TOPIC No.2-71-1 新潟/誘拐、監禁事件

長期監禁の実態を検証

2000年2月25日 18時55分
新潟の女性監禁事件で、新潟県警三条署捜査本部は25日午後、逮捕監禁致傷容疑などで逮捕した佐藤宣行容疑者(37)の立ち会いで女性(19)を9年2カ月にわたり監禁していた新潟県柏崎市の自宅の本格的な現場検証を行った。
「すべてを話したい」などという佐藤容疑者の供述を基に捜査本部は、女性を監禁していた2階の部屋を中心に入念に検証、長期監禁の全容解明を目指す。

新潟女性監禁事件で警察庁、県警幹部の処分検討へ

7:07p.m. JST February 24, 2000
新潟県柏崎市での女性監禁事件をめぐって警察庁は、24日開かれた国家公安委員会(委員長=保利耕輔自治相)に、同県警の初動捜査ミスや女性を保護した後の報道陣への虚偽の発表問題などについての調査結果を報告した。この中で、保健所職員が女性を発見した際の出動要請に対し、柏崎署が「そんなことまで押しつけないでくれ」と出動を拒否していたことや、女性が保護されるまでに容疑者宅を計3回、巡回連絡をしたこと、4年前に容疑者の母親が柏崎署に相談した際の内容を記録した相談簿を紛失していたことなどが明らかになった。調査結果を踏まえ、国家公安委と警察庁は小林幸二本部長ら県警幹部の処分について検討に入る。
被害者の女性が保護された今年1月28日の記者会見で県警は、実際には容疑者宅で保健所職員らが女性を発見したにもかかわらず、「病院で警察官が発見した」などとうその発表をしていた。警察庁の調査によると、この発表については、表現方法も含めて事前に小林本部長が了承していたという。小林本部長は、これまでの朝日新聞などの取材に対して「第一発見者を伏せることは了承したが、事実と異なる発表をするとは思っていなかった」と説明していた。
この日の報告によると、女性が監禁された1990年11月13日から保護されるまでの9年余りの間に、容疑者宅への巡回連絡は計3回、周辺住宅に対しても7回程度行われたが、発見につながる情報は得られなかった。
また、容疑者の母親は96年に所轄の警察署に相談をしていたが、その記録はなく、当時の署員ら8人は記憶がないという。こうした相談簿は5年間保存すべきなのに、このうち2年間分を紛失していたという。

県警本部長が議会で謝罪

2000年2月22日 16時19分
新潟の女性監禁事件で、新潟県警が虚偽発表や保健所からの出動要請を拒否するなど不適切な対応をした問題で、同県警の小林幸二本部長は22日、県議会連合委員会で初めて謝罪した。小林本部長は「初動捜査や被害者発見時における記者会見の問題のほか、保健所の出動要請に迅速に対応できなかったことなど、多くの県民の皆さまに大変ご迷惑をお掛けし、心からおわびします」と頭を下げた。

県警の対応は不適切 新潟の女性監禁事件で警察庁長官

5:29p.m. JST February 21, 2000
警察庁の田中節夫長官は21日の参院行政監視委員会で、新潟県柏崎市の女性監禁事件に関する新潟県警の対応について報告した。その中で田中長官は捜査の問題点として、(1)女性の行方不明事件の発生当時、県警として組織を挙げて捜査したにもかかわらず、なぜもっと早く容疑者を割り出せなかったのか(2)担当地域の実態を掌握しなければならない地域警察官が、なぜ女性を発見できなかったのか(3)4年前、容疑者の母親が警察署に、容疑者の素行について相談した時が女性発見のチャンスだったのではないか、という3点をあげ、「警察庁としても問題だと思う」との認識を示した。
さらに、容疑者宅で女性が発見された際、保健所職員から現場に出動するよう依頼がありながら、柏崎署が迅速に署員を派遣しなかったことや、記者会見で事実と異なる発表をしたことについて、「警察として不適切な対応であり、極めて遺憾に思う」と語った。
また、京都市の小学生殺害事件で容疑者が自殺したことについては、「自殺に至ったことを重く受け止めなければならない。京都府警は任意性の確保と容疑者の検挙というはざまの中でぎりぎりの判断、措置をしたが、その中で1つのすきが出てしまったことは残念」と述べた。

