TOPIC No.2-25-9 百貨店 |
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01. | 百貨店が苦戦している/1 売り上げ低迷はどれほど?(2009年05月号)毎日新聞 |
02. | 百貨店業界は大再編に 日経ナビ2009 |
03. | 日本の百貨店 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
04. | 伊勢丹 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
05. | J.フロント リテイリング株式会社(大丸と松坂屋ホールディングスの持株会社)by 東証 |
06. | 高島屋 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
07. | エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O Retailing Coporation, 阪急百貨店と阪神百貨店の持株会社 2007/10/01) |
08. | ミレニアム リテイリング(Millennium Retailing, Inc./そごう & 西武百貨店の持株会社) |
09. | 成長企業の原動力、トップが明かす セブン&アイ鈴木敏文会長が語る 自己とともに不況を壊す(2009/02/06) BIZ+PLUS(Nikkei) |
10. | 流通・小売 YAHOO!ニュ−ス |
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百貨店売上高、13年連続減 10年、ピーク時の65%2011年01月18日22時44分 asahi.com
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全国の百貨店の2010年の売上高は前年比4.4%減の6兆2921億円と、13年連続で前年を下回った。消費者の節約志向を背景に、客1人あたりの購入額が低迷したのが響いた。大手各社は都心店を強化しつつ、郊外店は売り場に専門店を誘致するなどして生き残りをめざす。
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日本百貨店協会が18日発表した。10年の売上高はピークだった1991年の約65%の水準。新規出店や閉店の影響を除いた既存店売上高も前年比3.1%減で、14年続けて前年割れした。商品別では、衣料品が5%近く減り、食料品や家庭用品に比べて落ち込みが大きい。
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協会の飯岡瀬一専務理事は同日の記者会見で「消費者の心理が冷え、来店客数はほぼ前年並みなのに、まとめ買いが少なかった」と説明した。
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09年の前年比下落率は10%超で、統計がある65年以降で最悪だった。10年の下落率は縮小し、秋以降は底打ちの兆しも見えた。それでも最大手の三越伊勢丹ホールディングスの石塚邦雄社長は「人口減もあって、右肩下がりの傾向は変わらない」とみる。
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店舗数も減りつつあるが、売上高がピークの91年とほぼ同水準。「百貨店の数はまだ過剰」(高島屋幹部)との見方もあり、閉店や業態転換も続きそうだ。11年に入ってからも、都城大丸(宮崎県)が民事再生法の適用を申請して休業し、まるみつ(長野県)も2月20日に閉店する予定。中合清水屋店(山形県)も12年2月末での営業終了を発表した。
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大手各社は、集客が期待できる都心部に投資を集中。11年春には博多阪急(福岡県)やJR大阪三越伊勢丹(大阪府)も開業する。増床工事中や改装中の店もある。
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ショッピングセンターなどに押され気味の郊外店では、人気の専門店をテナントとして誘致し、集客につなげる動きも出ている。収入の一部などを家賃として得ることで、店全体の売り上げは減っても利益率の改善が見込めるためだ。 高島屋立川店(東京都)には2月、家具チェーンの大塚家具が入居する。そごう・西武は、東戸塚店(神奈川県)や八尾店(大阪府)などで専門店の誘致を急ぐ方針で、売り場面積の8割以上のテナント化も想定している。(内藤尚志) |
旧麻屋百貨店本格解体始まる2011年01月18日 読売新聞
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保存運動実らず再開発へ
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重機が入り、外壁の解体が始まった旧麻屋百貨店(17日、前橋市千代田町で)
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前橋市の中心商店街で、商業と歴史のシンボルとして市民に愛されてきた同市千代田町の「旧麻屋百貨店」の本格的な解体が17日、始まった。建物は国の登録有形文化財で、解体が決まった後も建築家などから保存を望む声が上がったが、再開発の波にあらがえなかった。
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建物を所有する「麻屋」(手塚道雄社長)は昨年12月2日、建物を解体した上で市に土地を売却する契約を締結。同月上旬から内部の解体工事に入り、17日に外壁の取り壊しに着手した。作業は2月中旬に終了する予定だ。
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この間、市民グループが建物の保存を求める請願を市議会に提出。日本建築家協会関東甲信越支部(東京)も高木政夫市長に保存を要望したが、契約が結ばれた後だったこともあり、認められなかった。市は跡地を、周辺の市有地と一体的に「8番街区」として再開発する。今年度中に外部委員を含めた検討委員会を発足させ、具体的な利用方法を話し合う。
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旧麻屋百貨店は鉄筋コンクリート造りの地上3階、地下1階で、延べ床面積は約1320平方メートル。1934年に手塚社長の曽祖父が県内初の百貨店としてオープンさせた。百貨店は64年に閉店。その後は貸しビルとなり、一時は市にぎわい観光課やザスパ草津のグッズ販売店「ザスパーク前橋」が入居していた。
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2007年5月には国の登録有形文化財に登録され、手塚社長は保存の道を探ってきたが、経営状況の悪化などを理由に手放すことになった。手塚社長は「苦渋の決断だった。市には、商店街に再びにぎわいが戻るような跡地利用を考えてほしい」と寂しそうに話していた。 |
中国客を熱烈歓迎 百貨店が通訳や付き添いサービス2010.07.02 MSN産経新聞
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中国人向けの個人観光ビザ(査証)の発給要件が1日から大幅に緩和され、国内の消費低迷に悩む百貨店業界で中国人観光客の呼び込みに向けた動きが強まっている。
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首都圏の店舗では、通訳や買い物の付き添い、宿泊先への商品配送などを無料で行うサービスがスタートしており、今後、大阪にもサービスを拡大する方針。人民元相場の弾力化による元高も消費拡大の追い風とみて、特需期待が強まっている。
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東京・日本橋の高島屋東京店(東京都中央区)では、近接する香港系高級ホテル「シャングリラ・ホテル東京」と連携し、宿泊する中国人観光客向けに、買い物時に同店の中国人従業員が通訳として付き添う無料サービスを6月末に始めた。通訳業務が可能な中国人従業員を8人に増やし、1日に3組程度の利用を目指すという。
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同様に三越伊勢丹ホールディングスも、9月に増床開業する三越銀座店(中央区)で、外国人観光客の買い物に付き添う「コンシェルジュ」サービスを実施する。店の入り口そばにカウンターを設け、中国語や英語に堪能な8人のスタッフが買い物に同行し、商品の説明や通訳を行う。また、購入品の免税手続きなども行える観光案内所も新設するなど、中国人観光客の囲い込みを急いでいる。
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一方、大阪では大丸心斎橋店(大阪市中央区)が、中国人観光客を対象に購入金額が5%引きになるクーポン券の配布を4月からスタート。6月には中国語が話せる従業員を2人増やした。「心斎橋筋を中心に、中国人観光客は年々、増えており、店としても対応を強化した」(大丸)という。
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高島屋大阪店(中央区)も受付で中国語のパンフレットを配布するほか、希望に応じて語学に堪能な従業員が店内の案内を行っており、中国のデビットカード「銀聯」の利用も増えつつあるという。
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百貨店各社が中国人観光客への対応強化に乗り出すのは、国内の消費低迷により百貨店売上高の減少が続く中で、利幅の大きい高額品などを購入する富裕層が多いためだ。日本百貨店協会によると、外国人観光客の平均購入金額は約7万円で、来店客の8割を中国本土からの観光客が占めるという。
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同協会によると、免税対象外の化粧品などを含めた外国人の年間売上高は約400億円程度だが、今後5年間で1000億円規模にまで伸びる見通しだ。
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ビザ要件の緩和により、発給対象となる中国の世帯は従来の約10倍にあたる1600万世帯に拡大する。一方で、従来の富裕層に比べ、発給対象者の所得水準は低下するが、「日本に旅行する際、知人や親戚(しんせき)から買い物を頼まれるケースが多く、消費そのものは低下しない」との見方もあり、業績回復の起爆剤にと期待は高まる一方だ。(内田博文) |
【破談その後】(中)高島屋vsH2O、遺恨の大阪南北戦争 再編第2段階へ2010.05.04 MSN産経新聞
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H20リティリングとの経営統合破談で会見する高島屋の鈴木弘治社長 「アジアに420億円を投じる」
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阪急阪神百貨店を傘下に持つH2Oリテイリングとの経営統合が3月に破談した高島屋。鈴木弘治社長は破談会見から2週間後の4月9日、2010年2月期の決算発表に合わせて15年2月期までの経営計画を公表し、アジア市場に活路を求める姿勢を鮮明にした。
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アジアに活路
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期間中の成長投資1千億円のうち4割強をアジアに振り向ける。
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アジアの旗艦店である「シンガポール高島屋」を開拓拠点とし、12年に中国・上海に出店するほか、一時計画を凍結したベトナム進出も再検討に入った。
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だが、「5年後に1兆円少ない5兆5千億円に落ちる」(鈴木社長)とみる国内百貨店市場の縮小をカバーするには力不足だ。しかも肝心の国内20店舗の構造改革はまだ緒に就いたばかり。地域に合わせた店作りやコスト削減を急ピッチに進めているが、「将来も利益が見込めないと判断したら閉鎖も辞さない」(同)という縮小均衡だ。
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一方で、H2Oは統合に代わる次の一手すら打ち出せていないのが実情。
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「地域重視の後の成長戦略が描ききれない中、経営統合に将来の成長の可能性を見いだしたかった」
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高島屋と別々に開いた破談発表会見で、H2Oの椙岡俊一会長はこう悔しさをにじませた。
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旗艦店の阪急百貨店梅田本店を中心に関西エリアでは抜群の知名度とブランド力を誇るが、“一極集中”のもろさを抱える。海外も台湾企業との業務提携で台北市に1店舗あるのみだ。
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現在のH2Oの中期経営計画で、阪急梅田本店の建て替えや今春のJR博多駅ビルでの開業で、2014年度に売上高7千億円を目指す目標を掲げるが、その先に成長ビジョンを見いだせないでいる。
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2011年問題
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高島屋にも地元である大阪の百貨店にとってはかねてから、増床と開業が相次ぐ「2011年問題」にどうやって勝ち残るかが、最大の課題だった。
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ミナミでは、高島屋大阪店が3月初旬に新館をオープンさせ、売り場面積を従来の約1・4倍の7万8千平方メートルに増床。本館も順次改装し、11年春に全面リニューアルオープンする。
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一方、キタでは11年には、大丸梅田店の増床とJR大阪三越伊勢丹の開業が続き、12年に阪急百貨店梅田本店の建て替え工事が完了する。
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特に、“新参”の三越伊勢丹への警戒感は強く、高島屋とH2Oがいったん統合で合意した一因でもあった。統合による効率化やシナジー効果で2011年問題を乗り越えようという思惑も、破談でご破算に。
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それどころか、「破談の遺恨で、ミナミとキタで顧客やテナントを奪い合う“南北戦争”が勃発(ぼつぱつ)し、消耗しかねない」(業界関係者)との声も出ている。
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独身パートナーなし
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両社の破談は、百貨店業界では“勝ち組”同士の組み合わせによる主導権争いが一因といわれている。
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「三越伊勢丹は、伊勢丹による三越の救済、J・フロントリテイリングも大丸による松坂屋の吸収だった。勝ち組同士はプライドがじゃまして難しい」(大手百貨店)
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当初から両社の統合を危ぶむ声は多かった。
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もっとも、業界の勝ち組といわれるが、百貨店は業態として完全な「負け組」だ。09年の全国百貨店の売上高は、前年比10.1%減と過去最大の減少を記録し、6兆5842億円まで落ち込み、1983年以来26年ぶりの低水準に落ち込んだ。7兆円割れは85年以来24年ぶりだ。
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「生き残れるのは3、4社。高島屋もH2Oもいずれもう一度、再編に動かざるを得ない」(同)との声は多い。
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高島屋の鈴木社長は「将来(パートナーが)必要になる日がくるかもしれない」と漏らすが、両社は“最後のカップル”といわれたように、他の大手はすでに結婚しており、相手が見あたらないのが実情だ。
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経営戦略の違いが明白になった高島屋とH2Oの再編は考えにくい。あくまで独身で生きていくための戦略を探るのか。それとも、再編済みのカップルと合流するのか。
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両社の動きによっては、百貨店再編が、再々編による第2段階へと進む可能性もある。(小熊敦郎、内田博文) |
3月の全国百貨店売上高、3.5%減 減少幅は縮小2010.04.19 MSN産経新聞
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日本百貨店協会が19日発表した今年3月の全国百貨店売上高は、前年同月比3.5%減(既存店ベース)の5436億円と25カ月連続で前年実績を割り込んだ。ただ、減少幅は2月に比べて1.9ポイント縮小し、2008年8月(3・1%減)以来の水準となった。株価が1万円以上で安定していることを背景に、「富裕層を中心に主力の衣料品や宝飾品、輸入雑貨など百貨店らしい高額品の販売に持ち直しの兆しが出ている」(日本百貨店協会)という。
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分野別では「衣料品」が5.0%減と33カ月連続の前年割れだが、マイナス幅は2月に比べて1.7ポイント改善した。「美術・宝飾・貴金属」は1.0%減、海外ブランド品を含む「身の回り品」は3.3%減だったが、それぞれマイナス幅は2月に比べて2.5ポイント、2.0ポイント縮小している。
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一方で調理器具などを含む「その他家庭用品」が3.2%増と25カ月ぶりにプラスに転じた分野もあった。同協会は「節約疲れもあり、身近な生活を変えてみたいという要求が消費者に高まっている」(同)ことを反映した動きとみている。 |
“節約疲れ”で百貨店売上高が下げ止まり 高額に動きも本格回復は?2010.04.19 MSN産経新聞
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低迷が続く個人消費に動きが出てきた。日本百貨店協会が19日発表した3月の全国売上高は既存店ベースで、前年同月比3・5%減と25カ月連続のマイナスだったが、2月の5・4%減から1・9ポイント改善。内閣府が同日発表した3月の消費者態度指数も3カ月連続で改善し、基調判断が前月までの「ほぼ横ばい」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正された。
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景気の緩やかな回復や株価上昇で、高級腕時計やブランド品など高額商品が好調という。ただ、“節約疲れ”による反動との指摘もあり、本格回復と判断するのは時期尚早のようだ。
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「リーマン・ショック以降、止まっていた高額商品が動き出している」。大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングの奥田務会長は、消費者の変化を感じている。
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大丸東京店の高級腕時計売り場では、「ロレックス」など50万円前後の商品の売り上げが3月は前年同月から5割も増えた。
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高島屋も3月2日に増床オープンした大阪店で、海外高級ブランド品を含む「特選衣料雑貨」が3割増と好調。主力の婦人服も3割伸びた。
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そごう・西武では3月の全店売上高が平成20年2月以来、約2年ぶりにプラスに。西武池袋本店婦人服売り場では、定価2万〜4万円台の海外ブランドの春物衣料を買い求める客が目立ったという。
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全国百貨店でみても、3月の高級時計を含む「美術・宝飾・貴金属」は前月から2・5ポイント改善の1・0%減まで持ち直してきた。
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2年以上も前年割れが続き、昨年は前年比10・1%減と過去最大のマイナスを記録した全国百貨店売上高。同協会の今井成价(しげよし)常務理事は、「4月も天候不順にもかかわらず、3〜4%のマイナス」としており、ようやく下げ止まってきた。
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ただ、「長引くデフレ不況の中、賢い消費者が増え、決して身の丈以上の支出はしない」(大手百貨店)。ユニクロなどの低価格専門店やネット通販など他業態への顧客流出が続いており、下げ止まりから反転上昇への道筋は依然、見えないのが実情だ。 |
高島屋 ベトナム進出再検討2010.04.14 MSN産経新聞
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高島屋は13日、ベトナム進出の可能性について再検討に入ったことを明らかにした。同社は2年前の春、ホーチミン市に事務所を設けて市場調査に乗り出したものの、インフレによる賃料高騰を理由に中止していた。しかし、高額品を中心に国内消費が縮小する中、高島屋としては成長の見込める新興国市場に経営資源を振り向けることで収益を確保したい考えで、実現すれば日本の百貨店として初のベトナム進出となる。
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高島屋がベトナム進出の再検討に入ったのは、同国のインフレが沈静化しつつあると同時に国内市場の縮小に伴って、アジア市場の開拓が重要な経営課題に浮上しつつあるためだ。同社は9日に公表した今後5年間の経営目標として、アジア向け投資に420億円を投じる計画を打ち出している。
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すでにアジアではシンガポールと台湾に店舗を持ち、2012年には中国1号店となる上海店を出店する計画。上海店のほか、アジアの2カ国程度に出店したい考えで「ベトナムを含むシンガポール周辺の国」(鈴木弘治社長)を候補に調査を進めている。
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上海店とアジア2カ国での出店は海外で店舗開発のノウハウを持つシンガポール高島屋を中心に店作りを進める。
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百貨店業界では、国内や欧米の不採算店舗を閉鎖する一方、成長の期待できるアジア諸国への出店が増えている。アジア進出で先行する三越伊勢丹ホールディングス(HD)の場合、傘下の伊勢丹が年末にも中国に5店舗目を開設するものの、仏パリ店の営業は9月末で終了する。高島屋も6月、米ニューヨーク店を閉鎖することにしており、主に日本人観光客向けに展開してきた欧米の日本の百貨店は姿を消しつつある。 |
高島屋とH2O、経営統合を中止 経営戦略の溝埋まらず2010.03.25 MSN産経新聞
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H20リティリングとの経営統合中止で会見する高島屋の鈴木弘治社長
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百貨店大手の高島屋と、阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは25日、平成23年までの経営統合を断念したと発表した。交渉過程で両社の経営戦略の溝が埋まらず、別々に生き残る道を探ることにした。備品、資材の共同購入など業務提携は続ける。産業界ではキリンホールディングスとサントリーホールディングスの経営統合が先月、破談になったばかりで、大型統合の難しさを露呈した格好だ。
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両社は平成20年10月に経営統合を前提にした資本・業務提携で合意。ライバルで先に経営統合を果たした業界最大手の三越伊勢丹ホールディングスを追撃する体制を目指していた。
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しかし、全国に店舗を展開する高島屋と、関西を地盤とするH2Oの間で、統合後の店舗網やシステム、統合比率などで食い違いが生じた。
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この日、都内で会見した高島屋の鈴木弘治社長は「経営戦略のすりあわせに多大なエネルギーを費やすより、それぞれ新しいビジネスモデルを再構築したほうが得策と判断した」と述べた。一方、大阪市内で記者会見したH2Oの椙岡俊一会長は「企業運営の仕組みの一元化がうまくできなかった」と話した。
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両社は非常勤取締役の相互派遣を同日付で中止。一方、統合を前提に10%ずつ保有した株式の持ち合いは当面継続するという。商品開発や資材購入などの業務提携も継続する。
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一昨年のリーマン・ショック以降の消費の急激な落ち込みで、百貨店業界は21年の全国売上高が24年ぶりの低水準になるなど市場の縮小が続いている。厳しい環境が続く中、百貨店大手各社は経営統合を相次いで決めているが、統合断念は初めて。 |
6月にニューヨーク店を閉店 高島屋、アジア重視へ2010.03.25 MSN産経新聞
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高島屋は25日、米ニューヨークで出店している百貨店の営業を今年6月に終了すると発表した。店舗が入居している高島屋グループ所有の建物の売却交渉も、今後開始する。
