル支局)

51選手を出場停止処分 韓国プロ野球兵役逃れ問題

2004/09/21 The Sankei Shimbun
 
 韓国プロ野球の兵役逃れ問題で、韓国野球委員会(KBO)は21日、警察の捜査対象となった51選手に対し、同日から今年のポストシーズンまでの出場停止処分を決定した。

 韓国プロ野球はレギュラーシーズンが各チーム残り6−12試合。21日現在上位3チームが勝利数で並び、プレーオフ進出に向けての4位争いも熾烈(しれつ)となっている。51人は全選手の1割以上に当たり、各チームの主力選手も含まれるため、今後の優勝争いにも大きな影響を与えるのは必至だ。

 2位のサムスンは5人の主力選手が離脱。プレーオフ進出の可能性のある5位のSKは首位打者の李晋暎選手が抜ける。

 KBOは同日、今後のプレーオフや韓国シリーズへの影響を勘案し、入場料金の値下げを決め、下げ幅を最高で半額とすることにした。(共同)

韓国大統領19日からロシアなど訪問、北の核協議へ

2004/09/18 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】盧武鉉・韓国大統領は19日から5日間の日程で、カザフスタンとロシアを公式訪問する。

 モスクワで21日行われるプーチン露大統領との首脳会談では、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議や両国の経済協力が主要議題となる見通しで、会談後に共同宣言を発表する予定。韓国大統領のロシア訪問は5年ぶりで、カザフスタン訪問は初めて。

 韓国は、第4回6か国協議について、「10月中にも開催できるよう努力する」(潘基文(パン・ギムン)外交通商相)としている。ただ実際は、米大統領選や韓国の核関連実験に対する国際原子力機関(IAEA)の査察結果が定例理事会に報告される11月までは開催は難しい情勢。このため、盧武鉉大統領は、韓国に核開発計画がないことをプーチン大統領に説明し、6か国協議における平和的解決に向けた協力など原則論を確認すると見られる。

 経済協力分野では、極東、東シベリアの油田、天然ガス田の共同開発計画やシベリア横断鉄道と南北縦断鉄道を連結する「鉄のシルクロード計画」などの推進を確認。宇宙航空技術や情報技術(IT)の協力も話し合う。盧大統領は22日、同行する企業経営者約50人とロシア経済人との懇談会にも出席し、両国の投資、貿易拡大を目指す「セールス外交」も展開する。

 盧大統領はこれに先立つ20日、カザフスタンでナザルバエフ大統領と会談し、カスピ海の油田開発などを協議する。

世界人口63.7億人、2050年には89億人に

2004/09/15 The Sankei Shimbun
 急増する世界人口の抑制のための行動を定めた1994年の国際人口開発会議(ICPD)以降も先進国から発展途上国への資金援助が不足するなど、多くの課題が山積しているとする「世界人口白書2004」を国連人口基金が15日、発表した。

 白書は「発展途上国の約3億5000万組のカップルが、希望する(避妊など)家族計画サービスを受けられないでいる」と指摘。ICPDで各国が合意した目標達成への真剣な努力なしには、世界は貧困と環境破壊に苦しむことになると警告した。

 白書によると、世界の人口は現在63億7760万人(推計)で、2050年には89億人に増えると見込まれ、カイロでICPDが開かれた94年当時の予測の98億人を下回るなど、一定の成果があった。

 だが、先進国は、ICPDで2005年までに人口問題などへの取り組みのために年間61億ドルを拠出することを約束したにもかかわらず、実際に提供された金額は年間約20億−30億ドルにとどまっている。

 10年間で家族計画を利用している既婚カップルの比率が世界全体で55%から61%にまで上昇した。しかし、家族計画サービスの拡大は、人口増加や家族計画需要の増大に追いつくにはほど遠く、ICPDで人口問題解決の鍵になるとされた「子供の数や出産間隔をはじめ、性や生殖について個人が自由に決める権利(リプロダクティブライツ)」の確立には多くの課題が残っているとした。

ソウルなどに新規カジノ 韓国が設置許可へ

2004/09/13 The Sankei Shimbun
 韓国の文化観光省は13日までに、外国人専用のカジノ設立をソウル2カ所、南部の釜山1カ所の計3カ所で新たに許可する方針を明らかにした。実現すれば、ソウルのカジノは計3カ所、釜山は計2カ所になる。

