TOPIC No.3-11a 1999年7月-2000年03月 ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)原子炉

通産省が柏崎刈羽原発3号機でのプルサーマル実施を許可

3:42p.m. JST March 15, 2000
通産省は15日、東京電力に対し、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル計画を柏崎刈羽原発3号機(新潟県柏崎市)で実施することを許可する文書を手渡した。同計画の実施は、原子炉等規制法に基づき、原子力安全委員会などの審査を経て各原発ごとに許可しており、今回が4基目となった。

MOXねつ造のBNFL社員が在東京の英大使館に勤務

2:20p.m. JST March 09, 2000
英紙ガーディアンは8日、在東京の英国大使館に勤務する原子力担当の職員は、日本向けに製造したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データねつ造が明らかになった英国核燃料会社(BNFL)の社員で、その滞在費や給与として同社が年間50万ドル(約8700万円)を英外務省に支払っていたと報じた。
この大使館員は、原子力エネルギー担当の参事官として1995年から勤務。その前はBNFLのロンドン事務所に勤めていたという。同紙は、「BNFLの利益のためにゆがんだ情報を本国に伝えていたのではないか」「政府を買収しようとするもの」などの意見を掲載した。
英外務省はロイター通信などに「外務省と企業との人材交流は決して珍しくない。大使館員はBNFLではなく英国の利益のために活動していた」と反論。だが、資金提供についてはコメントしていない。

関電、副社長らを処分

2000年3月1日 18時13分
関西電力高浜原子力発電所で使う予定だったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データねつ造問題で、関電は1日、前田肇副社長ら担当役職員6人に対して減俸などの社内処分を実施するとともに、検査体制の強化を柱とする再発防止策を発表した。石川博志社長も、月額報酬の3割を2カ月間自主的に返上。原子力に対する社会的信頼を損ねたことへの反省を示した。

英核燃料会社(BNFL)の操業中止を要請

2000年2月26日 9時48分【ロンドン・共同】
アイスランドのアスグリムソン外相は25日、クック英外相に、日本向けのプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のデータ偽造が問題となっている英核燃料会社(BNFL)の再処理工場が放射性廃棄物を海に放出しているとして、全施設の操業中止を要請した。アスグリムソン外相は「海洋資源に依存しているアイスランドにとり海洋汚染は最重要関心事」と指摘した。

安全委がMOX燃料ねつ造問題で徹底調査求める

6:46p.m. JST February 21, 2000
関西電力高浜原発(福井県高浜町)で使う予定だったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データを、英核燃料会社(BNFL)がねつ造した問題で、通産省資源エネルギー庁は21日、BNFLに関する英原子力施設検査局(NII)の調査結果などを原子力安全委員会に報告した。委員らは、BNFL社員が燃料の中にねじをわざと混入させていたことなどを特に重視。徹底した調査と再発防止を検討して、安全委に報告することを通産省に求めた。
報告によると、データのねつ造は、1996年から組織的に行われた。MOX燃料はペレットと呼ばれる円筒形の固体だが、高浜原発向けでは計31ロット(1ロットは3000ペレット)でねつ造があったという。ペレットの代わりに、ねじやコンクリート片をまぜたこともあった。
安全委の佐藤一男委員長は「異物混入という妨害行為があったとすれば、より重大だ。組織の体質に問題がある」とし、「どこかに燃料が余っているはず。核燃料物質の管理にも問題がある」と指摘した。

燃料引き取り、明言避ける

2000年2月11日 17時24分 共同通信社
プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のデータねつ造問題で来日し、通産省や関西電力と協議していた英国貿易産業省エネルギー局のアンナ・ウォーカー局長が11日、帰国を前に英国大使館で記者会見、日本側が英国に求めているMOX燃料の引き取りについて「それを含め、あらゆる選択肢を検討する」としただけで明言を避けた。

英国核燃料会社を指名停止

2000年1月19日 16時58分 共同通信社
関西電力高浜原発3、4号機のプルサーマル計画で使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データねつ造問題で、関電は19日、問題が解決するまでMOX燃料加工とウラン燃料の再処理について、燃料を製造した英国核燃料会社(BNFL)を指名停止にしたと発表した。
ウラン燃料を別のウラン化合物に転換する契約については4カ月の指名停止にした。