新潟の監禁事件で警察庁が県警から事情聴取

0:58p.m. JST February 20, 2000
新潟県の女性監禁事件で、警察庁は20日、幹部らで構成する調査チームを同県警に派遣し、県警の捜査の問題点や虚偽発表の経緯などについて、小林幸二本部長らから事情を聴取した。警察庁が個別の事件対応をめぐり、こうした調査チームを派遣するのは極めて異例。同庁は「県警の対応が警察に対する信用を失墜させた」と判断しており、今回の調査結果を基に、処分などを検討する方針。
調査チームは、上田正文官房審議官(生活安全局担当)、井口斉捜査一課長、笠原孝志地域課長ら計5人。一行は同日午前10時すぎ、新潟市の県警本部に到着した。
チームは(1)同種事件で逮捕されていながら、佐藤宣行容疑者(37)が監禁事件の捜査対象者として浮上しなかった経緯(2)長期間にわたり女性を発見、保護できなかった捜索活動の状況(3)女性発見時の状況について虚偽の発表をした報道対応―などについて聴取。小林本部長はじめ県警の百田春夫刑事部長、長谷川征司生活安全部長や関係課長らに説明を求めたほか、捜査記録をチェックした。
この問題をめぐっては、田中節夫警察庁長官が18日の衆院法務委員会で「重大性は認識しており、正すべきところは正し、責任があるところは責任を求めていく」などと表明。県警幹部を処分する方針を示している。(時事)

監禁事件で保健所の要請拒否を半月後に県警幹部把握

03:03a.m. JST February 20, 2000
新潟県柏崎市の女性監禁事件をめぐり、監禁されていた女性(19)を発見、保護した柏崎保健所職員からの出動要請に柏崎署が応じていなかった事実を、小林幸二・本部長ら新潟県警幹部が、約2週間たった今月中旬になってようやく知ったことが19日わかった。小林本部長は、女性が保護された時の経緯について虚偽の内容を発表していた事実も、今月16日に報道機関から指摘されるまで知らなかったとしており、新潟県警の情報管理体制のずさんさが浮き彫りになった。
先月28日、母親の連絡を受けて佐藤宣行容疑者(37)宅を訪れた柏崎保健所職員らが女性を発見した際、2度にわたって柏崎署に出動を要請したが、「保健所で対応してほしい」と拒まれた。しかし、県警は同日夜の記者会見で「午後3時ごろ、病院で男が暴れているという通報があり、署員が駆けつけると、女性が一緒にいた。指紋で身元が判明したので、保護した」と虚偽の内容を発表した。
県警によると、今月10日夜、出動要請を拒んだことについて報道機関が柏崎署に取材したため、同署が12日夜に県警幹部に報告したという。
小林本部長は、保健所から出動要請があり、これを同署が断っていた経緯について、「12日夜に報告を受けるまで知らなかった」としている。また、長谷川征司・生活安全部長も17日の会見で、13日になって報告を受けたことを認めたうえで、「2回とも要請に応じなかったのは不適切で、深く反省している」と陳謝していた。

新潟の女性監禁事件で「心のケア」に医療チーム結成へ

03:08a.m. JST February 19, 2000
新潟県柏崎市の女性長期監禁事件で、被害者の女性(19)と家族の心のケアにあたる医療チームを県が中心になってつくることになった。事件被害に対するこうした取り組みは「おそらく全国でも初めてではないか」(新潟県)という。女性の回復には家族の長期にわたる協力が不可欠なため、家族を支援する担当者も置く予定。県などでは女性の家族が支援を求めた時、すぐに対応できるよう準備に入った。
関係者によると、女性は保護された後、県内の病院に入院し、治療が続いている。順調に回復しており、病院内を1人で歩けるほどにまでなった。
新潟県では、女性と家族に対して中、長期的なケアが必要と判断、専門家10人程度で医療チームを作ることにした。女性の担当と家族の担当の2班に分ける方針で、すでに人選を進めているという。
女性を担当するのは複数の精神科医と内科医、臨床心理士。家族は精神科医が担当することになるという。さらに女性と家族の一体的なケアができるように、2つのチームを統括する精神科医を責任者として置くことにしている。
ただし、ケアは本人と家族の希望が前提。「要望があった時にすぐ対応できる態勢をつくりたい」と、あえて受け身の姿勢をとっている。過剰な支援がかえって女性や家族を傷つけることもあるためだ。
京都犯罪被害者支援センター会長の大谷実・同志社大法学部教授(刑事法)は「被害者や家族への直接的な支援は、よほど慎重にやらないと余計に傷つけてしまう場合がある」と指摘する。
同センターは犯罪被害者からの電話による相談や面接相談を実施しているが、大谷教授は「相談に乗ってもらえる人や機関があり、そのことを被害者が知っていることが重要」と話している。