 韓国のカジノは主に観光客誘致や外貨獲得を狙った外国人専用で、韓国人が利用できるのは北東部の江原道にある1カ所だけ。韓国メディアによると、新規許可の背景には日本など近隣国でカジノ設立に積極的な動きが出ていることがあるという。

 新設によりソウルや釜山では、それぞれ1つのカジノによる“独占”が崩れる。8つのカジノを擁する南部のリゾート地、済州島も観光客を奪われるとして反発している。(共同)

中国の対北朝鮮動向に警戒感=「事態急変に備え」との見方も−韓国

2004/09/05 時事通信社
 【ソウル5日時事】核問題や経済的苦境で北朝鮮情勢が不透明さを増す中、北朝鮮をめぐる中国の最近の動きに対し、韓国内で警戒感が台頭している。朝鮮半島の古代国家・高句麗を中国史の一部に組み込む動きや、人民解放軍が7月に中朝国境の鴨緑江で行った渡河訓練について、北朝鮮事情に詳しい消息筋は「金正日体制崩壊など事態急変の際の影響力行使、さらに実効支配をにらんだ準備ではないか」との見解を示した。 

韓国野球選手ら80人余が薬物使い兵役逃れ、一部逮捕

2004/09/06 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=福島恭二】聯合ニュースによると、韓国のプロ野球選手約50人を含む80人余りが兵役を逃れるためブローカーに金銭を渡した疑いが強まり、ソウル地方警察庁は6日、兵役法違反容疑でブローカーや一部選手をすでに逮捕、残りの選手らを捜査の対象にしていることを明らかにした。

 調べによると、ブローカーは選手らから代金を受け取り、徴兵検査で行う尿検査の際に薬物を使って、病気と見せかける方法などを教えていた疑い。代金は3000―7000万ウォン(約300―700万円)とする報道もある。逮捕したブローカーの顧客名簿にプロ野球全8球団の選手やサッカー選手、芸能人、一般人の名前が書かれているという。

[高句麗論争]「歴史には多様な解釈がある」

2004/08/29 読売社説(2) Yomiuri On-Line
 歴史には多様な解釈の余地がある。まして国家や民族が異なれば、歴史観に違いが生じるのは当然だろう。

 北東アジアの古代国家、高句麗の位置付けをめぐり、中国と韓国の論争が続いている。

 高句麗は、紀元前一世紀ごろに建国され、現在の中国と北朝鮮の国境になる鴨緑江を中心に七世紀まで栄えた、と伝えられる。韓国や北朝鮮にとっては、大切な民族史の一部と言えるだろう。

 この高句麗を、中国の地方政権として位置付けようとする中国の動きに、韓国が強く反発している。

 今年四月、中国外務省ホームページの韓国紹介欄から、高句麗の記述が削除された。韓国政府の抗議に対し、中国は一九四八年の韓国建国以前の朝鮮半島に関するすべての歴史記述を削った。

 世界遺産に登録された中国国内の高句麗遺跡周辺でも、「高句麗は中国の地方政権」と主張する冊子が配布されているという。

 中国は、韓国との学術交流を進め、中韓の友好協力関係を損なわないような措置をとる、との意向を示した。

 しかし、韓国世論の不信感が解消された様子は見られない。

 中国東北部には、吉林省の朝鮮族自治州を中心に約二百万人の朝鮮族が少数民族として居住している。

 将来、朝鮮半島の南北統一によって朝鮮族の分離運動が起きる可能性も否定できない。これを事前に防ぐため、朝鮮の歴史から高句麗を切り離すのが狙いではないか、と韓国側は警戒する。

