TOPIC No.2-71 新潟/誘拐、監禁事件

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1.その1、2.その2

TOPIC No.2-71-2 新潟/誘拐、監禁事件その2


佐藤被告を精神鑑定へ 新潟女性監禁事件で地裁

2000.10.03(21:29)asahi.com
 新潟県柏崎市の女性長期監禁事件で逮捕監禁致傷と未成年者略取などの罪に問われている同市四谷1丁目、無職佐藤宣行被告(38)の第4回公判が3日新潟地裁で開かれ、榊五十雄裁判長は弁護側が求めていた佐藤被告の精神鑑定を行うことを決めた。精神鑑定には少なくとも2、3カ月かかるため、年内にも結審するとみられていた公判が長引くことも予想される。

 検察側は、簡易精神鑑定の結果に基づき、佐藤被告には刑事責任能力があるとして起訴した。これに対し、弁護側は公判で「犯行当時は心神耗弱だった。刑事責任能力に疑問がある」として精神鑑定を請求していた。

 この日の公判では、佐藤被告を簡易鑑定した医師2人の証言内容が読み上げられた。2人の医師はいずれも、佐藤被告は他人が触れたものに触ることを極度に嫌う不潔恐怖症で、幻覚を見るなどの人格障害はあるものの、犯行当時は善悪の判断ができる状態で刑事責任能力はあったと証言した。

 次回公判は12月5日で、同居していた佐藤被告の母親(73)が弁護側の証人として出廷する。

「刑事責任問える」鑑定医らが証言 新潟女性監禁事件

2000.09.07(22:55)asahi.com
 新潟県柏崎市の女性長期監禁事件で逮捕監禁致傷と未成年者略取などの罪に問われた同市四谷1丁目、無職佐藤宣行被告(38)の公判が7日、新潟地裁長岡支部(榊五十雄裁判長)で開かれ、事件発覚後に佐藤被告が入院した病院の精神科医と新潟地検の鑑定医が弁護側の証人として出廷した。公判は非公開で行われた。弁護側によると、2人の証人は佐藤被告の刑事責任は問えると証言したという。佐藤被告は出廷しなかった。次回公判で証言の要旨が佐藤被告に示され、弁護側が申請している精神鑑定が必要かどうか裁判所が判断する。

 弁護団は公判終了後、記者会見し、公判では佐藤被告を精神鑑定する必要があるかどうかについて証人の意見を求めたとしたうえで、「非公開なので、あまり話せない。医学的疑問などを全般的に聞いた」と述べた。

 新潟地裁総務課は公判を非公開にした理由について「裁判長らの判断としかお答えできない」としている。

「かわいそうなことをした」 新潟女性監禁事件の被告人

2000.06.27(23:05)asahi.com
 1990年11月、当時小学4年生だった女性(19)を連れ去り、新潟県柏崎市の自宅に9年2カ月にわたって監禁し暴力を繰り返したとして、未成年者略取と逮捕監禁致傷などの罪で起訴された同市四谷1丁目、無職佐藤宣行被告(37)に対する第2回公判が27日、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれた。被告人質問で佐藤被告は監禁中「女性とはうまくやっていたと思っていた」と述べる一方、「(女性に)本当にかわいそうなことをした。青春の一番楽しい時を奪ってしまった。今後は彼女の人生の邪魔をしたくない」と心境を話した。

 佐藤被告は、犯行の動機について「10年間近く友達がいなくて寂しく、友達になりたかった。話し相手がほしかった」とした。拉致について「罪悪感はあった」という。検察側に「友人になりたければ、まず声をかけるのが自然じゃないか」とただされると、「そうですね」と答えた。

 また、女性の家族の心情を考えなかったのか問われると、「心配しているだろうなと考えた。でもどうしようもありませんでした」と述べた。

 監禁中、女性が大声を出したり床を歩いたりするのを禁じ、指示に従わないと暴力を振るったことについて「(階下の)母が女性の存在に気づくと、警察に通報され、2人の暮らしが終わると思った」と説明。部屋の床は虫がいて汚染されていると考えていて、「(女性が)ベッドから下りて汚染されるのがいやだった」とした。

