TOPIC No.2-30c '99年11月-2000年01月コンクリ落下/窓ガラスにひび/JR

JR総武線で鉄橋からモルタル15キロが落下

2:05p.m. JST January 25, 2000
 東京都江戸川区の旧中川にかかるJR総武線の鉄橋で24日夕、重さ約15キロのモルタルがはがれ、約3.5メートル下の遊歩道付近に落ちているのを通行人が発見、JR東日本に届け出た。けが人はなかったという。

 同社によると、落下したのは、鉄橋の振動を防止するため、線路下の金網に吹き付けられた「制振モルタル」。縦60センチ、横80センチ、厚さ2センチにわたってはがれており、モルタルと一緒に金網の一部も落下していた。鉄橋は2年に1回定期検査を受けており、昨年3月の検査では、異常はみられなかったという。同社は管内にある同じ構造の鉄橋について、25日中に一斉点検する予定だ。

東海道新幹線「ひかり」の窓にひび

7:02p.m. JST January 17, 2000
 17日午後3時55分ごろ、静岡県富士市の東海道新幹線・新富士駅付近を走行していた広島発東京行き「ひかり138号」の乗客が「駅を通過している時に、何かが当たった音がした」と車掌に申し出た。車掌が調べたところ、6号車右側の窓ガラスに、直径で最大約10センチの同心円状のひびが入っているのが見つかった。ひびは3層構造の窓ガラスの1番外側にだけ入っていた。運行に支障がなかったため、列車はそのまま走行を続けた。JR東海が原因を調べている。

山陽新幹線で異常音

2000年1月16日 16時25分 共同通信社
 16日午後1時35分ごろ、山陽新幹線小倉―博多間の福岡トンネル付近を走行中の博多発新大阪行きひかり356号の4号車の天井で、異常音がしたと乗客が車掌に届けた。
JR西日本は広島駅で車両を点検したが、異常はなかった。福岡トンネルでは、上下2本が徐行運転をして確認したが、落下物などは見つからなかった。上下計6本が8〜4分遅れ、約1000人に影響が出た。

ひかりの窓にまたひび

2000年1月16日 15時16分 共同通信社
16日午前10時ごろ、京都駅を発車直後の東海道新幹線広島発東京行き「ひかり134号」(300系)の1号車で、客席の窓ガラスにひびが入っているのを車掌が見つけた。
 134号はそのまま走行を続け、16日午後零時40分すぎ、東京駅に定刻通り到着した。ひびは窓ガラスの上部を横切る半円状で、長さ約80センチ。何かが外側から当たった傷跡が、計2カ所あった。JR東海が原因を調べている。

のぞみの窓ガラスにひび、新大阪駅で見つかる

01:21a.m. JST January 09, 2000
8日午後8時52分ごろ、JR新大阪駅で、博多発東京行きの新幹線「のぞみ30号」(16両編成)の先頭車両の運転席の窓ガラスにひびが入っているのを、乗務員が見つけた。列車は岐阜羽島駅まで走行し、約400人の乗客は回送列車に乗り換えた。回送列車は22分遅れて同駅を出発した。JR東海で原因を調べている。

コンクリ落下事故で、JR九州に再発防止策の報告求める

6:49p.m. JST January 04, 2000
 佐賀県山内町のJR佐世保線境松トンネルでコンクリート塊が落下した事故について、九州運輸局は4日、JR九州に原因究明と再発防止策の報告を求める文書を出した。

 JR山陽新幹線でのコンクリート塊落下事故を受けて、昨年夏以降に全国の在来線についてもトンネルの緊急総点検を実施していたにもかかわらず、今回の事故が発生したことについて「誠に遺憾」としている。

