TOPIC No.3-28-3 中国製メラミン混入粉ミルク

01. 中国粉ミルク汚染 YAHOO!ニュ−ス
02. 2008年再び 毒ミルク事件 by Serchina News

中国産チョコ菓子からメラミン 17府県に80万袋

2008/10/04 中国新聞ニュ−ス

 大阪市は三日、食品輸入販売「エヌエスインターナショナル」(大阪市淀川区)が輸入した中国産のチョコレート菓子「チョコピローズ」から有害物質メラミンが検出されたと発表した。健康被害の報告はないという。

 エ社は一月以降だけで七十九万八千袋を輸入、一次販売先は十七府県の十九社に上る。大阪市は食品衛生法違反の疑いがあるとして、同社に回収を指示した。

 市健康福祉局によると、熊本県内の中規模スーパーで市販された商品の検査で、その中の一つから速報値で五四ppmのメラミンが検出され、熊本県から大阪市に情報提供があった。

 商品は中国・上海の工場で製造され、原材料には粉乳や乳製品の「ホエイパウダー」などが含まれている。

 エ社の男性社員は「責任者が不在なので詳細は不明。保健所から指導があり、発表があるということは聞いている。会社としては自主回収する」と話した。

 欧州食品安全機関の基準では、検出されたメラミンの量は、毎日食べ続けても健康に影響がない水準という。

メラミン:EU加盟国に流通の中国製菓子からも検出相次ぐ

2008年10月03日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【ブリュッセル福島良典】オランダ、ベルギーなど欧州連合(EU)加盟諸国に流通する中国製の菓子などから化学物質メラミンが検出されるケースが相次いでいる。オーストリアからの報道によると、EU域内に正規ルートでは輸入されていないはずの中国製乳製品からメラミンが見つかった。いずれも微量で健康に大きな影響はないという。

 オランダ政府は9月30日夜、EUに中国製ビスケットから許容量を超えるメラミンが検出されたと報告。ビスケットは中国食品店で売られていたが、回収されたという。英国でも同じ商品からメラミンが検出された。

 ベルギー政府当局は1日、アジア系商店で売られていた中国製のアメ「ホワイト・ラビット」から許容量の5倍近いメラミンが検出されたと発表した。すでに販売は中止されているが、当局は購入した国民に消費しないよう呼びかけ。ドイツでも同じ商品からメラミンが見つかった。

 また、AFP通信によると、オーストリア保健省報道官は2日、同国南部の中華料理店で中国製ミルクセーキからメラミンが検出されたと述べた。EUは品質管理の不十分さを理由に02年から中国の牛乳・乳製品の輸入を禁じている。欧州委員会報道官は毎日新聞の取材に「中国製乳製品が輸入されていたとすれば違法だ。対応は加盟国が取ることになる」と述べた。

 メラミン汚染の拡大を受け、EUは中国製の粉ミルクを原料とするチョコレートやビスケットなどの加工食品のうち子供向け商品の輸入を全面的に禁止している。

<汚染粉ミルク>メラミン汚染でパニック、謝罪と賠償を要求―台湾

2008年10月02日 EXCITEニュ−ス(Record China)

 2008年9月30日、台湾行政院の劉兆玄(リウ・ジャオシュエン)院長は立法院で答弁し、汚染粉ミルク事件は「台湾にパニックをもたらした」として中国に謝罪と賠償を要求することを明らかにした。10月1日、台海網が伝えた。

 中国の粉ミルクがメラミンに汚染されていた問題は世界各地に波及しているが、台湾では大手ピザチェーン店の粉チーズ、菓子、乳製品への混入が発覚。先月25日には林芳郁(リィン・ファンユー)衛生署長(衛生相に相当)が辞任する騒ぎとなった。

 劉院長は「事件の発端となった三鹿集団は謝罪したが、中国政府にも謝罪を求める」ことを明言した。また「メラミン混入食品の回収、廃棄に伴う損失70〜80 億台湾ドル(約231〜264億円)に加え、関連メーカーの賠償を求めることになる。現在は損失額の確定作業中で、汚染源の出所など確かな証拠をそろえることが必要になる」と話した。(翻訳・編集/KT)

一般粉ミルクにもメラミン 中国、汚染対象が拡大

2008年10月01日 中国新聞ニュ−ス

 【北京1日共同】1日の中国中央テレビによると、中国で食品安全を監督する国家品質監督検査検疫総局が乳幼児用以外の一般粉ミルク製品についてサンプル検査した結果、20社の製品から有害物質メラミンが検出されたことが分かった。