新潟県警への批判相次ぐ

2000年2月18日 13時12分
18日の自民党総務会で、女性監禁事件をめぐる新潟県警の発表内容に虚偽があった問題に批判が相次ぎ、桜井新政調会長代理はプロジェクトチームを作って問題点の洗い出しを行う意向を表明した。
奥田幹生元文相は「県警本部長、刑事部長の了承を得てやっていた。もっと深刻に受け止めるべきだ」と指摘。鈴木正孝参院議員は「本当に反省しているのか問わざるを得ない」と述べた。

災害共済給付支給へ 新潟の女性監禁事件で中曽根文相

7:19p.m. JST February 16, 2000
中曽根弘文文相は16日の衆院予算委員会で、新潟県三条市の女性が9年余りにわたり監禁されていた事件に関連して「女性は放課後か下校途中かは不明だが、いずれにしろ学校管理下で誘拐され、監禁されたため、入院と療養が必要になった。日本体育・学校健康センターが災害共済給付について方針決定をすると聞いている」と述べ、被害者の女性に見舞金が支給されるとの見通しを示した。
同センターは文部省の外郭団体で、学校内などで死亡やけがをした児童・生徒に見舞金を支給している。

監禁女性のケアを検討

2000年2月15日 17時34分
新潟の女性監禁事件で、同県と三条市、新潟県警などは15日、9年2カ月にわたり監禁され、心的外傷後ストレス障害などが残った女性(19)の今後のケアについて具体的な検討を始めた。県福祉保健部は狭い部屋に閉じ込められ、脅迫された状況を重視。家族の希望を踏まえ「全力の支援をしたい」と話している。

新潟女性監禁事件で容疑者を送検「話し相手欲しかった」

8:59p.m. JST February 13, 2000
新潟県柏崎市の女性長期監禁事件で、県警捜査本部は13日、未成年者略取と逮捕監禁致傷の容疑で逮捕した同市四谷1丁目、無職佐藤宣行容疑者(37)を新潟地検に送検した。
捜査本部の調べに対し、佐藤容疑者は、「話し相手になる女の子が欲しかった。友達にしたかった」など、当時小学4年だった女性(19)を連れ去った理由について話していることがわかった。これまでの調べで、佐藤容疑者は「女の子を探していて、たまたま見かけて、かわいいと思ったから」と供述しており、捜査本部は、最初から女の子を連れ去る目的で現場周辺を訪れた可能性が高いとみて、詳しく聴くことにしている。

事件の計画性は否定

2000年2月12日 18時07分 共同通信社
新潟の女性監禁事件で、新潟県警捜査本部は12日、佐藤宣行容疑者(37)の本格的な取り調べを始めた。捜査本部によると、佐藤容疑者は「大変かわいかったので連れて行きたかった」と動機を述べ、「偶然出会った。初めて会ったので、だれかは知らなかった」と計画性については否定した。佐藤容疑者は取り調べに落ち着いて応答。「その通りです」と逮捕監禁などの容疑を素直に認めているという。

食事は1日に1回

2000年2月12日 12時53分 共同通信社
新潟の女性監禁事件で、監禁されていた女性(19)は「食事は1日に1回しか与えられず、それを3回に分けて食べていた」と話していることが12日、同県警捜査本部の調べなどで分かった。また、逮捕された佐藤宣行容疑者(37)は同市内の病院に入院中、医師に「女の子がかわいかったので連れ去った」「逃げないように高圧電流銃を使って脅した」などと話している。