 拉致してから1カ月ほどで女性が言うことを聞くようになったことについては「自分の置かれている状況に慣れたんだと思う」と述べた。監禁中、女性は「自分の成長する姿を写真に残したい」と話したという。

 佐藤被告は先月23日に開かれた初公判で、女性の怒りが書かれた調書を読み上げられてから、初めて女性に恨まれていたことを知り、謝罪の気持ちを持つようになったという。

 弁護側は佐藤被告と母親が、女性あてに謝罪の手紙を郵送したものの、返送されたことを明らかにし、被告人の現在の心情を立証する証拠としてこの手紙を提出、採用された。

 次回公判は7月25日。弁護側が、佐藤被告に対する精神鑑定の請求理由を説明する。

監禁事件で国に支援要望

2000年4月5日 17時27分
9年2カ月にわたって監禁されていた新潟県三条市の女性(19)の社会復帰に向け、同市の高橋一夫市長と岡田兵一郎市議会議長らが5日午後、文部、厚生、大蔵の3省を訪ね、被害女性や家族に対する精神的、経済的支援を要望した。
一行は「女性は心身に深い傷を負い、空白を取り戻すには想像しがたい長い年月が必要」と指摘。

「言葉に表せない」と怒り 新潟の女性監禁で父親会見

3/17共同ニュース
新潟県の女性監禁事件で、九年二カ月ぶりに保護された女性(19)の父親(48)が十七日、新潟県庁で事件解決後初めて記者会見に応じた。佐藤宣行被告(37)や捜査ミスを重ねた新潟県警に対し「文章や言葉に言い表せないものがある。責任の取り方がどんな方法であれ、家族にはつらい思いしか残らない」と激しい怒りを見せた。その一方で、先月十四日のバレンタインデーに親子三人で雪合戦するなど順調に回復している様子も明らかにした。
会見には父親と、その兄、弟の三人が臨み、準備した二枚の紙を読み上げ、その後質問に答えた。
今後の女性の社会復帰について父親は「大切な人間形成の時期が奪われた。これからは明るく輝くような人並みの青春を過ごさせてやりたい」と述べたが、佐藤被告に対しては「怒り以外にない。ぶつける所のなさに苦しみがある」と訴え、県警の相次ぐ捜査ミスについては「当初は不満もあったが今は娘を一日も早く社会復帰させたい気持ちの方が強い」と話した。

被害女性の社会復帰を支援

2000年3月11日 18時14分
女性監禁事件で約9年2カ月ぶりに保護された女性(19)の社会復帰を支援しようと、女性の地元である新潟県三条市が募金活動を検討していることが11日までに明らかになった。同市教育委員会などによると、募金方法や開始時期などは未定で、週明けから本格的な検討に入り、金融機関などとも協議する。

新潟県警本部長らの宿泊前日、公用車でマージャン卓運ぶ

2:27p.m. JST March 18, 2000
新潟県柏崎市の長期監禁事件で被害者の女性(19)が保護された当日、小林幸二・前同県警本部長らと特別監察に来ていた中田好昭・前関東管区警察局長が同県三川村のホテルでマージャンに興じていた問題で、花野平作・同県警総務課長が宿泊前日の1月27日に、公用車を使って全自動マージャン卓をホテルに運び入れていたことが18日、明らかになった。これまで県警の内部調査の最終報告書には、この事実は含まれていなかった。
県警はこれまで、花野課長が1月25日に予約のためにホテルを訪れたときと、宿泊当日と翌日に延べ5台の公用車を使っていたことを明らかにしていたが、前日の公用車使用については言及していなかった。マージャン卓は花野課長が友人から借りたものだったという。
一連の県警不祥事を巡り、県監査委員は不適正な公金の支出がなかったかどうか調べており、21日に県警幹部から事情を聴くことにしている。
花野総務課長は、23日付で新発田署長への異動が決まっている。