 いずれにせよ、きわめて政治的な意味合いの強い歴史論争である。

 三年前の日本の教科書検定の際、韓国は検定済みの中学歴史教科書について三十五項目にわたって修正を要求した。

 古代史では、日本が朝鮮半島南部の任那に拠点を築いたと考えられるとする記述にもクレームをつけた。政府は、明白な誤りではないとして応じなかった。

 一方、中国外務省ホームページの日本紹介欄には、当時の日本が朝鮮半島の南部に勢力を拡大したことを認める記述がつい最近まで掲載されていた。

 歴史教科書の記述は、中国や韓国の意向に配慮すべきだという主張が、日本の左翼勢力などの間で依然根強い。

 しかし、史実の明白な誤りならともかく、外国と歴史認識が違うからといって歴史教育の内容を改める必要はない。

 中国と韓国の間でも、歴史観が一致しているわけではない。

 そんな当たり前のことを改めて明らかにした。それがこの歴史論争である。

高句麗問題、解決可能…廬大統領に胡主席のメッセージ

2004/08/27 読売新聞 Yomiuri On-Line
 韓国の青瓦台(大統領府)報道官によると、訪韓中の中国の賈慶林・人民政治協商会議主席は27日、青瓦台で盧武鉉大統領と会談し、古代王朝・高句麗を中国史の一部と位置づける中国内の動きをめぐって韓国が反発している問題について、「両国が大局的、長期的、戦略的見地に立って臨めば適切に解決できる」とする胡錦濤・国家主席のメッセージを口頭で伝えた。(ソウル支局)

[中韓国交12年]「きしみを招いた『歴史認識』摩擦」

8月25日付・読売社説(2)
 振れすぎた振り子は戻る、ということか。二十四日に国交樹立十二周年を迎えた中国と韓国の関係がきしんでいる。古代国家をめぐる歴史論争が引き金となって、韓国で中国脅威論が急浮上してきたためだ。

 朝鮮戦争を戦い、東西冷戦下で長く敵対関係にあった中韓関係は、一九九二年の国交を機に「蜜月(みつげつ)」へ大旋回した。

 経済面では、貿易総額が昨年、国交樹立時の十二倍に増え、韓国にとり、中国は米国を抜き最大の輸出先となった。対外直接投資も、対中国が最大を占め、全体の半分近くに迫る勢いだ。

 中国を訪問する韓国人の激増も目覚ましい。国交樹立時には四万人強だったのが、昨年は、百五十万人を超えた。留学生も三万五千八百人と、日本人留学生数を初めて抜いた。

 経済や人的交流面での中韓接近は、韓国人の対外認識をも大きく変えた。「米国離れ、対中傾斜」という現象だ。

 韓国の大学が今春行った意識調査では「今後、最も緊密に協力すべき国」として45・9%が中国をあげた。同盟国の米国は19・8%、日本7・8%だった。

 だが、こうした日米など周辺国が憂慮するほどの「対中傾斜」に最近、異変が起きた。古代北東アジアで栄えた高句麗は中韓どちらの国だったかという“帰属論争”が、外交問題に発展している。

 十二周年に合わせた韓国有力紙の特集記事では、「覇権主義へと走る中国」といったタイトルまで飛び出した。

 対中依存を強める経済の分野でも、米欧経済との関係再強化など、見直し論が出始めている。

 中国の経済成長率が1%下がれば、韓国の国内総生産は0・25ポイント下がるとの試算がある。国内経済が受ける打撃は、アジア諸国で最大だ。今春、経済過熱で中国金利引き上げ説が流れた時には、韓国の株価が急落した。

 韓国の製造業は、生き残りのため生産拠点を続々と中国に移し、日本以上の空洞化が進む。産業界の危機感は強い。

 今回の中韓摩擦は、経済を中心に伏流化していた中国脅威論が、歴史論争を機に表面化した側面を持つ。しかし、日韓関係の前例が示すように「歴史認識」の絡む外交問題の解決は容易ではない。

 東アジア経済をけん引してきた中国経済も、エネルギーや資材不足など、急成長のマイナス面が目立ち始め、先行きに不安が出ている。

 中韓関係は、両国との相互依存関係を深める日本としても、無関心ではいられない。今後の展開への注視を、怠ってはなるまい。

韓国与党党首が辞任 父親の「日本軍歴」問題で引責

2004/08/19 The Sankei Shimbun
 父親が日本の植民地時代に日本軍の憲兵だったことが発覚した韓国与党ウリ党の辛基南議長(党首)が19日、同問題の責任を取って党首を辞任した。後任には李富栄・同党常任中央委員が就任する。

 同党は、植民地時代に日本軍に協力した「親日派」が保守勢力として政界やマスコミで権勢を誇っていると主張、真相究明を訴えてきたが、その「歴史清算」作業の最初の犠牲者が皮肉にも自らのトップになった。