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高島屋は海外でニューヨーク、シンガポール、台湾の3店舗を展開。同社は2012年に中国・上海市に売り場面積約4万平方メートルの百貨店を開業する計画を進めており、ニューヨーク店閉鎖で経営資源をアジア地域に振り向ける考えだ。
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ニューヨーク店は売り場面積は約1700平方メートルで、1993年開業。2010年2月期の売上高は約14億円の見込みだが、最近は営業赤字が続いているという。 |
【百貨争鳴】(上)従業員さえ買わぬ百貨店 増床で若者呼び込め2010.03.02 MSN産経新聞
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高島屋大阪店が第一期増床オープンを前に内覧会。若い女性のファッションリーダーたちが支持するブランドが多数出店するフロア「gokai」=1日午前、大阪市中央区(頼光和弘撮影)
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高島屋大阪店(大阪市中央区)の婦人服担当バイヤー、中村良樹次長は昨年夏、ある社内調査の結果に顔をしかめた。
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《100人中、99人が「百貨店で服を買ったことがない」と回答した》
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「高い」「欲しいブランドがない」という内容もさることながら、調査対象が大阪店に勤める20代の女性従業員やその知人だったことは「身内(の従業員)ですら買わない」という若者の百貨店離れの深刻さを象徴していた。
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4年間の工事を終え、従来の約1・4倍にあたる7万8千平方メートルの売り場面積で2日、増床開業する高島屋大阪店。中村氏らが企画した19〜20代前半の女性向けファッション売り場「gokai(ゴカイ)」は、関西最大級の大飲食店街や、19店を集めた一流ブランドゾーンなどと並ぶ増床の目玉だ。
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高島屋は20代のカード会員がこの5年間で半減、構成比は10%台に落ち込んだ。だが、通販大手、千趣会のベルメゾン生活スタイル研究所が昨年実施した女性のファッションに関する意識調査では、20代の衣料品に対する年間支出は8万6532円と、30代を上回る購買力を持つ。「20代と真剣に向き合う売り場を作らないと、百貨店の将来はない」(中村氏)という危機感は、他の百貨店にも共通する課題だった。
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大丸心斎橋店(同)は昨年11月に開業した北館の地下1、2階の若い女性向けカジュアル売り場「うふふガールズ」が好調。1月の同店売上高は前年比24%増と伸長し、今秋には“男性版うふふガールズ”にあたるメンズ売り場を設置するという。
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百貨店の中心購買層となる中高年世代を維持しつつ、低価格な若者向けブランドを導入するのは、従来の売り場規模では困難をきわめる。戦略転換を促すきっかけは、増床や新館による売り場面積の拡大だ。
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来年以降、大阪の各百貨店が軒並み増床し、競争激化が予想される中、高島屋大阪店長の増山裕常務は「先に増床開業し、ファンになってもらうのはアドバンテージ」とにらむ。
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若年層を固定客に変えるため、高島屋はゴカイのイメージキャラクターとなる10体のマネキンに、ある仕掛けを施した。携帯電話をかざすと、ICチップに反応し、さまざまな動作を披露。同時にケータイに会員登録サイトへのリンクが表示される仕組みだ。
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1体約100万円と高額だが、「ダイレクトメールなど従来の手法では、若者層を囲い込めない」(菅原隆行販売促進担当課長)と踏み切った。
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一方、大丸は3月1日から、心斎橋店北館地下1、2階限定で「うふふガールズカード」という新カードの募集を始めた。来店ポイントなど一般の会員カードと同じ機能を持つほか、新商品や割引の情報などを新カードの会員限定で提供する。「特定の年齢層にピンポイントで情報提供するツール」(山本正好心斎橋店店長)で、ファン層の拡大を狙う。
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増床競争に先行したミナミと心斎橋の両店。先行メリットを生かし、どれだけ顧客を囲い込めるかが、今後1年間の課題となる。
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2日、高島屋大阪店の増床開業で、“大阪2011年問題”と呼ばれる百貨店の大規模な増床は前哨戦を迎えた。売り場の供給過剰による競争激化が懸念される中、各店がいかに生き残りを目指すか。その戦略を探る。
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【用語解説】2011年問題
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大阪市内の百貨店各社が相次いで増床し、売り場面積が約50万平方メートルと増床前の1・5倍に拡大するため、売り場の供給過剰が懸念される問題。特に大阪・梅田では平成23(2011)年にJR大阪三越伊勢丹の進出と大丸梅田店の増床があり、24年には阪急百貨店梅田本店の建て替えも完了するため、JR大阪駅周辺は計約25万平方メートルと、国内最大の百貨店激戦区となる見通しだ。 |
松坂屋名古屋駅店、8月29日に閉鎖 競争激化で百貨店閉店相次ぐ2010.02.25 MSN産経新聞
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百貨店大手のJ・フロントリテイリングは25日、松坂屋名古屋駅店(名古屋市中村区)を8月29日に閉鎖すると発表した。これにより年内の閉鎖が決まった百貨店の店舗数は、2月の段階ですでに昨年の9店舗を上回る11店舗に達し、収益力が低下した百貨店の店舗閉鎖が急ピッチで進んでいる。
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松坂屋名古屋駅店はJR名古屋駅に隣接する「名古屋ターミナルビル」に出店しているが、同ビルを所有するJR東海は2008年に、今年9月から工事に入り16年度に完成する建て替え計画を発表した。
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このためJフロントは建て替え終了後の新ビルへの再出店を前提にJR東海と交渉を進めてきたが、「複合ビルのなかでのレイアウトなど条件面で折り合わず、百貨店としての出店は難しいと判断」(Jフロント)し、閉鎖を決めた。
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松坂屋名古屋駅店の従業員129人のうち正社員69人は雇用を継続する。一方、60人の有期契約従業員についてはいったん、雇用契約を打ち切る。
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松坂屋名古屋駅店は1974年11月に開業し、売り場面積は1万6521平方メートル。ピークの92年2月期には売上高は約297億円に上った。しかし2000年3月に名古屋駅に「ジェイアール名古屋高島屋」が開店するなど、競合との競争が激化するとともに消費不況のあおりで売り上げが減少。10年2月期は営業黒字は確保するものの売上高は105億円とピークの約3分の1に落ち込む見通しとなっていた。
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なおJフロントは松坂屋名古屋駅店の閉鎖関連の引き当て損失額として、10年2月期連結業績で特別損失として5億円程度を計上する見通しだ。 |
80年代の売上高に縮小 百貨店 下落率、過去最大に スーパー 21年ぶり12兆円台2010年01月23日 東京新聞朝刊
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日本百貨店協会が二十二日発表した二〇〇九年の全国百貨店売上高(全店ベース)は前年比10・8%減の六兆五千八百四十二億円と、一九八三年以来の低水準だった。下落率は過去最大を記録した。全国のスーパー売上高(同)も3・3%減の十二兆八千三百四十九億円と二十一年ぶりに十三兆円を割り込み、いずれも売り上げは八〇年代の規模に縮小した。
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〇八年秋に起きた金融危機後の景気低迷が個人消費を直撃。高額のスーツ、宝飾品などが敬遠され食料品にも節約志向が波及した。
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百貨店の全店売上高は十二年連続で、スーパーは六年連続で減少し、長期低落が続いた。衣料品チェーン「ユニクロ」などの専門店に顧客を奪われた衣料品の落ち込みが大きく、各社は商品内容や売り場の抜本的な見直しを迫られている。
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商品別の動向をみると、新規出店分などを除いた「既存店ベース」で、衣料品は百貨店が13・2%減、スーパーが10・8%減と、いずれも初めて二けたの下落率となった。家庭で食事をする「内食」が広がったことで、プラスだった食料品も百貨店が4・6%減、スーパーが2・6%減とマイナスに転じた。
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高額商品は振るわず「美術・宝飾・貴金属」は15・3%減、家具は17・9%減だった。 |
09年百貨店売上高、24年ぶり7兆円割れ 過去最大の10%減2010.01.22 MSN産経新聞
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初売りでにぎわう百貨店だが、09年は記録的な売り上げ低迷になった=東京都中央区の三越本店
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日本百貨店協会が22日発表した2009年の全国百貨店の売上高は、前年比10.1%減(既存店ベース)の6兆5842億円となり、1983年以来26年ぶりの低水準に落ち込んだ。7兆円割れは85年以来24年ぶり。12年連続のマイナスで、減少率は過去最大を記録した。
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景気低迷による消費者の節約志向が、高額商品を主力としてきた百貨店業態を直撃。カジュアル衣料品の「ユニクロ」や「ファストファッション」と呼ばれる海外の低価格ブランドに顧客が流れ、百貨店離れが加速した。
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商品別では衣料品が13.2%減、欧米の高級ブランドを含む身の回り品が12.7%減と、2けたの大幅マイナス。堅調だった食料品も4.6%減で、ほぼ全商品で減少した。
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同時に発表した年末商戦でかき入れ時となる09年12月の売上高は前年同月比5・0%減の7420億円。前年割れは、22カ月連続で、回復の兆しはみえていない。 |
中国地方百貨店売上再び減少2009/08/19 中国新聞地域ニュース
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中国四国百貨店協会が18日発表した中国地方の7月の百貨店売上高は、299億3千万円で前年同月比11・7%減と25カ月連続で減った。6月は5カ月ぶりに1けたの減少率だったが、梅雨明けの遅れやセールを6月に前倒した反動などで、再び2けた減となった。
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同協会は「8月は購買意欲が戻っているようだ。消費は今後持ち直すのではないか」とみている。
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衣料は15・9%減少し、セールを6月に前倒した影響で紳士、婦人、子供服とも2けた減となった。身の回り品は14・0%減り、靴、バッグに加え、好調だった紫外線(UV)対策の帽子、手袋、スカーフも苦戦した。
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雑貨は7・0%減で美術、宝飾の高額品が低迷した。家庭用品はエコポイント効果で家電は健闘したものの、他が振るわず5・9%減。食料品は9・3%減り、中元の早期割引の前倒しの反動が出た。
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地域別は広島都市圏が12・0%減、山口が13・9%減、岡山が11・8%減、山陰が9・5%減だった。 |
百貨店売上高が11%減 1―6月、下落率最大2009/07/21 中国新聞ニュ−ス
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日本百貨店協会が21日発表した今年1〜6月の全国百貨店売上高(店舗数調整後)は前年同期比11・0%減の3兆2133億円で、半期ベースとしては過去最大の下落率となった。
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不況で消費者の買い控えが強まる中、主力の衣料品の低迷が続いているほか、高額品の美術・宝飾などが減少。新型インフルエンザで来店客数が減少したことも響いた。
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同時に発表した6月の売上高は、前年同月比8・8%減の5319億円と16カ月連続で前年実績を下回った。 |
不況で復権、ビアガーデン2009年06月20日 読売新聞 YOMIURI On-Line
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飲み放題、お得で安心 ◎料理も多彩
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食べ放題・飲み放題が基本でお得感のあるビアガーデンが見直されている(東京・新宿区の「森のビアガーデン」で)
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今年の夏は、ボーナスが大幅に減りそう。「節約はしたいけど、たまには友人らと楽しく飲みたい」という方にお勧めなのが、ビアガーデンだ。食べ・飲み放題コースが基本で「お得感」が大きい。
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一度は閉鎖したものの、「復活」させるデパートも出てきた。(経済部 戸田雄、大阪経済部 井岡秀行)
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オープン26年目を迎えた東京・明治神宮外苑の「森のビアガーデン」は、都心で木々に囲まれながら生ビールを楽しめる。同僚20人で来ていた埼玉県和光市の国家公務員雄山大さん(46)は、「初めて来たが、開放的な雰囲気で飲むビールは最高です」と満足げだ。
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ひところ「夏の風物詩」だったビアガーデンは、外食産業の多様化などで近年はちょっと下火だった。しかし、不況のなか、「お得感」から再び見直され、西武百貨店池袋本店は15年ぶりに「屋上ビアテラス」を復活させた。
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安いだけでなく、凝った料理で、女性客らを取り込む工夫も目立つ。西武の「屋上ビアテラス」メーンメニューは、福岡・博多の有名ホルモン店のもつを使った「もつ鍋」と、野菜たっぷりの「ヘルシーカレー鍋」だ。松坂屋銀座店の屋上にある「麦羊亭」は、豪州産の厳選した子羊の肉を使ったジンギスカンの食べ放題メニューを用意する。「しょうゆ」「みそ」「塩だれ」の3種類から選べる。
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一風変わった試みもある。大阪・梅田の阪急ターミナルビル屋上にある大阪新阪急ホテル直営のビアガーデンは、オバマ米大統領にあやかり、「チェンジ」を今年のテーマに掲げた。かき混ぜるとスープの色が赤や緑などに“チェンジ”する塩ラーメン「オバマヌードル」など30種類のメニューを用意した。
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阪神百貨店梅田本店が屋上で4月にはじめたビアガーデンでは、阪神タイガースの試合が130インチの大画面で生中継される。「父の日」の21日には、大人の料金(3500円)を1000円割り引く。 |
休日2日増えても5月売上高12%減 食料品も不振 百貨店どん底2009/06/20 Fuji Sankei Business-i
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日本百貨店協会が19日に発表した5月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比12.3%減の約5112億円となり、15カ月連続で前年同月実績を割り込んだ。2けた減は4カ月連続で、5月としては過去最悪だった「平成不況」まっただ中の1993年の6.2%減を大幅に更新するワースト記録となった。暦の関係で土、日の日数が2日増えたにもかかわらず、新型インフルエンザなどの影響で、4月からは再び減少幅を拡大する結果となった。
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5月は政府の景気判断の上方修正や株価の回復などで、マクロ経済の改善傾向がみられたものの、百貨店の店頭は「失業率の上昇や所得減少で、消費者の生活防衛意識は依然として根強い」(同協会の飯岡瀬一専務理事)結果となった。
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主力の衣料品は紳士物が前年同月比16.9%減、婦人物が同15.0%減と4月よりも数字を悪化させたほか、美術・宝飾・貴金属も同20.6%減と激減が続き、改善の兆しが見えてこない。頼みの食料品も同5.2%減と総崩れの様相だ。
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新型インフルエンザの影響は特に関西で大きく、神戸地区では同20.6%減となったほか、東京でも14.0%減と「2〜3ポイント下押しする要因となったのではないか」(同)という。
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企業業績の悪化などから、法人需要も大きく冷え込んでおり、全体としては3月を底として4月にやや持ち直した感があったものの、その傾向が続かなかった。
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◆節約志向にインフル追い打ち
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5月の百貨店売上高の数字は、改めて百貨店の不振を示す形となった。通常であれば、暦の関係で土、日が増えると、売上高には大きなプラス要因となるはずだ。それだけに、日本百貨店協会の飯岡専務理事は「土、日が増えて、売上高が落ち込むのはちょっと記憶にない。それを帳消しにするほど新型インフルエンザや消費者の節約志向が大きかったということなのか」と頭を抱えた。
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6月に入ってからは、レイングッズの好調さなど一部に明るい材料もみられるが、飯岡専務理事は、「この半年間で、消費者の節約志向は相当徹底されている」と話しており、百貨店の売り上げ回復には、まだまだ相当の時間が必要だ。
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すでに百貨店各社で始まっているお中元商戦も、今後ピークを迎えるほか、バーゲンセールも始まる。本来であれば「かき入れ時」だが、多くの企業が業績悪化を受けてボーナスを減額しており、商戦に悪影響を与えるのは必至とみられる。
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一部百貨店では、冬物のバーゲンセールを6月中旬に開催したり、通常の夏物バーゲンセールを前倒したりする“異例の措置”に踏み切って、消費を喚起しようとしている。裏を返せば、百貨店のこれまでの手法が今回の不況には通用しないことを意味している。百貨店各社は常識にとらわれないフレキシブルな対応を迫られている。(兼松康) |
百貨店売上高:過去最大の落ち込み 新型インフル影響−−5月・前年比2009年06月20日 毎日新聞 東京朝刊
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日本百貨店協会が19日発表した5月の全国百貨店売上高は5112億円で、既存店ベースでは前年同月比12・3%減だった。休日が前年より2日多かったにもかかわらず5月としては過去最大の落ち込みとなった。売り上げの減少は15カ月連続。消費者の節約志向に加え、新型インフルエンザの影響が大きかった関西地区を中心に客数が大幅減少した。
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地区別では、神戸が20・6%減と主要10都市の中で最大の落ち込み幅。仙台(15%減)、東京(14%減)、大阪・京都(各12・9%減)の減少も目立った。
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商品別では、衣料品(15・1%減)や美術・宝飾・貴金属(20・6%減)の不振が続いている。景気の影響が出にくいとされる化粧品(7・7%減)や食品(4・6%減)も減少し、低価格化が進んでいることを裏付けた。
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ただ、同協会によると6月以降は、東京都内の一部店舗で宝飾品の販売が好転し、傘や夏物衣料も売れ始めるなど「消費に明るい兆しも見える」という。
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百貨店業界では買い控え対策で、通常は7月からのセールを前倒しする動きも広がっている。【秋本裕子】 |
百貨店の中元商戦 低価格商品のデフレが進行2009.06.19 MSN産経新聞
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消費不況が深刻化するなか本番を迎えている百貨店の中元商戦で、低価格化による“デフレ”が進行している。各社は低価格商品を積極的に投入しているほか、早期受注による割引制度で顧客を取り込もうと懸命だ。消費者の商品を選別する目は厳しさを増しており、節約志向にいかに応えるかが勝負のカギを握りそうだ。
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J・フロントリテイリング(JFR)傘下の大丸は、6月中に申し込むと最大15%引きとなる「夏の特選ギフト」の商品点数を前年の70%増となる747点に拡大。18日現在の中元商品全体の売り上げが前年同期比3%増と好調だ。同じ傘下の松坂屋もカード会員を対象に全国送料無料の「カトレヤギフト」を最大10%引きし、15日現在で14%増を記録。JFRは「早割の効果が着実に出ている」と話す。
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ミレニアムリテイリング傘下の西武百貨店も早期受注で5〜15%引きし、期間も6月末まで延長。さらに昨年まではカタログ掲載のなかった2000円台の商品18種類を取りそろえた。西武百貨店池袋店によると、「早割で定価が3000円台の商品が2000円台になるケースも多く、好調」と話す。
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高島屋は、昨年と同じ1000点の送料無料ギフトを取りそろえ、14日現在の売り上げ全体のうち85%を占めており、消費者の低価格志向は鮮明だ。
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これに対し、三越伊勢丹ホールディングスは「価格ではなく、百貨店らしい質の高さにこだわったギフトを展開する」とし、ライバルとは一線を画す。
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もっとも、百貨店の従来の強みである高級志向のギフト商品は、消費不況の直撃を受けており、各社の低価格戦略はさらに加速しそうだ。 |
ナルミヤ、低価格ブランドを百貨店向けに投入2009年06月19日 NIKKEI NeT
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子供服大手ナルミヤ・インターナショナルは8月末、主力の百貨店で低価格の新ブランドを投入する。女子小中学生向けで従来より30〜60%安い。百貨店でも消費者の低価格志向が強まっていることに対応する。大人と同じように最新の流行を取り入れ、ファッションに関心を持ち始める10代女子に売り込む。
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新ブランドは「Lindsay(リンジィ)」。同社が百貨店で低価格ブランドを販売するのは初めて。1号店は8月27日、東武百貨店池袋店に開く予定。( |
西武百貨店とそごう、5,000円の買い物ごとに500円分の商品券がもらえるセール開始2009/06/19 FNN
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節約志向の高まりの中、西武百貨店とそごうは、19日から一定額を買い物するごとに商品券を渡すセールを始めた。
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西武百貨店池袋本店では、5,000円買い物するごとに、500円分の商品券がもらえるセールを始めた。
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単に値引きをするのはではなく、次の買い物に使える商品券を渡すことで常連客を増やしたい構え。
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このセールは、西武百貨店とそごうなど3社が、8月に合併することを記念して19日から始めたもので、5,000円の買い物ごとに500円分の商品券(有効期限は8月末)がもらえる。