新潟県警本部長、給料日前に辞職し減給なかった

1:45p.m. JST March 14, 2000
 新潟県の女性長期監禁事件に絡む一連の警察不祥事で減給処分を受けた小林幸二・前新潟県警本部長は、3月の給料支給日の前に辞職したため、実際には減給が行われていなかったことが、14日午前の参院地方行政・警察委員会で明らかになった。
警察庁の石川重明官房長が、自民党の松村龍二氏の質問に答えて「俸給の支給指定日は3月16日で、その前に退職しているので、減給は金銭的には行われていない」と答弁した。小林前本部長は2月26日に処分を受け、29日に辞職している。2月分の給料はすでに支払われた後の処分で、減給の効力が発生する3月には職についていなかったため、減給は及ばなかった。

国家公安委の「持ち回り決裁」、過去5年で4件

2:50p.m. JST March 08, 2000
新潟県警の不祥事で、小林幸二・前県警本部長の処分について国家公安委員会の正式な会合を開かず、持ち回りで決裁を取り付けていた問題に関連し、過去5年間で、国家公安委が持ち回りで決裁をした例は4件あるが、懲戒処分事案ではなかったことが分かった。8日の参院予算委員会で、田中節夫警察庁長官が答えた。
答弁によると、持ち回りで決裁されたのは、海外の震災被害などに際して1996年10月、99年1月、同9月にそれぞれ国際緊急援助隊チーム派遣を決めた時と、同11月、新事業創出促進法改正案を決裁した4例。田中長官は「幹部処分を決めた例が何年もさかのぼってあったかどうかは、また調査して報告する」とした。
予算委では池田幹幸氏(共産)が、警察法11条が「委員長及び3人以上の委員の出席がなければ会議を開き、議決をすることができない」と規定していることから、「持ち回りの法的根拠がない」と追及。保利耕輔国家公安委員長は「緊急の場合は許されると信じている」、田中長官も「緊急の要があり、委員の合意が形成されていれば構わないと解釈している」と答えたが、法的根拠のあいまいさも浮き彫りになった。

公安委、前新潟県警本部長の処分を持ち回り会合で決定

9:01p.m. JST March 06, 2000
新潟県柏崎市の女性監禁事件に端を発した警察不祥事で、小林幸二・前新潟県警本部長への減給処分を決めた先月25日の国家公安委員会は、正式な会合ではなく持ち回りで開かれていたことが明らかになった。6日の参院予算委員会で、保利耕輔国家公安委員長(自治相)が「持ち回りだったが、5人の委員全員が『異論なし』ということで、とりまとめた」と述べた。二院クラブ・自由連合の佐藤道夫氏の質問に答えた。
佐藤氏は「事務局員が説明して回って決めるのでは委員会といえない。各委員は常勤扱いであり、重大な問題なのだから、ちゃんと委員会を開くべきだった」などと保利氏の責任をただした。これに対して、保利氏は「小林氏が新潟県警で仕事を続ける状態を1日も早く解消すべきだと判断した」などと述べるにとどまった。
国家公安委員会は28日には持ち回りではなく、実際に5人の委員を集めて委員会を開き、中田好昭・前関東管区警察局長の処分見送りを了承。29日付で、林、中田両氏は引責辞任している。
また、青木幹雄官房長官は国家公安委員会制度について「警察と国家公安委制度のあり方を多角的に検討する必要がある」としながらも「制度そのものを見直す考えは今のところない。委員会の権限は十分真剣に考えないといけない」と述べ、委員会制度そのものは維持する考えを示した。民主党・新緑風会の伊藤基隆氏の質問に答えた。