 辛氏は同日の記者会見で、20年前に死去した父について「一時、日本軍にいたという程度知っていただけ」で詳細は知らなかったとしつつ、日本軍歴に関する一部報道を否定していたことは「至らなかった」と謝罪。

 また父が憲兵だったことは「わたしにとっても衝撃」とし「独立闘士が体を張って闘っていた時、日帝の軍生活を送ったことを父に代わって深く謝罪する」と言明。さらに「親日の残りかす清算という大義を少しでも傷つけるわけにはいかない」とし、議長職から退くことを明らかにした。

 辛氏は、統一相として入閣した鄭東泳前議長に代わって5月に議長に就任したばかり。李新議長は新聞記者出身。民主化運動での投獄経験もあり、野党ハンナラ党を脱党して昨年11月のウリ党創設に参加した。(共同)

ネットで政府転覆を扇動、反体制活動家の控訴棄却 中国

2004/08/11 The Sankei Shimbun
 新華社電によると、中国湖北省の高級人民法院(高裁)は11日、インターネット上で「政権転覆」などを扇動した罪に問われ、一審で懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた同省武漢市出身の反体制活動家、杜導斌被告(40)の控訴を棄却した。

 一審判決などによると、杜被告は同省孝感市内で医療保険事務などを担当していたが、2002年から03年にかけネット上で国家政権や社会主義体制の転覆をあおる主張を発表したとして昨年11月に逮捕。今年6月に孝感市の地裁で有罪判決を受けた。

 中国政府は国内でのインターネットの発達とともに、ネット上の政治的な言論に対する取り締まりも強めており、外国の人権団体などから批判が相次いでいる。(共同)

韓国、中部に新首都決定 2012年から省庁など移転

2004/08/11 The Sankei Shimbun
 韓国の李海●(●=王ヘンに賛の夫がそれぞれ先)首相は11日、政府が検討を進めてきた行政首都の移転先として、同国中部に位置する忠清南道の燕岐郡と公州市を最終決定したと発表した。同日開かれた政府の行政首都移転推進委員会で決まった。

 年内に測量作業などを終了、2007年から基盤工事に着手し、12年から青瓦台(大統領官邸)や中央省庁の移転を開始、14年ごろまでに移転作業が終了する予定。

 首都移転をめぐっては、野党が「事実上の遷都だ」と反発。膨大な費用がかかることから世論の反対も根強いが、首相は「歴代政府が首都圏の過密解消と地方の均衡発展のため努力してきたが、成果がなかった」と指摘し、「これ以上、延ばせない国家的課題だ」と支持を訴えた。

 移転先の決定理由については1国家の均衡発展2交通の利便3環境への影響4国民統合の効果−などで優れていると説明した。

 移転先の総面積は約7128ヘクタール。青瓦台をはじめとする行政機関はすべて移るが、国会や裁判所など立法・司法機関は今後、移転の可否を決める。(共同)

脱北者受け入れに「北」反発?南北閣僚級会談が延期に

2004/08/02 読売新聞 Yomiuri On-LIne
 【ソウル=福島恭二】韓国政府筋は2日、ソウルで3日から開かれる予定だった第15回南北閣僚級会談が、延期になったことを明らかにした。

 同筋によると、7月26、29の両日、韓国側が北朝鮮に代表団名簿などを交換するため実務協議を持ちかけた。しかし、2日まで「上部からの指示がない」としているだけで、会談に出席する意向を全く示していないという。両国は5月の前回会談で、6日までの4日間、第15回会談を開催することで合意していた。

 北朝鮮側は、韓国が東南アジアから468人の脱北者を受け入れたことなどに反発したと見られる。

南北閣僚級会談:開催は困難 脱北者韓国入りで対決姿勢

2004年7月31日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル堀信一郎】8月3日からソウルで開催予定の韓国と北朝鮮の第15回南北閣僚級会談について韓国政府関係者は31日、開催が困難との見方を示した。約450人の脱北者が韓国入りしたことを北朝鮮が「組織的な拉致行為」と非難するなど韓国との対決姿勢を鮮明にしているためだ。