JR佐世保線のトンネルでコンクリ塊落下、送電止まる

10:10p.m. JST January 03, 2000
 3日午前2時50分ごろ、佐賀県山内町のJR佐世保線三間坂―上有田駅間の境松トンネル(105メートル)で、架線がショートし、一時的に送電が止まった。JR九州が調べたところ、三間坂側入り口から約1メートルの地点で、線路わきにコンクリート塊が数片(計約2.5キロ)散らばり、架線を支える碍子(がいし)が切れて壁から垂れ下がっていた。コンクリート塊には、布きれが付着していた。同社は、コンクリート塊が落ちて碍子を直撃、衝撃でショートしたとみている。佐世保線は午前8時7分に復旧したが、上下計20本が部分運休するなどし、年末年始の帰省客ら約2500人に影響が出た。

 境松トンネルは、昨年9月1日に打音検査を、12月16日に目視検査をしたが、異常はなかった。1月7日にも打音検査をする予定だった。

 同社によると、コンクリート塊は、高さ約5.5メートルのトンネル天井部から落下。最大で縦22.5センチ、横10.5センチ、厚さ4.5センチの大きさで、数個に割れていた。塊にはズボンの切れ端のような縫製した緑色の布きれ(長さ約15センチ)が張り付いていた。天井部分の落下個所にも布きれがあり、取り除いたという。

 碍子はトンネルの左右の側壁に取り付けてあり、中央の架線を支えていたが、2本のうちの1本が真ん中付近で折れた。折れた碍子の上方30センチの天井部分に、コンクリートが落下した跡があったという。

 事故当時、トンネル内を走っている列車はなかった。

 布きれは、コンクリートを型枠に流し込む際、混じったとみられる。布が混じって周囲のコンクリートと一体化せずに弱くなった部分が、落下した可能性が高いという。同社は施工業者に事情を聴き、原因を調べる。

コンクリート片6個落下

1999年12月31日 19時23分 共同通信社
 31日午前11時45分ごろ、福島県須賀川市の東北新幹線新白河―郡山間の高架橋下の道路などにコンクリート片が落ちているのを近くの住民が見つけ、JR東日本に通報した。

 同社の郡山新幹線保線区が調べたところ、高架橋の防音壁の側面部分から最大で約450グラムのコンクリート片6個がはがれ落ちていた。民家の被害やけが人はなかった。

JR総武線鉄橋からコンクリート片落下 けが人なし

10:48p.m. JST December 25, 1999
 25日午後4時15分ごろ、東京都千代田区外神田1丁目、JR総武線御茶ノ水―秋葉原駅間の鉄橋の下を通る歩道に、縦12センチ横3センチ、厚さ2.5センチほどのコンクリート片が落ちていたのを通行人が見つけて秋葉原駅に届け出た。JR東日本で点検したところ、鉄橋わきのコンクリート溝がかつて電線の収納場所になっていて、破片はそこからはがれて約10メートル下の歩道に落下したらしい。けが人はなく、電車の運行にも支障はなかった。

新型特急の窓にひび JR東北線

1999.12.19 by産経新聞
 十九日午前十時半ごろ、岩手県岩手町のJR東北線沼宮内駅で、JR東日本が新しく開発した特急スーパーはつかり用新型車両の試運転中に、二号車の進行方向右側の窓ガラス一枚(縦八十五センチ、横百五十センチ)にひび割れがあるのを乗務員が発見した。

 JR東日本盛岡支社によると、二重構造の窓の外側のガラス一面に放射状にひびが入っていたが、内側のガラスに損傷はなかった。外側から粘着テープで補強し、試運転を続けたという。

 この新型車両は最高速度百三十キロで、現行の車両より乗り心地や空調などが改良されている。来年三月のダイヤ改正で青森−盛岡間の運行が始まる。

山陽新幹線トンネル、危険1万カ所補修し「安全宣言」

7:59p.m. JST December 16, 1999
 JR西日本は16日、10月末から山陽新幹線の全トンネルで進めてきた総点検を終え、点検結果を運輸省に報告した。コンクリートの劣化は約4万1138カ所で確認され、このうち落下のおそれがある1万1693カ所を補強した。運輸省は同日午後、専門家で構成する「トンネル安全問題検討会」と省内の「運輸安全戦略会議」を開いて点検結果や補修内容を検証し、当面の安全性は確保できたと判断。二階俊博運輸相が記者会見し、事実上の「安全宣言」をした。

