TOPIC No.2-24-3 2000年03-06月(景気動向)

3月期決算企業、連結経常29.5%増 新光総研まとめ

2000.06.28(20:52)asahi.com
 新光総合研究所は28日、東証1部に上場する今年3月期の決算企業(銀行、証券、保険などを除く)計891社の決算内容の最終集計をまとめた。連結の売上高は前期比0.8%減ったものの、営業利益は同13.3%増え、経常利益も同29.5%増加した。全体としての増益決算は3年ぶりで、業績回復も大幅だったことが改めて確認された。また、売上高も、増加企業が54.8%と過半を占めた。

 2001年3月期の連結業績予想は、予想を公表した881社で売上高が同3.3%増となる見込み。長引くデフレで減収が続いていたが、3年ぶりの増収決算に転じそうだ。経常利益も同22.4%拡大する見通しで、増収増益となれば4年ぶりだ。このうち製造業では売上高が同4.5%増、経常利益が同38.6%増と大きく伸びる半面、非製造業では売上高が1.8%増えるものの、経常利益は同2.2%増に鈍化しそうだ。

長期金利が1.610%に低下、8カ月半ぶりの水準

2000.06.19(21:21)asahi.com
 長期金利の低下が目立ってきた。指標となる10年物の新発国債の業者間利回りは19日、前日比0.015%幅低い1.610%まで下がり(価格は上昇)、昨年10月5日以来、約8カ月半ぶりの低水準になった。慢性的な運用難に加え、ゼロ金利政策の解除が今秋以降にずれ込むのではないかという観測や、解除されても影響は小さいという見方が広がっているためだ。

 長期金利は今月6日に1.750%をつけた後、低下傾向が続いている。ただし、1.610%をつけた19日の取引量は少なく、「売りが極端に少ない、という感じ」(大手証券の債券担当者)だった。昨年2月以来のゼロ金利政策の長期化で、「大手銀行などは、金利の先行き見通しを決めかねている」(大和証券SBキャピタル・マーケッツの取越達哉チーフマーケットエコノミスト)という。

 長期金利の低下の背景には、株式市場の低迷と景気の先行きに対する懸念の台頭がある、との見方が市場には多い。今年度の回復を織り込んだうえで、「設備投資の広がりがないため、2001年度には失速するのではないか、と景気回復に懐疑的なムードが広がっている」(日興ソロモン・スミス・バーニー証券債券本部の佐野一彦チーフストラテジスト)という。

 このため、市場では、日本銀行のゼロ金利政策の解除についても「今秋までには解除できない。仮に解除しても、続けて利上げされることはないだろう、との見方が強まっている」(佐野氏)。もともと企業や個人の借り入れニーズが弱く、余剰資金を抱えた機関投資家の運用難が続いているため、長期金利の低下圧力は強い。

経企庁が景気は回復局面と認定 景気の谷は昨年4月

2000.06.19(20:32)asahi.com
 経済企画庁は19日、景気は1999年4月に底入れし、その後は回復局面に入ったと認定した。今回の不況は、97年4月の消費税率引き上げに端を発し、金融危機なども経て25カ月に及び、戦後3番目の長さとなった。足元では、設備投資など企業活動では回復の兆しがはっきりしてきたが、国民の景気の実感に直結する消費の足取りは依然弱い。こうしたなか、政府が正式に「底入れ」を宣言したことで、総選挙の行方にも微妙な影響を与えそうだ。

 経企庁は同日、調査局長の諮問委員会である景気動向指数研究会(座長=篠原三代平・東京国際大名誉教授)を開き、生産・消費・雇用などの経済指標をあわせた景気動向指数の動向などをもとに検討した結果、昨年4月が景気が後退局面から拡大局面に移行した「谷」の時期にあたると判定した。長さは、第2次石油危機後の世界同時不況(80年2月から36カ月)、平成バブル不況(91年2月から33カ月)に次ぐ。好不況を1つとする景気サイクルでも93年11月から66カ月となり、バブル景気、いざなぎ景気を含む景気循環に次ぐ長さとなった。

 研究会終了後に記者会見した篠原座長は「昨年4月を景気の谷とすることに委員全員が一致した。ただ、これは過去を振り返って判断したもので、将来に向けた景気回復宣言などとは受け取ってもらいたくない」と述べた。

 バブル崩壊以降、景気は93年10月を底にいったん盛り返したが、97年3月をピークに再び転落。大手金融機関の相次ぐ破たんに加え、アジアでも経済危機が発生。98年には平均株価も一時1万2000円台まで下落するなど、「デフレスパイラルの入り口」(堺屋太一・経企庁長官)という危機的状況に見まわれた。この間、戦後の混乱期を除いては初めて国内総生産(GDP)が2年連続のマイナス成長となった。

 その後、政府の相次ぐ景気対策に加え、いち早く回復したアジアへの輸出にも支えられて景気が底打ちした格好で、99年度後半からは情報技術(IT)関連投資を核とする民間の設備投資も動き出し、同年度の実質成長率は0.5%のプラス成長に転じた。

東京都内の小売店の3店に1店が廃業を予定

2000.06.19(19:51)asahi.com
 東京都内の小売店の3割以上が、後継者がいないため廃業を予定していることが、都が19日発表した今年度版の「都中小企業経営白書」でわかった。後継者が決まらず困っている店まで含めると、4割が廃業の瀬戸際にあることになる。経営者の高齢化も進んでおり、都は「身近な小売店が衰退すると、お年寄りをはじめ都民生活に大きな影響が出る」と危機感を強めている。

 調査は昨年7月から8月にかけ、都内の小売店1万5000店を対象とし、6015店から回答があった。

 後継者についての質問では、「廃業予定」が32.0%、「決まらずに困っている」が9.3%。廃業予定の割合が高いのは生鮮食品店(43.5%)や衣料品店(38.9%)で、規模別では、従業者数1―2人の店が50.2%と、特に高い。経営者の平均年齢は61.3歳に達している。

