TOPIC No.2-12-C1 韓国の造船所

01. 韓国の造船業界は「餓死」する(2009年10月20日) 今は我慢の時代、日本には耐える底力がある by日経ビジネスon Line 泥沼の造船 三国志
02. 消えた新規受注、盟主韓国の焦り(2009年10月20日)「何が何でも世界首位」のプライドが裏目に by日経ビジネスon Line 泥沼の造船 三国志
03. 2010年問題 新造船市場が危ない? (2008年11月02日)面白スクラップブック ブログ
04. 韓国造船業会はいま(2008.01.15)
05. 造船王国、日本から韓国へ YAHOO!ブログ(2006/10/24)
06. 受注量とシェア by韓国造船工業会
07. 造船業の日韓比較(1)2006年04月20日 by melma Vol.48
08. 造船業の日韓比較(2)2006年05月02日
09.  【韓国】日本の技術を盗み世界一になった現代重工業(2008/10/30) by造船ブログ


韓国造船

2009 大韓民国 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 現代重工業の鄭周永会長が、創建期に研修生を1年間日本の造船会社に派遣してコンテナ2台分の設計図などの各種資料を不法に盗み出させたことを告白しているように、韓国の造船業は日本からの技術移転や不法なスパイ行為による技術流出により発展してきた。

 その後、日本の円高による競争力低下を追い風に造船大国になり、現在では世界シェアに占める韓国企業の割合は38%で世界1位になっている。船舶用の設備の国産化率は85%である。また、通信航路標識やエンジン遠隔操作などの先端電子機器やエンジン、クランクシャフトといった基幹部品を自給できるのも強みとなっている。特に船舶用エンジンのシェアでは世界トップを占める。

 韓国勢は高付加価値船舶市場において特に強く、2002年から2006年までに世界で発注された高付加価値船舶のシェアを見るとLNG船157隻の内サムスン重工業が50隻受注したのをはじめ、韓国の造船メーカーが78.3%を掌握している。また、世界で発注されたドリルシップ25隻は韓国メーカーが68%のシェアを獲得している。油田開発用洋上石油生産設備(FPSO)も、全26隻のうち14隻、53.8%を韓国メーカーが受注しているなど高付加価値船舶市場は韓国メーカーが事実上の独占をしている。

 船舶の開発にも積極的で、サムスン重工業は世界で初めて極地運航用前後方向砕氷船を開発した。この船は砕氷船の助けがなくとも単独で氷を割って航行できる。世界最低の設計温度、世界最高といわれる前後方向砕氷性能、摩耗に耐える特殊塗装など、最先端の新技術が使われている。価格は一般タンカーの4倍以上だが、2006年にロシア最大の国営海運会社JSCソヴコムフロット社から7万トン級3隻を受注した。2012年までに38隻発注されることが予想されている。

 大宇造船海洋もまた世界で初めてのLNG-RV船を開発した。この船は、LNG運搬船の上に液体ガスを気体に変える装置を搭載し、船から直接ガス管を通じて消費者にガスを供給できる。海上に数カ月間停泊してガスを供給することが可能。建造第1号は米国に輸出され、2005年8月にハリケーン「カトリーナ」がアメリカのニューオリンズに直撃し甚大な損害を与え、すべてのガス供給施設が麻痺した際にニューオリンズにエネルギーを供給した。ニューオーリンズ市長は同船を運用するエクセラレートエナジー社に感謝状を送り、この功績により、大宇造船に注文が殺到している。他にも同社は世界初の燃料節約型LNG船の開発にも成功している。

 建造方式においても韓国造船メーカーは画期的な新方式を編みだしており、サムスン重工業が2つの船舶ブロックで超大型船舶を建造できる新技術テラ・ブロック工法や水の上に浮かぶバージ船で船を作るフローティングドック工法を用いている他、現代重工業は2002年に世界で初めて陸上建造方式での船舶建造に成功した。これによりドック使用せずとも船舶の建造が可能となり、大幅なコストの削減と時間の短縮に成功した。STX造船も特許を取った独自の陸上建造方式SLS工法による船舶の建造を行っている。特にSTX造船は世界最高の陸上建造回転率を誇っている。


ルポ:コンテナ船大型化、現場を行く

2010/11/28 12:05 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 鎮海(慶尚南道)=金承範(キム・スンボム)記者

 慶尚南道昌原市鎮海区にあるSTX造船海洋造船所を訪れた。岸壁のドックでは基本工程を終え、外観が整った船舶の仕上げ作業が盛んに行われていた。ほかの船と比べ長さが約2倍に達するほどの巨大な船が目に飛び込んだ。長さ365メートル、幅48メートル、高さ30メートルという超大型コンテナ船だ。長さだけ見れば、世界最大の原子力空母のニミッツ(米国、332.8メートル)より長く、エッフェル塔の高さ(約300メートル)を上回る。

 操舵(そうだ)室や船室がある高さ30メートルのデッキハウスに登ると、やっと船の前後が見渡せ、面積がサッカー場3面分に及ぶ甲板を眺めることができた。

 20フィート標準コンテナを1万3000個積載できるこの船は、STXヨーロッパが今年完成させた世界最大のクルーズ船「アリュール・オブ・ザ・シーズ」(長さ361メートル、幅47メートル)よりも大きい。STX造船海洋のパク・ハンギュ・チーム長は「コンテナ船は昨年から今年にかけ、クルーズ船を上回り、世界最大の船種に浮上した」と語った。

■コンテナ船の大型化

 コンテナ船の大型化は、2006年に1万1000TEU(20フィート標準コンテナ換算単位)クラスの船舶が登場し、1万TEU超の時代を迎えて以降加速している。昨年には韓国の大宇造船海洋が世界最大の1万4000TEUクラスのコンテナ船(長さ365.5メートル、幅51メートル、高さ30メートル)を完成させた。海運大手のマースクは年内にも1万6000TEUクラスの船舶を発注するもようだ。長さは400メートル前後となり、10年前に最大だったコンテナ船より100メートルほど長い。

 超大型コンテナ船を建造するには、克服すべき技術的問題が少なくない。これまでコンテナ船のデッキハウスは船尾にあったが、超大型コンテナ船では船体の中央付近にある。サムスン重工業の全泰興(チョン・テフン)専務は「出力が強いエンジンは重いため、デッキハウスが船尾にあると重心が取れない」と説明した。船が長いため、デッキハウスが船尾にあると、視野が十分に確保できない点もあるという。

 船体の重さもできるだけ軽量化しなければならない。STX造船海洋の林孝官(イム・ヒョグァン)専務は「超大型コンテナ船は既存の厚板よりも1.7倍の強度を持つ特殊鋼板を使い、厚板の使用量を減らしている」と話した。

■克服すべき課題

 コンテナ船の大型化は、世界の海運景気の好況と関係がある。船主は一度に多くの貨物を運び、競合社よりも平均運賃を引き下げるため、大型船を発注している。大型船の動力源となるエンジンが開発されたことも大型化を後押しした。

 世界経済の回復に伴い、今年に入り1万TEUクラス以上の超大型コンテナ船の発注も再開された。今年8月、大宇造船海洋は1万700万TEUのコンテナ船2隻を受注。STX造船海洋は先月、1万3000TEUクラスのコンテナ船10隻を受注した。現代重工業、サムスン重工業など韓国の造船大手は、今後建造するコンテナ船のうち、1万TEU以上の船舶が50%を占める。

 しかし、コンテナ船の際限なき大型化は困難だ。造船業界関係者は「現在の技術では2万TEUクラス以上の船舶も建造可能だが、多くの船主はパナマ運河の幅(2014年の拡張終了で55メートル)を考慮して、同運河を通過できる範囲の船を発注している」と説明した。

韓国造船業界、不況克服キーワードは「海洋」

11月21日(日)11時32分 聯合ニュース 配信

【巨済21日聯合ニュース】長引く造船産業の不況のなかでも、大宇造船海洋など韓国の造船大手が善戦を見せている。ことしの受注目標をすでに達成、または目前にしている。

 造船業界関係者らは一様に、こうした結果をもたらした最大のポイントに「海洋設備」を挙げた。年初から順調に続いた海洋設備受注は、その勢いがとどまるところを知らない。

 大宇造船海洋は17日に、世界的大手の石油会社から緊張係留式プラットフォーム(深海油田海域で原油を抽出する構造物)の船体部分を2400億ウォン(約174億円)余りで受注した。同社はこれまでに88億ドル(7348億円)を受注しているが、半分に近い約42億ドルが海洋設備だ。

 先月すでに受注目標を達成したサムスン重工業も、11日にノルウェーの石油掘削専門企業シードリルからドリルシップ2隻を10億8000万ドルで受注した。ことし受注額91億ドルのうち、海洋関連設備は31億ドルと、大きな割合を占める。 

 業界関係者らは、海洋設備の比重が増していることについて、「国際原油価格の上昇に伴う自然な現象」だと説明する。

 大宇造船海洋関係者によると、海洋設備は多くの費用を必要とするため、原油価格が安い時期には需要は多くなく、原油価格の上昇とともに、原油開発に必要な海洋設備と特需船舶の受注が増えたと説明した。一部では、現在1バレル=80ドル程度の国際原油価格が、来年には1バレル=100ドルまで値上がりするとの見方も出ており、海洋設備の比重はさらに拡大する見通しだとした。

 また、最近は中国造船業界が急成長しているが、中国側は海洋設備には弱いことから、中国との格差を広げるうえでもプラスになっていると指摘された。

韓国造船メーカー、7月受注量で中国上回る

2010年08月06日20時0分 (C)YONHAP NEWS

【ソウル6日聯合ニュース】造船・海運市況を分析する英クラークソンが6日に明らかにしたところによると、7月の韓国造船メーカーの新規受注量は159万1767CGT(標準貨物船換算トン数)で、中国より40万CGTほど多かった。月間受注量で中国を上回ったのは4か月ぶり。

 韓国の7月受注量は、グローバル金融危機前だった2008年7月(192万1512CGT)以降の高水準。ただ、年初から7月までの累計受注量は656万4724CGTと、中国を28万CGTほど下回る。受注残も4742万6330CGTで、5203万3368CGTの中国に首位を明け渡した状態だ。

韓国の造船業3大指標、中国を下回る

2010/07/19 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 李吉星(イ・ギルソン)記者

 造船・海運業界専門の市場調査会社クラックソンによると、韓国の今年上半期の船舶建造量は747万889CGT(標準貨物船換算トン数)で、中国(801万4148CGT)に次ぐ2位だった。韓国の船舶建造量が半期ベースで中国を下回ったのは今回が初めてとなる。これにより、韓国は受注量、受注残高、建造量という造船業の3大指標でいずれも中国のトップの座を奪われたことになる。

 上半期の船舶受注量は韓国が462万CGT、中国が502万CGTで、シェアは韓国が38.0%、中国が41.2%だった。6月末時点での受注残高も中国が上回った。

 韓国は2003年に3大指標すべてで日本を抜き、造船業界で世界1位の座を守ってきたが、昨年には受注量と受注残高で中国に初めて追い抜かれ、今年上半期には建造量でも中国に首位の座を明け渡した。

 ウリ投資証券のアナリスト、ソン・ジェハク氏は「昨年以降、中国の造船所による受注の少なくとも50%以上は、中国政府による発注分だ。韓国経済が競争力で劣ったとは言えない。海運先進国の欧州で景気が回復すれば、韓国は数字の上で押されなくなる」と指摘した。

韓国、造船世界トップから転落…中国が1位に

2010.07.19 14:37 中央日報/Joins.com

 国内造船業界が中国に抜かれた。造船・海運分析機関クラークソンによると、今年上半期の造船業競争力を表す3大指標の受注量・受注残高・建造量で、韓国はすべて中国に世界1位を奪われた。これは韓国が03年、3大指標ですべて日本を抜いて世界1位になって以来初めて。

韓国は昨年、受注量と受注残高で初めて中国に抜かれたが、建造量では1位を守っていた。しかし今年上半期、国内造船業界の建造量が748万標準貨物船換算トン数(CGT)にとどまる間、中国は韓国を抜いて801万CGTとなり、半期基準で初めて1位となった。このままいけば年間基準でも中国の逆転が確実視される。

国内造船業界は今年上半期の船舶受注量と受注残高でも昨年に続いて中国を下回った。受注量では昨年中国に追い抜かれた後、今年1−4月にはまた中国を上回ったが、5月以降は再逆転された。

これには中国政府の支援が影響しているという分析だ。昨年世界造船業界がグローバル金融危機で停滞する間、中国造船業界は政府の強力な金融支援を背景で躍進した。今年に入って船舶価格が大きく落ちた状況で、船主の間では価格より品質を優先視する雰囲気が形成された。

韓国造船会社が高付加価値船舶を打ち出して善戦し、中国は受注競争でしばらく停滞した。しかし造船・海運景気が底を打ったという分析が出ると、中国海運会社が船舶の発注を再開、この物量の大半が自国の造船会社に集まり、中国が世界1位の地位を固めている。

中国だけでなく世界造船市場では、自国の会社が発注する船舶は自国の造船会社が建造し、自国の海運会社が輸送すべきだという、いわゆる「自国主義」が広がっている。

造船業界の関係者は「昨年末から国内企業の受注活動が復活しているが、中国は自国海運会社の発注物量があまりにも多いため、年間実績でも今年1位を維持する可能性が高い」と述べた。別の造船業界の関係者は「中国に1位を奪われたが、高付加価値船舶市場では韓国の競争力が相変わらず高い」と話した。

◇受注量・受注残高・建造量=受注量(contracting)は造船業界が一定期間に船主から注文を受けた船舶の物量。受注残高(orderbook)は全体受注量のうち、すでに完成して船主に引き渡した船舶を除いた数値。すなわち造船所で現在建造している船舶と今後建造する船舶を合わせた物量。建造量(deliveries)は一定期間中に船を建造して船主に引き渡した物量。

韓国、1〜4月造船受注量で世界一…シェア44%

2010.6.29 連合ニュース

韓国が、今年1月から4月までの造船受注量で世界1位を記録したことがわかった。

企画財政部によると、政府が最近造船市場動向を調査した結果、今年1〜4月の韓国造船業界は、全世界の造船受注量550万CGT(標準貨物船換算トン数)のうち240万CGTを受注し、43.6%のシェアを占めた。中国は、190万CGT(34.5%)で韓国より50万CGT少なかった。

造船受注量3位は日本とヨーロッパで、各々20万CGTで占有率は3.6%に過ぎなかった。

韓国の受注残高は4月末現在4,950万CGTで、国内造船企業の3年分の建造物量に相当する水準であるという。

財政部は、「韓国が1〜4月に造船受注量世界1位となったのは、昨年大きな割合を占めていた中国船発注量が減少した一方、韓国船を好むギリシャなどヨーロッパ船主の発注量は一定の水準を維持したため」と分析した。

一方財政部は、全世界造船市場の不況にもかかわらず、韓国が既存受注物量の追い風を受け一定規模の輸出が維持されているものと推定した。これは、今年1分期中の韓国の船舶建造量は前年同期比23.7%も減少したが、ボーリング船など高付加価値船舶輸出比率が高く、輸出は6.4%しか減少していなかったためだ。

財政部は、「まだ船舶受注物量がたくさん残っており当分輸出規模を維持できるが、船舶金融萎縮などで既存契約の延期や取消の可能性がある」と評価している。 また、昨年下半期以降、全世界で船舶受注量増加、運賃指数上昇など一部肯定的な兆しも現れているが、全般的な供給過剰が解消されるまで本格的な造船市場の回復は難しい、と財政部は予想している。

財政部は、「供給過剰気味のコンテナ船、LNG船の発注需要は当分増加しづらいだろう」とし、「ただし、原油価格上昇による海洋油田開発需要でドリル船やボーリング船など海洋プラント受注は増加する見込み」と語った。

これに伴い、財政部は韓国造船企業に対して、市場条件に合った船種多角化努力を通じて市場不況を打開する一方、船舶金融萎縮やグローバル船会社流動性不足による船舶輸出急減のリスクに積極的に備えるよう要請した。

造船大手が受注好調:年間目標の半分達成[製造]

2010年06月23日(水曜日)NNA News

 韓国の大手造船メーカーが、上半期(1〜6月)に目標以上の成果を上げたことが22日までに分かった。業界によると、現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の造船大手3社は、上半期に今年の受注目標の半数を超える受注を獲得した。造船業界では下半期(7〜12月)にも船舶の発注が続くと見込まれ、造船不況から完全に抜け出すことができるとの見方も強まっている。

 毎日経済新聞などによると、昨年上半期に造船部門での受注がゼロだった現代重は、今年上半期に船舶27隻・15億米ドル(約1,361億円)の受注を記録。今年1月から5月の6事業部門での受注は計75億米ドルで、昨年同期の3倍に上る。今月にはサウジアラビアのガス複合火力発電所工事(16億米ドル)を受注しており、これを合わせると受注額は90億米ドルを超える。これは、今年の受注目標である177億米ドルの半数を上回る数字だ。

 今年、100億米ドルの受注を目指す大宇造船は、今年に入りこれまでに、船舶27隻・30億米ドルを受注。同社は近く、アンゴラの深海油田の開発に使用される16億米ドルの浮体式海洋石油・ガス生産貯蓄積出設備(FPSO)と5億〜6億米ドルのオイルタンカー8隻の契約を締結する予定であることから、受注額は50億米ドルを超えるとみられている。

 サムスン重工業もまた、今年に入ってからの受注は商船29隻・33億米ドルで、年間受注目標の半分水準である40億米ドルに迫っている。同社は今週中にオイルタンカーを受注するとみられており、このままのペースでいけば、今年の目標達成は難しくないとみている。

 ■下半期も受注ラッシュ?

 造船業界は下半期にもオイルタンカーやバルク(ばら積み)船、液化天然ガス(LNG)運搬船などを中心に発注が相次ぐものとみられている。現代重は中東やアフリカなどで発注される海洋プラントや大型バルク船、オイルタンカーなどの受注に向け交渉を行っている。サムスン重は台湾の船会社が発注する約10隻のコンテナ船の建造に向けた入札に応札しているほか、オイルタンカー6隻を追加で受注する見込みだ。

 さらに、中国政府が人民元切り上げの動きを見せていることから、価格競争力の面で競争相手の中国に対して有利になるとの分析も出ている。業界関係者は「韓国メーカーは品質や技術面で中国メーカーを上回っており、価格競争力が相対的に上がった場合、受注規模はさらに拡大するだろう」と話している。

 ■完全回復には慎重論も

 受注量の増加や船価の上昇などにより、造船市況が底を打ち、回復に向かっているとの見方があるなか、楽観視はまだ早いとの指摘もある。

 南欧州の財政危機による不安が残るほか、欧米や中東などの主要船主が、以前のような大規模発注を行う可能性は低く、契約の取り消しや引き渡し延期などを要請する懸念もあるためだ。

 造船景気が金融危機以前の水準に回復し、韓国造船メーカーが今後も受注実績を増やして行くことができるのか注目される。

造船:受注が急回復、11月の世界シェア71%

2009/12/21 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 世界的な景気低迷のあおりで、年初来不振にあえいできた船舶受注が急速に回復し、韓国造船業界は年末にかけてラストスパートを見せている。10月以降に受注が上向きに転向した造船業界には、今月に入って例年並みの注文が舞い込んでいる。専門家は「造船景気が本格的な回復期に入ったと判断するのは尚早だが、底入れしたのは確かだと考えられる」と指摘した。韓国造船業界は今年4月に世界シェア首位の座を中国に奪われてから7カ月ぶりとなる11月に再び首位を奪還し、今月は中国との差を大きく広げる見通しだ。

■12月に相次ぐ受注

 12月の受注実績を見ると、韓国造船業界の月別受注は例年の水準に匹敵する。大宇造船海洋は16日、イタリアの船会社から自動車やコンテナを運搬する貨物船4隻を3億ドル(約271億円)で受注。翌日には油田試掘用のドリルシップ2隻、半潜水型試掘削船1隻を総額16億ドル(約1448億円)で受注した。これに先立ち、今月3日には海洋風力発電機設置用の支援船舶を3億ドルで受注した。今月の受注額は22億ドル(約1991億円)に達し、過去最高の受注を記録した07年の月平均(18億ドル)を上回る規模となっている。

 サムスン重工業は近く、ギリシャで16万トン級のタンカー3隻、総額1億9500万ドル(約176億円に相当)を受注する内容の契約を結ぶ見通しだ。先月には韓国造船業界では初めて、クルーズ客船の建造に向けた基本契約を米ユートピア社と結んだ。STX造船海洋も先月、ブラジルの鉄鋼メーカー、コンパニア・バーレ・ド・リオドセ(バーレ)から鉄鉱石の運搬船8隻を8億8000万ドル(約796億円)で受注し、子会社のSTXヨーロッパは今月初め、ノルウェーから海洋作業用の支援船2隻を受注した。

 中堅造船各社も軒並み受注が好調だ。城東造船海洋は先月、18万トン級のバルク船2隻、SPPはバルク船6隻、総額2億1000万ドル(約190億円)相当をそれぞれ受注した。

■造船景気底入れ

 造船海運市況分析会社のクラークソンによると、今年上期は世界の船舶受注が前年同期比で95%も減少したが、下期は減少幅が鈍化し、11月現在で同85%減となっている。

 こうした状況の中で韓国の造船各社は善戦している。韓国造船業界は11月だけで71万6097CGT(標準貨物船換算トン数)の受注に成功し、世界の受注量の実に71.7%を占めた。一方、中国は25万5895CGTでシェアは25.6%にとどまった。

 産業研究院(KIET)のホン・ソンイン研究委員は、「今年上期に発注がほとんどなかった点を考えれば、造船景気は最悪期を脱したようだ」と述べた。

 しかし、ウリ投資証券のソン・ジェハク企業分析チーム長は、「船舶金融を担う欧州の金融機関や世界的な海運景気はまだ回復していない。本格的な受注回復は来年下期以降になるとみられる」と分析した。

大陸黄砂風が韓半島を襲う(1)

2009.12.04 中央日報/Joins.com

トヨタ・GMにもない技術で韓国を脅かす中国

中国大陸の黄砂風が強い。韓半島をすっかり黄色く染める勢いだ。国家の全幅的技術・人材育成政策を背負う中国企業は‘最先端技術’で重武装している。海外人材は次々と帰国し、中国の先端産業を率いる。

中国が韓国造船の‘10年牙城’を崩したのは決して異変ではない。「5年後には韓中経済地図が完全に変わる」という見方もある。中国の追撃に対抗して韓国は何を準備しなければならないのか。中国発の警告灯がつき、韓国の悩みは深まる。

◇ 「世界の工場」からの脱皮を目指す中国

中国が05年に初めて建造したLNG船。この会社は電気自動車メーカーだ。今年、電気だけを使って400キロ走行する自動車(E6)を開発し、世界を驚かせた。この技術はトヨタ・GMなどグローバル自動車メーカーにもない。

中国の大躍進、その本質には技術力がある。中国が巨大な黄砂風を起こす。影響圏にある韓国は苦しい。何よりも量的成長が著しい。今年1−9月に世界最大の輸出額を記録した国は断然中国(8467億ドル)だ。日本(4057億ドル)の2倍、韓国(2601億ドル)の3倍の金額だ。

貿易収支黒字でも中国は1363億ドルで1位になった。韓国は301億ドルにとどまった。これは株価が上昇していた日本の1986年水準だ。高い成長率も続いている。過去10年間、中国の年平均経済成長率は9.9%。過去に前例のない不況を迎えた今年も9%に近い成長率が見込まれている。中国が自力で達成したと評価される理由だ。中国の疾走はまだ続く。量的成長から抜け出し、質的成長を目指している。

産業研究院のシン・テヨン研究委員は昨年、報告書「中国の成長類型の転換と外国人投資環境の変化」で、「1950年の新中国樹立後、中国は‘無から有’を創造し、最近は‘小から大への転換’に成功した」とし「今では質的成長を通して‘強い国’に生まれ変わるというのが中国の目標」と分析した。

中国の質的成長戦略はすでに始まっている。研究開発投資の比率を毎年増やしているのが端的な事例だ。05年以降、年平均20%近く増えている。同じ期間の米国・日本・欧州連合(EU)の増加率(4−5%)に比べ最大4倍ほど高い。

‘海帰’戦略も強い中国を後押ししている。この戦略は高付加価値技術を増進するために、海外留学生を帰国させて活用することだ。中国政府は2010年までに20万人の‘海帰’組を誘致し、研究開発部門を国際レベルに高めると明らかにした。このための破格的な支援はもちろん、研究施設の提供も約束している。地方政府の努力も目を引く。

大陸黄砂風が韓半島を襲う(2)

2009.12.04 中央日報/Joins.com

◇韓中の成長動力重なる、5年後に備えるべき

こうした結果は、中国政府が着実に進めてきた自主革新戦略の結果だ。外資企業から受けた技術移転の効果でもある。

ソウル大のイ・グン教授は「中国企業が韓国企業よりも速いペースで成長している。これは中国が広大な市場を開いて技術移転を受ける戦略を使用しているため可能」とし「韓国と台湾はこうした戦略を使いたくてもできない」と述べた。

広い市場を持つ中国が有利な立場を占めているということだ。中国市場は世界最大規模を誇る。中国の人口13億人のうち購買力を持つ中産層は4−7%で、その数は4000万−9000万人にのぼる。購買力を持つ中産層が韓国の総人口より多いということだ。中国市場が世界的に注目されるのはこのためだ。

問題は、中国の技術力が発展するほどグローバル市場での韓中競争がさらに激しくなるという点だ。従来の消費財産業はもちろん、資本財、部品素材、さらには先端産業でも真剣勝負が繰り広げられるというのが経済専門家らの話だ。造船・鉄鋼・海運・電機電子部門ではすでに韓中競争に火がついている。

ハン・グァンス教授は「中国の産業別追撃速度は非常に速い。この前まで7年の差があるといわれていた造船業もすでに追いつかれている」と述べた。ハン教授は「中国にはまだ三星・LGなどグローバル企業がないが、数年以内に誕生する可能性がある」と話した。

産業研究院のイ・ムンヒョン研究委員は「5年後に韓中経済地図が完全に変わった形で描かれる可能性も排除できない」と警告した。フランス投資銀行BNPバリバは最近、「中国は10年後には米国を超えるだろう」と予想し「消費・医療・科学・自動車などの分野で無限の潜在力を持っている」と分析した。

あいにく韓国と中国の次世代産業は重なる。国内の研究所はこのため不安を表わしている。三星(サムスン)経済研究所は報告書「2010年の韓国企業の5大不安要因と対策」で、「中国企業は政府の全幅的な支援の中で技術力を高め、世界の強者に浮上している。韓国経済が疾走する中国と切歯腐心する日本の間で再び危機を迎えるだろう」と予想した。技術力でも中国に抜かれる可能性があるという警告メッセージだ。

カン・ソクフン誠信女子大教授(経済学)は「今後、私たちが解決すべき課題の一つは、快速疾走する中国行き列車に賢く乗ること」と述べた。

かといっておじけづく必要はない。中国が走れば韓国は飛べばいい。

シンガポール国立大のシン・ジャンソプ教授(経済学)は「日本と中国の間で力を失うという悲観的な見方があるが、そういう観点で見ると、サンドイッチに挟まれない国がいくつあるだろうか」と語った。競争で生き残れるかどうかがカギであり、環境は重要でないということだ。

イ・ムンヒョン研究委員も「中国が(韓国を)速いペースで追撃しているが、限界が少なくないのも事実。私たちが緊張を緩めなければいくらでも対抗できる」と述べた。

そうだ。恐れ過ぎると負けるということだ。まだ一歩リードしているのは韓国であり、中国は追撃者にすぎない。

【コラム】中国「国家」と韓国「企業」の戦い

2009.12.02 中央日報/Joins.com ハン・ウドク中国研究所次長

先月、韓国の造船業界は受注残量世界第一位の座を中国に譲り渡した。2000年2月に日本から獲得した後、およそ10年ぶりとなる。業界は「中国脅威論」で緊張感が高まっている。

何が問題か。今年8月末、イラン船舶への受注戦から解答を見いだしてみよう。当時イランは12隻の大型石油タンカー(VLCC)を発注した。韓国と中国の企業が最後のところまで受注戦を繰り広げた。両国の企業が提示した価格は大きく異ならなかった。それなのに12隻全量を中国企業が獲得してしまった。「船主に、船舶価格の9割を融資する」という破格の条件のためだった。

韓国の入札関係者は舌を巻くほかなかった。経済危機により船舶金融が冷え込んだ状況で、前金でもない船舶価格(1隻当たり約1億ドル=約87億円)の9割の融資を行うというからだ。「元手」は中国輸出入銀行だった。国家が100%の持ち株を保有する国策銀行だ。この銀行は今年4月、自国の造船業界に1600億人民元(約2兆円)を支援する方針を決め、うち一部がイラン船舶の受注戦に使われた。国家が国有企業を前面に出して市場に直接参入する「国家資本主義(State Capitalism)」の典型だ。

韓国の造船企業は結局、中国政府の資金力に押されて、手ぶらで帰ってこなければならなかったわけだ。今回の経済危機をきっかけに中国の国有企業の力はより大きくなり、威嚇的な存在に登場した。景気回復のため放出した金が国有企業に集中したからだ。経営不振に陥っている国有企業の山東鉄鋼が優良な私企業、日照鉄鋼を買収したこともあった。今年、鉄鋼・航空など主要産業で登場した「国進民退(国有企業の拡張と私企業の縮小)」の一例だ。私企業は産業構造再編の名目で進められている政府の「再国有化」政策を止むを得ず受け入れざるを得ない状況だ。

実弾(お金)で武装した中国の国有企業は海外市場でも怪力を発揮している。国家と企業が一致団結して海外の資源をかき集め、外国の競合企業を押し出す。イラン船舶の受注戦は、その過程で韓国企業が打撃を受けていることを示す。入札の過程を見守ったある業界関係者は「我々が相手したのは中国の企業ではなく国家だった」と語る。「恐怖を感じる」とも話した。鉄鋼・自動車・資源開発、はなはだしきは情報技術(IT)分野も大きく変わらない。韓国企業は中国政府を相手に「市場争奪戦」を展開しなければいけない状況に置かれている。2兆ドルのきんちゃく(外貨準備高)を持っている中国政府を相手にしなければならず、厳しいゲームになるほかない。

このように中国の「国家資本主義」体制は韓国経済を襲っている。中国の「国進民退」を突破できる道は「企業の技術競争力の強化」のみと専門家らは話す。政府の民間企業への支援には限界があるはずだからだ。それでも政府が必ずしなければいけないことが一つある。企業が思う存分技術開発に専念できる条件を整えることだ。「韓国全体を、政府・企業・学界が一つにまとまった巨大な研究開発(R&D)センターにしよう」という声が、だからあがっているのだ。

韓国、造船産業対策を発表-リストラ・金融支援等が骨子

2009年11月10日 IBTimes

 韓国知識経済部は9日、経営難に陥った造船会社に対する常時リストラを進める一方、短期的な経営難に対応するための金融支援を強化することを骨子とする「造産業対策」を発表した。

 同対策は、2008年末から韓国の造船会社らへの新規船舶受注が事実上中断されているうえ、国債海運業界の流動性危機ですでに受注した契約まで取り消される可能性が高くなった状況に、先制的に対応するため備えられた。同部によると、2009年9月までの船舶発注量は前年同期に比べ10%水準にとどまっており、今後5年間、発注量の回復は期待し難いという。

 具体的には、経営難に陥った造船会社8社に対して債権金融機関主導のリストラを継続し、同8社を修理専用の造船所などに転換することを検討する。また、優良中堅造船社を含む一部企業を、世界市場規模470億ドルの海洋レジャー装備産業に転換させることも進める。

 短期的な経営難改善のためには、船舶製作金融として5千億ウォンを支援する。場合によっては支援限度額の上向調整も視野に入れる。また、輸出保健公社の現金決済保障条件を緩和することも盛り込まれた。

中国が造船トップに、韓国は10年ぶり2位転落[製造]

2009年11月10日 NNA.ASIA

 韓国が、造船業界で10年近く保ち続けてきた手持ち工事量トップの座を中国に明け渡した。世界的な不況で、発注先が工賃の高い韓国企業から、政府が積極的な支援に乗り出した中国企業に流れたことが主因とみられている。韓国企業は、依然として競争力のある高付加価値船の建造で巻き返しを狙っているようだ。

 造船・海運専門の調査会社の英クラークソンによると、今年11月の韓国の手持ち工事量は5,362万6,578CGT(標準貨物船換算トン)と、中国の5,496万2,018CGTを下回った。シェアベースでは中国が34.7%でトップ。韓国は33.8%だった。韓国が2位に転落するのは、日本を上回りトップになった2000年2月以来初めて。

 また、新規受注量では韓国と中国の差は大きく広がった。今年1〜10月の新規受注量は中国が270万CGTと、韓国の164万CGTを大きく上回った。

 韓国の受注が伸び悩んだ背景には、世界的な不況がある。

 これまで韓国勢が強みにしてきた高付加価値のコンテナ船などを中心に需要が低迷。一方、低価格の小型船やバルク(ばら積み)船などを積極的に攻略してきた中国勢には世界不況の影響は大きく現れなかったため、韓国との実績に大きな開きが出た。

 さらに、中国政府が、船舶受注に関して建造資金の援助などに乗り出したことが、受注増を後押ししたという。

 これを受けて韓国政府も対策に乗り出した。不振が続く造船8社を解体し、国内メーカーの再編を進めるほか、部品メーカーを対象に5,000億ウォンの資金繰り支援を行う。市場規模が世界で470億米ドル(約4兆2,400億円)と大きい海洋レジャー産業へと事業の方向転換をせまる案も浮上している。

 ■楽観・悲観論が交錯

 業界の見方はさまざまだ。

 ある専門家は、「品質や生産力が中国企業よりも優れていても、不況下では意味がない。豊富な資金力がある中国にはかなわない」とみる。一方、「不況による一時的な現象」との報告書も出ている。

 韓国造船協会の関係者は、中国で人件費が高騰していることに触れ、「海洋プラント部門など高付加価値事業では韓国の技術力が優れている。将来的には価格面でも韓国企業が優位に立つだろう」と楽観視している。一件の受注額が大きいだけに、今後、中韓のトップ対決には注目していく必要がありそうだ。ソウル経済新聞などが伝えた。

チョ・スンス「現代尾浦造船は合意の約束を守れ」

2009年10月23日 [蔚山労働ニュース]ソル・ナムジョン記者 翻訳/文責:安田(ゆ)

「鄭夢準代表は現代重工業暴力警備隊を解体しろ」

 進歩新党のチョ・スンス議員は10月23日午前10時、国会政論館で記者会見を行い、現代尾浦造船での労働弾圧中断と現代重工業暴力警備隊解体を要求した。

 チョ・スンス議員は1月23日、現代重工業、現代尾浦造船、民主労総蔚山本部の合意で尾浦造船社内下請のヨンイン企業労働者30人が正規職で復職したが、合意当時の裏面協約書が守られず、正規職現場活動家が重懲戒され、特に1月17日に現代重工業警備隊の深夜テロ事態もまた解決の兆しが見られないと述べた。

 チョ議員は「キム・ソクチン尾浦造船現場労働者闘争委員会議長は現代重工業警備隊テロで10か月間、病院の治療と5か月間の精神科治療を受けていて、今でも尾浦造船から悪質的な労働弾圧を受けている」と指摘し「この問題を解決するために、現代重工業と現代尾浦造船の実質的社主であるハンナラ党の鄭夢準 (チョン・モンジュン)代表の責任を問う」とし、鄭夢準代表の公開の謝罪と現代重工業警備隊の即刻解体を要求した。

 警察庁に対しても、蔚山地方警察庁と蔚山東部での職務遺棄を徹底的に調査し、責任者を厳重問責するよう要求した。

 チョ議員は、テロの後遺症に苦しむキム・ソクチン議長への懸案問題もぜひ解決すべきだとし、1.23裏面協約書履行を繰り返し要求した。

 一方、現代尾浦造船労組で4月に5年の資格停止懲戒を受けたキム・ソクチン議長が法院に出した組合員地位保全仮処分申請に対し、蔚山地方法院は21日懲戒効力停止を決めた。

 だがキム・ソクチン議長に法院の決定書が伝えられたのは22日正午で、10月30 日に役員選挙が行われる尾浦造船労組の候補登録締め切りは22日午後1時だった。

 結局、今回の選挙では、尾浦闘争に参加した尾浦造船現場闘、現場の声、現場組織建設準備会などの現場組織は候補を出せなかった。

韓国の造船会社STX (SEO:067250)、オフショアオーダーの増加を期待

2009年09月16日 ABN Newswire

 - 世界第四の大手造船会社STX Offshore & Shipbuilding (SEO:067250)は、今年のオフショア船やプラントに関する新たな受注目標を20億米ドルに定めている。

 この韓国企業は、来年度のオフショア発注目標を維持または引き上げる見通しだ。また同社は、ブラジル、ロシア、アフリカからの石油ガスプロジェクト関連の発注の獲得を見込んでおり、2010年同分野はエネルギー開発への需要の高まりにより商業造船事業に比べ早い回復を見せると見ている。

 韓国の造船産業では発注を獲得するのが非常に困難な状況にある。国際的な造船マーケットリサーチ機関によると、8月の新たな造船の発注は世界でたったの32件にとどまった。

 このような状況にもかかわらず、STXは昨年末や今年はじめに比べより多くの引き合いを受けていると語る。同造船会社は国内ライバル会社、Hyundai Heavy Industries (SEO:009540)、Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering (SEO:042660)、Samsung Heavy Industries(SEO:010140)に加えて新興の中国のライバル会社とも競合している。

 中国の急速な成長見込みを考慮しつつも、STXは海外ビジネスにおいて今後10〜15年までの間は技術的優位な立場を持続することが可能であると同社幹部は語った。

韓国造船業界:揺らぐ首位の座、中国脅威論の真実

2009/09/16 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版キム・スンボム記者

 「造船の日」の記念行事が行われた15日、造船業の今年上期の輸出が前年同期比で34%増の252億ドル(約2兆2900億円)を記録したにもかかわらず、業界関係者の表情はさえなかった。

 昨年下期に始まった造船・海運業界の景気低迷が長期化し、現代重工業、大宇造船海洋など大企業までもが受注減に苦しんでいるためだ。今年に入り、受注量が中国を下回り、受注残高でも中国に逆転され、造船業トップの座を中国に明け渡すことになるのではないかとの懸念が高まっている。韓国の輸出を主導する造船業界で改めて「危機説」がささやかれている。

■受注量逆転

 造船・海運市況の分析機関クラックソンによると、今年1−8月の国家別船舶の受注実績は、中国が211万CGT(標準貨物船換算トン数)で全世界の新規発注量の54.3%を占め、1位になった。韓国は122万CGT(31.4%)を受注するにとどまった。韓国は昨年、1749万CGTの受注実績で41.1%のシェアを占め、中国(35.1%)を上回り、10年連続で首位の座を守った。だが、世界最大手の造船会社、現代重工業は昨年10月以降、海外で1隻も船舶建造を受注できなかった。これに対し、上海造船、大連造船などは先月末、韓国の造船各社を抑え、イラン国営の海運会社による発注を独占した。中国は7月に中小型船舶を中心に世界の受注量の70%をさらった。

 受注残高は昨年、700万CGT差で中国をリードしていたが、今年に入り150万CGT差まで詰め寄られ、韓国と中国のシェアは過去最小の1ポイント差まで狭まった。

■中国との単純比較は「無意味」

 これについて、産業研究院のホン・ソンイン研究委員は「今年は世界的に景気低迷が続く緊急事態である上、中国の受注実績の大半は自国内での発注分であるという点を考慮すると、統計数値で断片的に中国と比較しても意味がない」と述べた。韓国の競争力が劣っているためではないとの見方だ。

 業界によると、中国政府は「国需国造」(自国の船は自国の造船会社が建造する)という旗印の下で造船業を下支えしており、発注の70−80%を自国の造船所に割り当てているという。

 知識経済部のキム・ソンチル自動車・造船課長は「中国の受注は中低価格の船舶が中心だが、韓国企業は高付加価値船舶や高価な海洋プラントを主体とする戦略を立てており、今年のような状況では不利にならざるを得ない」と分析した。

 中国との受注残高差縮小に関し、信栄証券のチョ・ヨンジュン常務は「韓国の造船所は生産性が高く、船舶が予定通りに引き渡される半面、生産性で劣る中国は引き渡しが遅れるケースが多いため、受注残高の差が縮小している。(原因は)中国の能力が勝っているのではなく、韓国が船を早く作るからだ」と指摘した。

■来年下期まで不振が続けば危機到来

 だからといって、韓国の造船業界は安心できない。複数の専門家は「中国との順位争いよりも、いつ受注が再開できるかという本質的な問題のほうが重要だ」と指摘する。

 造船所は一般的に契約時に船舶代金の20%前後を前渡し金で受け取った後、4回に分けて中途金、残金が支払われる。しかし、新規受注がないため、前渡し金の収入がなくなり、発注元の資金事情で受注済み船舶の代金支払いも遅れるケースがあるため、造船所は短期資金運用において困難に直面している。ある業界関係者は「設計から建造まで2−3年かかることを考えると、来年下期まで現在のような受注不振が続けば、リストラなどの人員削減に踏み切る必要性も出てくる」と分析した。

韓国造船業に「恵みの雨」? 豪LNG開発で60億ドル規模受注

2009/08/28 FujiSankei Business-i

 8カ月間にわたり受注が干上がった状態の韓国造船業界にとって、オーストラリア政府が承認した420億ドル(約3兆9433億円)規模のゴーゴンLNG(液化天然ガス)プロジェクトは、まさに恵みの雨となるかもしれない。

 現代証券のアナリスト、イ・サンファ氏によれば、現代重工業と大宇造船海洋、サムスン重工業の造船大手3社が入札したゴーゴン・プロジェクトの契約額は、60億ドル規模となるのではないかという。現代証券は現代重工業とは無関係。

 ゴーゴン・プロジェクトは、米シェブロン、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、米エクソン・モービルが提携し、オーストラリア北西部の沖合で開発を進めている。イ氏によれば、早ければ9月にも発注されるかもしれないという。

 シェブロンなどの石油会社は資源を求めて、さらに深海へと開発を進めており、そのため、掘削装置や生産プラットホームへの需要が高まっている。

 韓国造船業界では、新規受注件数が1970年以降で最悪の水準にあるが、ゴーゴン・プロジェクトが景気回復の手助けになるかもしれない。

 UBSハナ・アセット・マネジメントで現代重工業株を含む40億ドル規模の資産運用に携わるチェ・インホ氏は「未踏の地で開発と生産が行われる。つまり、それを可能にするためには、より多くの機材が必要になるということだ」と指摘している。

 ゴーゴン・プロジェクトからの最初の天然ガスの出荷は2014年が予定されている。

 現代証券のイ氏は「このような種類のプロジェクトを引き受けられる工学的技術力を持った企業は世界でも非常に少ない。そのため、韓国の造船3社は小規模なライバルよりも、うまくこの苦境を乗り切ることができるだろう」との見方を示す。

 ゴーゴンの天然ガスは契約により、中国やインド、日本に出荷される予定だ。同地域では12件以上のプロジェクトが進行中で販売競争が起きている。

 教保アクサ・インベストメント・マネジャーズで約2億5000万ドルの資産運用に携わるカク・タイホ氏は、アジア各国にガスを輸送するために、より多くの輸送船が必要になるだろうとの見通しを示した。(Kyunghee Park)

造船大手3社の上半期受注額、前年同期比96%減

2009/07/01 KST 総合ニュースjapanese@yna.co.kr

【ソウル1日聯合ニュース】世界的に造船・海運業界の景気低迷が長期化していることから、国内主要造船会社も上半期は受注実績の低調ぶりが目立った。

 造船業界が1日に明らかにしたところによると、現代重工業と大宇造船海洋、サムスン重工業の国内3大メーカーは上半期、造船・海洋分野で総額12億3000万ドル(約1190億円)、船舶数としては5隻を受注した。造船業況がピークだった昨年上半期の3社合計341億1000万ドル、204隻とは比べようもない。受注額は前年同期比96.3%の減少となった。

 現代重工業の場合、上半期は1隻の船舶も受注できず、海洋プラント部門で以前の受注の追加工事があり2億5000万ドル相当を受注した。大宇造船は旅客船2隻を含む4隻、合計3億ドル相当を契約し、サムスン重工業は液化天然ガス(LNG)用のFPSO(浮体式石油生産・貯蔵・積出設備)1隻を6億8000万ドルで受注するにとどまった。

