TOPIC No.2-12d 船舶事故

Index
1. 船舶事故, 2 実習船沈没事故/米原子力潜水艦衝突

185人死亡、324人救出 エジプト・フェリー沈没

平成18(2006)年02月04日 The Sankei Shimbun

 【カイロ=加納洋人】乗客乗員約千四百人が乗ったエジプト海運会社のフェリー「サラーム98」が紅海上で沈没した事故で、救助活動は四日未明(日本時間同日午前)も続けられ、AP通信によると、三百二十四人が救助された。同船の所有会社は四百人近くが救出されたとしている。ロイター通信によると、少なくとも百八十五人の遺体が収容されたが、約九百人が行方不明となっている。

 エジプトのムバラク大統領は三日、沈没原因の早急な調査を命じた。大統領報道官は同日、「船が急速に沈んだことや、救命ボートが十分に用意されていなかったことから、安全対策上の問題があった疑いがある」との見方を示した。

 また、ロイター通信は専門家の話として、同船は四十台以上の車両を積んでいたが、その積み込み口が開いた場合、急激に浸水する可能性があると伝えた。同様の原因によるフェリーの沈没事故は一九八七年にベルギー沖、九四年にバルト海で起きている。

 同船は七〇年に建造され、九八年に現在の海運会社が購入した。全長百十八メートル、幅二十四メートル。フランス通信(AFP)によると、もともと定員五百人の船だったが、デッキを付け足し、約千四百人乗りに改造していた。AP通信によると、イタリアの船舶登録機関は昨年、構造検査を行ったが問題はなかったという。

 同船には乗客千三百十人と乗員九十六人が乗船。サウジアラビア・ドゥバハ港を二日夜出港し、エジプト・サファーガ港に戻る途中、三日未明に救難信号を送ったのを最後に消息を絶った。

不明なお900人 家族ら募る不安

平成18(2006)年02月04日 The Sankei Shimbun

 エジプトのフェリー「サラーム98」の沈没事故で、救出された生存者約百四十人が四日未明、エジプト南部の観光地ハルガダに到着した。一方、フェリーの到着予定地だった南部サファーガ港には乗客の家族ら数百人が殺到、安否情報の不足により不安を募らせた。

 生存者はハルガダに到着した直後、病院に搬送された。AP通信によると、救出された男性は叫ぶように訴えた。「二十四時間、海上で放置された。ヘリコプターは上空で旋回しているだけだった。合図をしたのに無視されたようだ」。救出された人々は毛布にくるまっていたが、はだしで震えている人も多かった。

 一方、AFP通信などによると、サファーガ港には家族らが押しかけ、当局者らと押し問答になった。「だれも何も教えてくれない。もう耐えられない。生死だけでも教えてくれ」。クウェートに出稼ぎしている親族が乗船したという男性が声を荒らげる。乗船前にサウジアラビアにいた親族と電話で話したという男性も「状況を知るために港まで来たが、何も情報がない」と肩を落とす。

 この港はイスラム教の聖地・メッカを訪れる人々が利用することで知られ、「巡礼者の村」とも呼ばれているが、大惨事で聖地につながるイメージとはほど遠い混乱ぶりとなった。(カイロ 加納洋人)

船体傾き客室浸水、煙も… 韓国高速船事故、70人が帰国

2005/04/30 The Sankei Shimbun

 韓国・釜山沖で29日夕に衝突事故があった高速旅客船「コビー5号」の日本人乗客のうち約70人が30日正午すぎ、同船を所有する「未来高速」(本社・釜山)の別の便で福岡市の博多港に帰国し「客室が浸水し、煙も入ってきた」などと当時の状況を語った。

 ロビーに姿を現した乗客らは、いずれも疲れた様子。包帯を巻いた人の姿も見られた。

 友達と二人旅の福岡県久留米市の女性会社員(29)は「金属にぶつかったような衝撃で、船体が右に傾いた。客室の一部に海水が入ってきて乗員が外にかき出していた。前の方から煙がもくもくと出て船内に広がった」と振り返った。

 西南学院大文学部の中島和男教授(55)は「生きて帰れて良かった。講演などで韓国に行くので、よく高速船を利用しているがこんなことは初めてだ。衝突時はデッキにいて胸を打った。悲鳴がして物が散乱した。事故後、アナウンスがあまりなくて不安だった」。

 福岡県穂波町の看護婦、阿部文子さん(55)は「ぶつかった衝撃で首と肩を打った。痛みが取れないので病院に行きます。救助船を待っている間、揺れが激しくて死ぬかと思った」と顔をしかめた。

 コビー5号は29日夕、日本人96人を含む乗客乗員計約170人を乗せて釜山を出港。約80キロで航行中にクジラなどに衝突したとみられる。骨折した福岡市の男性(63)ら4人が入院した。

 自力航行できなくなったため、乗客は韓国海軍の船などに救出され、同日夜は釜山のホテルなどに宿泊した。(共同)


タンカーと漁船が衝突 瀬戸内海

2001.03.01 The Sankei Shimbun
 一日午前十時二十分ごろ、香川県大内町三本松港の北東約十二キロの瀬戸内海で、同町三本松一○九一ノ八、六車和一さん(61)の漁船文殊丸(四・九四トン)と神戸市垂水区小束山三丁目、顕谷裕弘さん所有のタンカー裕晴丸(七八トン)が衝突、文殊丸が転覆し、六車さんが海に投げ出された。

 六車さんは近くの別の漁船に救助されたが、顔に軽いけが。裕晴丸の乗組員二人にけがはなかった。漁船の燃料が若干流出した。

 高松海上保安部の調べでは、文殊丸の右舷中央に裕晴丸の船首が衝突したという。裕晴丸はA重油百五十キロリットルを岡山県の水島港から高知県の甲浦港に運ぶ途中。文殊丸は出漁途中だった。当時、濃霧注意報が出ていたが、視界は良好だったといい、同保安部は双方の見張りが不十分だったとみている。

秋田の漁業実習船、米の小型船舶救う ハワイ沖

2001.02.20(14:54)asahi.com
 ホノルルの米沿岸警備隊によると、19日午前10時半(日本時間20日午前5時半)ごろ、ハワイ島の南西約560キロの太平洋で、マストが倒れて漂流中の小型船舶グッドナイト・ムーンを、秋田県立海洋技術高校の漁業実習船・船川丸(川村清明船長、488トン)が見つけ、小型船舶に乗っていた米国やハワイの在住者ら4人を救助した。米原子力潜水艦が愛媛県の漁業実習船に衝突して、実習生ら9人が行方不明になっている事故(9日)のあとだけに、日本の海の男たちのお手柄が評判になっている。