 JR西日本は142本の全トンネル(総延長約280キロ)でハンマーによる打音検査などを実施。JR他社や関連会社などからの応援人員を含めて延べ6万9000人を投入し、約50億円を費やした。作業時間を広げるため、広島―博多間については午後10時以降運休させていた。

 集計によると、亀裂など著しい劣化の可能性がある「濁音」が5790カ所、「浮き」など表面近くの劣化の可能性がある「軽音」は3万4006カ所で見つかった。コンクリート成分の混ざり方が不均一な「ジャンカ」1342カ所を含め、全トンネルの表面積に占める割合は0.2%だった。落下のおそれがある1万1693カ所は、ハンマーでたたき落としたり、鋼板やステンレス製ネットなどで補強した。

 結果報告を受けた二階運輸相は「JR西日本の報告をうのみにしたわけではなく、私たちが点検に立ち会い、専門家と検討したうえで報告を是認した。運輸省として、国民にもう安全ですよと言いたい」などと述べた。

トンネル総点検16日終了

1999年12月15日 17時14分 共同通信社
 山陽新幹線で相次いだトンネル壁崩落事故に伴うJR西日本の同新幹線トンネル総点検が16日未明に終了する。

 同社からの報告を受けた後、運輸省は同日中に学識者らで構成するトンネル安全問題検討会を開催。省内の会議を経て、二階俊博運輸相が事実上の「安全宣言」を出す見通しだ。

山陽新幹線トンネル点検、基準甘く変更か

03:21a.m. JST December 12, 1999
 山陽新幹線の全トンネルで進められている総点検で、JR西日本が補修・補強のための判定基準の変更を重ねた結果、早急な措置が必要と判定すべき個所が実際より減るなど、現場での判定作業が甘くなっていた疑いの強いことが11日、明らかになった。複数の作業従事者が朝日新聞に語った。同社は「判定の基準自体を変えたわけではない」と安全性を強調しているが、現場からは「総点検の実効性自体に疑問が出てきた」との声もあがっている。

 JR西日本は、山陽新幹線の142本すべてのトンネルで10月25日から今月16日未明までの予定で総点検を実施中。8日には、異常音個所が4万カ所前後見つかったとする中間集計を発表した。このうち早急な補修・補強が必要な「a」ランク個所は、計1万1000カ所とされた。

 当初の判定基準では、補強などの措置が必要な個所を「a」、監視が必要な個所を「b」とした。しかし同社施設部は11月9日、「12月15日までに措置する」をa▽「(今年度内をめどに)計画的に措置する」をb▽「継続監視」をcと基準を3段階に変更した。措置方法も、aはたたき落とすか、落とせない場合はステンレス製のネットなどで補強する▽bは断面に樹脂を塗るなどで補修する、と明確化した。

同時に、この変更を知らせる内部文書では、異常音個所について「過度に過敏になっていないか」と指摘。判定作業については「措置や監視を必要としないものまで計上することは意味がなく、このことを十分理解の上、整理記入すること」との表記もある。

同社関係者によると、現場では、検査を終えた個所に作業員の名前を書いて責任を持たせる方法をとったため、作業員が慎重に検査を進め、進行が遅れがちとなった。判定もaが増える傾向にあり、ある支社幹部は「このペースでいくとaランクの対策を総点検期間内に講じられない恐れがある」と発言したという。

山陽新幹線ひかりの窓ガラスにひび入る事故2件発生

00:03a.m. JST December 12, 1999
 11日、山陽新幹線で走行中の「ひかり」の窓ガラスにひびが入る事故が2件起きた。いずれもトンネル内を通過中に起きたとみられ、JR西日本は、何かが衝突した可能性もあるとみて原因を調べている。