 すでに受注を確保している手持ち工事量があるため、売上高として昨年を上回っているが、新たな受注にこぎつけられなければ将来的に仕事を逃すことになる。3社は下半期には巨額が投じられる海洋プラント建設プロジェクトの発注があると見込み、積極的に入札に参加するなどして契約を取り、不振をばん回したい考えだ。


10月の船舶受注、過去6年で最低

2008/11/23 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 韓国造船業界の10月の船舶受注量が過去6年2カ月で最低を記録したことが21日までに分かった。米国発の金融危機と世界的な景気低迷で造船業界が不況に陥る中、韓国の造船業界にも本格的な不況が訪れつつある。

 造船・海運業界専門の市場調査会社クラークソンの報告書によると、韓国造船業界が10月に受注した船舶は8隻にとどまった。重量に換算すると21万1849CGT(標準貨物船換算トン数)となる。これは造船業が好況期に入る前の2002年8月以来最低だ。月次ベースでの受注実績が最高だったのは昨年5月(176隻、443万2121CGT)だった。10月はその5%にすぎない水準だ。

 専門家は「景気低迷で世界の船舶発注量が大幅に減っており、韓国の受注量減少も避けられない」と指摘した。

 10月に全世界で発注された船舶は46隻で、1999年2月(27隻)以来最低となった。

 しかし、中国は10月に17隻(21万6574CGT)を受注し、韓国を上回った。年初来の受注量では韓国が世界シェア41.1でトップで、中国(34.1%)を引き離している。

 10月の受注実績が低調だったのは、世界最大手の現代重工業と3位の大宇造船海洋が1隻も受注できなかったことが主因だと指摘されている。資金難に苦しむ一部の中小造船所がまともに受注活動を行えずにいることも影響を与えた。

韓国、たった4隻の受注 2ヶ月で造船最大手3社

2008/11/22 IZA(dangunのトンデモ)

 造船は経済危機で海運会社が先行きを悲観しているので、発注がばったり止まりました。それもそのはず。17万トンのバルク船の用船料が1日118,500ドルから28,500ドルと8割近くも低下しています。

 このため韓国の最大手の造船メーカーの現代重工業、三星重工業、大宇造船海洋はこの2ヶ月でたった4隻しか受注できませんでした。

 韓国の造船業界は三年先まで受注があると豪語していましたが、やっと、痛みが脳に届くようになりました。

 不況時に生産能力を拡充しておき、好況になったら一気にシェアを拡大すると考える会社もありますが、それにはそれなりの体力が必要です。また、そういう会社の発注だけでは韓国造船界の餓えは満たせないでしょう。

 そろそろ韓国も日本の造船不況の苦しみを味わう時期に入ったようです。

(韓国 中央日報)
  三星(サムスン)重工業は20日午前、「ドリル船2隻を総額14億4,000万ドルで受注した」と株式市場に公示した。 ブラジルの船会社と原油を採掘するドリル船を建造する契約をしたという内容だった。

 造船業界は「受注不足の中の恵みの雨」と言って喜んだが、暗い表情を隠すことはできなかった。 現代(ヒョンデ)重工業と大宇(デウ)造船海洋を含むビッグ3(大型造船3社)にとって、今回が10-12月期の2件目の受注だったからだ。

 世界1-3位会社を保有する国内造船業界では、2カ月前まで10億ドル台の受注はニュースにもならないほどだった。

◇2カ月間受注なし=世界最大造船会社の現代(ヒョンデ)重工業は9月中旬以降、一隻も受注がない。 大宇(デウ)造船も10月以降、受注実績がない。 三星重工業が10月15日にタンカー2隻を受注したのが最後だった。

 韓国造船協会のク・ボンソン課長は「10月以降、国内造船業界の受注船件数は1けた」とし「それどころか、受注の取り消し、建造費を引き下げてほしいという発注社の要求に苦しんでいる」と話した。

 南海岸の中小型造船企業からなる韓国中小型造船協会のチェ・ヨンイル事務局長は「銀行がリファンド保証書(RG)の発行を避けていて、新規受注は考えられない」と述べた。

 こうした状況は韓国だけの問題ではなく世界的な現象だ。 日本船舶輸出組合によると、10月の受注量は29万CGT(標準貨物船換算トン数)と、前年同月の161万CGTに比べて80%減少した。

 コンテナ運搬船を主に建造している中国造船所も大量の発注取消に頭を悩ませている。  

◆金融危機の直撃弾=船の注文が急減したのは世界的に物流量が急減したからだ。 米国発の金融危機が世界各国の経済を強打し、海上物流量が大きく減ったのだ。

 海運業界の関係者は「夏まで物流量は多かったが、それがどこへ消えてしまったのか…」と話した。 中国景気の失速で原資材の需要が減少し、各国の実体経済が冷え込みながら輸出入量が減った、という分析だ。 穀物や石炭などを運搬するバルク船の運賃指数(BDI)は7月末の8,859から19日には859と、10分の1水準に落ちた。

 コンテナ船総合用船指数も今月第1週が709と、前年平均の1343の半分になった。 物流量の減少は新規船舶発注の減少につながる。 LNG船や超大型タンカー(VLCC)は建造費が数億ドルにのぼる。 こうした船は普通、発注会社が金融市場で投資家から集めた資金(PF)で発注するが、金融危機の影響で投資家が集まらないのだ。

◆高付加価値船に注力すべき=東部(トンブ)証券のチョン・ヨンボム研究委員は「船発注市場が金融危機で深刻に冷え込んでいるうえ、実体経済も良くないため、造船市況はいつ改善するのか予想するのは難しい」と述べた。 世界景気が回復するまで少なくとも2-3年の沈滞期を乗り越えなければならない、ということだ。

 韓国造船協会のカン・サジュン経営支援部長は「大型造船3社は今後3年間の受注分があるため今回の不況は乗り越えるだろうが、70余りの中小型造船所は深刻な時期を迎えるだろう」と話した。

 教保(キョボ)証券のチェ・クァンシク研究員は「大型造船会社は景気の影響が少ない石油メジャーを狙って高付加価値船のドリル船や海上プラントに力を注ぐべきだろう」と述べた。 現代経済研究院のイ・ジュリャン研究委員は「南海岸に集まった中小型造船会社は超大型タンカーやコンテナ船などの分野で競争力のある会社を中心に再編される必要がある」と診断した。

韓国造船業界にも構造調整の嵐

2008/11/19 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 羅志弘(ナ・ジホン)記者/チョン・チョルファン記者

 9月中旬以降、世界金融危機と実体経済の停滞が同時に進行する中、韓国でも建設業界に続き、造船業界に対する構造調整作業が本格的に始まった。

 建設業と造船業は、不動産景気停滞および世界的な造船景気不況で中小企業を中心に経営が悪化している状況だ。

 現在、政府と債権団は各種構造調整プログラムを用意し、一時的な流動性危機に陥った企業に対し積極的に資金を支援し、再建の可能性が低い企業には整理を勧告する方針だ。しかし中小の建設企業と造船企業は債権団のプログラムに加入した場合、経営状態の悪い企業というレッテルを貼られ、不利益を被ることがあると反発しており、構造調整作業は出だしから支障をきたしている。

 銀行連合会は18日、ソウル明洞の銀行連合会ビルで「造船会社金融支援プログラム説明会」を開き、中小の造船企業を対象に、「ファーストトラック(早期融資プログラム)」計画を説明した。銀行連合会は「資金難に陥っている中小の造船会社が株債券銀行に支援を要請し、債券銀行によってA、Bランクに選ばれた企業には信用保証と最高20億ウォン(約1億3300万円)の資金を提供する」と明らかにした。しかしC、Dランクに分類された企業には、ワークアウト(企業改善作業)や民事再生法手続きに移行するよう勧告する方針だ。

 米ワシントンで開かれた主要20カ国・地域(G20)金融サミットを終えてこの日帰国した姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官は、「中小企業のファーストトラックを設けた背景には、造船の下請け業者(中小の造船会社)問題がある」とし、ファーストトラックを通じた造船業界の構造調整の方針を示した。

 構造調整対象の造船企業の基準と関連し、金融委員会のパク・ヨンチュン金融政策課長は「中堅以上の造船企業は受注実績や現金の流れなどを見る限り、今すぐ構造調整を行う段階ではないと思っている」と、中小企業の債務整理に焦点を合わせる意思を示した。

造船:受注減で中小企業の資金繰り悪化(上)

2008/11/22 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 木浦・統営=金承範(キム・スンボム)記者

全羅南道木浦市のサプチン産業団地内にあるC&重工業の造船所。8万1000トン級のバルク船が、船尾の部分だけが完成した状態で放置されている。この造船所で初めて建造されるこの船は、来月末に完成する予定だった。

 全羅南道木浦市のサプチン産業団地内にあるC&重工業の造船所。船舶ブロック(船体の部品)を加工する工場は機械が止まった状態で、作業員は一人もいなかった。地面にはたばこの吸い殻や薄汚れた軍手が散らかり、片隅に積み上げられた船舶用の厚板にはクモの巣が張っていた。そして事務室の「加工工程現況表」は、8月28日を最後に記録が途絶えていた。

 この日以来、操業が中止されているためだ。今年末に完成する予定だった8万1000トン級のバルク船(穀物や鉱物などを積む一般貨物船)は、船尾の部分だけが完成した状態で放置されており、海に面した造船所の敷地は、埋め立て作業が途中で中断されていた。

 2004年以降、造船業界の好景気の波に乗り、南海岸一帯に建設された中小の造船所約20カ所が、韓国内外の景気低迷のあおりを受け困難に直面している。今年上半期、船舶用の厚板の品切れで生産に支障をきたした中小の造船所が、今度は資金難に苦しんでいるというわけだ。

◆資金難で工場施設の工事が中断、船舶の建造にも影響  今月12日昼、全羅南道海南郡の大韓造船を記者が訪れると、船を建造する2カ所のドックの用地は、地面を掘ったままの状態で放置されていた。金融機関に4500億ウォン(約310億850万円)の資金援助を求めたものの、断られたためだ。当初、先月に完成する予定だった2カ所のドックの建設が遅れていることで、船舶の建造にも支障が生じるのではないか、と会社側は懸念している。大韓造船が受注した43隻の船のうち、2カ所のドックで建設される船は 22隻に上る。同社の関係者は「ドック1カ所は正常に稼働しており、建設中の2カ所のうち少なくとも1カ所は稼働させる計画だが、それでも限界があるだろう」と話している。

 このように、南海岸一帯に建設された中小の造船所で、操業を中断したり、生産に支障をきたしているところが続出している。

 C&グループ系列のC&重工業は、これまでに約60隻の船を受注した。だが、今年4月に金融機関に要請した1700億ウォン(約117億1200 万円)の融資を受けられず、操業中止に追い込まれた。初めて受注した船を来年2月初めまでに引き渡すことができなければ、1日につき1万6000ドル(約 155万円)の違約金を支払わなければならないが、今操業を再開したとしても、来年6月までかかってようやく完成する見通しだ。売り上げがまったくない状況の中、従業員の給与はグループからの支援で最近ようやく支給された。また、同社は協力会社に支払う額(780億ウォン=約53億9100万円)も未納のままだ。

 船主から契約金を受け取るのに必要な銀行の換金保証は、大手の造船所ばかりに集中しており、中小の造船所は見向きもされていない状況だ。銀行の保証がないため、契約金を受け取ることができず、操業に支障をきたす、という悪循環が続いているというわけだ。慶尚道のある造船所は資金難のため、船舶の建造用に購入した厚板をほかの造船所に売却した。

造船:受注減で中小企業の資金繰り悪化(下)

2008/11/22 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 木浦・統営=金承範(キム・スンボム)記者

◆船舶受注の減少で非常事態に

 世界的な景気の低迷も、中小の造船所に悪影響を及ぼしている。慶尚南道統営市のA造船所の役員は「船主たちからの発注が減り、受注量は今年の目標の半分程度にしかならない見通しだ」と語った。また、B造船所の関係者は「中小の造船所も2‐3年分の仕事はあるが、今のように船舶の発注が少ない状況が来年下半期まで続けば、一気に仕事が無くなってしまう」と述べた。

 このため、中小の造船所は、船主から発注を取り消されるのではないか、と戦々恐々としている状態だという。信栄証券リサーチセンターのチョ・ヨンジュン所長は「先月末以降、海外の中小の海運会社が三日に1社の割合で倒産しており、これらの海運会社との取引が多い韓国の中小の造船所が打撃を受けることが懸念される」と話す。統営市のある造船所は先月、海外の船主が中間金1000万ドル(約9億7300万円)を期日までに支払わなかったため、非常事態に陥った。この造船所の関係者は「15日後にようやく入金されたためホッとしたが、このようなことがまた起きるのではないかと心配している」と話している。また、SPP造船は今月に入り非常体制に移行した。作業で使った軍手を洗濯し再び使うなど、経費を15%節約するためのキャンペーンも進めている。

◆中小の造船所「金融機関の支援が必要」

 造船業界の関係者は「今年上半期、厚板を確保するための競争で力を尽くしたため、最近の経営環境の悪化はさらに苦しく感じられる」と話している。こうした状況に果たして突破口はあるのだろうか。

 信栄証券のチョ・ヨンジュン氏は「現在のような状況が来年好転するという保障はない。過剰な設備投資に対する一定程度の構造調整は避けられない」と指摘した。また、ソンドン造船のチョン・フィヨン常務は「中小の造船所は、大手の造船所が扱わない船舶を中心とした“すき間市場”を攻略することで競争力を確保できる」と主張した。一方、大韓造船のキム・ホチュン社長は「造船業は地域経済への貢献度が高いため、中小の造船所に対する支援が不可欠だ」と訴えた。

 これに対し、産業研究院の洪性仁(ホン・ソンイン)研究員は「無条件で金融機関だけに圧力をかけることはできないため、中小の造船所は既存の設備を活用し、できる限り効率性を高め、危機を克服するための方法を模索していかなければならない」と指摘した。

受注減と資金難、中小造船所を直撃(上)

2008/11/19 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 過去3−4年間の造船好況を乗り、韓国南海岸一帯に雨後のタケノコのようにできた中小造船所が国内外の景気低迷で直撃を受けている。船を建造するのに使う鉄鋼が急騰したことで上期に困難に直面した中小造船所は、最近は船舶受注の減少と資金難に苦しんでいる。韓国政府が18日、債権銀行団との協約などを通じ、造船業界に対する構造調整を進める方針を示したことについて、専門家らは「想定の範囲内」だと指摘した。現代重工業など大企業は流動性に大きな問題はないが、中小造船業者の中には資金難で操業を中断したり、操業に影響が出るケースが続出している。

◆資金難と世界的な造船景気低迷

 C&グループ傘下のC&重工業は約60隻の船舶を受注したが、金融機関から1700億ウォン(約110億円)の必要資金を借り入れることができず、8月から操業を中断している。同社は下請け業者にも780億ウォン(約52億円)を支払えずにおり、従業員にはグループ支援で9月分の給与が最近やっと支給されたほど資金難にあえいでいる。大韓造船も4500億ウォン(約300億円)の資金を調達できず、先月完成予定だった船舶用ドックの建設工事を中断した。

 船主から船舶建造のために前払い金を受け取る場合には、銀行による払い戻し保証が必要だが、銀行が最近中小造船所に対するリスク管理を強化し、保証を制限したため、一部の中小造船所は前払い金も受け取れずにいる。現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋など造船大手は3−4年分の受注を確保し、超大型タンカーなど高付加価値の船舶を建造することで収益性を維持している。これに対し、中小造船所はバルク船など相対的に安価な船舶を主に受注しており、景気低迷の直撃を受けている。

 バルク船の市況を示すバルク船運賃指数(BDI)は17日、856ポイントを記録し、5月のピーク時(1万1793ポイント)に比べ92.7%も下落した。造船業界によると、全世界の貨物船受注量は1−9月に950万CGT(標準貨物船換算トン数)にとどまり、前年同期に比べ34.5%減少した。

 信栄証券リサーチセンター長のチョ・ヨンジュン氏は「10月末以降、3日に1社の割合で海外の海運業者が破綻しており、海外の中小海運会社との取引が多い韓国の中小造船所も打撃を受ける可能性がある」と分析した。既に受注済みの船舶についても船会社が資金負担への懸念から発注をキャンセルする動きを見せている。さらに大きな問題は造船市況に当面改善の兆しが見られないことだ。専門家は「設備の過剰に対するある程度の構造調整は避けられない」と話している。

受注減と資金難、中小造船所を直撃(中)

2008/11/19 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

◆過剰投資で状況悪化

 造船業の好況を追い風に2004年以降、南海岸一帯には中小造船所が20カ所余り建設され、過剰投資ではないかとの指摘を受けてきた。造船工業協会関係者は「新しい中小造船所が建造する船が韓国全体の船舶建造量に占める比率はこれまでの10%から今年は15%以上に上昇する見通しだ」と語った。しかし、増加分に対し質的レベルは劣る。大型造船所が二けたに迫る営業利益率を記録している半面、中小造船所は何とか黒字を維持しているというところも多い。

 中小造船所の資金難は過剰投資に加え、建造能力を考慮しない無差別受注戦によるものだとの指摘もある。慶尚南道の造船所役員は「今年引き渡し予定の船を半分も引き渡せない造船所がある。とりあえず受注を確保しておこうという考えから、建造能力を上回る注文を受けた結果、納期を守れないケースが多い」と状況を語った。一部の中小造船所が納期を守れなければ、韓国の造船業に対する信頼度が落ちるため、構造調整は避けられないとの主張が強まっている。

受注減と資金難、中小造船所を直撃(下)

2008/11/19 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

◆中小造船業者「銀行が責任転嫁」

 金融機関が造船業の構造調整に乗り出す姿勢を見せていることについて、中小造船会社は「今の苦境は金融機関が融資を中断したために生じたものなのに、まるで中小造船会社による行き過ぎた設備拡張と無理な受注のせいだというように責任を転嫁している」と反発している。

 C&重工業、21世紀造船、YS重工業など中小造船所10社で構成する韓国中小型造船協会は「2−3年分の受注を確保し、建造能力があるにもかかわらず、銀行が融資に応じず操業ができない。その上、払い戻し保証も拒否され、受注契約を結ぶことのできない企業が多い」と主張した。

 同協会は「売れ残りマンションで危機に陥った建設会社と、受注を確保しながら金融機関の支援を受けられずに一時的な資金難に直面する中小造船所を同じように扱ってはならない」と訴えている。

 C&重工業関係者は「支援さえあれば今すぐにでも船を作れる」と述べた。大韓造船の金浩忠(キム・ホチュン)社長は「造船産業は地域経済に対する寄与度が高いため、中小造船所に対する金融支援策を取りまとめるべきだ」と話した。

韓国造船業界、10月の受注ゼロ(上)

2008/11/09 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 世界的な景気不振、氷河に衝突した造船産業

 韓国造船業界が船舶の受注減に直面している。2日に現代重工業と大宇造船海洋が明らかにしたところによると、両社の10月の船舶受注業績はゼロだった。

 世界トップの現代重工業が月別の実績で1隻も受注できなかったのは3年10カ月ぶりのことだ。大宇造船海洋は先月も新規受注がなく、2カ月連続で注文が滞ったことになる。米国発の金融危機と世界的な景気不振の影響で世界の造船業界が失速している中、韓国の造船メーカーも見通しが暗いとの指摘が相次いでいる。

 米国発の金融危機で好況は終えん?

 現代重工業にとって月別の受注がゼロとなったのは2004年12月以来のことだ。しかし、世界の造船業界が好況を謳歌(おうか)していた04年と今年は状況がまったく異なる。同社の関係者によると、「04年12月は季節的な要因が大きく、その月を前後して注文が多かったのが大きく影響した。

 しかし今年10月は明らかに世界的な金融危機の影響と考えられる」という。大宇造船は、今年8月末に超大型タンカー4隻を受注したのを最後に注文が途絶えている。昨年10月には16隻、20億7000万ドル(約2043億円)の注文があったのとは正反対だ。

 関係者は「船主との交渉は今も続いているが、話をしていると注文を遅らせたいような雰囲気だ」と状況を説明する。サムスン重工業は金澄完(キム・ジンワン)社長自らが先月欧州に出向き直接注文を取りに回ったが、結果的に受注額は2億5000万ドル(約247億円)にとどまり、9月の業績12億ドル(約1185億円)に比べると大きく減少した。

 来年の見通しは2003年と同じレベル

 金融危機が本格化した今年後半以降、韓国造船メーカーの受注額は目に見えて減少している。世界の造船・海運の動向を分析するクラクソン社によると、今年7‐9月期の韓国メーカーの受注量は329万5400CGT(標準貨物船換算トン数)で、4‐6月期の712万6300CGTのおよそ46%にまで落ち込んだ。ちなみに昨年7‐9月期の受注量(980万4100CGT)は同4‐6月期(1020万7500CGT)に迫っていた。とりわけ今年9月の新規受注量は59万3400CGTにとどまり、05年12月以来33カ月ぶりの低い数値となった。

 信栄証券リサーチセンター長のチョ・ヨンジュン氏は「今は景気そのものが悪化しているという事情もあるが、船舶は注文してから現物を引き取るまでに2年から3年はかかるため、船主たちは将来に対する見通しが立たないことから注文を先送りしている。来年は世界の発注量が03年のレベルにまで落ち込むだろう」と予想した。

韓国造船業界、10月の受注ゼロ(下)

2008/11/09 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 中小のメーカーは操業を中断

 需要減の影響で、大手メーカーが主に製造している付加価値の高い超大型タンカーの新規注文価格は、先月に入って1隻当たりおよそ100万ドル(約9900万円)も下がった。33カ月間続いた価格上昇の流れがついに途切れたことになる。

 産業研究院の洪性仁(ホン・ソンイン)研究委員は「韓国の造船業が景気後退期に入ったと結論付けるのは時期尚早だ。来年後半になれば造船景気も持ち直すだろう」と予測している。ある大手メーカーの関係者は「価格が高い海洋プラントの方向へと交渉が進んでいるものもあり、今年の受注目標は何とか達成できる見込みだ。注文が一時的に減ったとしても、4年分の受注をすでに受けているため問題はない」と述べた。

 しかし中小のメーカーは困難な状況にある。資金難に直面しているC&重工業は今年8月から事実上の操業中断に入った。また全羅南道海南市のあるメーカーは、4000億ウォン(約310億円)を投じて建設を進めていた2番目のドック建設が、銀行からの資金供給中断で遅れが生じ、操業のスケジュールを見直さざるを得ない状況にある。

 その上注文までが先細りすれば、中小のメーカーとしてはまさに「泣きっ面にハチ」となってしまう。

 来年後半以降に期待

 業界関係者は「中小の造船所が顧客とする船主は資金力が十分でないケースが多い。そのため世界的な金融危機の影響をまともに受けている。

 資金源が行き詰まっている船主の中には注文を取り消すケースも出てくる可能性がある」と暗い見通しを口にしている。また、発注の余力が残っている船主らも大手のメーカーに流れているようだ。信栄証券のチョ・リサーチセンター長は「韓国の中小造船メーカーにとっては構造調整が避けられなくなるだろう」と述べた。

STX、仏グループ企業の株式を売却

2008/11/08 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 造船大手のSTXグループは7日、グループ企業STXヨーロッパ(旧アーカー・ヤーズ)の子会社「STXフランスクルーズ」の株式33.34%を仏政府に売却すると発表した。STXは今回の株式売却で最大2億3500万ユーロ(約290億円)を受け取る。

 STXによると、仏政府はSTXフランスクルーズの株式取得代金としてまず1億1000万ユーロを支払い、さらに来年から2011年までのSTXフランスクルーズの業績に従って最大1億2500万ユーロを追加で支払うという。

 STXグループは資産売却交渉の完了に伴い、軍艦の設計と建造などを手がける仏防衛産業とSTXフランスクルーズの造船所の隣接区域で造船産業クラスターを構築する方向で仏政府と緊密に協力していく方針だ。

ハンファ、大宇造船海洋買収に不安材料も(上)

2008/10/25 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 ハンファ(韓火)は24日午後、大宇造船海洋の買収に向けた優先交渉対象者に選ばれた。産業銀行から正式に発表されると、ソウル市中区長橋洞にあるハンファ本社 21階の買収タスクフォース会議室は歓呼に包まれた。ハンファは当初、買収競争でポスコ、GSなど競合社より不利とみられたが、最後まであきらめずに今年のM&A(合併・買収)で最大の「獲物」を釣り上げた。

 しかし、国内外の経済状況が不透明な中で、大宇造船海洋の買収がハンファにどんな効果をもたらすかはしばらく見守るべきとの声もある。

◆製造業中心の事業構成に

 公正取引委員会が今年4月に発表した企業規模順位(資産ベース)によると、ハンファ・グループは12位(民営化された政府系企業を含む)だった。大宇造船海洋の買収後は資産が29兆3000億ウォン(約1兆9400億円)に増え、順位は9位に躍進する。

 ハンファは造船業を新たな成長源と位置づけ、金融中心の事業構成を製造業中心に再編するきっかけをつかんだ。製造・建設、サービス・レジャー、金融という3大事業群で金融部門がグループの売上高に占める比率は昨年時点で55.6%だ。ハンファの計画によれば、大宇造船海洋の買収後、製造・建設部門が全体に占める比率は2017年時点で52.0%に高まる見通しだ。

 ハンファは大宇造船海洋に集中投資を行い、17年のグループ全体売上高目標である100兆ウォン(約6兆5680億円)のうち35%を稼ぎ出す主力企業に育成したい考えだ。ハンファは世界的なネットワークを生かし、大宇造船海洋の受注競争力を高め、海外建設、資源開発分野で相乗効果を狙う。

ハンファ、大宇造船海洋買収に不安材料も(下)

◆2005年から買収検討

 ハンファは買収提案の価格面、非価格面の双方で高い評価を獲得した。入札価格と入札者の経営能力、買収後の発展計画、相乗効果、資金調達計画、労使関係安定計画などを基準にした総合評価で現代重工業を上回った。入札金額は6兆5000億ウォン(約4300億円)前後とされる。

 ハンファは、?升淵(キム・スンヨン)会長の指示で05年から大宇造船海洋の買収を検討してきた。買収戦の初期には相対的に資金力があるポスコ、 GSの一騎打ちになるとの見方が有力で、本入札の締切日(13日)を前にポスコとGSが共同での買収に合意したことから、事実上買収戦の決着はついたとまでいわれた。しかし、本入札の締切日になってポスコとGSが提携を破棄し、状況は急変した。産業銀行がポスコの入札資格を取り消し、ハンファが事実上「漁夫の利」を得た格好になった。

◆年末の本契約まで山積する課題

 ハンファが越えなければならないヤマは多い。まず資金力に対する疑念を解消しなければならない。大宇造船海洋の時価総額は24日現在で2兆 1053億ウォン(約1390億円)だ。今回ハンファが取得する大宇海洋造船の株式(50.4%)の時価は1兆610億ウォン(約700億円)となる。ハンファが6兆5000億ウォンで買収したとすれば、5倍のプレミアムを提示したことになる。それを嫌気する形で、24日の株式市場ではハンファ、ハンファ石油化学、ハンファ証券などグループ主要企業の株価が約15%急落した。市場環境が不透明な状況でハンファの財務負担が増大するとの懸念を反映した形だ。

 ハンファの張一炯(チャン・イルヒョン)副社長は「不動産売却と財務的投資パートナーの確保で資金調達には問題ない。本契約を結んだ跡で、海外投資家を財務的投資パートナーとして引き入れる案を検討している」と述べた。ハンファは国民年金の参加も検討対象としている。ハンファ幹部は「大韓生命に対する持ち株21%は本契約を結ぶ来年初めまでに状況が良い時を見計らって売却する予定だ」と話した。大宇造船海洋の買収初年度となる来年度の造船景気が不透明なこともハンファにとっては不安材料だ。

 ハンファは来月初めから3−4週間の確認監査を行い、価格交渉を行った上で、12月初めに産業銀行と本契約を結ぶ計画だ。

ハンファの大宇造船買収は吉か凶か(上)

2008/10/18 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金栄慎(キム・ヨンジン)記者

 強力なライバルだったポスコとGSの脱落で、ハンファ・グループが大宇造船海洋の有力な買収候補に浮上し、ハンファの資金余力と今回の買収による相乗効果に関心が集まっている。

 現代重工業が競合入札者として残り、買収競争は一騎打ちとなったが、専門家はハンファが一歩リードしているとみている。現代重工業は「造船業の市場価値を良く知っており、適正価格を提示した」と述べたが、予想よりも入札価格は低かったとされる。

◆ハンファの資金余力は十分か

 GSに続いてポスコの脱落が確定した翌日の17日、ハンファの株価はストップ安(14.9%)まで暴落した。資金動員する能力が決して大きくないハンファが大宇造船海洋を買収する可能性が高まり、市場環境がさえない中でハンファの財務的負担が増えるという懸念が株価に反映したのだ。一方、8兆5000億ウォン(約6480億円)の現金動員力がある現代重工業はハンファよりも株価の下落幅が小さかった。

 産業銀行の企業金融担当者は「資金調達計画がしっかりと履行されるか、買収する側と買収される側の経営悪化リスクなどを綿密に分析する」と述べた。専門家は6兆5000億ウォン(約4950億円)前後の買収価格を提示したとされるハンファが無理なく調達できる資金は5兆5000億ウォン(約4190億円)前後だと試算している。ハンファが自力で準備できる現金資産は約2兆ウォン(約1520億円)。これに加え、ハンファは大韓生命の株式21.37%を売却し、1兆5170億ウォン(約1150億円)を調達するとの計画を明らかにした。証券業界関係者は、ハンファが国内の銀行、証券会社など財務的投資者から最大2兆ウォンを追加調達できるとみている。

ハンファの大宇造船買収は吉か凶か(下)

 ハンファ側は保有不動産の売却で1兆−2兆ウォン(760−1520億円)の追加調達も可能だとしている。問題は不動産価格が最近下落し、不況で売却先を探すのが困難な点だ。これについて、ハンファ・グループの琴春洙(クム・チュンス)経営企画室長は「産業銀行に提出した入札提案書には資金調達源と確約書を添付するなど確定済みまたは確定的な内容のみを含めた。資金調達には何ら問題はない」と強調した。

 専門家はまた、借入金など3兆ウォン(約2280億円)程度の外部資金に対する金融コストが小さくないとみている。年10%の利息を支払うと仮定すると、金利負担は3000億ウォン(約230億円)に達する。ハンファは企業買収後に資金難に陥ることを懸念する市場の声に対し、「グループで耐えられる範囲を超えた買収価格は書き入れなかった」と説明した。

◆相乗効果はあるのか

 ハンファは相対的に大宇造船海洋の買収に伴う相乗効果が大きくはないといわれるが、建設業での経験を生かせば、船舶・海洋プラント受注で強みを発揮できると強調している。ハンファの張一炯(チャン・イルヒョン)副社長は「大韓生命など系列金融会社を通じた金融支援、世界60カ所以上のネットワークを通じた原材料・資材のグローバルソーシングなどを利用すれば、相乗効果を極大化できる」と主張した。

 相乗効果に関しては、むしろ現代重工業のほうが高いとされる。しかし、同社は現代尾浦造船、現代三湖重工業に続き、大宇造船海洋まで傘下に入れた場合、寡占の恐れが指摘されるという弱点を抱えている。また、同一業種での買収には大規模な構造調整が伴うため、大宇造船海洋の労組が拒否感を示している点も不利な材料だ。

 一部には入札が不調に終わるとの観測も出ているが、産業銀行の担当者は「入札の失敗は考えられない」と否定した。

 産業銀行は資金調達の健全性、実行可能性、買収後の長期発展計画、相乗効果、雇用安定計画などを綿密に審査した上で、22日に内部で設定した最低入札価格とハンファ、現代重工業の入札価格を比較し、24日ごろに優先交渉対象者を選定する方針だ。

全羅南道の造船各社、資金繰りが悪化(上)

2008/10/05 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 海南=キム・ソンヒョン記者

 大韓造船の第1ドックでは1日、高さ70メートルの600トン級のガントリークレーンの下で、17万トン級のバルク船が進水を翌日に控え、最後の艤装作業が行われていた。同船は、全長298メートル、全幅45メートル、高さ48メートルと、同社で製作された船のうちで3番目に大きな船だ。

 第1ドックの横には、第2ドックと岸壁が設けられる214万平方メートルの敷地があり、既に敷地整理を終えている。そこには幅115メートル、長さ460メートルのドックが14メートルの深さで掘られている。同社はここに、2013年までに約420万平方メートルの造船所と約190万平方メートルの関連産業団地、人口5万人規模の背後都市を備えた造船タウンを建設する予定だ。第3ドックまで完成されれば、売上高は7兆ウォン(約6000億円)、雇用者は3万3000人に達すると同社は予想している。

 ここは全羅南道が意欲的に推進している「西南圏造船事業クラスター」の中心だ。大韓造船と現代三湖重工業がリードし、約10の中型造船所と機材メーカーなどが加わると、2015年には年間売り上げが15兆ウォン(約1兆2000億円)、雇用は6万人に達し、造船産業の約30%のシェアを占めることになる、と全羅南道は見込んでいる。全羅南道のキム・ビョンジュ造船産業担当は、「家族まで含めると、全南の人口の7−8%が造船産業に従ずることになるだろう」と語った。

◆新生造船所への融資が停滞

 世界的な好況の影響で順風満帆だった西南圏の造船産業にも最近、黄信号が点った。大韓造船とC&重工業も、金融機関からの融資が滞り、設備投資ができない状況だ。

大韓造船は、第1ドックが今年に入って4度目の船舶建造に入るなど活気を帯びているが、第2ドックは設備投資が遅れている。このため、受注を受けた43隻のうち、第2ドックで建造される22隻に支障が生じるのではないかと危惧している。

 木浦・サプジン産業団地のC&重工業も最近、資金難で船舶の建造を中断した。同社は60隻の受注を受けており、2011年までに建造しなければならない。

 大韓造船は昨年、親会社のテジュ建設に税務調査が入ってからというもの、融資が完全に滞った。テジュグループは資産売却などを通じて、1兆ウォン(約8500億円)を超える流動性を調達して安定を確保したが、大韓造船の施設拡張に関しては困難な状況だ。C&重工業は、グループの資金事情が良くない上に、金融機関から融資とRG(造船会社が完成日までに船舶を完成することができなかった場合に発生する被害を、銀行が代わりに償ってくれることを約定する一種の支払保証)が受けられず苦境に立たされている。

全羅南道の造船各社、資金繰りが悪化(下)

◆造船業の展望「相反する見方」

 金融機関は最近、米国発の金融危機の影響から企業への融資に消極的で、しかも造船業の展望が明るくないと見て、融資に難色を示している。

 また新生の造船会社は「既存の大手造船会社が新生の造船会社をけん制するために、『過剰投資論』や『中国の脅威』などの論理を持ち出し、金融支援を困難にしている」と嘆いている。

 大韓造船のキム・ホチュン社長は「技術水準と生産性などを考慮した場合、『中国の脅威』は誇張されている。造船景気が悪いといいながら、なぜ大手は投資を増やしているのか」と疑問を呈した。

 全羅南道の関係者も「中国は専門人材の不足や人件費上昇などの弱点を抱えている。韓国は、今後20年は中国と競争できるというのが一般的な分析。昨年初めから大手造船会社を中心に造船業危機論が広まり、このため金融機関が造船業の融資に慎重になっている」と話す。

◆「造船業への支援」呼びかけ相次ぐ 

 全羅南道と地元経済界は、これら企業の困難が地域経済に悪影響を及ぼすことを懸念し、政府と金融機関に働きかけている。

 全羅南道は最近、大統領府(青瓦台)と国会に、両者の状況について説明し、政策的判断による支援を求めた。また4大都市銀行を訪問して協力を要請し、産業銀行、輸出入銀行などにRG発給を求める公文を送った。

 全羅南道は「政府は2004年、造船産業を全南地域の戦略産業として選定・育成してきた。同所の中型クラスターが計画通り構築されれば、日本が優位に立っている中型造船分野でトップに立てる」と強調した。

 海南郡と木浦市、木浦商工会議所も、青瓦台と政府担当部署、金融機関に提議し、西南圏造船企業への支援を呼びかけた。

 全羅南道のヤン・ボクワン経済科学局長は「造船産業は外貨獲得と雇用創出に大きな効果がある。政府が積極的に育成の意思を示し、金融機関も造船産業の競争力を新たに評価し支援してほしい」と語った。

造船・鉄鋼の好景気は終わったのか(上)

2008/10/04 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 崔有植(チェ・ユシク)記者/金承範(キム・スンボム)記者

 米国発の金融危機と世界的な景気低迷の中でこれまで好況に沸いてきた造船、鉄鋼業界が揺れている。造船業界では世界の船舶発注量が前年同期に比べ30%以上減少し、先行指標といえる海運業況も急速に悪化している。鉄鋼業界では下期から中国で需要が急減し、主要製品の国際価格が軒並み下落している。さらにウォン安による原材料輸入コストの増大で韓国の鉄鋼業界は苦しんでいる。造船、鉄鋼業界は2002年から「チャイナ効果」で7年連続の伸びを示す「スーパーサイクル」の中で、韓国経済を支える役割を果たしてきた。

◆造船業界の「祭り」は終わった?

 世界の造船景気は昨年をピークに後退局面に入ったとの分析が今年初めからささやかれ始めた。年初から世界景気が低迷の兆しを見せたことや船舶建造の主要材料である厚板の価格が上昇したことが理由だ。世界の船舶発注量は02年から毎年増加を続けてきたが、今年に入って頭打ちになった。信栄証券リサーチセンター長のチョ・ヨンジュン氏は「本格的な低迷期に入ったとは言いにくいが、米国のサブプライム問題の余波で世界金融市場が収縮し、船主の資金調達が困難になったことで、発注減少の懸念が生じている」と述べた。韓国造船業界は今のところ善戦している。現代重工業、サムスン重工業などの造船大手が高付加価値船舶の受注を増やし、8月現在で世界の船舶発注量に占める韓国のシェアは昨年通年の37.5%から42.4%へと上昇した。

 しかし、一部の中小造船所は資金難にあえいでいる。C&グループ傘下のC&重工業が造船所の建設に必要な資金1700億ウォン(約147億円)を金融機関から借り入れることができず、今年末に予定していた船舶引き渡しを来年初めに延期した状況だ。

 造船景気に先行する海運業況も急速に悪化している。バルク船市況を示すバルチック運賃指数(BDI)は1日、3025ポイントを記録した。これは5月のピーク時(1万1793ポイント)に比べ74.3%も下落した。産業研究院の洪性仁(ホン・ソンイン)研究委員は「景気低迷に伴う需要減少で海運物流が減り、船舶の発注減少につながる」と分析した。

◆危機感が漂う鉄鋼業界

 鉄鋼不況の震源地は中国だ。中国では北京五輪直前の7−8月に主要鉄鋼製品の価格が一斉に10−15%下落した。世界的な景気停滞に伴う輸出不振と不動産価格の急落で建設、自動車、機械、家電など主要業種の鉄鋼需要が大きく減少したためだ。欧米市場の主要鉄鋼製品価格も過去2カ月で10−15%下落した。

 世界の鉄鋼メーカーは相次いで減産に乗り出している。鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミッタルが10−12月期に15%減産計画を明らかにしたほか、日本の主要鉄鋼メーカーもそれぞれ10−20%の減産を計画中だ。中国鉄鋼最大手の宝鋼集団も8月と9月に値下げに踏み切ったのに続き、減産を検討中だ。

 韓国の鉄鋼メーカーにも危機感が漂っている。サムスン証券によると、韓国に輸入される中国製ホットコイルの輸入価格は7月の1トン当たり1063ドル(約11万1900円)をピークに下落し、今月に入ってからは800ドル(約8万4200円)にまで落ち込んだ。

 現代製鉄の関係者は「中国の内需減少で安価な中国製品が大量に韓国に流入すれば、ただでさえウォン安で原料価格が上昇する中で、鉄鋼業界は大きな困難に直面しかねない」と懸念を示した。

 宝鋼集団の徐楽江董事長は最近、世界の鉄鋼業界の状況と関連し、「鉄鋼業の高速成長時代は既に過ぎ去った」と述べた。一方、サムスン証券アナリストのキム・ギョンジュン氏は「欧米の景気低迷で当面は困難な状況だが、新興開発途上国の需要は今後も存在する。1−2年間の一時的な調整を経て、再び好転するのではないか」と話した。

金融委「大宇造船の年内売却を断行」

2008/09/18 edaily/朝鮮日報日本語版

 全光宇(チョン・グァンウ)金融委員会委員長は17日、依然として米金融不安が鎮静化する兆しを見せない中、大宇造船海洋の売却を年内に進める方針を発表した。

大宇造船海洋の買収合戦、持ち株会が参入へ

2008/09/13 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 大宇造船海洋の従業員持ち株会は12日、大宇造船海洋の買収合戦にコンソーシアムの形で参入することを明らかにした。

 持ち株会はGS・ポスコ・ハンファ・現代重工業など買収候補企業の中から買収にふさわしい企業を選び、コンソーシアム構成に乗り出す方針だ。

 持ち株会は大宇造船海洋の株88万2400株余りを所有している。これは同社の発行株数全体の0.46%に当たるため、所有株の割合としては高くない。しかし、持ち株会がコンソーシアム提携対象を選定・発表すれば、大宇造船海洋の内部組織が好ましい買収先候補を正式に表明することになるため、今回の買収合戦に少なからぬ影響を及ぼすものとみられる。

 候補企業のうち、現代重工業については、大宇造船海洋労働組合が韓国産業銀行前で立ち入り調査資格はく奪を要求、デモを行うなど、強く反対する意思を表明しており、コンソーシアム構成対象から外される見通しだ。

M&Aの後遺症…優良系列会社の売却を推進

SEPTEMBER 12, 2008 東亜日報

 錦湖(クムホ)アシアナやユージン、C&グループなど、最近、買収合併(M&A)で急成長を遂げた一部の企業グループが、優良系列会社や資産の売却を推進するなど、資金繰りの悪化の打開策として本格的な構造調整に乗り出している。

 錦湖アシアナグループは11日、流動性資金の確保に関連して、錦湖生命を売却する案が検討対象の一つに含まれていると明らかにした。錦湖グループは当初、錦湖生命の上場時期に、持分の一部のみを売却し、錦湖生命の経営権を維持する方針だった。

 しかし、最近の株式市場の低迷で上場によって確保できる資金が予想より少ないものと見られ、上場前の系列会社の持分をすべて売却して経営権を渡す案も考慮していると説明した。

 現在、錦湖生命の持分のうち65.94%を錦湖石油化学やアシアナ航空など6つの系列会社が保有しているため、これらの持分をすべて売却することは、錦湖生命の売却を意味する。錦湖グループの関係者は、「錦湖生命の売却は資金難の解消のレベルで考えるさまざまな案の一つに過ぎない」とした上で、「今のところ、決まったことは何もない」と話した。

 また、造船や海運、建設が主力産業であるG&グループは、東亜(トンア)日報が11日付で単独報道した「慶尚南道巨済市(キョンサンナムド・ゴジェシ)の第2造船所の売却推進」に関して、証券先物取引所での公示を通じ、「巨済市沙等面(サドゥンミョン)に建設中の第2造船所(シンウ造船海洋)を売却する案を推進している」と公式発表した。

 C&グループは、「グループレベルで推進している再生計画のひとつとして、C&S重工業の木浦(モクポ)造船所に力量を集中するため、このような決定を下した」と説明した。

 C&グループは1990年12月、海運仲介会社のチルサン海運としてスタートし、M&Aを通じて海運やファッション、建設、造船などへと急激に事業領域を拡大してきたが、最近の景気低迷による資金難で、第2造船所の売却を推進している。

 これに先立ち、建設や金融、流通を3大成長軸と据えてきたユージングループも最近、昨年買収したユージン投資証券(旧ソウル証券)を再度売却する案を検討していると、明らかにしている。

 ユージン側では、「競争力の高い事業に集中するという戦略の下、ユージン投資証券の売却を検討している」と明らかにしているが、財界ではこれが、昨年ハイマートを買収してから市場に出回っている流動性危機説をなだめるための布石だとする見方も少なくない。

 これに先立つ今年5月には、一時、代表的なM&A専門企業といわれてきたイーランドグループが、06年4月、カルプールを買収して作ったホームエバーを、三星(サムソン)テスコに再び売却している。イーランドは、カルフールを買収する際、1兆ウォン以上の資金を借り入れたものの、利息の負担に耐え切れず、再び売却したものと見られる。

