ナイトゲーム
「おもしろい?」
「…うん」
「ねぇ」
「…ん?」
「たのしい?」
「…まー」
「…ねぇ」
「…なに?」
「やらして」
「…やりたいの?」
「うん…だって」
「だって?」
「…ぶぅ」
「ぶぅって、お前。いつからブタなのよ」
「…ぶぅ」
「ははははは。…さぁ、いらっしゃい」
彼はあぐらをといて両手を広げる。
「…どこに?」
「ここよ。ここ。ここに座りなさい」
「…」
わたしは彼の股の間に正座をする。
「お前。正座じゃないでしょう」
「…だって」
「だって?」
「何だか照れるじゃない?」
「クックックッ」
彼はわたしの膝に手を差し込んで、「えいっ」っと尻餅をつかせる。
「わぁっ!な、何するのよ?」
「これで良し。さぁ、これ持って」
どこかでみたことのあるゲームの画面。
色んな形のブロックが沢山落ちてきて…幾つか重なると一気に消える。
彼はゲームのコントローラーを私に握らせた。
親指をスティックの上に置く。
どう動かすんだろう? って思っていると、私の手に彼の手が重ねられた。
私の親指の上に彼の親指がのっかってる。
ごつい手…。
でも暖かい…顔も…ちょっと熱い。
どきどきするのは、ゲームをする緊張からかしら?
「じゃ。やりますか」
今度は…ちょっとは楽しいかもしれない。