ストレス障害で刑事責任を追求へ 新潟の女性監禁事件

01:25a.m. JST February 12, 2000
9年2カ月という過去に例のない長期間に及んだ新潟県三条市の女性監禁事件で新潟県警は、被害者の女性が心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの傷害を負ったと位置づけ、逮捕監禁致傷容疑に問うことにした。最近は事件がもたらすトラウマ(心的外傷)の重大さが認識される傾向にあるが、PTSDを傷害として立件したケースはほとんどないといわれる。
県警があえて致傷容疑を適用したことについて、刑事裁判の実務に詳しい法律家は、単なる逮捕監禁容疑にとどめたのでは女性の精神状態とかけ離れる実態があるためではないか、とみる。さらに、「『心の傷』のせいで女性が脱出しようとしなかった、あるいはできなかった、という説明が『致傷』を問うことで可能になると考えたのかもしれない」と話す。
今後は、容疑者の刑事責任能力の有無が最大の焦点となる。新潟地検は精神鑑定の実施も検討しているが、最近まで自動車を運転するなど日常生活に支障がなかったことから刑事責任は問える、としている。
これまでの捜査では、容疑者宅の捜索や検証に6日間をかけるとともに、保護された直後から入院していた女性や同居していた容疑者の母親から詳しく事情を聴き、証拠を固めてきた。しかし、容疑者は女性保護から逮捕までの2週間は入院していたため、ほとんど供述が得られていない。
県警が容疑者の刑事責任能力を立証するためにも、被害の深刻さを解明するためにも、取り調べを通じて「空白の9年」を埋めていかなければならない。
<心的外傷後ストレス障害(PTSD)> 通常経験する範囲を超えた、恐ろしい出来事を体験した後に起こる適応障害で、おびえ、異常興奮、物事への関心の喪失、睡眠障害などの症状が出るとされる。体験を思い出すことを避ける傾向がみられるが、逆に悪夢などにより事件が追体験されることも多い。米軍のベトナム帰還兵の多くが同様の症状を起こしたことから研究が進み、阪神大震災、地下鉄サリン事件、コソボ紛争などでも多くの患者を出し、注目された。体験直後から症状があるが、6カ月以上たってから出ることもある。

「かわいかったので」

2000年2月12日 10時33分 共同通信社
新潟の女性監禁事件で、逮捕監禁致傷などの容疑で逮捕された新潟県柏崎市四谷、無職佐藤宣行容疑者(37)が同市内の病院に入院中、医師に「女の子がかわいかったので連れ去った」などと話していたことが12日、同県警捜査本部の調べで分かった。捜査本部は佐藤容疑者の本格的な取り調べを始めるととともに、母親(73)も監禁ほう助を視野に入れ、詳しく聴取する。

新潟の女性監禁事件で容疑の男を逮捕

5:15p.m. JST February 11, 2000
新潟県三条市の女性(19)が小学校からの下校途中に車で連れ去られ、同県柏崎市で9年余にわたって監禁されていた事件で、新潟県警の捜査本部は11日、同市の無職佐藤宣行容疑者(37)を未成年者略取誘拐と逮捕監禁致傷の疑いで逮捕した。
調べによると、佐藤容疑者は1990年11月13日、当時小学校4年生だった女性をナイフで脅して車のトランクに押し込め、柏崎市内の自宅に連れて行ったうえ、9年2カ月間も2階の部屋に監禁した疑い。女性は度重なる暴力を受けて、逃げるのをあきらめるようになり、先月28日に保護されるまで部屋から一歩も外に出なかったとされる。
佐藤容疑者は過去に精神状態が不安定だったことがあり、事件発覚後も入院していた。捜査本部は、佐藤容疑者がこれまで運転免許を更新していたことや、最近まで自分で運転して競馬場に行くなど日常生活に支障がなかったと判断。刑事責任は問えるとして、逮捕に踏み切った。
捜査本部は、同居していた佐藤容疑者の母親(73)についても、息子の犯行に気づいていた可能性があるとみて、監禁ほう助による立件も視野に入れて調べている。