 チョ・ヨンジュン・シンヨン証券リサーチセンター長(常務)は、「資金繰りに苦しんでいる企業としては、売れそうな優良資産を出すのが最も現実的な方法だ」とした上で、「手放したくはないが、財務の健全性を高めるためには、やむをえない選択だ」と分析した。

厚鋼板、内外で一段高 韓国向け輸出価格は4割上昇

2008年09月12日 NIKKEI NeT

 造船や機械に使う厚鋼板が内外で一段と値上がりした。今年度下期の韓国向け輸出価格交渉は上期より4割超高い水準で決着し始めた。国内価格も強基調だ。主要鋼材の値上がりが鈍る中、厚鋼板は供給不足による値上がりが続いている。

 国内高炉と韓国の造船会社による下期の厚鋼板輸出価格は円換算で1トン14万円台中心(本船渡し)。上期より4万―5万円高く、最高値となった。新日本製鉄など高炉の要求がほぼ満額受け入れられた。取引によっては10―12月の四半期契約で合意した例もあるようだ。

大宇造船海洋めぐるM&A合戦に拍車(上)

2008/09/07 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金徳翰(キム・ドクハン)記者/金承範(キム・スンボム)記者/チョン・チョルファン記者

GS・ポスコ・ハンファ・斗山が意欲

 今年の買収・合併(M&A)市場で最大の話題を呼んでいる大宇造船海洋(資産総額9兆4000億ウォン=約9890億円)の売却作業が急ピッチで進められている。大宇造船海洋の労働組合の反対でしばらく中断していた産業銀行による実体調査も、8月初めから再開されたほか、8月11日には政府が公的資金を投入した企業に対する売却計画を再び明らかにしたためだ。

 GS、ポスコ、ハンファ、斗山など買収を希望する企業は、タスクフォースチーム(特別作業班)を発足させ、資金確保のための具体的な計画をまとめるなど、激しい情報戦を繰り広げている。産業銀行は、法務法人の「広場」や「ハンヨン会計法人」と共に、売却に先立って巨済造船所に対する調査を進めている。同調査が終われば、売却公告を出し、1、2週間にわたって買収意向書(LOI)を受け付ける予定だ。大宇造船海洋は早ければ今年10月末にも新たなオーナー(まずは優先交渉対象者)を迎えることになる。

◆資金力でリードするポスコ・GS

 買収合戦はやはり資金力がものをいう。「いくら使ったか」が買収のための第1条件となるのだ。大宇造船海洋の時価総額(12日終値基準)は約7兆4000億ウォン(約7790億円)。産業銀行と韓国資産管理公社の持分を合わせた50.4%を購入するにも、3兆7000億ウォン(約3895億円)は必要となる。

 しかし、M&A合戦が本格化すれば株価が上昇するのが一般的で、財界では「競争の激しい今回の買収合戦では、経営権のプレミアムが100%に上るだろう」との見方が広まっている。中には、8兆ウォン(約8420億円)以上の資金を調達すべきだとの見方もある。買収を希望している企業は「それくらいの自信はある」との反応だ。

 ポスコは、鉄鋼景気の好調で6兆ウォン(約6310億円)近い現金性の資産を調達していることが分かっている。ポスコ側は「外部からの借り入れを含め、資金の余力は30兆ウォン(約3兆1580億円)に上る」と、自信のほどを示している。

 GSグループは、6月末に現在の持ち株会社であるGSホールディングスが「自己資本2兆9000億ウォン(約3050億円)に負債総額が7600億ウォン(約800億円)と、負債率が26%にすぎない」点をアピールしている。また、GSグループのある役員は「多くの投資家たちがGSグループとの共同買収を希望している」と話している。

 ハンファ・グループは、大韓生命、ハンファ建設など非上場系列会社の上場を進めることで、最大で3兆−4兆ウォン(約3150億−4210億円)を確保することができるほか、ハンファ建設の埋め立て地開発や、グループの資産売却および流動化を通じて2兆ウォン(約2100億円)以上を調達することができる、とみている。しかし、上場後すぐに資金調達するのは難しいとの見方が強い。

 斗山は昨年、米国のボブキャットを買収し、買収金額49億ドル(約5390億円)のうち40億ドル(約4400億円)を借入金として調達した点が、足かせとなっている。実際に証券業界では「斗山は資金難にあえいでいる」とのうわさもある。金融当局は、大企業が無理な借り入れを通じて大宇造船海洋を買収しようとする動きを厳しく監視していく方針だ。

◆斗山・ハンファは過去の経験が足かせか

 大宇造船海洋の買収合戦には、グループ総師らの自尊心がかかっている。新たな総帥が就任して以降、海外鉄鋼業者を買収するチャンスが何度もあったにもかかわらず、ことごとく逃し、勢力の拡大に失敗してしまったポスコや、LGグループから分離して以来、これといった成果を挙げることができなかったGSグループが、今回の買収合戦に挑む覚悟は格別だ。ハンファ・グループも金升淵(キム・スンヨン)会長が強い意欲を示している。

 ポスコは、鉄鋼製品の安定した供給先を確保し、海外資源の開発を拡大することができるとの点を主張する。GSグループは、大宇造船海洋を買収する場合、原油・ガスの生産設備、ボーリングや生産装備のリース・運営など、新たな分野でシナジー効果を挙げることができる、とみている。ハンファ・グループは、大韓生命など金融インフラをベースに大宇造船海洋をグループの主力会社としてはぐくんでいくというビジョンを温めている。

 こうした中、すでに神経戦も始まっている。特に船舶用のエンジンを供給している斗山に対し、競合メーカーは「結局取引先を買収することで、安定的な供給先を確保しようという魂胆」として反対している。

 産業銀行の関係者は「選定基準はまだ定められていないが、財務能力や経営能力以外にもさまざまな領域が評価対象になる可能性がある」としている。また、大宇造船海洋の労組も、透明性や公正性、雇用の安定性を害する企業に対しては、決死の覚悟で反対するとの意向を表明している。

 この場合、斗山やハンファが不利な状況に置かれる可能性がある。まず斗山は、韓国重工業(現斗山重工業)を買収した後、突然リストラを断行した前例があるほか、数百億ウォンに上る不正資金を造成し、粉飾決算したことでも有名だ。また、ハンファは金升淵会長の報復暴行事件で世論の反対が予想されている。

韓国の中小造船所、資金難でSOS

2008/09/05 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金承範(キム・スンボム)記者

 韓国の中小造船所が資金難にあえいでおり、船舶建造に支障が出ている。一部造船所では資金確保のため、会社役員が月給を返納したケースも出ている。過去3‐4年間の造船景気で韓国の南海岸地域には中小造船所が雨後のタケノコのように建設されたが、一方で過剰投資の懸念が指摘されていた。

 造船業界によると、全羅南道木浦市のC&重工業は船舶約60隻、約3兆ウォン(約2800億円)相当を受注した状況で資金調達に行き詰まり、造船所建設と船舶建造が遅れている。同社関係者は「ドックをはじめ造船設備の建設に必要な3800億ウォン(約360億円)のうち1700億ウォン(約160億円)が不足しており、金融機関に融資を申し込んだがまだ資金を確保できていない。年末に最初の船舶を引き渡す予定だったが、スケジュールが遅れ、来年初めにずれ込む見通しだ」と話した。同社役員は最近、資金確保のため月給を返納したという。

 全羅南道海南市の大韓造船でも状況は同様だ。4000億ウォン(約380億円)を投じる第2ドックの建設に向け、金融機関に支援を要請したが、融資が受けられず建設に遅れが出ているという。同社関係者は「ドック建設が遅れている上、船主から前受け金の支払いを受けるのに必要な払い戻し保証を銀行から受けられず、船舶の建造スケジュールに支障が出ている」と語った。同社は現在、バルク船43隻(うち1隻は引き渡し済み)、総額3兆3000億ウォン(約3100億円)相当を受注している。

 中小造船所が資金難に直面しているのは、金融機関が金融不安、造船業の景気後退に対する懸念から新興造船所に対する融資審査を厳しくしているためだ。信栄証券リサーチセンター長のチョ・ヨンジュン氏は「原材料価格の急騰が中小造船所の収益悪化を招いている。そこに人材難までが重なり、技術力と資金力を持たない中小造船所は困難な状況に追い込まれそうだ」と分析した。

 しかし、C&グループのキム・チョルホ理事は「中小造船所も大型造船所が取り扱わない船舶を中心にすき間市場を攻略し、競争力を確保できる。韓国の造船業の足元を固めるため、中小造船所に対する政府レベルでの支援策が求められる」と指摘した。

英アヴィバのソリューション採用、韓国のSPP造船

2008.07.28 The Fastening Journal

 【クアラルンプール28日PRN=共同JBN】プラント・海洋産業向けエンジニアリングITシステムの大手サプライヤー、英アヴィバ社(AVEVA、LSE:AVV)は28日、韓国の造船会社SPPシップビルディングが3カ所の造船所に「アヴィバマリーン」設計ソリューションを導入するため同社と数百万米ドルの契約を結んだと発表した。

 SPPは2002年に慶尚南道統営市に設立されその後急速に成長し製品・ばら積み貨物船の建造で一流の造船会社になった。

 SPPは補正総トン数(CGT)単位で見ると世界第10位の造船所(約280万CGT)で、今年末までに3番目の造船所を泗川市に建設、年間建造能力を41隻まで伸ばし2010年には同100隻に拡大する。同社は現在、慶尚南道統営市と固城郡の造船所で年間12隻を建造している。

 SPP造船所マネジングディレクターのナム・ヨニ氏は「われわれは建造能力を拡大しケミカルタンカーとオイルタンカーのニッチ市場に進出する計画を立てており、総合的なマリーン設計、生産アプリケーションとアヴィバが最も生産的でリスクがない方法で設計、造船を保証するために提供するオープンで柔軟性のあるライフサイクル管理ソリューションを組み合わせた完全なセットを必要としている」と語った。

 アヴィバ・アジア太平洋のピーター・フィンチ社長は「SPPは4年分の受注残を抱えており、現在の過当競争市場では予定通り注文を処理することが極めて重要である。当社の『製品ライフサイクル管理(PLM)』ソリューションを組み込んで造船向け特別仕様にした『AVEVANET』は、優れた設計に加えて正確で完全な製品情報を約束し、マン・アワー(1人1時間の仕事量)の節約、無駄と作業のやり直しの最少化、生産設備利用の最大化を実現する」と語った。

 ▽アヴィバマリーン・ソリューションについて

 アヴィバマリーンは“クラス最高”の2つのソリューション、すなわち業界標準のトライボンレンジ技術とアヴィバ独自のオブジェクトベースの技術を組み合わせて海洋設計・エンジニアリングツールの究極のセットを形成している。これら立証済みの機能の組み合わせと生産性を向上させる多くの新機能の追加により、アヴィバマリーンは競争の激しいい業界でリスクがないビジネス上の優位性を提供する。  ウェブサイト:http://www.aveva.com/marine

造船業界で中国人による機密窃盗事件!―韓国

2008年07月11日 Exciteニュ−ス(Record China)

 10日、韓国の釜山検察部は原油ボーリング船に関する核心技術を盗んだ疑いで、サムスン重工に勤務していた中国人を拘留し、「産業技術漏洩および保護法」違反で起訴したという。

 2008年7月10日、「韓国日報」の報道によると、韓国の釜山検察部は原油ボーリング船に関する核心技術を盗んだ疑いで、アメリカ船級協会(ABS)に席を置き、サムスン重工に勤務していた中国人を拘留し、「産業技術漏洩および保護法」違反で起訴したという。「環球時報」が伝えた。

 盗まれた核心技術は、韓国政府が指定する「造船分野の7大核心技術」で、サムスン重工が10年の期間と数100億韓国ウォン(数10億円)を投じて開発した機密技術。犯人の中国人は、中国国営企業からABSへの要求に基づいて韓国国内のサムスン重工で働いていたという。業界関係者は、この技術が漏れると韓国は今後5年間で320兆韓国ウォン(約34兆1800億円)の損失を被ると予測している。

 現在世界一の造船国である韓国が2015年には中国に追い抜かれるという予測もあり、造船業界に関連する今回の機密窃盗事件に対し、関係者は一層ナーバスになっているという。(翻訳・編集/HA)

『私の女』、「造船王国」韓国のプライドを誇るメロードラマ

2008/07/05 Innolife.com

 MBCが世界最高の水準に成長した、韓国の造船業界を背景にしたメロードラマを放送する。

 『甘い人生』の後続で、26日初放送予定のMBC週末特別企画『私の女』がそれだ。『私の女』は、世界のトップに立った造船業界で働く人々の、ダイナミックな青春ドラマと、永遠のテーマである愛と復讐のストーリー。

 イPDは、「韓国の造船業界が世界1位に跳躍したことは、国民の誇りであり、彼らの物語を視聴者が見たいだろうと確信することになった」として、「おりしも、MBCから視聴者が楽しんで見ることができる、通俗ドラマを制作してくれという依頼を受けた。それで目を付けたのが、1980年代初めに空前の大ヒットした『終点』の、青春メロードラマの枠組みを使うことにした」と説明した。

 『私の女』は、1980年代の人気ドラマ『終点』を現代的に再解釈した作品で、韓国の造船業界を背景にしている。ここに「愛」、「背信」、「復讐」という、典型的でありながら強力な素材を採りいれる。

現代重工業の「羽根付き船舶」、燃料節減効果で人気

2008/06/22 YONHAP News

【ソウル22日聯合】現代重工業が世界に先駆けて開発した「船舶に羽根を付ける」技術が、燃料節減効果から船主に人気を呼んでいる。

 同社は、羽根を装着した8600TEU(20フィートコンテナ換算)クラスのコンテナ船を2006年に受注したドイツの船会社から、このほど同クラスの船舶6隻に羽根を付けるよう注文を受けた。他社からの問い合わせも相次いでいるという。

 現代重工業が開発した「推力羽根(Thrust Fin)」技術は、揚力を発生させる羽根を船舶のプロペラ後ろの方向舵に装着するというもの。これを装着すると、プロペラが起こす回転流の推進力を再活用でき、4〜5%の燃料節減効果がある。1日300トン以上の燃料を使用する大型コンテナの場合、年間240万ドルの油類費を節約できるという。同社はこの技術について国内特許登録を済ませ、10カ国にも特許を出願している。

 同社は、推力羽根は中国や日本などのライバル国が容易にまねできない技術だと説明、今後は年間30台以上の加工能力を確保する計画だと話している。

韓進重工業、海外生産基地初の船舶建造を完了

2008/06/18 YONHAP News

【ソウル18日聯合】韓進重工業は18日、フィリピンの現地法人が運営するスービック造船所で初めての船舶建造を完了したと明らかにした。ギリシャ・Dioryxから受注した4300TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分)級コンテナ船で、昨年3月に建造を開始、今月初めに海上での試運航を行い船主会社から品質を認められた。

 韓進重工業は、世界的な造船業好況のなかで釜山・影島造船所の生産能力拡大に困難が生じたことから、2006年5月にスービック湾自由貿易港・特別経済区内で造船所建設に着工、昨年12月に第1段階工事を終え、全工程を消化できる生産システムを完工した。現在は1万2800TEU級コンテナ船8隻をはじめ、39隻・34億ドルに上る建造物量を確保している。

 同社の朴圭源(パク・ギュウォン)社長は、下半期に第2段階の工事が完了すればスービック造船所の稼動効果が本格的に現われるとしており、影島造船所との戦略的連携運営で造船能力を年間70隻余りまで拡大する計画だ。

サムスン重工業、中南米最大規模の造船所に出資

2008/06/18 (YONHAPNEWS) WOW!Korea

【ソウル17日聯合】サムスン重工業は17日、ブラジルに中南米最大規模で新設されるエスタレイロ・アトランティコ・ソル造船所の株式10%を2200万ドルで取得したと明らかにした。

 ブラジルでは、国営海運会社ペトロブラスが300億ドルに上る海底油田のボーリング船および関連装備を発注する代わりに、雇用創出などを考慮し自国内造船所での船舶建造方針を固めている。サムスン重工業は今回の株式取得が、ブラジルで発注される大規模ボーリング装備プロジェクトの受注に有利になるものと期待している。

 サムスン重工業は2006年7月に、この造船所の建設に向け構成された企業連合アトランティコと造船所建設、運営、船舶建造用図面の提供などに関する技術支援契約を結んでいる。

韓国造船の花形「H形鋼」とは(上)

2008/06/08 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 崔有植(チェ・ユシク)記者

 鉄鋼の花形は何と言っても「鋼板」だ。亜鉛メッキ鋼板、厚板、カラー鋼板、プリント鋼板など、各種の鋼板は、自動車、造船、家電、建設など各分野でわれわれの生活に必要な素材として使用されている。しかし、最近では建築、土木工事に使用されるH形鋼(Hビーム)などさまざまな形態の形鋼が脚光を浴びている。超高層ビルが増えたことで、鉄筋を支えるH形鋼の重要さが叫ばれるようになったのだ。国内造船業が世界1位を維持しているのも、国内鉄鋼業界が生産するH形鋼と船尾鋳鋼品によるところが大きい。

◆わずかな割れ目が原因となったタイタニック号の悲劇  

 1912年にカナダ近くの北大西洋に沈んだ超豪華客船「タイタニック号」の沈没原因は、船舶外装鉄板にあった。

 氷山に衝突した際に生じた六つのひび割れがあっという間に拡大し、内部が浸水。巨大な客船がわずか2時間20分足らずで水深4000メートルの海底へと沈んでしまったのだ。

 鋼鉄は外部の温度が低くなると、組職が固くなり、外部からの衝撃にも弱くなる。これはちょうど、飴が硬くなると折れやすくなるのとよく似ている。タイタニック号の外部船体を構成していた鉄板にも、気温がマイナスへと低下したことで亀裂が生じた。

 国内造船業界が生産する液化天然ガス(LNG)運搬船や砕氷タンカーなど高付加価値船は、マイナス40−50度の極地帯で使用される。従ってこのような船の骨格と船体を構成する形鋼や鉄板も、低温に強くなければならない。

 現代製鉄は昨年下半期、マイナス60度でも耐久可能な造船用形鋼を開発し、年内の量産に向け整備を進めている。

 金属組職が細かくなるようにバリウム、ニオブ、ニッケルなどの合金を混ぜるため、亀裂が入っても簡単にひび割れしない。

韓国造船の花形「H形鋼」とは(下)

2008/06/08 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 崔有植(チェ・ユシク)記者

 また、大型船の後尾に取り付けられる方向舵とスクリューを支える船尾鋳鋼品も、現代製鉄や斗山重工業などが生産した国産品が世界市場を占めている。船尾鋳鋼品は、海水による腐食やスクリューからの震動などにも耐えられるよう、一昔前までは巨大な鉄をたたく鍛造作業を通じて造られていた。

 現代製鉄はこれを、金型に熔解鉄を流し込んで生産するのに成功し、今では世界市場の40%を占めるに至っている。熔解鉄の内部から空気を抜き取って組職を細かくし、熱処理を通じて強度を高める技術が用いられている。船尾鋳鋼品は1トン当たり1000万ウォン(約100万円)で、一般鋼材の10倍以上の付加価値製品だ。大型船の場合は、船尾鋳鋼品の重さが100トンを超える。

◆さまざまな特殊H形鋼、国内で開発  

 40階建て以上の超高層建築物は鉄筋で建てられるケースが多い。これに使用される素材がH形鋼だ。

 高層建築に使用される建築構造用圧延H形鋼は、一般の土木工事に使用されるH形鋼に比べて強度が2−3倍も強い。地震の際も建物が倒れないようにするためだ。

 また規格そのものも違う。高層建築に使用されるH形鋼は断面の横の長さが80−100センチと、30センチに満たない一般のH形鋼よりもはるかに大きい。国内では90センチの製品が生産されている。また厚さも違っており、現代製鉄が昨年、超高層建築用として開発した極厚のH形鋼の厚さは44.1ミリで、一般製品(12−20ミリ)の2−4倍にもなる。

 橋梁には無塗装の耐朽性鋼材が使われる。一度さびついてもそれ以上進行しないため、半永久的に使用することができる。1998年に完成した京畿道南揚州のヤンス大橋には、ポスコが開発した無塗装の耐朽性鋼板が使用された。現代製鉄も昨年、無塗装の耐朽性H形鋼を開発するのに成功している。

 同鋼材の秘密は、クロムやニッケルなどの合金を混ぜることで、さびが均等に細かく進行するところにある。このように0.2−0.3ミリの厚さでさびが進行すれば、酸素がこれ以上、侵透することができないため、さびは途中で止まるようになる。

 現代製鉄のイ・ヒョンチョル技術担当取締役は「土木工事用から建築・造船用へと用途が拡大したことで、形鋼技術の開発速度はますます速まっている。日本からの輸入に頼っていた造船用の特殊H形鋼は、これでほぼ国産に代用することができた」と話している。

現代重工業の船舶受注好調、前年比37%上昇

2008/06/04 YONHAP News

【ソウル4日聯合】現代重工業は4日、年初から最近までに123億ドルの船舶受注を受け、前年同期間に比べ受注実績が37%上昇したと明らかにした。同社は先月26日から2週間開催された国際船舶見本市、POSIDONIAでも16万トン級タンカー14隻と11万4000トン級タンカー2隻を含む船舶22隻(24億ドル規模)を受注した。

 隔年開催で今年21回目を迎えたPOSIDONIAには、80カ国から1700社余りの業者が参加した。

 大宇造船海洋もこの見本市で、32万トン級の超大型タンカー2隻を欧州の船主会社から受注した。また最近、ドイツの海運会社から18万トン級バルク船4隻、米州地域の船主からドリルシップ2隻、アジアの船主から31万ン8000トン級タンカー2隻をそれぞれ受注している。同社は今年、超大型タンカー9隻を含む55億ドル相当33隻の船舶を受注しており、実績目標を175億ドルとしている。

造船業が輸出をリード、4月までで全体の7.5%に

2008/06/02 YONHAP News

【ソウル2日聯合】関税庁が2日に明らかにしたところによると、年初から4月までの船舶輸出額は103億ドルで前年同期比22.8%増加し、輸出全体(1372億ドル)の7.5%を占めた。

 船舶輸出の高い伸びは、これまで韓国の輸出をリードしてきたものの成長率が鈍化した自動車(6%)や価格低迷で減少傾向に転じた半導体(マイナス12%)とは大きな対照をなしている。また、船舶輸出増加率は全体の輸出増加率(19.7%)を上回った。

 輸出された船舶の内訳をみると、貨物船が97億5800万ドルで船舶輸出全体の大部分を占めている。昨年4月まで4600万ドルにとどまった試掘船などその他の船舶の輸出も、今年は4月までに5億5000万ドルに急増した。浮橋や船舶エンジンなど海洋構造物や船舶用部品の輸出も好調で、今年に入り輸出額が前年同期の3倍近い7億3500万ドルに達した。

 特に知識経済部が同日発表した5月の輸出入動向によると、先月の船舶輸出は49億ドルで月単位では過去最高を記録し、先月の輸出全体(394億9000万ドル)の12.4%を占め、貿易収支が6カ月ぶりに赤字から脱するのに大きな役割を果たした。

 関税庁は、国内の造船業界が4年程度の生産量を確保するなど安定した環境を土台に、今年は300億ドルに達する過去最高の船舶輸出額を記録できるとの見通しを示している。

STX造船、世界最大規模のコンテナ船を開発

2008/05/27 (YONHAPNEWS)@nifty韓流

【ソウル28日聯合】STX造船は28日、積載能力が世界最大規模となる2万2000TEU級コンテナ船の開発に成功したと明らかにした。TEUはコンテナを数える単位で、1TEUは20フィートコンテナ1個を積載できること意味する。現在運航中のコンテナ船のうち積載量が最も大きいのはデンマークの1万3500TEU級で、ドイツでは昨年2万TEU級コンテナ船が開発された。

 STXは、技術・経済面で限界とされてきた2万TEU級を超えるコンテナ船開発に成功したことで、世界市場をリードする国内の造船技術力が改めて立証されたと評価した。特に、コンテナ1個当たりの運送コストを示す単位運送費が既存の超大型コンテナ船に比べ40%以上節減できるよう設計されており、原油高時代を克服できる現実的な代案になると説明している。

 開発されたコンテナ船はデザインがプロペラが1つのものと2つのものの2種類で、船体は全長460メートル、幅60メートル、高さ30メートルに達し、甲板の広さはサッカー場4個分に匹敵する。同社は昨年から造船海洋研究所を中心に船型開発などの研究を進め、新型船舶の重要なテストを終えている。

韓国造船業界、LNG船設計技術開発に成功(上)

2008/05/11 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チョ・ホジン記者

 世界の造船業界をリードする韓国造船会社の最大の弱点は、液化天然ガス(LNG)船だった。韓国は全世界のLNG船の80%を建造しているが、独自の設計技術がないため、船価の約5%を技術使用料として支払ってきた。船1隻で60‐100億ウォン(約6‐10億円)に相当する金額だ。

 LNG船はマイナス162度の液体メタンを、荒れる海の中で長期間にわたり運搬する。液体メタンは少し温度が上がるだけでも急激に膨張し、爆発する可能性がある。こうした危険を取り除くには、船舶や貯蔵タンクに関する精密な設計技術が必要だ。現在、韓国のすべてのLNG船はフランスGTT社の設計に基づき建造されている。

 韓国造船業界は昨年、韓国ガス公社の主導の下、現代重工業・サムスン重工業・大宇造船海洋などの協力で、宿願だったLNG船設計技術の独自開発に成功した。あとは世界の市場がその技術を検証する作業だけだ。

◆全長270メートルの「大型保冷ポット」 

 天然ガスの主成分はメタンだ。メタンは常温では気体だが、マイナス162度まで冷やすと液体メタンになる。気体の水蒸気が冷やされれば液体の水になるのと同じだ。

 天然ガスを運ぶ際は、メタンガスを液体にする。こうすれば経済性が高まる。天然ガスを液体にすれば、体積は600分の1に減る。1回の運搬でより多くの天然ガスを積み、運ぶことができるのだ。目的地に到着したら、液体メタンを再び気体に戻し、需要先に供給する。

 LNG船には普通、全長270メートル、幅・高さ共に各40メートルという巨大な液体メタン貯蔵タンクがある。造船業界ではこのタンクを「貨物倉」と呼ぶ。貨物倉は外気温とは関係なく、常に液体メタンをマイナス162度に保たなければならない。外気温が20度と仮定すれば、短くて1週間、長くて 1カ月もの間、180度の温度差に耐えなければならない。例えて言うなら、LNG船は地上最大の「保冷ポット」ということになる。

 一般的に言って、物質は温度が下がれば収縮し、温度が上がれば膨張する。LNG船の金属の船体にヒビでも入れば、LNGが漏れ、爆発する危険が高まる。爆発しなくても、かなりの量のガスが失われることは避けられない。

韓国造船業界、LNG船設計技術開発に成功(下)

2008/05/11 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チョ・ホジン記者

◆「シワ」で膨張・収縮に対応  

 これを防ぐため、LNG船は温度の変化に対応できなければならない。LNG船設計のポイントは、何度となく繰り返される膨張と収縮に対し、いかに船体が耐えられるようにするかだ。現在の技術では金属の膨張・収縮自体をなくすのは不可能だ。フランスGTT社は、「膨張と収縮は避けられない」という前提の下、これを船体が吸収する設計技術を開発した。

 LNGを貯蔵する貨物倉の表面には、一定の間隔を置き、折り目のある個所がある。この折り目の間隔は34センチ。温度が上がり、貨物倉が膨張すると、この折り目が広がる。温度が下がり、収縮すれば折り目は再び狭まる。まるでバネを伸ばしたり縮めたりするような仕組みだ。

 だが、独自の設計技術を開発した韓国造船業界は別の方式を採用した。全長140センチの楕円(だえん)形の折り目を貨物倉の所々に入れ、LNGの膨張と収縮に柔軟に対応できるようにした。韓国ガス公社のヤン・ヨンミョン博士(49)は「韓国の造船業界が開発した方式にすれば、貨物倉の鋼板の厚みを薄くでき、製造コストも減らせる。また、工程もシンプルにできる。このため、生産単価が押さえられるので、世界のLNG船における韓国造船業界のシェアはさらに高まるだろう」と話す。

◆気化するガスを逃すな 

 LNGはマイナス162度で一定に保たれても、一部は気化してガスになってしまう。1日に蒸発するLNGの量は全体の約0.13%。7万トンの LNGを積み、運搬している船なら1日90トンが消えてなくなる計算だ。1トン当たり60万ウォン(6万円)とすれば、1日に5400万ウォン(約540 万円)の損失が発生することになる。

 これを防ぐため、貨物倉の上部には気化したLNGを集める装置が取り付けられている。焼き肉屋で煙を吸い込むレンジフードのような装置だ。このガスは航海に必要な燃料として使用される。

 LNG船は天然ガスを燃やして湯を沸かすスチームエンジンを使用している。エンジンの種類にはいろいろあるが、中でもスチームエンジンは広いスペースを取り、エネルギー効率もあまり良くない。にもかかわらず、ハイテク船であるLNG船でスチームエンジンが使われているのは、このように気化した天然ガスを利用するためだ。

 LNG船内で天然ガスを簡単に液体にする再液化技術も最近開発された。この技術があれば、航海中に気化した天然ガスを燃料として利用する必要はなく、効率のいいディーゼルエンジンを使うことも可能になる。再液化技術の国産化はまだなので、韓国の造船業界は開発に乗り出したところだ。

鋼材価格、売り手優位 造船会社に4割値上げ打診

2008年05月08日 asahi.com

 鉄の価格交渉が白熱している。鉄鋼会社は造船会社に対し、鋼材の4割近い値上げを打診した。理由は、鉄鋼の原料にする鉄鉱石や石炭の急騰だ。造船側は反発するが、鋼材は中国や韓国などからも引く手あまた。交渉は「売り手優位」で進んでいるようだ。

 鋼材は、これまで1トンあたり平均約8万円で取引されていた。鉄鋼会社は昨秋ごろから大口顧客に向けて、08年度分の価格について大幅値上げの意向をにじませ、年明けにいったんは1トンあたり2万円程度の値上げを打診。その後、石炭の急騰を受け、4月半ばに1トン約3万円に値上げ幅を積み増した。

 「値上げをのまないなら安定供給は約束できない、と鉄鋼大手に言われた。しかし、3万円なんて問題外だし、2万円ものめない」。造船大手の三菱重工首脳は、追いつめられた表情だ。

 国内の造船18社が使う鋼材は年間440万トン。1トンあたり2万円の値上げでも、880億円、負担が増える計算だ。08年3月期の18社合計の営業利益の見込み額を上回ってしまう。

 ■新興国で需要増

 攻勢を強める鉄鋼会社も、1カ月ほど前には、同じように嘆いていた。「3倍値上げをのまないなら石炭の供給をとめる、と資源大手に言われた。どうしようもない」(新日鉄首脳)。結局、のまざるをえなかった原料のコスト増は鉄鉱石なども含め計3兆円に達する見込みだ。鋼材価格を上げなければ、自らの利益が吹き飛ぶという。造船向けは国内製造業向け普通鋼材の2割を占め、交渉の行方は、並行して進む自動車業界との交渉にも影響しかねない。

 買い手より売り手の立場が強いのは、石炭や鉄鉱石、そして鋼材も、発展著しい新興国からの需要が強いからだ。売り手は、より高く製品を買ってくれる相手を選べる。石炭の価格交渉では、新日鉄やJFEスチールが3倍値上げをのむ前に、世界最大手アルセロール・ミッタルや韓国ポスコが同じ幅の値上げを受け入れていた。

 鋼材の交渉も構図は同じ。「(規模で抜かれた)韓国や中国の造船メーカーに鋼材交渉の主導権も奪われた」と、ある造船大手の首脳は嘆く。

 ■船価に転嫁困難

 造船業界には、さらに「受注期間が長い」という不利な条件もある。造船会社は、古いものでは4年前の受注を抱えるが、船の販売価格は受注時点で決定済み。その後に鋼材価格が上がっても、今さら船価に転嫁できない。鋼材の値上げの負担増は自分でかぶることになるのだ。

 造船各社は、船価の上昇で08年3月期にようやく営業黒字を回復したところ。日本造船工業会の田崎雅元会長(川崎重工業会長)は「長いトンネルから脱したばかり。値上げは先延ばししてほしい」と主張。一部のメーカーが割安な中国製鋼材を使う量を増やすなど、日本の鉄鋼会社への牽制(けん・せい)の動きもみせる。

 ただ、鋼材不足も悩みの種だ。鋼材需要の切迫で、昨年秋ごろから平均2週間ほどの納入遅れが発生、作業が慢性的に遅れている。船の納期に遅れれば、造船会社は船主に違約金を払わなければならない。業界からは「ある程度の値上げをのんでも、鋼材の安定調達を優先せざるを得ない」という弱気の声も漏れている。(山本精作、堀口元)

群山市「現代造船所の誘致に全力尽くした」

2008.05.09 (中央日報 Joins.com) Konest

 7日に起工式が行われた現代(ヒョンデ)重工業群山(クンサン)造船所は、世界4位(組立重量・売上基準)規模に建設される。 中型自動車530台を一度に積める世界最大のクレーン(1600トン)、サッカー場12面分のドックも設置される。

 この超大型造船所の誘致に寄与したのは全北道庁投資誘致チームと群山市投資支援チーム公務員の熱情と‘ビジネスフレンドリー’精神だった。 キム・ヨンウォン全北道投資誘致局長は「現代重工業を誘致するため、企業クレーム解決人、不動産仲介人、ロビイスト、時にはブローカーの役割もした。 盗み以外のことは何でもやるという気持ちで突っ走ってきた」と語った。

 公務員が現代重工業誘致作戦を開始したのは昨年初め。 「蔚山(ウルサン)本社敷地が飽和状態なので全国を対象に新工場の敷地を探している」という情報を入手した。

 全北道と群山市は直ちに担当チームを設置し、敷地の物色と同時に、「群山港はインフラが整い、物流コストも低く、地価も他の地域より30−50%安い」と広報した。 金完柱(キム・ワンジュ)全羅北道知事と文東信(ムン・ドンシン)群山市長は60回以上も蔚山本社を訪れ、説得を続けた。

 現代重工業も群山を候補地として検討したが、‘港湾敷地’(18万2000平方メートル)という障害にぶつかった。 全北道は「毎年2万−3万人ずつ減っている地域経済が回生するよう助けてほしい」とし、当時の海洋水産部に「港湾敷地から用途を変更してほしい」と要請した。

 知事や市長の熱情に心を動かされた現代重工業は、8000億ウォン(約800億円)を投じて船舶ブロック工場を建設する計画に4000億ウォンを上乗せし、いっそのこと造船所を建設することにした。

 群山造船所が本格的に稼働すれば、1万1000人分の雇用が創出され、人件費だけで年間5000億ウォンの経済効果があると予想される。 職員の家族まで含めると、3万5000人の人口が群山地域に流入すると見込んでいる。

現代重工業、韓国南西部に新造船所

2008年05月08日 NIKKEI NeT

 【ソウル=鈴木壮太郎】造船世界首位の現代重工業は7日、韓国南西部の全羅北道群山市に、世界最大級のドックを擁する造船所を新設すると発表した。年間 28隻の大型船を建造できる能力を持ち、2009年7月から生産を始める。投資額は約1兆2000億ウォン(約1230億円)。世界的な海運活況に伴う受注急増への対応を狙う。

 旺盛な船舶需要は10年をピークに減少に転じ、各社の能力増強によって供給過剰に陥るとの懸念が業界にはある。だが、現代重は「4年分の受注残を抱え、需要の減少も緩やかとみているため、能力増強に踏み切った」と説明している。

 180万平方メートルの敷地に、長さ700メートル、幅115メートル、深さ18メートルのドックを建造。4隻同時に艤装(ぎそう)作業ができる 1400メートルの岸壁も整備する。既に新造船所分として21隻の受注があり、昨年の同社の売上高の18%に相当する年2兆8000億ウォンの増収効果があるとみている。

韓国貫く「ヘバッソ」精神

2008年05月06日 asahi.com

 韓国語で「ヘバッソ(やってみたか)?」という言葉があります。始める前から難しいとあきらめない、チャレンジ精神のことです。かつての財閥・現代創業者、故鄭周永(チョン・ジュヨン)氏の口癖で、現代系企業社長だった李明博(イ・ミョンバク)大統領に受け継がれ、大統領府でも使われているとか。ダイナミックと評価して積極性を学ぶか、無鉄砲と断じて反面教師にするか。造船と鉄鋼の新技術開発の過程から「ヘバッソ精神」をのぞいてみました。(ソウル=神谷毅)

■陸地で初の造船

 韓国南東部、蔚山にある韓国造船最大手、現代重工業の造船所。07年には世界1位の144隻を受注した。ここでは04年から、世界で初めて大型船の「陸上造船」が行われている。

 平地でそのまま船を造り上げる手法で、地面を掘り下げたドックの中で組み立て、水を入れて進水させるという常識を打ち破った。

 進水しようとしていた大型LPG(液化石油ガス)船の真下に、私は入れてもらった。日本メディアにここまで公開したことはないそうだ。長さ215メートル、幅37メートル、高さ22メートルの船体が140個余りの支柱に支えられ、背丈ほどで浮いていた。

 支柱は海に向かってのびる10本のレールに乗る。支柱の下からは窒素ガスが噴出し、船とともに数ミリ浮かんだ状態。巨体が海に向かってゆっくりスライドしていく。

 危ういバランス。少しでも傾けば、倒れるか船の自重で厚い鋼板でも裂ける。さらに岸壁から海上の台船に乗せる際が最も難しい。崔南祥・海洋事業本部長は「船は風、台船は波の影響で動く。これを制御するバランスこそ命。中国企業にはまねされないよう絶対に見せない」という。

 困難な造船法に挑戦したのは、海運の好況で船の注文が相次ぎドックが埋まるなか、受注を逃したくなかったからだ。支柱やレールなどの機器は既存のもの。機器の独自の使い方や組み合わせ、コンピューター制御で新工法を編み出した。

 ただ、技術的にうまくいくか分からず、危なっかしい造船法で発注が来ないかもしれない「二重のリスク」があった。崔さんは「やらなければならないと考えたら、すぐにやってみる。インフラや経験はあるのだから、あとは瞬発力。目標が決まったら無条件に進まないと」と語る。

■環境配慮の新炉

 韓国鉄鋼最大手、ポスコの浦項製鉄所で昨年春、新型炉が操業を始めた。生産能力は年150万トンと従来の高炉の半分ほどだが、価格の高い塊状の鉄鉱石や石炭を使う高炉と違い、粉末状の鉄鉱石を使える。生産コストは2割近く下がる。工程を簡素化し、硫黄酸化物と窒素酸化物の発生量も抑えた。

 92年から開発に着手。研究開発費は5540億ウォン(約570億円)に達する。3万トンの実験炉事業は順調に進んだが、03年、60万トンまで引き上げた実証炉で壁にぶち当たった。粉状の鉄鉱石を固める温度設定などがうまくいかず、トラブルが続出したのだ。

 李厚根・研究開発推進班長は「半年は全く前に進まず散々だった」と振り返る。点検や改善を重ねた末、ようやく正常化にこぎつけた。

 このつまずきで、社内から開発継続に反対の声が上がった。加えて、実証炉では炉の能力を100%発揮できる「最適化」には至らずじまい。普通なら、最適化まで厳密に検討し、次の商業炉に進む。にもかかわらず、経営陣はゴーサインを出した。

 判断の裏には、環境規制は強化され、いずれ高炉に代わる新しい製法が必要になるという読みがあった。また、高品質の鉄鉱石や石炭は将来、手に入りにくくなって価格は上がり、いずれ枯渇するとも考えた。その予想通りの展開になりつつある。

 もっとも、「ヘバッソ?」精神で、すべてがうまくいったわけではない。ポスコは新型炉の開発過程で、仕組みが似ている別の工法を採用して一度、失敗している。

 ちなみに、この工法で製鉄所建設に突進した中堅財閥、韓宝グループは97年初めに破綻(はたん)。韓国金融システムへの不信感が広がる契機となり、結果的には同年末の経済通貨危機の「序章」ともなった。

■視点 方向誤れば、悲劇にも

 ずいぶん持ち上げたものだと指摘を受けそうだが、リスクを取らないと成長が見込めないのも事実だ。「背水の陣」の韓国人と韓国企業の強さを伝えたかった。もちろん、「ヘバッソ精神」とて、方向を誤れば、目も当てられない。

 韓国の急成長は「圧縮成長」と呼ばれる。その副作用の象徴が格差だ。成長重視の李大統領が誕生したが、裏側にある格差をこのまま放置すれば解決はさらに難しくなる。負の部分にも「ヘバッソ精神」で積極的な目配りが必要だろう。

400人乗りの海面効果翼船を4年後に実用化の計画

2008-05-06 おはよう大徳[DTVニューフェース]

 韓国海洋研究院の研究員らにより創業された海面効果翼船専門企業WingShip Technology株式会社(以下WST社、代表カン・チャング)が4月25日に大徳研究開発団地で創業、懸板式(初めて看板をかけることを祝う行事)を行なった。同社により2012年開催予定の麗水 (ヨス)世界エキスポで400人乗りの大型海面効果翼船が実用化される見通しだ。

 海面効果翼船(Wing-In-Ground Effect Craft)は船泊と航空機の特徴を活かした未来型の海洋運送手段。船泊よりも速く航空機よりも低廉な運送費により既存の水上旅客運送と貨物運送体系に革新をもたらすことが期待される。

 WST 社による海面効果翼船の開発は2005年5月に科学技術関係長官会議で国家大型実用化事業の出資が決まり開始されたが、事業予算1700億ウォン、開発期間5年という大規模プロジェクトであることから民間資本の誘致が難航した。2007年7月に大宇造船海洋が5年間に200億ウォンを投資する内容の確約書を、韓火技術金融が投資意向書をそれぞれ提出したことで研究開発開始以来3年にして今回会社創業が実現した。

 カン・チャング代表は「困難な過程を経て誕生した企業だけによい成果を出したい。大徳への入居を契機にさらに努力するつもり」と述べた。

 ◆ 海面効果翼船の商用化、麗水世界博覧会がチャンス

 WST 社は今年1月31日に全羅南道、全羅南道開発公社と「海面効果翼船活用に関する業務協約」を締結した。協約の主要内容はWST社が2012年の麗水世界博覧会に活用する最適モデルを選定して2011年までに海面効果翼船の開発を完了するということと、1年以上の試験運航を経て麗水世界博覧会で活用するというもの。

 カン代表は「テレビやパリのエッフェル塔など万国博覧会を通じて世界に広く知られるようになったり、国家の象徴となった例は多い。世界の視線が集まる2012年の麗水世界エキスポは海面効果翼船の実用化にとって非常によい機会」と話す。

 海面効果翼船は「生きている海、息づく沿岸」という麗水エキスポのテーマに合った運送手段。沿岸を他の港へと移動するという点と燃料消耗が少く親環境的であるため。カン・チャング代表は「海面効果翼船は水面近くを飛行するため高度を高めるための燃料が不要。航空機のようにオゾン層近くに二酸化炭素などを排出することもなく地球温暖化予防にも寄与できる」と話している。

 巡航速度250?300km/hで1000km以内を航空機よりも短時間で移動できるというのも大きな特長。400人乗りの大型海面効果翼船が開発されれば済州道、釜山、仁川まで1時間で移動できる。

 懸板式に出席した全南麗水市出身の国会議員キム・ソンゴン氏は「麗水は小都市なので宿泊施設などが充分ではない。海面効果翼船を利用すれば国際的観光地である済州島のホテルを利用することも可能になる」と述べた。

 ◆ カモメをかたどった海面効果翼船…もっとも完璧なもは自然に存在

 海面効果翼船はカモメが魚を捕る姿をかたどって設計されている。餌を捕獲する時のカモメは翼を水面に近くして水が押し上げる力を利用する。海面効果翼船もこのような揚力(形状が一定しない液体や気体あ物体を押し出す力)を利用して水面近くを浮揚、移動する。

 WST社の目標は海面効果翼船の商用化。旧ソ連時代から軍事目的で海面効果翼船を製作してきたロシアとは異なり民需用に使用できる軽くて安全な海面効果翼船を作ることである。新たにオープンしたオフィスでは18名の社員が研究に没頭している。

 カン代表は「もっとも完璧なものは自然に存在する。動物や植物の原理をもとにした技術は成功する可能性が高い。海面効果翼船も必ず成功するだろう。2011年6月までに400名が乗れる海面効果翼船を開発してみせる」と抱負を述べた。