「外部監察」には消極姿勢 参院委で田中警察庁長官

8:46p.m. JST March 06, 2000
警察の一連の不祥事をめぐる問題が6日の参院行政監視委員会でも取り上げられた。田中節夫・警察庁長官は監察制度の改革について、警察外部の独立機関があたるべきだと与野党委員が主張したのに対して「警察内部の事情や捜査上の秘匿性の問題もある。慎重に検討しなければならない」と消極的な姿勢を示した。
警察が「身内」で監察にあたることの問題点は、自民党・自由国民会議の岩瀬良三、民主党・新緑風会の小宮山洋子両氏らが指摘した。これに対して、田中長官のほか石川重明官房長も「監察は警察業務に通暁した者が全容解明にあたっている。プライバシーや職務上の秘密保持への配慮などから、(監察改革は)今の態勢の強化・充実を主眼にすべきだ」と答えた。
管区警察局による特別監察に際し、新潟以外に、茨城県警と鹿児島県警の本部長も監察担当官と会食をしていたことについて、田中長官は「私から(関係者に)厳しく注意した」と明らかにした。

女性監禁事件は捜査ミス

2000年3月6日 13時02分
田中節夫警察庁長官は6日午前の参院予算委員会で、新潟女性監禁事件の被害者救出が遅れた問題で「いくつかの機会があり、徹底的に捜査や調査をすれば(もっと早く)救出し得た。捜査が不十分だったとのそしりは免れない」と述べ、捜査ミスがあったとの認識を明確に示した。その上で、田中長官は「今回の一連の事案は誠に不適切、遺憾だ。国民におわびする」とあらためて陳謝した。

保利氏の問責提出も

2000年3月5日 11時50分
参院の民主、共産、社民の野党3党は5日午前、NHKの報道番組で、新潟県警の不祥事をめぐる処分に関連し、小渕恵三首相や保利耕輔国家公安委員長の責任を厳しく追及する考えを表明した。民主党の角田義一幹事長は「自ら退くのが一番いい」と保利氏の辞任を求めた上で、辞任しない場合は「伝家の宝刀を抜かざるを得ない」と問責決議案の提出もあり得るとの考えを明らかにした。

警察不祥事で国家公務員の「キャリア制度」問題も焦点に

11:11p.m. JST March 03, 2000
新潟県警の一連の不祥事をめぐり、国家公務員の「キャリア制度」への批判が高まっている。女性が保護された当夜、事件の報告を受けながら温泉ホテルで飲食やマージャンを続け、辞職した小林幸二・前県警本部長、中田好昭・前関東管区警察局長がいずれも、国家公務員1種採用のキャリア官僚。「優秀でモラルの高い人材を集める」ためのこの制度だが、大蔵省スキャンダルなど相次ぐキャリアの不祥事のたびに「ノンキャリアとの人事格差が誤ったエリート意識を生み、倫理観を失わせている」と指摘されてきた。小渕恵三首相は「官僚の新しい姿を目指したい」と表明しており、キャリア制度改革は、政府が進める警察制度見直しの柱になる見通しだ。
●遅い改革
「1種は特急券を持っていて、2種や3種は追いつかない。逆転できる制度に変えるべきだ」。続訓弘総務庁長官は3日の記者会見で、国家公務員の2種や3種採用のノンキャリア職員との人事格差が不祥事の背景にあると指摘した。
小渕首相も見直しに意欲を見せ、自民党もキャリア問題も含めた警察制度見直しに向け、「警察行政刷新検討委員会」(松永光委員長)を発足させている。
キャリア制度の見直しは最近では1996年、厚生官僚トップの厚生事務次官と埼玉県に出向していた同省キャリア職員の汚職事件をきっかけに火がついた。このとき、総務庁は中央省庁から自治体に出向している官僚数を調べて公表した。ところが、その後の改革の歩みは遅く、「目に見える成果はまったくない」(総務庁)のが実態だ。
大蔵省では98年に銀行からの接待汚職事件で職員が逮捕されるなどしたため、入省6年目ごろの若手キャリア職員のほぼ全員に地方の税務署長を経験させていた人事制度を98年夏の人事異動から廃止するなどの改革を打ち出したが、抜本的な改革にはほど遠い。
●政治判断
一連の不祥事で明らかになったのは、キャリア制度に安住する官僚たちの実態だ。政治の側からは「倫理観が強く、仕事を一生懸命にすることが売り物だった高級官僚だが、大蔵省スキャンダルは倫理が地に落ちていることを示し、新潟の不祥事は仕事もろくにしない官僚がいることを見せつけた」(閣僚経験者)といった反応が出ている。
政府や自民党の警察制度見直しでは、(1)キャリア組でも課長になれないなど人事考査を厳しくする(2)ノンキャリア組を警察本部長に多く登用するなど、キャリアとの交流を深める人事、など検討される。
総務庁内の人事評価研究会は2月にまとめた論点整理のなかで「採用区分にかかわらない職員の評価システムの確立」を掲げ、キャリア制度の見直しを求めている。しかし、省庁まかせの改革に限界があることは、これまでの例が物語っている。キャリア制度の抜本改革には、首相をはじめとする政治の側の判断など外圧が欠かせないようだ。