新潟の女性監禁事件、男性の逮捕状請求

2:25p.m. JST February 11, 2000
新潟県三条市の女性(19)が下校途中に車で連れ去られ、同県柏崎市の無職男性(37)宅に9年2カ月にわたって監禁されていた事件で、新潟県警捜査本部はこの男性について未成年者略取誘拐と逮捕監禁の疑いで逮捕状を請求した。男性は精神状態が不安定だったため、女性が保護された1月28日から柏崎市内の病院に入院していた。
調べによると、男性は1990年11月13日、下校途中の当時小学4年生だった女性をナイフで脅して車のトランクに押し込め、柏崎市内の自宅に連れていき、9年2カ月の間、2階の部屋に監禁した疑い。
捜査本部によると、監禁された当初、女性が部屋から逃げ出そうとしたり泣き出したりすると、男性からナイフを突きつけられ、殴るけるなど暴力を振るわれたという。度重なる暴力を受けて、女性は次第に逃げることをあきらめるようになり、保護されるまで部屋から一歩も出なかったという。
男性は過去にも精神状態が不安定だったことがあり、捜査本部は事件当時の刑事責任能力について慎重に検討した。その結果、これまでに運転免許を更新していたことや、最近まで運転して競馬場に行くなど日常生活に支障がなかったことがわかり、刑事責任は問えると判断した。

新潟女性監禁事件、犯罪前歴者リストに男性データ未登録

9:32p.m. JST February 10, 2000
新潟県三条市の女性(19)が9年余にわたって同県柏崎市の無職男性(37)宅に監禁されていた事件で、新潟県警の小林幸二本部長は10日の記者会見で、女性が行方不明になる1年5カ月前に男性を別の事件で逮捕していたにもかかわらず、作成が義務付けられている前歴者リストに入れていなかったことを明らかにした。小林本部長は「登録漏れがあったのは事実で、捜査の遅れの一因になった」として、捜査にミスがあったことを公式に認めた。これまでの捜査を検証したうえで、警察庁に報告する。
県警によると、国家公安委員会規則により、各警察署は殺人や強盗、誘拐など8種類の犯罪について、事件処理した際に被疑者名や犯行の手口などを一件ごとに「犯罪手口資料」にまとめて、県警本部に送るよう義務付けられている。これを県警本部の捜査一課がコンピューターの前歴者リストに入力し、反復継続する恐れのある犯罪の捜査に役立てているという。
男性は1989年6月、柏崎市内の小学校付近で、下校中の女児を連れ去ろうとして柏崎署に逮捕され、有罪判決を受けた。この事件も犯罪手口資料を作り、前歴者リストに登録すべき事件だったが、県警のリストには先月28日に女性が男性宅で発見、保護されるまで、登録されていなかった。女性の連れ去り事件は、男性の執行猶予中の90年11月に起きた。
県警では、柏崎署から報告がなかったのか、入力を忘れたのかなどについて、さらに調査するという。
県警は、女性が行方不明になった当時、三条署に対策本部を設けて、事件、事故の両面から捜査していたが、女性が住んでいた三条市とその周辺市町村に対象を絞り込んでいた。

逮捕視野に捜査大詰め

2000年2月10日 16時23分 共同通信社
新潟県三条市の女性(19)=当時小学4年=が連れ去られ、9年2カ月の長期にわたり監禁された事件が発覚して11日で2週間。監禁したとされる男(37)は依然、同県柏崎市内の病院に入院中だが次第に落ち着きを取り戻し、捜査員が医師を介して話を聴き始めた。県警三条署捜査本部は未成年者略取誘拐、逮捕監禁容疑での逮捕を視野に地検と協議、捜査は大詰めを迎えている。

監禁の男逮捕へ最終協議

2000年2月9日 16時22分 共同通信社
新潟県で小学4年の女児が9年2カ月にわたり監禁された事件で、同県警三条署捜査本部は9日、無職の男(37)=入院中=について、未成年者略取誘拐、逮捕監禁容疑での逮捕に向け、近く新潟地検と最終的な協議をすることを決めた。男は次第に安定してきているものの、数日に1度は暴れだす状態が続いており、捜査本部は男を逮捕し、事件の全容解明をするには綿密な協議が必要としている。


香ちゃん不明事件で神奈川県警が改めて聞き込み調査

5:48p.m. JST February 11, 2000
横浜市旭区本宿町、会社員野村節二さん(51)の次女、香ちゃん(当時8歳)が、1991年10月に自宅を出たまま行方不明になっている事件で、神奈川県警旭署は11日、改めて自宅周辺で聞き込みをしたり、空き家を調べたりした。新潟県3条市の女性(19)が先月末、9年2カ月ぶりに保護された事件をきっかけにした捜査という。
この日は、「香ちゃんをさがす会」のメンバーや母親の郁子さん(47)ら約90人も、自宅近くの相模鉄道二俣川駅などで情報提供を呼びかけるビラを配った。