 都内の商店街の空き店舗比率は現在は3.6%だが、都は今後急速に増えると見て、第三者に事業を譲ったり店舗を貸したりするシステムを早急に整える必要があるとしている。

日本ビルプロヂェクトが民事再生手続きを申請

2000.06.19(21:49)asahi.com
 不動産賃貸・売買業の「日本ビルプロヂェクト」(非上場、本社・東京都港区六本木、田中良明社長)が、東京地裁に民事再生法の手続き開始を15日に申請し、倒産したことが19日、明らかになった。同社によると、負債総額は約5600億円にのぼる。民間の信用調査会社・帝国データバンクなどによると、負債総額の規模では今年2番目の大型倒産で、民事再生法の開始申請では最大規模になる。

 1969年、ビル建設に関する企画コンサルタント会社として設立。グループ会社を通じてゴルフ場やホテル、レストランなどを運営していた。バブル経済期には銀行からの借り入れを増やして不動産の購入を積極化させたが、バブル崩壊で一気に経営不振に陥った。

 98年に経営破たんした日本長期信用銀行が主取引先(メーンバンク)だったが、長銀の破たんにともない、長銀の融資分の債権は整理回収機構に買い取られた。これをきっかけに、融資を受けていたほかの金融機関も債権を共同債権買取機構に移すなどしたため新たな借り入れが困難となり、資金繰りに苦しんでいた。

 今年の倒産では、5月に会社更生法の適用申請をした信販会社大手のライフ(負債総額9663億円)に次ぐ規模になった。民事再生法は4月に施行されたが、これまで最大の申請はノンバンク大手、日貿信の負債総額2899億円だった。

準大手建設会社の連結決算出そろう 大幅な赤字続く

2000.06.19(19:50)asahi.com
 巨額の有利子負債を抱える準大手建設会社の2000年3月期連結決算が出そろった。各社とも連結会計制度の強化により、グループ会社に不良資産を分散させてきた従来の損失先送り型の決算処理ができなくなったため、巨額の損失処理に伴いほとんどの社が最終赤字となった。業績を下支えしてきた公共事業の拡大や住宅減税など政策の先行きが不透明ななか、不良資産の処理を今後も続ける必要があり、構造的な経営課題は数多く残されている。

 連結の最終赤字は熊谷組と東急建設は7期連続、佐藤工業が6期連続など赤字は慢性的だ。売上高が2割も減った熊谷組は連結有利子負債が膨らみ、約1兆500億円に達した。

 1999年3月期に債権放棄を受けたフジタ、佐藤工業、青木建設の3社のうち、青木建設は連結債務超過を脱却できず、フジタは利払い額が営業利益とほぼ同額で、債権放棄の恩恵が目に見える形になっていない。

 また、マンション建設最大手の長谷工コーポレーションが債権放棄に伴って計上できる債務免除益が約1900億円に達したが、連結債務超過額は約1300億円と倍増した。同社は今期、債務超過からの脱却が課題だが、低金利や住宅ブームなど外部環境が変わると、達成できない可能性がある。

 今年3月決算は、各社とも、従来は連結から外されていた事実上の子会社を連結対象にせざるを得なかったため、債務超過に陥っているなど業績不振の連結会社が急増して赤字幅を拡大させ、自己資本が減少した。グループ会社の整理を進めたフジタでさえ、連結子会社が一挙に10社から45社に達した。熊谷組はゴルフ場子会社など29社が加わり、61社になった。

 各社とも損失処理で自己資本が減っているが、抜本的な資本健全化策は、東京急行電鉄の子会社になっている東急建設を除くと各社とも具体化できていない。飛島建設とハザマは今期、損失を埋めるための減資を打ち出している。

    <再建中の主なゼネコンの連結決算>

       売上高         経常利益     純利益

 熊谷組  7990(▼20)    7(▼88)  ▼ 46

 フジタ  5407(▼10)   89(▼36)  ▼ 12

 ハザマ  4524(▼15)   90(197)  ▼198

 東急建設 4337(▼11)   49( ― )  ▼167

 佐藤工業 4291(▼ 6)   60( 16)  ▼158

 三井建設 4207(▼ 0)   67(119)  ▼ 22

 長谷工  3752(▼ 6)  ▼20( ― )   520

 飛島建設 3156(▼ 7)   48(▼29)  ▼221

 青木建設 2293(▼ 3)   41( ― )     3

 (単位は億円、カッコ内は前期比伸び率(%)、▼はマイナスまたは赤字、長谷工は長谷工コーポレーション。―は前年度も赤字などで比べられない)

倒産件数、7カ月連続で前年同月上回る

2000.06.14(20:00)asahi.com
 民間信用調査会社の帝国データバンクが14日発表した全国企業倒産集計(負債1000万円以上)によると、5月の倒産件数は前年同月比12.4%増の1528件で、7カ月連続で前年を上回った。前月比では2.2%減少した。負債総額は約1兆6763億円で、前年同月比で3.9%増え、5月としては戦後最悪を記録した。信販大手のライフ(負債9663億円)、第一ホテル(負債1152億円)など、大型倒産が相次いだことが影響した。

 業種別では、不動産業を除く6業種がすべて、件数が前年同月を上回った。とくに、運輸・通信業は61.4%増と、7カ月連続の2けた増加を記録。建設業(35.4%増)も、6カ月連続で3割を超す増加となった。

 信用保証協会の特別保証制度を利用した企業の倒産は328件で、前月比で3.8%、前年同月比では105.0%増と倍増した。制度が始まった1998年秋以降の利用企業倒産件数は計3556件、負債総額は計約1兆1995億円に達している。

輸出が3年ぶりプラスに 今年度貿易収支見通し

2000.06.05(20:39)asahi.com
 
 日本貿易会が5日発表した2000年度の貿易収支見通し(通関ベース)によると、輸出が前年度比2.6%増の49兆8040億円になった。日本製品の市場になっているアジアを中心に世界経済が順調に拡大を続け、情報技術(IT)関連が増えるためで、3年ぶりに前年度を上回る見通しだ。輸入も2年連続で増加し、貿易収支は黒字が縮小するとみている。