 11日午後零時10分ごろ、山口県内の山陽新幹線新岩国―徳山間を走行していた博多発東京行き上り「ひかり112号」(16両編成、乗客約650人)で、乗客から「窓ガラスにひびが入った」と車掌に連絡があった。JR西日本が調べた結果、1号車の進行方向左側の窓ガラス(縦66センチ、横1.7メートル)1枚に、左右にわたって横一文字のひびがあった。同社は、途中の福山駅でテープを張るなどしたうえで運行に支障はないと判断し、運転を続けた。乗客の話から、ひびが入ったのは同区間の大峠(おおたお)トンネル(全長3065メートル)を通過中とみられ、トンネル内を徒歩点検したが、落下物などの異状は見つからなかったという。

 さらに午後8時ごろ、山陽新幹線小倉駅に到着した東京発博多行き下り「ひかり123号」(16両編成、乗客約390人)でも、乗客から「トンネル内で何か物が当たって窓ガラスが割れた」と車掌に連絡があった。調べた結果、13号車の進行方向右側の窓ガラス(縦66センチ、横1.7メートル)1枚に、衝突痕(縦2センチ、横3センチ)が3個見つかり、そこから長さ60―80センチのひびが3本入っていた。運行に支障はないと判断し、そのまま博多駅まで運転を続けた。

パンタ上部が外れる=山陽新幹線

99年12月11日 16時0分 時事通信社
 11日午後零時4分ごろ、山陽新幹線の東京発博多行きひかり107号(16両編成、乗客約900人)が岡山駅に停車中、ホームにいた駅員が、12号車のパンタグラフの上部が外れているのを発見した。同駅で車両交換を行い、同零時49分運転を再開した。

 JR西日本によると、パンタグラフ上部で架線と接触するすり板と呼ばれる部分などが外れていた。同社で車両点検を行い、原因を調べている。この影響で、後続の下り列車に40−10分の遅れが出た。 

福島県内の東北新幹線高架橋でコンクリート片落下

8:15p.m. JST December 11, 1999
 11日午前9時ごろ、福島県須賀川市滑川、東北新幹線新白河―郡山駅間の高架橋近くの住民から「庭に高架橋のコンクリート片が落ちているのを、4、5日前に見つけた」と、JR東日本郡山新幹線保線区に通報があった。

 同保線区によると、見つかったコンクリート片は2つで、縦15センチ、横11センチ(重さ約400グラム)と、縦6センチ、横8センチ(同約100グラム)で、ともに厚さ約2センチ。高架橋の防音壁外側のコンクリートがはがれて落ちたもので、原因は振動によるコンクリートの劣化とみられる。新幹線の運行に影響はなかった。

 東北新幹線では11月5日と12月3日にも、高架橋から落ちたコンクリート片が見つかっている。

ミス重なり運転再開遅れる

1999年12月9日 18時54分 共同通信社
  山陽新幹線徳山―小郡間で9月、列車が停電のため11時間にわたり立ち往生した事故で、JR西日本は9日「運転士がパンタグラフを下げ忘れるなどミスが重なり、運転再開が大幅に遅れた」とする調査結果を中国運輸局に報告した。

やまびこの窓ガラスにひび

1999年12月9日 16時39分 共同通信社
 9日午後1時20分ごろ、JR郡山駅で下車した東北新幹線の乗客が、東京発盛岡・秋田行きやまびこ・こまち13号の客車窓ガラス1枚にひびが入っていると、駅員に届けた。JR東日本仙台支社によると、3号車の進行方向右側の複層ガラス外側部分に、長さ約30センチのひびが横に数本入っていた。

 点検の結果、走行に支障がないため次の仙台駅まで運行し、仙台駅で粘着テープで補修した。

またコンクリート片はく落 JR北陸線頚城トンネル内

1999年12月6日 16時18分 共同通信社
 6日午前10時25分ごろ、新潟県能生町能生のJR北陸線頚城トンネル内で、重さ2キロのコンクリート片など5、6個が落下しているのを線路を点検していたJR西日本金沢支社の社員が見つけた。