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客は「思わぬプレゼントですよね」、「主人のプレゼント買ったらもらえた。(商品券で)自分のものを買う」などと話した。
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このセールは、閉店する予定の一部店舗を除く、全国26店舗で21日まで行われる。 |
西武百貨店など ビアガーデン“ラッシュ” 不況下の夏 手ごろな一杯人気2009/06/18 Fuji Sankei Business-i
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西武百貨店池袋本店は約15年ぶりにビアガーデンを開店。屋上の有効活用と店舗活性化が目的だ=17日、東京都豊島区
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ビアガーデンが人気を呼んでいる。5、6月に都内で先駆けて開店した店舗では売り上げが前年同期に比べ2〜5割も伸びているところもある。ほとんどの店舗が食べ放題、飲み放題ながら4000円前後のリーズナブルな価格帯を設定。給与が増えず節約を強いられているサラリーマンらが、限られた予算で楽しもうと利用しているためだ。不況に見舞われる中、ビアガーデンを集客やビール消費拡大につなげようと、百貨店、ビール会社とも力を入れている。
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「かんぱ〜い!」。17日、ビアガーデンをオープンした西武百貨店池袋本店(東京都豊島区)の屋上では、会社帰りのサラリーマンや女性客が威勢よくビールジョッキを重ねた。同店がビアガーデンを開店するのは約15年ぶりで、屋上の有効活用と店舗活性化が目的だ。同店屋上に全 350席を用意し、9月23日までの限定で、期間中に合計3万人の来客を見込んでいる。同店は近隣の高層ビルの夜景が楽しめる絶好の立地で、来店客の7〜8割が女性客。このため料理もコラーゲンがたっぷり入った「もつ鍋」や、野菜を多く使った「ヘルシーカレー鍋」などを用意した。
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日本橋三越本店(東京都中央区)も24日に屋上に開店するほか、月内には、都内近郊の百貨店屋上などでも、有名なビアガーデンが軒並みオープンする。
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先行して開店した店舗では客足が絶好調だ。5月3日に松坂屋銀座店(東京都中央区)の屋上で、毎年恒例のビアガーデン「麦羊亭」を開設したのがサッポロライオン(同)。オープン以降の客数、売り上げはともに前年同期比で2〜3割増加した。ジンギスカン食べ放題と、飲み放題で4400円で提供。「予算が立てやすく利用が増えている」(広報)とウハウハ顔だ。
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明治神宮外苑(東京都新宿区)に日本最大級の席数1000席を誇るビアガーデン「森のビアガーデン」を5月22日に開いたのがアールアンドケーフードサービス(東京都千代田区)。食べ放題、飲み放題で男性が4000円、女性が3800円と手頃な価格もあり現在までの売上高は50%伸びた。昨年は9月までに7万人の来客があったが「今年は14%増の8万人を目指す」(森のビアガーデン副店長)という。
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キリンホールディングスが20歳以上の男女4642人を対象に今年4月に実施したアンケート調査によると、今夏にビアガーデンに行くとの回答は全体の9割を占めた。ただ、予算は平均3585円と2004年の調査開始以来で最低(従来は05年の3742円)を記録しており、不景気の世相を反映する結果となっている。 |
15年ぶりにビアガーデン復活 西武池袋本店2009.06.17 MSN産経新聞
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西武百貨店池袋本店で15年ぶりに復活したビアガーデン。訪れた客は高層ビルの夜景を楽しみながらビールに舌鼓をうった=17日午後、東京都豊島区の西武百貨店池袋本店(中井誠撮影)
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西武百貨店池袋本店(東京都豊島区)は17日、同店の屋上に約15年ぶりにビアガーデンを復活させた。屋上の有効活用と店舗の活性化が狙い。9月23日までの期間中に3万人の利用を見込んでいる。
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17時のオープンとともに来店した会社帰りのサラリーマンらは、近隣の高層ビルの夜景を楽しみながら、「乾杯!」と威勢よくジョッキを重ね、ビールに舌鼓をうっていた。
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同店は来店客の7〜8割が女性客が占めており、料理にはコラーゲンがたっぷり入った「もつ鍋」や野菜を多く使った「ヘルシーカレー鍋」など、女性に人気のメニューを用意した。どちらか1品が選べる飲み放題(2時間)コースで価格は1人当たり3300円。 |
百貨店が399円弁当を販売2009年06月13日 読売新聞 YOMIURI On-Line
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標的はサラリーマン
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長引く景気低迷で懐が寂しくなってきたサラリーマンを呼び込もうと、大手百貨店がコンビニエンスストア並みの格安弁当を期間限定で販売する。
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松屋銀座(東京都中央区)は7月8日〜14日、399円の「おろしカツ弁当」「中華唐揚げ弁当」「特製煮物弁当」を販売する。それぞれ1日30食限定で店内で調理し、地下1階の弁当売り場で午前11時半以降に販売する。「これほど安い弁当を売るのは初めて」(広報)という。
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また、シブヤ西武(東京都渋谷区)は、6月14日〜7月20日、390円の「日替わり丼」や「日替わりやきそば」、500円の「塩鶏肉の生姜焼丼」などを販売する。 |
独アルカンドル:流通大手、経営破綻 トーマス・クックは対象外2009年06月10日 毎日新聞 東京朝刊
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【ロンドン藤好陽太郎】ドイツの百貨店最大手「カールシュタット」を傘下に置く流通大手アルカンドルは9日、資金繰りに行き詰まり、エッセンの裁判所に破産申請したと発表し、事実上経営破綻(はたん)した。金融危機によるドイツ流通大手の破綻は初めて。
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百貨店の不振に加え、金融危機での対応も後手に回り、今週末に7億1000万ユーロが返済不能に陥る見通しとなったため。アルカンドルは公的資金による緊急融資を申請したが、ドイツ政府は拒否した。百貨店部門は、流通大手メトロと売却交渉に入る見通し。
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アルカンドルの08年9月期の売上高は約199億ユーロ(2兆7000億円)。売上高の5割超を占める旅行大手の「トーマス・クック」は破産申請の対象外となった。
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ドイツ政府は不動産金融大手や自動車大手オペルを救済した。今回、支援拒否したのは再建計画が不十分だったうえ、破綻の影響が比較的小さいと見込まれたため、財政悪化の回避を優先させたとみられる。 |
こだわりの高級傘2009年05月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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職人が作る「究極の1本」
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昨年輸入された洋傘は約1億3000万本で、その9割が中国製。安価な傘は“忘れ物対策”にはいいが、たまには、こだわりの1本を百貨店で探してみてはどうだろう。(佐藤浩)
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屋久杉を使用
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素材やデザイン、製作工程などにこだわった高級傘の数々。年数回のフェアでは、1日数百本が売れることも(大阪市北区の阪急梅田本店で)=永井哲朗撮影
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年間約3万5000本を売り、百貨店としては日本一の販売本数を誇る阪急梅田本店では26日まで雨具のフェアを開催中だ。今年初めて職人の手による約150種類の高級傘を並べた。
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目を引くのが1本15万7500円(価格はすべて税込み)の婦人用傘。傘メーカー、オーロラ(東京)の中澤征夫さん(65)が手掛けた“作品”だ。生地は着物に使う高級絹の「小石丸」、柄や持ち手は屋久杉で、デザインから裁断、組み立て、仕上げまで約120工程を1人で行う。日頃五、六万円の傘を年20本程度製作する中澤さんは、数年に1度、およそ4か月かけて、この傘を5本まとめて作る。
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同店のバイヤーで、フェアを企画した荒谷拓也マネジャーは「まさに究極の一品。持てばすぐに違いが分かる」と話す。
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このほか、皇室御用達として知られる前原光榮(こうえい)商店(同)の傘(1万3650円〜2万1000円)は、通常の2倍の16本の骨が形作る美しい曲線が特徴。
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モンブランヤマグチ(同)の商品は「高級美術傘」(1万2600円〜1万9950円)と呼ばれる。仮織りした生地に図柄を染め上げ、後で一部の糸だけを抜いてぼかしをつくる「ほぐし織り」を使い、仕上がりはまるで絵画のようだ。
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国産品の出荷本数は約90万本(2007年)で、輸入傘に遠く及ばない。普段の売れ筋は7000円〜8000円の品で、バーゲンになると3本、4本とまとめ買いする人も多い。
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豪雨対策グッズ
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「だからこそ、とびきりの1本を選ぶ満足感を一度は味わっていただきたいと思った」と、荒谷マネジャーは言う。
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一方、大丸梅田店は「これまでと一味違ったアイテムで雨対策を」と新商品に力を入れる。
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6月3日から「最強のゲリラ豪雨対策」と銘打って開くフェアの一押し商品は「レインストール」。ポリエステル製で、ボタンをかける場所によってポンチョのようにかぶったりボレロのように羽織ったりと楽しめる。デザインも様々。値段(3150円〜3650円)も手ごろだ。
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乗馬用のレインコートをヒントに作られた自転車移動用のサイクルコート(9240円)も。
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お気に入りの雨具があれば、雨のシーズンも、軽やかな気分で過ごせるかもしれない。
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?価格など文中のデータは、掲載日現在のものです。ご確認のうえ利用ください。 |
売らなきゃ「モッタイナイ」 福岡の百貨店 わけあり食品格安セール2009年05月14日 西日本新聞朝刊
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「食品わけありセール」で販売されているふぞろいなトマトとラベルに傷のあるワイン=福岡市・天神の博多大丸
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福岡市・天神の百貨店博多大丸で「モッタイナイ…食品わけありセール」が13日始まった。形がふぞろいな野菜や果物、ラベルが汚れたワイン、パッケージが変わった食品などを通常の半額ほどの格安価格で販売している。19日まで。
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「わけあり」とはいっても、見かけなどが百貨店の販売基準から少し外れる程度で、中身は保証付き。1本1万2000円のワインが半額、1玉5000円はするメロンは2000円前後など高額商品の大幅値引きもあり、お買い得感で給付金商戦にもアピールしている。
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「見た目はB級でも味はエー(A)品物ばかり。エー(A)買い物してください」と担当者。 |
「9800円スーツ」「500円弁当」 百貨店が「激安戦争」参入2009/05/14 Jcastニュ−ス
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980円のジーンズ、9800円の紳士用スーツ、380円Tシャツといった激安商品が続々と登場している。不況で消費が冷え込み、店はなんとかお客を呼び戻そうと必死なのだ。とりわけ百貨店まで「激安戦争」に参入してきたのが最近の特徴だ。
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松屋銀座9800円スーツ、200着が即日完売
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百貨店、松屋銀座は紳士用の格安スーツを2009年5月13日から発売している。200着限定の「9800円スーツ」や、ウールシルク製のスーツは2着2万9800円、イタリア製ウールを使用したものは2着3万9800円で、紳士服チェーンさながらに安い。
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同店によると、ヨーロッパで大量に生地を買い付けたこと、船便を利用して輸送コストを下げたことなどの理由で安くできた。
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「初日の来客数は予想より多く、9800円スーツは限定200着が即日完売しました。前年同時期にもスーツのセールを行いましたが、さらにお買い得商品が揃っていますので、売上げは前年の上をいくのではないか」 と広報担当者は期待する。
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購入時に1人1着限定1050円でスーツの下取りサービスもしている。5月25日まで開催する。
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カジュアル衣料のユニクロは低価格業態の「g.u.(ジーユー)」で990円の格安ジーンズを3月から発売して、話題になっている。ユニクロのジーンズは2000円台後半から3000円台後半と他メーカーに比べて安いが、ジーユーはその半値以下だ。男性用は3型、女性用は9型あり、安いだけでなくデザインが豊富だと人気を集めている。
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同社によると予想以上に売れているので、年間生産数を当初の2倍の100万本に増やした。
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さらに10円安い、「980円ジーンズ」を5月13日から発売しているのは、セブン&アイ・ホールディングスが展開するスーパー、ザ・プライスだ。細身のスキニー、ブーツカット、ショートパンツ、くるぶし丈のクロップドの4型を揃えた。
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中国の工場で生産し、店舗に直で入荷する仕組みで物流コストを見直したこと、股下の長さを72cmと76cmの2サイズ用意し、店での裾上げの手間を省いたことで価格を抑えた。年間5万本を販売する予定だ。
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大手スーパーの西友は子供用T シャツを380 円で5 月1 日から販売している。
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無地T シャツ(380 円)のほか、プリントT シャツ(680 円)、カジュアル半袖シャツとT シャツのセット(1480 円)がある。
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1日平均300個売れる松坂屋銀座「500円弁当」
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食品にも激安の波が広がっている。
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西友は「298円弁当」を4月から販売。ハンバーグ弁当、サケ弁当など3種あり、具材を同一工場で作ることでコストを下げた。
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大手百貨店、松坂屋銀座でもスーパー並に安い「500円弁当」が登場した。一口サイズの手鞠寿司が入った「たまて箱」、肉、魚、卵を使わず、大豆肉で作った酢豚をメインにすべて野菜でできた「まるごと野菜弁当」、豆腐専門店の「ハンバーグとお豆腐のまぜまぜ丼」など16種あり、銀座周辺で働く女性の声を反映して作られている。
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「1日平均300個、多い日は400個近く売れます。平日は午後1時30分までに、ほぼ完売します」(広報担当者)
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野村総合研究所、サービス事業コンサルティング部上席コンサルタントの日戸浩之さんは、激安ブームをこうみている。
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「09年後半に景気が回復するという人もいますが、急激な『V字』回復とはいきませんし、(激安ブームは)まだ続くでしょう」
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しかし、どんどん安くすれば小売りは自らの首を絞める、ということになりかねない。
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「逆に言えば、低価格で利益が出る生産、販売体制ができている企業しか生き残れなくなっています」 と話している。 |
百貨店、中元商戦スタート 受注前倒し、割安感を前面に?2009年05月13日?NIKKEI NeT
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百貨店の中元商戦が13日スタートした。今年は不況下で企業や個人が送り先を減らすなどで支出を抑え、贈答需要の縮小が見込まれる。そこで各社は受注開始日を前倒しするほか、割引対象品目も拡大。平均価格を大幅に下回る2000円台の低価格ギフトが登場するなど、早さや安さを競っている。
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業界の先陣を切って13日に専門売り場を開設した高島屋大阪店(大阪市)には、6月末までに注文すると15%ないし10%の割引を受けられる「早期割引」を目当てに約800人が訪れた。2011年までに経営統合するエイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急百貨店梅田本店(大阪市)も同日オープンした。 |
近鉄百貨店 給与カット2009年05月12日 読売新聞 Yomiouri On-Line
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近鉄百貨店は11日、社員の約5割にあたる係長級以上の約1700人について、6月から2010年2月まで月給を2〜10%減らすと発表した。個人消費の低迷で、業績不振に歯止めがかからないためだ。社員の給与カットは、01年3月に京都近鉄百貨店と統合して以来、初めてとなる。
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減額幅は、係長級が2〜5%、課長級以上は7〜10%とする。1月から実施している役員報酬の減額についても、6月から削減率を高め、20〜30%にする。これらによって、年間で計4億5000万円の人件費を圧縮できるという。 |
キーワードは「原点回帰」 高額商品の販売戦略 関西の百貨店2009.05.05 MSN産経新聞
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長引く消費低迷で、高級ブランドの婦人服や雑貨を中心とした高額商品の売り上げが落ち込み、百貨店業界は需要喚起に懸命だ。利益率が高く百貨店にとっては最大の収益源となる高額商品だが、かつてのようにブランド名をアピールするだけでは、そう簡単に顧客の心をつかめないご時世。ファッションアドバイスやオーダーメードといったきめ細かなサービスを展開し、高額商品がもつ本来の魅力を再認識してもらうなど、「原点回帰」の販売戦略で勝負をかける。
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きらびやかな海外ブランドの婦人服やバッグが並ぶ大丸心斎橋店(大阪市中央区)の2階に設けられた「エクセレントルーム」。ソファが置かれた高級感漂う空間で週2回、プロのスタイリスト2人が「ファッションイメージコンサルティングサービス」に当たる。
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洋服選びに悩む女性らを対象に、スタイリストが90分かけ一人ひとりに合った洋服や、宝飾品、メークなどを提案する。カード会員限定だが、サービスは無料で、1カ月先まで予約が埋まっているほどの人気ぶりだ。同店は「自分にぴったりのスタイルが見つかる喜びがあり、高額でもその場で買い求める人が多い」と手応えを感じとる。
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在阪百貨店の3月の売上高が全体で前年同月比15・6%減だったが、なかでも美術・宝石・貴金属の売り上げは25・3%減、売り上げの約2割を占める婦人服も18・5%減と落ち込みが激しい。それだけに稼ぎ頭である高額商品の売り上げ向上は最優先課題で、各店とも新たな戦略を講じる。
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「自分だけの1品にこだわりのある人を対象に、既製品にはない素材や色を提供したい」とするのは近鉄百貨店阿倍野本店(同市阿倍野区)。ゴールデンウイークに合わせ「オーダーメードフェア」(6日まで)を初開催し、衣料品やアクセサリー、靴、バッグなど74種類の商品をオーダーメードで受け付け、博多織の生地を用いたウエディングドレス(平均価格150万円)なども提案している。
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高島屋大阪店(同市中央区)の呉服売り場では、習い事などに適したカジュアルな着物として、素材に絹ではなく合成繊維を使った商品を販売する。「洗えるので扱いやすい」といううたい文句で、価格も手ごろな3万〜5万円に設定。同社では「着物の楽しさを実感してもらい、ひいては本格的な着物を買う和装ファンを育てたい」と、長期的スパンで高額商品販売につなげたい考えだ。 |
小売りセールに大反響 「下取り」で消費マインド先取り2009/04/25 Fuzi Sankei Business i
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下取りセールの期間を延長し、対象品目も拡大したビックカメラ=10日、東京都千代田区の有楽町店
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冷え込んだ消費を喚起しようと、スーパーや百貨店をはじめとした小売店が下取りセールを活発化させている。家庭の不要品を下取りし、新品への買い替えを促進する狙いだ。「古くても使えるので捨てられなかった」という消費者心理をくすぐり、セールは軒並み大成功をおさめている。下取り品はリサイクルで利用されるケースも多く、有効活用を図っている。
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家電量販店のビックカメラは、5月10日に終了予定だった商品別の定額買い取りキャンペーンを5月末まで延長するとともに、下取り対象品目を拡大し据置型ゲーム機のプレイステーション3など新たに10品目を追加した。
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「開始後、日を追うにつれて引き取り件数が増えている」(広報・IR部)。「壊れていないけど新しい物が欲しい」という消費者は多く、新しい携帯音楽プレーヤーや携帯ゲーム機を購入し、これまで使っていたものを下取りに出すケースも目立つという。
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下取りセールは百貨店でも大ブームだ。小田急百貨店は第2弾の下取りセールとして、22日から紳士靴や婦人ハンドバッグ、スポーツシューズの引き取りを開始した。5月6日まで行う。下取り1点につき、同じ分野の8400円以上の商品購入時に使えるクーポン券1050円分がもらえる。
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21日まで実施した百貨店業界初の下取りセール(婦人靴対象)は大当たり。8日から21日までの期間中に持ち込まれた婦人靴は約15万3500足に上った。来店客の3分の1がその場でクーポン券を利用したといい、「売り上げは前年同期の2倍に増えた」とほくほく顔だ。