韓国 造船各社、2010年にクルーズ船を受注へ

2008年05月03日 NNA.Asia

 国内造船各社がクルーズ船の開発を急ピッチで進めている。サムスン重工業と大宇造船海洋は、クルーズ船の受注目標を2010年に設定。背景には、液化天然ガス(LNG)船、コンテナ船など韓国がリードする商船市場の成長鈍化が予想されるため、新しい成長エンジンを育成する戦略がある。

 サムスン重と大宇造船がクルーズ船の受注時期を2010年に設定したのは、同年を前後して船舶の供給量が発注量を上回るとみられるためだ。

 造船・海運専門調査機関の英クラークソンによると、世界の年間船舶発注量は昨年の1億5,300万GT(総トン数)をピークに、今年から2015年までは 7,000万GTにとどまる見通しだ。一方、建造量は昨年の5,400万GTから10年は9,500万GT、15年は1億GTと増加が予想される。

 大宇造船海洋はこのほど、ソウル大学とクルーズ船を開発する協約を締結。10年までにクルーズ船に用いられる5大基幹技術を開発する計画だ。

 サムスン重は1990年台後半から、クルーズ船市場進出に向けた準備を開始。国内インテリア企業と技術協力委員会「inTEC」を設立し、資材の国産化や設計・施行技術の向上を推進してきた。

 STX造船は昨年、世界3大クルーズ船メーカーの1つ、アーカー・ヤーズ(ノルウェー)の株式を取得し、筆頭株主になった。欧州連合(EU)の欧州委員会の承認が下り次第、クルーズ船事業を本格化させる計画。

 国内ビッグ3(現代重工業、サムスン重、大宇造船)のうち現代重は、収益が見込めないと判断し、クルーズ船の開発を進めていない。

 ■収益とブランドイメージ向上

 クルーズ船の価格は1隻当たり5億〜10億米ドル以上と、国内ビッグ3の主力品目のLNG船(2億5,000万米ドル)を大きく上回る。クルーズ船事業で収益を拡大するほか、クルーズ船は「大型船舶の総合芸術」と呼ばれ、一流の造船企業としてのブランドイメージの向上につながることが期待される。

 クルーズ船業界は現在、アーカー・ヤーズやフィンカンティエリ(イタリア)など欧州勢が独走している状態で、国内企業の参入は簡単ではない。だが、サムスン重の関係者は「デザイン面を強化できれば、韓国企業が市場を攻略する可能性は十分にある」とみている。

 昨年までの世界のクルーズ船の発注量は年間平均10隻。毎年6〜8%成長し、10年以降は年間20隻を上回る見通しだ。

韓国で設計のLNGタンカー、ロシア輸出へ

2008/04/21 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チョ・ホジン記者

 韓国の造船業界が、付加価値の高い船舶であるLNG(液化天然ガス)タンカーの設計技術を独自に開発するのに成功した。これまではLNGタンカーの設計技術に関するロイヤルティーを先進国に支払ってきたが、その負担が大幅に減るとみられる。

 現代重工業の閔季植(ミン・ゲシク)副社長は今月18日、「大韓民国最高科学技術者賞」の受賞者の記者会見で、「ロシアが今年5月、韓国の造船業界が独自に開発した設計技術を採用したLNGタンカーを購入する」と述べた。

 韓国の造船業界はこれまで、LNGタンカーの受注実績では世界第1位をひた走ってきたが、設計分野では先進国の造船業界が持つ技術に依存してきた。とりわけ、「造船業界のクアルコム」と呼ばれるフランスのGTT社は過去5年間、韓国の造船業界から、LNGタンカーの設計技術に関するロイヤルティーを1兆ウォン(約1038億9100万円)以上も受け取ってきた。

 このロイヤルティーの負担額を減らすため、韓国の造船業界は2004年から、独自の設計技術の開発に取り組み、昨年成功した。そして今回、ロシアから注文を受けるに至ったというわけだ。

 造船業界では、韓国の設計技術を用いたLNGタンカーの建造に成功した場合、6兆ウォン(約6236億4400万円)を超す経済効果が期待できるとみている。

ハンファが大宇造船買収推進を宣言、相乗効果に期待

2008/04/17 YONHAP News

【ソウル17日聯合】ハンファグループが17日、大宇造船海洋の買収を進めることを正式に宣言した。

 同グループの金升淵(キム・スンヨン)会長は昨年の経営戦略会議で、ハンファの未来はグローバル事業の展開にかかっていると指摘し、国内外を問わず力のある新規事業や買収・合併(M&A)を進めるよう注文していた。これを受け、先ごろ行われた各部門の社長団によるグローバル経営戦略会議で、大宇造船買収にグループを上げて力を入れることが決まった。

 グループは約1年間にわたり、外部コンサルティング業者と内外複数企業に対するM&Aの可能性を綿密に検討すると同時に、内部では経営企画室戦略企画チームを中心に系列会社役員らも含めたM&A特別チームを構成、動いてきた。金会長は今回の会議に当たり、「グループ第2の創業」という覚悟で大宇造船買収に総力を傾けるよう伝えたという。大宇造船買収が実現した場合、かなりの相乗効果が発生するものとグループは期待している。

 エネルギー事業を展開するハンファ、ハンファ石油化学などの系列社が、最近カナダやカザフスタン、東南アジアなどで資源開発事業を進めており、タンカーなどエネルギー関連船舶部門の売上高が全体の76%を占めている大宇造船を買収することで得る効果は大きいと思われる。ハンファは防衛産業も展開しており、大宇造船の艦艇事業部門との相乗効果も期待できる。また、中東、アフリカで石油化学や発電プラント施工の経験があるハンファ建設のノウハウが、各種ボーリング・生産プラットホームを製造する大宇造船海洋プラント事業部門の力量向上につながるとみている。このほか、保険・証券・資産運用など金融業種での多様な経験が、船舶ファイナンシングなどでの効率性極大化につながるとの期待もある。

 一方、GSグループやポスコも以前から大宇造船買収の意向を示している。

韓国のハンファ・グループ、大宇造船海洋の買収を検討

2008年04月17日 ロイター

 [ソウル 17日 ロイター] 韓国のハンファ・グループは17日、大宇造船海洋(042660.KS: 株価, 企業情報, レポート)の買収を検討していることを明らかにした。一方、ハイニックス半導体(000660.KS: 株価, 企業情報, レポート)の買収に関心を寄せているとの一部報道に対しては、これを否定しなかった。

 ハンファ・グループがハイニックス半導体や大宇造船海洋、大宇国際(047050.KS: 株価, 企業情報, レポート)など複数の企業の買収に関心を示しているとする一部報道について韓国証券取引所が確認を求めたのに対し、書面で回答した。

 これより後、ハンファのスポークスマンはロイターに対し、ハンファ・グループのM&A(合併・買収)の第1ターゲットは大宇造船海洋だが、この先ハイニックスに関心を持つ可能性は排除しないと語った。

DSEC、造船技術をベトナムに輸出へ

2008/04/14 edaily/朝鮮日報JNS

 大宇造船海洋の子会社DSECが、新興市場として脚光を浴びているベトナムに技術輸出で進出する。

 DSECは13日、ベトナム国営ビナシン造船グループ傘下のバクダン造船所が建造する船舶2隻に対する設計と主要資材を供給する契約を、12日にベトナム現地で締結したことを明らかにした。契約金額は4620万ドル(約46億8600万円)。

 今回の契約によってDSECは、バクダン造船所が建造する4万9000トン級の石油製品運搬船(プロダクトキャリア)2隻の基本設計を担当し、建造過程で必要な電気設備や船室資材など船舶用資材を供給する。

 DSECは、バクダン造船所がさらに同種の船舶10隻を建造する計画を持っていることから、今後も同造船所からの受注が増えるとみられる。

 DSECは、系列会社でルーマニア現地法人の大宇マンガリア造船所での船舶設計と造船用資材の供給を2004年から担当しており、06年にはゼネラル・ダイナミクス傘下のNASSCO社と契約して米国市場にも進出している。

 DSECのクァク・ドゥヒ代表は「今回の契約で、新興市場の東南アジアにおける造船関連の技術・資材・コンサルティングなどの一括輸出が本格化された。世界最高の造船技術をベースに、造船関連総合エンジニアリングと複合サービスモデルを成功させる転機を築くことができた」と語った。

 DSECは02年、大宇造船海洋によって設立され、大宇造船海洋をはじめ海外の造船会社に対し船舶設計や資材供給、各種品質検査などを行っている。また、今年下半期にはコスダック市場に上場する予定だ。

STX大連造船基地、本格生産を開始

2008/04/07 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

 造船大手STXは6日、中国・遼寧省大連市に建設した造船基地が本格生産に入ったと発表した。現地では5日、姜徳寿(カン・ドクス)グループ会長が見守る中、船舶ブロック(船舶を構成する大型鋼材)の生産に向けた鋼材切断が始まった。

 大連造船基地では中国の地理的、産業的強みを生かし、バルク船(ばら積み船)の建造を行うほか、基礎素材加工、エンジンの中心部品、組み立て、船舶ブロックの製造などを行う。

 STXは今年末にも最初の船舶の進水式を行い、来年からは年間24隻のペースで船舶を建造する予定だ。大連造船基地は昨年3月に着工され、今年初めに完成していた。

韓国の銀行員、年収トップはシティバンク

2008/04/04 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チョン・チョルファン記者

一流企業上回る水準

 金融監督院がこのほど、主要銀行8行の昨年の事業報告書を分析した結果、役員を除く一般行員の税引き前平均年収(成果給・福利厚生費を含む)が税引き前最も多かったのは、韓国シティバンクの7630万ウォン(約800万円)だった。以下、2位が国民銀行の7230万ウォン(約758万円)、3位が外換銀行の7050万ウォン(約739万円)、4位が新韓銀行の6920万ウォン(約725万円)、5位タイがハナ銀行と企業銀行の6500万ウォン(約681万円)、7位がSC第一銀行の6000万ウォン(約629万円)。預金保険公社による経営管理下にあるウリ銀行は5540万ウォン(約581万円)で8位だった。

 市中銀行の平均年収は、30大企業グループに属する大企業(非金融上場企業)より全体的に高水準だった。現代建設は7110万ウォン(約745万円)で国民銀をやや下回る水準だった。

 過去最高の好況に沸く三大造船会社は6535万−6663万ウォン(約685万−699万円)だったが、銀行業界に当てはめると中堅水準だった。サムスン電子も6021万ウォン(約631万円)で市中銀行に比べれば低かった。

「中国の造船業は韓国に追いつけない」(上)

2008/04/04 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

現代重・閔副会長が語る

 「中国の造船業が韓国を追い上げているが、韓国が世界1位の座を明け渡すことはない。韓国の造船会社は技術力も優れているが、何よりも自信と意欲にあふれている」

 造船大手、現代重工業の閔季植(ミン・ゲシク)副会長は3日、ソウル市内のホテルで開かれた第15回造船経済フォーラムで講演し、韓国造船業界の実力を強調した。その上で、「中国は政府レベルで造船業の育成に努め、2015年には韓国に追いつくとしているが、そうはならないだろう」と予測した。

 中国は積極的な設備拡張と受注で攻勢をかけているが、劣悪なインフラ環境、生産性の低さ、優秀な人材の不足など乗り越えるべき課題が多いというのが閔副会長の見方だ。中国の造船所は生産設備や建造工法が韓国よりかなり遅れているところが多く、最近は納期遅延を起こすケースが増えているという。韓国の造船会社は中国との技術格差を広げるために全力を挙げている。現代重工業は昨年、施設と研究開発に1兆3195億ウォン(約1380億円)を投資し、今年も1兆8451億ウォン(約1933億円)を投じる計画だ。

「中国の造船業は韓国に追いつけない」(下)

2008/04/04 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

 韓国の造船業界は昨年、船舶受注量、引き渡し量、受注残高でいずれも世界1位を達成した。英国の造船・海運市況専門調査会社クラークソン・リサーチによると、韓国の造船業界は昨年、全世界の船舶受注量の40.4%に当たる3200万CGT(標準貨物船換算トン数)の受注を記録し、中国(2920万 CGT)、日本(650万CGT)を上回った。今年に入っても、1−2月に世界の62.5%に当たる400万CGTを受注した。現代重工業は昨年、過去最高の250億ドル(約2兆5550億円)の受注に成功したが、今年はそれを上回る294億ドル(約3兆50億円)の受注を目標に掲げる。

 閔副会長は「今年は原材料不足、為替、原油高など困難な経営環境に置かれている。世界市場で通用する優秀な製品を作り続けられなければ、造船業をはじめとする韓国製造業は競争力を維持することができない」と強調した。知識経済部の「世界一流商品」には、現代重工業のタンカー、LNG(液化天然ガス)タンカー、大型ディーゼルエンジンなど19品目が選ばれており、2010年までに30品目まで受賞品目を増やしたい考えだ。

 講演後の討論でボストン・コンサルティング・グループの李秉南(イ・ビョンナム)ソウル事務所長は「造船業界優先の競争も良いが、(韓国経済が)共に発展していく方法を探るべきだ。韓国造船業の競争力を守っていくためには若い優秀な人材に関心を持ってもらう必要はある」と指摘した。

 一方、韓国経済研究院の朴勝禄(パク・スンロク)専任研究委員は、韓国造船業は掘削船のような高付加価値の船舶の生産を増やすなど構造変化が必要だと述べた。これに対し、閔副会長は「事業の多角化も重要だが、利益がどれだけ出せるか、進出しようとする分野で必要な競争力を備えているかをまず考えるべきだ」との認識を示した。

韓国ポスコが鉄鋼価格引き上げ検討、大宇造船買収にも関心

2008年04月03日 ロイター

 [ソウル 3日 ロイター] 韓国の鉄鋼大手ポスコ(005490.KS: 株価, 企業情報, レポート)は3日、鉄鋼価格の引き上げを検討していることを明らかにするとともに、大宇造船海洋(042660.KS: 株価, 企業情報, レポート)の売却入札に参加する可能性を示唆した。

 アナリストは大宇造船の株式売却額が5兆ウォン(51億ドル)近くに達する可能性もあるとみている。

 ポスコのスポークスマンは「われわれは鉄鋼価格の引き上げを検討しているが、時期や値上げ幅の詳細については決定していない」と述べた。

ポスコ社長、大宇造船海洋の買収に意欲示す

2008年04月03日 (YONHAP NEWS) YAHOO!News

【ソウル3日聯合】ポスコの尹錫万(ユン・ソクマン)社長は3日、大宇造船海洋の買収と関連し「積極的な意志を持っている」と述べた。ポスコはこれまで、大宇造船海洋の買収に関心があるとの姿勢を見せていたが、尹社長の発言はさらに踏み込んだもので、今後の動向が注目される。

 ポスコが単独で買収に乗り出すのかを問う質問に対し尹社長は「一緒にやって相乗効果が出る相手がいればわからないが、そうでなければ1人でやるだろう」と答えた。また朴泰俊(パク・テジュン)名誉会長も同社の買収に肯定的だったと明らかにした。

 尹社長はまた、厚板は今後800万トンの生産体制となるが、厚板は計画生産ができないとし、不況になったときに確実な需要ができるのは助かるだろうとの考えを示した。

現代重、進水中も船の建造が可能に

2008/03/31 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

工期20%短縮

 現代重工業は30日、多くの船を同時に建造しているドックで完成した船を進水させる際に、残りの船の建造作業を中断することなく、そのまま続けることができる工法を世界で初めて開発したと発表した。

 現代重工業は「これまでは船を進水させる際に、残りの船の建造作業を中断しなければならなかったが、新しい工法の開発で、進水作業の間も建造作業を進めることができるようになり、工期を20%近く縮めることができるようになった」と話した。

 造船所のドックでは、一般的に水が満たされていない状態で完工段階の船と、建造途中の船の作業が、並行して進められる。ところが、このうち完成した船を進水させる場合、ドック内に水を満たさなければならないため、残りの建造途中の船まで一緒に浮き、揺れてしまう。従って、1隻の船を進水させるのに必要な2、3日の間はそのほかの船の建造作業を進めることができなかった。

 しかし新しい工法は、建造中の船に重い装備を装着したり、水を注入したりすることで、ドック内に海水を満たしても船が3分の1ぐらい沈み、従来の作業台に支えられたまま浮かずに中心を保つことができるため、そのまま作業を続けることができるのだ。

 新工法の開発について、同社の関係者は「これまで70日くらいかかっていたドック作業が、13日ほど短縮されるようになった」と説明している。

大宇造船海洋、8月めどに売却へ

2008/03/27 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金洪秀(キム・ホンス)記者

 現代建設、ハイニックス半導体と並ぶ大型M&A(企業の買収・合併)として関心を集めてきた大宇造船海洋の売却が、早くも現実味を帯びてきた。

 産業銀行は26日、「大宇造船海洋の売却に向けた主幹社の選定作業を行っており、スケジュール通り順調に進めば8月ごろには優先交渉先が決まるだろう」と説明した。

 大宇造船海洋は1999年の大宇グループ解体後、債権団が管理を行ってきた企業で、2001年のワークアウト(企業改善作業)終了後も産業銀行が31.3%、資産管理公社が19.1%の株式を保有し、経営の管理を行ってきた。

 産業銀行は売却主幹社の選定後、公開の競争入札を通じて債権団が保有する50.4%の株式をすべて売却する予定だ。金融街や造船業界では経営権のプレミアムなども考慮した場合、大宇造船海洋の売却価格は7兆ウォン(約7000億円)から8兆ウォン(約8000億円)に上ると見込んでいる。

 現在大宇造船海洋の買収に名乗りを挙げているのは、ポスコ、斗山グループ、GSグループ、東国製鋼、STX造船など韓国の大手企業で、中国の大手造船企業も関心を示しているという。

 しかし、外資系企業が大宇造船海洋を買収する可能性は低いと見られている。大宇造船海洋は潜水艦など防衛関連の船舶建造を行う部門も保有しており、現行法では外国人が防衛産業に関連する企業を買収する場合には、知識経済部長官の許可を受けなければならないよう規制されているからだ。産業銀行の関係者は、「防衛関連部門まで一括して売却するのか、あるいは別に売却するのかはまだ決まっていない」と述べた。

韓国、大宇造船海洋の株式売却に向けたプロセス開始へ

2008年03月26日 ロイター

 [ソウル 26日 ロイター] 韓国は、大宇造船海洋(042660.KS: 株価, 企業情報, レポート)の株式50.4%(36億ドル相当)の売却に向けたプロセスを開始する方針を明らかにした。

 大宇造船の筆頭株主である国営銀行の韓国産業銀行(KDB)は26日、声明の中で、主幹事を指名し、売却入札を実施する方針を示した。ただ、具体的な時期については言及しなかった。

 大宇造船の株式50.4%は国営機関が保有しており、内訳はKDBが31.3%、韓国資産管理公社(KAMCO)が19.1%となっている。

 KDBは「当行は、タイムリーに投資資金を取り戻し、大宇造船の経営権を同社の長期的発展に貢献できる責任ある投資家に譲渡するすため、売却プロセスの開始を決定した」としている。

世界で実力発揮する韓国造船業界

2008/03/24 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

今年1‐2月、世界の受注量の3分の2

 韓国の造船業界が今年1月から2月にかけ受注した件数が、世界の受注量の3分の2を占めたことが分かった。

 世界の造船・海運関連の市況分析を専門とするクラックソン社が23日に発表したところによると、今年1‐2月の全世界における船舶の受注量は 2110万DWT(載貨重量トン数=船舶に積載できるすべての貨物の重量)に達したが、そのうち韓国の造船業界の受注量は1400万DWTで、世界の受注量の66.4%を占めた。一方、中国は韓国の受注量の40%に相当する550万DWTで2位となり、以下、日本(110万DWT)、台湾(40万 DWT)、欧州(10万DWT)が続いた。

 造船業界関係者は「韓国の造船業界では、付加価値の高い船舶の受注などを通じ、造船分野におけるブランド力を維持している」と話している。

世界の造船受注量、2月までで韓国が3分の2占める

2008/03/23 YONHAP News

【ソウル23日聯合】造船・海運市況分析機関の英クラークソン・リサーチによると、1〜2月の世界の造船受注量は2110万DWT(載貨重量トン)で、このうち韓国企業が3分の2に相当する1400万DWTを占めた。

 昨年1年間では、世界の船舶受注量は2億4470万DWTで、韓国はこのうち39.4%となる9640万DWTを占めたが、中国の1億530万DWTを下回っており、今年に入ってから韓国の造船業界は好調を見せていることになる。中国の2月までの受注量は、韓国の40%水準の550万DWTにとどまっているほか、日本が110万DWT、台湾が40万DWT、欧州が10万DWTなどとなっている。

 基準をCGT(標準貨物船換算トン数)にしても状況は同様で、世界造船受注量640万CGTのうち韓国は400万CGTを占め、62.5%のシェアを確保している。

海で繰り広げられる銃声のない戦争...@

2008.03.02 中央日報 Joins.com

■韓中日造船三国志

▽世界1位の韓国を中国がぴたっと追撃…日本は‘栄光の時代’復活目指す

韓国と中国の船舶受注量を見ると互角だ。07年上半期の船舶受注量を見ると、中国は韓国の後をぴたっと追っているが、7−9月にはまた韓国が大きく伸びた。昨年1−9月の成績を見ると、中国はシェア33%、韓国が43%を記録した。同じ期間、日本は13%だった。

初めて日本海運会社が韓国に船舶建造を発注したのは90年代末だった。しかし10年間で韓国の技術力は日本レベルに近づき、中国のスピードは韓国を上回る。

中国政府は造船業を戦略産業として育成している。中央政府は10年以内に建造能力を2300万トン(06年比60%増)まで増やす計画だ。ところが各省政府の集計資料を見ると、建造能力は4000万トンを超えるということだ。この場合、韓国を追い抜くことも可能だ。

現在1位の韓国も負けてはいない。世界最大の現代(ヒョンデ)重工業は10番目のドックを建造中だが、ドックを使わず陸上で船を建造する陸上工法も採用している。

世界2位の三星(サムスン)重工業は、水に浮くドックと3000トンをつり上げる能力を持つクレーン船を動員し、海で船を建造している。

海で繰り広げられる銃声のない戦争...A

2008.03.02 中央日報 Joins.com

韓国と中国に比べて日本の成績が振るわないことには理由がある。日本の造船会社は大型投資をしないからだ。

日本造船業界は1970年代のオイルショックと80年代の‘プラザ合意’という2度の危機を経験した。設備を半減し、人員も3分の1に削減した。もう二度とこういう苦労はしたくないというトラウマが理由の一つだ。

にもかかわらず日本造船業界は生き残りについては自信を持っている。昨年末、経済産業省は佐世保重工業の設備を産業遺産に指定した。250トン・クレーンは大正時代に導入した英国製だ。

‘遺産’とするほど古くなった装備を使ったこの会社の07年9月半ばの推測営業利益率は12.2%。最新設備で武装した三星の営業利益率は5.2%(07年第3四半期)だった。佐世保重工業の営業利益率は三星に比べてはるかに高い。

こうした日本造船業の力には3つの秘密がある。まず、製造業(ものづくり)への‘選択と集中’だ。日本が選択したのはバルク船と中型タンカー。バルク船といえば、新興造船所の入門編といえる。そのバルク船が全体生産量の60%を占める。仕様を統一した標準船を連続で建造している。バルク船は構造が単純な標準船で、基本設計が全く同じであり、ドッグの回転率も、生産性も向上する。

LNG船やVLCCも造る三井造船も、独自開発した標準船「56BC」(5.6万トン・バルク) 120隻を受注した。世界顧客のニーズを総合して高いレベルで統一する。これが三井ブランドの戦略だ。

2つ目は、材料価格が低いという点。厚板もそうだ。韓国は厚板をスポット価格で輸入している。日本製とスポーット価格を比較すると、スポット価格は10−20%高い。船舶は材料比率が70%にもなるため、この格差は大きい。

海で繰り広げられる銃声のない戦争...B

2008.03.02 中央日報 Joins.com

▽日本復活の秘訣は効率化

3つ目は、大きな投資をしないという原則だが、することになれば極限の効率を追求するという点だ。

例えば昨年の株価が2500円まで行った名村造船所。01年、名村社長は「投資は良くない時期にすべき」という先代の話を守って投資した。名村造船所は債券を発行、確保された流動性で投資を増やした。またリストラで従業員の退職金を40%減らした。さらに15億円を追加出資し、子会社を作った。名村造船所は現在7隻の建造能力を持つようになった。

日本の造船業は生産も投資も‘効率’という言葉を骨に刻み込んでいる。

こうした強みがあるが、日本は大きく差を開けられた韓国・中国を逆転できるだろうか。海運界の名門である日本郵船が初めて中国に新船舶を発注したのは03年だった。いろいろな意見があった。本当にエンジンやプロペラは動くのか。

「最後には私が責任を負う」。会長がこう述べて結論が出た。ところが不安感はあった。中国船の前歴を調べると、事故件数は多かった。

日本郵船は該当造船所の弱点をよく知る中国人のベテラン監督官をスカウトし、7−8人の監督官を送った。発注したケープサイズ2隻は昨年、無事に引き渡されたが、中国で最高の造船所といっても技術力に関しては常に注視する必要がある。

川崎重工業の造船子会社である川崎造船の社長は4−5年前、大連の有力造船所を見学した。日本はVLCCを50万時間に造るが、当時、大連の造船所は500万時間かかった。この社長は「300万時間まで減らしたが、納期、品質、アフターサービスなどについてはまだ不安」と述べた。

韓国についてはこう語った。「VLCCの提示価格は韓国のほうが日本より10−15%ほど高い。今後10年間、コスト競争力で日本が遅れをとることはないだろう」。

現代重工業、1月の売上高1兆4120億ウォン

2008/02/26 edaily/朝鮮日報JNS

 現代重工業は25日、2008年1月の決算を発表した。それによると、1月の売上高は前年同期比15.04%増加の1兆4120億7000万ウォン(約 4678億円)を記録した。前期比では1.3%増加だった。同社によると、1月の受注実績は前年同期比109.7%増加の18億6000万ドル。造船部門は前年同期比165.4%増加の5億2300万ドルとなった。

韓国造船業界が3部門で世界一

2008/01/24 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

 船舶の受注、引渡し量などで昨年世界トップだった韓国の造船業界が、受注量、引渡し量、受注全量(船舶建造後の残った受注量)など3部門でも世界1位となった。23日に造船・海運市況分析専門会社である英国のクラークソンによると、韓国の造船業界は昨年3200万CGT(標準貨物船換算トン数)の受注量を記録、2900万CGTの中国、650万CGTの日本を上回った。昨年、世界の全受注量は7920万CGTで、韓国はこのうち40.4%を占めた。

 昨年建造され発注元に引き渡された船舶量では、韓国が世界の34.0%(1120万CGT)を占め、日本と中国を大きく引き離した。

 昨年世界で発注された船舶の3隻に1隻は韓国が受注し、建造された船舶の3台に1隻は韓国企業が製造したことになる。

 受注全量でも韓国は6440万CGTで世界の受注全量1億7820万CGTの36.1%を占めトップだった。

造船・半導体の好調続く=08年業種別展望

2007/12/26 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 李性勲(イ・ソンフン)記者

 来年は造船・半導体・機械は好調だが、建設・繊維などは比較的困難な状況が続くとみられる。

 大韓商工会議所が25日に業種別の業界資料を様々な角度から分析・発表した「主要業種2008年展望報告書」によると、造船業はすでに確保した受注量に加えて高付加価値船舶の注文も増加し、輸出300億ドル(約3兆4200億円)の突破も夢ではないと予想されている。半導体も来年の前半には DRAMの市況が回復し、生産と輸出の双方で2ケタの増加を記録するとみられている。機械は米国の景気不安にも関わらず、中東や東欧など新興市場の好況に支えられ、来年の輸出増加率は14.9%と今年の上昇の勢いが続くと予想されている。

 建設は大規模公共事業の開始にも関わらず、不動産市場の様子見ムードが続き不振から抜け出すのが困難な見込みだ。とりわけ大量の売れ残りマンションの影響や金利の上昇、融資規制などがマイナスに作用し、民間部門における不況の流れ(-1.8%)が来年も続くと予想されている。繊維も同様で、中国や東南アジア製の低価格製品の影響で不振が続く見込みだ。

 石油化学は輸出を中心に回復の動きをみせているが、大きな飛躍は期待しにくい状況だ。自動車は新車の発表や買い替え需要、中東や東欧など輸出先の多角化などで好調と見込まれるが、原油高や税負担、環境問題への取り組みの必要性などで大きな回復は見込めそうになく、報告書では内需6.6%、生産 3.7%、輸出2.1%の成長を見込んでいる。鉄鋼は価格の高止まりが来年の初めまで続くが、原料価格も大幅に上昇することから全般的には大きな改善は見込めないようだ。

「隆盛する産業」の良き手本を見た

2007年12月07日 NBonline 宮田秀明の「経営の設計学」

Win-Win関係で確かな成長を遂げる韓国造船業界

 韓国の人々とは20年以上のつき合いだ。友人も仲間も教え子もたくさんいて、いつ訪れても外国に行った気がしない。しかも、韓国のエレクトロニクス産業や造船産業は日本を追い越しているのに、まだ日本を兄貴分と思ってくれているし、アジアで先進国入りしているのは日本だけだというのも一般的な認識のようだ。一言で言えば、韓国の人は日本をまだ尊敬してくれている。

 今回の韓国訪問の目的は、「南海岸時代」プロジェクトの立ち上げに付随するイベントの学術大会での基調講演だった。私と韓国国土研究院の副院長の2人が行政関係者などの面々に基調講演を行った。話したテーマは、「世界一を目指すアメリカズカップの技術開発」や「海洋の産業と文化の振興プロジェクト」である。

 韓国は深い東海と浅い西海、それにリアス式海岸が続いて2000以上の島が浮かぶ南海の三方の海に囲まれている。もちろん経済の中心はソウルなど北の地域だが、工業地帯を抱える南海岸地方が今、目覚ましい発展を遂げている。

 そして、さらなる発展を促すこの新プロジェクトが今回始まった。海洋レジャーや観光の産業を興し、製造業の発展と車の両輪になって地域発展を目指すのだ。モデルにしているのは“地中海”という。

 10年後の2017年頃にはアメリカズカップにも参戦したいそうだ。驚いたことに韓国中部の太田にある海洋研究院では、すでに2000年から8人の研究者がヨットの研究を行っているという。

給与が高くて企業に勢いがあるから、造船業界に若い人材が集まる

 「南海岸時代」プロジェクトを企画立案したのは、慶尚南道(キョンサンナムド:半島の南部の行政区)の発展研究院というシンクタンクである。そこでは約20人の研究員が約40人のスタッフとともにこのような仕事をしている。韓国では10〜15年前にほとんどの道でこのようなシンクタンクが設立されているが、なかなか面白い仕組みだと思う。経費のほとんどは人件費なので、比較的簡単に設立できる。

 「南海岸時代」プロジェクトの実行については、慶尚南道の金知事がリーダーシップを取って推進本部を作り、行政主導で始まった(知事の金台鎬(キム・テホ)氏についての記事はこちら)。韓国初のボートショーや仮設ハーバーでの乗船体験イベント、ヨットレースが行われた。ヨットレースの名称は李舜臣将軍盃ヨットレースという。李将軍は豊臣秀吉の水軍を打ち破った韓国水軍の偉人である。

 3日間ずっと若い研究員が通訳を兼ねて付き添ってくれて、海岸や造船所や港も訪れることができたので、この地方の新しい動きを知ることができた。 (以下略)

バフェット氏は韓国に夢中

2007年12月03日 NBonline
原油高なんのその、造船、鉄鋼、石油化学が絶好調

Moon Ihlwan (BusinessWeek誌、ソウル支局長)

米国時間2007年11月21日更新 「Why Warren Buffett's Keen on Korea

 今年、韓国のGDP(国内総生産)の成長率は約5%と予測されている。世界全体から見れば絶好の投資先なのだが、アジアというくくりで見ると中国やインドの目覚ましい成長の影に隠れて全く目立たない。

 しかし、中国株とインド株の割高感が増すにつれて、資金運用マネジャーの間ではアジア株のポートフォリオ組み替えが始まり、韓国の人気が急上昇しているのだ。

バフェット氏は中国株を売り、韓国株を買う

 例えば、米国の投資家であり大富豪のウォーレン・バフェット氏の投資判断は、中国は“売り”で韓国は“買い”だ。先月末のアジア訪問時、バフェット氏は中国株式市場の過熱に警鐘を鳴らした。その一方、韓国は「世界で最も魅力的な価格水準にある市場だ」として、韓国株投資への自信を示した。

 実際、韓国鉄鋼大手ポスコ(PKXFF)はバフェット氏が保有する株式の中で今年最も値上がりした銘柄の1つだ。業績は世界トップレベルである。同氏が率いる米バークシャー・ハザウェイ(BRKA)は、過去約3年間で同社の株式4%を5億7200万ドルで取得。現在その価値は20億ドルを優に超えている。

 一方、中国企業銘柄で唯一保有していたペトロチャイナ(中国石油天然気)株は、最近になってすべて売却した。

 10月25日、韓国に立ち寄ったバフェット氏は、「ポスコは優れた企業であり、優れた企業の価値はどんどん上がっていく」と語り、ポスコ株を今後も持ち続ける方針を示した。

造船、鉄鋼、石油化学などの重工業が盛況

 もちろん、韓国とて世界経済を揺るがす市場の混乱と無縁ではない。米国発の信用収縮や原油高のあおりでソウルの代表的株価指数KOSPIは今月約 9%下落した。ハイテク需要が予想よりも伸びず、韓国企業が市場を牛耳っているメモリーチップの価格も急落している(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年6月15日「Samsung's Chip Business: What Happened?」)。

 韓国のIT(情報技術)業界を先導するサムスン電子(SSNGY)の株価は今年15%近く下落。全従業員の2%近くに当たる約1600人を解雇した。

 とはいえ昨年末比では、株価指数KOSPIは約30%上昇している。韓国経済のほかの分野が大きく伸びたためだ。最大の魅力は様々な産業における韓国の製造技術だ。造船、鉄鋼、石油化学などの重工業は、インフラ整備や海運業に力を入れる新興国からの需要が増えて盛況だ。

 「韓国企業の多くは、市況産業で圧倒的な市場シェアを誇っている。そして、市況が上向いている時には他国のライバルよりも高い業績を上げてきた。資金運用者が特に注目すべきなのは、中国の急成長の波に乗って活気づいているこうした企業だ」。モルガン・スタンレー証券(MS)韓国支店長、ヤン・ホチョル(梁浩徹)氏は言う。

 造船業を見てみよう。韓国銀行(中央銀行、本店ソウル)のリポートによると、“世界の工場”となった中国の輸出入貨物用の船舶の需要は少なくとも 2010年まで堅調に伸びる見通しだ。ということは、韓国の造船各社の好景気もこれから数年は続くということだ。韓国の現代重工業(HYHZF)、サムスン重工業(SMSHF)、大宇造船海洋(DWOSF)は世界の3大造船会社である。昨年引き渡された世界の船舶の41%は、これら3社をはじめとする韓国の造船会社が建造したものである(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年5月18日「A Steady Hum at South Korea's Shipyards」)。

 船舶の輸出売上高が膨大なため、韓国銀行は今月、韓国ウォン高がさらに進むとの懸念を表明した。韓国造船各社はこの先約4年分の受注を既に確保している。造船会社は為替リスクを回避するために、ドル建ての入金予定額を為替予約(ドル先物売り)する。引受銀行は先物買いしたドルと相殺するために、直物取引市場で同額のドルを売ってウォンを買う。その直物取引の決済用のドルは海外から借り入れる。この繰り返しでウォン高ドル安が進むというわけだ。

 造船世界一の現代重工業の株価が今年3倍以上に上昇したのも無理はない。11月8日に報告された第3四半期決算の純利益は4億7500万ドルと、前年同期の2億3000万ドルの2倍以上に増大した。 (以下略)

造船:2010年まで好況、為替対策が必要=韓銀

2007/11/12 edaily/朝鮮日報JNS

 造船業界のドル売り為替予約が外為市場の不均衡を招いていると懸念される中、造船業の好況が2010年まで続くとの展望が出された。

 これにより、外為市場の安定のために、船舶受注代金のウォン決済、ドル売り為替予約の分散などの対策が必要だという主張が提起された。

 韓国銀行は11日、「造船業の景気動向および中長期展望」と題する資料で、船舶建造需要は今年、史上最高水準を記録し、来年から多少減少するものの、2010年まで好況が続くと予想した。

 韓銀は、中国やインドなどの新興国を中心に、世界経済の好況により引き続き貿易量が増加し、当分の間海上物流は成長を続けると分析した。

 また、世界的に港湾の大型化が続き、油田開発に伴う新規需要も堅調に増加すると見通した。

 需要が増加する一方で、船舶建造能力は当分の間、需要に追いつかないと展望。供給不足が2010年まで続けば、造船景況は好調が続くと予想した。

 特に国内造船業は、技術競争力、建造能力の拡充などで世界最大の造船国の地位を維持することができ、輸出も相当期間、堅調に推移するものと展望した。

 韓国銀行は、造船業界で輸出好調が続くことより、これに伴うドル売り為替予約と短期海外借款の増加など、外為市場に及ぼす影響に対し、懸念を示した。

 韓銀は今年、サムスン重工業などが船舶受注代金を100%ウォン決済することにした例を挙げ、造船業に新たなウォン決済戦略を導入すべきと主張。これに併せて、為替予約の分散買いを誘導するなど多角的な努力が必要だと付け加えた。

【韓国】造船トップも海外建造か、現代尾浦が越で新造船

2007年11月08日(NNA) YAHOO!ニュ−ス

 世界造船トップの現代重工業が、系列の現代尾浦造船の合弁法人を通じて海外での船舶建造に乗り出すもようだ。これまで修理・改造専門を行っていた現代尾浦のベトナム法人を船舶を新造する造船所に転換する計画。業界は、技術流出を懸念して海外での造船事業をためらっていた現代重が本格的に海外進出を展開するとみている。

 現代尾浦の関係者はこのほど、ドイツの船会社から受注した5万6,000DWT(載貨重量トン)級のバルク(ばら積み)船10隻をベトナム現地法人の現代ビナシン造船所で建造することを検討していると明らかにした。受注増と造船所の建設用地不足に対応するのが目的。特にバルク船は、ここ数年の建造量が少なかったことや中国を中心とする新興市場で原材料需要が伸びていることから受注が急増。需要が供給に追いつかない状況となっている。

 ベトナム南東部に位置する現代ビナシンは、修理・改造を専門とする造船所。敷地面積は99万平方メートルで、高さ1,350メートルの岸壁と2個のドックを備えている。第1ドックは長さ260メートル、幅45メートルで、最大8万DWT級の船舶を建造できる。第2ドックは高さ380メートル、幅65メートルと大型で、30万トンDWT級の超大型オイルタンカーをはじめとする大部分の商船を建造できるとみられる。ただ、新造するにはクレーンの作業能力を向上させ、ブロック工場を増設するなど補完工事が必要になる見通しだ。

 現代ビナシン造船所は現代尾浦が55%、ベトナムのビナシングループが30%、現代重が10%、現代建設が5%をそれぞれ出資して1999年に設立された。これまでにバルク船やケミカルタンカー、液化天然ガス(LNG)船など計630隻を修理・改造した。年間売上高は1億4,000万米ドル(約158億円)に上る。

 ■海外に本格進出?

 現代ビナシンの新造船転換について業界は、現代重が海外建造を本格化させる第一歩とみている。サムスン重工業や大宇造船海洋、韓進重工業などライバルの国内メーカーは、すでに中国やフィリピン、ルーマニアにブロック工場や造船所を新増設し、海外進出を強化している。大宇造船は97年にルーマニアの修理造船所を買収して新造船所に転換し、業績改善に成功した。

 現代重はこれまで、技術流出を懸念して海外への進出をためらっていた。同社の関係者は「国内造船の海外進出で技術が流出することを懸念していたのは事実だが、海外進出に否定的だったわけではない」と説明。現代尾浦の関係者は「ベトナムで建造予定のバルク船は同国や中国ですでに製造されている汎用船で、技術流出の懸念は少ない」と話している。

STX、欧州企業買収しクルーズ船市場進出

2007/10/24 鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 STXグループが欧州の世界的な造船会社を買収し、クルーズ船市場に参入することになった。

 「船の女王、浮かぶホテル」と呼ばれる高付加価値船のクルーズ船は、ホテル並みのインテリア技術など、独自のさまざまな高級化ノウハウが必要で、世界で圧倒的な力を持つ韓国の造船所もいまだ進出できていない分野だった。

 STXグループは23日、欧州最大の造船グループであるノルウェーのアーカー・ヤーズASAの4456万株(39.2%)を、22日と23日の二日間にかけてノルウェー現地で8億ドル(約918億円)で買収したと発表した。

 アーカー・ヤーズはスイス系投資銀行のUBSが8.31%、BNPパリバが7.71%、ユーロクリア銀行が4.32%、ニューヨーク・メロン銀行が4.32%など、機関投資家が株式を分散保有しており、STXは今回の株式買収で筆頭株主となった。

 STXは「経営権を獲得するのではなく、戦略的提携という次元での投資」と説明しているが、段階的な経営権獲得に向けて動き出しているのは間違いない。

 フィンランド、フランス、ドイツ、ブラジルなど8カ国18カ所の造船所で2万人を雇用しているアーカー・ヤーズは、クルーズ船ではイタリアのフィンカンティエリに続き世界2位、中小型のフェリーでは世界1位のシェアを占める。昨年は売り上げ47億6275万ドル(約5466億円)に1億9176万ドル(約220億円)の利益を出し、売り上げの43.2%をクルーズ船事業が占めている。欧州の造船所の伝統的な調達技術とSTXの世界最高レベルの船舶量産技術や造船部品供給能力が一つになれば、かなりの相乗効果を期待できるとみられている。

 STX側は、「今回の株式取得は未来の新しい成長動力となる事業への投資として行われた。生産する船の種類を多角化し、国内外の生産拠点別に船種を専門化する戦略で最高の競争力を確保したい」と述べた。

ポスコ、造船用厚板を値上げ

2007/10/09 JOONGANGILBO NEWS WOW!KOREA

 ポスコが造船用厚板の価格を引き上げた。 ポスコは9日、造船用厚板1トンの価格(60万5000ウォン)を25日の注文分から66万5000ウォンに引き上げる、と発表した。 4月(2万ウォン引き上げ)以来半年ぶりの値上げとなる。

 会社側は「原料コストが上昇したのに加え、造船景気の好況で需要が増えたことで、値上げ要因が生じた」とし、「その間、厚板価額引き上げを自制してきたが、ポスコの価格と他社製品の価格の差が広がり、需給不均衡による歪曲現象が発生している」と説明した。 日本産厚板の輸入価格は20−40ドル上がった64万ウォン台で取引されているが、これより品質が落ちる中国産が800ドル以上で取引されている、ということだ。

 東国(トングック)製鋼は72万5000ウォンで販売している。 品質に比べて低価格だったポスコの厚板が流通市場で他社の製品として取引されるなど、需給歪曲現象が発生している、というのがポスコ側の抗弁だ。

 これを受け造船業界は収益性の悪化を懸念している。 年間380万トンの厚板を生産するポスコが6万ウォン引き上げたため、造船業界の追加負担は2280億ウォンと推算される。 証券会社のアナリストは世界1位の造船会社である現代(ヒョンデ)重工業の売上原価が昨年の10兆9734億ウォンから今年は13兆3428億ウォン、来年は14兆5765億ウォンに急増すると見込んでいる。Copyright 2007(C)JOONGANGILBO NEWS. All rights reserved.