 輸出ではIT関連の半導体など電子部品が16.5%と大幅な伸びが予想される。輸入でも、パソコンなど事務用機器のほか、原油の国際価格上昇の影響で原油や液化天然ガス(LNG)といった燃料が2けた増の見込みで、日本の景気回復基調が続くこともあって、前年度比5.1%増の38兆3070億円とみられる。

 貿易収支は11兆4970億円の黒字だが、黒字幅は前年度比5%縮小する見通しだ。

経済的理由の高校中退増える 私立学校教組調査

2000.06.05(21:11) asahi.com
 親の失業や事業不振などの経済的理由で私立高校を中退する生徒が増えていることが、全国私立学校教職員組合連合の調査で明らかになった。

 今年3月に27都道府県、210校から回答を得た。調査によると、1999年度に経済的理由で退学した生徒は318人。1校当たり1.51人にのぼった。前年度の調査では、1.38人だった。同連合は、「退学理由を『家庭の事情』などとしている場合もあるため、実際にはもっと多いはずだ」と分析している。具体的な理由としては、父親の収入減、リストラ、家業の商売の不振などが多い。倒産で一家で行方不明になったケースもあった。

昨年度の税収、3年ぶりに予算額達成の見込み

2000.06.01 (19:36)asahi.com
 1999年度の国の一般会計税収は、3年ぶりに予算額を達成できる見込みとなった。今年5月の税収までが99年度分に含まれるが、大蔵省が1日発表した4月までの税収累計額は前年同月比7.0%減の39兆4000の386億円となり、99年度2次補正予算編成時の見込み額(前年度比7.6%減)をやや上回る水準だ。大蔵省は「この傾向のまま推移すれば、予算額確保が期待できる」としている。ただ、補正後予算額を達成しても税収は45兆6780億円で、2年続けて50兆円割れの低水準だ。

 4月でほぼ確定した所得税収は、15兆3240億円で、予算額を2570億円上回った。今後カギを握るのは、5月の納税額が年間の4割弱を占める法人税収。4月までの累計額は6兆1873億円と、前年同月比14.3%減で、2次補正時の見込み(前年度比14.2%減)とほぼ同水準だ。

 国の一般会計税収は、90年度の60兆1000億円をピークに、その後は低迷。98年度は49兆4319億円と、11年ぶりに50兆円を割った。

大手銀15行すべてが経常黒字 6年ぶり

10:41p.m. JST May 24, 2000 asahi.com
 都市銀行と信託銀行に日本興業銀行を加えた大手銀行15行の2000年3月期決算(4月合併の中央三井信託銀行は中央、三井の別個の決算)が24日、出そろった。全行が経常赤字だった前期とは一転、94年3月期以来6年ぶりの全行黒字決算になった。

 金融再生法に基づく不良債権の総額は前期よりも2兆9000億円弱減ったが、なお17兆2254億円ある。不良債権処理額は4兆2744億円(一般貸し倒れ引当金繰入額を除く)だった。前期に比べ半減したものの、本業のもうけを示す業務純益だけでは処理できず、保有株式を大量に売却して得た利益も使って、経常黒字を確保した。

 各行は、2001年3月期の不良債権処理額は計1兆6000億円程度ですむとの見通しを示した。

 前期も各行は、金融監督庁の一斉検査による厳格な不良債権の認定を経て、公的資金の注入を受けたことで、「処理はおおむね終了した」と説明していた。当初は2000年3月期決算での処理額を計1兆4000億円強としていたが、実際はその3倍に膨らんだ。2001年3月期決算でも、景気低迷や地価下落が止まらなければ、見通しを大きく上回る高水準の処理になる可能性がある。

 大手行の大半は、本業のもうけを示す業務純益が増えた。公的資金注入を機に加速させた経費削減の効果と、超低金利の影響で貸出金利と資金調達金利(預金金利など)の差である利ざやが拡大したためだ。

 だが、不良債権処理額が業務純益を上回る規模になったため、含み益のある保有株式の売却益を処理の原資にした。株式売却益は15行全体で、業務純益の総額とほぼ同額の3兆2799億円で、前期と比べ大幅に増えた。

4月の貿易黒字、2カ月ぶり増加

9:50p.m. JST May 24, 2000 asahi,com
 大蔵省が24日発表した4月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を引いた貿易黒字額は前年同月比10.3%増の1兆1439億円で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。輸出入とも6カ月連続で増加したが、輸出の伸びが輸入の伸びを上回った。貿易黒字は今年2月に11カ月ぶりに増加に転じた後、増減を繰り返している。

 輸出額は4兆3766億円で、前年同月より8.8%増えた。電子部品が21.6%増、自動車が7.7%増だった。輸入額も3兆2328億円と、前年より8.2%増えた。価格が高止まりしている原油・粗油が68.5%増えた。

 対米の貿易黒字は7253億円と前年より26.2%多く、3カ月連続で増加した。自動車の輸出が約18万6500台と、1992年10月以来の高い水準を記録するなど好調で、対米輸出額全体も3カ月連続で増加した。

ITがGDPを4.21%押し上げ 経企庁試算

7:34p.m. JST May 23, 2000 asahi.com
 経済企画庁は、企業の設備投資をけん引している情報技術(IT)による生産性向上が米国並みに進めば、2004年までの5年間で国内総生産(GDP)を2.08%押し上げ、間接的な効果を含めれば効果は4.21%にふくらむとの試算をまとめた。少子高齢化によって労働力人口は2005年をピークに減少すると見られているが、ITによる生産性向上で人口減によるマイナスを相当程度カバーできるとしている。