 韓国政府関係者は「北朝鮮から(開催同意の)回答をじっと待っているが、時間的にも開催は困難だ」と毎日新聞に語った。

 韓国政府は29日、南北閣僚級会談の日程を確定するための協議を北朝鮮に提案した。だが、北朝鮮側は「上層部からの指示がない」と拒否した。

 北朝鮮は脱北者問題以外でも韓国との対決姿勢を強めている。金日成(キムイルソン)主席死去から10年の7月8日に平壌で開かれた追悼大会に、韓国政府が韓国側の民間追慕団を参加させなかったことを非難。7月中旬に北朝鮮艦艇が、海上の南北境界線である北方限界線(NLL)を侵犯した事件も「南朝鮮軍の完全なねつ造だ」と批判している。

 だが、南北関係は経済交流などが順調に推移しており、北朝鮮の強硬姿勢は南北閣僚級会談を有利に展開するための揺さぶりとみられる。

韓国の連続殺人容疑者「監獄でさらに人殺す」

2004/07/26 The Sankei Shimbun
 韓国で過去最悪の連続殺人事件の容疑者の男(34)が、警察の調べに「監獄で組織暴力団や経済事件を犯した人間をあと1、2人殺して刑場の露となる」と話していることが26日、分かった。

 20人以上を殺害したとされる男がさして罪の意識を感じていないことが、韓国社会にあらためて衝撃を与えている。

 聯合ニュースなどによると、男は現場検証の際に捜査員の質問に対してぞんざいな言葉で答えるなど反省の色がない。また野球帽と大きな青色のマスクで、顔がマスコミに出ることを避けているが、警察から「マスクを外したらどうか」と言われると「自分にも人権がある」と強い拒否感を示した。

 韓国の警察当局は26日、男を17件、21人を殺害した容疑で送検した。(共同)

韓国、北朝鮮に初のコメ陸路輸送 40万トンの第1陣出発

2004/07/20 The Sankei Shimbun
 韓国から北朝鮮に向けた40万トンのコメ支援の第1陣が20日午前、南北を結ぶ臨時道路を通り、初めて陸路で輸送された。

 先の南北実務協議の合意により、韓国は40万トンのうち国産米分10万トンを週4回のペースで10月まで陸路輸送する予定。

 南北の緊張緩和、臨時道路の開通で、最近では北朝鮮・竜川の列車爆発事故への支援物資輸送や、金剛山観光などでも陸路利用が広がっている。

 輸送は朝鮮半島の西側を南北で結ぶ京義線と東側の東海線で行われ、出発前には、それぞれの南北出入管理事務所で記念式典を開催。西側の都羅山の同事務所前で開かれた式典には韓国統一省関係者らが出席。40台の輸送トラックに25トンずつのコメが積まれ、北朝鮮の開城に向けて軍事境界線を越えた。

 南北は先月の経済協力推進委員会で40万トンのコメ支援で合意。1995年に始まった韓国のコメ支援は昨年までは船で輸送していた。(共同)

「26人殺した」と供述 韓国の無差別殺人容疑者

2004/07/20 The Sankei Shimbun
 韓国で無職の男(34)が老人や女性を無差別に相次いで19人殺害したとされる事件で、韓国メディアによると、男は「26人殺した」と供述していることが分かった。同国の警察当局者は19日、被害者がほかにもいるとみて捜査していることを認めた。

 警察当局は19日までに強盗などの容疑で男を逮捕、他の被害者についても本格的に調べを進める方針だ。また同日、男を立ち会わせて現場検証などを実施。殺害後に切断して埋められた女性らの遺体捜索作業もソウル市内で続けられた。

 韓国犯罪史でも例のない事件の衝撃は韓国社会に波紋を広げており、同国紙も「猟奇・連続殺人魔」(文化日報)「凶悪・現代の殺人魔」(朝鮮日報)などと大きく伝えている。(共同)

女性マッサージ師など19人殺害、韓国で無職男を逮捕

2004/07/18 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=福島恭二】韓国のソウル地方警察庁は18日、ソウル市を中心に昨年9月から今月にかけて19人を殺害した疑いで、無職のユ・ヨンチョル容疑者(34)を逮捕したと発表した。