不明女児を特別捜査

2000年2月7日 16時41分 共同通信社
新潟県三条市で行方不明だった女性(19)が9年2カ月ぶりに発見、保護されたことを受け、群馬県警は7日までに、1996年に群馬県太田市内で行方不明になった当時4歳で保育園児の横山ゆかりちゃん=同県大泉町=の情報提供を呼び掛けるチラシ9万枚を作成、あらためて情報提供を呼び掛けるなど特別捜査に乗り出した。


新潟・監禁事件、同居の母親は息子以外の存在に気づく?

11:50a.m. JST February 05, 2000
新潟県三条市の女性(19)が、9年余にわたって同県柏崎市の無職男性(37)宅で監禁されていた事件で、同居していた男性の母親(73)が以前から2階に他人がいることに気づいていた可能性が大きいことが5日、県警捜査本部の調べでわかった。捜査本部は、男性を未成年者略取誘拐・逮捕監禁容疑で立件する方針を固めており、監禁について母親がどの程度認識していたか確認を急いでいる。
調べによると、女性は1990年11月13日夕、小学校からの下校途中に男性に無理やり車のトランクに押し込められ、男性宅に連れてこられた。その後、先月末に保護されるまで、2階の部屋で監禁されていた。
捜査本部に対し、母親は「息子の暴力が怖くて2階に上がることができなかった」と話し、保護されたときに初めて女性の顔を見たと説明している。女性も保護されるまで母親と会ったことがなかったと話しているという。
しかし、監禁されていた間の女性の食事は、母親が作ったものを男性がプラスチック容器に入れて階上に持っていったり、レトルト食品を食べていたりしたことがわかった。母親は、男性以外が食べるためのものであることを感じ取っていた可能性が大きいと捜査本部はみている。
このため捜査本部は、母親がいつごろから男性以外の存在に気づいていたか、監禁状態にあったことを知っていたかどうかなどについて、詳しく事情を聴くことにしている。

医師の許可得て逮捕の方針

2000年2月4日 19時46分 共同通信社
新潟県三条市で小学4年の時、連れ去られた女性(19)が9年2カ月にわたり監禁されていた事件で、同県警三条署捜査本部は4日、入院中の無職の男(37)について、医師の許可が得られ次第、未成年者略取誘拐、逮捕監禁容疑で逮捕する方針を固めた。
捜査本部はこれまでに監禁場所となった同県柏崎市の男の自宅2階和室8畳間などを6日間にわたり捜索、検証。

監禁男の写真を修整、撤去

2000年2月4日 18時34分 共同通信社
新潟県三条市の女性(19)の監禁事件で、3日発売の「週刊文春」(文芸春秋発行)が、9年余りにわたって女性を自宅に監禁していたとされる同県柏崎市の無職の男(37)=入院中=の顔写真と実名を掲載した。JR東日本や西日本、東京の営団地下鉄、私鉄各社は「逮捕もされていない段階での顔写真掲載は人権上、問題がある」などとして4日までに、車内から撤去するなどの措置を取った。

不明事件の徹底捜査を指示

2000年2月3日 17時17分 共同通信社
新潟県三条市で行方不明になっていた当時小学4年の女性(19)が9年2カ月ぶりに保護された事件を受け、警察庁は3日、同種の行方不明事案のある全国の県警にあらためて捜査の徹底を指示することを決めた。同庁によると1989年以降、13歳未満の児童が,行方不明になる事案が、三条市の事件以外に,、岩手、福島、群馬、神奈川、三重、徳島県で6件発生し,未解決になっている。

民生委員に実情把握求める

2000年1月31日 17時53分 共同通信社
新潟県柏崎市の女性監禁事件で、女性が9年2カ月もの間、一軒家に監禁されていたことに周辺住民らが気付かなかったことを重視した柏崎市は31日、本格的な情報収集を始めるとともに、緊急庁議を開き、民生委員に地域の実情の把握に努めてもらうよう文書で要請することなどを決めた。