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そごうと西武百貨店も5月1〜6日、計12店舗で婦人靴とハンドバッグ対象の下取りキャンペーンを展開する。不要な靴などとひきかえに、同じアイテムを購入する際に使える割引券を進呈する。消費喚起と同時に、「回収品を発展途上国へ寄付するなど社会貢献も兼ねた企画」(広報)という。
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大丸と松坂屋を傘下に置くJ.フロントリテイリング(JFR)も東名阪の7店舗でスーツのリサイクル回収を行う。すでに一部店舗で開始し、各店1週間程度行う。回収は1人1着のみで「スーツお買い物券」1000円分がもらえる。一方、回収したスーツは車の断熱材などに再利用され、JFRはリサイクルの意義を強調する。
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下取りブームに火をつけたのがイトーヨーカ堂だ。昨年末から一定金額以上の衣料品や家庭用品の購入者を対象に計6度のセールを実施し、約268万点を下取りした。「新しい商品の購入のちょっとしたきっかけづくりがうまく行った」と、消費喚起の成功に胸を張る。
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あの手この手で消費刺激を探る流通各社。下取りセールの大ヒットで、この動きはさらに広まりそうだ。(兼松康) |
セブン&アイ百貨店事業に大なた 「富裕層中心はやめる」と宣言2009/04/25 Jcastニュ−ス
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流通グループ最大手のセブン&アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店であるそごうと西武百貨店に大なたを振るう。少子化と消費者の堅実志向による百貨店事業の長期低迷が鮮明になったことに対応するもので、対象は不採算店舗の閉鎖や人員削減にとどまらない。グループ内のコンビニチェーン、セブンイレブンや、総合スーパー、イトーヨーカ堂との共通商品も積極導入し、「高級」「非日常的」といった百貨店像からの脱却を目指すという。
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「消費者の意識は今後も元には戻らない」
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同グループの2009年2月期連結決算は、売上高に当たる営業収益が前年同期比1.8%減の5兆6499億円となり、05年9月の持ち株会社移行後で初の減収となった。営業利益は2818億円で辛うじて横ばいを維持したが、その8割弱はセブンイレブンを中心とするコンビニ事業の収益。百貨店事業の利益は28.8%減の183億円、スーパー事業は27.4%減の247億円で、百貨店の利益は10年2月期にさらに20%弱減少すると予想する。
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同社の鈴木敏文会長は「『無理して今買わなくていい』という消費者の意識は今後も元には戻らない」と強調する。08年秋以降の消費不況で動きが止まったのは高級ブランドばかりではない。毎年、季節の変わり目には新しい服を新調するという消費者の意識も、「着られるものは今年も着る」という当たり前の姿になっただけ、と関係者は口をそろえる。それが、衣料品を主力とするスーパーにも波及し、業界総崩れの様相につながっているというわけだ。
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東京・池袋。西武百貨店本店の地下2階食品フロアの一角に「セブンプレミアム」ブランドを冠した商品が山積みされている。グループのスーパー、イトーヨーカ堂が開発したプライベート・ブランド(PB)商品だ。店員の一人は「若い女性やサラリーマンが会社帰りに買っていくケースが大半で、人気は上々」という。
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セブン&アイは、百貨店持ち株会社ミレニアムリテイリングの傘下にあったそごうと西武を年内にも合併させることを決めている。百貨店事業を孫会社ではなく直接子会社にすることで統制を強め、グループ内の相乗効果を徹底的に追及する方針だという。百貨店でのPB商品販売もその一環だ。
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西武の札幌、旭川の2店舗も「状況に応じて判断する」
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セブン&アイの村田紀敏社長は「百貨店といえども日常性を強化するべきだ」と、富裕層を主力とした百貨店像からの脱却を宣言している。2月にはそごうの本店で、再生の象徴でもあった心斎橋本店(大阪市中央区)の売却を発表したのに続き、西武の札幌、旭川の2店舗も「状況に応じて判断する」と閉鎖の可能性を否定しない。
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ある百貨店の首脳は「これだけ素早い決断ができるのは、不採算店の閉鎖が日常業務で、顧客の変化を重視するコンビニ出身者の発想」と見る。「巨大なシステム産業」ともいわれるコンビニ、スーパー業界と、「労働集約産業」といわれる百貨店の連携という新しい試みが成功するか否か、関係者は注目している。 |
百貨店売上高が12―15%減 2月、衣料品不振で2009/03/02 中国新聞ニュース
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高島屋、伊勢丹など大手百貨店五社が二日発表した二月の売上高(速報)は、前年同月と比べ12・4―15・5%の大幅減となった。不況で消費者の節約志向が強まり、主力の衣料品が不振だったことが響いた。特に紳士物関連は、売上高の落ち込みが目立った。
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うるう年だった前年の二月より、営業日が一日少なかったことも売り上げを2―3%程度押し下げたという。各社はてこ入れのため春物衣料で低価格帯の商品を一段と拡充し、売り上げ増を図る。
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各社別に見ると、高島屋は前年同月比14・6%減。伊勢丹も新宿本店が14・0%減と振るわず、伊勢丹全体でも12・7%減。特に紳士物の売り上げがビジネス向けを中心に不振だった。三越も12・4%減だった。
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大丸も心斎橋店が前年の販促に伴う反動減で25・3%減と大きく落ち込み、大丸全体でも15・0%減。トヨタ自動車の業績悪化による「トヨタショック」で東海地区の消費が依然低迷している地元の松坂屋も15・5%減だった。
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伊勢丹は「春物衣料が本格化する三月は、さまざまな取り組みで販売増につなげたい」としている。 |
【速報】百貨店売上高8・9%の大幅減 中国地方2009/02/18 中国新聞ニュース
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中国四国百貨店協会が十八日発表した中国地方の一月の百貨店売上高は二百九十四億二千三百万円で、前年同月比8・9%減と十九カ月連続で前年を下回った。年始セールでファッション関連が不調だった。減少率は一九九八年三月以降で最大を記録した昨年十二月の8・1%をさらに上回る大幅な落ち込みとなった。 |
【変質する消費】(1)節約志向 つかんで勝ち組2009/02/10 FujiSankei business i
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セブン&アイグループが出店したディスカウントストア「ザ・プライス」の1号店。消費者の節約志向にマッチして好調だ=東京都足立区
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■百貨店低迷 小売業に“潮目”
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「どの家庭でも、たんすの中には衣料品がたくさんあり、節約しようと思えば買わないでもすむ」(大手百貨店幹部)
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百貨店業界では、利益率の高い高額品や衣料品の販売不振が続く。業界にとって年間最大商戦となる12月も、2008年は前年同月比9.4%減(既存店ベース)と、日本百貨店協会が統計を取り始めた1965年以来最悪の下げ幅に落ち込んだ。
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この結果、08年の全国百貨店売上高は前年比9.4%減の7兆3813億円。これで12年連続の前年割れだ。一方、主要コンビニエンスストア売上高(全店ベース)は同6.7%増の7兆8566億円。百貨店を初めて上回り、消費の構造転換を印象づけた。
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百貨店不振は、消費者が不要不急の消費を抑えているのが最大の要因だ。だが「ヒートテック」など相次ぐヒット商品の投入で“独り勝ち”の「ユニクロ」に比べ、百貨店の商品戦略といえば「いずれも同じような品ぞろえ」(流通関係者)で、消費の変化に対応できていないという構造問題も透けてみえる。
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総合スーパーも08年12月の全国スーパー売り上げは前年同月比2.8%減(既存店ベース)と厳しい。しかし、食品部門は、節約のために外食を控える“内食回帰”で好調だ。食品スーパー大手のライフコーポレーションは08年3〜11月期の営業利益が前年同期を8.8%上回った。09年2月期見通しでは、売上高、営業利益、最終利益をそれぞれ上方修正、数少ない「勝ち組」になっている。
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≪切り札は独自商品≫
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総合スーパー各社は、この食品分野での顧客争奪戦に生き残りをかける。イオンは、総合スーパーの「ジャスコ」などで、威力を発揮しているプライベートブランド(PB=自主企画商品)「トップバリュ」の強化に動き出した。
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メーカーブランドの製品よりも2〜3割程度安い価格を武器に、「昨秋以降は前年比2けたの販売増が続いている」(イオン関係者)と好調だ。今後はPB展開を、衣料品や布団など生活用品にも拡大。09年2月期に4000億円程度と見込むPB商品の売り上げを、11年2月期には2倍弱の7500億円に引き上げる考えだ。
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流通最大手のセブン&アイ・ホールディングスも、イトーヨーカ堂などで販売しているPB「セブンプレミアム」の拡大が続く。セブン&アイの村田紀敏社長は、消費者の節約志向を好機ととらえ「PBの割合をさらに引き上げたい」と意気込む。
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≪スーパーの転身≫
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総合スーパーの不振が浮き彫りになる中で、新たな小売りのスタイルを模索する動きも出始めた。
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セブン&アイは「節約消費」を切り口に、ディスカウントストアやホームセンター事業の強化・拡充に乗り出した。
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この一環として、ディスカウントストア「ザ・プライス」を10年2月期に、10店舗程度出す考えだ。その狙いについて、セブン&アイの鈴木敏文会長は「コンビニは好調だが、総合スーパーは立て直しが課題だ」という。イトーヨーカ堂のてこ入れに他ならない。
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「ザ・プライス」は昨秋出店した2店舗が、節約志向の顧客のハートをつかみ、「計画を大きく上回る盛況が続いている」(セブン&アイ関係者)。労働時間の短縮で時間に余裕ができる一方で、自作すれば節約も実現できるとあって、ホームセンターのニーズは高い。しかし、郊外型が中心で都市部にはなかった。
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顧客の新たなニーズが、同社に既存の総合スーパーの業態にとらわれない変革を迫る。「消費の変化にいかに対応できるか」(鈴木敏文会長)が、小売業界の生き残りのカギを握る。(青山博美)
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景気の低迷や先行き不透明感を背景に、消費者の生活防衛意識は高まる一方だ。その中で小売業界の王者だった百貨店が凋落(ちょうらく)し、総合スーパーも苦戦ぶりが目立つ。代わってコンビニが台頭し、食品スーパーが健闘するなど小売業の主役は大きく変貌(へんぼう)している。「節約志向」や「巣ごもり」消費といった新たな消費キーワードに生き残りをかける小売業の最前線を追った。 |
北海道で相次ぐ百貨店閉店 「地域崩壊」と地元商店街2009年02月07日 中国新聞地域ニュース
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北海道で百貨店の閉店や撤退の動きが相次ぎ、自治体や商店街が危機感を強めている。景気低迷などの影響で2003年以降6店が閉店したが、今年に入り状況は一層悪化。民事再生法適用を申請した道内最大手の丸井今井が不採算店をたたむ可能性があるほか、西武百貨店の札幌、旭川撤退検討も明らかになった。
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各地域では存続を求める署名運動や購買運動も起きているが「このままでは地域経済が崩壊する」との声が出ている。
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北海道百貨店協会によると、ピーク時の1975年に19店あった道内の百貨店は、大丸の開店などもあったものの、きたみ東急百貨店(北見市)など2003年以降の相次ぐ閉店で、現在は三越など12店になった。
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今年は1月、ロビンソン百貨店札幌店が閉店したのに続き、05−06年に苫小牧、小樽、釧路の3店をたたんだ丸井今井がリストラや札幌本店改装にもかかわらず、業績を好転させられず、民事再生法適用を申請。地域店を中心に改廃などは避けられない見通しだ。
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既に03年に函館店を閉店している西武百貨店も、札幌、旭川両店を専門店などが入る商業施設に業態を転換する方向で検討を進めている。 |
売れない時間帯は営業短縮、三越がコスト抑制策2009年02月07日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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大手百貨店の三越が日本橋本店(東京・日本橋)など一部店舗の営業時間を4月から最大1時間短縮する方向で検討していることが7日、明らかになった。
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売り上げの少ない時間帯の営業時間を短縮し、人件費や光熱費などのコストを抑えることで、店舗の採算を好転させる狙いがある。
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日本橋本店は、通常午後8時の閉店時間を最大1時間早める方向で検討を進めている。その他の店舗についても、朝方や夜間の来店客が少ない店舗の営業時間を短縮する方向だ。
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大手百貨店では、景気低迷の影響で衣料品や宝飾品を中心に売り上げが前年比1割前後減っており、新規出店の中止や閉店などコスト削減の動きが広まっている。 |
大型店販売、3%減 コンビニが百貨店越え2009/02/07 Nikkei Net Kyushu
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九州経済産業局が6日発表した九州・沖縄の大型小売店販売動向によると、2008年の販売額(速報値)は1兆6259億円で、既存店比較では前の年比3%減だった。前年比割れは10年連続。原油・原材料高や世界経済の急減速に伴い、消費意欲が急落した。全店比較では、コンビニエンスストアの年間販売額が初めて百貨店を抜いた。
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百貨店は6416億円で、同4.9%減と6年連続のマイナス。販売額の5割を占める衣料品が同6.6%減と落ち込んだ。特に米金融危機が世界経済の悪化に波及した秋以降、重衣料や宝飾など高額品の不振が顕著となった。飲食料品は複数店舗で実施した北海道物産展が好調だったが、買い控えによる客足減などで同0.4%減と前年に届かなかった。
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スーパーは同1.7%減の9843億円で、10年連続の前年割れ。飲食料品は同1.5%増で、食の安全・安心に関する意識の高まりに加え、外出を控える「巣ごもり」の需要増で生鮮食材、総菜が好調だった。ただ、衣料品の単価下落や家具、家電など不要不急商品が低迷した。
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一方、コンビニは同5.9%増と、年間統計を開始した1999年以降で最高の伸びを見せた。08年5月までに九州全県でのたばこ自動販売機用成人識別ICカード「taspo(タスポ)」導入が追い風となり、店内のたばこ販売額が大幅増となった。全店比較でも8.8%増で、景気後退の逆風にあえいだ百貨店を初めて上回った。
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08年12月の大型小売店の販売額は1770億円で、既存店の前年同月比5.9%減と18カ月連続のマイナス。百貨店が同8.4%減、スーパーが同3.9%減だった。 |
道内百貨店売上高 58カ月連続で前年同月割れ2009年02月06日 BNN
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10年前と比較して、約4割落ち込み。
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道経済産業局の「北海道大型小売店販売動向」(速報値)によると、昨年12月の道内百貨店の売上高は、2004年3月以降、58カ月連続で前年同月を下回った。
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12月の売上高は、計317億5,200万円で前年同月比9.4%減の大幅な落ち込み。内訳は衣料品同14.4%減、身の回り品同7.7%減、飲食料品同4.2%減、その他同12.8%減。
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同局調査課は、「道内の12月の平均気温は、例年より2度ほど高く、降雪量も少なかったため、冬物衣料やブーツの販売に影響を及ぼした。百貨店は1月2日からクリアランスセールを始めるが、12月に前倒しで行った一部の売り場では動きがあった。しかし、クリスマスギフトの単価は下がっており、歳暮商品は贈り先を絞り込む法人があったと聞いている。消費者の買い控え傾向は強まっており、価格の安いものにシフトしている」と話す。
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1998年は5,005億9,700万円だった道内百貨店の売り上げは、2008年(速報値)に2,913億4,300万円まで減少、約4割の大幅ダウン。
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道内では、先月「丸井今井」が民事再生法を申請、「西武百貨店」の札幌、旭川店が閉店を検討するなど、かつて流通業界の牽引役だった百貨店は一様に厳しい経営環境に直面している。 |
西武、道内2百貨店撤退検討 札幌と旭川2009年02月04日 Nikkei NeT
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西武百貨店を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは、札幌西武と旭川西武の道内2百貨店の運営から撤退する検討を始めた。両店とも長引く個人消費の低迷で苦戦が続いていた。道内では丸井今井が1月29日、民事再生法の適用を申請したばかり。昨秋以降の景気後退が道内百貨店を直撃し、地方では中心市街地の空洞化も懸念される。
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札幌西武は1906年に百貨店となった五番舘が前身。店舗面積は約2万5000平方メートル、従業員はパートを含め約200人。西武館とロフト館の2館体制で、ロフトや無印良品、紀伊国屋書店などが入居する。
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20―40歳代の働く女性を主要顧客としていたが2008年の売上高は、JR札幌駅ビル開業前の02年に比べ半減。「『駅前』と『駅ビル』は決定的に集客力が違う」(道内百貨店幹部)ことで、顧客層の重なる大丸やステラプレイスに客足を奪われた。 |
客の流れ JR周辺に 大丸が1月売上高首位 駅北口もビル続々 北5条通南側 目立つ空き店舗2009/02/04 北海道新聞
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一月の月間売上高が丸井今井札幌本店を抜き、道内首位となった大丸札幌店。ロビンソン百貨店札幌店の閉店、丸井今井の民事再生手続き入り、札幌西武が業績不振から業態転換を検討するなど、「大丸一人勝ち」の構図が鮮明になった。大丸出店とJRタワー開業から六年がたとうとする今、市内中心部の買い物客の流れはJR札幌駅に大きく傾いた。(長谷川唯、星野真)
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「以前は飲食店なんて数えるほどしかなかった。六年前に大丸ができて周辺に居酒屋も増えたし、うちも客足が伸びましたよ」。中央区北二西三で三十年以上、営業を続ける料理店「こふじ」の店員黒滝裕子さん(66)は笑顔を見せる。
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飲食店を含む市内中心部の小売事業所数をまとめた市の調査によると、大丸開店前の二〇〇二年と〇七年の比較では、大通公園の南側のエリア(大通−南三条付近)が15%減少したのに対し、北側(北一−北六条付近)では26%増加した。
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人の流れも変化した。札幌市営地下鉄の南北線、東豊線は〇三年から〇六年までの間、さっぽろ駅が四年連続で乗車人数を伸ばしているのに対し、大通駅は減少傾向だ。
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にぎわいを見せるのはJR札幌駅の南口だけではない。「駅裏」と言われ、影の薄かったJR札幌駅の北口には〇三年、札幌エルプラザがオープンしたのに続き、次々とビルが建設され、オフィスと行政施設の一大集積地となった。
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ただ、同じJR札幌駅周辺でも、駅の南を東西に走る北五条通をはさんだ南側はまだら模様だ。飲食店などは好調な一方、高い賃料を理由に移転する小売店も。駅前通りにも入居者が決まっていない空き店舗がある。あるテナント仲介業者は「駅北口の新築ビルやJRタワーはすぐに入居者が決まるが、駅から離れると状況は厳しい」と打ち明ける。
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大型書店や家電量販店、数々の飲食店がそろう駅周辺は、さながら巨大なショッピングセンターだ。三日、大丸前で友人と待ち合わせをしていた江別市の主婦金堀場照子さん(74)は「駅と直結していて利用しやすい。特に冬場は足が滑る心配をせずに歩いて回れる」とJR札幌駅での買い物の魅力を語る。
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一方で、札幌西武の苦戦が象徴するように、買い物客の大多数は札幌駅に直結する店で買い物を済ませ、北五条通から南側に広がりきれていない。
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百貨店の経営不振に危機感を募らせる札幌市は、市内中心部の活性化対策を推進するため、上田文雄市長を本部長に据えた「都心部大型店舗等緊急対策本部」を設置し、四日午後五時から市役所で一回目の会議を行うことを決めた。
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季刊誌「札幌人」を発行する札幌グラフコミュニケーションズの荒井宏明社長(45)は、「大通地区の百貨店や商店街は今以上に魅力を発信し、ほかにはない個性を打ち出さなくては生き残れないのではないか」と指摘している。 |
セブン&アイ そごう本店売却 百貨店サバイバル、新段階2009/02/04 FujiSankei Business i
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百貨店業界が100年に1度の経済危機に揺れている。3日明らかになったそごうの本店売却は、業績回復が見込めないとはいえ、創業の地の心斎橋店のリストラにまで踏み込まざるを得ない消費不振の深刻さを浮き彫りにした。これまで大手百貨店は経営統合で生き残りを図ってきたが、販売不振は各社の想定を超え、百貨店サバイバルは新たな段階に入っている。
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「(景気後退で)1年間は耐えるしかない。事業の中で特に厳しいのは百貨店だ」
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そごうと西武百貨店の親会社、ミレニアムリテイリング(MR)を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長はこう危機感をあらわにしていた。