 金持ちのお年寄りや若い女性を狙った連続殺人事件に韓国国民は大きな衝撃を受けている。

 聯合ニュースなどによると、ユ容疑者は昨年9月24日、ソウル市内の高級住宅街にある大学名誉教授宅で教授夫妻を鈍器で殴って殺害したのをはじめ、同年11月までに資産家のお年寄りが住む家ばかりを狙って侵入し、計8人を殺害したという。

 その後、一連の事件への警察の追及が始まったのを恐れ、犯行の対象を出張マッサージの女性に変更。今年3月から今月13日までに女性を電話で呼び出し、計11人を殺した疑いが持たれている。

 自供に基づいてソウル市内の山中で行われた捜索で、11人全員の遺体が見つかった。警察はユ容疑者が仁川市や釜山市でも殺人事件を起こしていたとみて、調べている。

 警察によると、ユ容疑者は金持ちのせいで自身が不幸になったと思い込んでいた。また、離婚した妻がマッサージ師だったことから同じ仕事をしている女性を逆恨みしたとみている。

 警察は15日、出張マッサージの女性を監禁、暴行した疑いでユ容疑者を拘束した。「マッサージの依頼を電話で受けて出張した女性がいなくなる」との通報があり、追及したところ、19人の殺害を認めた。

韓国人男性を人質に撤退要求 イラク武装勢力

2004/06/21 The Sankei Shimbun
 カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは20日夜、イラクの武装グループが韓国人の男性1人を拉致したと伝え、韓国軍がイラクから撤退しなければ人質を殺害すると警告するグループのビデオ声明を放映した。

 武装グループは20日の日没から24時間以内に回答するよう韓国側に要求している。韓国の通信社、聯合ニュースは21日、拉致された韓国人が勤務する会社の社長の話として欧州の記者や警備会社職員ら外国人計10数人も拉致されたとみられる、と報道した。

 韓国政府は18日、イラク北部への約3000人の追加派兵を最終決定。盧武鉉大統領は21日の会議後「われわれの派兵はイラクへの敵対行為ではない」と述べ、派兵計画に変更がない方針を示した。しかし、国内で派遣反対の声が強まり、盧政権が苦しい立場に追い込まれるのは必至だ。

 韓国外交通商省によると、人質となった韓国人は貿易会社社員、金鮮一氏(33)。今月17日に中部ファルージャで拉致されたという。

 放映されたビデオに映し出された旗から、拉致したのは国際テロ組織アルカーイダと関係が深いとされるアブムサブ・ザルカウィ氏が率いる「一神教聖戦団」とみられる。

 覆面姿の3人が人質を前に「(韓国軍は)われわれの土地から撤退し、新たな部隊を送らないよう求める。さもなくば、この韓国人の首をおまえたちに送る」と脅迫。

 男性は「ここ(イラク)から撤退してほしい。私は死にたくない」と叫ぶように英語で訴えた。

 聯合ニュースによると、金氏の会社は駐留米軍に物品を納入しており、金氏が拉致されたのは、トラックで米軍キャンプから戻る途中だったという。(共同)

韓国政府、人質救出へ対策急ぐ イラク拉致事件

2004/06/21 The Sankei Shimbun
 イラクで韓国人の貿易会社社員が武装グループに拉致されたことを受け、韓国政府は21日、外交安保関連の閣僚らが出席する国家安全保障会議の常任委員会などを相次いで開催、情報収集を急ぐとともに救出に向けた対応策立案に着手した。

 武装グループは韓国軍のイラク撤退を求めているが、韓国は18日に約3000人の追加派兵を最終決定したばかり。与党ウリ党や支持基盤の市民団体に反対論が根強い中で派兵決定に踏み切っただけに、盧武鉉政権は厳しい対応を迫られそうだ。

 通信社の聯合ニュースによると、アジア協力対話(ACD)外相会談のため中国・青島を訪問中の潘基文外交通商相は「拉致された被害者は無条件で釈放されなければならない」と述べ、救出に向けて全力を尽くすと強調した。(共同)

金総書記の訪韓強く求める 記念講演で金大中前大統領

2004/06/15 The Sankei Shimbun
 韓国の金大中前大統領は15日、ソウルで開かれた「6・15南北共同宣言4周年記念国際討論会」での記念講演で「宣言には金正日総書記のソウル訪問が明記されている」と述べ、金総書記の訪韓を強く求めた。