 JR西日本は、トンネルの検査、点検のためコンクリート片が落ちていた地点を中心に約1キロで徐行運転した。ダイヤに大きな影響は出ていない。

コンクリート片が落下

1999年12月6日 15時00分 共同通信社
 JR東日本横浜支社に6日までに入った連絡によると、神奈川県小田原市栄町の東海道線鴨宮―小田原間の高架橋の下で11月中旬、コンクリート片3つ(重さ計約750グラム)が落ちているのを、近くの保育園の保母が見つけ、5日にJR東海へ届けた。
高架橋のすぐ下に、保育園の運動具置き場があるが、けが人はなかった。六月の定期点検では異状はなかったという。

トンネル内でコンクリート落下のJR室蘭線が復旧

01:11a.m. JST December 05, 1999
 約2トンのコンクリート塊が落下した北海道胆振支庁豊浦町のJR室蘭線・礼文浜トンネルは、4日までに補修工事が終わり、不通になっていた長万部―豊浦間が同日午後10時ごろ、全面復旧した。11月28日未明の事故以来、運転再開は6日ぶりで、5日午前零時からは平常ダイヤに戻った。同トンネルを通る室蘭線は本州と札幌を結ぶ大動脈で、旅客列車は1日平均50本、貨物は同30―40本走る。JR貨物北海道支社によると、約10億円の損害が出たという。JR北海道は安全対策について「現状ででき得る限りの対策はとった」としている。

 JR北海道によると、4日午後4時までに、アーチ状の鉄骨99本や鉄板をはめ込む作業など、トンネルの補強工事を終えた。足場を解体して電気系統をチェック、踏切・信号機の通電確認などをし、試運転列車を走らせた。

 トンネル再開通後の初列車は、貨物列車が午後10時ごろの下り、旅客列車が午後11時ごろの室蘭発長万部行きの上り普通列車。

 JR北海道によると、事故に伴う運休は旅客列車だけでも計344本(特急184本、急行14本、普通146本)に達し、4万7900人に影響があった。運休による減収は約1億4000万円で、代行バスの経費は約3000万円に上ったという。

    ◇

 午後10時10分すぎ、上下線ともに貨物列車が礼文浜トンネルを通過したのを受け、JR北海道の柿沼博彦・鉄道事業本部長はトンネル付近で記者会見し、「今回の事故については、利用者などに大変迷惑をかけたと思います。(コンクリート落下の)原因ははっきりとまだわからない部分もありますが、専門家などに解明してもらい、再び事故のないよう努めていきたい」と述べた。

JR室蘭線4日に運転再開

1999年12月3日 20時10分 共同通信社
 JR北海道の坂本真一社長は3日の記者会見で、北海道豊浦町の礼文浜トンネルのコンクリートはく落事故で先月28日から不通だったJR室蘭線豊浦―長万部間の運転を4日午後10時から再開すると明らかにした。

 復旧後初の列車は4日午後10時ごろトンネルを通過する臨時貨物列車の予定。旅客列車も4日深夜からこの区間の運転を再開し、5日から平常運転に戻るという。

赤外線カメラ使うトンネル検査装置試験公開 JR西日本

5:13p.m. JST December 01, 1999
 山陽新幹線で相次ぐコンクリート落下事故で、JR西日本は1日未明、新幹線のトンネルと似た構造の在来線のJR湖西線高島トンネル(滋賀県高島町、全長約1.5キロ)内で、コンクリート表面の劣化状況を調べる赤外線カメラを使った非破壊検査装置の試験を公開した。コンクリート表面の検査装置についてはデジタルカメラやレーザー光線も検討中で、今年度内に新たな検査方法を確立する計画だ。従来の目で見る目視検査と併用し、検査の実効性を高めるとしている。

 公開されたのは、トンネル表面を線路上からヒーターで熱したうえで、赤外線カメラで表面の温度を検知する方法。表面付近に亀裂やすき間、漏水があった場合、熱が伝わりにくくなるため周囲より温度が高くなる性質を利用する。表面から深さ5ミリ程度までの劣化状況が把握できるという。デジタルカメラで位置を確認し、トンネルの劣化状況をデータ化する計画だ。赤外線を使った検査方法は、すでに東京の営団地下鉄で採用されている。