男の家の捜索再開

2000年1月30日 10時04分 共同通信社
新潟県三条市で行方不明になっていた当時小学4年の女性(19)が9年2カ月ぶりに同県柏崎市で保護された事件で、三条署捜査本部は30日午前9時から、前日に引き続き、女性が閉じ込められていた柏崎市内の男(37)=入院中=の自宅を監禁容疑で家宅捜索した。
捜索は9年2カ月に及ぶ監禁生活を検証するため、女性が生活していた2階の部屋などを中心に行われた。

テレビが唯一の情報源か

2000年1月29日 17時55分 共同通信社
新潟県三条市で行方不明になっていた当時小学4年の女性(19)が9年2カ月ぶりに同県柏崎市内で保護された事件で、三条署捜査本部は29日午後も引き続き、監禁容疑で女性が閉じ込められていた柏崎市内の男(37)=入院中=の自宅を家宅捜索した。これまでの調べで、女性は監禁中、男との会話は少なかったものの、室内でテレビを見るなどして過ごしていたことなどが判明。

誘拐、監禁で捜査本部設置

2000年1月29日 17時49分 共同通信社
新潟県三条市で行方不明になっていた当時小学4年の女性(19)が9年2カ月ぶりに同県柏崎市内で保護された事件で、新潟県警捜査一課などは29日、監禁容疑で女性が閉じ込められていた柏崎市内の男(37)=入院中=の自宅を家宅捜索。女性が「下校途中に男に無理やり車に乗せられ、連れ去られた」と説明しており、県警は同日、三条署内に「未成年者略取誘拐、逮捕監禁捜査本部」を設置。

誘拐、監禁で捜査本部

2000年1月29日 16時37分 共同通信社
 新潟県三条市で行方不明になっていた当時小学4年の女性(19)が9年2カ月ぶりに保護された事件で、新潟県警は29日午前、監禁容疑で女性が閉じ込められていた柏崎市内の男(37)=入院中=の自宅を家宅捜索した。女性が「下校途中に男に無理やり車に乗せられた」などと説明していることから、県警は同日、三条署内に捜査本部を設置、今後男が精神的に落ち着くのを待って詳しく事情聴取する。

新潟で保護の女性「怖かったが、あきらめに変わった」

1:41p.m. JST January 29, 2000
新潟県三条市の小学校から9年余り前に行方不明になった女性(19)が、28日に同県柏崎市で保護された事件で、同県警は29日、三条署に捜査本部を設置し、男性宅の家宅捜索を始めた。未成年者略取誘拐と逮捕監禁の疑いで、女性を連れ去ったとみられる無職男性(37)とその母親から、女性が行方不明になった経緯などについて、詳しく事情を聴いている。これまでの調べで、女性は「初めは怖かったが、あきらめに変わった。逃げるチャンスがなかった」などと話しているという。
三条署の竹内昭夫署長はこの日午前会見し、女性の行方不明事件ではこの男性を捜査対象にしていなかったことを明らかにした。28日は男性が自宅で騒いでいたため、連絡を受けた柏崎市内の病院が男性を迎えに行って入院させたが、病院でも騒いだことから、警察に通報したという。
男性宅は柏崎市の中心部の静かな住宅街にあり、木造一部2階建て。男性は地元の高校を卒業後、地元の精密部品メーカーに就職したが、約半年で辞めたという。現在は母親と2人暮らし。
県警の事情聴取に対して女性は「グラウンドから自宅に帰る途中、学校の近くで男に無理やり車に押し込められて連れ去られた。ずっと男の家の2階にいた」と話している。
2階は男性が使っており、女性はテレビを見るなどして過ごし、食事は男性がプラスチックの保存容器に入れて2階まで持ってきたと説明している。同居している母親は、男性が暴れるため怖くて2階に上がれず、女性を見たことはなかったと話しているという。
近所の人の話では、2階の窓はいつもカーテンが閉められ、内側から紙が張られて外からは中の様子が見えなかったという。
近くの商店主によると、男性は昼間に姿を見かけることはほとんどなく、時々、母親が運転する車で外出していたという。近所の主婦は「母親が帰宅した時に、息子に無断で家に入ると怒られていた」という。
近くに住む男性は「息子さんは勤めている様子もなく、家に閉じこもりがちだった。母親は近所付き合いをしているが、息子さんはあまり話をせず、物静かな印象だった。2階に人がいるとは思いもよらなかった。今でも信じがたい」と驚いた様子だった。
また、別の男性は「体の大きな息子さんだったが、最近は姿を見なかったので母親が1人で暮らしていると思っていた」と話した。高校の同級生によると、「社交的ではなく教室のすみにいるような感じだった」と話している。
三条市内の女性の自宅では、祖父(71)が29日朝、家の前で取材に応じた。「母親は病院で孫に付き添っている。行方不明の間も、食事は孫の分も毎晩作っていた。私の中ではまだ9歳のイメージ。会ったら言葉に詰まって話せないでしょう」と語った。