住民投票条例案を審議

2000年1月17日 9時52分 共同通信社
関西電力高浜原発(福井県高浜町)で計画されているプルサーマルの是非を問う住民投票条例制定案の可否を審議する臨時の高浜町議会が17日、開かれた。町議の多くが条例制定に否定的な意見であることから、制定に必要な過半数を獲得するのは困難な情勢。地元の住民団体は5日、請求に必要な有権者数の約10倍の1984人分の署名簿を添えて条例制定案を高浜町に提出した。

河野外相が英外相と会談 紛争予防での協力確認

01:45a.m. JST January 13, 2000
河野洋平外相は12日午後(日本時間同日夜)、ロンドンでクック英外相と会談した。河野外相は7月の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)の成功に向けて協力を求め、昨年12月にベルリンで開かれた主要8カ国(G8)外相会議でも議論された紛争予防について両国が協力していくことを確認した。また、日本の原発でのプルサーマル計画で使われるプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料が英国から輸出された際、データがねつ造されていた問題で、河野外相は英側に再発防止を強く求めた。
クック外相は、MOX燃料の問題について「日本との信頼回復のため努力する」と答えた。

関電、データねつ造のMOX燃料を英国へ返送へ

9:52p.m. JST January 11, 2000
関西電力は11日、データのねつ造が見つかった高浜原発4号機(福井県高浜町)用のプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を、製造した英核燃料会社(BNFL)の責任で英国に送り返し、英国で処理するよう求めていることを明らかにした。海外で製造された燃料集合体を一度も使わないで送り返すのは初めてのこと。また、同日、関電は社内に委員会を設け、ねつ造の原因について再調査を始めた。
英国への返送を求めているのは、高浜4号機用に使う予定で昨年10月に受け入れ、現在、高浜原発内の使用済み燃料ピットに保管中のMOX燃料の集合体8体。返送にかかる費用などをBNFLに求める方針で、返送までには2年程度かかるという。送り返すには、輸送船の厳重な防護が必要で、関係国との協議を行うことになるからだ。
一方、委員会では、原因究明に加え再発防止対策、信頼回復の方法を探るほか、関電の原子燃料部門や契約した三菱重工業がなぜBNFLの不正を見抜けなかったかも調べる。2月中旬までに中間報告をまとめる。

延期「やむを得ない」と地元

2000年1月7日 19時41分共同通信社
東京電力が7日、福島第一原発で予定していたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を利用するプルサーマル計画実施を延期したことについて、実施予定原発を抱える各地の自治体などは「やむを得ない」と冷静に受け止める一方、反原発の市民団体からは「計画は中止すべきだ」などの声が上がった。

高浜原発プルサーマルの是非問う住民投票条例を直接請求

11:58a.m. JST January 05, 2000
関西電力(本店・大阪市)が福井県高浜町の高浜原発で予定しているプルサーマル計画の是非を住民投票で問うよう求めている同町の住民グループ「住民投票条例を実現する会」(安倍志津子代表委員)は5日、今井理一町長に条例制定を求め、直接請求した。地方自治法の規定で、今井町長は20日以内に町議会を招集、条例案を提出する。国内トップを切って同原発で予定されていたプルサーマル計画は、炉心で燃やすプルトニウム・ウランの混合酸化物(MOX)燃料の検査データのねつ造が相次いで発覚。昨年暮れに延期が決まっており、地元の町議会の対応が注目される。
安倍代表委員ら「実現する会」のメンバー7人が午前10時に町役場を訪れ、今井町長に条例制定を請求した。請求に添えられた賛同署名数は1984人で、町内有権者の約21%に相当している。請求後、安倍代表委員は「町民の思いを受けとめてほしい」と話した。
これに対し、今井町長は「意見は尊重する」と述べた。町議会(定数18)の招集は、17日を予定して調整するという。

高浜原発プルサーマルの住民投票賛同1984人と確定

7:02p.m. JST January 03, 2000
関西電力高浜原発でのプルサーマル運転の是非を住民投票で問うよう求めている地元の福井県高浜町の住民グループ「住民投票条例を実現する会」(安倍志津子代表委員)が集めた賛同署名で、縦覧などの審査手続きを終えた同町選挙管理委員会は3日、有効署名数を1984人と確定した。条例案提出に必要な有権者の50分の1(189人)を大きく上回っている。
署名簿は同日、同町選管から実現する会に返却された。実現する会は、5日に今井理一町長へ条例制定の本請求をする予定。