 独自のマクロモデルを使った試算によると、電子・通信機器などIT機器製造部門で、90年代後半の米国並みに生産性が向上すると、5年間でGDPを0.62%、さらにほかの産業でITを利用した電子商取引を導入することで1.45%、それぞれGDPを押し上げる。こうした生産性の向上による間接効果まで考慮すると、長期的には直接効果を倍増させる押し上げ効果が期待できるとしている。

 一方、技術進歩による生産性向上が見られない場合は、労働人口の減少や労働時間の短縮などによって2005年から2020年にかけてGDPが6.7%減少するとしている。

チッソ、3月期単独決算で2年ぶり増益に

7:26p.m. JST May 23, 2000 asahi.com
 チッソ(本社・東京)が23日発表した2000年3月期の単独決算は化学・繊維製品の需要低迷で売上高が2.4%減の1404億円に落ち込んだが、経常利益はコスト削減効果で8.9%増の40億円と2年ぶりに増益になった。

 水俣病の補償や公害防止事業費の負担だけで63億円の特別損失を計上したが、国や金融機関などの債務免除に伴う特別利益635億円で補い、当期損益は586億円の黒字になった。当期黒字は29年ぶり。

今後1年間の生活不安度指数、なお極めて悪い水準

7:08p.m. JST May 22, 2000 asahi.com
 経済企画庁の外郭団体、日本リサーチ総合研究所が22日発表した4月の消費者心理調査によると、今後1年間の暮らし向きの見通しを示す生活不安度指数は130と、前回2月調査に比べて1ポイント改善(指数は下落)したものの、極めて悪い水準にとどまった。平均株価が年初来高値を更新したことなどから、国内景気の見通しはやや改善したものの、失業と収入の先行き見通しが改善しなかったためで、同研究所は「消費者心理回復には、影響が最も大きい収入と雇用の見通し改善が不可欠」としている。

クラレ、レーヨン撤退

2000年5月22日 19時23分共同
 合繊大手のクラレは22日、72年間続けてきたレーヨン事業から撤退することを決めた。来年3月に玉島工場(岡山県倉敷市)の生産設備を停止し、来年秋までに販売もやめる。レーヨン事業の赤字が続き将来も収益の改善が見込めないため。同事業部門の従業員約200人の雇用は、グループ内で吸収する。松尾博人社長は「レーヨン事業は当社の原点で、長い歴史に幕を下ろすのは残念」と述べた。

信販大手のライフが倒産、負債総額は9663億円

10:00p.m. JST May 19, 2000 asahi.com
 信販会社大手のライフ(本社・広島市、妻鹿徹社長)は19日、東京地裁に会社更生法の適用を申請、同地裁は申し立てを受理、同社は倒産した。今年3月時点での負債総額は9663億円に上る。民間の信用調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は史上4番目。バブル期に不動産など事業向け融資を増やし、多額の不良債権を抱え経営が行き詰まった。営業は今後も継続し、同社発行のクレジット・カードはこれまで通り使える。また、クレジット・カードや信販事業の債務は引き続き、加盟店や提携カード会社などに支払われる。

 同社は昨年11月に世界最大のノンバンク、GEキャピタルに第三者割当増資の形で出資を仰ぎ、再建を目指していた。しかし、今年3月をめどに進めていた増資計画が実現せず、再建が困難になった。発表によると、2000年3月期の債務超過額は968億円になった。

 また、同社のメインバンクの日本長期信用銀行が98年に破たん、一時国有化された後、取引金融機関が貸付金の回収を進めたことなどから経営が急速に悪化した。

 同社はクレジットカードの発行など信販事業が本業で、最近は無担保ローンにも力を入れた。しかし、バブル期に取引金融機関からの紹介融資などの形で拡大した事業向け融資事業の不良債権処理が重荷になった。本業のクレジットカード事業は銀行系カードや流通系カードとの競争が激しくなっていることもあり、多額の不良債権を抱えながらの経営再建は極めて厳しい情勢となっていた。

 ライフによると、会社更生法による再建について、長銀は資金面や人的な支援、協力を約束しているという。長銀も同日夜、「事業管財人選定への協力も含め、事業再建全般について最大限の協力をする」とするコメントを発表した。

 ライフは1952年設立の信販会社。信販業界6位で、従業員は2600人

電機大手9社決算、5社が黒字転換に

10:48p.m. JST May 18, 2000 asahi.com
 電機大手9社の2000年3月期決算が18日までに発表されたが、東芝を除く8社が当期黒字となった。昨年3月期は半導体不振などの影響で6社が当期赤字だったが、日立製作所やNEC、三菱電機、三洋電機など5社が黒字転換を果たした。情報技術(IT)化による追い風を受けて、電機大手は業績の回復傾向が鮮明になりつつある一方、年金の「隠れ債務」の処理が本格化しており、利益面では業績にばらつきが出ている。

 携帯電話やパソコンの売れ行きが絶好調で、半導体や液晶の一部は品薄の状態が続き「IT特需」にわいている。半導体市況の回復やリストラ効果が出て、半導体大手のNEC、日立、富士通、三菱の4社は黒字に転換している。また、東芝やシャープは過去最高の売上高を記録した。

 唯一の赤字だった東芝は、米国でのパソコンの不具合を巡る訴訟の和解費用や、年金の積み立て不足の処理が利益を大きく圧迫した。急激な円高の影響により、松下電器産業やソニーは本業の稼ぎを示す営業利益が減益となった。

4月の倒産、1500件超す

7:33p.m. JST May 17, 2000 asahi.com
 民間信用調査会社の帝国データバンクは17日、4月の企業倒産(負債1000万円以上)集計を発表した。倒産件数は1562件で前年同月比34.0%増と大幅に増え、4月としては戦後6番目の水準だった。負債総額は9459億円で、前年同月比2.0%減だったが、4月としては戦後3番目の高水準だった。

 業種別でみると、建設業が全体の31%にあたる484件(前年同月比47.6%増)と最も多く、次いで卸売業278件(同36.3%増)、製造業264件(同32.7%増)、小売業256件(同28.6%増)だった。