保護の女性「車で連れ去られた」 男性宅を家宅捜索

11:54a.m. JST January 29, 2000
新潟県三条市内の小学校から9年余り前に行方不明になり、28日に同県柏崎市内で保護された女性(19)は、新潟県警三条署の事情聴取に対して、無職男性(37)に学校から車で連れ去られ、その後は同市内の男性の家から、1度も外に出たことがないなどと話していることが、29日わかった。県警は未成年者略取誘拐と逮捕監禁の疑いで、同署に捜査本部を設置し、男性宅の家宅捜索を始めた。女性が行方不明になった経緯や、保護されるまでの間の生活などについて、男性や同居していた男性の母親から詳しく事情を聴いている。
同署の事情聴取に対して女性は「学校の周りで、男に車で連れ去られた。ずっと男の家の2階で暮らしていた。初めは怖かったが、あきらめに変わった」と話しており、28日に保護されるまで1度も外に出たことがなかったという。男性宅では、部屋にあったテレビを見るなどして過ごし、食事は男性が保存容器に入れて2階まで持ってきたと説明している。
男性と同居している母親は、男性が乱暴をするため怖くて2階に上がれず、女性のことを見たことはなかったと話しているという。
女性は三条市内の小学校4年生だった1990年11月13日に、午後3時45分まで学校の折り紙のクラブ活動に出席。午後4時45分ごろ、小学校のグラウンド付近で同級生に目撃されたのを最後に行方がわからなくなっていた。県警は対策本部を設けて捜査を続け、これまで百十数件の情報が寄せられたが、柏崎市周辺での目撃情報などはなかったという。
保護された時に女性は男物のトレーナーにズボン姿だった。髪はショートカットで「男に切ってもらった」という。

新潟の不明少女、9年後に無事発見

02:02a.m. JST January 29, 2000
新潟県警三条署は28日夜、9年余り前から新潟県三条市内で行方不明になっていた女性(19)を同県柏崎市内で発見、無事保護したと発表した。同署によると、女性は柏崎市内の無職男性(37)に連れ去られ、その後この男性宅で暮らし、この日まで外に出たことがなかったと話しているという。女性が不明になった経緯やこの間の生活などについて、同署は同居していた男性やその母親から詳しく事情を聴いている。
調べによると、28日午後3時ごろ、柏崎市内の病院から、診察に訪れた男性があばれているとの通報があり、柏崎署員がかけつけたところ、若い女性が付き添っていた。女性は名前を名乗り、生年月日を明かした。指紋などで行方不明になっていた女性と確認された。
三条署の事情聴取に対し、女性は「男性に連れて行かれた」と話している。行方不明になった直後からこの男性と男性の母親の3人で、柏崎市内の男性宅で暮らし、この日に保護されるまで一度も外に出たことがなかったという。
自分の母親(45)と面会した女性は、抱き合って再会を喜んだという。女性は衰弱気味だったため、母親の希望で病院に入院した。
男性も別の病院に入院した。
女性は三条市内の小学校4年生だった1990年11月13日午後4時45分ごろ、小学校のグラウンドで遊んでいるところを同級生に目撃されたのを最後に行方がわからなくなっていた。県警は捜査を続けていたが、足取りは全くつかめていなかった。
28日午後11時すぎ、三条市内の自宅前で報道陣に応対した女性の父親(48)は、「皆さんにご協力いただいたおかげです。本当にありがとうございました。それが本当に率直な感想です。これまで全く連絡はなかった。この10年近く、娘のことは一度も忘れたことはない。元気そうでほっとした。娘も『元気だった』と言っていました」と硬い表情のまま話した。母親は夫の肩につかまって、無言で涙を流していた。

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