英会社製造のMOX燃料集合体が破損 97年にスイスで

00:49a.m. JST December 24, 1999
福井県の高浜原発4号機用に製造したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に検査データ改ざんが見つかった英核燃料会社(BNFL)が、スイスの原発用に製造したMOX燃料集合体が、2年前に破損していたことが23日、明らかになった。スイスの原子力安全機関が同日までに環境団体グリーンピースに明らかにした。
グリーンピースによると、放射線漏れが起きたのはスイス北部ベツナウ原子力発電所。1997年に3つのMOX燃料集合体が破損しているのが、定期検査で見つかった。
原発側は破損がなかった他の9つの燃料集合体についても、使用期限より2年早めて原子炉から撤去したという。燃料集合体は96年から使用されていた。
この事故についてBNFLは、集合体1体は製造ミスが原因だったことをスイス側に確認したが、ほかの2体については破損原因を特定しなかったという。
BNFLスポークスマンはこの問題について「破損したのはMOX燃料を入れる金属管で燃料ペレットや検査態勢とは関係がない。破損は決して珍しいことではない」とする反論のコメントを出した。

プルサーマル方針変えず

1999年12月22日 19時46分 共同通信社
九州電力の鎌田迪貞社長は22日の定例記者会見で、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を軽水炉で燃やすプルサーマルを2003、4年に始める計画について「当初の方針を変えるつもりはない」と述べた。関西電力高浜原発でのプルサーマル計画は燃料データ偽造で延期が決まり、21日には東海村臨界事故で被ばくした大内久さんが死亡したが、九電は方針変更しないことを強調した。

MOXデータ改ざん問題で駐英日本大使が遺憾の意

9:22p.m. JST December 21, 1999
英核燃料会社(BNFL)が製造した高浜原発4号機用燃料の検査データに改ざんがあった問題で、林貞行駐英大使は20日、英国のリデル・エネルギー担当閣外相に遺憾の意を伝えた。
会談で、林大使は「英当局が事態を重く受け止め、きちんと対処してほしい」と求め、リデル担当相は「英国政府として心よりおわびする。BNFL社の会長と社長に事実関係の解明と再発防止策の検討を指示した」と述べた。

故意の行為、発見難しい

1999年12月20日 19時39分 共同通信社
関西電力高浜原発4号機で使う予定だったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のデータねつ造問題で、原子力安全委員会の佐藤一男委員長は、20日、記者会見し「意図的に行われたものを見つけるのは難しいが、故意の行為をどうやって防ぐかも考えたい」と述べた。

「原子力に協力できない」

1999年12月17日 20時07分 共同通信社
関西電力高浜原発4号機用のプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料データねつ造問題で、栗田福井県知事は17日、関電の石川社長を県庁に呼び「昨年の燃料輸送容器のデータ改ざん問題の教訓が生かされていない。こんなことでは原子力に対する協力はできない」と抗議した。知事は「スケジュールがあって、これに合わせようと時間をかけずに調査したのではないか」と不信感をあらわにした。

首相、データねつ造は遺憾

1999年12月17日 14時54分 共同通信社
小渕恵三首相と電力業界代表との懇談会が17日、首相官邸で開かれた。プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料のデータねつ造問題について首相は「誠に遺憾。プルサーマル計画が遅れることは残念」と遺憾の意を表明。また首相は「原子力への信頼を早急に回復するため安全確保の徹底が不可欠。コンピューター2000年問題では、一層気を引き締めて対応に万全を期するようお願いする」などと要望。

プルサーマル延期で英国の核燃料会社が謝罪

00:39a.m. JST December 17, 1999
英核燃料会社(BNFL)は16日、同社が製造した高浜原発4号機用のMOX燃料の検査データに新たな偽造が見つかった問題で謝罪の声明を発表した。「(燃料の使用中止という)予防措置を全面的に支持する」とした上で、「関西電力などに謝罪したい。信頼回復のためにあらゆる措置をとる」としている。