 従来の和議法に比べて企業の再建をしやすくした新しい倒産法「民事再生法」が4月から施行されたが、4月の申立件数は66件(3月までに倒産し、その後民事再生法に切り替えた11件を含む)だった。5月も17日までの判明分が20件にのぼる。帝国データバンクは「手続きが早く使い勝手がいいので、今後も増えるはずだ」とみている。

夏の民間ボーナス、3年ぶり増加へ

8:53p.m. JST May 10, 2000 asahi.com
 民間企業1人あたりの平均支給額は、前年比0.6%増の約46万2000円で、夏のボーナスとしては3年ぶりに前年水準を上回る見込み――あさひ銀総合研究所が10日、今夏のボーナス支給予測を発表した。

 ただ、企業の雇用調整などを背景に、支給対象人数は減少し、このため民間企業のボーナス支給総額は、前年比0.8%減の約17兆1000億円にとどまる見通しだ。

 官公庁の1人あたり平均支給額は、期末手当支給月数の引き下げなどを盛り込んだ昨年の人事院勧告を受けて、前年比5.6%減の約79万2000円となる見込み。この結果、官民合わせたボーナス支給総額は前年比1.7%減の約20兆5000億円で、3年連続の前年割れとなる見通しとなっている。

 予測は、企業収益や雇用情勢、春の賃上げ率などをもとに算出した推計値。同研究所では「夏のボーナスの経済全体へのプラス効果は限定的」とみている。

日本企業が77社に急増

2000年5月4日 11時21分【ロンドン共同】

 4日付の英経済紙フィナンシャル・タイムズが掲載した、2000年年初の株式時価総額に基づく企業ランキングによると、世界の上位500社に入った日本企業は77社と、株価の回復を受けて前回調査(1998年9月末時点)の46社から大きく増えた。

 1位は前回に続き米ソフトウエア最大手マイクロソフトの約5861億ドルで、米電機ゼネラル・エレクトリック(GE)が2位。

6月にも景気底入れを宣言 堺屋経企庁長官

1:11p.m. JST April 25, 2000
 堺屋太一・経済企画庁長官は25日の閣議後会見で、「景気の山谷を判断する景気動向指数研究会(座長・篠原三代平東京国際大名誉教授)の準備会合を5月中旬に開き、(議論を踏まえたうえで)6月以降に研究会を開きたい」と述べ、1997年3月を「山」として景気後退期に入っている日本経済について、6月中旬にも昨年春ごろを「谷」とする底入れを宣言する考えを明らかにした。
 転換点を判断する有力指標である景気動向指数のうち、現状を示す一致指数は2月調査で96年11月以来となる上限の100%となり、8カ月連続で景気判断の分かれ目となる50%を上回った。過去の景気後退期では、6カ月続けて50%超となった場合は回復局面に入ったとの判断が示されているが、消費など需要面を重視する国内総生産(GDP)は2期連続マイナスともたついている。
 判断に必要な経済指標が出そろうのは6月中旬以降だが、堺屋長官は「順調に回復する生産とGDPに代表される需要のかい離が大きい。『谷』の判定に慎重を期すために研究会の準備会を開く」としている。しかし、より慎重な見極めを求める声も根強く、判定の時期が衆院の解散・総選挙と重なることも予想されるとあって、憶測を呼びそうだ。

コンビニ急成長に影、4社の既存店売上高がマイナス

7:37p.m. JST April 21, 2000
コンビニエンスストア大手の2000年2月期決算が21日出そろった。同業者間の競争や、ドラッグストアなど低価格業態の急成長で、客1人当たりの売り上げが低迷し、4社の既存店売上高は前期を下回った。新規出店を含めた全店売上高は、いずれも増収となるなど、流通主要業態のなかでは全般に堅調な業績とはいえ、かつてのような急成長は影をひそめ、今後は1店ごとの質や収益力に戦略の軸が移っていきそうだ。
既存店売上高は、セブン―イレブンが、主力商品の弁当類や、ドリンク剤、化粧品が好調だったことから4期連続で前期比プラスだったが、他社は軒並み低迷した。ドラッグストアなどとの競合が強まり、日用雑貨類の売り上げに陰りが出ている。
業界内には「商品価格の引き下げなどで、経営環境がかなり厳しくなりそうだ」(大手コンビニ幹部)と、「順風時代」の終わりを実感する声が出ている。

アジア株、軒並み大幅下落 ソウル、取引一時停止

2:14p.m. JST April 17, 2000
 17日朝のアジアの株式市場は、各国で軒並み大幅下落を記録し、世界同時株安の様相を深めてきた。

 ソウル株式市場は、総合株価指数が最初の30分で先週末終値比11.3%(約90ポイント)も下がる史上最大の暴落を記録。自動取引停止制度が初めて発動され、一時取引が停止された。

 香港市場でも、ハンセン指数が、開始わずか15分で、7.2%も下落した。シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドの各株式市場でも大幅な下落を記録。各国市場とも、インターネットやハイテク、メディア関連株の下落が目立つ。

3月の卸売物価指数が25カ月ぶり前年より上昇

6:37p.m. JST April 10, 2000
 日本銀行が10日発表した3月の国内卸売物価指数(1995年平均=100)は96.1で、前月と変わらず、横ばいだった。前年同月比で見ると、0.1%上昇し、98年2月以来25カ月ぶりにプラスとなった。98年2月は、前年の消費税率アップの影響で上昇したため、実質的な物価上昇は、91年10月以来8年5カ月ぶり。原油高の影響で石油・石炭製品の価格が高騰したのが主な要因だ。

 1999年度平均の国内卸売物価指数は96.0で、前年度と比べ1.0%下落した。

桜とともに明るさ広がる

2000年4月8日 18時54分
 堺屋太一経済企画庁長官は8日、全国の中でも失業率が最高水準で推移するなど景気回復が遅れている大阪で関西財界首脳ら懇談した。
堺屋長官は「桜前線ではないが、明るい雰囲気が広がっている感じがする。商店街の人出が増えているのも良い傾向だ」と感想を述べた。経済情勢について「ほかの地域より明るいとは言えないが、追いついてきた感じはある」と指摘、回復傾向にあるとの認識を示した。