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セブン&アイの2008年8月中間期連結業績での百貨店事業の営業利益は前年同期比25%の大幅減とコンビニエンスストア事業などと比べ、不振が際立ち、不採算の百貨店の建て直しは最大の懸案だった。
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事実、セブン&アイは昨年9月にグループとの連携に消極的だったMRの前社長ら経営陣を一新。今年8月にはMRと西武百貨店、そごうを統合し、一体経営する計画で、「時代の変化に対応する」(村田社長)改革に着手し、今回も早めのリストラに踏み切ったとみられる。
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一方、07年に松坂屋と大丸が経営統合して誕生したJFRも急激な環境変化を前に先手を打ったはずの統合効果を発揮できない。それだけにそごう心斎橋店買収は「百貨店の戦略は地域ごとの店舗をどう強くするかにある」という奥田務社長の思惑と一致したようだ。
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J・フロントリテイリング(JFR)にとってはお膝元である大阪の競争激化は死活問題だ。大丸が店を置く梅田は阪急百貨店本店の建て替えや三越伊勢丹ホールディングスの出店が控える。一方、難波の高島屋も店舗改装に加え、阪急百貨店を持つH2Oリテイリングとの3年以内の統合を決め、包囲網を築きつつある。
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このため、心斎橋地区は地盤沈下の脅威にさらされ、大丸心斎橋店の強化は不可欠だった。また、JFRは松坂屋横浜店(横浜市)などの閉店や1月には浜松店(静岡県)への出店中止も発表し、旗艦店への“選択と集中”を急いでいた。
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奥田社長はかねてから再編論者だった。奇しくもMR(セブン&アイ)とJFRは以前から提携の噂が囁かれていた組み合わせで、次なる大型再編が起こる可能性も否定できない。 |
百貨店 1月売上高10%前後減 初売り・セール効果も不発2009/02/03 FujiSankei Business i
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百貨店の売り上げ不振が止まらない。主要大手百貨店が2日発表した1月の売上高速報は、いずれも前年同月比10%前後のマイナス幅となった。北海道の老舗百貨店「丸井今井」の経営破綻(はたん)で地方の悪化ぶりが表面化したが、首都圏店舗でも、深刻な販売不振が続いている実情が浮き彫りになった。初売りや切り札とされたセールも集客効果はあったが、衣料品など売り上げ増にはつながらず、不発に終わった。昨年12月の記録的な落ち込みに続き、1月も上向く気配は依然みえない状況だ。
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高島屋の1月の売上高は前年同月比10・1%の減少。食品は前年並みを維持するも、衣料品や雑貨が低迷状態から抜け出せない。「衣料品などでは、セールの実施で30〜50%程度実質的に価格を下げるなどの手を打っているが、顧客は必要なものしか購入しない」(広報・IR室)という状況で、昨秋以降の不要不急の商品以外を買い控える購買スタイルに拍車がかかっているという。
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三越伊勢丹ホールディングスが発表した伊勢丹の売上高も全体が同9・1%減、稼ぎ頭の東京都新宿区の本店でさえ、同9・5%減と、前月に続き厳しい結果だった。
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伊勢丹本店では1月10日から実施したセールや今年で7回目となるチョコレート関連の催事「サロン・デュ・ショコラ」が集客に貢献し、客数は前年並みを確保したものの、「購買に対する姿勢は慎重で、単価は下がっている」(広報関係者)のが実情だ。食品は0.6%とわずかながら前年を上回ったが、婦人衣料などが10%程度の前年割れと足を引っ張っている。
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J・フロントリテイリングでも「来店客数は全体でも前年並みを維持できた」(広報・IR部)が客単価は下がり、売上高は大丸で前年同月比8.4%のマイナス、松坂屋では同12.2%の落ち込みだった。
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特に、松坂屋では空前の自動車不況が直撃。豊田店が同14.5%減、名古屋店が同14.8%減、岡崎店が同15.2%減と、地域経済の凋落を反映する結果となっている。
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ただ、食品などの好調に支えられ、大丸東京店が同6.8%減、松坂屋銀座店が同6.0%減、同上野店は同3.9%減と、首都圏の店舗で比較的落ち込みが少ない結果となった。
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だが、全体では首都圏の落ち込みは厳しさを増している。三越では、全体平均の同11.3%減に対し、日本橋三越本店は同14.3%減を記録。東京都心の大規模店舗も食品以外の商品は動きが鈍い状態が続いている。
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昨秋以降、地方から大きく落ち込み始めた百貨店の売上高は、昨年12月にはいって首都圏での大幅な減少へと変化し、1月も「改善傾向の気配はない」(大手百貨店)と厳冬期入りしているのが実態だ。 |
地方百貨店、高まる再編機運 丸井今井 民事再生法を申請2009/01/30 FujiSankei Business i
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百貨店不況の波はまず体力の弱い地方をのみ込んだ。北海道の老舗、丸井今井(札幌市)が29日、札幌地裁に民事再生法の適用を申請した。大手百貨店の伊勢丹の力を借りるなどして再建に取り組んできたが、昨年来の消費不振を前に万策尽きた格好だ。一方、大手各社も地方への出店を中止するなど、100年に1度の経済危機を受け縮小均衡を余儀なくされている。
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丸井今井は札幌本店など道内4店舗を展開。1997年の北海道拓殖銀行の破綻(はたん)で経営危機が表面化した。2005年に伊勢丹と提携して再建を目指してきたが、営業支援効果を発揮できず、08年7月期に9億円の最終損失を出し、債務超過の懸念が高まっていた。丸井今井に13%を出資する三越伊勢丹ホールディングス(HD)は29日、営業支援を継続するとした上で、さらなる金融支援を含めたスポンサー就任について「至急検討に入る」と発表した。
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大手同士の経営統合が相次いだ百貨店業界だが、年々売上高は減少している。「淘汰(とうた)の時代に入った」(百貨店幹部)との声も聞かれ、閉店や再編が加速するとみられる。
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特に地方店は中心市街地の空洞化や郊外型ショッピングセンターなどとの競合にさらされ、生き残りは難しくなっている。
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08年の百貨店売上高では北海道は全国平均(前年比4.3%減)を大きく割り込む7.5%減。中部地域も自動車産業の不振で名古屋が7.8%減と、景気後退が影を落とす。
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J・フロントリテイリング(JFR)は今月、傘下の大丸の浜松出店中止を決めた。浜松市は人口約82万人と静岡県で最も多く、「十分成長が見込める」と準備を進めていた。しかし消費不振でJFR自身も3度の業績下方修正に追い込まれる中、投資を回収できないと、断念した。すでに昨年今治大丸(愛媛県)などの閉店を発表し、大規模改装を控える大阪や東京など大都市へのシフトを強める。
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ミレニアムリテイリングも昨年末、傘下の西武百貨店の仙台出店取り止めを発表した。同社は「消費に明るい兆しがみられない中、限られた経営資源を有効に使う」と総額400億円を投じる旗艦店の西武池袋本店改装に集中する考えだ。
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百貨店は株安による逆資産効果や個人消費の急速な冷え込みで、主力の衣料品や高額品の販売が落ち込み、「過去に経験したことのない販売不振」(百貨店幹部)に見舞われている。
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三越伊勢丹HDは昨年、鹿児島店など三越の地方店の閉鎖を決めるなど地方リストラで先手を打った。JFRの奥田務社長は「強い企業というより、地域内の競争に勝った店が生き残っていく」と地域シェアを確保できない店から再編が進むとみている。(田村龍彦) |
ミレニアム・そごう・西武百貨店が8月に合併「そごう・西武」に30th January 2009 Wool mark
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株式会社セブン&アイ・ホールディングスは1月30日、連結子会社である株式会社ミレニアム・リテイリング、株式会社そごうおよび株式会社西武百貨店について、そごうを存続会社として3社が8月1日付けで合併、新社名を「株式会社そごう・西武」に変更する計画を発表した。社長にはそごう社長の山下國夫氏が就任する。
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地域における顧客シェアを最大化し競合優位性を確保するため、基幹店と複数店舗がネットワークする「商勢圏戦略」を導入、従来の法人格を超えて28店舗一体で運営する。「そごう」、「西武百貨店」の名称は維持する。
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なお主要メディアが2月3日、一斉に「そごう心斎橋店の売却をJ・フロントリテイング(大丸)と交渉、西武札幌店と旭川店を閉鎖・業態転換」と伝えたことに関して、セブン&アイ・ホールディングスは同日、「現時点で決定した事実はない」と声明している。 |
コンビニ、百貨店抜く 流通業界の明暗鮮明に2009/01/20 中国新聞地域ニュース
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日本フランチャイズチェーン協会が二十日発表した二〇〇八年の主要コンビニエンスストア売上高(全店ベース)は前年比6・7%増の七兆八千五百六十六億円となり、〇八年の全国百貨店売上高(七兆三千八百十三億円)を初めて上回った。
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流通業界では近年、コンビニのほかに、低価格の独自商品を武器とするユニクロや、ヤマダ電機など家電量販店が台頭。一方で高額品中心の百貨店や、個性の乏しい総合スーパーなどはじり貧状態で、流通業界の明暗が鮮明になっている。
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〇八年のコンビニ業界は、たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」の導入で、カードが不要なコンビニに顧客が流入。比較的少なかった中高年の顧客が増え、弁当など食品も伸びて売上高を押し上げた。新店を除く既存店ベースでも4・5%増と九年ぶりに上昇、集計を始めた一九九八年以降で最大のプラス幅となった。
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一方、二〇〇八年の全国スーパー売上高は十三兆三千億円前後で、全店ベースでは五年連続、既存店では十二年連続の前年割れとなる見通し。百貨店売上高も4・3%減で低迷が続いている。
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一九七四年に登場したコンビニは、都市部に立地し深夜営業も行う便利さが受けて定着。現金自動預払機(ATM)の設置など各種サービスも支持され、店舗数は昨年末で約四万二千店と、九八年より一万店強増えた。 |
百貨店売上高も過去最大減 年末商戦…食品含め“全滅”2009.01.19 MSN産経新聞
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日本百貨店協会が19日発表した平成20年12月の全国百貨店売上高は前年同月比9・4%減(既存店ベース)の7947億円で、12月としては統計を取り始めた昭和40年以来、最大の落ち込みとなった。雇用など先行きへの不安から消費者に買い控え傾向が強まり、好調だった食料品も含め、ほとんどの商品が前年割れした。年末商戦のピークである12月の売上高が不振に終わったことで、平成20年の年間売上高は7兆3813億円と12年連続前年割れとなり、深刻な消費不況を改めて裏付けた。
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12月は、クリスマスケーキが約10%増と好調だったが、お歳暮はわずかに前年割れ。コートなどファッション衣料やブランド品の販売も不振で、低迷に拍車をかけた。婦人服は13・1%減で、18カ月連続のマイナス。高島屋など一部百貨店でセール前倒しの動きが広がったが、大きな成果は得られなかった。19年1月からプラスを維持してきた化粧品も1・7%減だった。
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地区別では、大都市圏は同9・6%減で、4カ月連続で地方より下げ幅が大きくなった。中でも名古屋は13・2%減と落ち込みが激しく、トヨタ自動車など自動車産業の不振の影響が如実に出た格好だ。東京地区は美術・宝飾・貴金属が21・0%減で、金融危機で中心顧客の富裕層が消費を抑えていることが浮き彫りになっている。
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初売りをはじめ、1月も苦戦しており、同協会では「何もしなければ21年の年間売上高は7兆円を切る」と危機感を強めている。 |
百貨店の年始商戦苦戦 広島2009/01/09 中国新聞地域ニュース
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広島市中心部の百貨店の年始商戦は、景気悪化の影響で前年より売り上げを落とす店が目立っている。生活必需品の入った福袋が人気を集める一方、婦人服などの動きはいまひとつ。各店は年始セールの対象品の再値下げ時期を前倒しするなどして需要喚起を図る。
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福屋八丁堀本店(広島市中区)は、3日に始めたセールの売り上げが「前年を下回った品目が多く、全体はマイナスで推移している」。タオルや毛布など生活用品は減少幅が少なく、初売りの3日には寝具類の福袋が開店から1時間で完売するなど実用品が人気という。
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天満屋八丁堀店(同)は2―7日の売り上げが前年比10%減。紳士服は高額のカジュアル衣料が好調だったが、婦人服は15%減。アクセサリーが入った5万円や10万円の高額福袋も不振で「必要なものを必要な分だけ買う志向が強まった」とみる。
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三越広島店(同)は2―4日の売り上げが前年並み。福袋は米や靴下類などの動きが良かった。セールは、一部の高級ブランドが例年よりも対象品目を増やしたり、セール時期を早めたりした。
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そごう広島店(同)は2―7日の売れ行きが「前年よりも苦戦している」。野菜の詰め放題、コートや手袋などが入った中身が見える婦人服の1万円の福袋は好調だったものの、婦人用の重衣料を中心に苦戦した。 |
12月の売上高10%減 大手百貨店、落ち込み鮮明2009/01/05 中国新聞ニュース
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大丸、松坂屋など大手百貨店五社が五日発表した二〇〇八年十二月の売上高速報によると、五社とも前年同月に比べて10%程度の減少となった。伊勢丹、三越、高島屋の三社は、〇八年における単月のマイナス幅としては最大だった。
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宝飾品や衣料品の販売が落ち込んだため、年末商戦は不振を極めた。大手スーパーのイトーヨーカ堂、イオンが年末商戦でともに前年並みの実績を確保したことに比べて、百貨店の落ち込みが鮮明になった。
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統計の取り方は百貨店各社で異なるが「バブル崩壊直後よりマイナス幅は大きく、これまでで最悪の年末商戦」(大手百貨店幹部)との声も出ている。
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各社ともコートなど冬物衣料や高額のアクセサリーの売り上げが落ち込んだ。高島屋は10・2%減、伊勢丹は10・0%減。三越も東京・銀座や名古屋の店舗で、宝飾品などが不振だったことも響き、9・9%減。最も減少幅が大きかった松坂屋は16・1%減。本店がある名古屋の不振が大きく響いた。大丸も9・0%減だった。
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百貨店関係者は「消費者は本当に必要なものしか買わない」と説明。稼ぎ時である年末商戦の不振で、各社の通期の業績は一段と厳しい内容になりそうだ。 |
百貨店、改装の凍結・延期相次ぐ 東武や伊勢丹、三越2008年12月02日 asahi.com
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売り上げ不振を受け、百貨店の改装計画の延期や凍結が目立ってきた。東武百貨店は池袋本店の09年度の改装計画を凍結。伊勢丹と三越も新宿、日本橋の両本店の改装を1年以上遅らせる。11月も苦戦は変わらず、投資計画の見直しが広がる可能性がある。
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東武百貨店池袋本店は売り場面積約8万3千平方メートルの大型店。09〜11年度に73億円をかけて地下食品売り場などの改装を計画していたが、1年間は着手しない。「来年は消費が底になる」(広報)とみて、投資効果が見込めない改装はせず、低価格帯の商品を拡充して客層拡大をねらう。来年の景気次第では、改装中止も検討するという。
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三越と伊勢丹は投資計画を変更しないものの、主力店の売り上げが前年より1割前後も落ち込んでいるため、改装時期を1〜2年、先延ばしにすることを決めた。
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直営8店舗の11月の売上高が前年同月比16.8%減の松坂屋は、09年度の設備投資計画の絞り込みを模索。茶村俊一社長は「来年は次の3年に向けて体力をつける時期」と慎重な姿勢だ。
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百貨店は株価急落を受けた10月、全国での売上高が既存店ベースで前年同月比6.8%減と「最悪の状況」(日本百貨店協会)になり、11月はさらに悪化している店が少なくない。業界関係者は「改装すれば客が来る時代は終わった」と話し、売り上げの大半を百貨店で稼ぐアパレル大手も「消費が冷え込んでいる現状で、利益が確実に取れない投資は厳しい」とみる。
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一方、阪急百貨店や大丸、高島屋などは12年までに大阪や東京の主力店を建て替えたり、増床したりする予定だが、消費不振が長引けば見直しを迫られる可能性もある。 |
百貨店業界、「高品質で割安」路線2008年11月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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カーディガン6800円、婦人ブーツ2万円
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販売不振にあえぐ百貨店業界は、従来の高級路線を修正し、消費者の低価格志向に対応するため、値段を2〜3割抑えた割安な商品を相次いで投入している。
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高島屋は大量仕入れで価格を抑えた商品を「ナイスプライス」と名付け、品質と高級感を維持しながら、紳士スーツは7万円(従来品は9万円)、婦人用ブーツは2万円(同3万円)などと、通常より2割程度安く販売している。
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下半期の売上高は40億円と、上半期(3〜8月)の2.5倍を見込む。
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ミレニアムリテイリング傘下の西武百貨店とそごうは9月、大手アパレルと共同で開発した商品を投入した。カーディガン(6800〜1万1000円)などはメーカー品より3〜4割安く、売上高は目標の1.3倍と好調だ。
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百貨店にとって、割安商品の投入は「高価格帯の売上高が減る恐れもあり、両刃の剣」(大手幹部)だった。しかし、個人消費は一段と冷え込んでおり、価格戦略の見直しは当面続きそうだ。 |
3百貨店が2けた減益 中間決算、消費不振響く2008年10月14日 中国新聞ニュース
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大手百貨店の2008年8月中間決算が14日、出そろった。物価高や景気低迷に伴う消費者の節約志向を背景に、高額品や衣料品が不振。高島屋のほか、J・フロントリテイリングとミレニアムリテイリング傘下の4百貨店の売上高が減り、営業利益も3百貨店が2けた減となった。業績悪化で、不採算店の閉鎖や経営統合による業界再編の動きが加速しそうだ。
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一方、大手コンビニエンスストアは、たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」導入に伴うたばこの売り上げ急増で軒並み増収増益となり、明暗を分けた。
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高島屋は、婦人服や宝飾品など高額品の低迷が響き、連結営業利益は前年同期比14・7%減の140億円。東京地下鉄・副都心線の開業で来店数が増えた新宿店を除き、全店舗で売り上げが減った。
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ミレニアムは、傘下の西武百貨店、そごうとも衣料品が振るわず、そごうの営業利益は22・4%減。J・フロントも傘下の松坂屋が53・2%の営業増益となったものの、大丸は38・4%減と低調だった。 |
高島屋と阪急阪神、経営統合へ 3年以内目標に、提携を発表2008年10月10日 中国新聞ニュース
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大手百貨店の高島屋と、阪急阪神百貨店を傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは10日、3年以内に経営統合することを目標に資本・業務提携を結んだと発表した。
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10日に都内で記者会見した高島屋の鈴木弘治社長は、統合に踏み切る理由について「厳しい経営環境の中で統合戦略はずっと考えており、今回ベストパートナーが見つかった」と説明。H2Oの椙岡俊一会長は「一緒になって業界トップを目指す」と述べた。
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統合すれば合計売上高は約1兆5000億円となり、業界首位の三越伊勢丹ホールディングスに匹敵する巨大百貨店グループが誕生する。統合の具体的な方法などは、共同設置する業務提携委員会で詰める。
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両社は、2009年2月末までにお互いの発行済み株式を市場から約10%ずつ取得して関係を強化する。商品の共同仕入れや人材交流、京阪神地区での大型プロジェクト推進など幅広く協力する。
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関西に強固な地盤を持つ阪急阪神と、関東地域で強く、商業施設の開発ノウハウも豊富な高島屋が連携し、コスト削減と販売力強化、顧客層の拡大を図る狙いだ。 |
三越、創業335周年祭 のれんで客を迎え入れ2008年08月18日 中国新聞ニュース
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今年で創業335周年を迎える大手百貨店の三越は、日本橋本店の本館玄関に、創業当時を思わせるようなのれんを23日から約1カ月間つるす。
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三越は、東京・日本橋で呉服店「越後屋」としてスタート。当時ののれんには「丸に井桁、三」が描かれていたが、今回は現在の商標である「丸に越」で、顧客を迎え入れる。「創業時を振り返ることで小売業としての原点に立ち戻る」(広報)という。
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この間全国の39店舗では、創業祭を開催。例えば日本橋本店では、プラチナ台の3・35カラットのダイヤモンド指輪(335万円)や、オリジナルの「白無垢セット」(同)など335周年にちなんだ商品を売り出す。
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1673年創業の越後屋は、定価での店頭販売など、当時としては珍しい手法を取り入れた江戸を代表する商店だった。 |
“節約”消費で明暗 百貨店不振、コンビニ好調 3−5月期2008/07/12 FujiSankei Business i.