 朝日新聞と電話で話した船川丸の乗組員によると、実習船には船員19人、教官2人、生徒20人が乗りこんでいる。マグロはえ縄漁などの実習生らで、今年1月13日に神奈川県の三崎港を出港した。救助の時は風速10メートル以上、波は6―7メートルで荒れていた。救助された4人は元気だという。

 グッドナイト・ムーンは全長約13メートル。ハワイに向かっていた。17日ごろ、高波と強風でマストが壊れた。エンジンも故障し、航行が不能になったため無線で救助を求めた。現場近くに航行中の船舶がなく、沿岸警備隊の呼びかけで船川丸が実習を中断し、救助に向かったという。救助には香川県立多度津水産高校の実習船香川丸(萱野修平船長、499トン)も向かった。

 荒れ気味の洋上で、グッドナイト・ムーンのバンダービーク船長らを乗り移らせ、食事やフロを提供した。同船長は「果敢な救助活動と手厚いもてなしを受けた。日本の海の男たちの気持ちに感激している」と話しているという。

大分県沖でタンカー浸水2001.02.16 The Sankei Shimbun

 大分海上保安部に十六日午前入った連絡によると、大分県姫島村の南南東約三キロの海上で、パナマ船籍のタンカー「TKC101」(一、四一一トン)=イ・テユル船長(韓国)ら十一人乗り組み=が浸水し、船体が傾斜した。沈没の恐れがあるため、同海保は巡視船艇九隻とヘリコプター二機、航空機二機などで救助に向かった。けが人は出ていない。

 同保安部によると、午前八時四十分ごろ、船の中央部にあるエンジン部分が故障したため、停船して修理を始めたところ浸水が始まった。浸水個所は分かっていない。また、油などの流出も今のところない。

 タンカーの乗組員は、船長を含む二人が韓国人で、九人がフィリピン人。アスファルト約千二百トンを積んで韓国南部の蔚山(ウルサン)から兵庫県の姫路港に向かう途中だった。

海域広げ不明者6人を捜索 底引き網漁船沈没

2001.02.12 The Sankei Shimbun
 福島県いわき市沖で、宮城県塩釜市の奥田漁業の底引き網漁船第50鹿島丸(六六トン、鈴木宏幸船長ら七人乗り組み)が沈没、一人死亡、六人が行方不明となった事故で、第二管区海上保安本部(塩釜)は十一日夜から徹夜で、依然行方が分かっていない乗組員六人の捜索を続けた。十二日早朝からは、海域を広げて捜索体制を強化した。

 これまでの捜索では、十一日未明に、第50鹿島丸の僚船が甲板員の阿部渚さん(21)=宮城県矢本町矢本下浦一九一=を海上で見つけ、病院に運んだが、死亡が確認された。また、救命胴衣などを回収したが、行方不明者の発見に直接つながるものは見つかっていない。

 同保安本部は十二日早朝から、巡視船四隻のほかヘリコプター二機、航空機二機を投入。海域も、前日より南側約二十八キロ、東側約九キロ拡大し捜索。現場海域では一○メートルの風が吹いているが視界は良く、捜索に支障はないという。

水産庁取締船と中国船が衝突

2001.02.11 The Sankei Shimbun
 厳原海上保安部に入った連絡によると、十一日午後七時五十分ごろ、長崎県・対馬の南西約百十キロの海上で、密漁船取締中の水産庁の取締船、東光丸(二、○七○トン)が中国漁船の遼大甘漁(一○○トン)と衝突、漁船の船員二人が海中に転落した。うち一人は救助されたもよう。東光丸などが残る一人の救助活動をしている。

 厳原海上保安部が巡視船艇計三隻を現場海域に派遣した。

福島県沖で宮城の漁船沈没 1人死亡、6人不明

2001.02.11(11:02)asahi.com
 10日午後10時35分ごろ、福島県いわき市の塩屋埼の東南東約57キロの太平洋上で、宮城県塩釜市の奥田漁業が所有する沖合底引き網漁船第50鹿島丸(66トン、鈴木宏幸船長)が沈没し、鈴木船長ら乗組員7人全員が行方不明となった。第2管区海上保安本部(塩釜市)によると、11日未明に現場付近で甲板員の阿部渚さん(21)=同県矢本町=を発見し、いわき市内の病院に搬送したが、死亡した。

 同船は当時、タラ漁の最中で、沈没する直前に僚船に「網を引き揚げる作業中に浸水した」との連絡があった。その前には「網が海底の岩にひっかかった」との連絡もあったという。現場付近の海域は北の風10メートル、波が2―3メートルで、視界は良かったという。

 僚船9隻や同本部の巡視船などが現場周辺の海域の捜索にあたり、第50鹿島丸と書かれた救命浮輪や救命胴衣などを発見。周辺には油のにおいが漂っているという。

 第50鹿島丸は、本拠地の同県女川町の女川漁港を10日午前2時半に出港。通常は毎日戻って水揚げしているが、今回の漁は連休をはさんでいたため12日まで操業し、同日夕に帰港する予定だった。

 行方不明者は、次の通り。(敬称略)

 鈴木宏幸(36)=宮城県河南町▽阿部源也(44)=同県石巻市▽佐藤松夫(59)=同▽阿部三男(50)=同▽秋山七郎(52)=同▽清水正男(52)=同県矢本町

新車335台が海のもくず/福岡沖で自動車運搬船沈没

2001.02.05 The Sankei Shimbun
 五日午前六時すぎ、福岡市沖の玄界島灯台から北北東十三キロの海上で、本田技研工業の新車三百三十五台を積んだ広島市南区の海運会社「たをの海運」(峠野広文社長)の自動車運搬船「新日洋丸」(渋谷造酒緒船長、一、五七三トン)が浅瀬に乗り上げ沈没した。

 福岡海上保安部によると、船長ら乗員八人は救命いかだで脱出し、同七時ごろ、同保安部の巡視船に救出され全員無事。運搬船は三日午後、三重県鈴鹿市の本田技研工業鈴鹿製作所で製造した新車を同県四日市港で積み込み、博多港に向けて航行中だった。

 沈没場所の海域には、同船の燃料用重油百三十キロリットルの一部が、長さ約二キロ、幅二百メートルにわたって帯状に漏れ出した。このため同海保の巡視船などは、同海域で油処理剤を散布している。

マグロ漁船火災で1人重傷 高知・室戸岬沖

2001.02.04 The Sankei Shimbun
 四日午前八時五十分ごろ、高知県の室戸岬沖約百四十キロの海上で、甲浦漁協所属のマグロはえ縄漁船、幸丸=一八トン、森下幹夫船長(49)ら六人乗り組み=の機関室から出火したとの通報が、僚船を通じ第五管区海上保安本部(神戸)に入った。