広告業3年ぶり2けた増

2000年4月7日 18時56分
 通産省が7日発表した2月の特定サービス産業動態統計調査速報によると、新聞、テレビ広告などの大幅増加により広告業の売上高が前年同月比13.6%増と、1997年3月以来の2けたの伸びとなった。

 広告業の増加は5カ月連続。このうちテレビ広告では、企業収益の改善傾向を反映し、中長期的な広告手段である番組スポンサー広告が伸びた。広告主は情報通信や金融が目立った。

2月の消費支出4.2%増、6カ月ぶりのプラス

6:42p.m. JST April 04, 2000
 総務庁が4日発表した2月の家計調査(速報)によると、全世帯の消費支出は1世帯あたり月額29万1470円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月を4.2%上回った。全世帯の消費支出がプラスになるのは6カ月ぶり。サラリーマン以外の世帯の消費支出が5.4%増と急伸した影響が大きい。だが、今年は日数調整などをした同月の消費水準指数は同1.0%増にとどまっており、相当程度底上げされているとみられる。リフォームなどの住居費、自動車購入や電話代などの交通・通信費が2けたの高い伸びとなった。前月比(季節調整済)は実質2.3%増と2カ月連続で上昇した。

長谷工グループの債権放棄、2回目の1468億円を実施

6:05p.m. JST April 03, 2000
 マンション建設最大手の長谷工コーポレーションは3日、取引金融機関から今年3月に債務免除1468億円を受けた、と発表した。これにより長谷工本体は、再建の焦点となっていた長谷工不動産、長谷工都市開発など関係4社に対し、1228億円の債権放棄を実施した。同社は大和銀行など取引金融機関から昨年5月に総額約3500億円の債務免除について同意を得て、昨年6月には441億円分の債務免除を受けた。

日銀短観について堺屋長官は自律的回復に自信示す

7:51p.m. JST April 03, 2000
 堺屋太一・経済企画庁長官は3日、臨時閣議後の記者会見で、同日発表された3月の日銀短観について「我々の見通しを裏付ける形で、改善の姿が見られる。3月の月例経済報告で示した『自律的な回復の動きが広がる』との景況判断をそのまま踏襲したい」と述べ、景気回復への確信を強める結果だと強調した。経企庁は、設備投資など企業活動に持ち直しの動きが広まっているとして、3月の月例判断を5カ月ぶりに上方修正したばかり。

外貨準備初の3000億ドル台

2000年4月3日 17時36分
 大蔵省が3日発表した3月末の外貨準備高は前月末比110億4500万ドル増の3055億1200万ドルと、初めて3000億ドルの大台を突破、4カ月連続で過去最高を更新した。

 円高を阻止するため、政府・日銀が3月8日と15日に外国為替市場で円売り・ドル買い介入を実施したことが主因。1月末時点での世界各国・地域別の外貨準備高の順位は、日本がユーロ圏を抑え4カ月連続で首位を守った。

個人景気認識、やや改善も引き締め強まる 電通調査

6:55p.m. JST March 27, 2000
 大手広告代理店の電通が27日発表した2月時点の「消費実感調査」によると、景気の現状が「良い」と答えた人の割合が6.9%と昨年12月に比べてわずかに増え、全体として低調ながらも、1997年8月以来の高い数字となった。今後の見通しについても、「良くなる」が少し増えており、判断理由として「株価の動き」をあげた人が最も多かった。ただし、「消費を引き締めている」人の割合は微増の傾向にあり、景気回復の認識とは裏腹に、低迷する消費の深刻さを浮き彫りにする形となった。

 調査は2月3日から13日にかけて行い、首都圏の18歳から74歳までの男女666人(学生を除く)から回答を得た。

 景気認識を尋ねた質問では、「良い」とした割合が6.9%で、「悪い」の77.8%を大幅に下回っているものの、昨年12月の4.6%に比べると改善した。また、今後の見通しについて「良くなる」と答えたのは27.0%で、昨年12月比で3.2ポイント増。理由を複数回答で尋ねたところ、4割以上の人が「株価」をあげ、次いで「マスコミ報道」「物やサービスの価格の動き」「自分の仕事の増減や業績」の順だった。

 一方、1年前に比べて「支出を引き締めている」と答えた人は全体の38.7%で、昨年10月の32.7%から増える傾向にある。収入の減少を理由にあげた人が最も多かった。

堺屋長官、景気ウォッチャーと初懇談 景気回復に自信

10:25p.m. JST March 25, 2000
 経済企画庁が「民間の声を景気観測に生かしたい」と依頼した「景気ウオッチャー」と堺屋太一経企庁長官との初の懇談会が25日、名古屋市で開かれた。ウオッチャーの自動車販売店員やスナック経営者らからは景気回復への動きを指摘する声が目立ち、景気への楽観論を展開してきた堺屋長官は「これで自信が持てた」と満足げだった。

 懇談にはウオッチャー9人と東海総合研究所の水谷研治理事長らが出席。「車の買い替えムードが出ている」(自動車販売店員)、「ゴールデンウイークの予約はすでに満杯になった」(旅行会社社員)、「現金払いが多いが、客の入りは増えている」(スナック経営者)といった発言が続いたという。「1人当たりの買い物額が減っている」(スーパー店長)という悲観論もあったが、堺屋長官は懇談後、「私が景気の自律的回復を指摘したのは間違いなかった」と述べた。

 景気ウオッチャーは全国で600人委嘱されている。2月に発表した1回目の調査で、東海地方のウオッチャーの景況感は良かった。「最初の懇談会を東海地方で開いたのは、いい話を聞きたかったからでは」との質問には、「調査の回答率や内容がしっかりしていたからだ」(堺屋長官)と、他意がないことを強調した。