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大手小売り企業の業績が、“節約”消費の直撃を受けている。11日までに出そろった2008年3〜5月期決算は、総合スーパーのイオンが最終赤字を余儀なくされたほか、高額品や主力の衣料品が不振の百貨店2社が通期の業績予想の下方修正を迫られた。一方、外食を控え家庭で調理する「内食」回帰が追い風となった食品スーパーやカジュアルウエアのユニクロは好調で大きき明暗を分けた。
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「本当に必要な物なのかという消費者心理が働いている。価格を下げても劇的に回復するとは思えない」
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総合スーパーの不振で92億円の最終赤字を計上したイオンの豊島正明専務執行役はため息をもらす。
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11日にダイエーが発表した3〜5月期決算も、「衣料品が計画を下回り、原材料高騰で食品の粗利益率も低下した」(同社)ことから、営業利益が前年同期比69%減の大幅減益に見舞われた。
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百貨店も深刻だ。J・フロントリテイリングは増収増益としていた09年2月期の連結業績予想を減収減益に下方修正した。傘下の大丸は3〜5月期の衣料品が4・9%減となり、「割高感をもたれている。厳しい状況が続くだろう」と予想する。
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高島屋も得意とする宝飾品が振るわず、売上高予想を180億円少ない1兆0475億円に修正した。
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気を吐いたのが、ユニクロを展開するファーストリテイリング。3〜5月期の営業利益は四半期ごとの開示を始めた04年以降で最高を記録した。「新美脚ボトムス」や「ブラトップ」などの女性向けの新商品がヒットし、「付加価値の高い商品をより安く、売ることができた」と好業績の要因を分析する。
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家庭料理の内食に加え、弁当などの中食も好調だ。
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首都圏地盤の食品スーパー、マルエツは客数が前年同期比1・2%伸び、最終利益は63・7%増の22億円を確保した。ダイエーでも食品は既存店売上高が2%増え、弁当箱など関連商品の販売も伸びているという。
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コンビニのローソンは、弁当や新業態店で展開する生鮮食品が牽引し、最終利益が過去最高を記録。既存店売上高は2・7%増と高い伸びとなっている。
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ただ、“勝ち組”でもファーストリテイリングは、通期見通しは据え置き、「環境は厳しく、先行きはみえない」と慎重だ。高島屋の松本靖彦・上席執行役員は「足下の厳しさは一過性のものでなく、来年も続く可能性がある」と、消費冷え込みの長期を予想し、身構えていた。(田村龍彦) |
百貨店、衣料・高額品不振 天候不順や景気不安で2008年04月14日 東京新聞
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百貨店大手4グループの2008年2月期連結決算が14日、出そろった。天候不順や景気の先行き不安を背景に、婦人服を中心に衣料品が苦戦し、高額商品の販売も落ち込み、本業のもうけを示す営業利益が三越など2グループで減益だった。高島屋など2グループはコスト削減効果などで増益を確保したが、売上高は前期並みにとどまった。
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昨年以降、百貨店業界では再編で規模を拡大する動きが相次いだ。今後は統合効果を生かし、顧客ニーズに合わせた品ぞろえを強化できるかどうかが鍵となりそうだ。
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ことし4月に伊勢丹と経営統合した三越は営業利益が前期比33・0%減の84億円。そごうと西武百貨店を傘下に持つミレニアムリテイリングも7・8%減で、いずれも衣料品が不調だった。(共同) |
国内最大の百貨店誕生 三越と伊勢丹が統合へ2008/03/30 中国新聞ニュース
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百貨店大手の三越と伊勢丹が四月一日に経営統合し、売上高計約一兆五千八百億円と国内最大の百貨店グループが誕生する。ファッション衣料に強い伊勢丹と、富裕層を抱える三越の販売戦略を合わせて、少子高齢化で厳しい経営状況が続く百貨店業界を勝ち抜くのが狙い。統合六年目の二○一三年度には業界最高水準となる連結営業利益七百五十億円を目指す。
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四月一日に設立する持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」には、両百貨店の店舗運営や商品戦略を手掛ける部署を設置する。管理部門が多い持ち株会社で店舗戦略を担当するのは珍しい。若年層を中心に人気がある伊勢丹流の販売政策を三越の店舗にも浸透させる。
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両社はそれぞれ店名を残し、店頭では四月から共同企画商品の販売などを始める。三月一日には伊勢丹の常務執行役員が、三越の常務執行役員として商品政策を担当する部長に就任するなど伊勢丹主導の態勢が整いつつある。
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最大の課題は二○○八年二月期の単体決算で二期連続の赤字を予想する三越の業績立て直しだ。特に改装したばかりの日本橋本店や名古屋栄店など、旗艦店での不振が目立つ。
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三越の石塚邦雄社長は「伊勢丹は客の要望をとらえ、売れ筋の商品をそろえる仕組みが抜きんでている」と統合効果に期待を寄せる。石塚社長自身も三月から、店舗戦略などを手掛ける百貨店事業本部長を兼務し、意欲を見せている。 |
8カ月連続で前年割れ 2月の中四国百貨店売上高2008/03/18 中国新聞ニュース
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中国四国百貨店協会が十八日発表した中国・四国地区の二月の百貨店売上高は、前年同月比0・4%減の三百五十一億円と、八カ月連続で前年実績を下回った。
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平均気温が前年より約四度低く、客足が伸びなかった。前年は暖冬で好調だった婦人向け春物衣料も振るわなかった。
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商品別では、主力の衣料品が3・7%減。家庭用品も一部店舗の家電売り場閉鎖が響き9・2%減だった。半面、雑貨は化粧品が好調で4・6%増、食料品も洋菓子や総菜が堅調で4・9%増だった。
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地区別では、中国が0・1%減の二百四十九億円、四国は1・1%減の百二億円だった。 |
全国百貨店 11年連続売上高減 改装ラッシュで体力勝負2008/01/19 FujiSankei Business i.
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百貨店の売り上げ縮小に歯止めがかからない。日本百貨店協会が18日に発表した2007年全国売上高は既存店ベースで前年比0・5%減の7兆7052億円となり、11年連続で前年を下回った。主力の衣料品が不振だったたことが主因で、専門店やショッピングセンター(SC)など他業態との競争激化やネット通販など新興勢力の台頭が縮小に拍車をかけている。
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大規模な改装や増床などで、てこ入れを図る一方、収益基盤の強化のため、経営統合や提携による規模拡大を急いでおり、百貨店のサバイバルレースは体力勝負の様相を呈してきた。
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「6兆円までは下がるのではないか」
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大丸と松坂屋の統合で発足したJ・フロントリテイリングの奥田務社長兼CEO(最高経営責任者)は、危機感をあらわにする。
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07年の全国売上高は、ピークの1991年の9兆7000億から2割も目減りした。利益率の高い婦人服の低迷が響き、衣料品が2・1%減。雑貨も株価下落による高額消費の不振で0・2%減った。一方で、「デパ地下」の相次ぐ改装が奏功し、食料品は0・9%増と伸び、婦人衣料の売上高を19年ぶりに上回り、主役が交代した。
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「130兆円の小売り市場全体の規模はここ10年変わらない。これまで百貨店は晴れの日の服装を一手に引き受けてきたが、若年層を中心に百貨店離れが進んでいる。ライフスタイルの変化に対応できていない」
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日本百貨店協会の平出昭二専務理事は、主役交代は消費の多様化が一因と分析する。
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小売業界は専門店や郊外型の大規模SC、通販など多様なライフスタイルに合わせた業態が乱立する戦国時代に突入。テレビ通販最大手のショップチャンネルは10年連続の増収を記録し06年度は31%増の997億円と大台目前にまで急成長しており、百貨店業態そのものが、小売りの主役から滑り落ちたことを浮き彫りにしている。
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消費者の変化に対応しなければ生き残れないという危機感が各社を改装へと駆り立てている。昨年に改装を行った店舗は大丸の東京店や西武百貨店の渋谷店など計66店にも上る。
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多くの店で一定の効果が出ており、08年以降も改装ラッシュは続く。ただ、改装は「効果が一巡すると売り上げが大きく落ち込み、再びてこ入れが必要になるという麻薬のようなカンフル剤」(業界関係者)の側面もある。投資負担は重く、体力消耗戦に陥る懸念は大きい。
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大丸と松坂屋、伊勢丹と三越が経営統合を選択したのも、規模拡大によってその体力をつけるためだ。
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「今後も淘汰再編が続く」(高島屋の鈴木弘治社長)。業界関係者は誰もがこう口をそろえる。(飯田耕司) |
伊勢丹、阪急百貨店と提携解消…小倉伊勢丹からも撤退2007/12/26 FujiSankei Business i.
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伊勢丹は25日、1996年以来11年間続けてきた阪急百貨店(大阪市北区)との提携を解消すると発表した。さらに北九州を地盤とする井筒屋と共同経営する小倉伊勢丹(北九州市)についても、70%の全保有株を井筒屋に譲渡し、来年4月から社名と店名を変更すると発表した。
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伊勢丹では、来年4月の三越との経営統合とは、「関係ない」としているが、他の百貨店との関係を整理することで、三越に配慮を示すと同時に、リストラを迫る狙いがあると受け止められている。
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伊勢丹では、阪急百との解消について、「独自のノウハウを確立したため」と説明。小倉伊勢丹は、04年2月の開店以来、不振が続き、30億円の累積損失を抱えており、井筒屋に経営を全面移管し、同社の店舗との一体運営で再建を図ることにした。
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ただ、阪急百との提携解消は、統合相手の三越が11年に大阪に再進出する計画を進めており、ライバルとなる阪急百と手を切ることにしたとみられる。さらに不採算の小倉伊勢丹からの早期撤退は、統合前に収益基盤の強化を図ると同時に、「地方店を抱える三越へのプレッシャー」(関係者)との見方もある。 |
衣料品不振で2社減収減益 百貨店大手の中間決算2007年10月15日 中国新聞ニュース
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大手百貨店4社・グループの2007年8月中間連結決算が15日、出そろった。天候不順の影響で衣料品販売が不振となったことなどから、三越と高島屋の2社が減収で、純損益で減益。大丸と松坂屋ホールディングスが統合して誕生したJ・フロントリテイリングは増収で、純損益で増益を確保した。
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三越は日本橋本店などで店舗改装を実施したものの売り上げを伸ばせず、衣料品を中心に低迷した。
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高島屋は未使用分の商品券に対する会計処理を変更して特別損失を計上したため、大幅減益となった。
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ミレニアムリテイリングは西武百貨店の渋谷店改装に伴う経費を計上したことから営業減益だったが、そごう、西武ともに絵画や時計などの高級雑貨が好調で増収は確保した。純利益は非公表。
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J・フロントは傘下の大丸で食料品や化粧品販売が伸び、増収増益となった。 |
営業利益400億円目指す H2O経営陣が記者会見2007/10/01 中国新聞ニュース
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阪急百貨店と阪神百貨店が経営統合して発足した持ち株会社「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」の経営陣が一日、大阪市内で記者会見し、二○一四年度の連結営業利益の目標を四百億円とすると発表した。
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売上高営業利益率5%台を目指し、経営の効率化を進める。一四年度の売上高目標は七千億―八千億円。
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阪急百貨店梅田本店の建て替えで、阪神百貨店梅田本店と併せて売り場面積は約十五万平方メートルとなる。また第二の中核事業としてスーパーマーケットにも力を入れる。今後、システム統合や組織再編などを進め、二○○八年十月をめどに実質的な統合を完了する。
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若林純社長は「株主や顧客、社員らステークホルダーの期待に応えられるよう頑張っていきたい」と抱負を述べた。 |
三越・伊勢丹 来春統合で大筋合意 来週にも正式決定2007/08/18 FujiSankei Business i.
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経営統合を軸に交渉を進めていた三越と伊勢丹が来春、持ち株会社を設立し、統合することで大筋合意したことが16日、分かった。来週にも両社が臨時取締役会を開き正式決定する。低迷からの脱却を狙う三越が選択したのは「生き残り」ではなく「勝ち残り」。一方の伊勢丹は、三越の顧客である富裕層を取り込み、盤石な体制を築く狙いがあるようだ。
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両社合わせた売上高は約1兆5800億円となり、今年9月に大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合により誕生する持ち株会社「J・フロントリテイリング」を抜き、百貨店業界で最大勢力となる。これにより、売上高1兆円規模となるのは高島屋、ミレニアムリテイリングを合わせ4グループとなり、今後は、4グループを軸に再編が進むものとみられる。
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三越の石塚邦雄社長は常々、「業界再編の波に乗れるか、取り残されるか大きな分岐点だ。そのためには今期以降の業績立て直しが大切」と危機感をにじませていた。三越の2006年度売上高は8041億円と6年連続の減収。昨年から今年にかけてショッピングセンターやアウトレットモールに進出など新たな試みに取り組んできたが、収益力のアップにはつながっていなかった。
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伊勢丹は、店舗売り上げ全国一の新宿本店を持ち、高級品やブランド品の調達力に定評があり、勝ち組とされている。
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今後は、業界トップの座を堅持するため、両社が資産を生かしつつ抜本改革に踏み切れるかが課題となりそうだ。 |
売上高1兆円時代へ 三越・伊勢丹統合 既存店のすみ分け課題2007年08月18日 東京新聞 朝刊
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三越と伊勢丹の経営統合交渉は、近く基本合意に達する見通しとなった。両社の統合比率や人事など細部の調整には曲折もあり得るが、統合が実現すれば両社の売上高合算は約一兆五千八百億円で一気に業界首位。他の百貨店は「大きな脅威になる」と衝撃を隠さない。百貨店は大きく四グループへと収れんされ、売上高一兆円を軸に競い合う新たな時代へと入る。 (石川智規)
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少子高齢化や消費の多様化が進み、既存店売上高が減る一方の百貨店業界では、「スケールメリット(規模効果)を求め一兆円規模で統合するのは必然の流れ」とする業界関係者が大半だ。
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三越の二〇〇七年二月期連結売上高は約八千四十一億円で業界四位。しかし、大手で唯一の減収減益に陥るなど経営不振が続き、他店との経営統合や業務提携は必要不可欠だった。
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同年三月期連結売上高七千八百十七億円の伊勢丹との統合が実現すれば、一兆五千八百億円で業界首位に立つ。大丸と松坂屋ホールディングスが経営統合し九月に発足する「J・フロントリテイリング」や高島屋、そごうと西武百貨店が統合したミレニアムリテイリングもいずれも一兆円規模の売上高。この水準は、今後の生き残りの指標になるとみて間違いない。
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ただ、規模を求めた“数合わせ”だけでは、真の統合効果は生じない。
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三越、伊勢丹は、店舗や資本提携をしているグループ百貨店の商圏が競合する地域も多い。三越銀座店と、伊勢丹の資本が入る松屋銀座本店は、商圏が重なりあう。それぞれが抱える既存店同士のすみ分けは、大きな課題だ。
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また、両社が新組織での主導権争いを繰り広げるとすれば、売り場の活気や社員の意欲に大きな影響を及ぼす。ある業界関係者は「まずは双方がどこまで血を流す覚悟があるかが今後の大きな鍵だ」とみている。 |
百貨店の7月全国売上高 2カ月ぶりマイナス2007/08/18 FujiSankei Business i.