 同日午前十時三十五分ごろ、僚船が六人全員を救助したが、乗組員一人がやけどで重傷を負っているという。高知海上保安部の巡視船などが現場に救助に向かっており、負傷者をヘリコプターで搬送する予定。

海上自衛艦が漁船と衝突 沖縄沖

2001.02.04 The Sankei Shimbun
 第十一管区海上保安本部(那覇)に四日入った連絡によると、沖縄本島の南約百十キロの沖合で同日午前四時二十分ごろ、海上自衛隊横須賀海洋業務群所属の音響測定艦「はりま」(二、八五○トン、三十六人乗り組み)が、那覇地区漁業協同組合所属のマグロはえ縄漁船、第11比慶丸(九・一トン、二人乗り組み)と衝突した。けが人はなかった。

 調べでは、衝突により比慶丸の船首部に直径約五十センチの穴があいたが、航行に支障はなく自力で航行している。「はりま」には損傷がなかった。

 比慶丸は四日夕にも那覇港に入港。「はりま」は五日朝、沖縄県勝連町のホワイトビーチに入港する予定。同保安本部は両船が入港し次第、関係者を事情聴取する。

乗組員4人を遺体で発見、新潟沖漁船転覆事故

2001.01.31(22:33)asahi.com
 新潟県の佐渡沖合で操業していた同市漁業協同組合所属の底引き網漁船「第7大福丸」(約15トン)が転覆して乗組員5人が行方不明になった事故で、新潟海上保安部は31日午後1時半すぎ、同船が漂着した同市松浜の防波堤近くで乗組員の鈴木雄三さん(53)=新潟県村上市岩船岸見寺町=の遺体を見つけ、同夜さらに船内で渡辺敏夫さん(50)=同県巻町巻甲=、島田平雄さん(61)=同県村上市岩船縦新町=、山楯力也さん(32)=山形県鶴岡市下川=の遺体を発見した。船長の新潟市柳島町2丁目、渡辺文幸さん(49)の行方がわからず、保安部は巡視船で現場海域の捜索を続けている。

船沈没で22人が死亡・不明/黒海でウクライナ船

2001.01.29【モスクワ29日=共同】The Sankei Shimbun
 二十九日のインタファクス通信によると、ウクライナ南部クリミア半島沖の黒海で、五十一人乗りのウクライナ船が二十八日沈没、同国の海難救助当局によると、これまでに八人の遺体を発見、十四人が行方不明となっている。残る二十九人は全員救助された。

 沈没した船は乗客二十六人、乗員二十五人で、トルコのイスタンブールから同半島西部のエブパトリヤに向かっていた。ウクライナ当局が救助活動を行うとともに、事故原因を調べている。

タンカーでガス発生 乗組員3人が倒れる 千葉

2001.01.24(22:38)asahi.com
 24日午後7時半ごろ、千葉市沖合で停泊していた西本海運(愛媛県北条市)所有のケミカルタンカー「ニュー葛城」(498トン、西本勝美船長ら6人乗り組み)の乗組員から「船首ポンプ室に入った乗組員3人がガスで倒れた」と緊急通報があった。

 千葉海上保安部の調べでは、倒れた3人のうち1人は、意識不明の重体。薬品を使って船首ポンプ室でタンクの清掃をしていたという。巡視艇や特殊救難隊などが救助にあたっている。

 ニュー葛城は茨城県鹿嶋市で化学液体の積み荷を下ろしたあと、千葉港に向かった。

ガラパゴス諸島で石油流出 小型タンカー座礁

2001.01.21【リオデジャネイロ20日=共同】The Sankei Shimbun
 エクアドルからの報道によると、ガラパゴス諸島のサンクリストバル島沖合で十六日、エクアドルの小型タンカーが座礁、石油の流出が二十日から目立ち始め、アザラシなどの生息地に被害が出ている。

 小型タンカーは軽油と重油を同諸島に輸送中、操縦ミスから座礁し、機械室の配管が破損、流出が始まったという。

 船会社や海軍、ガラパゴス国立公園の研究者らが、被害拡大を防ぐためにオイルフェンスを海上に設置、アザラシやカメ、鳥類の保護に当たっている。

 米国の沿岸警備隊の救援隊が二十一日、現場に到着するという。

すわ海賊?通報の漁船に襲撃の事実なし 三陸沖

2001.01.13(20:46)asahi.com
 13日午前7時半ごろ、岩手県釜石市の東約270キロの太平洋上を航行していた青森県八戸市の八戸漁協所属のイカ釣り漁船第35喜久丸(138トン、畑中幸男船長ら7人乗り組み)から、「国籍不明の船に横付けされ、短銃で襲われて乗組員がその船に乗せられている」と八戸海上保安部に通報があった。その後、喜久丸は無線連絡を絶ったが、同日午後6時半ごろ、第二管区海上保安本部(宮城県塩釜市)の無線の呼びかけに「襲われた事実はない」「乗組員は全員無事」と応答してきた。二管本部は通報の経緯や乗組員の状況などについて調べている。

 同本部によると、喜久丸は「約10人が乗り込んできた。短銃を上に向けて1発発射した」などと通報してきた。このため同本部は襲撃事件とみて巡視船7隻と航空機2機を現場に派遣。航空機は同日午前10時ごろ、宮城県・金華山の東北東約360キロで、午後4時ごろには同約320キロの海上でそれぞれ喜久丸を発見したが、甲板に人影は見えず、無線の呼びかけにも答えなかったという。

 巡視船が午後6時ごろ現場海域に着いたが、波が高く、喜久丸に乗り移れないことから天候の回復を待って、船長らから直接事情を聴くことにしている。喜久丸は6日に八戸港を出港、現場付近の海域で操業していたという。

   ◇

 第35喜久丸を所有する八戸市の水産会社「ヤマヨ」の倉島広巳社長は「最初の無線連絡以降、連絡が取れずに気が気でなかった。全員無事と聞いて安心している。なぜこのようなことが起きたのか、思い当たるところはない。船員もみなベテランばかり。海保からの情報もほとんどなく、八戸に船が着いてから確認したい」と話している。

強風にあおられ中型タンカー座礁

2001.01.08 The Sankei Shimbun
 八日午前九時四十五分ごろ、千葉県木更津市の沖約一キロで、東亜汽船(山口県上関町)の中型タンカー、第8東亜丸(四九八トン、金谷勝臣船長ら六人乗り組み)が強風にあおられ浅瀬に座礁した。乗組員にけがはないという。千葉海上保安部の巡視船が救助に向かった。

 調べでは、第8東亜丸は座礁時には何も積んでおらず、同日午前、同県袖ケ浦市で化学薬品を積み込む予定だった。入港の時間調整のため、いかりを下ろして停泊していたところ、強風で流された。