燃料データ偽造でプルサーマル延期

00:41a.m. JST December 17, 1999
関西電力高浜原発(福井県高浜町)のプルサーマル計画で使うプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料について、関電や国が「問題なし」としてきた4号機用の燃料で製造元の英核燃料会社(BNFL)が検査データを偽造していたことが16日、わかった。同原発の3号機用燃料でもデータ偽造があったことが9月に明らかになっており、関電は来年1月から予定していた燃料を原子炉に組み込むことを中止した。一方、通産省は同日、MOX燃料の検査体制を全般的に見直す必要があるとし、茨城県東海村での臨界事故で原子力の安全性に対する不安が高まっていることもあり、プルサーマルの実施時期を延期せざるをえないとの見通しを示した。
通産省は、BNFLとは別のベルゴニュークリア社(ベルギー)の燃料でプルサーマルを計画している東京電力の福島第1原発についても、再度データを確認するよう指示し、その間原発に燃料を入れるのを見合わせるよう同電力に伝えた。このため、来年2月から予定されていた同原発のプルサーマル運転も延期となる見通しだ。
高浜4号機の検査データ偽造については、BNFLから関電に連絡があった。燃料は日本に到着しており、4号機は来年1月にもこの燃料を使った国内初のプルサーマルの本格運転を始める予定だった。運転は少なくとも、1年数カ月遅れそうだ。
今回わかったのは、燃料粉末を焼き固めて作るペレット(直径約8ミリ、高さ約11ミリ)の寸法検査データの偽造。約3000個ずつセットで作られ、まず全部の寸法を自動的に検査し、さらに200個を抜き出して検査することになっている。
ところが、4号機用の1セットの記録を見ると、抜き出し検査の200個のうち100個のデータが、以前作った別のセットの「コピー」だった。BNFLの検査担当者が手を抜き、半分しか検査しなかったらしい。
今年9月、高浜原発3号機用の燃料について、抜き取り検査で過去のデータを流用していたことがBNFLでの製造途中で発覚、作り替えることになった。
4号機用燃料の中にも「疑義」のあるものがあったが、関電は現地調査から「問題なし」とし、11月1日、最終報告書をまとめ、通産省も国の原子力安全委員会も「妥当」としていた。今回分かった偽造は、疑義のあった燃料とは別のものだったが、3号機の場合と同じ手法だった。

MOX燃料の使用を断念

1999年12月16日 19時10分 共同通信社
高浜原発4号機(福井県高浜町)で国内初のプルサーマルを計画している関西電力は16日、英国で製造されたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のデータに、新たにねつ造の疑いが出てきたため、輸送された8体すべての使用を断念すると福井県に報告した。来年1月にも実施が予定されていたプルサーマルは大幅に遅れる見通しとなった。

住民投票求め2割が署名

1999年12月6日 16時45分 共同通信社
関西電力高浜原発(福井県高浜町)で予定されるプルサーマルの是非を住民投票で問おうと「住民投票条例を実現する会」(安倍志津子代表)のメンバーは6日、住民投票条例制定を求める町民の署名簿を同町選挙管理委員会に提出した。条例制定の直接請求は有権者の50分の1の署名が必要だが、同会によると、同町の有権者約9400人の23%に当たる2170人の署名が集まった。

関電、高浜プルサーマルの年内運転を断念

03:06a.m. JST November 23, 1999
関西電力は22日、高浜原発4号機(福井県高浜町)で年内にも始めたいとしていたプルサーマル運転を断念し、来年1月に延期する方向で検討していることを明らかにした。原子炉には年内にプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を入れる。福井県の栗田幸雄知事が19日、「高浜町議会と県議会の議論を踏まえたい」とし、12月県議会後にあらためて計画に対する最終判断を表明する意向を示したため、国内初となるプルサーマル運転の年内開始は難しくなっていた。
関電の石川博志社長は18日の記者会見でプルサーマル計画について、「年内の装荷を目標にしている」と述べ、年内に燃料を原子炉に入れる考えを強調していた。一方で、「福井県や高浜町からご理解をいただくことも必要だ」とも述べており、関電は福井県が県議会後(12月17日に閉会予定)に最終判断をするとの意向を示したため、年明けの運転とする方向だ。
年末年始の電力需要見込みでは、高浜原発の4基のすべてを稼働させる必要はない。このため、関電は高浜4号機を停止させ、その際に燃料を入れたい考え。2000年問題が懸念されている年末年始を控え、地元の不安心理も考慮して「無理して年内に運転させる必要はない」としている。
一方、市民団体が高浜4号機用のMOX燃料について、「検査データが操作された可能性があり、安全性に問題がある」として、使用差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てている。また、プルサーマル計画の是非を問う住民投票条例制定の動きもある。関電はこうした動きや、茨城県東海村の臨界事故の影響で原子力発電に対する風当たりが強くなっていることも考慮したとみられる。

