恐竜戦隊ジュウレンジャー ダイノバックラー
光と音の変身バックルだ!!
「仮面ライダーBLACK RX」が放送終了してから、「仮面ライダークウガ」がスタートするまでの間、変身ベルトを着けたライダーは登場しなかった。
90年代は「変身ベルト氷河期」であったといえよう。
そんな時期にも、ちょっと変わった変身ベルト玩具があった。それが「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の「ダイノバックラー」である。
戦隊シリーズのヒーローは、ブレスレットで変身する事が多い。そんな中で、ベルトで変身するというのはちょっと変わっている。
また、ベルトで変身といっても、仮面ライダーの変身ともちょっと違っている、独特の変身スタイルが斬新だ。
ベルトといっても、ライダーベルトよりもずっと小さい手のひらサイズで、しかも玩具はバックル部分だけでベルトはついておらず、裏側のクリップでズボンやベルトに取り付けるようになっている。デブのわしもこれで安心だ。無改造で楽しめる。
5枚の恐竜メダルがついていて、好きなものをとりつけて遊ぶ。ティラノサウルスのメダルを付ければ「ティラノレンジャー・ゲキ」のバックル、というわけだ。
ダイノバックラーの遊び方は、文章で説明してもわかりにくいので、写真で紹介しよう。
さあ、変身だ!まずグリップを起こして……
身につけている台座からバックルを外す。
外したバックルを手に持って正面に向けて……
スイッチを押すとスライドカバーがバシッと開いて、光る!鳴る!!
例によってバックルが光って鳴るのだが、身に付けたままではなくて、取り外して手に持ってアクションをするところがいかにも戦隊らしい。その辺がライダーとは一味違うところである。
スライドカバーがスプリングアクションでバシッと開くのも楽しい。恐竜が口を開くイメージか、それとも卵が割れて誕生するイメージか?
欲をいえば、メダルがプラスチック製で重量感に欠ける点が残念だ。
やはりこういうものは金属性の重みのあるもののほうがいい。ただし、メダルのレリーフはどれも大変よくできていて、とてもカッコイイ。
メダルといえば、設定上このメダルは変身をスタートさせるキーでもあるわけだし、メダルをはめ込まないと作動しないとか、はめ込むメダルによってそれぞれ違う音が出るとか、そういうギミックを組みこんでくれればもっと楽しかったのに…と思う。
とはいえ、もう十年近く前の商品なのだし、そこまで求めるのは少々贅沢というものか。
もうひとつポイントとなる点は、ギミックを作動させた後は、バックルの裏表を逆にはめ込む事で、ベルトを変身後の状態にできるという事だ。
本編をよくみているとわかるが、戦隊ヒーローは、変身前の状態ではブレスを付けていない事が結構あったりする。ばかでかくてジャマだからなのだろうが、ついさっきまで身に付けていなかったはずなのに、変身する時や通信する時に、急に出てきたりする。仮面ライダーでさえ、ベルトは変身直前に出てくるもので、普段は付けていない。
だが、ジュウレンジャーの5人が普段着ている衣装は一人づつそれぞれ違っているけれども、ベルトにはちゃんと全員が「Z」の紋章が入ったこのバックルを付けている。そして、変身した後の戦闘スーツに付いているベルトは、上の写真のようにメダルの付いた側を表にしてはめ込んだ状態になっているのである。
光って鳴るだけではなく、ベルトだけとはいえ、一応ちゃんとジュウレンジャーに変身出来るようになっているのである。ある意味、ライダーベルトを超えたベルト玩具といってもいいかもしれない。
変身前、変身中、変身後の、全ての状態で常に変身アイテムを身につけているヒーローというのは、意外と少ない。そういう意味でも、ダイノバックラーは珍しい変身アイテムだといえるだろう。