 この日は、トンネル北側の出入り口から約150メートルの範囲を検査。赤外線カメラのモニターには、壁面のコンクリートの継ぎ目が白く映っていた。

施工時に亀裂の可能性も

1999年12月1日 16時20分 共同通信社
 JR室蘭線のコンクリートはく落事故で、はく落の原因となった礼文浜トンネルの亀裂は、トンネル施工の段階ですでに生じていた可能性が高いことが1日までに分かった。JR北海道は同日も原因調査と補修工事を進めたが、復旧の見通しは依然立っていない。

JR四国 11トンネル27カ所にゆがみ

1999年11月30日 18時08分 共同通信社
 JR室蘭線礼文浜トンネル(北海道豊浦町)で28日、約2トンのコンクリート塊が落下した事故に関連して、JR四国は30日、管内の同トンネルに似た構造の11トンネル27カ所で加圧によるゆがみが生じていることを明らかにした。

 また構造が異なる5トンネルの5カ所に放射状の亀裂があった。

室蘭線事故で物流の大動脈断絶 復旧めどなく、混乱続く

3:57p.m. JST November 30, 1999
 2トンものコンクリート塊が線路に落下し、不通となった北海道胆振支庁豊浦町のJR室蘭線の礼文浜トンネルは、事故から2日たった30日午前の段階でも復旧のめどがたっていない。本州と北海道を結ぶ大動脈の1つが断絶し、物資は通常の16%しか輸送できない状態だ。歳暮商戦に向けて、首都圏への輸送を本格化させている乳製品メーカーなどは焦りの色をみせている。

 現場トンネル近くのJR貨物東室蘭駅では29日、立ち往生した列車からコンテナを降ろす作業が暗くなっても続けられた。同夜までに列車のコンテナ約20個をトラックで運び出したが、50個ほど残り、30日朝からトラックの台数を増やして輸送を始めた。

 JR貨物北海道支社によると、北海道内で29日に立ち往生した11本の列車に積んでいた5トンコンテナは842個。列車からトラック輸送に振り替える作業は12月1日ごろまでかかる見通しだ。

 室蘭線を通って本州と北海道を往来している貨物は通常1日25往復。5トンコンテナに換算して2500個にのぼる。現在の輸送能力は、トラックの部分代行輸送とJR函館線のう回ルートを合わせても、通常の16%程度にダウンしている。

 ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)は、コメやジャガイモ、タマネギなどを載せたコンテナ約180個分が立ち往生。全部で900トン分を、急きょトラックに積み替えて輸送した。

 北海道の工場からバターやチーズを本州に送っている雪印乳業(東京都)は、「お歳暮の時期でかきいれどき。遅配はメーカーの信用問題になる」として、必要度の高いものはトラック輸送に切り替えた。

JR室蘭線トンネルのコンクリート事故で運輸省が警告書

11:58p.m. JST November 28, 1999
 JR室蘭線の脱線事故で、運輸省は28日、北海道運輸局の担当者を現地に派遣するとともに、JR北海道に対し、原因究明と再発防止策を早急に報告するよう求める警告書を出した。警告書では、今月17日から19日にかけて同社が礼文浜トンネルで点検を実施していたにもかかわらず、コンクリート塊落下を防げなかったことについて「点検方法に問題があったと言わざるを得ない」と厳しく批判している。

JR室蘭線礼文浜トンネル事故で乗客、零下の駅で足止め 11:55p.m. JST November 28, 1999

 礼文浜トンネルの事故は、道南と道央を結ぶ幹線を分断した。代替バスが乗客をピストン輸送したものの、零下まで冷え込んだJR北海道の各駅で、病院や結婚式へ向かう休日の足を断たれた利用客は、疲れ切った顔でたたずむしかなかった。

 札幌駅では、足止めになった利用客らが改札口の職員に問い合わせる人の列を作った。函館から2週間に1度、札幌市内の病院に通っている50代の男性は「心臓病を持つ体にここでじっと待つのはこたえる。改札口の職員に説明を聞いてもはっきりしない」と苦りきっていた。