5人を救助、8人は死亡か 高知沖貨物船沈没

2001.01.08 The Sankei Shimbun
 高知県沖の太平洋で七日夜にパナマ船籍の貨物船ホワイトコーワ=三、五六一トン、錦戸重範船長(61)ら十四人乗り組み=が消息を絶った事故で、高知海上保安部の巡視船などが八日夕までに、フィリピン人船員五人を救助したほか、八人を収容した。

 うち錦戸船長=愛媛県今治市近見町二ノ四ノ二三=を含む四人の死亡が確認され、古戸豊機関長(53)=同市石井町一ノ一○ノ一=ら四人も死亡しているもよう。

 同保安部などは残る一人の捜索に全力を挙げるとともに、収容された乗組員の身元の確認を急いでいる。

 救助された船員の話によると、ホワイトコーワは突然高波を受けて荷崩れを起こし、七日午後九時半ごろ、沈没したという。

 救助された五人のうち、三人は高知市内の病院に運ばれ、治療を受けたが、打撲などの軽傷。二人は巡視船で高知港に向かっており、到着は八日深夜になる予定。

 救助された船員は、現場海域付近をゴムボートなどで漂流していたところを、巡視船や海上自衛隊のヘリコプターなどが発見した。

 ホワイトコーワは一九九一年三月の建造で、愛媛県波方町の「ホワイトライン」が所有し、同町の「白洋ライン」が運航。錦戸船長ら日本人二人とフィリピン人十二人が乗り組み、主に東南アジアから日本への鉱石運搬に従事していた。

高知・室戸沖で貨物船沈没 乗組員5人救助、2遺体収容

2001.01.08(09:51)asahi.com
 7日午後8時50分ごろ、高知県室戸市の室戸岬の南東約37キロ沖付近を航行していたパナマ船籍の貨物船「ホワイト コーワ」(3561トン、錦戸重範船長ら14人乗り組み)から「船が傾いている」との連絡に続いて遭難信号が高知海上保安部に入った。高知海上保安部などの巡視船やヘリコプターなどが出動し、現場周辺海域を捜索している。8日午前9時までにフィリピン人の乗組員5人を救助し、2体以上の遺体を収容した。救助した乗組員によると、貨物船は7日午後9時半ごろ沈没したという。

 高知海上保安部によると、同船は愛媛県波方町の会社の所有で、錦戸船長(61)と古戸豊機関長(53)の日本人2人、フィリピン人12人が乗り組んで、昨年12月26日にインドネシアのセレベスからニッケル鉱石などを積んで出港、三重県四日市市に向かって航行中だったという。

日本海沿岸の漂着注射器はカンボジアの遭難船の積み荷

2001.01.05 The Sankei Shimbun
 石川県や新潟県の日本海沿岸に漂着しているのが見つかった大量の使い捨て注射器は、昨年十二月、朝鮮半島沖で悪天候のため沈没したカンボジア船籍の貨物船「スカイプリマ」の積み荷だったことが、海上保安庁などの調べで五日分かった。

 貨物船の代理店はこれまで「荷は菓子だけ。注射器は無関係」としていたが、同庁が韓国の注射器製造会社などに問い合わせた結果、積載の事実を確認。五日になって代理店もようやく認めた。

 同庁のまとめで、五日までに回収されたのは、注射器が約一万四千四百本に上るほか、カセットコンロ用のガスボンベ約千五百二十本、菓子約十七万七千百個。さらに輸送用のコンテナ四個も漂着が確認されている。

 スカイプリマは韓国・釜山からロシア・ウラジオストクへ向かう途中、沈没した。積み荷は韓国からロシアへの輸出品だったとみられる。

日本海沿岸にチョコパイ7万5000個漂着

2000.12.30(13:21) asahi.com
 石川県の日本海沿岸にチョコパイが大量に漂着している。29日現在、約7万5000個が回収された。朝鮮半島の東海上で2日に沈没した貨物船のコンテナ42個から流れ出た韓国製品とみられる。

 能登半島先端の珠洲市から福井県境の加賀市までの一帯。新潟にも達している。コンテナそのものも3個漂着。第9管区海上保安本部(新潟市)は「回収されたのはまだ一部」という。

 日本海を真っ黒に覆った重油流出事故から来年1月で丸4年。沿岸では注射器約7900本やカセットボンベ約1100本も相次いで漂着、再び回収作業が続く。「これがズワイガニや寒ブリなら…」と関係者。

ロシアの貨物船から木材1200本流出 北海道松前町沖

2000.12.24(21:09)asahi.com
  24日午前4時5分ごろ、北海道渡島支庁松前町の渡島大島北西約16キロの海上で、ロシア船籍の貨物船ARAKS(1、374トン、21人乗り組み)から積み荷の北洋材(直径約30センチ、長さ約4メートル)約1200本が流出したとの連絡が24日午後、函館海上保安部に入った。

 同海保によると、同船は21日、ロシア沿海州のワニノから、北洋材約7700本を積み込んで、秋田県男鹿市の船川港に向けて出港したが、24日午前、海が大荒れのため積み荷が流出したという。乗組員にけが人はなく、同船は荒天を避けて、同午後4時半過ぎ、渡島支庁木古内町の沖合に避難した。

 第一管区海上保安本部は警報を出して現場海域を航行する船舶に注意を呼びかけ、天候の回復を待って巡視船2隻と航空機を現場海域に向かわせる。

漁船が転覆、1人死亡 御前崎

2000.12.20 The Sankei Shimbun
 二十日午前十時四十五分ごろ、静岡県御前崎町の御前崎の西約十八キロで、同県相良町の地頭方漁協所属の漁船寿松丸(六・四トン)が船首だけを海上に出して漂流、近くで船長の松井久次さん(63)=相良町=の遺体が見つかった。

 清水海上保安部は、寿松丸の船体が中央部分で大きく二つに割れていることから、別の船が寿松丸に衝突し、逃げた可能性が高いとして業務上過失致死の疑いで捜査。現場近くを航行していた船の割り出しを急いでいる。

 同保安部によると、松井さんはこの日未明、一人で寿松丸に乗ってトラフグの一本釣り漁に出た。現場近くで漁をしていた際、衝突したらしい。死因は水死とみられる。

 船尾部分は見つかっておらず、清水海上保安部が近くの海域を捜している。付近では浮きや竹ざおが散乱していた。

 静岡地方気象台によると、御前崎近くでは二十日午前、波の高さが約二メートルとやや高めだった。

奥尻島沖で石川のイカ釣り漁船が不明

2000.11.30 The Sankei Shimbun
 三十日午前九時四十五分ごろ、北海道・江差海上保安署に「奥尻島沖で操業中の僚船が入港しない」と連絡があった。

 函館海上保安部によると消息を絶ったのは石川県珠洲中央漁協所属のイカ釣り漁船第18明祥丸(一九・八五トン)。第一管区海上保安本部(小樽)のヘリなどが捜索したが、手掛かりはなく、夜間も巡視船二隻で捜索を続ける。同保安部や石川県によると、一日朝からヘリや、一緒に操業していた石川県の僚船四隻による捜索も再開される。