 講演で「わが民族は南北の首脳が再び同じ場所に座り、民族の協力と繁栄と統一を論議するのを願っている」と強調。北朝鮮の核問題では「核心は米朝の合意」とし、「北韓(北朝鮮)は核について世界が納得できる決断をし、米国は北の安全を保証し、国際社会への進出を助けなければならない」と米朝双方に決断を促した。

 在韓米軍削減問題では「南北の緊張緩和に資する方向で考えなければならない」と指摘した。

 北朝鮮の李種革・アジア太平洋平和委員会副委員長は共同宣言を高く評価しながら「同盟関係も重要だが、より重要なものは南北関係」とし、「民族を最優先し、民族の利益にすべてのことを服従させる」よう求め、南北関係がすべてに優先されるべきだと強調した。

 同討論会には北朝鮮からは李副委員長ら代表団7人が参加した。(共同)

「南北関係、大きく発展を」金総書記がメッセージ

2004/06/15 The Sankei Shimbun
 ソウルで開催中の南北首脳会談4周年の記念討論会に出席している北朝鮮の李種革・アジア太平洋平和委員会副委員長は15日、「南北が現在の良い流れを継続し、南北関係を大きく発展させねばならない」との金正日総書記からのメッセージを盧武鉉大統領に伝えた。青瓦台(大統領官邸)が明らかにした。

 討論会に先立ち、金大中前大統領らとともに盧大統領が李副委員長と会った席で伝えられた。

 これに対し盧大統領は南北共同宣言の意義を高く評価するとし「南北の信頼と約束順守が非常に重要だ」と指摘。さらに「核問題が早期に平和的に解決されねばならない」と訴えた。

 青瓦台によると、金総書記から盧大統領にあてた親書などはなかったという。(共同)

韓国補選:与党・ウリ党の全敗が確実

毎日新聞 2004年6月6日 Mainichi INTERACTIVE
 韓国の地方自治体首長と議員の補欠選挙と再選挙は5日、投開票が行われ、主要な4カ所の地方自治体首長選挙で与党・開かれたウリ党の全敗が確実になった。ウリ党は、4月総選挙で優勢だった全羅南道、済州道の両地域で敗北したことを受け、党内から幹部の責任論も浮上している。

 韓国のYTNテレビの同夜の速報によると、慶尚南道知事、釜山市長、済州道知事の3首長選で、野党ハンナラ党候補がウリ党候補を抑え当選を確実にした。全羅南道知事は、新千年民主党候補がウリ党候補に競り勝った。今回の暫定投票率は平均28.2%で昨年10月補選の投票率34.2%をさらに下回った。【ソウル支局】

早期退職適齢は38歳? 韓国で急激な世代交代

2004/05/29 The Sankei Shimbun
 
 韓国の会社員の約7割は、30代後半から40代半ばまでを自らの「退職年齢」と感じていることが、同国のインターネット就職情報サイトの調査でこのほど、分かった。

 各界で急激な世代交代が進む韓国社会のダイナミズムの一端を示す一方、長引く不況で中高年サラリーマンが悲哀を味わっている現実を象徴している、との指摘もある。

 韓国では定年を50代後半−60歳とする企業が多いが、若手会社員500人弱を対象とした調査によると、勤務先を自分が辞める「定年」を何歳と感じているかとの問いに68%が「40代半ばまで」と回答。このうち「30代後半」とした人も32%に上った。

 不況と世代交代の波が同時に押し寄せる韓国では最近、北朝鮮との軍事境界線を意味する北緯38度線をもじり、30代後半が早期退職適齢期だとする「38線」という言葉が流行中。ほかに「45定」(韓国社会の実態は45歳が定年)、「56泥」(56歳まで会社にいる泥棒)の流行語もあり、調査結果はこうした社会のムードも裏付けた。

 盧武鉉政権が若者の圧倒的支持で誕生。先の総選挙でも若手議員が大量当選するなど若者パワーが多方面の社会変化を先導している韓国だが、サイト運営会社幹部は「長期不況で多くの会社員が安定した未来を困難視している」と厳しい現実も分析している。(共同)