南北首脳会談:経済協力事業の具体案、続々と明らかに

2007/10/06 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者/チョン・スヨン記者

 南北首脳会談で合意した経済協力事業について、白頭山の観光事業は現代峨山の主導で来年4月から本格化するものと見られる。また、造船協力団地の建設は大宇造船海洋が主導し、北朝鮮の東海(日本海)沿岸の安辺に年産20万トン以上の規模のブロック(船舶部分品)生産工場の建設が進められ、北朝鮮地域の油田を共同開発する方式については副首相級会談で話し合う。また、海州経済特区事業は、政府が助成する2兆ウォン(約2540億円)規模の海外港湾開発ファンドを利用し、推進していく方針だ。

 玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代峨山会長は4日夜、北朝鮮から戻った直後、「来年4月から白頭山への直行便での観光が可能になる予定」だと語った。

 大宇造船海洋の南相兌(ナム・サンテ)社長は5日、記者懇談会で、「確固とした経済基盤を作り難い西海岸ではなく、東海岸の安辺に1億‐億 5000万ドル(約116億‐175億円)をかけ、年産20万トン以上の船舶ブロック工場を建設、巨済の玉浦造船所との協力体制を構築する方針だ」と話した。南社長は、「北側における通行・通関・通信など既存の“3通問題”に資金まで含めた“4通問題”が解決されれば、今すぐにでも(工場建設を)始めることができ、2009年1月ごろ(船舶ブロック)の生産が可能になるだろう」と語った。

 また、権五奎(クォン・オギュ)副首相はこの日の記者会見で、「金正日(キム・ジョンイル)総書記は、韓国側からの油田・ガス開発投資に相当な関心を示した。首脳会談の合意文には油田開発の部分は含まれていないが、副首相級に格上げされた南北経済協力共同委員会で北側と協議し、議論していくことになるだろう」と発表した。

 海州経済特区・海州港開発について権副首相は、「私募ファンドの形態で作る港湾開発ファンドにより、十分に推進可能だ」と語った。また「港湾開発ファンドは、海洋水産部や釜山など3つの港湾公社が3000億ウォン(約381億円)、国内銀行・年金基金・損害保険会社など国内機関投資家が1兆 7000億ウォン(約2159億円)をそれぞれ出資する予定だ」と説明した。

 開城工業団地の第2期事業について、土地公社は、「来年には基本計画を準備し、事業着手が可能になるだろう」と発表した。また李哲(イ・チョル)鉄道公社社長は、南北首脳会談の合意事項であるムンサン‐鳳東の鉄道貨物輸送について、年内にも部分的に可能になると話した。

大宇造船、北朝鮮・安辺での船舶工場建設を推進

2007/10/05 YONHAP news

【ソウル5日聯合】大宇造船海洋が、北朝鮮の安辺での船舶ブロック工場建設を目指す。南北首脳会談の特別随行員として訪朝した南相兌(ナム・サンテ)社長が5日に記者会見を開き、こうした内容を中心に訪朝結果を説明した。南北首脳会談で両首脳は、安辺に造船関連拠点を建設することで合意している。

 南社長は、このブロック工場の規模を年産平均20万トン以上とすれば、1億〜1億5000万ドルの投資が必要だと述べた。当面は大宇造船が主導することになるが、訪朝内容は韓国造船協会から会員企業に伝えられ、ほかの企業が参加しても反対する理由はないとしている。安辺に建設する背景について、増加する注文量をさばくには増産するしかないが、国内と中国の工場をフル稼働させても生産計画は消化し切れない状況で、言葉が通じ文化が同じ北朝鮮に関心を持つのは当然だと説明した。ただ、工場建設には通行、通信、通関に資金を加えた4つが先決課題としてあると強調した。生産は早ければ2009年初めごろ可能との見通しを示した。

韓国造船メーカー、受注量で中国との格差広げる

2007/09/26 (JOONGANGILBO NEWS)WOW!KOREA

 韓国造船メーカーが受注量部門で中国との格差を広げている。造船・海運市況分析大手の英国・クラークソン(Clarkson)が26日に伝えた。同社によると、韓国は、今年4月の受注量が690万CGT(標準貨物船換算トン数)で、中国(850万CGT)より160万CGT少なかったが、5月に1170万CGTを獲得、中国と共にトップの座に就いた。

 続いて、6月に1530万CGT、7月と8月にそれぞれ1890万CGT、2210万CGTを達成し、中国との格差をそれぞれ150万CGT、260万CGT、310万CGTへと広げている。手持ち工事量では、先月まで韓国が5880万CGTを獲得してトップを守り、中国は4430万CGT、日本は3050万CGTで、それぞれ2、3位になった。 Copyright 2007(C)JOONGANGILBO NEWS. All rights reserved.

跳躍する韓国造船業界、相次ぎ新事業進出へ(上)

2007/09/25 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 史上最大の好景気に沸く韓国造船業界の飛躍が続いている。受注新記録更新が続いている上に、高付加価値船舶の開発と受注による収益性向上、また新事業への進出も活発だ。

◆サムスン重工業、砕氷タンカーに続きクルーズ船にも進出

 サムスン重工業は超大型コンテナ船、LNG船、FPSO船、極地運航用ドリルシップ(原油試掘船舶)など高付加価値船に事業を集中し、9月現在の受注残高が380億ドル(約4兆3700億円)で世界最大規模を記録した。世界最大のLNG船、史上最高値を記録した6億6000万ドル(約759億円)のドリルシップなど、受注船に占める高付加価値船の比率は86%に近付いている。1隻当たりの平均受注単価も1億7700万ドル(約203億5677万円)で業界トップだ。

 サムスン重工業の未来を担う力は、世界最高レベルの技術力と船型開発能力、生産自動化と新工法、完璧な品質の実現だ。ハイテク技術を必要とする複合船舶や、北極などでの使用を念頭に置いた新しい船舶などを開発して市場の開拓に乗り出している。ロシアからは7万トン級の極地運行用砕氷タンカーを受注し、世界最大の原油とガス埋蔵量を誇るロシア市場を押さえ、砕氷LNG船や砕氷コンテナ船の分野でも2010年には世界をリードするという夢を持っている。

◆大宇造船海洋、造船所運営ノウハウも輸出

 2011年に売上高15兆ウォン(約1兆8500億円)達成という目標を定めた大宇造船海洋は、高付加価値船舶の生産、営業、研究開発に集中する本社と、地域の特性に合わせた生産基地として活用する海外拠点とのグローバル・ネットワークを築き上げた。

 今年1月にはドイツからコンテナ船5隻を大宇造船海洋ブランドとして受注し、船舶建造はルーマニアの大宇マンガリア造船所に任せたのがその典型的なケースだ。また大宇造船海洋は造船所運営のノウハウも輸出した。昨年9月にオマーン政府と「オマーン・スリ造船所建設と運営」に関する委託経営契約を結び、今後10年で設計と建設、装備の購入などのコンサルティング、完成後の委託経営などもを引き受けることになり、年間100億ウォン(約12億円)のロイヤルティー収入を挙げることができるようになった。

 その上、海運会社も設立した。今年1月にはナイジェリアの国営石油会社であるNNPCと合弁でNIDAS(Nigeria Daewoo Shipping)を設立、ナイジェリア海洋油田開発権も獲得し、未来を切り開きつつある。

跳躍する韓国造船業界、相次ぎ新事業進出へ(下)

2007/09/25 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

◆STX、新リサイクルエネルギー事業に進出

 造船の機材や資材・エンジン・建造・海上運送と続く事業のポートフォリオが競争力だ。2001年に設立されたSTXグループは、わずか6年で受注額17兆ウォン(約2兆1000億円)、売上高10兆ウォン(約1兆2000億円)をうかがう韓国の5大重工業グループに成長した。

 「ビジョン2010」は海運物流・造船機械・エネルギー建設など3大ビジネスを中心軸とし、全世界をこれまでの5大地域から中国中心の極東アジア、東南アジア、欧州、北米、南米、中東、アフリカの7地域に細分化し、地域別に特化した事業のチャンスを狙ってシナジー効果を最大化することにした。造船・機械事業部門は中国大連の造船・海洋総合生産拠点を安定化させ、2010年までに計110隻以上の建造システムを保有する計画だ。

 さらに全世界に対して風力・太陽光など新リサイクルエネルギー事業を推進し、アジア・中東・アフリカなどを中心に油田・有鉛炭や鉱山開発など海外での資源開発に乗り出し、全方位的なトータルソリューションの提供が可能な海外開発型事業(Overseas Developing Biz)を中国やアゼルバイジャンなどに広めていく計画だ。

 STXグループの姜徳寿(カン・ドクス)会長は、「今後は韓国で1位というのは意味がない」「1つのアイテムでも世界的な競争力を持って引続き世界1位を維持できる底力を積み上げなければならない」と強調した。

■FPSO(Floating Production Storage Offloading)

 浮遊式原油生産・貯蔵・荷役設備。海の上に浮いた状態で原油を採掘して貯蔵し、運搬船が来れば運び出せるようにする海洋設備。

■複合船舶

 2隻以上の機能を持ち、従来の2隻以上がペアを組んで行っていた作業を1隻の船でできるようにした船舶。例えば極地運航用砕氷タンカーは砕氷船が氷を砕きながら進み、その後をタンカーが付いていく方式を統合した船舶だ。コンテナ・タンカー、ドリリングFPSOなども複合船舶だ。

中国の新造船受注量、史上初めて韓国上回る

2007/09/14 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員

 中国の今年上半期の新造船受注量が史上初めて韓国を上回ったものの、質的な競争力の面ではまだ遅れを取っている、と英紙フィナンシャル・タイムズが13日付で報じた。

 中国の国家海洋局(CSOA)は最近、今年上半期の新造船受注量が、載貨重量トン数(DWT)ベースで昨年同期に比べ165%増の4990万トンとなり、4280万トンにとどまった韓国を上回った、と発表した。DWTとは、荷物や乗組員、燃料などの消耗品も含めた、船に搭載可能なすべての人や物の重さの合計だ。韓国政府もまた、造船・海運の現況に関する分析機関である英クラークソン社の資料を引用し、こうした事実を認めた。

 だが、国家間における造船産業の競争力を示す標準貨物船換算トン数(CGT)で見ると、韓国の今年上半期の受注量は1530万CGTで、中国(1380万CGT)を上回った。CGTは船舶の重量や付加価値などを合計して算出する。

 フィナンシャル・タイムズ紙は「韓国は現代重工業・サムスン重工業・大宇造船海洋の“ビッグ3”を中心に、世界の造船市場の40%を占める世界最強の造船国だ。韓国の今年上半期の受注量は332億ドル(約3兆8084億円)で、昨年同期に比べ51%以上増えている」と報じた。

 造船コンサルティング会社IRCのピーター・バートロミュー社長は「韓国の造船産業の生産性は、低賃金の労働力に依存している中国を上回っている。中国の造船業者は船の引渡し期日を守らないことが多い」と語った。

 だが一方で、中国の国営船舶工業集団公司(CSSC)が最近、これまで韓国・日本・デンマークの3カ国しか建造したことがない大型コンテナ船の受注に成功するなど、中国の造船業界の躍進は今後とも注目される。

2つのブロックから大型船建造、サムスン重工業

2007/09/12 (JOONGANGILBO NEWS) WOW!KOREA

 サムスン重工業は12日、超大型船舶の半分を中国で製造し、それを国内の造船所に持ち込み残り部分の最終組み立てを行う新技術「テラブロック工法」を開発したと明らかにした。中国山東省・栄城で金澄完(キム・ジンワン)社長ら関係者700人が出席する中、新工法を適用するブロック生産基地の稼動式を行った。

 同社によると、テラブロック工法は船舶の半分に当たる長さ150メートル、重さ1万トン規模の貨物積載部分の超大型ブロックを陸上で製造し、ドック内で2つのブロックを合わせて船舶を建造する最新工法だ。この工法により、超大型船舶建造数を1年間で10隻増やせる。また、ブロックは運搬船に載せて運ぶのではなく、ブロックそのものを海に浮かべて運ぶため、作業量や運送時間を減らす効果もある。

 サムスン重工業は2001年に船舶ブロック10個余りから大型船舶を建造する「メガ工法」、ブロック数を5個に減らした「ギガ工法」などを開発している。 Copyright 2007(C)YONHAPNEWS. All rights reserved.

三星重、韓国ウォン決済条件で造船受注

2007/09/07 (JOONGANGILBO NEWS) WOW!KOREA

 三星(サムスン)重工業が造船業界では初めて船舶建造代金を韓国ウォンで受ける契約を結んだ。 世界造船業界で船舶建造契約はドル貨幣で締結するのが慣例である点を考えると、今回の契約は異例だ。

 三星重工業は6日、ヨーロッパの船会社と‘油田開発用洋上石油生産設備(FPSO)’1基を4億ドルで受注し、代金を韓国ウォン決済条件で契約した、と明らかにした。

 三星重工業は今年2月、ノルウェーの船会社からFPSO1基を4億ドルで受注し、58%(2220億ウォン)をウォンで受ける契約を結んだが、建造代金全額をウォンで受注したのは今回が初めて。

 同社のキム・ドンソル国際金融パート長は「優れた技術と品質競争力を土台に、受注交渉で発注者よりも有利な地位を築けたことで可能になった」とし「外為市場の安定だけでなく韓国ウォンの国際的位相の向上にも寄与するはず」と語った。 造船業界の好調で受注が増える中、優れた技術力を基礎に有利な条件で高収益の船を選んで受注できた、という説明だ。Copyright 2007(C)JOONGANGILBO NEWS. All rights reserved.

現代重工業の上半期業績が過去最高、造船など好調

2007/08/10 YONHAP News

【ソウル10日聯合】現代重工業が上半期に売上高、営業利益、純利益で過去最高の業績を上げた。売上高は7兆5533億ウォン、営業利益が7712億ウォン、当期純利益が7885億ウォンだった。前年同期に比べそれぞれ29.8%、137.8%、266.4%増加した。

 第2四半期を見ると、売上高は3兆8769億ウォンで前年同期比30.4%増、営業利益は3688億ウォンで145.5%増、当期純利益は4175億ウォンで117.0%増となっている。

 現代重工業は、造船とエンジン事業の収益性が好調で、プラント事業も黒字転換したと説明している。

現代重工業、国内最大級ドックを追加建設

2007/08/10 YONHAP News

【蔚山10日聯合】現代重工業は10日、蔚山市東区の海洋事業本部内で第10ドック建設工事を11月に開始し、2009年初めに完工する計画だと明らかにした。造船業界の好況で船舶建造設備が不足したため、ドックの追加建設を決定したという。

 新たに建設されるドックは、貨物の最大積載量が100万トン級の超大型船舶の建造が可能で、国内最大規模。現代重工業は同規模のドックを1つすでに保有しており、国内最大ドックが2つに増えることになる。またこのドックでは、船舶のほか浮体式石油生産・貯蔵・積出設備(FPSO)など海洋設備の建造も行う計画だ。

韓国、上半期の造船受注額が過去最高を記録

2007年08月07日 AFP発信地:ソウル/韓国

【8月7日 AFP】韓国の産業資源省が7日発表した統計によると、上半期の同国の造船受注額は、世界的な需要の高まりを背景に、前年同期比51.3%増の過去最高332億ドル(約3兆9400億円)に達した。

 原油高を受け、原油タンカーと沖合い探査設備に対する需要が世界的に高まった。また、建造工事量を表す標準貨物船換算トン数は1130万トンと、前年同期を38.2%上回った。

 世界中の海運会社が発注した液化天然ガス用タンカー13隻すべてを上半期中、韓国の造船会社が受注した。

 未処理注文の標準貨物船換算トン数は4382万トンと、前年同期を14.3%上回った。額にして1216億ドル(約14兆4300億円)で、向こう4年分の仕事量に相当する。

 実際に建造した船舶の標準貨物船換算トン数は557万トンと、前年同期から12.1%増加した。

 地方の造船会社は造船世界最大手の現代重工業(Hyundai Heavy Industries)にけん引され、浮きドックを使って生産能力を増強した。

 国営シンクタンクは6日に発表した報告の中で、生産能力を増強し過ぎると供給過剰に陥り、価格の急落を招く恐れがあるとして注意を促した。

 韓国産業研究院(Korea Institute for Industrial Economics and Trade)は造船業者に対し、好調な受注に甘んじることなく、技術革新を通じて競争力をつけるよう促した。(c)AFP

韓国造船業界  船舶輸出270億ドル超す勢い

2007年07月04日発行版 統一日報

世界的な物量増に積極策

 世界シェアトップの韓国造船業界が躍進している。サムスン重工業、大宇造船海洋、現代重工業、韓進重工業を中心に受注額は過去最高を記録し、輸出額は270億ドルを超す勢い。新造船価格が上昇し、世界的な物量の増加で船舶需要が拡大している。受注量は2002年から4年連続で世界シェアトップだった。好調の韓国勢に対抗して、日本は中国と連携し生産拠点の増強に乗り出した。06年の新造船建造量シェアは、韓国が36.2%、日本は34.7%とならんでいる。

 韓国造船協会(先月28日の発表)によれば、今年上半期の船舶輸出は148億5000万ドル(前年同期比30.6%増)、建造量は627万CGT=標準貨物船換算トン数=(同8.8%増)に達する。下半期の輸出見通しは121億5000万ドル、通年の輸出は270億ドル(前年比22%増)と明らかにした。

 受注も更新されている。

 6月20日現在の各造船メーカーの今年の受注は、サムスン重工業が84億ドル、大宇造船海洋は83億ドル、現代重工業81億3000万ドル。

 サムスンは前年同期比71.4%もの増加だ。同社は1日、12億ドルの新規受注で上半期の総額が101億ドルとなったと明らかにし、110億ドルに設定していた年間受注目標額を150億ドルに引き上げている。

 大宇造船海洋は、30万トン級の超大型タンカー3隻とコンテナ船6隻など、6月だけで30億ドルを受注した。コンテナ船の注文が急増しているという。今年の受注目標110億ドルは難なく達成する見込み。

 船舶価格は、大型ばら積み船で昨年末に比べ30%もの急騰、30万トン級大型石油タンカーも6.5%の上昇、6500TEU級コンテナ船は3.9%と、新造船の価格上昇が続いている。

 受注拡大の背景には、中国やインドなど新興市場の物量増加がある。

 韓国だけでも、2006年の輸出入貨物処理量は前の年に比べて7.3%増えた(関税庁統計)。

 運航効率の高い低価格船のほか、超大型タンカー、深海油田開発を受けた高付加価値船の需要も大きくなっている。

 海運世界八位の韓国は先月、先進海運国グループ(CSG)に加盟した。

韓国の船舶技術が中国へ流出か…被害総額186億円

2007/07/14 チョソン・ドットコム/朝鮮日報JNS

 ソウル南部地方検察庁は、大宇造船海洋の技術企画チームリーダーとして勤務しながら得た船舶製造技術を中国に流出させようとした疑いでオム某容疑者(53)を12日に拘束した。流出した機密設計図は15万枚の分量で、69隻の製造技術が記載されていたという。1隻当たりの設計図の値段は少なくとも20億ウォン(約2億7000万円)で、被害規模は1400億ウォン(約186億円)に達するとみられる。

 オム容疑者は昨年3月に同社を退職し、10カ月後ライバル社に副社長として入社した。転職先は、昨年末に中国と合弁で青島に大型造船所の建設を推進していた船舶設計の専門企業だった。

 検察によるとオム容疑者は、コンテナ船・原油運搬船などの先端船舶建造技術を自分のパソコンに保存して持ち去ったという。

 オム容疑者は大宇造船海洋内で、技術情報に関する機密資料を管理する技術企画チーム長として勤務していた。

 検察は韓国国内の造船技術が中国に流出したかを捜査している。オム容疑者の転職先では「パソコンに保存された資料を利用したことは一度もない」として技術流出を否認した。

大宇造船、中国・大連の船舶ブロック工場完工

2007/06/18 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 韓国造船業界の海外進出が目覚ましい。STX造船が中国の大連に、韓進重工業がフィリピン・スビックに総合造船所を建設したのに続き、大宇造船海洋も最近、中国・烟台に大規模船舶ブロック工場を完工した。

 現在、船舶ブロックが次第に大きくなる傾向にあるが、超大型船舶でも大型ブロック数個を組み立てれば完成するシステムに変わりつつある。このため、大型ブロック工場は事実上準造船所となっている。烟台ブロック工場の完工は、韓国国内の造船所が造船基地を海外に移していることを示している。

 大宇造船海洋は15日、中国山東省烟台経済技術開発区「大宇造船海洋山東有限会社(DSSC)」で、船舶ブロック工場の完工式を行った。30万坪の敷地に荷役設備と切断・組み立て工場、岸壁2個を備え、今年だけで約3万トンの船舶用ブロックを製作、大宇玉浦造船所に供給するとしている。また 2010年には年産22万トンまで増産する計画だ。

 ここ数年で、船舶の受注が相次ぎ、船舶用ブロックの確保に苦労してきた大宇造船海洋は、2005年9月にDSSCを設立し、1億ドル(約123億円)を投資、同工場を建設した。しかし依然として生産性が玉浦造船所に比べて劣る上に、運送費コストもかかるが、人件費など原価が低く、30%程価格競争力が高まるものと分析される。2010年には年間700億ウォン(約93億円)の原価削減効果がある、と大宇造船海洋側は説明する。

 今回の工場完工により、大宇造船海洋が保有する海外生産施設は、ルーマニア政府と合弁のルーマニア・大宇マンガリア造船所を含め2カ所になった。大宇造船海洋の南相兌(ナム・サンテ)社長は竣工式の後、ブロック工場を造船所に転換できることを示唆した。南社長は「中国の法律上、造船所の資本比率の51%を中国側が所有している。今のところ計画はないが、法律が改正されれば(造船所への転換を)慎重に考える。玉浦造船所の新規船舶建造の競争力が低下すれば、中国で(ブロック生産だけでなく)船舶も生産する考え」と語った。

 これにより造船業の生産基地海外建設の動きは今後さらに加速するものとみられる。つまり、韓国国内では超大型コンテナ船と液化天然ガス(LNG)船、ドリル・シップ、浮遊式原油貯蔵荷役設備(FPSO)など高付加価値船舶・海洋設備を建造し、汎用船種は中国などで建造するという地域別分業型の会社が増えるというわけだ。

 大宇造船海洋の幹部は「国内の雇用減少、船舶建築技術の流出といった懸念もあるが、1970‐80年代、造船業世界1位に君臨した日本が結局国内生産にとどまり、1位の座を奪われたことを教訓にすべき」と話した。

■キーワード:船舶ブロック

 レンガを積んで建物を造るように、巨大な船舶も部分単位に分けたブロックを陸上で造り、これをドックに移して溶接し、完成させる。このブロックを作る工場がブロック工場だ。個別ブロックが次第に大きくなる傾向にあり、3‐5個の大きなブロックを連結して船一隻を作ることもある。これにより、造船業界ではブロック工場の重要度が次第に高まっている。

造船:猛追する中国、韓国に打つ手はあるのか

2007/06/17 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 方聖秀(パン・ソンス)記者

 「中国政府の強力な支援に後押しされ、急成長している中国造船業界の勢いは恐ろしいほどのものだ」

 金澄完(キム・ジンワン)前造船工業協会会長(サムスン重工業社長)は、普段から「未来の備えをしっかりとしていれば、2020年まで韓国造船世界1位の牙城を守り通すことができる」と話す楽観論者だ。しかし、それはあくまでも「しっかりとした備え」という前提があってこその話だ。

 この発言の表面だけを見れば、価格競争力・新商品開発・設計・熟練度・納期など、あらゆる面で韓国が明らかに優位に立っているという自信が感じられる発言だが、一方では「下手をすれば、いつでも中国に追い抜かれる可能性がある」と警告するメッセージとしての意味合いも強い。

 金社長は「中国が造船産業を7大国家戦略産業に選定したことに注目すべきだ。中国が掲げている“15年までに世界市場シェア35%を達成”という目標は、現在の韓国の市場占有率とほぼ同じであり、これは“打倒韓国”を明確な目標として掲げたもの」と説明した。

 また、「中国が上海付近の長興島・崇明島、広州付近の龍穴島など3つの造船基地で、浦東中華造船(170万坪)、広州造船(160万坪)、上海造船(40万坪)の施設拡張工事を行なっている。そのため、これらの造船所が完成する15年ごろには、非常に激しい競争が起きることが予想される」と語った。

 浦東中華造船は、現在韓国が事実上独占しているLNG船とFPSO(浮遊式原油生産貯蔵荷役設備=Floating Production Storage & Offloading Unit)の建造を目標に掲げている。なお、LNG船は1隻当たりの価格が3億ドル(約370億円)、FPSOは10億ドル(約1230億円)にもなる高付加価値船舶で、資源・エネルギー開発ブームにより世界市場の規模が数千億ドルに達すると推定される次世代成長分野だ。

 また、金社長は「中国は最近、フィンランド・日本と合弁で船舶用エンジン事業を始め、西安地域に1億4000万ドル(約172億円)を投資し、研究開発センターを建設している」とも指摘した。

 そして、「韓国造船業界が2000年代に世界1位に上り詰めた秘訣は、日本が供給過剰を懸念し、投資を躊躇(ちゅうちょ)していた1990年代に造船業の好況到来を予測、果敢に投資したため」と繰り返し強調した。最近、韓国内での設備投資を事実上中断し、海外へと出て行く韓国造船業界の現実に対する心配と懸念が色濃く感じられる話だ。

「水上を飛ぶ船」が沈没の危機!?

2007/06/15 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 李永完(イ・ヨンワン)記者 & チョ・ホジン記者

ウイッグ船事業、民間事業者選定が難航

 韓国政府が次世代海上運送手段として開発を推進してきた「ウイッグ(WIG=Wing In Ground)船」事業が、民間事業者を選定することができず、沈没の危機に立たされている。

 別名「飛ぶ船」と呼ばれるウイッグ船は、250キロから300キロの速度で水面のすぐ上を飛行する船のこと。韓国政府と民間が850億ウォン(約112億円)ずつ計1700億ウォン(約225億円)を投資、2010年の商用化を目標に開発が進められている。しかし、当初決定した民間事業者が事業参加を撤回した後、代わりの事業者を選定することができず、2年近く事業が漂流し続けている。

 造船業界が14日に発表したところによると、当初民間事業者に選定されたSTX造船が参加を辞退する意向を通告した後、大宇造船海洋が18日に事業参加の意向を最終的に決定する予定だという。しかし、大宇造船海洋内部では、経済性が不透明という点を挙げ、否定的な意見が多数を占めていると伝えられている。開発事業を主管する海洋研究院は、海軍の支援が得られる可能性を挙げ大宇造船海洋を説得しているが、海軍の支援で事業が継続される場合、政府が構想していた民間用の実用化事業が軍需産業に変質することになる。

 造船業界がウイッグ船事業への参加に消極的な理由は、経済性に対する確信が持てないためだ。ウイッグ船は速度がカギとなるが、ほかの船舶や島、橋のような障害物に出くわした場合、この速度が事故を招く恐れがある。それにもかかわらず、ウイッグ船が往来する中国や日本、台湾とはいまだに関連する協定すら結べていない状態だ。

 その上、韓中日近海航路の場合、運行船舶が既に飽和状態にあり、ウイッグ船が思うように飛び回ることができない状況にある、と業界では分析している。ある関係者は「06年初め、3大造船メーカーの現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋は、一様にウイッグ船事業の先行きが不透明と判断し、事業に参加しなかった」と話している。

 それにもかかわらず、中堅造船メーカーのSTX造船が事業に参加したのは、一定数量の購入要求を政府が受け入れたと判断したため。

 本紙が確認した結果、STX造船は06年1月、韓国政府が初期建造船10隻以上を購入することを事業参加の条件として明示した文書を発送した。そしてこのSTX造船の文書を受け取った政府が2月末に事業者としてSTX造船を選定したことにより、STX造船の条件を容認したと受け止められた。ところがその後、政府はSTX造船が提示した条件を満たすことはできないとし、これを受けたSTX造船は06年10月末、参加辞退を通告した。

 こうして事業が漂流すると、金成珍(キム・ソンジン)海洋水産部長官は当時、「STX造船が要求するウイッグ船の一定数量購入保障は、政府が受け入れられる条件ではない」とし、責任はSTX造船側にあるとした。

 一方監査院は、昨年科学技術部に対する監査で、「ウイッグ船の実用化事業は、事業者の選定すらできず、予算の未消化や事業の遅延が懸念される」と指摘した。それにもかかわらず科学技術部は、事業が依然として漂流し続けていた今年5月、ウイッグ船事業の推進を科学技術関係長官会議の成果の1つとして広報した。このため、現在も多くの地方自治体では、次世代海洋交通手段としてウイッグ船を利用した各種の開発計画を発表している。

フィリピン造船所を本格的に稼動した韓進重工業(上)

2007/06/08 朝鮮日報/朝鮮日報JNS スービック(フィリピン)=金徳翰(キム・ドクハン)記者 方聖秀(パン・ソンス)記者

 今月5日フィリピン・スービック湾の韓進重工業造船所。船の一部を構成する第1号ブロック(大型船舶を構成する部分品)が姿を現した。遠くから近くからブロックの動きを見守っていたフィリピン人労働者の目には涙があふれた。自分たちの手で巨大な船舶を作り上げた事実を直接確認したからだ。造船業には縁のなかったフィリピンにおいて、フィリピン人労働者の手で初めて作り上げた船舶ブロックには、彼らの夢と希望が込められていた。

 しかし、このような感激の場面が現実となるまでには多くの紆余曲折があった。韓進重工業スービック造船所の敷地は造船関連産業は皆無で、また1年に3カ月以上の長い雨季のため、野外での作業には困難が多い。4カ月ほどの乾季には40度前後の厳しい暑さが労働者を襲う。フィリピンの政情不安も、7000億ウォン(約913億円)を超える大規模投資の妥当性を常に検討させる要因の一つだ。

 しかし、山に囲まれた静かな海に15メートルの深さを確保できるのは立地条件として非常に有利だった。韓進は結局投資を決断し、その後は速度経営に徹した。起工式の3カ月前に4300TEU(20フィートコンテナ)クラスのコンテナ船4隻を受注、昨年5月に工事を開始して以来、最初のブロックが登場するまでに1年1カ月しかかからなかった。来年後半には第1号の船舶が完成し引き渡される予定だ。スービック造船所として受注した額は31億ドル(約3783億円)に達する。これは、昨年400億ドル(約4兆8000億円)ほどだったフィリピンの輸出額全体の8%を韓進一社で稼ぎ出したことになる。

フィリピン造船所を本格的に稼動した韓進重工業(下)

2007/06/08 朝鮮日報/朝鮮日報JNS スービック(フィリピン)=金徳翰(キム・ドクハン)記者&方聖秀(パン・ソンス)記者

 労働者の賃金は月1万ペソ(約2万6000円)ほど。技術の習得には満足している。「現在の生産性は釜山影島造船所の30%ほどだが、その数値は急速に上がっている。3年以内には二つの造船所の差はなくなるだろう」と生産担当のユ・デジン常務は語った。

 韓進はこれまで500人以上の現地技術者に対し、釜山影島で3カ月間の研修を実施するなどして養成した。フィリピン現地では4500人を雇用しており、長期的には2万人以上を雇用する計画だ。

 フィリピン政府の支援も多額だ。最低50年間・70万坪の敷地を月1000万ウォン(約130万円)ほどで使用でき、税金も8年間完全に免除されている。その後も売上げの5%だけを税金として収めればよい。苦労して育てた人材の流出を防ぐため、大統領令で5年間は韓進の同意なしに労働者が転職することはできないとの規定もできた。

 困難は相変わらず多い。酷暑・激しい雨など気候条件ももちろんだが、下請けがないことか、ボルトやナットまですべて韓国から持ち込まなければならない。朴圭源(パク・キュウォン)社長は「すべてが準備されている所のほうが大きな危険がある。韓進重工業が先頭に立って、機材や資材などの産業が参入できる道筋を切り開いて行きたい」と述べた。

■船舶ブロック

 レンガを積み上げて建物を建設するように、巨大な船舶も部分ごとに分けられたブロックを陸上で作り、これをドックに移して溶接することにより完成する。ブロックを作る陸上の工場がブロック工場で個別のブロックのサイズは徐々に大きくなっている。5つほどの巨大なブロックをつないで一隻の船を建造することもある。

大宇造船海洋、4月の営業利益21億円で黒字転換

2007/06/01 edaily/朝鮮日報JNS

 大宇造船海洋は4月の営業利益が162億ウォン(約21億円)となり、前年同期比で黒字転換した、と31日発表した。

 売上高は23.5%増加の5242億ウォン(約687億9310万円)。純利益は54.5%増加の411億ウォン(約53億9370万円)だった。

韓国:造船労組、労災予防政策の改善を要求

2007年05月30日 レイバーネット チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net

「労働部は造船所労働者の労災死亡を放置している」

造船所労働組合の代表者が災害予防政策の改善を要求

 大宇造船、現代尾浦造船、現代三湖重工業、STX造船、韓進重工業、SLS造船など国内屈指の造船事業場労働組合の代表が労働部が造船業災害予防の責務を放棄しているとして糾弾した。

 韓国の造船産業は世界でも屈指の水準にあるが、国内の主な造船所では生産至上主義によるいいかげんな安全管理を行っており、ブロック転倒、墜落、狭窄、過労死などの重大災害が絶えまなく続いている。さらに減少傾向にあった造船業の労災は2006年からまた増加しており、全産業の災害率と比べて2.5倍も高い労災率を見せている。

 全労働災害率では100人未満の中小業者で全体の80%以上の災害が発生しているが、造船業では2千人以上事業場で全体災害の62%が発生するという特徴を見せ、深刻な水準であることをうかがわせる。

 「自主評価」の名目で安全監督を免除される大型造船所

 しかしこれほど深刻な造船業災害の現実に対する労働部の対処は非常に安易だと指摘されている。労働部が推進する「造船業安全管理自主評価プログラム」によって大宇造船、三湖重工業、韓進重工業釜山工場、STX造船、現代尾浦造船などの主要造船所が「優秀業者」に選ばれ、労働部の安全保健指導監督を免除され、使用者側が安全管理水準を自主的に評価することになった。

 造船業労働組合代表者たちはこれに対して「労使自主安全保健管理は名目だけ。災害予防の中心である労働組合を排除した事業主の一方的かつ便宜的な安全保健管理評価と災害予防措置を行えば、失敗する」と憂慮し、「労働部がそそのかして事業主は便宜的に安全保健管理を行っている。労働部の指導監督が免除されているため、問題は深刻だ」と指摘した。

 3年間運営されてきた造船業災害予防協議会に対しても、「実質的な案件議論や協議はたった一度もなかった」という。労働組合によれば、労働部が協議会を運営するが多数決制で、労働組合側が議案を提出しても上程もできない構造であり、判で押したような儀礼的な会議を繰り返すだけの対外的に名目を保つ形式機構に転落しているという。

 こうした現実に対して主要造船業労働組合の代表者は労使自律安全管理政策の廃棄と造船業労災予防協議会の解体を主張し、今日午後1時30分に釜山地方労働庁前で記者会見と決意大会を開催する予定だ。原文(チャムセサン)翻訳/文責:安田(ゆ)

 著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容(仮訳)に従います。

2007/05/30 18:37:07

【コラム】イージス艦でほほ笑む鄭周永(上)

2007/05/30 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 楊相勲(ヤン・サンフン)論説委員

 「おいチェグムジャ(責任者)、やって見たのか」

 現代グループの故鄭周永(チョン・ジュヨン)名誉会長は責任者(チェギムジャ)を「チェグムジャ」と言った。冒頭の言葉は、責任者に「あなたは実際にやって見た上でそんなことを言っているのか」と尋ねているのだ。生前の鄭周永会長は、経営者、技術者らが難関にぶつかり、「難しい」「できそうにもない」と弱音を吐くと、必ず「やって見たのか」と問いただした。

 われわれは実際にやって見もせずに、「ダメだ」「できない」と言いながら長い歳月を生きてきた。そのため中国と日本に踏みつけられ、傷だらけになった歴史を息も絶え絶えに何とか今日までつないできた。鄭周永会長の「やって見たのか」という口癖は、そうした韓国の歴史に対する反乱だった。韓国戦争(朝鮮戦争)がなければ世界の人々に韓国という国があることすら気づかれないであろう国、生活が苦しく、学ぶこともできず、受け継いだものなど何もないこの国で、田舎のあぜ道に生える雑草のような人が「実際にいっぺんやって見てからできないと言おう」と言った。それは切実な叫びでもあった。

 現代重工業はそのようにして誕生した。鄭周永会長が1972年に蔚山・尾浦湾に世界で最も大きな造船所を建設すると宣言したときは、皆が「鄭周永は気が触れた」と言ったものだ。資金も技術も経験も名声も何もかもなかった。その当時、韓国人の意識では、大きな船や良い船は日本のような国で造るものだったのだ。そこで、鄭周永会長は反対する人々に「やって見たのか」と問いただし、1人で尾浦湾の砂浜の写真1枚と外国の造船所から借りたタンカーの設計図1枚を持ってヨーロッパを回った。外国人から「造船所がどこにあるのか」と尋ねられると、鄭周永会長は「船を発注してくれれば、その金で造船所を建設する」と答えた。こうして74年6月に造船所が竣工したときには、既に20万トンを超える大型タンカー12隻を受注していた。

 造船所の竣工式は、「やって見たのか」と尋ね続けた鄭周永会長に天が与えた答えだった。その年初めの船舶命名式の際には、故朴正煕(パク・チョンヒ)大統領も造船所を訪れ、現代重工業本館前に「造船立国」との揮毫(きごう)を残した。造船所の建設は、「われわれも船を造って稼ぎ、国を守ろう」という韓国全体の悲願でもあったのだ。

イージス艦でほほ笑む鄭周永(下)

2007/05/30 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 楊相勲(ヤン・サンフン)論説委員

 造船所竣工から33年後の今年5月25日、現代重工業特殊船事業部のドッグから韓国海軍のイージス艦が進水した。 現代グループの故鄭周永(チョン・ジュヨン)名誉会長が初めて造船所を建設すると宣言した当時、韓国海軍は米軍の廃棄艦同様の駆逐艦にペンキを塗って使っていた。天地開闢(かいびゃく)以来の大事件とはまさにこのようなことを指して言うのだろう。

 イージス艦の進水式を数日後に控えたある日、現代重工業を訪れる機会があった。1987年に初めてここを訪れたのは、労使紛糾の取材のためだった。その当時、鄭周永会長は労組員らに傘の柄で刺されるという侮辱を受けた。20年前と同じ場所に立ち、目の前に広がった新天地を眺めると、そこには世界の船主らが船を造って欲しいと韓国に押し寄せていた。当時、荒涼とした雰囲気を感じるほど広々としていた尾浦湾が、今や船の組み立て品を置く場所が足りないほど手狭になっている。ここでは2.5日に1隻の割合で1億ドル(約122億円)台の巨大な船が次々と建造されている。これを現代重工業の人々は「船を押し出す」と表現しているが、世界造船史上未曽有の出来事だ。

 現在、全世界の海で新たに就航する船の5隻に1隻が現代重工業の製品で、10隻中4隻が韓国産だ。韓国の造船所は中国が建造するような安価な船にはまったく見向きもしていない。それでも注文が押し寄せ、船を建造するドッグが不足している。そこでドッグを使わず、長さ200メートル、15階建てのビルと同じ高さの船を地上で組み立て、そのまま地上から進水させる新工法を採用しているが、その技術のほとんどすべてが韓国の造船所で開発されたものだ。また、船舶エンジンを製作する工場の常務は、技術者らを「国の宝」と呼んでいる。現代重工業は世界の船舶エンジン市場の35%を占めている。

 進水を間近に控えたイージス艦の現場では、まだ作業が進められていた。1980年、初の韓国産の軍艦である2000トン級護衛艦もまさにここで建造された。その後、ここで60隻余りの軍艦が建造され、韓国の海を守っている。現在、目の前では最強のイージス艦の最後の仕上げ作業が行われており、今後214型潜水艦(U‐214、非大気依存推進機関を搭載)もここで建造される。

 ふと振り返ると、1人の若い技術者がイージス艦の上から下を見下ろし、何か悩んでいるのが目に飛び込んだ。その姿は、まるで彼の後ろの青空に鄭周永会長が現れ、肩をポンとたたきながら「おいチェグムジャ(責任者)、やって見たのか」と言い、にっこりほほ笑んでいるかのようだった。

韓国造船業も海外移転続出

2007/05/25 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 釜山市影島区の韓進重工業造船所はこれまで敷地の手狭さゆえに大型船の受注が困難だった。しかし最近ドイツ海運社のNSCから1万2800TEU クラス(20フィート〈約6メートル〉のコンテナを1万2800個運搬可能)の超大型コンテナ船8隻を12億7000万ドル(約1541億円)で受注したと24日に発表した。

 このコンテナ船はコンテナ船として今までの最大規模で全長365.6メートル、幅48.4メートル、高さ29.8メートルにもなる。

 韓進重工業がこのような大型船の受注に成功したのは昨年5月に着工して現在建設が進められているフィリピンのスービック造船所があるからだ。この造船所は影島造船所の10倍近い70万坪(約230万平方メートル)の敷地に超大型ドックやクレーンなどを持つ総合造船所だ。来年下半期にはドックが完成する予定だが来月には船体の一部である大型ブロックの生産に入る。

 韓進重工業は18日にもインドやトルコの企業から約15万トン規模の貨物船3隻を2億4000万ドル(約 291億円)で受注し、またフランスの海運社CMA-CGMからは3600TEUのコンテナ船10隻を6億9000万ドル(約837億円)で受注した。今月だけで合計22億ドル(約2670億円)の船舶21隻をスービック造船所での建造分として受注したことになる。スービック造船所は建設前から受注を開始し、これまでの受注量は35隻で30億ドル(約3640億円)に達する

 韓進重工業側はスービック造船所が完成すれば建造量は大きく増加するだけでなく、超大型コンテナ船など付加価値の高い船舶の建造も可能になり収益性も大きく改善するとしている。事実上の生産拠点が釜山からフィリピンへと移転することになる。

 韓進重工業だけではない。韓国の大手造船所の海外生産の拡大が続いている。STX造船は3月に中国大連に100万坪(330万平方メートル)規模の造船所とブロック工場の建設を開始し、積載重量5万8000トンのバルク船21隻と6700台を運べる自動車運搬船4隻の合計25隻を11億ドル(約1335億円)で受注している。

 大宇造船海洋も1997年にルーマニア政府と合弁で建設した大宇マンガリア造船所の受注量が増加している。大宇造船海洋とサムスン重工業は中国で、船体の一部を建造するブロック工場も先を争って拡張している。

 韓国造船協会関係者は「国際競争力を維持するのも重要だが、関連する産業や雇用に大きな影響を及ぼす造船業の海外移転には心配な側面もある」と語った。

キーワード:船舶ブロック工場

 レンガを積み上げて家を建てるように巨大な船舶も細かく分けられたブロックを陸上で製造し、これらをドックに移して溶接することにより完成する。ブロックを製造する陸上の工場がブロック工場だ。各ブロックのサイズは年々大きくなっており、三つから五つのブロックで1隻の船を建造することもあり、ブロック工場は事実上の準造船所としての役割を担っている。

大宇造船海洋、世界初の燃料節約型LNG船を開発

2007/05/17 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 大宇造船海洋16日、LNG(液化天然ガス)を運搬する新概念の「sLNGc(sealed LNG carrier)」を世界で初めて開発したと発表した。同社は「LNG船1隻当たり年間3000トンずつ浪費してきたLNGを節約し、年間100万ドル(約1億2000万円)相当のコストを削減する画期的な船で、国内外に特許を出願している。船舶監督機関の承認も得ている」と説明した。

 LNG船は、一般的に体積の大きな天然ガスをマイナス163度の超低温で液化させることで、体積を600分の1にまで減らして運んでいる。ところが、液化した天然ガスは巨大なタンクの中で少しずつ蒸発し気化していくため、これをそのまま放っておくとタンク内の圧力が上昇し、爆発する恐れがある。そこで、この気化したガスは、取り出されてエンジン燃料として使用されるか、エンジンが稼動していないときはそのまま燃やされていた。

 大宇造船が今回開発したsLNG船は、気化したガスを取り出して内部の圧力を下げる従来の方式から脱し、タンクの強度を高めることで高圧にも耐えられるように設計されている。つまり、液化ガスを積むと同時にタンク内の圧力を高め、液化ガスが気化するのを防いでいるのだ。

<取材日記>油断できない韓国造船業

2007.05.14 中央日報 経済部門ヨム・テジョン記者

最近の日本経済は謎だ。 いわゆる‘失われた10年’は遥か昔の話だ。 経済は堅調で、物価は安定している。 円安の影響で輸出は増え、トヨタを筆頭に企業実績も過去最高に迫っている。 雇用は増え、賃上げはほとんどない。 いわば、経済学の教科書に出てくる最も理想的なモデルだ。 これを受け、格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズは日本の国家格付けと日本3大銀行の格付けを一斉に引き上げた。

日本メディアは最近、自動車・半導体・液晶装置(LCD)企業の設備投資拡大を頻繁に伝えている。 これは、その間日本を苦しめてきた過剰雇用・過剰設備の悪夢から完全に抜け出したことを意味する。 問題は、日本をうらやましそうに眺めてばかりいられないという点だ。 驚くような勢いで、韓国の伝統的主要産業にも追いつこうとしている。

