TOPIC No.5-13a 1999年度 医療ミス

がんセンターのミス認める

1999年12月10日 17時19分 共同通信社
 愛知県がんセンター(名古屋市千種区)が検査を怠ったため乳がんが進行したとして、岐阜県多治見市の主婦(46)が同センターを運営する愛知県に5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の高橋勝男裁判長は10日「必要な検査をしていれば乳がんを早期に発見、治癒できた」として、県に約2800万円の支払いを命じた。

A型患者にO型の血液製剤

1999年12月2日 19時53分 共同通信社
 大阪府忠岡町の公立忠岡病院で今年7月、血液型がA型の入院患者に、看護婦が誤って別の患者に使うはずのO型の血液製剤約160ccを点滴していたことが、2日分かった。患者に異変はなかったが同病院は患者側に謝罪。町は9月、看護婦を口頭による厳重注意処分とした。

腹の中にチューブ5カ月

1999年11月30日 17時14分 共同通信社
 大阪府堺市の市立堺病院で、同府高石市の男性(18)の腹に挿入した膿(のう)汁排出用チューブが体内に落ちたのに約5カ月間気付かないミスがあり、堺市は30日までに「あってはならない不手際」と過失を認め、200万円を支払うことで男性との間で示談が成立した。

提訴翌日、原告女児が死亡

1999年10月16日 13時03分 共同通信社
 出産時の病院側の対応ミスで重度障害者になったとして、長野市の病院を経営する長野県厚生農業協同組合連合会に、計約1億4000万円の損害賠償を求め15日提訴した静岡県沼津市の会社員(34)の長女(2っ)が16日午前、死亡した。長女は出生後、脳性まひなどの障害で寝たきりとなった。両親とともに訴訟の原告だった。

都立広尾病院などを捜索

1999年10月14日 16時30分 共同通信社
 東京都立広尾病院で2月、入院中の千葉県浦安市の主婦= 当時(58)=が、点滴直後に死亡した事故で、警視庁捜査1課と渋谷署は、14日、誤って消毒剤を投与したとして業務上過失致死の疑いで、同病院と都衛生局を家宅捜索した。

点滴ミスで脳症の患者勝訴

1999年9月27日 18時12分 共同通信社
 手術後の点滴ミスで、記憶障害などが起きるウェルニッケ脳症になったとして、仙台市青葉区の関根万司さん(41)が東北労災病院を経営する労働福祉事業団と当時の主治医に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、仙台地裁であり、伊藤紘基裁判長は「発症は十分予見できた」として原告の請求通り病院側に、約1億3000万円の支払いを命じた。

輸血ミス後に男性死亡

1999年9月21日 17時12分 共同通信社
 仙台市の国立仙台病院で昨年2月、救急患者として搬送された市内の男性=当時(67)=が誤った血液型の血液200ccを輸血され、約4時間半後に死亡していたことが21日、分かった。

バリウム注入で男性急死

1999年9月18日 13時40分 共同通信社
東京都の外郭団体「都保険医療公社」が経営する「多摩南部地域病院」(粟根康行院長)で8月末、大腸検査を受けた八王子市の男性=当時(74)=が、バリウム注入中にショック死していたことが18日までに分かった。

 病院側は「通常の医療行為で、ミスはなかった」と説明している。

社会福祉法人「サルビア会」500万円が使途不明に

1999年9月19日 10時38分 共同通信社
  特別養護老人ホームを経営する滋賀県近江八幡市の社会福祉法人「サルビア会」(白井茂治理事長)で、給食材料費を水増しするなどして少なくとも500万円が使途不明になっていることが19日、分かった。

呼吸器の電源切れ死亡

1999年9月14日 18時12分 共同通信社
 岩手県一関市の国立療養所岩手病院(伊藤久雄院長)で、外傷性脊髄空洞症で約8年間入院していた男性患者(35)の人工呼吸器の電源が切れ、患者が死亡していたことが14日、分かった。一関署は病院関係者などから事情を聴き、事件と事故の両面から電源が切れた原因を調べている。