 今後、他の地域でも懇談会を開く予定だ。

うるう年効果で百貨店が2カ月連続のプラス 2月売上高

6:26p.m. JST March 24, 2000
 日本百貨店協会と日本チェーンストア協会が24日発表した2月の売上高は、うるう年で営業日数が1日多かったことなどが影響し、百貨店が前年同月比2.0%増(店舗調整後)と、2カ月連続のプラスだった。だが、スーパーは0.9%減(同)と15カ月連続の前年割れで、5.8%減だった1月よりマイナス幅は縮小したが、買い控えの状況は変わっていない。

 百貨店は女性客向けの商品が全般的に好調で、全体の伸びを引っ張る傾向にある。紳士服は3.5%減にもかかわらず、婦人服は3.8%増と1月よりもプラス幅が拡大。婦人靴やアクセサリーなどの身の回り品も4.2%増で、女性向け商品の割安感が高まっているためとみられる。また、絵画などの高額品の売り上げも伸びている、という。

 日本百貨店協会は「2カ月連続のプラスは、実に3年3カ月ぶり。3月もプラスが続けば、購買意欲の回復の兆しが出てきつつあるといえるのではないか」という。ただ、3月は天候不順の日が多かったため、プラス基調を維持していくのは難しい、としている。

 一方、スーパーは生鮮食料品や衣料品など全般的に売り上げが伸びず、消費不況が続いている。日本チェーンストア協会は「2月は好天の日が多く、来店客数は前年並みだが、客1人当たりの売り上げが落ちている。消費者の節約志向は変わっていない」という。

2000年度の電気機器生産額は4年連続減少の見通し

0:12p.m. JST March 20, 2000
 日本電機工業会のまとめによると、1999年度の国内の電気機器の生産額は前年度比6.6%減の5兆9300億円で、3年連続の生産額減少になる見通し。2000年度も民間の設備投資の冷え込みなどから厳しい状況が続き、99年度比2.9%減の5兆7600億円にとどまり、過去10年間で最低の水準になりそう。同工業会は本格的な回復は2001年度以降になるとしている。

 電気機器の生産額は、発電所や工場向けの重電機器とエアコンや冷蔵庫などの家電機器の生産額の合計。このうち、99年度の重電機器は、発電用の発電機が4年ぶりに生産減になるなど電力会社や民間企業の設備投資の冷え込みで、前年度比9.1%減の3兆5700億円にとどまった。家電機器は個人消費の落ち込みでエアコンの売れ行きが伸びなかったほか、小型冷蔵庫なども輸入品に押され、前年度比2.7%減の2兆3600億円になり、過去12年間で最低になった。

 2000年度の見通しは、重電機器が情報技術(IT)関連や半導体製造装置が伸びるが、そのほかの分野は伸び悩み、99年度比5.7%減の3兆3700億円に落ち込む。

中小企業向け特別保証制度を利用しても2582件が倒産

10:05p.m. JST March 18, 2000
 信用保証協会の特別保証制度を利用して融資を受けたものの倒産した企業(負債1000万円以上)が今年2月末までに少なくとも2582件にのぼることが、民間信用調査会社の帝国データバンクの調べで明らかになった。同時期の倒産件数全体の11.4%を占めた。利用後の倒産は昨年8月以降、7カ月連続して200件を上回る高水準が続いている。

 特別保証制度は、銀行の貸し渋り対策として政府が1998年10月から始めたもので、資金繰りに苦しむ中小企業に対し、信用保証協会が返済を保証して銀行などの融資を受けられやすくするもの。短期間の審査で、無担保での借り入れも可能だ。保証枠は当初、総額20兆円だったが、99年11月に30兆円まで拡大された。申込期限は2001年3月末。今年2月末までの利用総額は20兆362億円(117万2234件)。

 帝国データバンクの調査では、制度利用後の倒産が判明した2582件のうち、1070社の借り入れ当初額が分かった。その総額は296億5944万円にのぼり、一部は国が穴埋めしなければならない。制度を利用した時期が判明したもののうち、利用後半年以内に倒産したのは42.1%だった。

 倒産企業の業種別の内訳は、建設業が987件(全体の38.2%)と最も多く、製造業が508件(19.7%)、卸売業が478件(18.5%)と続く。

サラリーマン世帯は収入減っても貯蓄増

7:55p.m. JST March 14, 2000
 総務庁が14日発表した1999年の貯蓄動向調査(速報)によると、同年末のサラリーマン世帯の貯蓄額は1393万円で、前年同期に比べて3.3%増加した。年間収入は2.6%減っており、将来への不安などから、消費を削って貯蓄に回す切実な家計の姿が浮き彫りとなった。

 貯蓄は高額層が全体の平均を押し上げている。世帯数の3分の2が平均以下で、最も多かった回答は372万円と、前年よりも28万円減った。貯蓄商品別では定期制郵便貯金が3.5%減り、生保も1.1%減と28年ぶりのマイナスとなった。一方、株高を反映して、株式は49.5%増と6年ぶりの大幅増に転じたほか、株式投信も34.1%増と急伸。低金利下でより有利な運用を求めて株式市場に資金がシフトしているようだ。

 負債は10.2%増の633万円。景気対策としての優遇措置などを活用して、住宅ローンを借りる世帯が増えたとみられる。
サラリーマン以外の世帯を含む全世帯の平均貯蓄額は4.6%増の1738万円、負債は8.0%増の577万円だった。

3割が地価上昇を期待

2000年3月14日 17時07分
 大阪府内に住む人の3割近くが地価の値上がりを望んでいることが、三友システム不動産金融研究所(東京)が14日までにまとめた地価についての意識調査で分かった。今年1月に実施したもので、同時に行った東京での調査に比べ大阪では女性の間で値上がり願望が強く、同研究所は「(大阪の女性は)現実を見詰める意識が強いのではないか」とみている。