警察改革の検討機関、国家公安委員会のもとに設置へ

9:23p.m. JST March 03, 2000
政府は3日、新潟県の女性監禁事件をめぐる警察不祥事を受けて、警察行政のあり方を見直すための検討機関を、国家公安委員会のもとに設置する方向で調整に入った。事務局も警察庁が担当し、人選がうまくいけば来週にも発足する。検討機関には民間の有識者も加わるため、「改革案が骨抜きになることはありえない」(政府高官)としているが、不祥事をめぐる対応のまずさで国民の信頼を失った国家公安委員会や警察庁の主導で改革案がまとめられる可能性もあり、論議を呼びそうだ。
検討機関は新潟県警の不祥事をきっかけに警察行政への批判が高まっていることを踏まえ、小渕恵三首相が設置を決めた。警察庁の国家公務員1種採用者(キャリア)の教育方法や国家公安委員会の運用などについて検討する。検討の結果によっては、警察法の改正も視野に入れている。
政府は当初、内閣官房に検討会議を設け、警察庁から切り離すことも考えた。しかし、「警察庁はがけっ縁に立っており、真剣に取り組むはずだ」(政府高官)とし、警察庁に検討会議の構想を描くように指示し、官邸はチェック役に回ることになった。メンバーなどの概要は来週にも発表される見通しだ。

私にも責任と保利委員長

2000年3月2日 18時56分
保利耕輔国家公安委員長は2日午後の参院予算委員会で新潟県警の一連の不祥事に関連し、自身の政治責任について「(国家公安委での)表決権がないことでこの問題の責任を逃れる訳ではない。国家公安委の代表であり、私も責任を負っている」と言明した。田中節夫警察庁長官も「国民の信頼を裏切り、警察の長として重く受け止めている」と述べ、自身の懲戒処分は免れないとの認識を示した

警察庁長官の処分協議開始

5:50p.m. JST March 02, 2000
新潟県の女性監禁事件をめぐる不祥事で、国家公安委員会は2日夕、田中節夫長官を懲戒処分とするかについての協議を始めた。新潟県警に特別監察に訪れながら温泉旅館でマージャンなどをしていた中田好昭前関東管区警察局長(2月29日付で辞職)に対する監督責任を問うもので、減給などの処分が下される見通しだ。警察庁長官が在任中の問題について処分を受けるのは初めてとなる。一連の事態は警察トップの責任問題に発展。今後、公安委員会制度や警察組織の在り方をめぐる議論の高まりとともに、警察庁として大きな改革を迫られるのは必至だ。
また、国家公安委と新潟県警は女性が発見された1月28日、同県警が発見状況を虚偽発表した問題などで、同県警幹部らを処分する方針。
国家公安委は午後5時半前から、5人の委員に保利耕輔委員長も加わり、開始。警察庁からは田中長官らが出席し、長官の監督責任などについて協議した。委員会では、中田前局長を不処分としたことへの国会や国民の批判についても保利委員長が報告する。(時事)

