TOPIC No.4-25 インターネット博覧会(インパク)


インパクの“失敗”を総括する/ そして消え去ったインターネット博覧会

2002/02/01 磯和春美 毎日新聞社 by Business Computing
 やや旧聞に属する話題だが、いまさらながら「インパク」について総括をしておきたい。というのも、複数の知人や取材相手と話していて「そういえばインパクって、どうなったんですか?」という話題が少なからず出たのだ。ところが誰も答えられず「そういえばどうなったんですかねえ」で話が終わってしまった。インターネットのヘビーユーザーたるわれわれにとって、インパクの“インパクト”はこのようなものでしかなかった。しかし、このイベントは「e-Japan」構想をぶちあげた日本政府が万博をイメージモデルに、「すべての人がインターネットに親しむ」ことを理想として110億円もの予算をつぎこんで執り行われたものなのだ。どうなっているのか、検証するのもマスコミ業界に身を置く者の努めだろう。

 そして調べて驚いた。驚いたので総括しておきたい。110億円の税金の使い道としてこれが正しかったのかどうか、いやそれ以前に、今後、生活の一部を担っていく「インターネット」の利用促進を図ったはずの政府のイベントのあり方がこれでよかったのかどうか、納税者もネット利用者もよく考えておくべきだと強く思う。

「もみ消し」とも言うべき、インパクの終わり方

2002年01月04日 Japan.internet.com
 インターネット博覧会(通称:インパク)が1年の会期を終え、2001年12月31日で終了した。終了後のインパクゲートには、「インパク宣言〜信頼に足る未来社会への胎動として〜」と、参加パビリオンのリストが残されただけで、その他の独自コンテンツは跡形もなく消滅した。

 インパク参加パビリオンの中には、継続して更新を行うところや、別のサイトにコンテンツを移すところもあり、参加パビリオンのコンテンツ全てが消えた訳ではない。しかし、インパクが企画した各種イベントの模様、インパクに対する読者の声、相当数の個人、企業、地方自治体がコンテンツの作成に苦労したという軌跡などは跡形もなく消えてしまった。パビリオンそのものよりも、これらのゲートコンテンツこそが、インパクならではのコンテンツであったのに…。

 昨年12月のインパクは、「インパク卒業」イベントが続いた。コンテンツ作成者や運営者、そして、インパクという政府主催のオンラインイベントを仕切った編集者が、インパクの評価や反省を多角的に行い、彼らの「生の声」が連日掲載された。身内での盛り上がりという見方も出来なくはないが、それでも、様々な立場やレベルのコンテンツクリエイター達が、いろいろな意見を交わす場は、インパクならではのユニークな企画であったと言えるだろう。

 彼らの声を拾い、彼らの声を広く共有し、記憶にとどめ、それを活かしていくことは、優秀なコンテンツクリエイターを育成するというインパクの目的の1つに適ったものである。インパクが国民の間で人気が無かった以上、コンテンツクリエイター達が実際に直面した感動や苦労の声こそが、インパク最大の資産であり、それを足がかりとして、コンテンツクリエイターと政府は、日本でのコンテンツ作成において、何が障害で、何が足りないかを、これから考えていくことが出来る。

 ところが、インパクゲートに残されたものは、コンテンツクリエイター達の生の声でもなく、かといって、政府関係者の声でもなさそうな、主人公不在の「インパク宣言」であった。

政府主催インパクに1週間で41万人がアクセス (2001.01.15) asahi.com

漢字の奥深さをネットで紹介/漢字検定協会 「インパク」に出展

Kyoto Shimbun 2000.10.20 News
 財団法人・日本漢字能力検定協会(事務局・京都市下京区)はこのほど、政府主催のインターネット博覧会(インパク)に特定テーマパビリオン「漢検パビリオン」を出展することを決めた。「漢字の奥深さ・面白さ、二十一世紀を漢字で遊ぶ」をテーマに、今年十二月三十一日からさまざまなイベントをインターネットで展開する。

 主なイベントの一つは「名前からはじめる異文化交流」。自分の名前が持つ漢字の意味を手始めに、自分の町の地名や歴史、世界各国の漢字名などを調べ、日本や世界への理解を深めていく。また、漢字クイズを楽しむ「おもしろ漢字クイズ挑戦コンテスト」や、漢字検定の模擬テストなども実施。同協会が毎年募集している「今年の世相を表す漢字一字」や、「四字熟語を表す一コマ漫画」なども、インターネットのパビリオンで受け付けるという。