最近、日本経済新聞は日本の造船企業、石川島播磨重工業が38年間も停止していた愛知県の造船ドッグを再び稼働すると報道した。 三菱重工業も2010年まで従来の造船所に400億円規模の増設投資を計画している。 日本造船企業がおよそ30年ぶりに生産能力を拡大しているのだ。

技術力や受注量でみると、まだ韓国造船業は世界最高水準にある。 韓国の造船業界は「いくら日本が頑張ってもわれわれの相手になるのは難しい」という反応だ。 しかし安心できる状況ではない。 日本経済新聞は「日本造船企業の増設は韓国との船舶生産コストの格差が減ったため」と分析した。 韓国に比べて30%ほど高かった日本の船舶製造コストが、現在ではほぼ同じ水準になった。さらに韓国の賃金は険しく上昇している半面、日本の賃金は横ばいだ。

この数年間、韓国の企業は世界造船所順位で1−6位を占めていたが、今年第1四半期には中国の大連船舶が5位に食い込んだ。 日本も順位を上げている。 最近韓国が占めている液化天然ガス(LNG)運搬船・石油ボーリング船・コンテナ船などの技術は、日本造船企業もすべて保有している技術だ。 仮に価格競争力で劣勢になれば、いつ世界の造船業界地図が逆転するか分からない。

三星経済研究所の林栄模(イム・ヨンモ)博士は「われわれと技術力が似た日本造船業界の設備拡張は中国企業の増設とは次元が違う。 競争はさらに激化するはずだ」と分析した。 ウォン・円為替レートは通貨危機以前の水準に戻った。 韓国造船企業は現在の位置に安住してはいられないだろう。

造船:韓国に追い付け、追い越せ! 自信取り戻した日本

2007/05/12 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チョン・チョルファン記者

日本の造船業界が30年ぶりに新規投資

 日本の造船業界が造船業への新規投資を中止してから30年ぶりに設備投資することを決めた。

 海外の船舶需要が大幅に伸びていることや、造船産業の構造改革による生産性向上、円安などを追い風に向上している価格競争力を土台に、「韓国に追い付け、追い越せ」というムードのようだ。

 日本経済新聞は11日、三菱重工業や石川島播磨重工業などの日本の造船大手が生産能力増強のため大型設備投資を予定していることを報じた。同紙によると、日本最大の造船メーカー・三菱重工業は現在抱えている船舶受注量を解消するため2010年までに既存の造船所に400億円の投資を実施し、現在年間156万トンの船舶生産量を10%以上増やす計画を立てたとのことだ。

 また、日本で3・4番手の造船大手・石川島播磨重工業(IHI)も愛知県内の造船所の操業を年内に再開し、日本国内だけで造船所計3カ所を運営する計画だ。IHIはしばらく生産を中止していたバラ積み船(穀物などの比重の小さい粉流体の荷役のための専用設備を持つ船舶)や液化天然ガス(LNG)タンカーの生産も検討している。バラ積み船市場は中国が割安な価格で既に市場を握っている分野。また、LNGタンカーは現代重工業・サムスン重工業・大宇造船海洋といった韓国の造船大手が得意としている。

 技術力では韓国に追い抜かれ、原価競争力では中国に追い越された日本が、新たに船舶生産力の拡大に乗り出したのは、このところ日本の造船産業が急速に競争力を回復しつつあるためだ。特に「韓国製船舶との価格競争力がほぼ同じになり、自信を取り戻したのでは」と造船業界関係者は見ている。

 同紙は、かつて日本の船舶建造費は韓国より30%以上高かったが、韓国の賃金上昇やウォン高が続いていることや、30年間続いた日本の造船業界の構造改革効果、円安も追い風となりライバルの韓国勢と対等になったと判断したと報じている。

 日本の造船業界は1970年代後半以降、旧運輸省(現国土交通省)の主導で2度にわたり大規模な設備削減を実施してきた。各社はその後も生産能力を基本的に維持したまま、生産効率を向上させる努力を続け、生産量を伸ばしてきた。

 日本の造船業界は3―4年先までの受注を確保し低ル状態で、去年の建造量は31年ぶりに過去最高を更新した。

 サムスン重工業関係者は「去年から日本の造船業が勢いを取り戻し、韓国の後を追う態勢に転じたのは事実」としながらも「韓国がさまざまなオーダーメード型船舶技術を確保しているのに比べ、日本は標準型船舶にだけ力を注いで来たため、日本の造船業が短期間に韓国を追い上げるのは難しい」と話している。

韓国の鉄鋼・造船など中国関連株に「緊縮政策注意報」

2007/05/10 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チョ・ウィジュン記者

 「このままでは、緊縮政策が発表されるのでは?」

 中国・上海総合指数が4000を突破するなど天井知らずの上昇を続けている。今年に入って既に50%以上上昇した。株価収益率(PER、株価を1株当たりの純益で割ったもので、これが高いほど株価が高く評価されているという意味)も中国は26.3倍で新興市場の平均PER15.4倍を大幅に上回っている。

 信栄証券キム・セジュン研究員は「これまで中国政府は、景気過熱を抑制し、市中に流通する資金をかき集める政策をとってきたが、それほど効果がなかった。上海総合指数が4000を超えたら、中国政府は新たな緊縮措置を発表する可能性が高い」と話した。

 緊縮政策発表時に最も懸念すべき点は、中国の好景気を背景に株価が上昇していた韓国の海運・鉄鋼・造船・化学業種のいわゆる「中国関連株」だ。

 韓国の代表的な中国関連株である斗山インフラコアやポスコ、韓進海運は年初以降、それぞれ50.6%、32.7%、45.5%上昇した。現在、斗山インフラコアのPERは21倍まで上がっている。韓国の成長企業の平均PERに比べ2倍の水準だ。これら業種は中国の緊縮政策に敏感に反応する。昨年5月、中国が金利引き上げを断行した際、中国の景気後退懸念から斗山インフラコアは10%、ポスコは4%急落した。

 キム研究員は「中国の成長性を信じて長期投資をするなら、短期的な株価騰落に関係なく、株を保有しておくのがいい。しかし、短期的には中国関連株の株価が上がり過ぎていることから、これからの新規投資には慎重になるべき」と話した。

ノルウェー皇太子、釜山と蔚山訪問へ

2007/05/09 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 朴主永(パク・ジュヨン)記者

 ノルウェーのホーコン皇太子とメッテ・マーリット皇太子妃が10?11日、釜山と蔚山を訪問する。8日から韓国を訪問しているホーコン皇太子夫妻は10日、釜山を訪問し、韓国とノルウェー間の経済協力セミナーに参加する。

 経済協力セミナーは海雲台の朝鮮ホテルで開催され、◆海洋業(海底権)と造船業の協力、◆海運業の協力、◆海産物の協力、などをテーマに話し合いが行われる予定だ。

「造船韓国」を追い上げる中国

2007/05/04 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

造船所の受注残量基準で世界5位

 中国の造船所が史上初めて受注残量基準で世界5位となった。

 造船・海運市況を専門に分析するクラークソン社によると3月末現在で受注残量基準の世界の造船所ランキングで中国の大連船舶重工(283万8000CGT・標準貨物船換算トン数)は韓国の現代重工業(1079万CGT)、サムスン重工業(851万7000CGT)、大宇造船海洋(655万9000CGT)、現代尾浦造船(429万6000CGT)に続き5位を記録した。これまで5位と6位にランクされていた現代三湖重工業(276万2000CGT)とSTX造船(265万9000CGT)は大連船舶重工に続き6位と7位になった。

 また上位50位には中国の16の造船所がランクインし韓国の10を上回った。中国の造船産業の底辺が広がっていることを示している。

 ただし韓国は受注全量10位内に入った6つの造船所の3月末現在の受注全量は合計3558万3000CGTで全世界の受注全量(1億3321万5000CGT)の26.7%を占め、世界一の地位は確保した。

 しかし中国1位の造船所が世界5位以内に入ったのは中国政府が意欲的に推進している造船産業の構造調整作業が効果を出し始めた結果とみられている。中国は1999年から北部を管轄する中国船舶重工業集団公司(CSIC)、南部を管轄する中国船舶工業集団公司(CSSC)の2大体制へと改編し、競争力のない小規模の造船所を退出させるなど造船所の大型化を進めてきた。また昨年9月には「船舶工業中長期発展計画」を発表し、大規模投資により造船産業における規模の経済を確保するための国家的支援を強く推進してきた。

 韓国造船協会のある役員は、「中国の量的追い上げは避けられない面もある」「高い技術を発展させ、技術格差を広げながらも中国造船産業との協力体制を模索しなければならない」と述べた。

■キーワード=CGT

 標準貨物船換算トン数(Compensated Gross Tonnage)を意味する。船舶の貨物総量に船舶の種類による異なった係数を掛けて算出する。タンカーのように単純な貨物を運搬する船舶とLNG船のように複雑な構造を持つ船舶の作業量が異なるように、運搬できる貨物の量でのみ船舶の大きさを示すのは実態を正確に反映していないとの理由で採用された船舶の大きさを示す単位。

【社説】巨済島に見る大韓民国の未来像

2007/04/29 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 慶尚南道巨済市の今年の1人当たりの地域住民所得が、3万ドルを突破するという。これは、約2万ドルと予想されている今年の韓国全体の国民所得を、50%も上回っている。

 巨済市の人口は、2000年には17万5000人だったが、昨年10月末に20万人を超えた。多くの地方で住民が大都市へ流出し、人口が減っているのとは対照的だ。また毎月400−500人も人口が増えているにもかかわらず、失業率は全国平均の3.7%より低い2.3%にとどまっている。

 さらに巨済の世帯数7万世帯に対し、自動車の登録台数は6万5000台を超える。週末ともなれば、量販店や百貨店に大勢の人が集まり、外食産業も大きなにぎわいを見せる。学習塾や食堂、宿泊施設、娯楽施設も好景気が続く。いずれも、他の地域では見掛けない光景だ。

 ここ数年間、韓国経済が停滞している状況にあって、巨済島だけは新しい雇用が生まれ、地域経済も潤っている。その秘密は、サムスン重工業と大宇造船海洋という二つの造船企業にあった。

 出荷額でそれぞれ世界第2位と第3位を占める両企業に務める従業員の数は4万8000人に及ぶ。これは巨済市の人口の4分の1にあたる。彼らの平均年俸は約6000万ウォン(約771万円)で、昨年の都市部労働者の平均年俸3600万ウォン(約463万円)を60%以上も上回っている。世界的な造船業好景気もあって、こうした好条件の雇用が増加していることが、現在巨済市が好景気に沸く秘密だ。

 1987年の労働闘争の際、巨済島は全国の労働運動の中心地だった。しかしその後、不毛な紛争やストライキによる被害を身をもって経験した労使は対話と譲歩により対決を避ける、協力体制へと方針を変えた。大宇(テウ)造船では1991年以降、労使紛争が起きていない。サムスン重工業に至っては1979年に設立されてから一度も労使紛争を起こしたことがない。安定した労使関係も巨済島の経済を支える重要な柱となっている。

 巨済島の例は、企業が活発な経済活動を行ってこそ、地域の経済も生き返ることを実証した。これは大韓民国全体にも当てはまる話だ。多くの企業が活気を取り戻せば、国の経済も活力を得ることができる。つまり世界的な企業をいくつ誕生させられるかどうかで、大韓民国の将来が決まるということだ。巨済島の例は、今後この国が進むべき道をよく示している。

「巨済の太陽は造船所から昇り造船所に沈む」

2007/04/29 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 巨済=チョン・チョルファン記者

人口20万人の巨済島、7割が造船所関係者とその家族

 巨済島東部には大宇造船海洋の玉浦造船所があり、西部にはサムスン重工業の古県造船所がある。そのため巨済の太陽は造船所から出て造船所に沈むといわれている。

 巨済はこの二つの企業なしには生きていけない都市だ。造船所に勤務する社員は巨済市人口の24%を占める。家族まで合わせれば13万人から15万人で人口の65%から75%が造船所関係者とその家族と推定される。

 地域経済に占める割合も大きい。サムスン重工業と大宇造船海洋の社員は巨済市内で年間1兆2500億ウォン(約1595億円)、毎月1040億ウォン(約133億円)消費している。

 巨済地域の若者の就職も造船所の役割だ。巨済工業高校と巨済大学の卒業生のほとんどが造船関連企業に就職し、これらの学校の実質的な就職率は100%近い。(進学、自発的就職延期などを除く)

 造船所のおかげで巨済島は10年前の経済危機も難なく乗り切った。ウォン安で国際的な競争力が急上昇し、逆に注文が急増したからだ。大宇造船海洋のパク・ジョンギ常務は「通貨危機をきっかけに韓国の造船産業が本格的な好況を迎えたとの見方もある」と語った。

 巨済は世界最高の造船地域とされている。温暖な気候で一年中野外での作業が可能だからだ。大宇造船海洋のキム・ヒョンシク課長は「半径100キロ内に必要なあらゆるものが得られる造船都市は世界で巨済だけ」と述べた。

一人当たりの所得3万ドル、「造船王国」巨済島(上)

2007/04/29 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 巨済=チョン・チョルファン記者

 巨済島は「大きく(巨)救済する(済)島」だ。壬辰倭乱当時は倭軍を撃破する拠点となり、韓国戦争(朝鮮戦争)当時は3万人の捕虜と15万人の避難民がこの地で新しい人生を出発した。2007年の巨済は韓国経済を救うモデルとして注目を集めている。韓国経済が活力を失いつつある中、巨済島の住民は自ら成長を続け、すでに一人当たりの所得3万ドル(約357万円)に突入しているからだ。韓国経済の希望の特区である巨済の現場を訪ねた。

 土曜日午後6時、巨済市新県邑の4車線道路は外食に出かける車で満ちていた。島の村とは想像もできない風景だ。信号が何度変わっても車は進めず、タクシー運転手は不満を語りだした。「人口20万人に車が6万台ですよ。巨済島には金があって車のない人はいません」

 軽乗用車や小型車は5台に1台ほど。中型車か最近流行のSUVがほとんどだ。

 所得3万ドル時代に入った巨済島は不況を知らない。韓国経済が低成長に苦しむ中でも巨済島は10年連続の好況が続いている。2001年以降の4年間で巨済島の年平均地域総生産(GRDP)成長率は9.1%、韓国経済の過去4年の成長率(4.25%)の倍以上の数値だ。

 巨済島のパワーの源泉は2カ所の造船所だ。雇用を創出し経済を成長させる原動力は企業だということを明確に教えてくれる現場だ。

◆不況とは無関係 

 長期の好況で巨済では失業という言葉自体を聞くことが少ない。昨年の巨済の失業率は2.3%で全国平均(3.7%)よりも1.4%も低い。2000年以降継続して自然失業率(3.0%:長期的に物価上昇を誘発しない最低水準の失業率)以下を記録している。事実上の完全雇用状態だ。

 雇用と同様に所得増加のペースも早い。巨済市の金汗謙(キム・ハンギョム)市長は「巨済地域の一人当たり所得は2003年には2万ドル(約238万円)を突破し、今年は3万ドル突破が確実だ」と述べた。全国の一人当たり所得が今年中に2万ドルを突破すると予想されているのと比較すると巨済は4年以上先を進んでいることになる。

 奇跡のような巨済経済の原動力は古県里のサムスン重工業と玉浦洞の大宇造船海洋の2つの造船所だ。売上高では現代重工業に続き世界第2位と3位の超優良企業だ。世界で建造される船の5隻に1隻(2006年基準)がこの2つの造船所で作られる。

 この2つの造船所への巨済経済の依存度は絶対的だ。昨年は巨済市人口の24%にあたる4万8000人以上(サムスン重工業が2万2000人、大宇造船海洋が2万6000人)を雇用し、1年で2兆5000億ウォン(約3200億円)の賃金を支払った。これは約6兆ウォン(約7700億円)と推定されるこの年の巨済市総生産額の42%に達する。

一人当たりの所得3万ドル、「造船王国」巨済島(下)

2007/04/29 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 巨済=チョン・チョルファン記者

 巨済経済に対する住民の自負心も強い。商店を営むキム・ホンヨンさん(58)は「造船所が建設されてから巨済には特別な不況もなかった。島の外から来た住民から“不況を知らない地域”といわれるほどだ」と語ってくれた。

 このような状況は企業と地域社会が共に成し遂げた成果だ。サムスン重工業の全泰興(チョン・テフン)常務は「企業は地域社会という土壌に根を下ろす木のようなもの」と語った。

 巨済と2つの造船所はお互いにウィン−ウィン関係を構築し、企業と地域社会の理想的な共生モデルを実現した。巨済市は造船所に人材と良好な企業環境を提供し、サムスンと大宇造船所は雇用と経済成長の原動力を提供しながら善の循環構造が構築された。

 大宇造船海洋は17年連続で労働争議がない。労使が対立すればお互いにとって損失という事実を理解し、あらゆる問題は話し合いで解決すると関係者は語った。

 サムスン重工業は全社員の40%以上にあたる9000人がボランティアに参加して様々な奉仕活動を行っている。大宇造船海洋は1980年代初めから巨済で初の総合病院(玉浦大宇病院)と私立学校(巨済大学と玉浦小・中・高校)などを建設・運営してきた。巨済市は市役所内に造船課を設置し造船企業のための迅速な行政サービスを提供することでこれに報いた。

◆3万ドルのパワー 

 現在も巨済には毎月300以上の新しい雇用が新しく創出されている。ほとんどが造船所とその下請けだ。巨済島内だけでは人員を満たすことができず、引き続き外から労働者が入っている。その結果毎月400人から500人が新しく住民登録手続きを行うと巨済市役所は明らかにした。

 巨済の経済力は昌原や釜山と共に慶尚南道地域の経済を支える大きな軸となっている。巨済の造船関連企業は巨済の土地不足から周辺の統営や固城まで進出し、巨大な衛星都市を築き上げた。3万ドル巨済の実力は消費にもよく現れている。大型スーパー「ホームプラス」巨済店は全国300以上の店舗で唯一、焼酎やウイスキーよりもワインが多く売れる。酒類の売上に占めるワインの割合は全国平均(10%)をはるかに超える25%から40%に達する。

 同店関係者は「これは所得の高い地域特有の現象だ。去年の秋夕(チュソク、韓国の旧盆)には1本8万ウォン(約1万円)のワインが飛ぶように売れてびっくりした」と語った。

クルーズ船建造で首位固め図る韓国造船業

2007/04/19 朝鮮日報/朝鮮日報JNS パン・ソンス記者

 「世界1位の座を不動のものにするためには、業界と政府が力を合わせてクルーズ船市場を席巻しなくてはならない」

 世界造船業界1位を走っている韓国の造船業界と政府が、船舶市場の“ブルーオーシャン”であるクルーズ船建造のため、協力することで合意した。のど元まで迫っている中国を引き離すため、協力体制を構築し「黄金の卵を産むガチョウ」と呼ばれるクルーズ船市場を支配する欧州造船業界に挑戦状をたたきつけた格好だ。

 金栄柱(キム・ヨンジュ)産業支援部長官と現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業など国内造船会社5社の代表は16日、クルーズ船の海洋プラント設備など先端船舶を共同開発することで合意した。金長官は「上半期に事前調査を行い、下半期から支援に乗り出す」と伝えた。合意を受け、今後4〜5ヵ月間、市場調査を行い、下半期から造船会社と政府が共同研究開発を行う展望だ。

◆海に浮かぶ海上ホテル 

 クルーズ船とは乗客・乗員を100〜3000人乗せ世界各地のリゾート地を巡航する豪華客船を意味する。船内に住居、遊興、スポーツ、娯楽、食事のためのすべての施設が揃っている。豪華クルーズ船では乗客3人当たりに乗務員が2人程度つき、最高のサービスを提供する。「18ホールのゴルフ場を除き、すべての施設がある」というクルーズ船は「海に浮かぶ海上ホテル」とも呼ばれる。船の外観が金色で彩られている船が多く、船体がウェディングケーキに似ていることから、“ウェディングケーキ”との愛称で呼ばれる。

◆船舶市場のブルーオーシャン 

 コンテナ8000台を積む大型コンテナ船の価格が通常1億ドル(920億ウォン、約11億円)であるのに比べ、クルーズ船の価格は一隻当たり5億〜10億ドルになる。

 造船業界関係者は「産業波及効果、付加価値は一般商船の3〜4倍」と話した。中国、インドの急成長により、新興富豪たちが大挙出現したことから、ここ数年は、年平均5%ずつ成長を遂げる造船業界の“新興ブランド市場”となっている。業界は今後、毎年70億〜100億ドル規模で新規受注を予想している。世界で800余隻のクルーズ船がカリブ海、アラスカ、米国東部沿岸で運航しているが、イタリアのフィンカンチエリ、フィンランドのアカー、ドイツのマイヤー・ヴェルフトなどの3つの造船会社が市場の90%を占めている。

 造船業界関係者は、「日本の造船会社が過去に進出を試みて、欧州の高い壁に阻まれ数千億円の損失を出して撤退したほど欧州勢が強い分野」と話した。

◆国内造船会社「2010年にはクルーズ船受注」

 サムスン重工業は1999年からクルーズ船進出のための旅客船設計チームを発足させた。昨年乗客850人と車両320台を積載し、最大時速26 ノットで航海する「高機能超大型」旅客船を欧州に納品することに成功した。2010年頃には中型クルーズ船の受注をはじめる計画だ。現代重工業、大宇造船海洋も2010年の受注を目指し、クルーズ船の設計と建造能力確保のための準備を整えている。

◆LNG技術も共同開発 

 ガス公社と造船業界代表はこの日、LNG船舶技術開発と試運転のための協力了解覚書(MOU)を締結した。国内メーカーが世界のLNG船の建造市場で高い市場シェアを確保しているが、断熱などの重要技術はフランスGTT社が担っており、一隻当たり1000万ドル相当のロイヤリティーを支払っている。

造船業界がクルーズ船建造へ、中国の猛追かわす

2007/04/16 YONHAP News

【ソウル16日聯合】中国の猛追を受けている造船業で、付加価値の高い大型クルーズ船を建造することで中国を引き離す戦略が展開される。産業資源部の金栄柱(キム・ヨンジュ)長官と現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業など国内造船メーカー6社の代表が16日にソウル市内のホテルで懇談会を開催し、こうした戦略について話し合った。

 造船業界の代表らはこの席で、昨年実績で日本を追い越し2位の受注実績を上げた中国が2010年までに建造能力を現在の3倍に増やすなど急成長を進めていることに備え、最先端船舶に関する研究開発への支援を拡大するよう要請した。これに対し金長官は、上半期中に政府と業界によるクルーズ船開発に向けた研究を行い、これを基に下半期から本格的な支援を行う考えを示した。

 クルーズ船は高度の防音、防振技術が必要な分野で、国内造船業が独占している液化天然ガス(LNG)運搬船などとともに付加価値の高い分野だが、現在は欧州のメーカーが主に建造している。

 金長官はまた、造船業界の技能人材不足を打開するため、地域別に技能人材養成事業の推進とともに、塗装や溶接作業用のロボット開発を支援したいと明らかにした。

韓国製船舶、最大輸入国はアフリカのリベリア

2007/04/16 YONHAP News

【ソウル16日聯合】韓国が建造した船舶を最も多く輸入している国は、人口330万人のアフリカの小国リベリアであることが分かった。産業資源部が運営する産業統計分析システム(ISTANS)によると、韓国造船業の2005年の総輸出額は172億3000万ドルで、そのうちリベリアへの輸出額が19億9000万ドルで最も高かった。次いでドイツが16億8000万ドル、バハマが15億7000万ドル、アンゴラが14億5000万ドル、パナマが13億2000万ドルと続いた。

 リベリア、バハマ、パナマなどが船舶を大量に輸入しているのは、便宜置籍という制度によるもの。便宜置籍とは船主が、税金や船員、安全規定などが有利だと判断した国に自分の船を登録する制度で、実際の船主はギリシャ、ドイツ、ノルウェー、デンマークなど欧州が全体の80%を占めている。

 一方、韓国の造船産業分野の主要輸入国は日本となった。2005年の総輸入額11億4000万ドルのうち、日本からの輸入額は4億2000万ドルで40%を占めた。日本から輸入している主要船舶は、中古貨物船、中古レジャー船などで、モーターボートの輸入も127万ドルだった。

国内造船メーカー、受注・建造など昨年シェア1位

2007/04/13 YONHAP News

【ソウル13日聯合】国内造船メーカーが昨年、受注量と建造量、手持ち工事量でいずれも3分の1以上の世界シェアを記録し、日本や中国などを制し全部門でトップに立った。

 造船・海運統計分析機関のロイドによると、国内造船メーカーの昨年受注量は2200万CGT(標準貨物船換算トン数)で、全世界受注量5608万CGTの39.2%を占めた。前年に比べ約62%増加し、過去最高の好況を記録した。昨年急成長を見せた中国(1271万CGT)が2位に浮上し、3位は日本(1112万CGT)となった。

 国内造船メーカーの建造量は1174万CGTで全世界3389万CGTの34.7%を占めた。日本(28.1%)や中国(15.1%)を大きく上回っている。また、昨年末現在の手持ち工事量は4654万CGTで、全世界1億3042万CGTの35.7%を占めている。

韓国企業初! STX、中国に造船所建設へ

2007/04/02 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

STXグループが国内企業として初めて中国に造船所を建設する。

 サムスン重工業と大宇造船海洋が、船体を構成する部品である大型鉄材構造物「ブロック」の生産工場を中国に建設しているが、船舶建造の全過程をまかなう造船所が建てられるのは今回が初めてだ。STXは中国造船所だけで2012年までに売り上げ30億ドル(約2兆8000億ウォン=約3500億円)を計上する計画だ。

 同社は、中国遼寧省大連市長興に計10億ドル(約1170億円)を投入して建設する「STX大連造船海洋総合生産基地」の起工式を先月30日に行った。

 同生産基地内には、来年上半期までに造船所とブロック工場が建設され、その後は鋳物、鍛造、製管工場などの生産設備が整えられるほか、最終的にはエンジンの組み立て工場も建設される予定だ。これにより同社は、素材加工から試運転に至るまでの全過程をまかなう垂直系列化生産体制を整備する計画だ。

 これに向け、来年上半期までに4億5000万ドル(約526億5000万円)を投入し、まずは造船所とブロック工場を建設。来年下半期からは比較的建造しやすい中型バルク船(一般貨物船)、石油製品運搬船、自動車運搬船の建造に取り掛かる予定だ。

 また、大連造船所では中型船舶を大量に生産し、鎮海造船所ではLNG船(液化天然ガス運搬船)、VLCC船(超大型原油運搬船)のような付加価値の高い船舶を中心に生産する「戦略的差別化」体制を整える、と説明している。

韓国造船業、15年間で19倍に成長

2007/03/30 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金承範(キム・スンボム)記者

 韓国の造船業がここ15年間で19倍以上にも成長していたことが分かった。

 韓国造船工業協会は29日、「1990年に1兆4800億ウォン(約1850億円)だった国内の造船業界全体の売上高は、2005年には28兆2600億ウォン(約3兆5325億円)となり、実に19倍に膨れ上がった」と発表した。

 協会関係者は「昨年全体の売上高はまだ集計されていないが、間違いなく前年を上回っている」と話した。これについて業界側は、これまで設備投資や工程の効率化を通じて生産性を高めたことが功を奏した、と分析している。

 業界によると、国内造船業界の生産性は15年間で2.5倍に上昇したという。現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の国内造船業界の大手3社では、船舶1CGT(標準貨物船の換算トン数)を建造するのにかかった工数(従業員一人が1CGTを建造するのに必要な作業量)が90年には23.3だったが、05年には 9.2へと5分の2水準にまで減っている。

 これは、90年には従業員一人が船舶1CGTを建造するのに23.3時間かかっていたが、05年には9.2時間にまで短縮されたことを意味している。

ついに中国に逆転された韓国造船業

2007/03/20 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 国を挙げて造船業を育成している中国が、今年に入り2カ月連続、受注量で韓国を上回っていたことが分かった。韓国造船業界は「1‐2月は中国の主力船種のバラ積み船(一般貨物船)の発注が集中したために起きた一時的な現象」と説明しているが、中国の追い上げが速度を増していることを改めて認識させた。

 造船・海運市況の専門分析機関クラークソンの最近の資料によると、中国は今年2月末の時点で380万CGT(標準貨物船換算トン数)を受注、同期間の全世界の発注量780万CGTの半分近くを得ていたことが分かった。韓国造船メーカーが受注した200万CGTの2倍近い数値だ。昨年1‐2月の中国受注量に比べても48.9%増えている。

 中国が今年に入って船舶受注で独走しているのは、すでに3年以上先までの注文を確保している韓国造船メーカーの受注が高付加価値船舶に集中しているため。バラ積み船の価格が上昇傾向にあるので、国際海運各社はさらに値上がりする前にバラ積み船を集中発注している。海運業界が1‐2月に発注したバラ積み船は昨年同期間比で70%以上も急増した。

■キーワード…CGT

 Compensated Gross Tonnage(標準貨物船換算トン数)。船の貨物総量(GT=Gross Tonnage)に、船の種類により変わる係数を掛けて算出する。タンカーのように単純な構造の船と、LNG(液化天然ガス)船のように複雑な構造を持つ船では作業量が違うため、積載できる貨物量だけで示すのは適切でないことから使用されている船舶の大きさの単位。

造船強国コリアが揺れる? …中国のバルク船受注量急増

2007/3/20 (JOONGANGILBO NEWS) WOW! KOREA

中国造船業界の船舶受注量が2か月連続で韓国を上回った。

 造船・海運市況専門分析会社クラークソンが19日に出した資料によると、中国は1−2月の2か月間に380万CGT(標準貨物船換算トン数)の船舶を受注した。 これは200万CGTの韓国のおよそ2倍。 中国は1月にも全世界受注量(280万CGT)の半分にあたる138万CGTを受注している。 1−2月の中国船舶受注量は前年同期比48.9%増。 全世界の発注量780万CGTの半分に近い(48.7%)規模だ。

 造船業界は、バルク船で優位に立つ中国造船業界がバルク船市場の急成長で反射利益を得たと分析している。 今年(1−2月)のバルク船の発注は前年同期に比べて70%以上も増えている。受注した後まだ船を引き渡していない「受注残高量」では韓国が依然としてトップだ。 先月末現在の受注残高量は韓国が4270万CGT、中国が3040万CGT、日本は2810万CGT。

 しかし毎年その差は縮まっている。 近い将来、中国に追い越される可能性も出てきている。 韓国は99・00年に日本と世界トップをめぐり競合したが、01年からは1位を守り続けている。 これと似た競争が近く韓中造船業界間でも繰り広げられるのではという見方もある。

 これについて韓国造船工業協会のハン・ジャンソブ副会長は「国際的に予定されている液化天然ガス(LNG)船舶の発注が近く本格的に始まるが、そうなれば受注量面でももう一度中国を上回るだろう」と楽観した。 Copyright 2007(C)JOONGANGILBO NEWS. All rights reserved.

造船業界の好況で新規会社が大幅増加

MARCH 09, 2007 東亜日報

 「過剰投資」なのか、「ニッチマーケット」の堀り起こりなのか。世界の造船業の好況を背景に、新規の中小造船会社が大幅増加している。船舶の一部分を造る装備メーカーや船舶の修理を担当していた専門会社が造船会社に生まれ変わっている。建設会社、鉄道車両メーカーが中小の造船メーカーを買収し、市場に参入するケースもある。

 現代(ヒョンデ)重工業、三星(サムスン)重工業、大宇(テウ)造船海洋など、既存の造船会社は「好況期の過剰投資は不況期での共倒れにつながりかねない」と懸念している。一方、新規造船会社は「選択と集中によるニッチマーケット参入」とし、事業の成功への自信を示しており、実際にどのような結果を招くかは、もう少し見守る必要がある。

 ●世界の造船好況を背景に積極的な投資

 8日、産業資源部と造船業界によると、2000年代に入り、海外受注を目指して新たに設立された造船会社は合わせて10社あまり。海外受注を専門としている既存の造船会社の集まりである韓国造船工業協会のメンバーが9社であることを考えると、ここ4、5年で倍増したことになる。

 後発組は施設投資にも積極的だ。最近、造船業に進出したテジュグループ系列の「大韓(テハン)造船」は、全羅南道海南(チョンラナムド・へナム)に1兆ウォンを投じて造船所を建設しており、「C&重工業」も全羅南道木浦(チョンラナムド・モクポ)に約142ヘクタール規模の造船所を建設中だ。

 SLS造船(旧シンア造船)は今年初頭、全羅北道群山(チョンラブクド・クンサン)に5200億ウォンを投資するという計画を発表しており、船舶装備を製作してきたソンドン造船海洋やSPP造船も最近、新規設備投資を行ったばかりだ。このように、新規造船会社が増えた上、投資も活発になっている背景には、1990年代末以来好況が続いている世界の造船景気がある。

 ●先発組、「造船業の分業システムを乱す恐れがある」

 後発組を見つめる先発組の目は冷ややかだ。造船業のような巨大設備産業は、産業の性格上、規模拡大は容易だが一度拡大してしまえば、縮小は難しい「不可逆性」を持っているためだ。好況期には問題にならないが、不況期には需要の変化に柔軟に対応できず、廉価受注など、出血競争が避けられないという主張だ。

 国内造船業界の分業体制が崩れるのも問題と指摘されている。造船業は、新造船と装備メーカー、船舶修理会社など、前方部門と後方部門のバランスが重要なのに、すべての会社が新造船市場に参入した結果、後方部門が弱体化すれば、韓国の造船業としては「不幸」であるという。

 韓国の大手3社のある役員は、「大手が中国に大型装備工場を建設しているのも、韓国では競争力のある装備メーカーがなかなか見つからないためだ。中小の造船会社がお金で人材を引き抜くのも問題」と指摘した。

 ●後発組「主力船種のバラ積み船の需要は安定的」

 後発組の反論も根強い。造船業全体の市況を見渡すよりは、船種別、船級別に分けて市況を読む「ミクロな目」が必要だと主張している。

 例えば、石炭や穀物などの比重の小さい粉流体を運ぶバラ積み船と石油化学製品を運ぶケミカルタンカーの需要は、今後10年は安定していると見ている。特に後発組の主力船種であるバラ積み船の場合、建造から20年以上経った老朽船舶が多い上、世界の原材料の移動物量も着実に増えており、継続的な需要を見込んでいる。

 ソンドン造船海洋の柳観洪(ユ・クァンホン)会長は、「新規会社が生き残れるかどうかは、選択と集中にかかっている」と説明する。C&重工業の金容昇(キム・ヨンスン)社長も、「韓国造船業の競争力は、優秀な人材と装備メーカーにかかっているため、それらを総合管理する能力さえ備えれば、中国との技術格差を維持しながらニッチマーケットに入り込むことは可能だ」と述べた。

1位は現代重345万円…大手30社の大卒新入社員年収

2007/03/01 edaily/朝鮮日報JNS

 韓国の大手30社のうち、4大卒の新入社員の平均年収が高い会社は現代重工業グループであることが調査により分かった。

 ペイオープンは28日、30大グループ421社の役職別平均年収を調査した結果、大卒新入社員の平均年収は2747万ウォン(約345万円)となったと発表した。

 調査結果によると、大手30社のうち大卒初任給(大卒軍隊修了者基準)が最も高い会社は3583万ウォン(約451万円)を記録した現代重工業グループだった。

 続いて、韓国電力公社(3145万ウォン)、斗山グループ(3122万ウォン)、大宇造船海洋(3100万ウォン)の順となった。

 下位5社はハイト麦酒(2450万ウォン)、東国製鋼(2412万ウォン)、新世界(2365万ウォン)、CJ(2399万ウォン)、韓国鉄道公社(2171万ウォン、約272万円)の順と調査され、初年度年収の最高と最低の差が1400万ウォン以上であることが分かった。

 役職別平均年俸は一般社員が2747万ウォン、代理クラスが3601万ウォン、課長クラスが4434万ウォン、次長クラスが5273万ウォン、部長クラスが6120万ウォンだった。

韓国STX、ベトナムに造船所建設

2007/02/24 newsclip.be

【ベトナム】ベトナム政府はこのほど、韓国STX造船がカインホア省バンフォン経済区に計画している造船所の建設を原則認可した。投資額は5億ドルで、面積は300ヘクタール。建造能力は第1期完成段階で90万トン、第2期完成段階で250万トンを見込む。タインニエン(電子版)が報じた。

 同省人民委員会は「首相が原則的に同意したが、正式認可までには手続きが残っている」としている。

韓国造船業界の時価総額、自動車業界上回る

2007/02/08 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 金徳翰(キム・ドクハン)記者

 韓国国内の造船業界の時価総額が自動車業界を上回った。

 6日の終値を基準に、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋など造船関連の上場6社の時価総額は28兆6634億ウォン(約3兆7225億円)と、現代自動車、起亜自動車、双竜自動車など自動車関連の上場4社の時価総額(26兆5774億ウォン=約3兆4516億円)を2兆ウォン(約 2500億円)以上も上回った。

 ところが、5年前の時価総額を基準とすると、造船業界は3兆9819億ウォン(約5171億円)と、自動車業界の3分の1水準にすぎなかった。これは、ここ5年間で、造船業界の時価総額は7 倍以上に膨らんだのに、自動車業界は2倍の拡大にとどまったということを意味している。

 1994年1月に上場したサムスン重工業(業界初上場)は、当時の時価総額が1兆8480億ウォン(約2400億円)だったが、6日現在では5兆 3562億ウォン(約6956億円)へと2.9倍の成長を遂げたほか、99年8月に上場した現代重工業は上場当時の3兆8088億ウォン(約4946億円)から11兆4760億ウォン(約1兆4903億円)に、 2001年2月に上場した大宇造船海洋は上場当時の7900億ウォン(約1025億円)から5兆9140億ウォン(約7680億円)に、それぞれ成長した。

 これにより、国内の証券市場で時価総額を基準とした場合、現代重工業は第12位、大宇造船海洋とサムスン重工業はそれぞれ第28位と第29位を占めるなど、国内造船業界のビッグ3がそろって時価総額で上位30位内に食い込むこととなった。

韓国造船業も中国・フィリピンへ移転進む

2007/01/19 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 中国・長興島=ハン・ヒョヌ記者

 技術力で10年以上の差をつけ、世界最高の競争力で造船産業をリードしている韓国の造船メーカー各社が、中国やフィリピンなどに相次ぎ大型造船所を建設している。1隻に2000億ウォン(約257億円)を超える高価格で関連産業に多大な波及効果をもたらすことで、雇用創出の尖兵的役割を果たしている造船業までもが、強力な労働組合がなく土地・人件費が安い外国に流出し始めているのだ。

 13日、中国・遼寧省大連市の西海岸にある長興島。7600万坪で済州島の7分の1の面積にあたるというこの島は、見渡す限り工事現場と化していた。世界第6位の造船メーカー・韓国STX造船が今年4月に同島南海岸に造船所を着工するためだ。韓国から10万人分の仕事が舞い込むという知らせに、現地の青年たちは期待を抱き、商店主たちはニコニコ顔だ。

 中心街の長興大道には昨年末、アスファルトで固められた6車線道路ができた。道の両側は上下水管や通信線が敷かれるため、すべて掘り返されている。道路裏手にはすでに完成した集合住宅街。鉄骨が組まれたコンベンションセンター、整地中のマンション用地が一面に広がっている。そして道路には大型トラックや掘削機が休みなく走り回っている。

 「仕事が10万件もあるんだって?なら溶接工の仕事もすぐ見つかるだろう?」

 両親と共に農業をしているという路さん(26)は「給料はどのくらいになるんだろう?」と目を輝かせた。「STXが来るのか」という問いに、スーパーを経営する温さん(女性=42=)は「毎日ニュースに出る。みんな長興島じゃなくてSTX島と呼んでいる」と笑った。

 STXは4年前から造船所用地を物色していた。しかし韓国内で探すのは早々にあきらめた。用地を少し拡張しようとすると、あらゆる規制や住民の請願に苦しめられ、それなら労働3権のうち団体行動権がなく、ストライキが不可能な中国の法律が魅力的だったという訳だ。やがてSTXが長興島への移転を決めると、すべてがものすごいスピードで実現していった。

 STXと大連市が初めて会合を開いたのは昨年初めのことだった。そして契約→法人設立→着工(用地造成)が1年間でトントン拍子に進んでいった。用地面積は115万坪。STX鎮海造船所(28万坪)の約4倍だ。用地取得額に関しては明らかになっていないが、長興島関係者は「第1次契約用地60万坪はタダ同然」と話す。造船所基盤施設も大連市が無償で建設している。

 長興島開発特区によると、ここで働くSTX社員だけでも1万4000人。各種協力会社までを入れればおよそ10万件の雇用が発生することになる。昨年の韓国全体の雇用創出数が、契約・臨時職を含め30万件だったことを考えると、莫大な数字だ。現在6万人の長興島の人口も、15年以内には50万人になるものと予想されている。これにより、早ければ2009年末にも、長興島はサムスンや大宇造船がある巨済島のように生まれ変わることになる。

 大連市の?良忠副市長は「オリエンタル精工も大連工場のほうが韓国工場よりも2倍大きい。大連市の経済発展に大きく貢献する韓国企業に、心から感謝している」と話す。

 ところで世界第7位の造船メーカー・韓進重工業も、現在フィリピン・スービック湾に7億2100万ドル(約870億円)を投じ、新しい造船所を建設している。釜山造船所の拡張に限界を感じ、新たな用地を探していたところ、50年間だけ借すという条件ではあるが、ほとんど「無視してもいいくらい」の安い借地代と豊富な労働人口に魅力を感じたという。今年3月の第1次竣工を目指し、作業の手を速めている。

2006/12/27 09:41:32

世界最先端を行く韓国造船メーカー(上)

2006/12/27 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 氷の塊を割って進む船、ガス供給基地を兼ねる船、コンテナ1万基を積むことができる船…。世界最高の技術力を持つ韓国の造船メーカーがなければ、まだこの世に生まれていない船ばかりだ。韓国の造船所は受注量・建造数といった造船業の指標で世界1位であるだけでなく、優れた設計能力で二つとない新概念の船を造り出すことでも、断然リードしている。

◆氷の板を割り航行する砕氷タンカー

 北極海は一面「氷の平原」だ。この氷の中をあえて航行しなければならない理由は、北極海の海底に世界の全人口が60年間使える量の原油(約1兆5000億バレル)と、全世界の埋蔵量の半分にあたる天然ガス(約48兆立方メートル)が眠っているからだ。これを採掘したとしても、運ぶのが一苦労だ。

 サムスン重工業は世界で初めて「極地運航用前後方向砕氷船」を開発した。これまでは、氷を割る役目の砕氷船が前を航行し、その後ろを荷物を積んだ船がついていく方式が主流だったが、この船は砕氷船の助けがなくとも単独で氷を割って航行できる。マイナス45℃の極限の状況で、厚さ1.57メートルの氷を割り、時速3ノット(約5.5キロ)での航行が可能だ。氷山に遮られて孤立してしまったら、推進機を逆回転させれば、前後左右・360℃回転もOK。「世界最低の設計温度」「世界最高の前後方向砕氷性能」「摩耗に耐える特殊塗装」など、最先端の新技術が使われているからこそ、実現した船だ。

 一般タンカーの4倍以上の価格だが、ロシア最大の国営海運会社JSCソヴコムフロット社から7万トン級3隻を受注し、現在建造中だ。ロシア政府もこの技術をほしがり、このほど「ロシア国営造船所の1つと合弁会社を設立しよう」とサムスン重工業にオファーしてきた。この砕氷タンカーは2012年までに38隻発注されることが予想されている高収益モデルだ。

世界最先端を行く韓国造船メーカー(下)

2006/12/27 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

◆船の上にガス供給基地…高付加価置船の市場を掌握

 大宇造船海洋が世界で初めて造った「LNG(液化天然ガス)‐RV(Regasification Vessel)船」は、地上の邪魔者と言われるガス供給基地を船の上に設置した新しい概念の船だ。同社が世界で初めて建造、米国のエネルギー会社に輸出した第1号LNG‐RV船は、昨年8月にハリケーン・カトリーナに耐え、都市機能がマヒしたニューオリンズにエネルギーを供給したことがよく知られている。この船は1隻の価格が2億8000万ドル(約333億円)にも達する。

 現代重工業は今年9月、1万1400TEU級(20フィートのコンテナを1万1400基積める大きさ)のコンテナ船8隻をフランスから受注した。この船は、巨体にもかかわらず9万8000馬力のエンジンを装備、時速24.7ノット(約45.7キロ)での航行が可能だ。

 1隻あたり2億ドル(約238億円)を超えるLNG船については、発注が本格化したここ4年間で、世界の発注総数157隻のうち、サムスン重工業50隻(31.8%)をはじめ、韓国の造船メーカーが78.3%を掌握している。海の上に浮かび、海底下10キロの原油を試掘できるドリルシップ(船型リグ)は、現在まで世界の発注総数25隻のうち、サムスン重工業が14隻(56%)、大宇造船海洋が3隻(12%)を受注している。

 油田開発用洋上石油生産設備(FPSO)も、全26隻のうち14隻・53.8%を韓国メーカーが受注している。サムスン重工業の全泰興(チョン・テフン)常務は「韓国の造船メーカーが建造する高付加価値船舶は、1隻1隻が新しい概念の設計と技術を採用した最先端船舶」と説明している。

ドックのいらない「陸上造船」時代へ(上)

2006/12/19 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 韓国の造船メーカーが「ドックが必要ない造船の時代」を切り開きつつある。ドックではなく陸地で船を作るというものだが、ドックで船を作るのとほぼ同じスピードででき、高度な装備を兼ね備える高付加価値の船もOKだという。

◆ドックの代わりに陸上建造方式で輸出の道を切り開く

 ドックとは、船舶を最終的に組み立てるために海岸をえぐって作る一種の大きな「水たまり」だ。その中で船を作り、完成したら門を開き海水を入れ、船を海に浮かべる。大きさにより違いはあるが、ドックを1つ作り、設備を整えるには1500億ウォン(約190億円)もの資金がかかる。

 もちろん、陸地で船を作るとなればコストも少なくなり、時間も短縮できる。問題は2‐3万トンもある重い船をどう陸地から安全に進水させるかということだ。そこで現代重工業では、陸上で作られた船の底に敷いてある8本のレールが出す高圧空気で船を空中に浮上させ、そのまま海へ押し出すという方式をとっている。一方、韓国第7位の造船メーカー・STX造船は、独自技術を採用している。特許を取った独自の陸上建造方式「SLS(Skid Launching System)工法」は、岸壁につながるスキッドバージ(Skid Barge)を利用し進水させるというもの。簡単に言えば、陸から海へ押し出し、すべり落とす方式だ。傾斜がなくとも、傾斜があるような効果を作り出す。「この方式は設置コストが割安で、進水速度も早く、生産性も優れている」とSTXは説明する。

ドックのいらない「陸上造船」時代へ(下)

2006/12/19 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

◆STXは1ヵ月に1隻の割合で陸上建造

 STXが17日に進水した香港パラコウ(Parakou)社の5万1000トンクラス石油製品運搬船(PC船)は、陸上建造工法を利用して作った今年12隻目の船だ。STX造船は今年1年間に、陸上建造工法で1カ月に1隻の割合で船を作った。そんなSTX造船はドック建造でもすばらしい「スピード」を見せている。鎮海造船所の1ドックで今年建造した船は27隻。世界最高の「ドック回転率」だ。STX造船のチョン・グァンソク社長は「ドック建造・陸上建造とも網羅した最高水準の建造回転率で、限られている環境を克服し、2010年には世界5大造船メーカー入りを目指す」と話す。一方、これまでタンカーのみを陸上建造してきた現代重工業も、今月12日に初のLPG運搬船を陸上建造する着工式を行った。

 現代重工業は2004年10月にロシアのノボロシースク海運(ノボシップ)から受注した10万5000トンクラス原油運搬船を陸上で建造し、進水させた。これまでに現代重工業は11隻を陸上建造してきた。そして12日、現代重工業はさらに新たな挑戦を始めた。ノルウェー・ベルゲッセン(Bergesen)社の8万2000立方メートルクラスLPG船着工式を行ったのだ。タンカーに続き、貨物システムが複雑な特殊高付加価値船舶の陸上建造に世界で初めて挑んだのだ。まだ十分検証されていないこの技術を信じ、ベルゲッセン社以外にもギリシアのCMM社、カタールのQSC社、韓国のSK海運などが陸上建造LPG船(8隻)を発注している。これらすべての進水を果たせば、近代造船産業において不文律だった「ドック」は事実上必要なくなるだろう。まさに溶鉱炉がなくても鉄を溶かすような画期的な技術を、韓国造船界が成し遂げつつある。

1000大企業の大卒新入社員、平均年俸は?