プルサーマル計画「年内に」 関電社長が強調

7:19p.m. JST November 18, 1999
関西電力の石川博志社長は18日の記者会見で、高浜原発4号機(福井県高浜町)で実施を予定しているプルサーマル計画について、「年内を目標にしている」と述べ、あらためて年内にプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を原子炉に入れる考えを強調した。東京電力は18日、柏崎刈羽原発3号機でのプルサーマル計画の1年延期を正式に柏崎市に伝えている。
石川社長は「輸入燃料体検査に向けて国と相談している。福井県や高浜町からご理解をいただくということも必要だ」と述べた。また、地元の反原発団体が「高浜4号機用のMOX燃料にも不正の疑いがある」などとして、MOX燃料の使用差し止めを求める仮処分申請やプルサーマル計画の是非を問う住民投票条例制定に向けた動きがあることについて、「健全性には問題ない。結論の出た問題」とした。
一方、先月末、京都などで起きた大停電については、「多くのお客様にご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます」と謝罪し、今月中に再発防止策をまとめる考えを明らかにした。停電に対する苦情は17日現在で760件に上っており、このうち、損害賠償の請求は半数以上になるとの見通しを示した。

新潟県がプルサーマル延期を要請へ

6:08p.m. JST November 15, 1999
茨城県東海村で起きた臨界事故を受けて、新潟県の西埜孝樹商工労働部長は15日、東京電力柏崎刈羽原発の出沢正人所長を県庁に呼び、2000年から予定されているプルサーマル計画の実施を1年間延期するよう申し入れた。
西埜部長は、11日に柏崎市の西川正純市長が延期を申し入れたのを受けて、「県としても地元の意向を尊重したい」と先送りするよう求めた。これに対して出沢所長は「地元の意向を重く受け止めたい」と答えた。東電では今週後半に、県と地元自治体に延期を伝える見通し。
ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を通常の原発(軽水炉)で燃やすプルサーマル計画は、福井、福島、新潟の3県で導入が決まっているが、県が延期を要請したのは初めて。

柏崎市のプルサーマル延期要請、東電が受け入れの意向

5:45p.m. JST November 11, 1999
茨城県東海村で起きた臨界事故を受けて、新潟県柏崎市の西川正純市長は11日、東京電力柏崎刈羽原発で2000年から予定されているプルサーマル計画の実施を1年間延期するよう、出沢正人・同原発所長に申し入れた。出沢所長は「希望した日程と異なるのは残念だが、申し入れの方向で調整したい」と答え、要請を受け入れる意向を示した。東電本社広報部は「地元の判断を重く受け止めて、必要な調整をしていきたい」としており、来週中にも正式に回答する。
ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を通常の原発(軽水炉)で燃やすプルサーマル計画は、福井、福島、新潟の3県で導入が決まっている。
11日午前8時半から柏崎市役所で行われた会談で、西川市長は「事故が起きたことで住民の不安は高まっている。計画通りの実施は無理だ」と述べ、延期を求めた。同市は16日に通産省資源エネルギー庁にも延期を要請する。
プルサーマル計画をめぐっては、8日に平山征夫新潟県知事と地元の西川市長、加藤実・刈羽村長が延期を求めることで一致。西川市長の要請を受けて、平山知事は来週早々にも東電幹部を県庁に呼び、延期を要請するほか、国にも同様の意向を伝えることにしている。県と地元2市村は今年3月に受け入れを決めていた。

MOX燃料作り直しへ

1999年10月19日 18時30分 共同通信社
 関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)向けのプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の品質データを英国核燃料会社(BNFL)がねつ造していた問題で、関電は19日までに、データねつ造のあったMOX燃料を作り直すことを決め、三菱重工業とBNFLに申し入れた。

福井県に調査求める

1999年10月13日 13時51分 共同通信社
関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データねつ造問題で、国際的な環境保護団体グリーンピースは13日、「同4号機用燃料に問題はなかった」とする関電の中間報告には疑問があるとして、福井県原子力安全対策課に燃料の安全性を調査するよう申し入れた。