 インパクは政府の経済新生対策として今年十二月三十一日から一年間、インターネット上のバーチャル会場で催される。総理府の新千年紀記念行事推進室によると、中心的な役割を果たす特定テーマパビリオンには京都府、京都市などの地方自治体、京セラなどの民間企業を主体に二百三機関が出展する。

インパク 政府サイト内容を発表 毎日新聞社など選定

2000-10-16Mainichi INTERACTIVE
 
インパクのシンボルマークとロゴ

 政府の新千年紀記念事業推進室は16日、インターネット上で開催する「インターネット博覧会」(インパク)で政府が主催するパビリオンの企画者として毎日新聞社、NTTコミュニケーションズ、三井物産の3社を選定し、政府パビリオンサイトの内容を発表した。サイトは20世紀の事件を集める「20世紀2001大事件」と、20世紀に生まれた日本人の顔や声を永久保存する「2001年の日本人2001人」。また、自治体サイトと企業の203の公式サイトの概要も同時に発表した。

 インパクは、「何かおこそう! 2001年」がテーマ。インターネットの普及とコンテンツの開発・蓄積を目的に、今年12月31日から1年間、オンラインでさまざまな企業・地方自治体などが設けるサイトでコンテンツを発表する。

 政府サイトでは、毎日新聞社が20世紀の事件などについて、所有する200万枚以上の写真や記事を提供する。またNTTコミュニケーションズはインターネット技術を受け持ち、三井物産がパビリオン全体の構成を企画する。「20世紀の2001大事件」は、政治、経済、事件、社会など20項目にわたる事件をそれぞれ100程度選考し、インターネットで画像・音声付きで発表する。また、「20世紀日本最大事件」も決め、将来のデータベースとして残す。

 「2001年日本の2001人」は、20世紀を生きる日本人を自薦、他薦の形で募集。地域別、年齢別、職業別に分けて投票などで2001人を選ぶ。有名人ではなくても、「20世紀を生きた日本人」であればだれでも応募することが可能で、選定されれば20世紀の日本人像として写真と動画が永久保存されることになる。(磯和 春美)

インパク、民間からの自由参加パビリオンを募集

2000年10月17日著者: Japan.internet.com編集部
 インターネット上で、2000年12月31日より1年間にわたり開催される「インターネット博覧会(インパク)」におけるパビリオンに関する発表が10月16日、行なわれた。

 まず、国のパビリオンテーマは、政治や経済など20分野の100事件から各分野の「10大事件」と「20世紀日本最大事件」を選出し、画像、音声を合わせて発表する「20世紀2001大事件」と年齢、地域、職業別に一般公募と審査により20世紀に生まれた日本人の姿や顔、声などを集計し、保存する「2001年日本の2001人」の2つ。同コンセプト合わせたサイト上での展示とイベントが開催される。

 また、応募を締め切った「特定テーマパビリオン」にかわり、民間企業やNPO、個人などが各自に掲げたテーマに基づいたサイトを開設できる「自由参加パビリオン」の応募要綱が発表された。応募は、10月17日より開始され、メールまたは郵送で受付ける。

 同パビリオンへの参加費は無料だが、行事の企画、コンテンツ制作、翻訳などの費用は自費負担となる。最低でも1ヶ月以上のサイト設営が条件。

 インパクは、インターネットの普及とコンテンツを通じた情報交流、蓄積を目的に開催されるインターネットを利用した博覧会で、愛称は「楽網楽座」。インパクの案内を行なう「メイン広場(ゲート)」の編集長には、作家の荒俣宏氏やコピーライターの糸井重里氏など数名が選出されている。

インパク、203団体のパビリオン概要決定

2000/10/16 by Biztech ニュース編集部
 政府は10月16日、2000年12月31日から1年間にわたって開催する「インターネット博覧会」(インパク)について、ネット上に出展する「パビリオン」の概要を明らかにした。参加するのは、国、地方自治体、民間企業、NPO、学校法人、国際機関など合計203団体で、それぞれが独自ドメインにWebサイトを立ち上げ、「インパク」からリンクをはる。

問い合わせ先
内閣総理大臣官房 新千年紀記念行事推進室
 電話 03-3580-3650

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