2006/12/16 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 今年の売上高上位1000社における4年生大学卒の新入社員の平均賃金が年額2700万ウォン(約345万円)であることが分かった。また、企業によっては大卒新入社員の賃金の差が最大で年間で2400万ウォン(約306万円)になるという調査結果が出た。

 年俸情報提供会社のペイオープンは15日、売上高基準で上位1000社の今年の年間賃金を調査、分析した報告書でこのように発表した。

 業種別では、大卒初任給の年額は金融・保険・証券の3170万ウォン(約405万円)が最も高く、電気・ガス関連が2932万ウォン(約375万円)、コンピュータ・インターネット関連が2783万ウォン(約366万円)、建設・土木・建築業が2776万ウォン(約355万円)、自動車・造船業が2760万ウォン(約353万円)の順だった。最も低いのは繊維・ファッション業の2449万ウォン(約313万円)だった。

 個別の企業で年間賃金が最も高かったのは(株)ポスコ建設で、4100万ウォン(約524万円)だった。一方、製薬・化粧品・流通などの企業では1年目の賃金が1700万ウォン(約217万円)程度の企業もあったという。

 ペイオープンのハン・ミンギョン氏によると「今回の年俸調査は賞与やインセンティブなどは含まれておらず、実際の支給額とは異なることもある」という。

韓国大手企業の新入社員、平均年棒はいくら?

2006/12/08 edaily/朝鮮日報日本語版

 「来年の大手企業の大卒新入社員年俸は2985万ウォン(約374万円)」

 インターネット就職サイトなどを運営する「JOB KOREA」は6日、大韓商工会議所と共同で調査を行い、韓国内の売上高ベスト500社のうち、413社を対象とした「2007年大卒新入社員年俸水準」を発表した。

 これは売上高ベスト500社のうち、320社の今年の大卒新入社員平均年俸2815万ウォン(約353万円)に比べ6%多い。

 業種別で見ると、金融系業種48社の大卒新入社員の年俸が3488万ウォン(約437万円)と最も高かった。これは調査対象全企業の大卒新入社員平均年俸に比べ16.9%高い。造船・重工業9社も3478万ウォン(約436万円)で平均に比べ16.5%高かった。

 この他にも▲石油・化学33社3055万ウォン(約383万円、2.3%)▲建設業51社3045万ウォン(約381万円、2.0%)▲IT・情報通信24社3013万ウォン(約377万ウォン、0.9%)などで、大卒新入社員の年俸が平均よりも高かった。

 一方、流通・貿易業31社は2695万ウォン(約338万円)と、平均に比べ9.7%低いことが分かった。繊維・衣類9社も2722万ウォン(約341万円、-8.8%)、食品・外食・サービス業28社2735万ウォン(約343万円、-8.4%)と低かった。

 これ以外には▲電気・電子33社2833万ウォン(約355万円、-5.1%)▲機械・鉄鋼28社2840万ウォン(約356万円、-4.9%)▲航空・運輸業19社2895万ウォン(約363万円、-3.0%)▲製造業49社2898万ウォン(約363万円、-2.9%)▲自動車23社2932万ウォン(約367万円、-1.8%)なども大卒新入社員の年俸が全体の平均に達していない。

 回答した企業の中では、現代自動車が3850万ウォン(約482万円)で最も多く、次いでウリ銀行3800万ウォン(約476万円)、大宇証券3600〜3700万ウォン(約451‐463万円)、サムスンエンジニアリング3600万ウォン(約451万円)、現代オートネット3500万ウォン(約438万円)、LGフィリップスLCD 3500万ウォン(同)、現代証券3500万ウォン(同)などの順で大卒新入社員の年俸3000万ウォン台半ばを越えている。

 韓国ヤクルトは3100万ウォン(約388万円)、普光ファミリーマートは 3007万ウォン(約377万円)、韓国製紙は3000万ウォン(約376万円)で、全平均より少なかった。

 また、売上高ベスト500社に入っている公的企業12社の2007年の大卒新入社員平均年俸は3147万ウォン(約394万円)となっている。

大手専門誌も認める大宇造船の技術力

2006/11/29 edaily/朝鮮日報JNS

 大宇造船海洋が「名船製造メーカー」のイメージ作りに乗り出している。

 同社は28日、自社製造の船舶44隻のうち7隻が世界有数の造船海運専門誌の最優秀船に選ばれた発表した。

 米国2大海運誌「マリン ログ(Marine Log)」と「マリン リポーター(Maritime Reporter)」の最優秀船に4隻、英国の「ネーバル アーキテクト(Naval Architect)」の最優秀船に3隻が選ばれた。

 船種別ではLNG船、LPG船などガス船が3隻で最も多く、自動車運搬船、コンテナ船、原油運搬船などさまざまな船種が最優秀船に選ばれ、いろいろな分野で優秀船に認められた。

 同社は「今回の結果は、ガス船だけでなく全船種にわたり技術力が認められたことに意味がある」とし「国内造船メーカーのうち、最多の7隻が最優秀船に選ばれ、大宇造船海洋の技術力を再度世界にアピールする機会になった」と評価した。

造船業界が海洋分野に積極進出、世界1位維持目指す

2006/11/15 総合ニュース

【ソウル15日聯合】国内造船業界が今後30年間世界トップの造船国の地位を維持するため、海洋分野に積極的に進出する。

 造船業界が15日に明らかにしたところによると、韓国造船工業協会をはじめ現代重工業など3大造船企業の役員らが先ごろ集まり、「10年後の次世代成長動力は海洋分野への進出」との意見で一致した。浮体式石油生産・貯蔵・積出設備(FPSO)、浮体式液化ガス受入基地(FSRU)、ドリルシップ(船型リグ)などの研究・開発と受注に総力を挙げる方針を固めた。

 造船業界は、現在8億ドルにとどまっている海洋部門の輸出額を、2015年までに100億ドルまで拡大する目標を掲げ、海洋構造物の生産を売上高全体の40%まで増やす計画だ。海洋設備能力の大幅拡充に向け、技術者養成も積極的に進める。造船工業協会によると、現在韓国は、受注、建造、受注残量の全分野のシェアが40%に迫るなど世界トップの座を守っているが、中国や日本の追い上げで、10年後の見通しが困難な状況だ。

 現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の造船3社を中心に進められている新海洋分野事業は、深海底用海洋構造物、新概念ガス運搬船、船舶型海洋構造物の3つ。深海底用海洋構造物については、最近の原油高で深海底での原油採取の経済性が高まり、韓国が技術競争力を備えているFPSO、ドリルシップなどに対する需要が急増している。原油の代替エネルギー源として拡大している液化天然ガス(LNG)を運搬する船舶も戦略事業の1つで、LNG船だけでなく圧縮天然ガス(CNG)船も脚光を浴びている。LNG輸送のためLNG船と海洋構造物機能を結合させた船舶型海洋構造物も、開拓を目指している分野だ。

 協会の韓章燮(ハン・ジャンソプ)副会長は「韓国造船が日本をかわし世界のトップに立ったのは、一歩先を行く技術の確保と新たな分野の開拓があったため」と指摘した。特に海洋部門は付加価値が高いことから、次世代韓国造船のセールスポイントとなると期待を示している。

不可能を可能にした韓国人造船マンの創造力

2006/11/17 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 蔚山・巨済=キム・ドクハン記者

発想の転換で生まれ変わった韓国造船業(上)

 「ガス貯蔵基地は、絶対に地上に作らなくてはならないのだろうか」

 大宇造船海洋はこのような疑問点から出発し、創造力を動員して世界初の「LNG(液化天然ガス)−(Regasification Vessel)船」を開発した。この船は、LNG運搬船の上に液体ガスを気体に変える装置を搭載し、船から直接ガス管を通じて消費者にガスを供給できる。海上に数カ月間停泊してガスを供給した後、他の船にバトンタッチする。

 LNG-RV船第1号は米国に輸出された。昨年8月のハリケーン「カトリーナ」がニューオーリンズを直撃し、すべてのガス供給施設が麻痺した際、この船は高波を越え、暗黒の都市に「復旧のエネルギー」を供給した。ニューオーリンズ市長は同船を運用するエクセラレートエナジーに感謝状を送り、大宇造船には船主からの注文が殺到した。

 大宇造船チェ・ヨンソプ理事は「1隻2億8000万ドル(約2620億ウォン、約329億円)の船の受注が既に4隻以上入っており、1兆ウォンを超える売り上げが約束された」と話した。

 斜陽産業と揶揄された造船業はこのようにして、創造力を生かして新たに生まれ変わったのだ。

◆不可能を可能にした韓国人の創造力

 「ドックなしに船が作れないだろうか?」。国内メーカーは水上で、水面下で、さらには地上で船を作り始めた。ドックは船舶を最終的に組み立てる一種の巨大な水溜りで、船が完成したらドアを開けて海水を入れ、船を浮かせる。ドックの建造方法は近代以降、造船業で不文律とされてきた。

 しかし、韓国の造船業はこれに満足することなく、創造力を用いた。

 現代重工業は、地上で船を作る陸上建造工法を世界で初めて成功させた。2万トンに及ぶ船を陸上で建造し、船の下に敷いてある8本のレールから吹き上げられる高圧の空気で船を地上から数ミリ浮かせて押し出す。そして、海に浮かぶバージ船がこの船を引き継ぎ水深の深い海に誘導。最後にバージ船を水中に沈めれば進水が終わる。高度な精密度が求められる作業だ。しかし、現代重工業の呉秉郁(オ・ビョンウク)専務は、「陸上で船を作るのは最も原始的な工法ではないか」と笑った。同氏は「ドックが足りないのに船を作ってほしいというお得意さんの依頼を断ることができずに編み出した苦肉の策」と話した。

 サムスン重工業は、水の上に浮かぶバージ船で船を作る「フローティングドック(floating dock)工法」を用いる。海上に浮かぶバージ船がドックの役割をする。その上で短時間で船を建設するための巨大ブロックを陸上で6‐8個作り、これを3000トン級の海上クレーンでフローティングドックに載せて組み立てる。サムスン重工業の全泰興(チョン・テフン)常務は「ドック1つを掘るのに1500億ウォン(約188億円)かかるうえ、これ以上敷地もないところから出たアイデア」とし「韓国造船所がドックを増やさなくても毎年20%成長できたのは、このような創造力のためだ」と話した。

韓国の船は最高級オーダーメイド、日本の船は既製服

2006/11/17 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 蔚山・巨済=キム・ドクハン記者

発想の転換で生まれ変わった韓国造船業(下)

◆韓国は最高のオーダーメイド、日本は中低価の既製服 

 韓国造船メーカーは、造船史上最高の特需を受けている。世界の造船業の1‐5位は、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋、現代尾浦造船、現代三浦重工業とすべて韓国の造船メーカーだ。上半期の受注量、受注残量、建造量のすべてにおいて韓国が1位だ。受注量では、全世界の発注船舶の41.9%を韓国メーカーが占めている。

 その秘訣について、造船業界関係者は口を揃えて「最高級のオーダーメイド服を作ることができる能力」と話した。船主たちの“想像”を“現実”にできる能力は韓国造船業が最も優れているということだ。

日本は開発能力はあるが、現実的な実力はないというのが韓国造船業の分析だ。日本の造船業界全体で2000人の設計士が一つのモデルに数10隻ずつ、まるで中低価の既製服のような船をやっと作っているに過ぎない。

 これに対し、国内大手3社はそれぞれの船に2000人近い設計・研究人材を確保している。現代重工業の昔洪凵iソク・ホンジュン)理事は「船主会社がさまざまなサイズの船を作ってほしいと求めたり、発注した後に設計を変えてほしいと言ってきても我々はそのような要求にすべて応えられる」とし「臨機応変な対応能力こそ収益性を高める」と話した。

 70年代に欧州の造船会社を制して日本が世界の造船1位の座を占めることができたのは、船舶のブロックをリベットで結合させる工法から脱皮し、溶接工法を導入したからだった。韓国の造船所はリベットを溶接に変えたこととは比較にならない創造力をこの“古い産業”に注ぎ込み、新たな歴史を刻んでいる。

造船3社の受注額、今年390億ドル超える見込み

2006/11/14 YONHAPNEWS

造船業界ビッグ3の現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の受注が好調で、今年390億ドル突破は堅い見通しだ。

 造船業界が14日に明らかにしたところによると、当初の受注目標は造船・海洋設備部門を含め、現代重工業が108億ドル、サムスン重工業が77億ドル、大宇造船海洋が100億ドルだった。しかし、液化天然ガス(LNG)船などの高付加価値船舶の大規模受注、海洋プラント分野の急成長を受け、3社とも上方修正した。現代重工業が140億ドル、サムスン重工業は130億ドル、大宇造船海洋は120億ドル程度を見込んでいる。

 造船74億ドル、海洋プラント34億ドルの受注を計画していた現代重工業は、9月現在、海洋・プラント部門で120億ドルを達成した。さらに10月に受注した約10億ドルを含め、年末までに140億ドル以上の受注を見込み、今年は同社過去最高の受注額を予想している。

 サムスン重工業は10月末現在で造船72億ドル、海洋プラント45億ドルを受注しているほか、12月までに多数の契約を残している。来年度の受注量を考慮し今年は130億ドルにとどめ、来年に持ち越そうという声が内部から上がるほどの好調ぶりだ。特に海洋は昨年15億ドルにとどまったのに対し、今年は原油高の影響で2倍以上の増加を示した。

 大宇造船は目標を造船75億ドル、海洋プラント25億ドルの計100億ドルとしていたが、10月末現在、造船が65億ドル、海洋プラントが40億ドルの計105億ドルを記録、すでに目標を超えた。ドリルシップ(船型リグ)やボーリング関連プロジェクトの増加が海洋プラントの急成長につながった。造船部門では上半期にオイルタンカーやLNG船の発注が増え、下半期には超大型コンテナ船の発注が続いている。船舶発注隻数の増加に加え価格が高く、受注額が全体的に急増した。

韓国造船業が抱える深刻な人材不足

2006/11/14 edaily/朝鮮日報JNS

 世界でもトップの船舶建造能力を誇る韓国が、造船業に従事する人材不足により、将来においての競争力が大幅に悪化するだろうとの見方が提起された。人材不足が進むと技術の蓄積や伝達が円滑に行われなくなり、長期的には造船業の危機につながるということだ。

 木浦大学のキム・ヨンフン教授(船舶海洋工学部)は、10日に済州ハイアットホテルで開催された造船工業協会主催の「韓国造船の世界1位維持戦略」セミナーで韓国造船産業における人材不足の状況を説明し、このように指摘した。

 キム教授の分析資料によると、今後3年間に毎年およそ3000人の人手不足が生じるという。

 今年の状況を見ても、1万413人の人材が必要だったが、実際は7825人で2588人の人手が不足した。2007年には受注の増加で必要な人材が1万889人に増加するが、実際は8075人で2814人不足する見込みだという。さらに、08年の需要は1万2483人で必要な人材が引続き増加する一方、実際には8075人にとどまり、4408人不足するものと予想している。

 今年6月末の時点で、造船業従事者は造船協会加盟企業の11万人、協同組合加盟企業6000人、関連企業7万人など、合計約18万9000人ほどと推定される。

 キム教授は、人材不足が現在の状況のまま深刻化する理由は、▲工業高校出身者が年平均6.5%ずつ減少して底辺そのものが縮小し、▲大型造船所の技術教育機関の人材輩出能力に限界があり、▲政策面からも基幹産業への人材支援が不足しているからだと説明した。

 キム教授はまた、これらの問題を解決するには技術教育機関を最大限に活用し人材を供給すると同時に、特殊な技能を持った人材への待遇を改善し、継続して底辺を広げなければならないと強調した。

 一方、造船工業協会の韓章燮(ハン・ジャンソプ)副会長はこれらの点について、「造船業は韓国の貿易黒字の70%を占め、外貨獲得率が90%に達する中枢的な役割を果たしている。今後も世界トップを維持するためには、優秀な人材の誘致と創造的なアイディアが最も重要だ」と語った。

三井造船、英ボイラー子会社を韓国・斗山重工に売却

2006年11月06日[東京 6日 ロイター]

 三井造船<7003.T>()は6日、英子会社で、ボイラーメーカーの三井バブコックエナジー社の持ち株会社であるMESCO(UK)社の全株式を、韓国の斗山重工業<034020.KS>に売却すると発表した。売却額は200億円。三井造船は、選択と集中を進める観点から事業用大型ボイラー事業から撤退しており、売却は同子会社保有の目的が希薄化したためとしている。

 三井造船は1995年に、英ボイラーメーカーのバブコック・エナジー社を買収。三井バブコックの2006年3月期の業績は売上高が849億円、経常利益が20億円、純利益が13億円だった。

 この売却により、三井造船は2007年3月期の連結業績で約160億円の特別利益が発生する。船舶部門の一部棚卸資産の評価損として約40億円の特別損失を計上するなどの要因が加わり、07年3月期の連結当期純利益の見通しを160億円(従来予想は80億円)に上方修正した。ただ、MESCO社売却による収益の減少で、売上高は5850億円(同6200億円)に、経常利益は140億円(同160億円)にそれぞれ下方修正した。

韓国造船業ピンチ! 技術・人材が中国に流出

2006/11/03 朝鮮日報 方聖秀(パン・ソンス)記者

 「設計技術と熟練工の中国流出を阻止せよ」

 中国が、造船業で世界第1位(シェア40%)を誇る韓国の足を引っ張り、技術を盗もうと躍起になっている。

 中国は現在、「2010年には世界造船の第1位」を目標に、大々的な設備増設に乗り出している。このため、中国側が韓国の船舶設計者や熟練工らに接近しようとするケースが増えている。造船の中核をなすのはやはり設計技術だ。韓国国家情報院もこのところ、慶尚南道蔚山・昌原・鎮海・巨済、釜山一帯で造船関連技術の中国流出の実態について、情報収集や現場調査を行っている。

◆設計ノウハウや熟練工がターゲット

 釜山にあるC社は造船業界では比較的よく知られている船舶設計専門会社だ。C社はかつて韓国内の大手造船企業から発注を受け、タンカーやばら積み船(バルクキャリア)の設計を行なっていた。しかし最近では、中国有数の造船会社から発注を受けた船のみを設計している。理由は中国側の提示する単価の方が高いためだ。それ自体、不法なことではないにしても、中国と競争している韓国の中堅造船会社に与える打撃は少なくない。韓国の進んだ設計技術のおかげで、中国の造船会社が納期を縮め、設計ノウハウを自然に習得し、競争力を高めることにつながるからだ。

 ところで韓国屈指の造船会社に勤める熟練工のKさん(56)は現在中国に行く準備をしている。先に中国の造船会社へ行った先輩たちから「熟練工の待遇がいい」と聞き、同僚と一緒に団体で中国行きの話を進めているのだ。

 中国は主に付加価値の高い船舶の図面を手に入れたり、熟練工をスカウトしたりして技術を移転している。今年、造船各社が定年を延長した背景には、造船業界の好況による人材不足に加え、熟練工の海外流出に対する懸念も作用したと言われている。

◆海運会社通じ入手も

 技術・人材流出に関し、韓国企業の警戒が強くなると、中国は海運会社を通じた接近を試みている。韓国企業が中国企業からの度重なる技術提供の申し入れを断っていることから、今度は船舶を発注する中国の海運会社を通じ、高度な図面を入手しようとしているのだ。通常、船舶を発注した会社は自社の社員を派遣し、2年近く常駐させて船舶の建造過程を細かくチェックする。この際に、船舶設計図を要求したり、閲覧したりする機会が多い。

◆設計者・熟練工が競争力の中核

 韓国が世界の造船業界のトップに立ち、LNG(液化天然ガス)船のような付加価値の高い船舶の受注を一手に引き受けている背景には、高度な設計技術や熟練工の技、優れた施設運営能力がある。特に現代重工業で働く設計者は1300人、研究開発人材は3000人にも及ぶ。同様にサムスン重工業・大宇重工業にも1500人前後の設計者たちがいる。

 1隻当たり2億‐3億ドル(約230億‐350億円)に達する船舶の設計には、船主たちの細かい要求に答えるのはもちろん、頻繁な設計変更にも柔軟に応じられる技術力が求められる。

世界100大造船所、韓国は14社…日本の半分

2006.10.30 中央日報

韓国は現代(ヒョンデ)重工業など超大型造船所を保有しているが、世界100大造船所は14社と日本の半分にすぎず、中小型造船所の育成が指摘されている。

海運・造船市況専門分析機関クラークソンによると、受注残高を基準にした9月の世界100大造船所現況で、日本は28社が名を連ねて1位となり、中国(27社)、韓国(14社)が後に続いた。

日本は世界10位の幸陽船渠をはじめ、三菱重工業(11位)、IHI(12位)、ユニバーサル造船(13位)、常石造船所(16位)、大島造船所(17位)など、ほとんどが上位圏に布陣し、高い造船競争力を誇った。

最近急成長中の中国も大連造船(6位)、外高橋造船(9位)、ニューセンチュリー造船(14位)、滬東中華造船(17位)などが上位に入ったほか、広州造船(38位)など100位以内に偏りなく含まれ、中小型造船所が確実に基盤を築いていることが確認された。

一方、韓国は現代(ヒョンデ)重工業(1位)など7社が10位以内に布陣したが、その他のソンドン造船(25位)、SLS造船(26位)、SPP造船(44位)、INP重工業(74位)、21世紀造船(83位)、デソン造船(88位)、サムホトンヨン造船(98位)などはほとんどが下位に入り、日本や中国と対照的だった。

造船専門家らはこうした現象に関し、韓国がその間、大型造船所を中心に造船産業を育成してきた結果、これを後押しする中小型造船所が不足することになった半面、日本は80年代から中小型を中心に運営、大きな収益は出していないものの、不況にも影響を受けにくい造船産業構造を構築している、と分析した。

韓国造船絶好調! 7−9月期受注額124億ドル

2006/10/25 朝鮮日報 バン・ソンス記者

 今年第3四半期の国内造船メーカーの船舶受注額が前年同期比106%増の124億ドル(11兆8000億ウォン程度、1兆4747億円程度 )を記録、過去最大となった。

 産業資源部は25日、このように発表し「物量基準で総152隻597万トンを受注、前年同期比で142%増加した」と話した。

 9月末現在、国内メーカーは3.6年分の建造物量に達する4290万トン(1116隻)の受注残量を確保したものと調査される。

 産業資源部のキム・ヨンレ輸送機械チーム長は「昨年の第3四半期以降、船主の企業がコンテナ船などを大量発注したうえ、国内造船メーカーも建造能力を増強して大量受注に乗り出し、受注が急増している」と話した。

厚板価格値上げで韓国造船・鉄鋼業界間の対立激化

2006/10/23 朝鮮日報 キム・ドクハン記者

 最近、厚板(船舶の建造に使われる厚い鉄板)の価格をめぐり造船業界と鉄鋼業界の対立が激化しているなか、造船業界が東国製綱に対し、厚板価格の引き上げを撤回するよう求めた。

 これに対し、東国製綱側は、原料価格の上昇を理由に、難色を示している。

 韓国造船工業協会は18日、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋など造船大手3社の幹部を集め、緊急対策会議を開き「価格引き下げ要求が受け入れられない場合、東国製綱の鉄鋼製品の購買比率を縮小し、中国産厚板の輸入を拡大するなど対応策を取る」と22日、発表した。

 東国製綱は13日、スラブ(鉄鋼の原材料)の国際価格上昇を受け、厚板価格を1トンあたり58万5000ウォン(約7万2400円 )から63万5000ウォン(約7万8600円)に引き上げた。

 造船工業協会関係者は「国内造船業界の年間厚板使用量は550万トンであり、このうち東国製綱が150万トンを供給している」とし「東国製綱の価格引き上げは、造船業界の収益性に致命傷を与える」と主張した。

 造船業界は、国内の厚板価格が国際価格を大幅に上回るうえ、造船業の競争力悪化につながると主張している。

 また、日本の鉄鋼業界は、韓国の造船会社に1トンあたり600ドルで輸出していながら、自国の造船会社には1トンあたり500ドルで販売するなど後方産業として支援する役割を果たしているが、韓国メーカーそうでないというのも造船業界の不満だ。

 これに対し、東国製綱側は、造船業界の要求に難色を示している。東国製綱関係者は、「スラブを100%輸入している我が社の立場としては、スラブ価格の上昇にこれ以上耐えられず、価格を引き上げた」とし「東国鉄鋼は、造船業界が厳しかったとき、海外輸出を全面中断して製品を供給するなど韓国の造船業界を支援してきた」と反発している。

韓国造船業ピンチ? 韓日鉄鋼業界、造船用厚板値上げ

2006/10/23 朝鮮日報 チェ・ユシク記者/キム・ドクハン記者

 韓日の鉄鋼業界が相次いで造船用厚板(厚さ5ミリ以上の船舶用鉄板)価格の引き上げを行い、韓国では厚板の価格をめぐる鉄鋼業界と造船業界のあつれきが高潮している。

 こうした状況の中、造船業界は品質対比の価格競争力が相対的に高い中国産厚板の輸入を増やすなど、鉄鋼業界の価格引き上げに対抗する方針を明らかにしている。

 韓国で造船用の厚板を2番目に多く生産している東国製鋼は、今月16日付けの注文から暑板の価格を1トンあたり5万ウォン引き上げることにしたと13日明らかにした。これにより東国製鋼の造船用厚板の価格は58万5000ウォン(約7万3000円 )から63万5000ウォンに8.5%を引き上げられる。また、1位のポスコも造船用厚板の価格引き上げを検討中だとしている。これに先立ち今月はじめ、日本の製鋼業界も現代重工業などの造船会社と話し合った結果、1トン当たり580ドルだった造船用厚板の価格を今後6カ月間、1トン当たり600−610ドルに平均25ドル引き上げることにした。

 東国製鋼の関係者は「高級厚板材を中心に供給不足が続き、厚板の国際価格が上昇している。原材料である床板の価格も上昇しているため、価格引き上げはやむを得ない」と説明した。これに対し韓国の造船業界は、船舶の製造原価の24%におよぶ厚板価格の上昇により、原価構造が強い圧迫を受けていると反発している。実際に、厚板価格(東国製鋼基準)は、2002年4月の時点では1トン当たり38万ウォン水準であったのに対し、造船業の好況により2004年6月には75万ウォンにまで上昇した。

 このため造船業界では今年から中国産厚板の輸入を増やしている。韓国の3大造船会社、現代・サムスン・大宇は今年、中国産の厚板を計60万トン使用する計画であり、来年には計85万トン程度を導入する予定だ。中国産は1トンあたり480−490ドル(約46万ウォン)と日本産と韓国産に比べ1トンあたり11万−17万ウォン安い。

韓国大手造船3社、各々受注額100億ドル突破

2006/10/02 朝鮮日報 キム・ドクハン記者

 韓国の造船3社が、それぞれ年間受注額100億ドルを突破するという新記録を立てた。

 大宇造船海洋は最近、大型LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)船3隻(4億3000万ドル相当、約507億6580万円)を受注、今年の受注額が100億ドル(約9兆5000億ウォン、約1兆1800億円)を突破したと伝えた。これにより、現代重工業とサムスン重工業を含む国内造船メーカー“ビッグ3”は、今年に入ってから9月までの総受注額が100億ドルを突破した。

 造船3社の善戦は、高価格・高付加価値事業に集中しているためと分析される。高い競争力をバックに今後3年分の物量を確保しているため、超大型コンテナ船、LNG船、VLCC(超大型石油タンカー)のような高付加価値船舶ばかりを受注することができたのだ。

 造船業界は「ビッグ3は、その気になればもっと受注できる」とし「逆に、将来の収益性などの要素を考慮し、受注を抑えているのが実情」と説明した。

韓国造船産業、輸出200億ドル時代が開幕

2006.09.15 中央日報

造船工業協会は15日、今年の国内造船産業の輸出額を220億ドルと見込んだ。

上半期の輸出実績は113億5500万ドルと集計され、下半期予想実績は106億4500万ドルと推定された。 造船輸出額が200億ドルを超えるのは今年が初めて。

現代重、12億ドル分の船舶受注…単一契約では世界新

2006.09.11 中央日報 羅賢哲(ナ・ヒョンチョル)記者

現代(ヒョンデ)重工業がフランスCMA−CGM社から1万1400TEU級超大型コンテナ船8隻を受注したと10日、明らかにした。 契約額は計12億ドルで、単一受注契約金では過去最高。 この金額は7月に現代(ヒョンデ)重工業がイスラエルのZIMと契約した当時の業界最高契約額(11億ドル分)を上回る。

全長363メートル、幅45.6メートル、高さ60メートル規模のこの船は20フィートコンテナ1万1400個を積載できる。 9万8000馬力の超大型エンジンを搭載し、速度は24.7ノット。

会社側はこの船を09年半ばから2010年にかけて段階的に完成し、発注業者に引き渡す予定だ。 今回の受注で現代重工業グループの今年の受注規模は計165隻・151億ドルとなり、年間目標値(129億ドル)を超えた。

中国の造船業、「造船大国」韓国を猛追

2006/08/24 朝鮮日報 パン・ソンス記者

 中国が、韓国の占有物といわれてきた高付加価値船舶のLNG船(液化天然ガス運搬船)建造市場に進出し、量と質で韓国を脅かしている。

◆中国の攻勢が本格化 

 造船海運市況分析機関の英国のクラークソンは、今年7月末現在、現代重工業が1205万CGTの受注残量を記録、世界1位になったと23日発表した。これに次ぎ、サムスン重工業、大宇造船海洋、現代ミポ造船が2〜4位となった。特に、現代サムホ重工業が6月に5位となり、中国の大連船舶重工業を6位に追いやった。現代サムホ重工業は6月末、受注残量が268万CGTにとどまり、大連船舶重工業に5位の座を奪われたものの、7月初めにイスラエルの造船会社から1万TEU級の超大型コンテナ船4隻と8200TEU級コンテナ船4席を一度に受注したことにより、5位を奪還した。

 しかし、6月まで10位にとどまっていた中国の外高橋造船が受注残量222万CGTを記録し、韓進重工業(210万CGT、9位)と三菱重工業(194万CGT、10位)を抑え、8位に浮上した。

 韓国はSTX造船(279万CGT、7位)を含め、世界トップ10の造船所のうちの7つを占めた。全体の受注残量も4103万CGTとなり、世界の造船市場(1億1823万CGT)の34.7%を占めている。しかし、10位圏の下ランクにとどまっていた中国の造船会社の追撃が日本の会社を追い抜き韓国の牙城に挑戦している。

◆LNG船など高付加価値船も追撃 

 造船業界では、中国の滬東中華造船所がLNG船5隻を受注し、現在建造中であることを懸念している。中国は韓国の造船会社が技術移転を拒否したことから、フランスなど欧州の会社に接触し、技術移転を受けたとされている。

 “国需国造:自国の船は自国の造船会社が建造する”という原則を立てた中国政府の造船育成政策に加え、低賃金を武器に中国の攻勢がますます強まっているというもの。

 ここに、ノルウェー最大の造船会社であるエイカー・ヤーズがLNG市場に再進出するとされており、高付加価値船舶に重点を置き事業を再編してきた韓国の会社にとって、2重3重の脅威となっている。

 LNG船は、26万平方メートル級1隻の価格が2億5000万ドル(約291億円)程度で、30万トン級の超大型タンカー船(VLCC、1億3000万ドル、約151億円)より価格がはるかに高く、付加価値も高い。韓国の造船会社が2004年〜2006年の上半期に世界で発注された149隻のうち116隻(78%)を受注するなど、「ヒット商品」となった。

 造船業界関係者は「中国が3〜5年後に建造施設規模で韓国を追い抜くことが予想されるうえ、高付加価値船分野でも中国、欧州が追撃しており、造船業界に緊張が走っている」と話した。

題目:韓国造船業今年上半期全分野37%以上一人占め-中央日報(聯合)

2006.08.01 中央日報 シム・ジェフン記者 president21@yna.co.kr (ソウル=聯合ニュース)

 韓国造船業界が今年上半期受注量,受注残量,建造量で全37%以上の世界市場占有率を占めたものと調査された。

 1日造船.海運統計専門分析機関のクラークソンによれば韓国は今年上半期全世界船舶受注量,受注残量,建造量の世界市場占有率が各々43.4%,37.9%,38.5%で全37%以上を記録しながら,中国,日本,ヨーロッパ連合(EU)等競争相手国を皆抜いて1位に上がった。

 韓国造船業界は今年1月から6月まで受注残量を基準として発表された世界トップ10席をほとんど一人占めしてきたのに今回のクラークソンの上半期統計もまた全部門で1位に上がって朝鮮分野最強国であることを再確認した。

 韓国は今年上半期全世界受注量2千420万CGT中で1千50万CGTを占めて,占有率43.4%で中国(590万CGT,24.4%),日本(310万CGT,12.8%),EU(280万CGT,11.6%)を軽く締め出した。

 クラークソンは韓国が昨年上半期受注量が36.6%(870万CGT)の市場占有率を記録したが今年上半期には韓国の主力船種のタンカーとLNG船に対する受注が急増しながら,占有率が43.4%まで沸き上がったと分析した。

 また今年上半期まで世界受注残量が1億1千360万CGTの中で韓国は4千310万CGTで世界市場を37.9%を占有しながら,日本(2千380万CGT,21%),中国(2千90万CGT,18.4%),EU(1千870万CGT,16.5%)を抜いた。

 韓国は建造量でも今年上半期世界建造量1千350CGT中で520万CGTで38.5%の占有率を占めて,日本(420万CGT,31.1%),中国.EU(180万CGT,13.3%)を追い抜いた。

 造船工業協会側は“受注量,受注残量,建造量で韓国と中国の占有率が高まった反面日本とヨーロッパは減少傾向を見せている”としながら“特に大型船主らが技術と経験が豊富な韓国造船所に発注しようと追い込まれていて,下半期にもこのような傾向が続くだろう”と話した。

 受注量.受注残量.建造量 (2006年1月-6月)

 受注量 受注残量 建造量

 全世界 2千420万 全世界 1億1千360万 全世界 1千350万

 韓国 1千 50万 韓国 4千310万 韓国 520万

 中国 590万 日本 2千380万 日本 420万

 日本 310万 中国 2千90万 中国 180万

 ヨーロッパ 280万 ヨーロッパ 1千870万 ヨーロッパ 180万

 (クラークソン資料. 単位はCGT)

中国造船業界、合併で韓国を追撃

2006/07/26 朝鮮日報 パン・ソンス記者

 中国の造船業界が合併を通じて巨大化を図り、韓国を猛烈な勢いで追撃している。

 造船・海運市況分析大手の英国のクラークソン(Clarkson)は24日、今年6月末基準の造船所の受注全量(受注量から完成して納品した量を差し引いた現在建造中の量と今後建造する量)は、現代重工業が1174万CGT(標準貨物船換算トン数)と世界1位、サムスン重工業(827万CGT)、大宇造船海洋(741万CGT)、現代ミポ造船(411万CGT)が2〜4位を記録したと発表した。

 こうしたなか、中国の大連船舶重工(284万CGT)が韓国の現代サムホ重工業(268万CGT)、STX造船(267万CGT)、韓進重工業(227万CGT)を押さえ5位となった。最近、大連造船と新大連造船が大連船舶重工集団有限公司に統合され、大型化に成功したためだ。

 中国はこのほかにも、外交外高橋造船(184万CGT)が世界10位になるなど大型化を通じ韓国を追撃している。

鉄鋼業界再編で韓国の鉄鋼・造船業界が緊張

2006/07/19 朝鮮日報 チェ・ユシク記者/キム・ジョンホ記者/キム・ギホン記者

【特集】韓国主力産業の危機(下)

■ポスコをM&Aの対象に狙うミタル…弱肉強力の状況

 世界1・2位の鉄鋼会社である欧州のミタルとアルセールが合併を決議し、ポスコは挟み撃ちの状況に置かれている。

 合弁会社アルセール・ミタルの年間鉄鋼生産量は1億2000万トンと、世界4位のポスコ(3140万トン)の4倍の水準だ。国内外の専門家は、民営化の過程で持ち株構造がぜい弱になったポスコが、いつミタルのM&A(企業の買収・合併)の対象になってもおかしくないとみている。ポスコの持ち合い株式は34%の水準であるのに対し、外国人の保有株式は63%にも及ぶ。ミタルは中国の鉄鋼会社買収、インドの製鉄所建設などを通じ、アジア市場への進出を急ピッチに進めている。中国やインドなど“夢の市場”をめぐり、ポスコはミタルと熾烈な争いを繰り広げなければならない。

 ポスコ関係者は「世界の鉄鋼業界も、今や食うか食われるかの状況にある」と話した。

 造船業界は史上最高の活況に沸いているが、中国の追撃がすさまじい勢いで追撃している。中国は最近日本を追い抜き、韓国に猛烈な攻勢をかけている。韓国のわずか8分の1に過ぎない人件費が最大の武器だ。そのうえ、最近では大型コンテナ船の建造能力まで備え、韓国造船業を追い上げている。

「韓国造船業、今後20年間は世界1位」

2006.07.07 中央日報

ハナ金融研究所は7日発表した報告書「韓国造船産業の中長期展望」で、韓国造船業が今後20年間、世界1位の競争力を維持するだろうと予想した。

設計技術が優れているうえ、優秀人材を確保しており、陸上建造工法・メガブロック工法・溶接自動化など造船技術も世界トップレベルだと、報告書は分析した。

韓国造船業の強さの秘密? 世界中を飛び回るCEOたち

2006/07/04 朝鮮日報

 「1月、マレーシア修理造船業共同進出交渉、ギリシャ、トルコタンカー船契約」「2月、カナダタンカー船契約、フランス旅客船命名式…」

 サムスン重工業金澄完(キム・ジンワン/60)社長の今年下半期の海外出張スケジュールの一部だ。金社長は6月まで10回余に渡り2カ月以上海外出張に行った。下半期にも2カ月の海外出張の日程が組まれている。1年の3分の1にあたる4カ月を海外で過ごしている計算になる。出張地域も欧州、東南アジア、米国など一カ所にとどまらない。顧客がおり、市場のあるところならどこにでも出かけていく。

 世界最高の競争力を誇る韓国の造船会社の社長が世界を股にかけて活躍している。2位の日本を引き離し、追撃してくる中国との差をさらに広げるため、海外マーケティングを強化しているからだ。特に、造船会社の契約は一度に10億ドル(約1160億円)を超えるケースも多々あることから最高経営者が直接契約をするケースが多く、世界最高の幹部らが船主を直接訪問して管理しなければならないというのが造船業界関係者の説明だ。

 大宇造船海洋の南相兌(ナム・サンテ/56)社長も、海外営業に力を入れている。今年3月に就任した南社長は、4月以降3カ月間に8カ国を回った。4月に中国、5月に英国、ノルウェー、ドイツ、カタールの船主と会い、6月にはギリシャとスイスを回った。チョン・グァンソクSTX造船社長(53)も、通常1年の4分の1を海外で過ごす。上半期にマレーシア、イタリア、英国、ギリシャを回り、7月以降は中東、東南アジア、ヨーロッパを訪問する予定だ。

 韓進重工業洪淳翊(ホン・スニク/60)社長は、ドイツ、ギリシャ、トルコ、ドバイ、フィリピンを回る25日間の海外出張に行ってきた。韓進重工業はフィリピンのスービック湾に70万坪規模の造船所設立を推進しており、フィリピンへの出張がさらに増える見通しだ。現代重工業の崔吉善(チェ・ギルソン/60)社長もアフリカのナイジェリアなどに2週間出張している。営業担当本部長が主に海外出張に行く普通の会社に比べ、造船業界ならではの慣行だと現代重工業関係者は説明した。

大宇ルーマニア造船所、2億8000万ドル受注

2006/06/26 朝鮮日報

 大宇造船海洋のルーマニア現地法人大宇マンガリア造船所は25日、ドイツのゲバブ(GEBAB)社とコンティ社からパナマックス級(5000TEU級以下)のコンテナ船をそれぞれ2隻、計4隻を受注したと発表した。船舶の価格は総額2億8000万ドル(約312億円)で、2009年10月までに納品する予定だ。

サムスン重、世界最大級コンテナ船を中国企業に納品

2006/06/23 朝鮮日報 パン・ソンス記者

 サムスン重工業が22日、世界最大規模の9600TEU(20フォートコンテナ)級超大型コンテナ船を受注先の中国CSGに納品した。

 サムスン重工業が建造した同コンテナ船は全長321メートル、幅46メートルで、国内で建造されたコンテナ船で最大規模。これまでの記録は昨年7月にサムスン重工業が建造した9200TEU級コンテナ船で、全長20フィートのコンテナ9600台を積載することができ、携帯電話5000万台が一度に運搬できる。