日赤が賠償金650万円

1999年9月12日 16時38分 共同通信社
 献血の際に注射針で左腕の神経を傷つけられ後遺症が続いているとして、横浜市在住の女性(25)と両親が日本赤十字社(東京都港区)に800万円の損害賠償を求め、仙台簡裁に申し立てていた調停が12日までに、日赤側が650万円の賠償金を支払うことで成立した。

手術ミスで女性が死亡

1999年9月12日 10時38分 共同通信社
 和歌山県橋本市の国保橋本市民病院で今年4月、70代の女性が手術ミスで死亡、1997年にも40代の女性が手術ミスでうまく話せなくなったことが、12日までに分かった。病院側は2件ともミスを認め、遺族や患者本人に賠償金を支払う方針。

 病院の青木洋三院長は「議会にまだ報告していないのでお話しできない」としている。

消毒薬の点滴が死因と認める 都立広尾病院の死亡事故

9:27p.m. JST August 27, 1999
 東京都立広尾病院(岡井清士病院長)で今年2月、誤って消毒液を投与された女性患者(当時58)が死亡した事故で、都は27日、医療ミスによって女性の体内に入った消毒液が死因になったことを認める調査結果をまとめた。遺族の指摘でカルテと死亡診断書の死因の記載が違っていたことを認めるなど、病院の対応が極めてずさんだったことも明らかになった。記者会見で石原慎太郎知事は「病院の管理者として心からご遺族に謝罪します」と述べた。この事故を巡っては、警視庁捜査一課と渋谷署が業務上過失致死の疑いで捜査を進めている。

 事故が起きたのは今年2月11日。同病院で指の関節リウマチの手術をした患者が、点滴終了後に、薬剤を注入されたところ、「胸が苦しい」などと訴え、約1時間半後に急死した。

 調査では、注射を準備した看護婦が、本来注入すべき血液凝固阻止剤(ヘパリンナトリウム生食)の代わりに、別の患者の治療に使う予定で同じ型の注射に入っていた消毒薬(ヒビテングルコネート)を投与したため、血管内に血栓ができ、肺の血管がつまる「急性肺血栓症」で死亡したとの結論に達した。

 また、調査では、患者の死因について、事故直後に書かれたカルテには「心疾患による急性心不全の疑い」と記載されているのに、同日作成された死亡診断書では「不詳の死」、さらに1カ月後の保険請求のための診断書では「病死」と変化したと指摘。さらに、事故後11日たってから警察に届けたのは、遺族の強い指摘を受けたためだったことなど、「事故隠し」ともとれる行為が随所にあったことが明らかになった。

 調査を担当した「都立病産院医療事故予防対策推進委員会」の帆足英一委員長代理は、死因の変化については「保険請求する際に病死とした方が保険金が出やすいと担当医師が考えたと推測できる」と話すにとどまり、明確な説明はなかった。警察への通報については「遅滞なく連絡すべきだった」として、病院のミスを認めた。

O型患者にA型を輸血ミス

1999年8月20日 13時42分共同通信社
 横浜市神奈川区の済生会神奈川県病院で1997年10月、O型の女性の救急患者に、A型の血液を輸血するミスがあったことが20日、分かった。

 女性は出血性ショックで死亡したが、病院側は「輸血量などから見て、輸血ミスと死亡との直接の因果関係はない」としている。病院側は、輸血ミスが直接の死因ではなかったとして、県への報告や遺族への説明はしていなかった。

熊本大病院で輸血ミス

1999年8月13日 15時41分 共同通信社
 熊本大病院(熊本市、生塩之敬病院長)で9日夜、胃の手術を受けた血液型がB型の70歳代の女性患者に対し、手術直後に誤ってO型の新鮮凍結血しょうを輸血するミスが起きていたことが13日、分かった。女性患者の命に別条はなく、容体は安定しているという。