新潟のホテルが県警あて請求書保存

4:55p.m. JST March 02, 2000
新潟県柏崎市の民家で長期監禁されていた女性(19)を発見した日、特別監察に訪れていた中田好昭・前関東管区警察局長と小林幸二・前新潟県警本部長らが同県内の温泉ホテルで飲食やマージャンに興じていた問題で、県警幹部が中田前局長らを含む参加者全員の宿泊代などを一括払いし、廃棄したとされていた請求書が存在していることが2日、ホテル側の話で明らかになった。田中節夫・警察庁長官は先月29日の衆院予算委員会で「私費で負担したので請求書、領収書のたぐいは破棄しているとの報告を受けた」と答え、資料の提出を拒んでいる。しかし、請求書はホテル側が保存しており、警察庁の調査に疑問が出てきた。
ホテルや県警幹部らの説明によると、1月20日ごろに仮予約、同25日に県警警務部の幹部がホテルに出向き、県警の名前で5部屋を予約した。中田前局長ら8人分の宿泊費については、同29日朝のチェックアウトの際に県警側が一括して支払った。
領収書と請求書のあて名は「新潟県警」。領収書を渡そうとしたが、「いらない」と受け取らなかったという。料金は計10万円前後とみられる。
ホテルの社長は「県警の方がいらないというので、領収書はこちらで破棄した。請求書は保存してある」と話しており、コンピューターにも記録されているという。

退職金辞退は「国民の批判受け止めたもの」と官房長官

0:24p.m. JST March 02, 2000
青木幹雄官房長官は2日の記者会見で、小林幸二・前新潟県警本部長と中田好昭・前関東管区警察局長が退職金の辞退を申し出たことについて「職責の自覚を欠く行為は言語道断だとの思いは変わらないが、国民の厳しい批判を真摯(しんし)に受け止めたものと理解している」と述べた。

政府が警察のあり方再検討、第三者まじえ検討機関設置へ

00:43a.m. JST March 02, 2000
政府は1日、新潟県警の「うそ発表」に始まる一連の不祥事や、前本部長らへの処分の甘さから、警察行政、組織への批判が高まっているため、民間人など第三者をまじえた検討機関を設け、制度や運用のあり方を見直す方針を固めた。警察庁の国家公務員1種採用者(キャリア)の教育方法や警察を管理する国家公安委員会、都道府県公安委員会についても再検討する見通しだ。
検討機関をどこに設置するかは、内閣官房を中心に検討中だが、警察庁を管理する国家公安委については、委員の選び方や委員会の運営について再検討することになりそうだ。ただ「戦後、警察を民主的にコントロールするために導入された」という経緯もあり、警察法を改正せずにあくまでも運用の改善で対応する方向。都道府県公安委についても同様に検討する。
検討機関に第三者をまじえるのは「警察による改革は限界にきている」(政府筋)との危機感からだ。昨年、神奈川県警などで相次いだ不祥事への反省から監察機能が強化され、特別監察が導入されたにもかかわらず、新潟県警の不祥事を防げなかった。「警察一家」の仲間意識を乗り越えるには「第三者の立場を入れて警察のあり方を考えるしかない」(同)と判断した。

警察の信頼回復に努力

2000年3月1日 13時52分
参院予算委員会は1日午前、基本的質疑を行った。
小渕恵三首相は、新潟県警の一連の不祥事での処分を了承した国家公安委員会について「結論として現在の法的根拠では首相が指揮して行政処分をすることは限界がある」と指摘。だが、内閣が国家公安委員会を直接指揮できないとしている現行警察法改正も視野に、警察組織の在り方を検討する意向を示唆した。

首相、公安委員と近く懇談

2000年2月29日 20時41分
小渕恵三首相は29日夕、首相官邸で、新潟県警の不祥事に対する国家公安委員会の処分問題に関し「率直な話を聞きたい」と述べ、近く同委員会メンバーと懇談し、警察行政の信頼回復に向け意見交換したいとの意向を表明した。これは、新潟県警への特別監察の責任者で29日辞職した中田好昭・前関東管区警察局長に厳しい処分がなかったことに対する国民の批判が高まっていることを受けた措置。