 金澄完(キム・ジンワン)社長は「振動最小化工法を適用して安定性を補強し、環境に配慮した設計と経済性最大化を通じ、運航の効率性確保に重点を置いた」と話した。

 サムスン重工業は世界に発注された9000TEU級以上のコンテナ船73隻のうち33隻を受注し、45%の市場占有率を記録している。

韓国造船業界、1万TEU級コンテナ船で世界をリード

2006/06/14 朝鮮日報

 韓国の造船会社が、「夢の商船」とされる1万TEU級の超大型コンテナ船の建造で時代をリードしている。

 1万TEU級コンテナ船(TEUは20フィートのコンテナ)は、コンテナ1万台を積載できる船舶。通常、全長300メートル全幅80メートルの30万トン級の超大型原油運搬船とほぼ同じ大きさだ。甲板面積が上岩ワールドカップ競技場の2倍を超えることから、超大型建造施設はもちろん、最先端の設計・製作能力が必要とされる。世界経済が原油高時代に入った現在、造船業は成長の兆しを見せており、国際海運業界の需要が増えることが予想され、受注の見通しは明るい。

 現代重工業とサムスン重工業は1万TEU級の超大型コンテナ船を受注、現在建造中であると12日明らかにした。

 現代重工業は昨年1月、中国で1万TEU級の超大型コンテナ船4隻を受注し、世界で初めてコンテナ船1万TEU時代を切り開いた。現在、2007年の引き渡しを目標に建造中だ。現代重工業は、1万2000TEU級のコンテナ船の開発を完了し、現在、受注段階に入っている。現代重工業の大型コンテナ船(8000TEU級以上)の受注残量は80隻で、世界の発注量の40%を占める。

 サムスン重工業も7日に受注した5000TEU級以上のコンテナ船8隻のうち、1万TEU級の超大型コンテナ船を1隻受注したと発表した。業務上の守秘義務から受注先は公開せず、国際海運業界の関心を集めている。

 LNG船と超大型タンカー(VLCC)建造に力を入れている大宇造船海洋も内部で1万TEU級コンテナ船の受注を検討している。

 造船工業協会のグ・ボンソンチーム長は「国内造船ビッグ3の設計・建造能力は、1万5000TEU級コンテナ船を作れるほどに進んでいる」とし「最近、国際海運業界では、物流費用が節約できる超大型船舶を好む傾向にあり、1万TEU級の船舶の発注が今後増加するものと予想される」と話した。

世界トップの造船業、次の課題はクルーズ船

MAY 22, 2006 東亜日報

「晴れた日に傘を準備せよ」

 世界1位の韓国造船業界が、未来に備えて素早く動いている。現在、国内造船業界は受注量、受注残量で世界の造船所ランキングの1〜7位を席巻し、独走している。しかし、韓国にリードされて国別順位で2位に下がった日本はもちろん、世界3位に浮上し、急ピッチで韓日両国を追いかけてくる中国の脅威も増大している。

 これを受け、韓国の造船業界は液化天然ガス(LNG)船設計技術の国産化をはじめ、高付加価値船のクルーズ船など、付加価値を高めるための努力に拍車をかけている。

 ▲造船3社、LNG船設計技術を共同研究〓造船業は代表的な輸出産業だ。昨年、業種別の輸出額を基準に、△半導体、△自動車、△無線通信器機、△一般機械の後を次いで5位を占めた。特に、造船業の昨年貿易収支の黒字規模は161億ドル(約15兆2950億ウォン)で、韓国全体の貿易収支の黒字規模(232億ドル)の69%に該当する。半導体(49億ドル)の3倍を越える。

 最近、船舶の発注量が増えると、国内造船各社はLNG船、原油の試錐船のような高付加価値船を中心に選別受注する傾向を見せている。しかし、まだまだ行き先は遠い。船舶製造技術はほとんど国産化しているものの、LNGの設計図はフランスのGTT社から持ち込んでいる。船1隻あたり支払うロイヤリティーは普通90億ウォン。1年に30隻前後を建造しているから、年間約2700億ウォンがロイヤリティーとして支払われているわけだ。

 このため、現代(ヒョンデ)重工業、三星(サムスン)重工業、大宇(テウ)造船海洋の3大造船会社と韓国ガス公社は09年をめどに、LNG船設計技術を国産化するという目標を立てて、04年から研究を進めている。投入された研究費は計186億ウォン。研究チームは今年中に技術開発を終えて、来年から実際の適用が可能かどうかを検証する予定だ。同研究が成功すれば、韓国はフランスに続いて2番目に同技術を保有する国になる。現在、米国とノルウェーも同研究に乗り出した模様だ。

 ガス公社研究開発院のヤン・ヨンミョン責任研究員は、「設計技術の中核は氷点下122度の超低温のLNGを安全に運搬できる容器を作ることだ。超低温でも裂けずに耐えられる特殊なシワを作るのがカギだ」と述べた。

 信栄(シンヨン)証券のチョ・ヨンジュン・リサーチセンター長は、「造船業は長期的に韓国をリードしていく主要産業の一つだ」とし、「研究開発に対する投資を強化して、技術格差をさらに広げる必要がある」と述べた。

 ▲クルーズ船市場を開拓せよ〓高付加価値船のクルーズ船市場は、韓国の造船業界が進入できなかった不毛の地だ。「海上のホテル」と呼ばれるクルーズ船は、1隻の価格が5000億〜1兆ウォンで大型LNG船の3倍もするほど高い。市場規模も年間10兆ウォンに達する上、年平均5%ずつ成長している。

 船を作る技術に劣らず、内部のインテリアを豪華に仕立てられる能力が求められ、クルーズ船市場は欧州の造船所が独占している。日本の三菱造船所もかつてクルーズ船に挑戦したが、数千億ウォンの損害を被って諦めた経緯がある。

 韓国の造船業界では三星重工業が一番積極的だ。三星重工業の旅客船開発チームは、1996年からクルーズ船の研究を進めてきており、クルーズ船の前段階である大型旅客船を引き続き受注して製作している。

 三星重工業のチュ・ヨンリョル常務は、「商船分野で中国の追撃が加速化している現実を勘案すると、クルーズ船市場は韓国の造船会社が必ず開拓しなければならない代表的なブルーオーション(競争のない市場)だ」とし、「08年までにクルーズ船を受注して、10年ごろから本格的に建造を始める計画だ」と述べた。

サムスン重、世界最大の海洋設備竣工

2006/05/12 朝鮮日報

 サムスン重工業は11日、巨済島でロシア、日本、英国、オランダ合弁会社のSEIC社が発注した海上原油、ガス生産施設「フンスコエA」の命名式を行ったと発表した。 縦75メートル、横126メートル、高さ100メートルの同施設は33階建てビルに相当し、重量は中型乗用車2万台余相当の2万7000トンで世界最大重量の海洋設備としてギネスブックに登載される予定だとサムスン重工業は伝えた。また、世界で初めて陸上からすべての施設が組立、完成され、零下40度の悪条件の中でも設置可能だ。施設の中には720キロの電線と長さ54キロのパイプが設置され、地震の振動を吸収する特殊構造設計になっており、最先端工法で建設された。

韓国造船業、第1四半期に世界船舶受注量の54%を獲得

2006.04.27 中央日報 羅賢哲(ナ・ヒョンチョル)記者

韓国の造船業界が今年第1四半期に、全世界の船舶受注量の半分以上を獲得した。英国の造船・海運市況専門会社「クラークソン・リサーチ」が26日伝えたところによると、韓国は今年1〜3月、全世界の船舶受注量(1130万CGT)の54%にあたる619万CGT(標準貨物船換算トン数)を受注した。続いて、中国250万CGT、欧州100万CGT、日本80万CGTの順だった。韓国の今年3月の受注実績は370万CGT。

サムスン重工業の年俸、韓国造船業界トップ

2006/04/14 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 世界造船業界トップに君臨する韓国造船会社の年俸ランキングはどの位か。

 国内造船会社の昨年の事業報告書によると、1人あたりの平均年俸が6010万ウォンのサムスン重工業の職員が「最高の待遇」を受けていることが13日、わかった。

 第2位は大宇(テウ)造船海洋で5700万ウォン、第3位は5355万ウォンで現代(ヒョンデ)重工業だった。

 第4位は現代重工業グループ系列の現代尾浦造船で4640万ウォン、STX造船が4360万ウォン、韓進(ハンジン)重工業が4130万ウォンだった。

 昨年度の受注額ベースでは、現代重工業が106億ドルで1位、サムスン重工業(77億ドル)が2位、大宇造船海洋(68億ドル)が3位だった。年俸ランキングが必ずしも受注実績に比例しないことがわかった。

 サムスン重工業の職員は8581人(昨年末基準)で平均勤続年数は12.2年、男性職員の平均年俸は6040万ウォン、女性職員は4890万ウォンだった。

 一方、現代重工業の職員は2万4968人で平均勤続年数は18.3年だった。

 造船業界の関係者は「現代重工業の職員より平均勤続年数が6年少ないサムスン重工業の年俸の方がむしろ高いのは、“最高待遇”を宣言したサムスングループの年俸政策のため」と分析した。

韓国造船業界、世界1〜7位を席巻

2006.04.11 中央日報

韓国造船業界が初めて世界第1〜7位を一人占めした。

造船・海運の市況専門分析機関である英国のクラクソンス(Clarksons)によると、今年2月現在の受注残高は、現代(ヒョンデ)重工業、大宇(デウ)造船海洋、三星(サムスン)重工業、現代尾浦(ミポ)造船、現代三湖(サムホ)重工業、STX造船、韓進(ハンジン)重工業の順に多かった。

韓国造船メーカー、受注残量で上位独占

2006/04/10 朝鮮日報

 韓国が受注残量を基準に評価した世界造船所の順位で、史上初めて1位から7位までを独占し、名実共に世界最強として認められた。

 10日、造船‐海運市況専門分析機関である英国のClarksonによると、今年2月末まで各国の造船所の受注残量は現代(ヒョンデ)重工業が1082万CGTと余裕の1位を記録した。

 また、大宇(テウ)造船海洋(728万CGT)、サムスン重工業(744万CGT)、現代尾浦(ヒョンデミポ)造船(393万CGT)、現代三湖(ヒョンデサムホ)重工業(327万CGT)の順で世界ベスト5を独占した。

 これまで不動の6位だった日本の三菱重工業が受注残量209万CGTで伸び悩んでいる隙に、STX造船(213万CGT)と韓進(ハンジン)重工業(210万CGT)が6位と7位入りし、初めて日本を追い抜いた。

現代重、蔚山龍淵工場が竣工

2006/03/20 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 工場用地難に直面していた現代重工業が18日、蔚山南区黄城洞の龍淵工場を竣工した。

 同工場は、龍淵4工区国家産業団地内埋立地で、1万5000坪規模で昨年8月に着工し総事業費1800億ウォンが投入された。現代重工業は龍淵工場で年間11万トン規模の造船用船体ブロックを生産することになる。

 龍淵工場は蔚山市の斡旋で、当初工場敷地造成主体のSK(株)が造成原価より低価格で現代重工業に売却した。現代重工業はその対価としてSK(株)から石油製品の購入とSKの蔚山近海一帯の海底配管と原油ブイに対する安全対策を講じることを決定した。

 蔚山市は「工場用地難で外地に出なければならない立場に立たされていた現代重工業ブロック工場を蔚山地域に誘致でき、年間雇用創出3573人と人口流入効果1万700人、生産誘発効果5436億ウォンなどの経済効果が期待される」と話した。

韓国造船メーカー、高付加の海洋設備も世界トップ

2006年03月15日11時18分 YONHAPNEWS

 韓国の造船業界は昨年、超大型商船に次いで、高付加価値の海洋設備である浮遊式石油生産、貯蔵・出荷システム(FPSO)でも世界トップを記録した。造船・海運専門分析機関のクラークソンが15日に明らかにしたところでは、韓国の造船メーカーは昨年、FPSOの世界年間受注量7隻のうち5隻を受注し、5年連続で世界トップとなった。

 韓国3大メーカーの現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業は、浮遊式海洋掘削設備部門で半潜水式設備を23基、ドリルシップ6隻を建造し、世界トップの競争力を示した。

 造船工業協会によると、2000年以降のFPSO受注量で韓国は世界シェア50〜80%を占めているという。特に大型FPSOを受注することで付加価値を高めていると分析している。

昨年LNG船の受注額、世界シェア76%

2006/03/13 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 国内造船メーカーが昨年、LNG船(液化天然ガス専用船)分野で世界シェア76%を記録した。

 造船・海運専門分析機関のクラークソンと造船工業協会は13日、昨年世界で発注されたLNG船42隻のうち、国内造船メーカーの受注数は33隻で、2004年のシェア73%と比べ3%ポイント上昇したと明らかした。

 メーカー別の受注業績は、サムスン重工業が9隻、大宇造船海洋が8隻、現代重工業が5隻などだった。

【賃金交渉】12年連続無争議・無紛争の東国製鋼

2006/03/07 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 東国(トングク)製鋼の労組は今月3日、今年の賃金団体交渉の全権を会社に委任した。会社に今年の従業員の賃上げ幅を完全に任せたのだ。東国製鋼の労使は、これを受けて95年から12年連続の無争議、無交渉で賃金交渉に成功する記録を作りあげた。

 その秘訣な何だろうか? 従業員らは、「会社の長い伝統である家族主義的経営と米国式透明経営の調和」と答える。ある職員は、「一度も人為的な構造調整を行なっておらず、父が名誉退職すると、息子を入社させるといった家族的伝統が長所」と話した。実際に東国製鋼の全従業員のおよそ15%に当たる200人余りが兄弟、父子などの家族社員だ。

 金在業(キム・ジェオプ)労組委員長は、「経営陣が現場の労働者を平等に扱い、従業員が会社のために努力すればするだけ、会社側も従業員に配慮してくれているのがわかる」と述べた。

 東国製鋼の労組は、民主化のうねりが起きていた1990年代初めまでは、一筋縄ではいかない組合として知られていた。しかし1993年、同労組は「闘争が全てではない」とし、自発的増産キャンペーンに乗り出した。会社は当時としては破格のインセンティブ(基本給のおよそ400%)を支給して応えた。引き続き東国製鋼労組は1994年、国内産業界に先駆けて恒久的無ストライキを宣言し、その後、無交渉賃金交渉という伝統を作り上げた。

 アジア通貨危機の当時、労組は自ら賃金と号俸の凍結を宣言し、会社はその見返りとして、2年後に2年分の号俸を一気に引き上げることで報いた。

 東国製鋼の労使団結のもうひとつの秘訣は、透明経営と情報の共有だ。仁川、浦港、釜山などの各事業所ごとに毎月経営業績の評価会議を開催し、会社上げての責任経営会議を開く。会議には組合の代表が経営会議に出席し、経営陣と業績を評価し情報を共有する。金労組委員長は、「会社の業績が良くても、悪くても、従業員がすべての情報を共有するため、信頼して協力できる」と述べた。

 ここへきて、こうした無争議賃金団体交渉の動きが、他の企業にも早いスピードで拡散している。今年、まだ本格的な賃金団体交渉シーズンに入っていないにもかかわらず、早くも無争議賃金団体交渉を宣言する企業が登場している。

 現代(ヒョンデ)エレベーターの労組は今年1月、新年の仕事始めの行事を行った直後、賃金交渉の全権を会社に任せると宣言した。LPG(液化石油ガス)輸出入専門企業であるE1の労組も、仕事始めの行事で賃金団体交渉の委任状を会社に提出した。現代重工業も、昨年に続いて12年間連続の無争議賃金団体交渉を記録する見通しとなった。

韓国の造船メーカー、海外移転を拡大

2006/03/06 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 韓国の造船メーカーが「海外アウトソーシング」を拡大している。

 海外受注が今年に入って大きく増えたものの、高騰した土地価格と高い賃金水準のため、韓国国内に施設を増やすのに限界を感じているからだ。造船メーカーはまず付加価置が低い船舶修理所や船体の一部を製作するブロック乾燥施設を海外に移転している。

 船舶修理所から独立・出発した現代尾浦造船は、これ以上船舶修理をしていない。一昨年からベトナムの現代・ビナシン造船所が船舶修理を専担している。

 代わりに蔚山造船所に大々的な施設投資を推進している。80トン級のクレーンを200トン級に変更するなど70隻レベルの生産能力を備えるためだ。金春坤(キム・チュンゴン)副社長は「すでに世界最高の中大型乾燥能力を備えており、施設の拡大でより高利益が見込める」と語った。

 現代重工業は来月、中国の上海浦東に持株会社を設立する。現代重工業は「現地に進出している法人を統合・管理するため」と説明し、海外アウトソーシングの可能性を否定している。しかし、蔚山造船所(150万坪)がすでに飽和状態に達しているうえに、最近、韓国国内の敷地購入に大きな困難を感じており、中国などへの海外進出が避けられないという観測が相次いでいる。

 早くから「グローバル経営」を掲げた大宇造船海洋は、すでにルーマニアに造船所を運営している。また最近では中国山東省の煙台地域にブロック工場を設立している。大宇造船海洋はフィリピンのスービック湾の造船修理所の買収とアフリカオマンの修理造船所委託経営も推進している。

 大宇造船海洋の関係者は「長期的には中国・ブラジル・アンゴラ地域の中小型造船所を買収し、世界的な造船ネットワークを構築する計画だ」と語った。

 サムスン重工業は、中国浙江省に年間12万トン規模のブロック工場を保有している。しかし生産能力の限界にぶつかり、山東省隣近地域に追加工場増設のための敷地購入を行っている。サムスン重工業の関係者は「韓国内の造船所敷地はすでに飽和状態であるうえ、各種許認可規制のため、追加増設も難しい。海外アウトソーシングが唯一の代案だ」と語った。

 韓進重工業は、釜山影島造船所(8万坪)の狭い敷地のため、最初から海外に進出したケース。韓進重工業は、フィリピンのスービック湾の70万坪の敷地に大型造船所を建設することを決め、近く着工する。先月28日協定締結式にはフィリピンのアロヨ大統領が直接出席するほど高い関心を集めた。韓進重工業のウゴンゴンチーム長は「釜山の影島造船所は大型LNG船や海洋プラント設備など、高付加価値船舶の専用造船所になると思う」と語った。

 中国の遼寧省フーシュン市に船舶部品工場を運営しているSTX(株)も最近遼寧省・山東省地域に追加のブロック工場を建設するための敷地を当たっている。

韓国、商船保有隻数で世界7位に

2006.02.17 中央日報

韓国が昨年、商船保有隻数で世界7位を記録した。

造船・海運市況専門分析機関のロイドによると、韓国は昨年1月1日現在943隻を保有し、ギリシャ(2960隻)、日本(2921隻)、ドイツ(2617隻)、中国(2614隻)、米国(1656隻)、ノルウェー(1589隻)に次いで7位となった。

積載貨物重量(GT)基準では世界8位(1798万GT)

韓国、昨年造船3部門で世界一

2006/01/31 朝鮮日報

 韓国の造船業界が昨年、受注数、受注残数、建造数の各部門で世界一を記録し、独走の態勢を固めた。

 今月30日、造船・海運市況専門分析機関のクラークソン社の集計結果によると、昨年1月から12月の全世界の船舶受注隻数(注文を受けた隻数)、受注残数(受注隻数からすでに完成して出庫した隻数を差し引いた残り)、建造隻数部門で、韓国が日本と中国に大きな差をつけて3部門のトップに上り詰めた。

 昨年の受注数は韓国が1450万CGT(標準貨物船に換算したトン数)となり、世界市場(3840万)の38%を席捲し、2位の欧州連合(850万)に2倍近い差をつけており、中国(700万)と日本(620万)をはるかに上回った。

 韓国は昨年、受注残数部門でも3970万CGTを記録し、日本(2510トン)、欧州連合(1810万)、中国(1640万)に大きな差をつけ、全世界市場(1億640万)の38%を占める独走ぶりを示している。

 建造数部門でも韓国は昨年970万CGTとなり、激しい勢いで追い上げている日本(840万)を振り切って市場シェア36%となり、トップのプライドを守り抜いた。欧州連合(430万)と中国(360万)はそれぞれ3位、4位を占めた。

 造船業界の関係者は、「昨年、国内造船業界の実績と関連してもっとも注目すべき点は、付加価値が高い船舶を受注して建造する一方、その量も多いという点」とし、「日本の場合、半分以上がバルク船だが、韓国は建造船舶の60%から70%が液化天然ガス(LNG)や超大型輸送船だ」と明らかにした。

STX造船「今年度船舶受注26億ドル達成を目指す」

2006/01/16 朝鮮日報

 世界第8位の造船会社STX造船は15日、「今年LNG(液化天然ガス)運搬船や自動車運搬船など高付加 値船舶の建造に参入し、昨年より5億ドル多い26億ドルの受注達成を目指す」と発表した。

 これは韓国内のライバル会社、韓進重工業を追い抜いて世界第7位に浮上しようというもの。

 エチレン運搬船の建造にとどまっていたSTX造船は、先月アメリカ船級協会(ABS)からLNG船建造に関して技術教育を受けるなど、LNG船建造の準備を整えている。

 STX造船は、現在30万坪ある敷地を拡張する一方、陸上建造工法などを導入して中型船舶中心の施設から大型船舶建造が可能な施設へ転換する方針。これにより15万トンクラス以上の大型タンカー市場でも現代重工業・三星重工業・大宇造船の造船業「ビッグ3」との競合に参入する計画だ。

韓国造船業が3冠…受注量・受注残高・建造量で世界トップ

2006.01.03 中央日報 崔知英(チェ・ジヨン)記者

韓国造船業界が受注量・受注残高・建造量など造船建造実績の基準となる3部門で世界トップとなった。昨年1月−9月の集計結果だ。

造船・海運市況専門分析機関の英ロイド(Lloyd)社によると、この期間、韓国は船舶受注量・受注残高・建造量で2位の日本に大差をつけ、世界1位となった。

受注量部門で韓国は全世界受注量2916万3000CGT(標準貨物船換算トン数)の39.6%にあたる1153万8000CGTを記録した。 日本は591万9000CGTで2位、欧州連合(EU、508万3000CGT)が3位、中国(384万2000CGT)が4位となった。

受注残高でも韓国は2位の日本を大きく上回った。 昨年1−9月の全世界受注残高1億70万CGTのうち韓国は3767万6000CGTで37.4%のシェアを記録し、日本(2562万4000CGT)を抑えた。

韓国は建造量でも全世界建造量(2141万5000CGT)の35.7%に相当する764万CGTで1位となり、日本(631万7000CGT)と中国(298万3000CGT)の追撃を退けた。

韓国造船工業協会の関係者は「2位の日本との差がさらに開いたうえ、第4四半期の受注実績も悪くなかったため、2005年世界造船3冠王はほぼ確実」とし、「こうした傾向は今年も続くだろう」と予想した。

韓国の造船メーカー、来年から中国製船舶用鉄鋼輸入拡大へ

2005/12/29 朝鮮日報

 韓国の造船業者は来年から中国製厚板(船舶用鉄鋼)の輸入を大幅に増やす方針だ。

 これにより、造船業者は供給先の多角化にともなう価格交渉力が一層高まった。一方、韓国の鉄鋼メーカーは中国製の低価格攻勢を受け、値下げは避けられなくなった。

 サムスン重工業は28日、「中国宝山鉄鋼から造船用厚板10万トンを輸入する旨の交渉を進めている」と明らかにした。

 サムスンの関係者は「船舶の建造量増加で国内の厚板供給が大幅に不足しているため」としながら、「中国製厚板の品質が最近大幅に改善されたことで、これを取り入れる方策を検討中」と話した。

 現代(ヒョンデ)重工業は今年、中国製厚板20万トンを輸入したのに続き、来年からは輸入量を40万〜50万トン規模に拡大する方針だ。来年全体の厚板使用量の約15%を中国製にあてるもの。

 内部的には安定的な厚板調達に向け、中国の鉄鋼メーカーに投資する方策も検討中という。

 韓国の造船業者が中国製の厚板輸入を増やすのは、国内の厚板生産量が需要を大幅に下回っているのが最大要因。これに、中国製厚板の品質がここ3〜4年で大幅に改善された上、価格も国産に比べ10%以上、安いという。

 造船業界には、中国製厚板の導入を増やしつつ、韓国鉄鋼メーカーとの価格交渉でイニシアチブを握るとの計算もある。

 実際、造船業界は最近、ポスコ(POSCO)など韓国鉄鋼メーカーや日本の鉄鋼メーカーに値下げを強く要求し、ある程度受け入れさせている。

 ポスコは2003年以後、初めて厚板価格を1トンあたり3万ウォンずつ引き下げたほか、東国(トングク)製鋼も値下げに踏み切っている。

 また、中国鉄鋼メーカーが厚板生産を毎年1000万トン以上、大幅に増やしているため、追加の値下げも避けられない状況だ。

韓国造船界、日本をおさえ3年連続受注量世界一へ

2005/12/20 朝鮮日報

 韓国の造船業界が日本を抑え船舶受注で3年連続世界1位になる見通しだ。

 世界的な造船・海運市況分析機関である英クラークソン社は20日、今年11月まで韓国の船舶受注量が1390万トンと集計されたことを明らかにした。

 これは全世界の発注量(3550万トン)の39%にあたるもので、日本(590万トン)と欧州全体(740万トン)の受注量あわせ多額より多い。

 韓国造船工業協会イ・ビョンホ副会長は「メーカーらが平均3年10ヶ月分の注文量をすでに確保しており、高付加価値船舶を受注できる状況であるうえ、来年には原油高の影響でLNG船、超大型タンカーなどの大型発注が予想されている。当分の間は韓国企業の独走が続くだろう」との見方を示した。

「めざせ!超一流造船海洋工学部」 蔚山大プロジェクト

2005/12/02 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 蔚山(ウルサン)大学造船海洋工学部の海洋工学水槽。

 学生たちが、「人工海」をかもし出す幅20メートル、長さ30メートルの同水槽に模型の船を浮かべ、実際の橋建設に使われる橋脚を海上に運送する際に発生する問題について実験している。

 水槽に取り付けられた40個の造波版がそれぞれ別々に動きながら波を作り、海で発生し得るすべての現象を再現する。建設費は20億ウォン以上かかり、国内の大学では唯一の所有となる。

 蔚山大はこのほか、造船海洋工学部のために扇型水槽、振動騒音、共同水槽など最先端の実験施設を兼ね備えた単独ビルを建設する計画だ。

 蔚山大が「超一流造船海洋工学部作り」に拍車をかけている。世界トップの造船所があるとの利点を活用した産学協力を通じ、2010年まで造船分野の世界最高峰である米ミシガン大学と肩を並べられる水準まで飛躍するのが目標だ。

 作業は今年9月、現代(ヒョンデ)重工業とともに「造船海洋工学部の世界一流化プロジェクト」(SOTOP)を立ち上げながら具体化された。

 蔚山大は現代重工業から2010年まで計100億ウォン以上の研究費と奨学金を受け取る約束を取り付けている。

 プロジェクトによると、造船海洋工学部は来年からミシガン大など世界の主要大学から教授を招き、国内の教授陣を13人から23人まで増やす計画だ。また、現在90人の学生定員を2009年まで60人に減らし、少数精鋭化システムでエリート教育を進める。

 優秀な人材の誘致に向け、学生に対する支援も大幅拡大する。来年度の新入生から成績優秀者35人を選抜し、卒業まで学費や寮費を全額免除するほか、これらのうち20人あまりについては現代重工業系列会社への就職を保障する。

 このような努力の成果はすでに現れ始めている。造船海洋工学部の来年度募集では36人の募集枠に388人が願書を提出、歴代最高の競争率を記録した。内申点でAクラスの学生だけでも100人を超えた。

 また、今年卒業予定の90人あまりのうち、現代重工業11人、サムスン重工業16人、大宇(テウ)重工業2人、STX造船7人など40人あまりがすでに大企業への入社を決めている。

 申東牧(シン・ドンモク)学部長は「就職難の時期に、地方大学でこれほどの成果を出すのは奇跡中の奇跡」と話した。

 蔚山大の鄭正佶(チョン・ジョンギル)総長は「造船分野は今後とも発展する可能性が極めて高く、国家経済をけん引できる産業だと思う」としながら、「造船大国に相応しい優秀な人材の育成に力を注ぐ」と話した。

「造船業界最大ライバルの日本が最大顧客に」

2004/11/07 朝鮮日報 李仁烈(イ・インヨル)記者 yiyul@chosun.com

 最大のライバルが最大の顧客に変身した。

 現代(ヒョンデ)重工業は7日、「世界最大のコンテナ運航船社である日本の日本郵船から4900TEU(TEUは全長20フィートのコンテナの大きさ)級のコンテナ船8隻を5億7000万ドル(約6800億ウォン)で受注した」と明らかにした。

 これを受け、現代重工業は今年、造船業界最大のライバルである日本からだけで、造船受注量全体(99隻、80億ドル相当)の20%を超える計22隻、18億ドル相当の受注を記録した。

 世界第2位の造船強国である日本が、現代重工業の受注量において欧州連合を除いた単一国家として最大顧客となったのである。

 昨年は現代重工業の受注量125隻中、日本からの受注量は11隻(9%)だったが、今年は2倍に増えた。現代重工業の?観洪(ユ・グァンホン)社長は「日本が韓国に造船受注をするのは極めて異例のことであり、これは韓国の技術力をそれだけ認めていることを意味する」と語った。

セヤン船舶株18.1%買収の崔平奎氏「単純な投資目的」

2005/10/20 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 セヤン船舶株18.1%を突然買い込んだ崔平奎(チェ・ピョンギュ/53)S&T重工業(旧統一重工業)会長は、セヤン船舶側が敵対的買収から身を守るため大規模な有償増資と海外転換社債の発行に踏み切ったことに対し、「これは株主価値の明白な侵害で、法的に対処する」と明らかにした。

 崔会長は19日、ソウル市・加山(カサン)洞のS&T重工業・ソウル事務所で行ったインタビューで、世間の注目を集めているセヤン船舶株買収の背景と今後の対応策について打ち明けた。

 まず、崔会長はセヤン船舶の買収を「単純な投資目的」と説明した。

 「過去、暁星(ヒョソン)機械や(株)STX株を買い入れた時も、公示を通じて単純投資なのか経営参加なのかを明確にしたほか、公示した内容は最後まで守り抜いた」としながら、「にもかかわらず、セヤン船舶側が買収から身を守るため大規模な有償増資と転換社債発行に乗り出したのは、明らかな株主価値の侵害」と不満をあらわにした。

 続いて、「今日中に裁判所に新株発行の禁止仮処分を申請するつもり」と強く対応する考えを示した。

 崔会長は「S&T重工業やS&T(旧サムヨン)など主要系列会社は現在1400億〜1500億ウォンに上る余裕資金を持っている」としながら、「これからはこのような余裕資金をうまく活用することも、企業経営において重要な要素となる」と、自分の投資観について説明した。

 また、「投資する際は、私の個人資金で先に投資し、大丈夫と思えば一部系列会社に、続いて投資させる」としながら、「それでこそ失敗しても、会社の小口株主には被害が及ばない」と話した。

 とりわけ、自分がよく知っている企業や自身の会社とのシナジー効果が期待できる企業に積極投資すると説明した。「昔投資した暁星機械やSTXなども昌原(チャンウォン)にあるS&T本社とは極めて近い関係で、よく知っている企業」と語った。

 続いて、「力を増した労組や深刻な人材難などで、製造業分野はどんどん追い込まれて行くだろう」としながら、「私もここ27年にわたり製造業に携わってきたが、これからはリスク回避を目的に、ある程度の多角化が願われる」と話した。

 実際、崔会長はここ27年間1つの分野に固執し、深く研究してきた企業家として有名だ。同会長がM&A(買収合併)や企業投資に関心を持ち始めたのも、ここ3〜4年のこと。

 1979年に17坪のマンションを売り払い、熱交換機製造メーカー、サムヨン(現S&TC)を設立したほか、同社を営業マージンが15%を超える有望企業へと育て上げた。

 また、2003年には労組が強いことで有名だった統一重工業(現S&T重工業)を買収し、1年で黒字転換させた。

 崔会長は自分の私財をはたき、社員たちにボーナスを支給、生産職や事務職など職種に見境なく、全社員に1人あたり1万株のストックオプションを付与したことで有名だ。

<総合>快進撃続く韓国造船業・2015年に世界シェア40%

2005/03/11 東洋経済日報

 日本から世界トップの座を奪い返した韓国造船業が快進撃を続けている。今年に入っても受注が相次いでおり、最近ではカタールから100億jを超すLNG(液化天然ガス)船44隻を一挙受注した。一度の造船受注では史上最大規模になる。韓国造船工業協会は8日発表した報告書で、韓国造船業は世界トップの座を維持し続け、2015年には世界シェア40%を占めるだろうと予測した。造船業界ではむしろ、人材不足を心配する声が出ている。

 「韓国の造船産業の成長と課題」と題する韓国造船工業協会の報告書は、全世界の海上物動量の増加に伴い、船舶建造需要は2015年まで年平均1・7%の割で増え続けるだろうと予測。韓国の船舶建造量は昨年の1514万総トンから2015年に1670万総トンへと156万総トン増える、世界市場のシェアも38・5%から40・13%に高まると分析した。

 ちなみに、世界の船舶建造需要は昨年の3720万総トンから今年は3880万総トンに、2015年には4160万総トンに増える見込みだ。各国で石油やLNGなどのエネルギー開発プロジェクトが相次いでおり、船舶需要は当面増え続けそうだ。

 韓国造船業界は受注増に伴い、船舶輸出額も増え、昨年の153億jから2015年には170億jに達する見込み。造船機資材輸出も5億jから20億jに増大するとみている。韓国が造船景気の最大受恵者になるとの分析だ。

 報告書はまた、韓国造船業界は大型コンテナ船やLNG船など高価格の船舶中心の受注戦略をとることで、高付加価値船舶の建造比重が昨年の18・5%から2015年には一気に40%まで高まると予想。質的な面でも世界1をめざすことになる。これにより、コンテナ船の世界シェアは2015年に60%、LNG船に至っては65%以上のシェア獲得が見込まれるとしている。

 報告書は、韓国、日本、中国の造船競争力比較も行い、韓国造船産業は2015年まで開発、設計、マーケティング、納期などを除く全部門で日本を上回り、中国とは10|20%の開きを維持できると予想している。

 ただし、造船好況に伴い、人材不足が深刻化しており、報告書は現在すでに1700人が不足していると指摘。また、造船用厚板の安定確保などの対策も急がれている。

 一方、最近カタールか受注に成功したLNG船商談は、2010年までLNG船44隻を段階的に建造、引き渡すというもの。現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の国内3社と、カタール国営エクソンモービルの合弁会社であるカタールガスとの間で契約が結ばれた。1隻当たりの金額は個別交渉で行われ受注会社を確定するが、1隻当たり建造単価は平均2億5000万jに達するため、100億jを突破することになる。

 カタールガスは昨年にも韓国3社に対してLNG船16隻を発注した。カタールガス側は、ドック不足に備えあらかじめ建造業者を確保しておきたい狙いがあるため、一括発注したものとみられている。

造船業者、相次いで新工法を開発

2005/01/06 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 李仁烈(イ・インヨル)記者 yiyul@chosun.com

 造船業界が新工法の開発に沸いている。

 STX造船は6日、船を2つの部分に分け陸上で建造した後、海上でこれを組み立てる「Skid Launching System」工法の開発に成功したと発表した。STX造船はこの工法を特許として出願中だ。

 STXの関係者は「向こう3年分の契約を確保した状態で船舶の建造を早めるため、新工法を開発した」とし、「この工法を利用すれば、ドックを追加で建設しなくてもある程度まで消化できるだろう」と語った。

 これに先立ち、韓進(ハンジン)重工業は昨年末、「ドック」より大きな船を建造する技術を開発し、これを特許申請中だ。「DAM工法」と呼ばれる同技術は敷地の狭い釜山(プサン)造船所の限界を克服するためのもので、ドック内で建造可能な分だけ建造した後、海に浮かべる。

 現代(ヒョンデ)重工業もドックではなく陸上で船を建造し海に浮かべる方式を、サムスン重工業は従来のブロックよりはるかに大きいブロック(メガブロック)を作り組み立てる方式を、それぞれ導入している。

 造船業者が新工法の開発に拍車をかけるのは、莫大な資金のかかるドック建設に代わり技術力で需要に応えるためだ。

不況でもリスクに備えM&Aに乗り出す企業たち

2004/12/07 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 呂始東(ヨ・シドン)記者 sdyeo@chosun.com

 「拡張経営に迫るリスクに備えよ」。

 今年下半期、全般的な国内景気の低迷にあっても、一部好況を迎えた業者を中心に企業買収など「拡張経営」が拡散している。

 今年の海運業の好況をベースに、最も攻撃的な買収に乗り出した会社は中堅海運業者のセヤン船舶。

 セヤン船舶は今年に入りコンテナ製作会社の(株)チンドを1700億ウォンで、ウバンを3359億ウォンで、セモ遊覧船事業を約100億ウォンで、それぞれ買収した。

 現在、債権者の最終同意だけを残すのみとなったウバンの買収が完了すれば、セヤンはウバンが所有している大邱(テグ)タワーを通じてレジャー分野にまで進出することになる。

 同社のミョン・ジェゴン取締役は7日、「海運業は景気のサイクルがはっきりしているため、このような好況は長くは続かない」とし、「買収を通じた事業部門の拡張で、迫り来るリスクを最低限にとどめなければならない」と語った。

 企業間の買収ブームは、斗山(ドゥサン)重工業が大宇(テウ)総合機械の優先交渉者として選ばれ、買収が有力視されたことでピークを迎えている。STXグループのボムヤン商船の買収も「えびがクジラを飲み込んだ」との点で注目を集めている。

 STXグループ傘下の(株)STX、STX造船(株)、STXエネルギー(株)の3つの系列会社のコンソーシアムは、買収意向を示した国内外の7社の激しい競争に打ち勝って、ボムヤン商船の買収に成功した。

 STXはすでに保有している造船事業とボムヤン商船の海運事業を結合する場合、大きなシナジー効果が得られるとの判断の下、冒険に出たわけだ。ボムヤン商船の買収合戦に参入した錦湖(クムホ)アシアナグループも、海運業への進出をあきらめていない。

 現代(ヒョンデ)自動車グループは自動車の経営実績に支えられ、最近では海運業に目を向けている。

 現代自動車は先月、系列物流会社の(株)グロビスの株式25%をノルウェイの海運業者ウィルヘルムセンに売却した。ウィルヘルムセンは2002年、現代商船が流動性の危機に陥った時、現代商船から自動車運送事業部門を買収した企業。

 当時、ウィルヘルムセンはワレニウスという会社と手を組み、現代商船の自動車運送事業の株式80%を買収した。

 (株)グロビスのハン・ミョンソプ部長は「ウィルヘルムセンは昔、現代自動車の自動車運送事業に携わった経験があることから、グロビスの株式を売却したことは提携関係を結ぶとの意味がある」と話した。

 グロビス側は「現代自動車がその他の海運業者を買収するやり方で海運業に独自的に進出する計画はまだない」とした。

 ロッテグループも最近、サウジアラビアの国有石油会社ARAMCOが所有しているSオイルの株式(35%)を買い入れるとの噂が飛び交っている。

 これに対しSオイル側は今月6日、公示を通じてひとまず否定した。キム・ドンチョルSオイル副社長は「ロッテ側とその他の目的で接触はしたものの何も決まっておらず、ARAMCOの保有株を売却するとの噂は事実と違う」とした。

 Sオイル側はその代わり、自社株を売却する可能性についてほのめかせた。だが、業界ではロッテグループの精油業への参入意欲が大きいだけに買収説は当分の間、続くものとみている。

 テシン経済研究所のヤン・ギョンシク責任研究員は「最近、企業が関連事業部門のシナジー効果を狙い、垂直系列化を追及する傾向が強い」とし、「買収意欲をみせるということは、それだけ積み上げた資金も多いということ」と語った。

外国資本の敵対的買収に「団結して身を守る」企業

2004/12/03 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 尹泳信(ユン・ヨンシン)記者 ysyoon@chosun.com & ハン・ユンジェ記者 yoonjae1@chosun.com

 外国資本による敵対的買収の危険性が高まる中、国内企業がお互いの株式を持ち合うなど、経営権奪取から身を守る一種の「企業防衛同盟」の形成が活発化している。

 このような企業間の連合は、とりわけ国内に経営権を守るための制度的な装置など明確な防御手段のない中、外資系資本の標的となっている企業にとって、大きな自衛策となっている。

 パンテック・アンド・キュリテルは今月2日、1000億ウォンを注ぎ込み、SK(株)の株式144万3001株(1.12%)を買い入れると公示した。

 ソブリン資産運用(株式保有率14.99%)と経営権をめぐり紛争状態にあるSKの肩を持つ形となった。パンテック・アンド・キュリテルは昨年も354億ウォンを投入してSK(株)の株式126万9420株(0.98%)を買い上げ、SKの経営権を守っている。

 携帯電話を生産するパンテック・アンド・キュリテルはこのような支援を通じ主要取引先のSKテレコムとの友好関係をさらに深め、端末機の供給量の増大に期待を寄せている。また、SKの株価が上昇すれば、後々利益にもなる。

 グッドモーニング新韓(シンハン)証券のパク・ドンミョン・アナリストは「お互い企業間で株式を持ち合うのは、取締役会で議決されれば可能となる、比較的簡単な自衛方法で、米国など先進国でも多用されている」とした。

 ノルウェイ系の海運会社Golar LNGから経営権を脅かされている大韓(テハン)海運には、POSCO(ポスコ/旧浦項(ポハン)製鉄)と大宇(テウ)造船がバックアップに回った。

 POSCOは先月23日、大韓海運の株式21万7373株(2.17%)を買い上げることで決定した。POSCO側は「鉄鋼の原材料輸送の27%を依頼している大韓海運の経営権が脅かされる場合、安定した原材料の輸送に支障を来たす恐れがある」と、ホワイトナイトの役目を買って出た。

 大宇造船も先月、大韓海運の株式75万5870株(7.55%)を買い上げた。グリーン火災も大韓海運の無保証のワラント債(BW/新たに発行される株式を買い上げることのできる権利が付与されている特殊債券)を200億ウォン相当、買い上げた。

 大韓海運はその見返りとしてグリーン火災の船舶保険に加入した。

 STXも今年5〜6月、サムヨンの崔平奎(チェ・ピョンギュ)会長が経営権を奪取されそうになった時、エントス情報技術とテルコムに自社株を13.4%売却した。

 大宇証券のソン・ジョンリュルM&Aコンサルティング部長は「とりわけ主要取引先が外資系資本に買収されることで連鎖的に打撃を受ける協力会社は、この先、団結して友好的な勢力を形成するケースが多くなる見通し」と予想した。

船舶輸出が2年連続で世界トップ

2003/01/22 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 宋義達(ソン・ウイダル)記者

 韓国の船舶「輸出1号」は1969年に大韓造船公社が台湾に販売した漁船20隻だった。いずれも250トン級の小型遠洋漁船で、輸出総額は614万ドルだった。

 それから丸28年過ぎた昨年、現代(ヒョンデ)重工業、大宇(テウ)造船、サムスン重工業、韓進(ハンジン)重工業、STXなど国内の造船会社が105億4000万ドル相当の船舶を輸出、世界的な「造船強国」に浮上した。

 韓国の造船業界が世界市場でシェアトップ(2001年)を記録した。昨年の統計はまだまとまっていないが、昨年国内企業が230隻の船舶を受注し、2年連続で世界トップを維持するのは問題ないと、産業資源部は展望している。

 英国のロイズ社が公式に集計した世界造船市場のシェア(受注ベース)によると、韓国は2001年ベースで市場シェアが35%に達し、日本(32%)、欧州(10%)、中国(7%)を抜いて世界トップにランクされた。

 産業資源部のチェ・ジュンヨン資本財産業局長は「造船は半導体、自動車などとともに、1995年以来8年連続で韓国の輸出品目トップ5位内に入る『ドル箱』となった」と語った。

 特に昨年、造船会社の輸入は4億2700万ドルに過ぎず、造船部門でのみ101億ドル以上の貿易黒字を記録した。

 大宇(テウ)造船海洋の李サンウ調査チーム長は「昨年11月、スペイン沿岸で起きたプレスティジュ号沈没事故以来船価格が上昇し、世界海運市況が改善され、今年も造船業界の経営環境は良好だ」としている

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