 事故現場近くで代替バスの発着点となった洞爺駅。近くの洞爺湖温泉に来ていた群馬県高崎市の奥山功さん(58)夫婦は「函館を夕方に出る飛行機で羽田に戻るが、空いた時間で函館を観光しようと思っていたのに」とがっかりしていた。

 バスで洞爺駅に着いた函館市の星野真澄さん(27)は、友人の結婚式で、札幌に向かう途中だった。代替バスだと札幌に着く時間も大幅に遅れそうで「予定なら、午前11時からの挙式に出席できたのに」とやるせない様子。

 本州からの寝台特急で札幌に向かっていた乗客にも影響が及んだ。都内にいる息子を訪ね、「北斗星3号」で小樽に帰る途中だった工藤正道さん(76)夫婦。列車が函館で運転を取りやめ、接続バスで洞爺駅に。「列車で函館に着く前に事故を知らせる車内放送があった。バスはしんどい」と疲れた表情だった。

 函館駅では大きな混雑はなかったが、復旧に時間がかかるため、函館に出張してきた札幌市東区の会社員川部理恵さん(24)は「今日中に戻るのにどうしようか」と心配顔。駅構内には、駅員に運行状況を問い合わせる客や、携帯電話で勤め先や家族と連絡をとる人の姿が目立った。

室蘭線で脱線 トンネル内でコンクリ片に乗り上げ?

08:06a.m. JST November 28, 1999
 JR北海道に入った連絡によると、28日午前2時40分ごろ北海道胆振支庁豊浦町のJR室蘭線礼文−大岸駅間にある礼文浜トンネル(1232メートル)内で、名古屋貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行きの貨物列車(20両編成)が脱線した。トンネル天井部分からコンクリート片が落下し、これに乗り上げたという。北海道警察本部によると、落下したのは縦2.5メートル、横3メートル、厚さ30センチのコンクリート。

 この影響で、JR室蘭線は、上下線とも運転を見合わせている。午前7時現在、復旧のメドは立っていない。洞爺−長万部間でバス代行輸送を行う予定。

 この事故によるけが人などはなく、JRが復旧を急いでいる。

はく落コンクリで貨物脱線

1999年11月28日 9時26分 共同通信社
 28日午前2時40分ごろ、北海道豊浦町礼文華(れぶんげ)のJR室蘭線礼文―大岸駅間の礼文浜トンネルで、名古屋貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行きの貨物列車(21両編成)がトンネル天井部からはく落したコンクリート塊と衝突し、約180メートル走り、先頭の機関車が脱線した。
運転士にけがはなかった。

トンネルで貨物列車脱線

1999年11月28日 9時07分 共同通信社
 28日午前2時40分ごろ北海道豊浦町のJR室蘭線礼文―大岸駅間の礼文浜トンネルで、名古屋貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行きの貨物列車が線路上のコンクリート片と衝突し先頭の機関車が脱線した。JR北海道によるとトンネル天井部に幅3〜4メートルのコンクリートのはく落跡があり、線路上に天井から落ちたとみられる幅20〜30センチのコンクリート片7、8個が散らばっていた。

山陽新幹線で走行中のひかりの窓ガラスにひび

8:42p.m. JST November 28, 1999
 28日午後3時35分ごろ、広島県府中町の山陽新幹線広島―東広島間を走行中の博多発東京行き上り「ひかり122号」(16両編成、乗客約570人)で、乗客から「窓ガラスにひびが入っている」と車掌に連絡があった。JR西日本によると、9号車の進行方向右側(海側)の窓ガラス(縦66センチ、横78センチ)1枚に左右にわたって横一文字状のひびが入っていた。岡山駅でテープをはる応急処置をし、東京駅まで運転を続けた。

 乗客の話では、同区間の府中トンネル(全長約3.5キロ)を通過中に「バーン」という異常音があったという。同社は同トンネル内でひびが入った可能性があるとみて、後続列車を徐行運転させてトンネル内を徒歩点検したが、落下物など異状はみられなかったという。この影響で、上下計19本が最大6分遅れるなど乗客計約7500人に影響した。