「原点に返れ」 新潟県警新本部長が訓示

5:25p.m. JST February 29, 2000
小林幸二本部長の後任として29日付で就任した、前警察庁刑事企画課長の堀内文隆氏(49)は同日午前9時すぎ、県警本部に到着し、職員ら約20人の出迎えを受けた。
庁舎4階の大会議室で着任あいさつに立った堀内新本部長は、幹部ら約300人を前に「県民の信頼を得るための特効薬はない。県民のための警察という原点に立ち返り、事件・事故を大小にかかわらず、着実に処理し、解決していくしかない」と、信頼回復に向けての決意を述べた。
堀内本部長は、あいさつの中で「信頼」という言葉を何度も繰り返した。「本部長が間違っている時は、どんどん直言してほしい。風通しのいい雰囲気を作りたい」とし、職員一丸となって県警の再生に努めるよう訴えた。
県警本部への抗議や批判の電話は、小林前本部長らへの新たな「処分なし」が明らかになって以降、28日午後8時から29日朝までに約140件に達した。
   ◇
堀内氏は東大法学部を卒業後、1974年に入庁。警察庁法令指導室長、公安調査庁調査第1部第3課長などを経て、島根県警本部長を歴任。98年8月から、警察庁刑事企画課長。

警察長官「処分を覆すのは絶対にあってはならないこと」

5:24p.m. JST February 29, 2000
新潟県警前本部長らの処分に対して、政府・与党や国会などで「処分が生ぬるい」との強い批判があがっていることについて、警察庁の田中節夫長官は29日、「9年2カ月ぶりに女性が保護された時の中田前局長らの行動を考えると、『この処分は何だ』と国民感情はあるかもしれないが、私たちも厳正に考えた。昨日、国家公安委員会が再確認して結果を出したことは、異例中の異例。それを覆すのは絶対あってはならないことだ。公安委員会の先生たちも冷静に、前例や法に照らして結論を出したんです」と語った。
警察庁のある幹部は「国会などでは、国家公安委員会の組織自体がおかしいとか、警察組織自体がおかしいとか、言っているが、それこそ政治介入だ。国家公安委員会は民意の代表ということを忘れないでほしい」。別の幹部も「50年前に警察組織ができ、公安委員会制度ができた。それは戦前のように、警察が政治の直接介入を受けるのを防ぐためだ」と話した。
ただ、「国民の感情としては『あれだけの行為になぜ、退職金を出すのか』だろう」の声もある。

新潟県警本部長らの問題で田中警察庁長官が国会で陳謝

1:28p.m. JST February 28, 2000
新潟県柏崎市の女性長期監禁事件で、女性の保護当日、小林幸二・新潟県警本部長、中田好昭・関東管区警察局長らが温泉ホテルで遊興にふけっていた問題が28日の衆院予算委員会分科会で取り上げられ、田中節夫・警察庁長官が「警察の長として事態を重く受け止め、県民、国民に心からおわび申し上げる」と改めて陳謝した。
分科会で栗原博久氏(自民)は、小林本部長がホテル宿泊翌日も県警本部で事件指揮を執らず、公舎に帰宅したことなどを挙げて、「(減給・辞任という)処分は軽すぎる」と追及。田中長官は「そういったことも含めての処分だ」として見直しは否定した。

青木官房長官、新潟県警本部長らの処分見直し含め検討へ

0:24p.m. JST February 28, 2000
青木幹雄官房長官は28日午前の記者会見で、新潟県の女性長期監禁事件で女性が発見された当日、温泉ホテルでマージャンなどをしていたため29日付で引責辞任する小林幸二・新潟県警本部長と、中田好昭・関東管区警察局長の処分の見直しを検討する考えを明らかにした。同日午後に保利耕輔・国家公安委員長と田中節夫・警察庁長官と個別に会い、当日の事実関係と2人の処分について詳しく聞く。
国家公安委員会と警察庁は、小林本部長を減給100分の20(1カ月)の懲戒処分とし、中田局長の処分を見送った。青木長官は処分が甘いという指摘があることについて「処分の仕方に意見があることは承知しており、公安委員長らにその間の事情を聴きたい」と説明。女性が発見された当日の出来事だったことについて「常識を外れた行為」と厳しく批判した。