MOX燃料貯蔵プールへ

1999年10月7日 16時29分 共同通信社
 関西電力は7日、高浜原子力発電所(福井県高浜町)に1日に英国から海上輸送し運び込んだプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料8体を輸送容器から取り出し燃料貯蔵プールに移す作業を終了した。関電はMOX燃料を軽水炉で燃やすプルサーマルを高浜原発4号機で年内にも実施する方針。

プルサーマル中止申し入れ

1999年10月5日 17時42分 共同通信社
反原発団体の「原発はもういらない九州ブロック連絡会議」は5日、九州電力が佐賀県玄海町の玄海原発3号機で予定している、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を軽水炉で燃やすプルサーマルの中止を申し入れた。
申し入れには、連絡会議のメンバーの三重野栄子参院議員ら社民党関係者が参加、九電が検討している川内原発(鹿児島県川内市)の増設見直しも求めた。

MOX取り出し作業を公開1999年10月4日 18時12分共同通信社

東京電力は4日、福島第一原子力発電所に9月下旬、フランスから海上輸送し運び込んだプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を輸送容器から取り出して燃料貯蔵プールに移す作業を公開した。MOX燃料を通常の原子炉で燃やすプルサーマルは、同原発3号機で来年2月から実施の予定。

九州電力、プルサーマルの準備「凍結」

03:04a.m. JST October 03, 1999
九州電力の首脳は2日、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を既存の原発で利用する「プルサーマル発電」の実施に向けた準備作業を、当分の間凍結する考えを明らかにした。茨城県東海村で起きた臨界事故で、国民の間に原発への不安が高まっており、自治体など関係者の理解を得られないと判断した。

武装輸送船が出港

1999年10月1日 18時09分 共同通信社
MOX燃料を運んできた武装輸送船パシフィック・ピンテールは搬送作業を終え、1日午後4時15分、高浜原発の専用港を出港した。

MOX、1 日高浜に入港

1999年9月30日 15時36分 共同通信社
 関西電力高浜原発4号機のプルサーマル用プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を積んだ英国の武装輸送船 パシフィック・ピンテール(5,271トン)が1日、同原発の専用岸壁に到着する。プルトニウムを軽水炉で燃やすプルサーマルは、4号機で11月にも国内で初めて実施される予定。
しかし英国で3号機用のMOX燃料の検査データの一部がねつ造されていたことが9月中旬に発覚。

MOX燃料搬入し出港

1999年9月27日 21時11分 共同通信社
通常の原発でプルトニウム燃料を燃やすプルサーマル用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を欧州から運んできた、武装輸送船パシフィック・ティール(4863トン)が27日早朝、東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉町)の専用港岸壁に入港。同日午後5時前までに、燃料集合体32体の荷揚げを終え、出港した。

高浜4号機にねつ造なし1999年9月24日 13時39分 共同通信社

関西電力高浜原発3号機用の、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データねつ造問題で、関西電力は「近く輸送される高浜原発4号機の燃料のデータにねつ造はなかった」とする中間報告を国や福井県に提出した。
福井県の牧野百男県民生活部長は「県としては4号機用MOX燃料の品質データに問題がないと考えるが、国の判断を踏まえ慎重に対応したい」と述べた。

MOX船の週内入港困難

1999年9月22日 20時41分共同通信社
 東京電力は22日午後記者会見し、悪天候のため同日早朝に福島第一原発の専用港への到着を延期したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料輸送船パシフィック・ティールについて、週内の入港は困難との見通しを明らかにした。
この結果、27日に予定されていた関西電力高浜原発(福井県)へのMOX燃料搬入も遅れることが確実となった。

MOX燃料データ偽造、通産省が職員を派遣し調査

6:40p.m. JST September 20, 1999
関西電力が高浜原発(福井県高浜町)で使う予定のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料のデータが製造元の英核燃料会社(BNFL)で偽造されていた問題で、通産省は20日、BNFLへ職員2人を派遣し、同日から関電の調査員とともに調査を始めたことを明らかにした。
一方、国の原子力安全委員会の佐藤一男委員長は20日、通産省に対し「事態を十分調査し、適切な対応をしていただきたい」と述べ、今後の調査内容を報告するよう求めた。
また、原子力安全委は、同委の委員1人をBNFLに派遣することも明らかにした。