 同船には石川県珠洲市飯田町、船長明石和良さん(48)と、同市野々江町、甲板員亀田明男さん(43)の二人が乗り組んでいる。

 同船は奥尻島南側で操業していたが、三十日午前二時半ごろ僚船に「午前八時ごろ松前港に入港する」と連絡した。当時、海上はしけかけていたという。

明石海峡で貨物船衝突、一時浸水/油流出なく自力航行

2000.11.26 The Sankei Shimbun
 二十六日午前三時ごろ、兵庫県明石市沖の明石海峡で、貨物船宣鶴丸(一九九トン、菅原一史船長ら三人乗り組み)と中国船籍の貨物船タイチュン(一、五二八トン)が衝突、衝撃でタイチュンの機関室内の配水パイプが破損、一時浸水した。宣鶴丸も船首部分が破損したが、けが人や油の流出はなかった。いずれも自力航行可能という。

 神戸海上保安部の調べでは、宣鶴丸は岡山県倉敷市の水島港を出港して積み荷を大阪港に運ぶ途中、タイチュンは現場付近を西に航行中で、それぞれ船首付近がぶつかったらしい。

 同保安部が原因を調べている。

釜石沖でタンカーと漁船が衝突、ガソリン流出

2000.11.24(13:32)asahi.com
 24日午前3時45分ごろ、岩手県釜石市の沖合約10キロで、大西海運(本社・広島県豊町)所有のタンカー大盛丸(2999トン、坂口一弘船長ら9人乗り組み)の右舷ほぼ中央に、北海道根室市の漁船第35進洋丸(173トン、長野重己船長ら17人乗り組み)が衝突した。この事故で、タンカーの船体に直径2メートルほどの穴があき、ガソリン約500キロリットルが流出した。午前8時ごろ、漁船の乗組員が船首部の油タンクの残油を確認しようとしたところ、内部で爆発が起こり、火災が発生。釜石海上保安部の巡視艇がやけどをした乗組員5人を救出して、釜石市内の病院に運んだ。

 同保安部によると、タンカーは仙台市から北海道石狩港に向かう途中で、5つのタンクにガソリン計約4900キロリットルを積載していた。漁船は根室から宮城県女川港に向かう途中だった。2隻とも沈没の恐れはないという。

 同保安部は巡視艇など3隻を出動させるとともに、揮発したガソリンに引火する可能性もあるため、付近の船舶に近付かないよう注意を呼び掛けている。

タンカー沈没、重油流出/中国広東省、貨物船と衝突

2000.11.14【北京14日=共同】The Sankei Shimbun
 新華社電などによると、中国広東省の珠江河口で十四日未明、中国の小型タンカー徳航298(一五○トン、五人乗り組み)とノルウェー船籍の貨物船が衝突、徳航が沈没した。

 徳航の乗組員五人のうち三人は救助されたが、二人は行方不明。同船が積んでいた重油二百三十立方メートルが流出し始めた。ノルウェーの貨物船は化学薬品を積んでいたが、船体の損傷は小さく漏れはなかった。

 中国の海上保安当局は行方不明者を捜索する一方、流出した重油の除去を実施、珠江の川下の香港、マカオ、深●(●は土へんに川)に汚染に備えるよう通報した。

館山沖で貨物船衝突

2000.11.14The Sankei Shimbun
 十四日午前二時五十五分ごろ、千葉県館山市洲崎から南西約二十キロの太平洋上で、日本郵船(東京都千代田区)の貨物船尾上丸(一一六、○○○トン、三谷恵次船長ら二十二人乗り組み)と、宮崎県日向市の中谷海運所属の貨物船晴海丸(四九八トン、平井良一船長ら五人乗り組み)が衝突したと、第三管区海上保安本部(横浜)に通報が入った。

 下田海保の巡視船「するが」などが現場海上で事故原因などを調査。双方とも船首部を破損したが、自力航行は可能。尾上丸はオーストラリアから鉱石二十三万トンを積んで川崎港に向かい、晴海丸は愛知県衣浦港からトウモロコシ千百六十トンを積んで茨城県鹿島港に向かっていた。

有毒薬品のタンカー沈没 仏ノルマンディー沖

2000.10.31【パリ31日=共同】The Sankei Shimbun
 フランス北西部ノルマンディー地方のシェルブール海軍管区によると、同地方の沖合約三十五キロの大西洋で三十一日午前、約六千トンの有毒な化学薬品などを積んだイタリアのケミカルタンカー「イェボリサン」が沈没した。  薬品が漏れ出しているかどうかは不明だが、漏出すれば周辺海域への被害は甚大とみられ、沿岸自治体などが警戒態勢を敷いた。

 フランス北部は三十日から秒速四○メートルを超える暴風となり、航行不能となったレボリサンの救難信号を同日夕に受けた海軍のえい航船が港へえい航する作業中だった。

 積み荷の薬品のうち約四千トンはプラスチックの原料となるスチレンで、毒性が高く水に溶けないため、特に汚染が懸念されるという。

 フランス西部沖の大西洋では昨年十二月にもマルタの大型タンカーが沈没し、海岸に流れ着いた重油が約半年かけて除去されたばかり。

タンカー同士が衝突、重油流出 和歌山・梶取崎沖

2000.09.23 The Sankei Shimbun
 二十三日午前七時四十分ごろ、和歌山県太地町の梶取崎沖約七キロの太平洋で、愛媛県伯方町の野間喜八さん所有のタンカー、第8宝山丸(四九九トン、野間福男船長ら五人乗り組み)と、同県波方町の日和海運所属のタンカー、日菖丸(六九九トン、畠山一夫船長ら六人乗り組み)が衝突した。

 田辺海上保安部の調べでは、宝山丸の右舷中央部に日菖丸の船首が突っ込む形で衝突。けが人はなかったが、宝山丸から燃料用重油約十二キロリットルが漏れた。

 現場海域は当時、雨で波高二−四メートル、視界も約五百メートルと悪かった。重油は数キロにわたって帯状に広がり、同保安部の巡視船など八隻が防除作業に当たった。

 宝山丸は空船で東京港から和歌山県・下津港に向かう途中。日菖丸はガソリン二千キロリットルを、岡山県・水島港から名古屋港に運ぶ途中だった。

14人依然不明 北海道浦河町沖の漁船沈没事故

2000.09.11(23:31)asahi.com
 北海道浦河町の南約33キロ沖の海上で11日朝、18人乗りの沖合底引き網漁船第5龍宝(りゅうほう)丸(荻伏漁協所属、居壁弘幸船長、160トン)が沈没して14人が行方不明になった事故で、第1管区海上保安本部などは、第5龍宝丸が船尾から網を引き揚げた際に、魚の入った網が左舷側にずれて、船体が傾いたために転覆したとの見方を強めている。一方、捜索は付近の漁船約50隻も協力して夜になっても続けられた。