 乳幼児用粉ミルク、牛乳に続いて妊婦や老人、小中学生らが主に利用する一般粉ミルクにも汚染範囲が拡大した。

 同総局によると、一般粉ミルクを生産するメーカーは全国に約290社あり、このうち154社の製品を検査したところ、20社の製品からメラミンを検出。腎臓結石などの健康被害を引き起こした乳児用粉ミルクで問題となった三鹿集団(河北省石家荘市)と、その系列企業に集中しているという。

 最も濃度が高かったのは、やはり三鹿集団の製品で、1キロ当たり6197ミリグラムと、乳幼児用粉ミルクで最も濃度が高かった同社製品の2563ミリグラムを大幅に上回っていた。メラミンが検出された製品は既に回収したという。

中国産乳製品、30カ国以上が禁輸などの措置

2008/09/26 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

北朝鮮へ支援した脱脂粉乳300トンも汚染

 中国を発生源とする粉ミルク汚染の恐怖が、アジアからオセアニア、アフリカ、さらには欧州へと、全世界に広がっている。有毒化学物質のメラミンが、一部の粉ミルクや乳製品はもとより、アイスクリームやチョコレート、キャンデー、ミルクコーヒー、菓子、ケーキといった加工食品からも検出されたことで、輸入禁止やリコール、検疫の強化といった措置を講じた国は30カ国以上に上っている。

 香港紙・明報は25日、「これまで、問題になった製品のみを回収してきた台湾が、メラミンの検出の有無とは関係なく、中国産のすべての乳製品の輸入禁止に踏み切った」と報じた。

 これまでに、台湾、インドネシア、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、ミャンマー、フィリピン、ブルネイ、カンボジア、ケニア、タンザニア、ブルンジ、ガボンなどが中国産の乳製品の輸入や販売を禁止し、また日本、インド、ベトナム、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、欧州連合(EU)などは、問題になった中国製品のみを回収したり、検疫を強化している。

 さらに、「メラミン入り粉ミルク」に続き、たんぱく質の含有量が不足した粉ミルクも、中国で大量に発見された。

 一方、国連世界食糧計画(WFP)が今年1月、北朝鮮に支援した中国産の脱脂粉乳300トンが、栄養補助食品や麺類などに加工され、北朝鮮の子どもや妊婦などに供給されていたことが確認され、WFPが現地調査に着手した、と米国の「自由アジア放送(RFA)」が25日報じた。

報告遅れで事態悪化と指摘 WHO、粉ミルク汚染で

2008年09月26日  中国新聞ニュ−ス

 【北京26日共同】世界保健機関(WHO)のトレッドソン駐中国代表は26日、北京で記者会見し、粉ミルクが有害物質メラミンで汚染された事件について、「いくつもの報告遅れが事態悪化を招いた」と指摘した。

 代表は「報告遅れは、故意の情報隠しや反応の鈍さなどが組み合わさってもたらされた。速やかに情報が公開されていれば、このような被害の規模に至らなかった」と述べ、当局や企業の対応を批判した。

 代表はまた、中国政府内で食品安全を管轄する部門が複数に分かれているのが問題だとも指摘。今後の見通しについては「重症患者は必要な治療を受けており、今後、死者数が大きく増えることはないだろう」との見方を示した。

 一方、WHO本部の食品安全担当幹部は「メラミンは微量であれば摂取しても問題ない」と過度な懸念を戒める一方で、乳児の場合は注意が必要だと述べた。

ピザ用粉チーズからメラミン検出 中国製、台湾で回収

2008年09月26日  中国新聞ニュ−ス

 【台北26日共同】台湾で宅配ピザ「ピザハット」を運営する食品メーカー「富利食品」は26日、中国から輸入した粉チーズに台湾政府が定める基準値を超える有害物質メラミンが含まれていたとして回収作業を始めたことを明らかにした。

 同社によると、問題のチーズはテイクアウトや宅配用のピザに振り掛け用として付いている。1袋2グラムで同社は8月22日に400キロを輸入。既に130キロ、6万5000袋分は市場に流れているため、同社は消費者に粉チーズを破棄するよう呼び掛けた。残っている270キロを回収するという。

 店内で食べるのに使っている粉チーズは別の製品で問題がないとしている。

 また、中国製品からの相次ぐメラミン検出を受け、対中国交流窓口機関、海峡交流基金会は26日、食品衛生部門の担当者ら7人が27日から北京入りし、29日まで中国側の検査状況を調べると発表した。

丸大の4商品と牛乳にメラミン 国内で混入確認は初

2008年09月26日  中国新聞ニュ−ス

 丸大食品(大阪府高槻市)が販売していた、中国製牛乳を原料とする一般消費者向けの菓子、総菜5商品のうち3商品と、業務用菓子1商品、原料の牛乳から有害物質メラミンが検出されたことが26日、分かった。高槻市保健所と丸大が発表した。国内でメラミン混入が確認されたのは初めて。