韓国も拉致問題取り組み 南北協議通じ解決目指す

2004/05/24 The Sankei Shimbun

 韓国統一省は24日、小泉純一郎首相の訪朝結果を受け、同日の南北赤十字協議や26日からの将官級軍事会談などを通じて、北朝鮮に抑留されているとされる韓国人拉致被害者や、朝鮮戦争中に捕虜となった韓国軍元兵士の帰還実現に積極的に取り組む用意があることを示した。

 同省によると、韓国人拉致被害者は486人、生存中の韓国軍元兵士は約500人。韓国は複数の協議の場で解決を提起する方針だが、北朝鮮側は離散家族再会事業の中で対応するとの方針とされる。

 韓国政府は、最近韓国に帰還した元兵士の証言などから、朝鮮戦争中の行方不明者約1万9000人のうち、生存中の元兵士は約500人と推定したという。(共同)

韓国大統領弾劾を棄却 盧氏、罷免回避 韓国憲法裁

2004/05/14 The Sankei Shimbun
 韓国の憲法裁判所は14日午前(日本時間同)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対する弾劾訴追の棄却決定を言い渡した。3月に国会が弾劾訴追案を可決後、大統領権限を停止されていた盧大統領は決定の宣告と同時に復権。約2カ月に及んだトップ不在は解消され、韓国国政は正常化に向かう。

 4月の総選挙で過半数を制した与党ウリ党を基盤に、盧大統領は安定した国会運営が可能になり、既に大幅な内閣改造に向けた作業に着手、改革政治を推進する。15日に国民向けの演説を行う。

 憲法裁は訴追理由となった総選挙に向けた与党支持発言について「公務員の中立義務違反で違法」と認定したが、大統領を罷免するほどの重大違反には当たらないとの判断を示した。側近の不正問題や経済破たんについても「弾劾理由に当たらない」とした。

 罷免決定には9人の裁判官のうち、6人以上の支持が必要だが、少数意見は非公開とされたため、何人の裁判官がそれぞれ棄却、罷免を支持したかは不明。

 野党側は、大統領の(1)選挙関連発言(2)側近、親族の不正(3)経済失政−を理由に弾劾訴追案を国会に提出。3月12日にハンナラ党、民主党など国会在籍議員の3分の2を超す賛成で可決した。

 審判では、盧大統領自身は召喚に応じなかったが、不正資金事件で起訴された側近らが証人として出廷、大統領の関与を否定した。

 盧大統領の権限停止中は高建(コ・ゴン)首相が大統領職務代行を務めた。(共同)

韓国、支援物資を陸路輸送 北朝鮮の列車爆発事故 2004/05/07 The Sankei Shimbun

 北朝鮮の列車爆発事故で、被災地の復旧作業のために韓国政府と大韓赤十字社が提供する8トントラック20台が7日、ソウル郊外を出発し、北朝鮮に向かった。

 南北を結ぶ朝鮮半島西部の臨時道路を通り北朝鮮側に入る。韓国が北朝鮮に陸路で支援物資を送るのは初めて。学校用の黒板50枚も一緒に輸送される。

 軍事境界線を越えたところにある北朝鮮側の管理連絡事務所で、韓国の技術者が約1時間、操作方法を教えた後に引き渡される予定。

 先月末の南北協議で韓国側が被災地までの陸路輸送と人員派遣を提案。北朝鮮側は人員派遣を認めず、トラックなどの引き渡しも軍事境界線に近い同事務所となった。

 韓国政府はこれまでに船と貨物機で計4回、支援物資を送っている。(共同)

北朝鮮、陸路も受け入れ 韓国の支援物資 2004/05/01 The Sankei Shimbun
 韓国の大韓赤十字社によると、北朝鮮の朝鮮赤十字会は30日、列車爆発事故被災地の復旧工事用トラックなどの装備を陸路で輸送することに同意した。

 南北を結ぶ臨時道路を使って運ばれる予定で、同事故の支援物資が韓国から陸路で送られるのは初めてとなる。輸送日程は未定。

 大韓赤十字社は29日、トラックのほか、いすや黒板など学校用の物品輸送を打診。朝鮮赤十字会が30日、一部装備を開城で受け取ると文書で回答した。装備の操作方法などを教える技術者の受け入れについては検討中としている。(共同)

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