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日本百貨店協会が17日発表した7月の全国百貨店売上高は前年同月比4・3%減の7227億円と2カ月ぶりにマイナスとなった。各社が夏のセールを例年より1日早い6月30日から始めた反動が出たほか、例年より10日ほど梅雨が長く、台風や最終日曜日の参院選投票日で客足が鈍かったことも響いた。
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商品別では、売上高全体の4分の1を占める婦人服が8・7%減、衣料品全体で9・2%と大きく落ち込んだ。食料品も2・2%減と7カ月ぶりにマイナスに転じた。
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地区別では、京都が一部店舗の閉店セールの影響でプラスとなった以外は、すべてマイナス。東京が3・9%減の1745億円と3カ月ぶりに前年を割り込み、大阪は3・3%減の944億円と2カ月ぶりのマイナスだった。
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8月は猛暑がプラス要因になるとみられるが、同協会では「販売点数と金額が比例しないことから、直ちに売上高アップにはつながらない」と慎重な見方を示している。 |
伊勢丹・三越、来春統合へ 比率1対0.35で調整2007年08月17日 asahi.com
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経営統合に向けた交渉を進めている百貨店4位の三越と同5位の伊勢丹は17日、持ち株会社方式で来春にも経営統合する方針を固めた。持ち株会社の会長には伊勢丹の武藤信一社長が、社長には三越の石塚邦雄社長が就く見通し。統合比率は伊勢丹1に対して三越0.35を軸に調整を進めており、役員構成など詳細を詰めたうえで、月内の基本合意を目指す。
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今秋以降に開く臨時株主総会の同意を得て、共同出資の持ち株会社を設立。事業会社として三越と伊勢丹を傘下に入れる。統合比率は両社の株価(16日の終値は三越550円、伊勢丹1783円)などを参考に検討している。統合比率が0.35の場合、現在の三越の株主は1株につき0.35株、伊勢丹の株主は1株につき1株の比率で持ち株会社の株式を受け取ることになる。「三越」「伊勢丹」の店名は残す。
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売上高の合計は1兆5859億円(06年度連結)となり、9月に経営統合で誕生する大丸と松坂屋ホールディングス(HD)の持ち株会社「J.フロントリテイリング」(1兆1737億円)を抜き、業界首位に立つ。
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三越は長く業績が低迷。一方、伊勢丹は高収益を誇るが規模の面では見劣りする。経営統合は、伊勢丹のノウハウを取り入れ業績を改善したい三越と、規模や顧客層の拡大と一層の効率化を目指したい伊勢丹の思惑が一致した。
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百貨店業界では、大丸と松坂屋HDに加え、阪急百貨店と阪神百貨店が10月に統合。人口減の時代を見すえて再編の動きが加速している。 |
近代百貨店の祖、三越の凋落 学閥が失わせた組織活力 (1)2007年08月10日ネットIB
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三越と慶応閥
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百貨店業界を騒然とさせた三越と伊勢丹の資本提携交渉話。その実態は、伊勢丹による三越の買収の色彩が強い。
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近代百貨店の祖、三越はなぜ凋落したのか。その要因の1つに挙げられているのが、「慶応閥の純血主義が組織の活力を失わせた」 というものだ。
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慶応閥という言葉は三越から生まれたといわれるほど、三越には慶応出身者が多い。それは三越の生い立ちにさかのぼる。
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■ 福沢門下生の集結
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『米国に行はるるデパートメント・ストアの一部を実現可致候事』
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1905(明治38)年1月2日。三越呉服店の1ページ広告が、主要新聞に掲載された。日本初のデパートメント宣言である。わが国百貨店の歴史はここから始まった。それは日比翁助の三越呉服店専務としての初仕事であった。当時、三越には社長職はなく、専務が実質的な社長だった。
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日比翁助は1860(万年元)年、福岡は久留米藩藩士の家に生まれた。慶応義塾卒業後、モリスン商会支配人をつとめたのち、塾の先輩である中上川彦次郎にスカウトされ、36歳のとき三井銀行に入行した。
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福沢諭吉の甥の中上川彦次郎が、慶応閥をつくった元祖である。大分は豊前中津藩士の家に生まれた。叔父の慶応義塾で学び、さらに、福沢に学資を出してもらって、3年間ロンドンに留学。ロンドンで知り合った明治新政府の要人・井上馨が、彼の運命を決めた。
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この人物は西郷隆盛が「三井の番頭さん」と揶揄するほど三井との関係が深かったが、人を見出す才があった。井上は、その能力を買っていた中上川を三井銀行の再建に招いた。1891(明治24)年に37歳で三井銀行理事に就任した中上川は、実権を掌握し三井改革に着手した。
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中上川は、企業形態を政商スタイルの金融・商業中心主義から工業中心主義への転換をはかった。転換を推進するために、慶応出身者の若い人材を積極的に登用して、子飼い奉公人中心の経営体制を刷新した。中上川が採用した20人のうち19人が慶応義塾の福沢門下生たち。若い彼らを企業再建に送り込んだ。
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■ 近代百貨店の祖
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大日本製糖社長として再建を果たした“砂糖王”藤山雷太。瀕死の王子製紙を日本一の大会社によみがえらせた“製紙王”の藤原銀次郎。三井銀行の巨大金融資本としての地位を確立し三井財閥の総帥となる池田成彬。阪急電鉄・東宝を創業した小林一三。“鐘紡王国”を築いた武藤山治。そして三越の日比翁助。いずれも明治後期から昭和初期にかけて活躍する実業家たちだ。中上川は三井家から工業化路線の不振を追求され失脚するが、彼が採用した慶応出身者は日本の産業に大きな足跡を残したのである。
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中上川は、低迷を続ける三井呉服店の再建のために、日比を送り込んだ。三井家の発祥企業ながら、維新の激動による得意先の没落などで業績は悪化。三井家のお荷物になっていた三井呉服店を切り離すことになった。
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1904(明治37)年、三井家が出資する合名会社三井呉服店が解散になり、株式会社三越呉服店(現・三越)が設立された。三井家は出資に加わらず、役員にもならなかった。三越呉服店には日比翁助ら中上川から採用された慶応OBの三井銀行関係者が出資した。
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日比は、それまでの座売り方式を陳列販売方式に変え、経理を大福帳方式から複式簿記へ変更した。晴れ着の流行の導入、「今日は帝劇、明日は三越」のキャッチフレーズにみられる巧みな広告や販売促進策によって、顧客を呼び込むことに成功。日比翁助は、日本における近代百貨店の祖となった。
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当時、呉服店は丁稚奉公の小僧を多数雇用していたが、日比は慶応出身の高等教育を受けた新人を採用した。慶応出身者の出資で設立された三越は役員、社員までオール慶応で固めたことで、慶応閥が形成されていったのである。(つづく) |
大阪・阿倍野に日本一高層ビル、近鉄百貨店建て替え2007年08月09日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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近畿日本鉄道は8日、近鉄百貨店阿倍野本店が入居する阿部野橋ターミナルビル(大阪市阿倍野区)の旧館部分を建て替え、百貨店やホテル、オフィスなどからなる超高層複合ビルを建設すると発表した。地上59階地下5階で高さは約300メートルとなり、横浜ランドマークタワー(横浜市、296メートル)を抜いて日本一となる。同日、大阪市内で記者会見した近鉄の岡本直之副社長は「“平成の通天閣”として親しまれるビルにしたい」と語った。
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総事業費は700億〜900億円で、2014年春の完成を目指す。延べ床面積は約21万平方メートルで、地下2階〜地上14階部分に近鉄百貨店が入居する。建て替え後も残る阿部野橋ターミナルビル新館部分の同百貨店と合わせ、百貨店の営業面積は約10万平方メートルとなり、松坂屋名古屋本店(名古屋市、8万6758平方メートル)を抜いて、国内最大となる。中層階はオフィス階となるほか、上層階は客室約400室の高級ホテルが入る予定だ。
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大阪ではキタで梅田北ヤードの開発が進み、11年には阪急百貨店梅田本店の建て替え、三越大阪店の出店、大丸梅田店の増床が予定されている。ミナミには高島屋大阪店の増床や南海電気鉄道難波駅の改装計画がある。ターミナル再開発で出遅れている近鉄は、本拠地の阿部野橋の集客力を高め、キタ、ミナミと並ぶ商業集積地にする狙いだ。 |
百貨店カード、お得感で激戦 ポイント還元強化で30代囲い込み2007/08/05 FujiSankei Business i.
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松屋は年間の購入金額が100万円以上の顧客向けにVIPルームを新設した=東京都中央区の松屋銀座
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再編が加速する百貨店業界で、自前のクレジット機能付きカードのサービス競争が激化している。ポイント還元で割引感のあるカードを昨年発行した大丸は、9月に経営統合する松坂屋と“相互利用”できるようにし、サービス拡充を目指す。高島屋と松屋は、これを上回るサービス機能を売りにした新カードを導入して会員を伸ばしている。今後の業界勢力図を左右しかねないだけに、各社ともカード会員の獲得に躍起だ。
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昨年1月に登場した当初、「業界最高のカード」といわれていたのが「大丸カード」。特価品を除き購入額の5%のポイントがつくだけでなく、半年ごとにボーナスポイントがつくのが魅力だ。半年間で5000ポイント以上になればその20%、1万5000以上なら100%のボーナスポイントが加算される。
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■敷居下げ会員増
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大丸の自社カードの発行枚数は、既存カードとあわせて全体で320万枚以上に膨れ上がり、直営10店舗の個人売り上げに占めるカード売り上げの比率は67・7%に達した。とくに会員資格を安定した収入のある18歳以上と敷居を下げたことで、30代を中心とした若年層の取り込みに成功した。
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9月の経営統合後は、「松坂屋でも大丸カードが使えるようにする」(大丸首脳)とし、首都圏を中心に会員の新規開拓に注力する考えだ。
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他の百貨店も黙っていない。50、60代の富裕層を数多く顧客に抱える高島屋は3月、自ら「百貨店業界最強」と銘打ち、「タカシマヤカード<ゴールド>」を投入した。ステータスの象徴とされていたゴールドカードの敷居の高さを取り払い、安定した収入がある27歳以上であれば入会できる。
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年会費は1万500円と高めだが、初年度から、買い物金額の8%がポイント換算されるほか、利用金額が年間100万円以上になった場合は、翌年に10%の割引優待となる。
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また、カード所有者は、駐車場が無料で使えるほか、VIPルームの使用も可能。“百貨店カードのファーストクラス”として、顧客の優越感をくすぐる作戦だ。
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導入5カ月で、「ターゲットの30代の会員数が着実に増えた」と、高島屋クレジットの津積誠・営業推進部長は手応えを感じている様子。3年間で26万枚のゴールドカード発行を見込んでいる。
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一方、30〜40代の女性に強い松屋は、年会費が初年度無料ながら、入会時点で5%の割引が受けられる「松屋カード」を4月下旬から発行している。
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「少子高齢化が進む中で、若い女性に化粧品などの必需品ひとつでも、松屋で買おうと思ってほしかった」(コーポレートコミュニケーション部)としている。
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同時に、優良顧客のつなぎ止めにも力を入れる。前年に年間100万円以上の買い物客のみに実施していた10%割引も年間50万円以上に下げた。さらに購入額が年間100万円を超える顧客には、東京・銀座店に新設したサロン風の専用ルームを使えるサービスを提供。「お得意様営業課」のスタッフが接客にあたる。
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■購買分析に活用
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百貨店業界は、少子高齢化や他業態との競争激化に伴い、10年連続で売上高が減少。都心部の大型商業施設や、厳選商品を並べた大手セレクトショップに若い客を奪われ、顧客離れが進んでいる。
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「消費動向が年収や年齢で区切れなくなってきた」(高島屋クレジットの津積部長)という時代に、カード顧客の購買情報の分析するのは売れ筋商品を探るのに有効な手段。業績好調の大丸や伊勢丹などが積極的に活用している。
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日本百貨店協会が6月にまとめた「カードビジネス白書」によると、クレジット機能付きカードを導入している百貨店は88・5%に達し、全国で発行された枚数は約2150万枚。購買層として存在感が高まってきた30代を囲い込むためにも、百貨店カードのアピール合戦がますますヒートアップしそうだ。(飯田耕司) |
三越と伊勢丹 百貨店の再編はまだ終わらない(7月27日付・読売社説)2007年07月27日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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再編が続く百貨店業界で、また一つ大型の経営統合の動きが表面化した。
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老舗で売上高が業界4位の三越と、5位の伊勢丹が、統合に向け協議に入った。
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統合が実現すれば、売上高1兆5000億円を超す、最大の百貨店グループが誕生する。大手百貨店は、三越・伊勢丹連合を筆頭とした4グループに集約されることになる。
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流通業界全体を見渡せば、スーパーやコンビニエンスストアに、各種専門店、通信販売業者まで入り乱れての競争が激化する一方だ。大型化したからといって百貨店が安住できる環境にはない。
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生き残りのためには、さらなる合従連衡が避けられそうにない。業態を超えた次の再編劇に、流通業界関係者の視線が集まっている。
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創業330年を超す三越は、老舗中の老舗として長い間、業界のリーダー的存在だった。だが、1982年に当時の岡田茂社長が引き起こした経営スキャンダルでイメージに傷が付き、その後のバブル崩壊で打撃を受け、じり貧から脱しきれない状態が続いている。
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一方の伊勢丹は、ファッション関係の品ぞろえに定評があり、売り上げ、利益とも好調だ。このため、今回の統合協議は、低迷する三越が伊勢丹に支援を求める形で始まったとされる。
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両社の店舗網には重複が少なく、商圏を補完し合える関係にある。仕入れや物流を共通化することでコストも削減できよう。なにより、伊勢丹の経営ノウハウを導入することで、三越の改革が進むことを期待する向きがある。
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百貨店業界全体の売り上げは、バブル絶頂期の1990年に10兆円近くあったが、その後減少に転じ、今では7兆円台に落ち込んでしまった。
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各社は、経営規模の拡大に活路を見いだそうと必死だ。4年前に西武百貨店とそごうが統合して、ミレニアムリテイリングが生まれた。今年9月には大丸と松坂屋が統合してJ・フロントリテイリングも誕生する。さらに、10月には阪急、阪神百貨店も統合する。
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だが、ミレニアムリテイリングは、百貨店事業だけでは将来展望が開けないとして、セブン―イレブンやイトーヨーカ堂を持つ巨大流通グループのセブン&アイグループに入ることを選んだ。
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セブン&アイに対抗するイオングループも、百貨店を傘下に持ちたいと考えているのではないか。全国には電鉄系を中心に、まだ再編に巻き込まれていない百貨店も少なくない。当面はこうした百貨店の動きが焦点となろう。 |
三越と伊勢丹 地方百貨店も正念場に2007/07/26 中国新聞ニュース
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それぞれの「のれん」に頼るだけでは生き残れないのだろう。どの業界でも再編や統合が当たり前の時代、大手百貨店の三越と伊勢丹が資本提携に向けた交渉に入ったとの報道も平静に受けとめられたのではないか。
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両社とも、中国地方など全国にグループ企業を含めた店舗網を張っている。二〇〇三年のそごうと西武百貨店との統合に始まり、ことし九月には大丸と松坂屋ホールディングスが統合。関西を基盤とする私鉄系の阪急、阪神両百貨店の一体化も加え、規模を拡大した大手同士の競争が激しさを増す。
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消費全般は回復傾向とはいえ、長引いた不況の後遺症は大きい。しかも、旅行や健康関連、通信費や教育費などに分散し、小売業の売り上げ増にはなかなかつながらない。百貨店業界は既存店ベースの売上高が〇六年まで十年続けて前年割れとなった。
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老舗中の老舗というべき三越は中高年を中心に根強い人気があるものの、業績不振が続き、リストラに懸命という。個別の店舗運営では、競争店に比べて狭い売り場の広島店が逆に個性を発揮して売上高の前年超え記録を伸ばすなど強みも見せた。店によって明暗が分かれているのが惜しまれる。
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伊勢丹は業界の常識にとらわれない独自の事業展開で業績好調と、評価が高い。西日本ではなじみが薄かったが、〇四年には北九州市小倉北区のそごう店跡地に地元の要請を受ける形で出店するなど、地方での攻勢も目立つ。
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共に呉服店を発祥とするが、競合の心配はなさそうだ。ただ、現在の経営状態からみると、三越にとってメリットがより大きい印象が強い。交渉がどうまとまるか見極めにくいが、お互いのブランド力が相乗効果を発揮できるかどうかが提携実現の鍵を握っていよう。幹部や社員の意識など企業文化も影響を及ぼす。
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商品の仕入れや配送などで三越、伊勢丹のグループに加わっている地方百貨店もまた、正念場を迎える。「独立自営」型の企業も含め、これまで以上に特色ある売り場や商品が求められる。消費購買力が伸び悩む中、「オーバーストア」とみられる地域では生き残り競争に拍車が掛かろう。
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消費が多様化しても、百貨店の存在は格別だ。物品販売や飲食にとどまらず、店内の催事などを通じて文化発信や交流の場を担う一面もある。付加価値の高い店づくりをめざす再編であってほしい。 |
三越・伊勢丹の提携検討 4強集約 再編新ステージ2007/07/26 FujiSankei Business i.
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25日明らかになった大手百貨店の三越と伊勢丹の統合が実現すれば、大手の合従連衡は一段落し、業界再編は新たなステージに進む可能性が高い。今後は“4強”による鉄道会社系列の電鉄系百貨店や地方を含めた中堅百貨店の取り込みをめぐる熾烈(しれつ)な争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。
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「生き残れるのは、3社か、4社」。伊勢丹の武藤信一社長はかねてからこう繰り返してきた。三越・伊勢丹連合が統合すれば、大丸・松坂屋、高島屋、ミレニアムリテイリングを合わせ、「1兆円クラブ」の4つの椅子は埋まる。
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≪狙われる電鉄系≫
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今後、4強がまずターゲットにするのが、電鉄系だ。各社とも鉄道のターミナル駅に直結した好立地を武器に高い集客力を誇るが、商品力では見劣りする店が多い。「系列の鉄道利用者を主なターゲットとするため、偏った商品展開では支持を得られない」(電鉄系百貨店)などの理由から、こだわりの商品ではなく、定番商品が並ぶ。
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しかし、市場の縮小に加え、専門店、大型商業施設など他業態との競争が激化するなか、「立地に頼ったビジネスモデルはいずれ限界に達する」(証券アナリスト)との指摘は多い。
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4強も今度はクラブ内での勝ち残り競争が激化するため、さらなる規模拡大に向かう可能性が大きい。特に電鉄系は「商圏が重複しないうえ、老舗同士のプライドがぶつかり合う心配もない」(大手百貨店)ことから、虎視眈々と関係強化を狙っている。
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すでに伊勢丹は東急百貨店と名鉄百貨店と業務提携。さらに、首都圏攻略が最大の課題である大丸・松坂屋連合のJ・フロントリテイリングも「都心部の電鉄系百貨店をグループに引き入れたいとの意欲が強い」(証券アナリスト)とされている。
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≪地方も取り込み≫
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地方百貨店の取り込みも規模拡大を図る上では重要な課題だ。
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都心部では高額商品に動きが出るなど、消費の回復が徐々に進んでいるが、地方では消費回復が遅れているほか、郊外型の大規模ショッピングセンター(SC)の出店攻勢で疲弊しており、単独での生き残りが困難な百貨店は多い。
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しかし、伊勢丹がてこ入れした岩田屋や丸井今井は業績が改善してきており、「改革すれば十分採算が取れることが分かった」(伊勢丹幹部)との認識が広がっている。
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しかも、昨年5月に「改正まちづくり3法」が成立し、巨大店舗を郊外に出店することが原則禁止されたため、「地方百貨店にとっては追い風が吹く」(大手百貨店)との声も出ている。
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≪系列化が加速≫
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これまでは中元、歳暮向けの共通商品の開発や配送分担など緩やかな提携関係が多かったが、関係を資本提携や統合などによる系列化へと一歩進める動きが加速。地方百貨店の4強グループへの集約が進むとの見方も高まっている。(飯田耕司) |
三越と伊勢丹、統合視野に提携検討 実現すれば百貨店首位へ2007/07/25 FujiSankei Business i.