 同海保の調べなどによると、第5龍宝丸は船体中央部のウインチを使い、底引き網を船尾から引き揚げる作業をしていた。ところが、網を「スリップウエー」と呼ばれる船尾の網揚げスロープ(幅約2メートル、長さ約3メートル)を通し甲板に引き揚げた際、予想外の大漁でバランスがくずれ、網が船尾の左側の壁(甲板からの高さ約50センチ)を乗り越えて左舷側にずれ込んだ。このため船体が大きく傾き、同船は左にかじを切ったが、持ちこたえられず、浸水して転覆した可能性が高いと、同海保はみている。

 事故当時、乗組員のうち14人は甲板上で網の引き揚げ作業をしており、ほとんどの乗組員が海中に転落した。全員、救命胴衣は着けていなかった模様だ。僚船の乗組員らの話では、同船は船首を上にして、船尾から突き立つようにして沈んでいったらしい。

 救助されて病院に運ばれた3人=いずれも浦河町=のうち、藤巻喜代彦さん(47)は1週間程度の入院が必要だが、遠山裕司さん(32)と藤巻慎太郎さん(20)は数日以内で退院できるという。

 一方、沈没した龍宝丸が所属する荻伏漁協などは11日午後5時から、浦河港近くの町勤労青少年ホームで捜索状況の説明会を開いた。浦川春水組合長(65)らが「左舷から傾き転覆した。全員が海に投げ出された」「救出された乗組員の周りに人影はなかった」などと事故の様子を説明する間、家族らは沈痛の面もちを浮かべた。説明が終わると、立て続けに生存の可能性を問う声があがり、浦川組合長は「99%だめになった。でも、1%でも望みをかけて夜も底引き船に捜索に出てもらう」と繰り返した。それでも同じ質問は続き、同組合長が「気持ちは分かる。精いっぱい捜索を続ける」と両手で顔を覆ってしまう場面もあった。

 また、浦河町の海岸では、行方不明の乗組員の家族らが「迎え火」をたき、父や夫、知人の無事を祈った。「迎え火」は、不明者に陸の位置を知らせるものだという。

千葉県富津市の漁師の男を逮捕 羽田空港沖漁船襲撃事件

2000.07.29(21:37)asahi.com
 東京都大田区の羽田空港沖で漁船「武丸」がモーターボートに乗った男に襲われ、1人が重傷を負い、2人が行方不明になった事件で、東京海上保安部の捜査本部は29日、千葉県富津市萩生、漁業礒貝幸男容疑者(47)を、負傷した1人に対する傷害容疑で逮捕した。礒貝容疑者は、行方不明になっている船長の平野敏和さん(51)=富津市大堀=と漁を通じての知り合いで、平野さんに数百万円の借金があったという。調べに対し、礒貝容疑者は「平野さんから借金の返済を強く迫られ、海に突き落とすつもりで船に乗った。後のことはよく覚えていない」と供述しているという。

 今回の逮捕容疑では、礒貝容疑者は27日午後9時ごろ、羽田空港沖合でスズキ漁をしていた武丸にモーターボートを横付けして乗り込み、鮮魚商谷中呉郎さん(50)=富津市上飯野=の背中3カ所に切り出しナイフで切りつけ、重傷を負わせたとされる。

 この事件では、平野さんのほかに富津市大堀2丁目の中村良一さん(29)が行方不明になっている。捜査本部は、平野さんら2人は礒貝容疑者が海に突き落としたとみて調べている。

 礒貝容疑者は、谷中さんに切りつけ、平野さんを海に突き落としたことを認めているが、中村さんについては「気が動転していたので覚えていない」と供述しているという。

 礒貝容疑者は29日午後2時40分ごろ、東京都港区内のレストラン近くにいるところを、同保安部員に身柄を確保された。

 乗っていたモーターボートは、礒貝容疑者のつり仲間の会社役員(53)の所有で、事件当日の夕方、礒貝容疑者が「人に会うので船に乗せてくれ」と頼んだという。

漁船襲撃のモーターボート操船の男性から事情聴取

2000.07.28.(23:52)asahi.com
 東京都大田区の羽田空港沖の東京湾で、千葉県富津市の漁師ら3人が乗った漁船「武丸」がモーターボートで乗り付けた男に襲われたとみられる事件で、同区内に住む会社役員の男性(53)が28日午後、「モーターボートを操船していた」と大田区内の交番に届け出た。この男性は3人を襲った男とは別人とみられ、東京海上保安部の捜査本部で詳しい事情を聴いている。

 調べでは、男性は午後4時50分ごろ大田区内の交番を訪れ、「事件について事情を知っている」と届け出た。捜査本部で事情を聴いたところ、「自分は男を乗せてモーターボートを操船しただけ。漁船に横付けしたのは事実だが、襲ったのは私ではない」などと話しているという。

 漁船に乗っていて重傷を負った鮮魚商谷中呉郎さん(50)の話によると、27日午後8時半ごろ、刺し網でスズキ漁をしていた武丸に、白っぽいモーターボートが近づき横付けした。ボートには男2人が乗っており、船長の平野敏和さん(51)と顔見知りらしい1人が漁船に乗り移って網揚げの作業を手伝ったという。

 しばらくすると平野さんの姿が見えなくなり、男が谷中さんの背中から刃物で切りつけた。さらに、中村良一さん(29)を追いかけ、中村さんが海に落ちたのを見届けて、再びボートで離れたという。中村さんは襲われた際「呉郎さん、殺されるよ」と叫んだという。

ソロモン諸島でシージャック 乗員に邦人2人も

2000.07.27(01:33)asahi.com
 外務省に26日夜入った情報によると、南太平洋のソロモン諸島近海で、日本の「マルハ」(本社・東京)とソロモンの合弁会社「ソロモン大洋」の漁船が乗っ取られた模様だ。同日午後7時ごろ、船から会社に無線で連絡が入った。乗員は日本人2人とソロモン人35人の計37人とみられるが、安否は確認されていない。

 外務省によると、漁船はカツオの一本釣り漁船。26日夕方に漁船からソロモン大洋に連絡があったとき、船は首都があるガタルカナル島の北西付近の海域を、ガタルカナル島方向へ向かっていた。