大型4件、負債総額1兆2千億円 2月の企業倒産

8:06p.m. JST March 14, 2000
 民間の信用調査会社、帝国データバンクが14日発表した2月の全国企業倒産集計(負債総額1000万円以上)によると、月間の負債総額は1兆2073億円(前年同月比48.4%増)に達し、2月としては過去最悪の数字となった。東証1部上場の中堅スーパー長崎屋など1000億円を超える大型倒産が4件発生したことが響いた。倒産件数も中小企業救済を目的とした信用保証協会の特別保証制度の効果が薄れてきたこともあり、1443件と(前年同月比51.1%増)と高い水準のままだ。

 2月は長崎屋が3039億円の負債を抱え倒産。合わせて関連の不動産会社も1000億円以上の負債を抱え倒産した。また東証1部上場の中堅ディベロッパー、エルカクエイ(負債1351億円)が、業績不振で具体的な再建策が見いだせないまま倒産した。東証1部上場企業が1カ月の間に2社倒産するのは1997年7月以来となる。

 歌手の千昌夫氏が経営するアベインターナショナルベンチャーズコーポレーションも1034億円の負債を抱え倒産している。

 販売不振などを理由とした不況型倒産は3カ月連続で1000件を超え、依然高水準が続いている。帝国データバンクは「資金需要が高まる年度末を乗り切れない企業は多く、倒産はさらに増加する」としている。

99年度は9.1%の増益予想 野村金融研究所が見通し

8:50p.m. JST March 14, 2000
 野村証券金融研究所が14日まとめた、東証上場の主要企業(金融を除く)の企業収益見通しによると、1999年度の経常利益は前期比9.1%の増益予想で、前回調査(昨年12月)に比べると改善幅が2.3ポイント拡大した。収益見通しの上方修正は昨年6月以来、4・四半期連続になる。売上高は3.4%の減収予想で、前回調査に比べ0.2ポイントの下方修正となった。不採算部門からの撤退や人件費、設備投資の抑制など、企業のリストラ努力で収益体質が改善し、減収増益傾向が強まったと見ている。

 業種別では、情報通信部門への需要が急伸した電機・精密やリストラが進む電力・ガスなどが大幅な増益の予想で、全体の数字を押し上げた。鉄鋼や紙・パルプなどの素材型産業もアジアの景気回復や市況の改善で、増益幅を広げると見る。自動車や機械、造船・重機は、円高や設備投資の減退で減益や赤字を予想する。

 2000年度については「企業の合理化努力に、景気好転による売り上げ増が伴ってくる」(同研究所)と見て、売上高で1.4%、経常利益で12.5%の増収増益を予想している。

投資信託、2月の純資産総額がバブル期に迫る58兆円に

9:26p.m. JST March 11, 2000
 公社債投信を含めた投資信託の2月の純資産総額は、ピークだったバブル期の1989年12月の水準に迫る58兆2300億円に達した。昨年来の株式相場の上昇に引っ張られ、2月の株式投信の設定額は過去2番目の規模だった。3月の決算期末を控えて企業が決算対策で保有株を売る中、ゼロ金利で運用難の個人マネーが投信に形を変えて株式市場に流れ、相場を下支えしている面もある。

 証券投資信託協会が10日に発表した2月の月次概況によると、野村アセット・マネジメント投信の1兆円投信の設定などが手伝って、株式投信の設定額は前月の約2倍の2兆7300億円だった。解約や償還を差し引いた後の株式投信の純資産総額は17兆1630億円で、94年12月以来の水準。公社債投信は7兆1000億円が設定され、純資産総額は約41兆600億円だった。

 株式投信は大型化が進み、2月末で残高が1000億円を超えたものが25本ある。3月には24本が新たに設定され、設定予定額は1兆4000億円。野村アセットは1兆円ファンドの設定で、純資産ベースで大和証券投資信託委託を約2年ぶりに追い抜いた。日興アセットマネジメントの高橋暁社長も「残高2兆円の株式投信を年内に1兆円上積みする」と、規模を競う争いも激しくなっている。

「景気は確実に回復へ」設備投資下げ止まりで経企庁長官

7:10p.m. JST March 10, 2000
 堺屋太一・経済企画庁長官は10日の閣議後記者会見で、前日発表された昨年10月―12月期の法人企業統計で設備投資に下げ止まり傾向が見られたことについて「予想以上に早く良くなってきた」と述べ、「景気は確実に回復に向かいだした」との考えを強調した。

 13日に発表される同期の国内総生産(GDP)は2・四半期連続のマイナス成長が確実視されているが、「過去のケースをみても、2期連続のマイナス成長は必ずしも景気後退を意味しない。好調な生産に加え、設備投資(回復)の動きは大変心強く、これからの経済を占ううえで重要だ」との認識を示した。

景気一致指数が7カ月連続で50%超、回復宣言は見送り

7:47p.m. JST March 07, 2000
 経済企画庁が7日発表した今年1月の景気動向指数(速報値)によると、景気の現状を示す一致指数が87.5%となり、景気判断の分かれ目となる50%を7カ月連続で上回った。過去の景気後退期に一致指数が半年以上も50%超を続けながら「回復宣言」が出なかったケースはないが、経企庁は「消費関連の指標の水準がまだ低調で、もうしばらく動向を見定めたい」(調査局)としている。

 一致指数は景気動向を敏感に反映する生産、雇用、消費など11の経済指標について、3カ月前に比べて改善した指標の割合を示す。速報段階で判明した8指標のうち、生産指数が7カ月連続で改善するなど大口電力使用量を除くすべての指標がプラスだった。生産面に比べて回復が遅れている需要関連の指標でも、百貨店販売額、商業販売額指数が2カ月連続で改善した。

 ただ、経企庁は「商業ビルの着工増でオフィス家具が動き始めるなど生産の好調が一部需要に影響を与え始めている」とは認めつつ、個人消費や設備投資については慎重な姿勢を崩していない。

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