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百貨店業界で売上高4位の三越と、5位の伊勢丹が経営統合を視野に提携を検討していることが25日分かった。統合が実現すれば合計売上高は約1兆5800億円となり、今年9月に大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合により誕生する新持ち株会社「J・フロントリテイリング」を抜き、百貨店業界で最大の勢力となる。百貨店業界は業績低迷に悩んでおり、今回の協議が業界再編にはずみをつける可能性が高い。
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三越、伊勢丹はこの日午前、提携について「決定した事実ではない」とのコメントを公表。しかし関係筋は検討を認めており、近く具体的な協議に入る見通し。
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背景には、人口減少などによる市場縮小や、流通業界内のシェア獲得競争の激化がある。百貨店の売上高(既存店ベース)は平成18年まで10年連続で減少しており、ブランド力の強化だけでなく、消費者の好みの多様化への対応や財務強化が課題となっている。
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このため協議では、富裕層に強い三越と若者向けファッション衣料が得意な伊勢丹とが店舗運営ノウハウを共有し相互に新規顧客層の開拓に結びつけることや、仕入れ、物流コストなどの削減など具体策も検討される見込みだ。
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また一部をのぞき立地が重ならないことも検討を進めるきっかけとなったとみられる。
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百貨店業界ではすでに西武百貨店とそごう、大丸と松坂屋のほか阪急百貨店と配信百貨店も今年10月に統合するなど、生き残りを目指す再編の動きが広がっており、老舗同士の協議は再編にはずみをつけそうだ。
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三越はすでに収益力向上を目指し、今後6年間に1800億円を投じて店舗の新設、増床を進める計画を発表。この中には平成23年春にJR大阪駅新北ビル内に開店予定の大阪店も含まれており、今回の提携が出店計画に影響を与える可能性もある。 |
大丸・松坂屋、統合会社「J・フロントリテイリング」2007/04/10 J-CASTニュース
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2007年9月に経営統合する大丸と松坂屋ホールディングスは、共同で設立する持ち株会社の名称を「J・フロントリテイリング」にすると2007年4月9日に発表した。「J」はJapan(日本)、Join(結合する)、Joy(喜び)、Justice(正義)などの意味を持たせているという。共同持ち株会社は5月24日の両社株主総会での承認を経て、9月3日付で設立する。合算後の売上高は約1兆1,665億円で、業界トップの百貨店グループになる。 |
名称は「J・フロント」に 大丸、松坂屋の持ち株会社2007年04月09日 中国新聞ニュース
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今年9月に経営統合する大丸と松坂屋ホールディングス(HD)は9日、新たに設立する持ち株会社の名称を「J・フロントリテイリング」にする、と発表した。東京・銀座に本社を置く。両社の取締役会で決めた。
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合算した売上高は約1兆1665億円で最大手の高島屋を抜き、業界トップの百貨店グループが誕生する。
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この日決算発表した大丸の奥田務会長は新会社名の「J」について「JAPAN(日本)」や、「JOINT(接合)」からとったと説明。「『先頭、最前列』という意味のフロントと合わせ、日本の小売業の先頭に立つという思いを込めた」と述べた。
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両社は既に準備委員会を発足、統合作業を本格化させている。6月中に第1次の統合基本計画を策定し、順次実行する。
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新会社の社長兼最高経営責任者(CEO)には奥田会長が、会長には松坂屋HDの岡田邦彦会長が就任する。 |
九州、2月の百貨店売上高3.4%増…5か月ぶり前年上回る2007年03月17日 Yomiuri On-Line
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九州百貨店協会が16日発表した2月の加盟店(19社29店)の売上高は、前年同月比3・4%増の473億円で、5か月ぶりに前年を上回った。博多井筒屋(福岡市)の閉店セールが押し上げたためで、3・4%の増加は、岩田屋2店舗の閉店セールがあった2003年2月(4・0%増)以来の高い伸びだった。
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衣料品は、気温が高めに推移したため、紳士、婦人ともに春物衣料が好調で0・9%増加した。身の回り品も靴やハンドバッグが売れ5・0%増。家庭用品も3・3%増だった。
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一方、雑貨が1・2%減で、食料品は1月に催事が多かった反動で2・3%減った。
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3月の見通しについて同協会は「気温が低く、春物の動きが鈍くなった。だが、閉店セールの効果で前年は上回るだろう」としている。 |
10年ぶりに前年度上回る−中四国百貨店売上高2007/03/17 SHIKOKU NEWS
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中国四国百貨店協会は十六日、二〇〇六年度(〇六年三月―〇七年二月)の中国地区百貨店売上高(既存店ベース)が前年度と比べ微増の三千六百八十億円だったと発表した。前年度実績を上回ったのは一九九六年度以来、十年ぶり。
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同地区の百貨店の売り場改装や新商品の導入などが進み、低迷していた個人消費に改善の兆しが出ているようだ。ただ暖冬の影響で冬物衣料などは伸び悩んだという。
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商品別では、食料品が0・4%増、ハンドバッグなど身の回り品が0・9%増。子ども向け衣料品は5・0%減だった。
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一方、四国地区は一千五百三十八億円で、前年度実績を下回った。
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この日同時に発表した〇七年二月の中国、四国両地区の合計売上高は前年同月比0・9%増の三百五十三億円だった。 |
持ち株方式で10月に統合 阪急、阪神両百貨店2007年03月17日 東京新聞
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経営統合に向け協議を進めている阪急百貨店と阪神百貨店は、共同持ち株会社を設立し、10月にも統合する方針を固めたことが17日、分かった。
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大丸と松坂屋ホールディングスが経営統合で合意するなど、流通業界の競争が激化する中、組織の一体化で経営効率を高め、生き残りを図る狙いがある。
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新設する共同持ち株会社の傘下に、阪急、阪神両百貨店が事業会社として入る。それぞれの百貨店名は残す。両百貨店の株式と持ち株会社の株を移転。既に、第三者機関による資産などの適正評価手続き(デューデリジェンス)を終えており、現在株式の交換比率や、社名、人事などを詰めている。
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阪急阪神ホールディングスが26日にも公表する中期経営計画に盛り込む。(共同) |
阪急と阪神、10月統合へ デパート店名は残す2007/03/17 中国新聞ニュース
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経営統合に向け協議を進めている阪急百貨店と阪神百貨店は、共同持ち株会社を設立し、十月にも統合する方針を固めたことが十七日、分かった。
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大丸と松坂屋ホールディングスが経営統合で合意するなど、流通業界の競争が激化する中、組織の一体化で経営効率を高め、生き残りを図る狙いがある。
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新設する共同持ち株会社の傘下に、阪急、阪神両百貨店が事業会社として入る。それぞれの百貨店名は残す。両百貨店の株式と持ち株会社の株を移転。既に、第三者機関による資産などの適正評価手続き(デューデリジェンス)を終えており、現在株式の交換比率や、社名、人事などを詰めている。
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阪急阪神ホールディングスが二十六日にも公表する中期経営計画に盛り込む。 |
大丸、松坂屋が説明会 さらなる統合の可能性も2007/03/15 The Sankei Shimbun WEB-site
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経営統合する百貨店の大丸と松坂屋ホールディングス(HD)が15日、東京都内で証券アナリストや機関投資家向けの説明会を開いた。共同持ち株会社の社長兼最高経営責任者(CEO)になる大丸の奥田務会長は「志を共にされる企業の参加を将来考えたい」と、両社の統合後に新たに他の百貨店が加わることもあり得るとの認識を示した。
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説明会には山本良一大丸社長、松坂屋HDの岡田邦彦会長、茶村俊一社長もそろって出席。奥田会長は「縮小する市場で、攻めの経営が最善と判断した」と統合を決めた理由も説明した。
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松坂屋HDの岡田会長は、会場から「松坂屋の社内で、大丸にのみ込まれてしまうのでは、という意見はないか」と問われ、「一緒になって汗をかくことで学習効果が上がり、顧客も良いサービスを受けられる。のみ込まれるという発想は全くない」と否定した。
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奥田会長も「異質性は大切な要素。うまく利用しながら改革を進める」と話した。 |
大丸と松坂屋が9月に統合 本社は東京、業界トップ2007年03月13日 中国新聞ニュース
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百貨店業界で4位の大丸と、8位の松坂屋を傘下に持つ松坂屋ホールディングス(HD)は14日、共同で持ち株会社を設立し大丸と松坂屋9月に経営統合する、と発表した。両社の売上高を合算すると約1兆1664億円となり、最大手の高島屋を抜いて業界首位になる。
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競争激化と人口減少による市場縮小に対応するのが狙いで、経営基盤強化で生き残りを図る。両社の統合により、流通業界の再編に弾みがつきそうだ。
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持ち株会社の名称は「大丸・松坂屋ホールディングス」(仮称)で、本社は東京・銀座に置き、社長兼最高経営責任者(CEO)に大丸の奥田務会長(67)、会長には松坂屋HDの岡田邦彦会長(71)が就く。資本金は300億円。両百貨店事業が、持ち株会社の傘下に入り、大丸と松坂屋ののれん(店名)は残す。
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大丸株1株に対し、持ち株会社の株1・4株を、松坂屋HD株1株に対し、持ち株会社の株1株をそれぞれ割り当てる。 |
名残惜しむ客でにぎわう 近鉄百貨店京都店が閉店2007年02月28日 Kyoto Shimbun
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近鉄百貨店京都店(京都市下京区)が28日、前身の「丸物」時代を含めて87年間の歴史に幕を引き、閉店した。営業最終日も約7万人の来店者でにぎわった。名残を惜しむ客が店内から去らず、閉店時間はいつもより約1時間遅れとなった。
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午後8時50分すぎ、岩崎雅明店長(58)ら従業員が、店舗1階の烏丸中央口付近に整列。最後の買い物客を見送り、閉店のシャッターが降り始めると、見守る買い物客らから「長い間お疲れさまでした」と声がかけられた。
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昨年12月からこの日まで、3カ月連続の売り尽くしセールを実施。期間中に延べ約260万人が来店し、売上高は前年同期から2倍強となったが、目標とした100億円増は達成できなかったという。
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近鉄百貨店京都店は、1920年に京都物産館として開業し、丸物に店名変更。1時は東京や岐阜にも店舗を構えたが、業績不振で近鉄百貨店グループ入りした。97年のジェイアール京都伊勢丹(下京区)開業に合わせ、売り場増築などで対抗したが及ばず、閉店が決まった。店舗の土地・建物は家電量販チェーンのヨドバシカメラ(東京都)が取得、出店を計画している。 |
「進取」貫いた87年 近鉄百貨店京都店、28日閉店2007年02月27日 Kyoto Shimbun
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近鉄百貨店京都店(京都市下京区)が28日に閉店する。前身の「丸物」時代は、東京にも店舗網を広げ、先進的な施設整備や営業サービスを展開した。その後、近鉄百貨店に経営を委ねたものの、流通業界の競争激化で退潮。京都駅周辺のシンボル的な存在も幕引きとなり、店舗関係者やなじみ客が87年間の歴史に思いをめぐらせている。
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■京都初のエスカレーター、店内に茶室や式場
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丸物は、京都の土産品を扱う京都物産館として1920年にオープン。丸物に商号を変更し、店舗網を全国へと拡大する。愛知県豊橋市や北九州市などにも展開。57年には東京丸物(現・池袋パルコ)を出店し、グループ最大時で6店を構えた。
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東京丸物で大学卒業後に8年間働き、その後にローソン副社長も務めた鈴木貞夫さん(73)=埼玉県川口市=は「創業者の中林仁一郎氏による積極出店策が、高度成長時代にマッチした。中林氏と接する機会も多かったが、顧客第一主義の考え方には影響を受けた」と振り返る。
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丸物は大正、昭和時代にかけて、当時の先進的な営業サービスや設備を次々に導入した。女性店員に流行の衣料品を着せて座らせる「マネキン嬢」による店頭PR、奈良電車(現近鉄京都線)で菓子を売る電車移動百貨店などを実施。ほぼ現在の外観が仕上がった36年の増改築では、京都で初めてのエスカレーターや、茶室や結婚式場を設けた。
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京都のシンボル的建物として屋上に高さ約15メートルの航空灯台も設けた。昭和の洋画家・東郷青児が作品「屋上塔」で、当時の建物を描き残している。
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約50年間在籍し、95年までの10年間に社長、会長を務めた若林誠郎さん(84)=京都市北区=は「衣料品や店のしつらえだけでなく、美術分野で画家の発掘や販売など文化的サービスにも力を入れた」と強調する。
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進取を大切にする百貨店だったが、裏目に出た部分もある。
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60年代以降、当時、台頭しつつあったスーパーや家電量販店などの新業態の店舗も展開したが、すぐに業績不振で事業から撤退。本業店舗の閉鎖も続いたため、近鉄グループと資本・業務提携し、77年に京都近鉄百貨店として再出発することになる。97年の京都駅ビルでのジェイアール京都伊勢丹(下京区)開業に対抗し、家電や書店などの大型専門店を組み込んだ複合商業施設「プラッツ」への業態転換を図った。その後、近鉄百貨店京都店に店名変更もあったが、退潮傾向に歯止めがかからなかったという。
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閉店セールは、昨年12月から3カ月連続という異例の長さで行っている。内山賢治副店長(55)は「丸物の精神性を大切にした試みだ。厳しい目標だが、セール期間中の売上高は前年から100億円アップさせたい」と最後に気を引き締める。
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閉店まで残る3日となった26日の店内では、なじみ客も多く、写真パネル展を見ていた伏見区在住の今井啓之さん(52)は「母がここで働き、小学生の時からデパートといえば丸物だった」と名残を惜しそうに写真を眺めていた。 |
上本町店のビル、近鉄百貨店が一部購入2007年2月24日 読売新聞 Yomiuri On-Line
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大規模改装視野に
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近鉄百貨店は23日、主力店の上本町店が入る上本町ターミナルビル(大阪市天王寺区)の土地建物の一部を、3月1日に近畿日本鉄道から約120億円で購入すると発表した。
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マンション建設などで周辺人口が増えているため、上本町店の重要度が増すと判断した。大規模な改装などに機動的に取り組めるようにする狙いがある。
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ターミナルビルは地上12階地下4階、延べ床面積は約7万平方メートルで、取得するのは敷地面積の約3分の1に当たる約8600平方メートルの土地と、約6万6000平方メートルの建物部分。 |
老舗百貨店統合へ 「再編」加速の可能性も2007/02/21 中国新聞ニュース
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老舗百貨店の大丸(大阪市)と松坂屋(名古屋市)が経営統合へ向けて動きだした。実現すれば売上高は一兆二千億円近い業界一のグループが誕生する。店舗展開の競合が少なく、規模拡大によるメリットを生かせるとの判断がある。消費者が満足できる百貨店の在り方を追求してほしい。
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半面、業界を取り巻く経営環境の厳しさも浮き彫りになった。少子高齢化による人口減や個人消費が伸び悩み、競争は激化する一方だ。古くからの「のれん」にこだわる業界も懸命になっている。
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大丸は関西を拠点に東京、札幌、福岡、下関など十六店舗、松坂屋は東海地方を中心に東京などに九店舗を展開する。ともに江戸時代の呉服店が前身である。歴史と伝統のある両社にとって、重い決断に違いない。
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統合によって全国的な店舗展開が可能になる。物流面の共通化でコスト削減が図れ、収益力向上を目指せる。財務基盤の強化で、新規出店や改装などへの投資もしやすくなるというわけだ。両社は東京駅と銀座で新店や店舗改装を準備しており、東京での強化が交渉のきっかけになったようだ。
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だが、事はそんなに容易ではなさそうだ。昨年の全国の百貨店売上高は約七兆七千億円と、十年連続のマイナスとなった。ピークだった一九九一年の二割も減った。スーパーが総合ショッピングセンターを積極展開、家電量販店の拡大、ブランド品の大型専門店進出、インターネットを使った通信販売などで百貨店の苦戦が続く。
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顧客離れにどう対応するかは、大丸と松坂屋だけでなく、売り上げトップの高島屋や三越、伊勢丹など大手の共通の課題である。百貨店同士だけでなく、西武、そごう百貨店とイトーヨーカ堂、セブンイレブンなどが経営統合したように業態を超える可能性もある。
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地方の百貨店も無関心ではいらられない。中国四国百貨店協会によると、中国地方の昨年の百貨店売上高は前年比0・2%増と十年ぶりに増えた。だが、本格的な回復には程遠い。地方の百貨店の中には、物流や商品仕入れの効率化などから、大手百貨店グループに参加しているケースもある。新たな提携などへと進むのだろうか。
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地方の百貨店には、身近な顧客との間に長年培ってきた信頼が根付いている。そのパイプを太くするには、新たな魅力を加える必要がある。厳しい時代を生き残る鍵はそのあたりにありそうだ。 |
百貨店戦国時代 「大丸・松坂屋」の次は?2007年02月20日 ゲンダイネット
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大丸と松坂屋の統合話を聞いて、「本当は東武が欲しかったらしい」と大手百貨店幹部が漏らした。大丸・松坂屋に東武が加わると、有数の百貨店連合が誕生する。ただ、そんなことになれば他の百貨店が黙ってはいない。三越が阻止に動くかもしれないし、高島屋だって手をこまねいてはいられない。老舗の伊勢丹だって新宿本店だけに頼ってはいられない。デパート業界再編の動きは始まったばかりだ。 |
1月の全国百貨店売上高、4カ月ぶりに前年上回る2007年02月19日 NIKKEI NeT
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日本百貨店協会が19日まとめた1月の全国百貨店売上高は前年同月比0.02%増(既存店比較)の6886億円と、4カ月ぶりに前年水準を上回った。暖冬の影響で冬物衣料の販売は低調だったものの、初売りやその後のセールが好調で、身の回り品や食料品が前年を上回った。
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衣料品はコートやジャケットなどの売れ行きが鈍く、1.0%減と4カ月連続マイナスだった。婦人服は0.9%減、紳士服も0.1%減。
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雑貨は0.6%減。化粧品は好調だったが、美術・宝飾・貴金属の高額品が落ち込んだ。一方で身の回り品は3.3%増と2カ月ぶりのプラス。セールで婦人靴やバッグなどが売れた。
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食料品も菓子や総菜が好調で、0.8%増と2カ月ぶりのプラス。食器類などが伸びた家庭用品も1.3%増と、1年4カ月ぶりに前年水準を上回った。 |
大丸・松坂屋、経営統合へ 百貨店首位に2007/02/18 FujiSankei Business i.
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大手百貨店の大丸と松坂屋が経営統合に向け交渉に入っていることが17日、明らかになった。両社の2006年2月期の売上高を合計すると1兆1664億円となり、高島屋を抜いて百貨店業界最大手に浮上する。本拠地が異なる両社は互いに商圏を補い合い、競争力強化が期待できる。
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国内の消費者人口は今後減少に向かい、競争激化が予想されている。こうした業界環境に危機感を募らせる両社がいち早く統合に向け動いた形で、今後さらなる業界再編の引き金となる可能性もある。
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両社は、業界4位の大丸が関西圏を中心に16店舗を持つのに対し、8位の松坂屋は東海圏中心の9店舗で、一部を除き競合関係はない。大丸は大阪、東京両駅前の主要店舗で大規模な改装・拡張を計画。一方、松坂屋も銀座店を周辺地域の再開発と合わせて建て替える計画で、両社とも大規模な費用負担を控えた経営の効率化が課題となっていた。
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【会社概要】大丸
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1717年に呉服店「大文字屋」として創業。関西を中心に東京、福岡など16店舗を展開。東証一部上場。本社大阪市。従業員数は約3600人。2006年2月期の連結売上高は8225億円、営業利益は306億7800万円。
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【会社概要】松坂屋ホールディングス
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「いとう呉服店」として1611年に創業、2006年9月に持ち株会社化した。本社は名古屋市で、愛知県内を中心に国内に9店舗を持つ。2006年2月期連結売上高は3439億円、営業利益は70億8700万円。名古屋の老舗百貨店として知られてきたが、名古屋市内中心部や東京・銀座店といった優良な不動産資産を持つことなどから一昨年、村上ファンドが株式を買い占め、一時筆頭株主となったこともあった。 |
4カ月連続前年割れ−中四国の1月百貨店売上高2007/02/17 SHIKOKU NEWS
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中国四国百貨店協会が十六日発表した一月の中国、四国の百貨店売上高は、前年同月比1・0%減の四百八十五億円で、四カ月連続で前年実績を下回った。
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暖冬で冬物衣料の販売がさえず、大きな売り上げが見込まれる初売りも雨の影響で振るわなかったためだ。
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商品別では、防寒衣料が苦戦した衣料品は単価下落の影響もあり、1・8%減少した。宝飾品などの雑貨も1・6%減り、家庭用品も家具や家電の動きが鈍く、2・7%減だった。一方、食料品はバレンタイン商戦に乗って菓子が好調で、2・3%増。婦人靴、ハンドバッグといった身の回り品も0・6%伸びた。地域別では、中国が0・5%減の三百三十八億円、四国は1・9%減の百四十七億円だった。 |
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