 「船が乗っ取られた」との無線連絡があった後は、連絡は途絶えている模様だという。乗っ取ったのがだれかは不明だが、船に乗り込んだまま航行させていると見られる。

 ソロモンでは首都ホニアラで約2年前から、同島の住民と北のマライタ島から流入した住民との対立が激化し、殺害事件も起き、これまでに約60人が死亡したと言う。外務省はガダルカナル島に海外危険情報で「危険度5」(退避勧告)を出しており、現地の在ソロモン日本大使館は6月から一時引き揚げている。

 外務省邦人保護課などによると、暴動と船の乗っ取りが関係しているかどうかは不明だが、ソロモン諸島の海域でこれまで、り事件が起きたことはほとんどないという。

南鳥島沖で三重・長島のマグロ漁船沈没 乗組員9人救助

2000.07.26(22:10)asahi.com
 第3管区海上保安本部に入った連絡によると、26日午後零時15分ごろ、南鳥島沖南南東約460キロの太平洋で、三重県紀伊長島町の三重県長島町漁協所属のマグロはえ縄漁船第8勇勝丸(59トン、東弘行船長ら9人乗り組み)から海上保安庁に遭難信号が入った。

 同本部はジェット機を現場付近に派遣。午後5時すぎ、ゴムボートで漂流している乗組員を見つけた。現場の北約20キロの海上にいた漁船に救助を要請し、午後6時半すぎ、9人全員を救助した。全員無事という。

 同本部によると、乗組員は「昼前に船から火が出た。午後零時半ごろ退船し、船は午後4時ごろ沈んだ」と話しているという。

「海王丸」がNYで雄姿 米独立記念日行事で

2000.07.05(12:29) asahi.com
 運輸省の練習帆船・海王丸が、米独立記念日の4日、ニューヨークで開かれた世界帆船パレードに招待され、オランダやブラジルなど各国から参加した約120隻にまじって優雅な姿を見せた。

 長く「海の貴婦人」と親しまれた先代海王丸の現役引退を受け、1989年にデビュー。2年前には北九州市沖の周防灘で貨物船と接触事故を起こしたこともあったが、この日は4本マストを万国旗で飾り、クリントン米大統領を含む数十万人の見学者の視線を浴びた。

高知県沖で貨物船と衝突し漁船が転覆、船長死亡

2000.06.27(18:09)asahi.com
 27日午前4時15分ごろ、高知市の高知港から南へ約110キロの太平洋上で、高知県安芸市西浜の安芸漁協所属の一本釣り漁船清漁丸(9.29トン)と中国船籍の貨物船「JIN LONG SHAN」(2、733トン、リー・ウェイ・ニン船長ら乗組員17人)が衝突、清漁丸は転覆し、船長の浜田幹男さん(43)=高知県土佐清水市本町=と長男清司さん(19)の2人が行方不明になった。連絡を受けた高知海上保安部などが現場に巡視船「とさ」などを急行させ、船内から幹男さんの遺体を収容した。

 調べによると、浜田さん親子は27日午前零時半ごろ、キンメダイ漁のため清漁丸で土佐清水市の窪津漁港を出たという。貨物船は、川砂を積んで中国福建省の馬尾港から千葉県・木更津港へ向かっていたという。

タンカーと外国船が衝突 -関門海峡で事故相次ぐ -

2000.06.25 The Sankei shimbun
 第七管区海上保安本部(北九州)に入った連絡によると、二十五日午前四時五十分ごろ、北九州市小倉北区馬島の北西約一キロ沖の海上で、日本船籍のタンカー「第5宗和丸」(二、九九八トン、大西俊秀船長ら十一人乗り組み)とパナマ船籍の貨物船「オリエント・パール」(二、四九五トン、慈勤杰船長ら十三人乗り組み)が衝突し、貨物船が転覆した。

 貨物船の中国人乗組員は全員救命いかだで脱出し、同六時すぎに付近を航行中の漁船に救助された。けが人はなかったが、現場付近に幅三百メ−トル、長さ一キロにわたり流出した重油が点在し、同本部などが中和作業などを行っている。

 また、同五時半から六時半にかけ、山口県下関市六連島の沖合約九百メ−トルで、カンボジア船籍の貨物船「ヤナ」(三、○八六トン)と韓国船籍の貨物船「フェニックス」(一、七四八トン)が衝突したほか、北九州市戸畑区中原の沖合でもタグボートと小型船舶が衝突。いずれもけが人と油の流出などはなかった。

 七管本部が、それぞれの船の損傷などを確認するとともに、当時の状況について乗組員らから詳しく事情を聴いている。

 下関地方気象台によると、下関市沖合の関門海域には同五時四十分ごろ濃霧注意報が出されるなど、現場周辺の視界はよくなかったという。

 第五宗和丸は二十三日に富山県の伏木港を出航、山口県の徳山港に向かう途中、オリエント号はポリプロピレン約二千トンを積んで静岡県清水港に向かう途中だった。

しゅんせつ船のタンクで作業員2人が死亡 宮城

2000.06.11(19:15)asahi.com
 11日午前6時ごろ、宮城県七ケ浜町東宮浜の要害浜(ようがいはま)岸壁に接岸していた名古屋市熱田区の日昭海事=荒木昭博社長=所有のしゅんせつ船「富士」(1、500トン)の右舷船尾部にあるタンク内で、同船作業員の渡辺義孝さん(56)=名古屋市緑区大高町=と、八木塚男さん(65)=宮城県涌谷町中島=が倒れているのを、同船の船長が見つけ、119番通報した。2人は近くの病院に運ばれたが、死亡が確認された。

 宮城県警塩釜署などによると、タンクは船の浮力やバランスを調節する装置で、渡辺さんら2人は深さ約3メートルのタンクの底で倒れていたという。塩釜港でのしゅんせつを終えて接岸した際、船が傾いていたため、直径50―60センチのマンホール状の出入り口から入り、点検をしていた。

 消防の救急隊員が、2人を救助した直後にタンク内の空気を調べたところ、酸素が極端に少なくなっていたといい、塩釜署は酸欠状態になっていたとみて調べている。

奄美西海上でインド船籍のタンカー炎上 乗組員安否不明

2000.05.28(08:54) asahi.com
 第10管区海上保安本部に入った連絡によると、27日夜、奄美大島の西約560キロの海上で、インド船籍のタンカー、プラテバ・ヤムナ(26,450トン)が炎上した。タンカーには乗組員が34人いるが連絡は取れず、安否は不明。

 同海上保安本部によると、27日午後7時20分ごろ、同船から海上保安庁に遭難信号が入った。さらに約1時間後、付近の貨物船から「タンカーのポンプ室が爆発炎上した」との連絡があった。

 28日午前4時半ごろ巡視船が現場に到着し、後部の船橋前面が焼けて脱落し、船内から煙が出ているのを確認した。船上に人影は見あたらないほか、救命ボートは使用されていないと言う。