末期がん患者間違え、血しょう輸液投与 徳島大病院

1:24p.m. JST July 19, 1999
 徳島大医学部付属病院(徳島市蔵本町2丁目、黒田泰弘病院長)で6月下旬、入院していた末期の肝臓がん患者に医師が患者の血液型(A型)とは違うO型の血しょう輸液を点滴していたことが、19日わかった。患者は7月中旬に死亡しているが、病院側は投与ミスを認めたうえで「点滴ミスの副作用が全くないとは言えないが、生命に及ぼす重大な影響はない」と説明している。

 同病院などによると、間違って血しょう輸液を投与されたのは、徳島県内の60歳代の男性で、血液型はA型。この患者が入院していた病棟には、病状や病気の進行状態が似ていて血液型O型の別の肝臓疾患の患者が入院しており、血しょう輸液の投与など同じような治療を受けていた。

 投与ミスがあった日は、O型の患者に血しょう輸液を投与することになっていたが、医師が患者を間違え、A型の患者にO型の血しょうを点滴。O型の患者側が予定時刻になっても医師がこないため看護婦詰め所に連絡し、患者の取り違えが分かった。

 A型の患者への点滴は途中で中止され、病院側は患者本人と家族に投与ミスの事実を説明。患者は約2週間後に死亡したという。

 同病院の黒田病院長は19日午前記者会見し、投与ミスを認めたうえで、患者の死亡との関係について「血液の輸血ではなく、血しょう輸液の投与だったため、投与ミスと患者の死亡に直接的かかわりはない」と説明した。

病院側に5億円余賠償命令

1999年6月30日 17時49分 共同通信社
 
 1980年に『乱診乱療』として、社会問題化した埼玉県所沢市の医療法人芙蓉会・富士見産婦人科病院の患者だった女性ら61人が、『でたらめな診療で正常な子宮や卵巣を摘出された』として、病院側や国などに総額14億円余の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。

 伊藤剛裁判長は『集団による犯罪的行為で、常軌を逸していた』と病院ぐるみの乱診乱療を認定。無資格で検査などをした北野早苗元理事長(74)=破産=のほか妻の北野千賀子元院長(73)=同=ら富士見病院の医師だった6人や芙蓉会に、総額約5億1400万円の賠償を命じた。

特定機能病院の辞退勧告へ

1999年6月22日 13時16分 共同通信社
 厚生省は22日までに、患者取り違え事故を起こした横浜市立大病院に対し、高度先進医療の提供施設として承認された『特定機能病院』の資格を辞退するよう同病院に勧告する方針を固めた。23日に開かれる医療審議会(厚相の諮問機関)の医療施設部会と総会の意見を聴いた上で、最終的に決定し同日午後、横浜市長を厚生省に呼んで伝える予定。

 特定機能病院の制度は1992年に始まり、これまでに大学病院など82病院が指定されているが、辞退勧告は初めて。

呼吸器チューブ外れ女性死亡

1999年6月24日 13時15分 共同通信社
 札幌市豊平区の医療法人柏葉脳神経外科病院で今年3月、筋肉の委縮が進行する難病、筋委縮性側索硬化症で入院していた59歳の女性に装着された人工呼吸器のチューブがなんらかの原因で外れ、死亡していたことが24日までに分かった。

 病院側は『道義的責任はあるが、刑事責任を問われるような注意義務違反はなかった』としているが、遺族からの届けを受けた北海道警捜査1課などは、患者の遺体を司法解剖し業務上過失致死などの疑いで担当医などから事情聴取を続けている。

抗生物質を取り違え点滴

1999年5月22日 15時56分 共同通信社
 横浜市金沢区の『済生会若草病院』でことし3月、床ずれのため入院していた女性患者(95)に点滴をする際、看護婦が薬剤パックを取り違え、別の患者用の抗生物質を投与していたことが22日分かった。患者は6日後に敗血症で死亡した。       

    

 病院は『抗生物質はいずれも、ばい菌の感染を防ぐ効能があり、取り違えと死亡に因果関係はないが、今後医療ミスの防止と、事故報告の徹底を図りたい』としている。

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