新潟県警本部長らの行為、「言語道断」と首相

11:48a.m. JST February 28, 2000
小渕恵三首相は28日午前、新潟県柏崎市で長期間監禁されていた女性が発見された当日夜、小林幸二・新潟県警本部長と特別監察に来ていた中田好昭・関東管区警察局長が温泉ホテルで酒席をもうけていたことについて「一言で言えば本部長、関東管区警察局長の行為はまさしく信用失墜行為で、言語道断だと思う。警察はこのたびの一連の不祥事を厳しく受け止め、組織をあげて国民の信頼回復に必死になって取り組まなければならない」と遺憾の意を表明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

女性保護の夜、生活安全部長もマージャン 新潟県警

3:21p.m. JST February 27, 2000
新潟県柏崎市の女性監禁事件で、女性(19)を保護した当日夜、同県警の小林幸二本部長が特別監察に訪れていた中田好昭・関東管区警察局長と同県三川村の温泉ホテルでマージャンをしていた際、県警の長谷川征司・生活安全部長、広瀬克司・生活安全企画課長らが参加していたことが26日、明らかになった。
岸下清・警務部長によると、特別監察を終えた後、自分の公用車で中田局長をホテルまで送り、花野平作・総務課長も加わって会食をした。中田局長は、ホテルに行くことについて「プライベートで行く」と話していたという。岸下部長は午後7時半ごろ、ホテルを出たという。
長谷川部長は、柏崎市の佐藤宣行容疑者(37)=逮捕監禁容疑などで逮捕=宅で女性を発見した保健所の職員から出動要請を受けながら、柏崎署生活安全課員が2度にわたって出動を拒んでいたことが表面化したあと、今月17日の記者会見で、担当部長として「不適切な対応で、深く反省している」と陳謝していた。

新潟県警本部長を解任

2000年2月27日 10時07分
新潟の女性監禁事件に絡む新潟県警の虚偽発表などの問題で、警察庁は26日、小林幸二本部長(51)が女性(19)保護の当夜、県警の特別監察で来ていた中田好昭・関東管区警察局長(55)と同県内の旅館で宴会、マージャンをして翌日まで県警に戻らなかったことを明らかにし、小林本部長を減給処分とした。小林本部長と中田局長は29日付で責任を取って辞任。
事実上の解任とみられる。

新潟の監禁で県警本部長、女性保護の報告後も戻らず

2:33p.m. JST February 26, 2000
 新潟県柏崎市の女性長期監禁事件で、新潟県警の小林幸二・県警本部長が、女性(19)を保護した当日に出張先で報告を受けながら県警本部に戻らなかった問題で、小林本部長は、特別監察に訪れていた関東管区警察局長らを慰労するため温泉ホテルで飲酒していたことが26日、明らかになった。同行していた県警職員は急きょ県警本部に戻ったが、小林本部長はそのままホテルに宿泊していた。県警トップの対応に加え、不祥事防止を目的に特別監察に訪れながら、県警幹部から慰労を受けていた警察庁の体質も問われそうだ。
 県警によると、小林本部長は先月28日午後から、今年初めに土砂崩れが起きた同県上川村の災害現場を視察し、駐在所を激励訪問。午後4時50分ごろ、9年2カ月前に行方不明になっていた女性を保護したとの連絡を受けた。
 その後、特別監察を終えた関東管区警察局長らと、上川村の隣の三川村の温泉ホテルで合流。小林本部長は午後9時ごろ百田春夫刑事部長から女性の第1発見者について事実と異なる内容を発表することを電話で事前に報告を受け、了承していた。この時に発表文と想定問答集をファクスで受け取っていた。県警は出張の費用については小林本部長が私費で支払ったと説明している。ホテルは新潟市内から車で1時間程度の距離。

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