 乗組員は全員インド人で、積み荷はなく、タンカーはシンガポールから韓国に向かっていた。

船舶燃料の入札で談合の疑い 公取委が立ち入り検査

03:11a.m. JST April 15, 2000 asahi.com
 水産庁が発注する軽油や重油などの船舶燃料の入札をめぐり、石油製品の卸売業者ら十数社が全国の受注予定者や受注予定価格を事前に談合で決めていた疑いが強まったとして、公正取引委員会は14日までに、卸売業者の事務所や石油元売り業者の特約店など十数カ所を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。この検査は、業者らが東京都中央区内のビルの貸会議室に集まった会議のさなかに実施された。談合の疑いが持たれている会合の現場に公取委が立ち入るのは極めて異例だ。

 立ち入り検査を受けたのは、元売り特約店のユアサ商事(本社・東京都中央区)や卸売りの三愛石油(同・東京都品川区)など。各社は談合のために「二十日(はつか)会」と呼ばれる組織を作っていたとの情報もあり、公取委が調べている。

 関係者によると、各業者らは、水産庁が発注する重油や軽油などの石油製品の入札に先立って12日、東京都中央区内にあるビルの7階の貸会議室に集まり、受注予定業者や予定価格を決めていた疑いが持たれている。

 会議室には十数社の担当者ら20人以上が顔をそろえていたという。公取委の審査官は午前10時半すぎに会議室に入って審査官証を示し、容疑内容を告げて直ちに立ち入り検査を開始した。検査は各社の事務所などと同時刻に一斉に行われ、同日夜まで続けられた。

 談合に加わっていたとされる業者はいくつかの石油元売り業者のグループに所属している。このため、同じグループ内の業者が連続受注して、グループとしての累積実績を増やすことのないよう、過去の受注実績などに基づいた話し合いを進めて受注予定者の絞り込みを図っていたという。

 水産庁が今年度発注を予定している入札数量は、重油が2万キロリットルで、軽油が5000キロリットル。これらを数回に分け、水産庁本庁や全国各地の水産庁関連施設で一般競争入札によって入札する仕組みになっている。石油製品に関する1999年度の発注総額は約8億9000万円だった。

東京湾で保険金狙い?船沈没、船主ら2人を立件

03:02a.m. JST March 19, 2000 asahi.com
 昨年11月、神奈川県浦賀沖の東京湾で、資材などを運ぶクレーン付き台船(約1000万円相当)が沈没する事故があり、横浜地検と横浜海上保安部は18日までに、故意に船に穴を開けて沈めたとして、船主だった横浜市神奈川区子安通1丁目、海洋土木会社元社長(当時59=昨年12月、横浜市内で墜落死)を業務上過失往来妨害の疑いで被疑者死亡のまま立件するとともに、元社長をかくまったとして、知人の横浜市緑区十日市場、飲食店経営大沢幸雄容疑者(48)を犯人蔵匿の疑いで逮捕した。

 同地検などは、同社の船が一昨年にも三重県沖の熊野灘で沈没し、約5000万円の保険金の大半を、大沢容疑者が経営する飲食店の開店資金に充てていたことをつかんでいる。今回沈没した台船にも約1億8000万円の保険がかけられており、保険金詐欺などの疑いもあるとみて、大沢容疑者らを追及している。

 調べでは、昨年11月28日、浦賀沖で同社所有の台船が沈没。損害保険会社が船を引き揚げて調べたところ、船体の2カ所にバーナーなどで切り取ったような穴が見つかったため、同保安部に通報した。

 同保安部が12月中旬に元社長を任意で事情聴取。元社長は翌日、行方不明になり、約1週間後、大沢容疑者が借りていた横浜市中区内のマンション10階から墜落死した。神奈川県警は、自殺とみている。
同地検と同保安部は船に穴を開けたとみられる海運会社の元社員ら数人からも事情を聴いている。

船内で乗組員見つからず

2000年2月11日 17時43分 共同通信社
 関西空港沖の大阪湾で小型タンカー海運丸=198トン,伊藤明徳船長(36)ら3人乗り組み=が転覆した事故で,第5管区海上保安本部(神戸)は11日クレーン船を使って転覆した船体を引き起こし、あらためて船内を捜索したが、行方不明の3人は見つからなかった。

 同本部は、3人は海に投げ出されたと断定し、船内捜索を終了した。引き続き事故現場海域周辺を捜索する。

関空沖でタンカー転覆

2000年2月8日 17時08分 共同通信社
 8日午後零時20分ごろ、強風下の大阪湾・関西空港の北約4キロの沖合で、大阪市大正区の福本海運所有の小型タンカー「海運丸」(198トン)が転覆しているのを、航行中の船が見つけた。約3時間後、第5管区海上保安本部の潜水士がハンマーで船底をたたいたところ、左舷中央部から応答があった。5管本部は内部に生存者がいるとみて救出を急いでいる。

作業中のタンカーで火災

2000年2月2日 15時59分 共同通信社
 2日午前8時40分ごろ、高松市朝日新町の高松港北側岸壁で、タンク据え付け作業中の今治市、浅川造船所有のLPGタンカー「ウィンカントン号」(8650トン)から出火、保冷材のウレタンフォーム約10平方メートルを焼いた。作業員2人にけがはなかった。高松海上保安部によると、作業員がタンクのそばで溶接作業をしていたところ、火花がウレタンフォームに飛び火したらしい。

タンカー爆発10人けが 清水市の造船所

9:39p.m. JST September 08, 1999
 8日午後3時50分ごろ、静岡県清水市三保の造船会社「カナサシ重工」清水工場(行徳威夫社長)のドック内で、名古屋市港区の東海タンカー所有のオイルタンカー八葉丸(699トン)の機関室付近が爆発。乗組員の東海タンカー社員村田成秋さん(49)=三重県南勢町=が意識不明の重体となったほか、同社員や作業員ら4人が全身やけどの重傷を負うなど、計10人がけがをした。八葉丸の船内の石油タンクは空で、建物などへの延焼はなかった。

 村田さんのほかに全身やけどの重傷を負ったのは、東海タンカー社員の田岡靖史さん(52)=三重県南勢町▽同、浜口道夫さん(49)=同県浜島町▽カナサシポートサービス社員の内田忠良さん(52)=静岡県清水市▽清水船舶機械工業所社員の増田政治さん(50)=同。

 静岡県警清水署などの調べでは、八葉丸は4年に1度の定期検査のため、7日から14日までの予定でドック入りしていた。8日は午前8時からエンジンの分解作業中で、負傷した10人はいずれも機関室内にいた。事故当時はエンジンから油を抜き取る作業をしていたという。

HOME政治・経済・社会BACK