 山陽新幹線では列車の窓ガラスにひびや傷が入る事故が相次ぎ、10月21日以降、計16件目。

東海道新幹線「ひかり134号」の窓ガラスにひび

1:01p.m. JST November 27, 1999
 27日午前10時10分ごろ、東海道新幹線京都―米原間を走行していた広島発東京行き上り「ひかり134号」で、9号車の乗客から「岡山で乗車したときから窓ガラスにひびが入っている」と車掌に通報があった。JR東海の関西支社広報室によると、車掌が調べたところ、横1文字のひびがあったが、運転に支障はないため、そのまま東京に向かったという。

2新幹線でガラスにひび

1999年11月26日 17時35分共同通信社
 26日午前10時15分ごろ、JR東京駅に到着した東海道新幹線の岡山発東京行き、ひかり152号の窓ガラス1枚にひびが入っているのを駅員が見つけた。ひびは5号車の左側で、横方向に入っており、何かがぶつかったような跡があった。

 26日午前11時10分ごろには、米原―岐阜羽島間を走行中の岡山発東京行き、ひかり158号の10号車の窓ガラスにひびが入ったのに乗客が気付き、車掌に届けた。

のぞみ速度計内部に破片

1999年11月25日 19時52分 共同通信
 17日、東京都内を走行中の東海道新幹線で、東京発博多行き「のぞみ7号」の運転台にある速度計表示が消えたトラブルの原因は、速度計内部に基板コーティング材の破片が挟まったためだったことが、25日までのJR東海の調べで分かった。同社の調べでは、速度計内部にあるプリント基板の接続部分に、絶縁のために基板に塗ったコーティング材の破片が挟まり、電気が通じなくなり表示が消えた。

JR湖西線 高架橋から落下物4個

1999年11月21日 17時24分 共同通信社
 21日午前8時45分ごろ、大津市坂本のJR湖西線比叡山坂本―雄琴間の第1日吉高架橋下の駐輪場に隣接する敷地に、重さ約300グラムのアスファルト材(縦21センチ、横10センチ、厚さ2センチ)が落ちているのを駐輪場の管理人が見つけ、近くの駅に届け出た。

 JR社員が現地を確認したところ、付近でほかに約80―260グラムのアスファルト材3個が見つかった。

新幹線の窓ガラスに傷

1999年11月21日 17時28分 共同通信社
 21日午前11時35分ごろ、新幹線博多発東京行きのぞみ6号(500系、16両編成)の乗客が「窓ガラスに傷が入っている」と東京駅到着後、運転士に届けた。

 運転士が確認したところ、14号車の進行方向右側の窓ガラスに約7ミリの傷を見つけた。

 JR西日本は「鳥などの飛来物で付く傷で珍しくない」としているが、念のためガラスは交換するという。

新幹線で窓ガラス割れ相次ぐ 秋田、山陽新幹線

8:46p.m. JST November 19, 1999
 19日午前10時15分ごろ、秋田県大曲市の秋田新幹線大曲駅で、秋田発東京行き「こまち10号」の運転席の窓ガラスに長さ約1センチの傷が入っているのを運転士が見つけた。応急処置として盛岡駅でテープを張り、運行を続けた。JR東日本によると、側面に計2カ所の傷があり、外部から何かがぶつかったような形状という。運転席の窓は2枚の強化ガラスを張り合わせた構造となっている。

 また、午後零時55分ごろ、山陽新幹線岡山―相生駅間で、広島発東京行き「ひかり138号」が兵庫県赤穂市にある大津トンネルを通過したところ、12号車と2号車の窓ガラスがほぼ同時にひび割れた。

 JR西日本の調べでは、傷は2号車の進行方向左側と、12号車の同右側にあり、いずれも8センチほどの長さだった。同社は大津トンネルに係員を派遣し、落下物がないかなどを点検したが、異状は見つからなかったという。現場を通過する列車が約2時間にわたって徐行運転を続けたため、上下25本が最大11分遅れ、約1万人の足が乱れた。

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