「MOX燃料を送り返せ」

1999年9月16日 18時12分 共同通信社
 関西電力高浜原発3号機向けのプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の検査データがねつ造されていた問題で、「原発に反対する福井県民会議」は16日、間もなく到着予定の4号機用の燃料を製造した英国核燃料会社に送り返すよう福井県と関西電力に申し入れた。

プルサーマル燃料 英社、一部検査行わず

99.09.15 by 産経新聞
関西電力が高浜原子力発電所(福井県高浜町)で計画しているプルサーマル用のMOX燃料を利用する発電に関して、MOX燃料を製造している英国原子燃料会社(BNFL)が高浜原発3号機向け燃料の一部で決められた検査を実施せず、過去のデータを流用していたことが十四日明らかになった。
MOX燃料は現在、高浜原発4号機向けが海上輸送中で、今月下旬に日本に到着する見通し。BNFLでは4号機向けについては問題がないとしているが、通産省資源エネルギー庁は関西電力に対し、4号機用も含め詳細な調査を行うように指示。関電も現地に職員を派遣した。調査の結果次第では、十一月開始を目指していた4号機のプルサーマル計画が遅れる可能性も出てきた。
MOX燃料は使用済みとなったウラン燃料の中に残されているプルトニウムを再処理で取り出し、ウランと混ぜて現在の原発で発電用燃料として利用できるようにしたもの。ウランと同じように小さな円柱状のペレットに焼き固め、特殊合金でできた被覆管に約三百個詰めて燃料棒とし、さらに燃料棒を二百五十本以上集めて燃料集合体にして利用する。
契約ではMOX燃料を焼き固めたペレットの外径について、自動外径測定装置で検査した後、さらに一ロット約三千個のうち二百個を抜き取り、検査を行うことになっている。だが、BNFLでは高浜3号機向けの約二百ロットのうち、十一ロットの抜き取り検査を行っておらず、過去の検査データを流用し、架空のデータを記載していた。
ペレットの外径が規格通りでないと、ペレットの膨張で被覆管にピンホールが生じ、最悪の場合には放射性物質が漏れる可能性があるという。
資源エネ庁は、MOX燃料を原子炉に装荷する前に検査することになっているが、「検査に合格するためには、疑義を晴らしてもらう必要がある」(平岡英治原子力安全課長)とし、輸送中の高浜4号機用の外径測定が正しいことを証明できなければ、装荷を認めない意向を示している。

グリーンピースが敦賀入港

1999年9月9日 20時44分共同通信社
関西電力高浜原発などで使う、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料の、海上輸送に反対している国際的な環境保護団体グリーンピースの広報船アークティック・サンライズが9日、福井県の敦賀港に入った。
グリーンピースによると、輸送反対運動が起きている韓国から韓国最大の環境保護団体のメンバー2人も船に乗っている。

タスマン海経由で日本へ

1999年7月22日 12時37分 共同通信社
 鈴木宗男官房副長官は、22日午前の政務次官会議後の記者会見で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の輸送ルートについて、アフリカ南端の喜望峰を回った後は、オーストラリアとニュージーランドの間のタスマン海を経由して、9月の中下旬に日本に到着する見込みであることを明らかにした。

青森県知事が大間原発に同意 初のMOX原子炉

9:38p.m. JST July 16, 1999
 青森県の木村守男知事は16日、同県大間町で電源開発(本社・東京)が進める大間原子力発電所(改良型沸騰水型軽水炉、出力138万3000キロワット)の建設計画に同意する意見書を経済企画庁に提出した。近く開催予定の電源開発調整審議会で国の電源開発基本計画に盛り込まれる見通しだ。原発の新規立地は1996年の東通原発(同県東通村)が認められて以来。大間原発は原子炉の全炉心にウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を入れる世界初の原発となる。
 木村知事は意見書の中で、ここ数年頻発している原発事故や事業者による事故データ改ざんなどの問題に触れ、「原子力に対する県民、国民の不安・不信は払しょくされていない」と指摘。今後の安全確保や情報公開を強く求めたうえで、「国の責任ある対応がなければ(同意意見を)考慮し直すこともある」との意見を付け加えた。
 大間原発は全炉心でMOX燃料を使用することから、従来の原発以上に危険視する声が根強いが、地元自治体などは立地による経済振興を望み、知事に同意を求めていた。漁業補償交渉はすでに完了しているが、一部の地権者は用地買収に応じていない。

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