 中国で粉ミルクなどにメラミンが混入した影響はアジア各国に拡大。日本でも食品から検出されたことで、多くの消費者が有害物質を摂取したのは確実。政府やメーカーの早急な安全対策が求められる。

 検出されたのは、高槻市保健所の検査では総菜の「グラタンクレープコーン」と、一般消費者向け菓子の「クリームパンダ」「抹茶あずきミルクまん」、業務用「クリームパンダ」の4商品。うち最も多く検出されたのは一般向け菓子のクリームパンダで、1キログラム中に37ミリグラムのメラミンが含まれていた。

 丸大の検査では、グラタンクレープコーンと、中国で検査した牛乳3検体のうちの2検体から検出された。

 丸大は、スーパーの店頭など一般向けに約31万7000袋、病院給食などの業務用に約3万5000袋を出荷。賞味期限内の商品は回収をほぼ終えており、これまでに健康被害の報告はないとしている。

 検査対象のうち、「角煮パオ」「もっちり肉まん」からは検出されなかった。

<中国メラミン乳>粉ミルクから「乳児に致命性菌」検出

2008.09.24 中央日報 Joins.com

有害物質メラミンの混入で問題となっている中国の大手乳製品メーカー「三鹿集団」(河北省石家荘市)の粉ミルクから、今回は乳幼児に致命的で有害な細菌エンテロバクター・サカザキが検出された。

23日付の中国甘粛省の地元紙・蘭州日報(電子版)は「乳製品のメラミン汚染が発覚した中国の乳製品メーカー、三鹿集団が製造する粉ミルクのブランド“彗幼2段階”から、エンテロバクター・サガザキが検出されたことを甘粛省品質技術監督局が確認した」と報じた。

エンテロバクター・サカザキという細菌は腸内細菌の一種で、新生児と乳児に致命的な髄膜(ずいまく)炎、敗血症、発作、壊死性腸炎などを引き起こすと推定されている。ただ発生の頻度は高くなく、健康な成人にはほとんど影響を及ぼさないとされる。

メラミン混入の粉ミルクが摘発された三鹿集団の製品からエンテロバクター・サガサキまで検出されたことにより、中国の乳製品業界と政府のずさんな管理システムが指摘されている。中国の孫政才農業相は23日「原乳の生産段階で、政府による管理は事実上空白の状態にあった」とし、管理が不十分だった点を認めた。続いて「今後すべての牛乳保存倉庫を政府に登録させ、徹底的に監督する」と明言した。

◇当局、五輪を意識して1カ月以上をも隠蔽=中国官営新華社通信は22日「政府が公式に調べたところ、三鹿集団はすでに昨年12月、自社の粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石にかかったという抗議を受けていたが、何の措置も取らなかった」と報じた。

同通信によると、三鹿集団は6カ月後の今年6月になって調査に乗り出し、粉ミルクにメラミンが入っている事実を把握した。三鹿集団は2カ月後の8月2日、本社の所在地の石家庄市当局にこれを報告した。

しかし市当局は1カ月以上が過ぎた今月9日、上部機関の河北省政府と国務院関係省庁にこの事実を報告した。石家市当局がメラミン検出の事実を1カ月以上も隠蔽したのは五輪の開幕(8月8日)を控えていた時点に同事件を公開すれば、中国のイメージダウンが懸念されると判断したためとみられる。こうした過程で5万3000人を上回る乳幼児が腎臓結石などになり、4人が死亡する事態が続いた。

一方、温家宝中国首相は22日、中国の乳製品業界に対し「良心もない」と強く叱責し、「その企業は決して許さない」と宣言した。

ベトナムも汚染牛乳輸入 ホーチミン市で検出

2008年09月23日  中国新聞ニュ−ス

 【ハノイ23日共同】ベトナム南部ホーチミン市で、中国の乳製品大手、伊利から輸入された牛乳のサンプルテストで、有害物質メラミンが検出されていたことが23日、分かった。国営メディアが報じた。

 輸入元のキム・アン社は「外部の検査に出した結果、伊利の牛乳はメラミンを含んでいたが、低いレベルだった」と説明。一方、市当局は公的機関によらない検査結果は認められないとして、同日までに18トンの牛乳を押収した。

 ベトナム政府は全国で、問題の中国製粉ミルクなどの調査に乗り出している。

中国の毒粉ミルク被害、5万4000人に

2008/09/23 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 北京=李明振(イ・ミョンジン)記者

 中国で有毒化学物質のメラミンが含まれる乳製品による被害者が5万4000人を超え、被害規模は雪だるま式に膨らんでいる。

 22日の新華社電によると、中国衛生省は21日午前現在で乳幼児4人が死亡し、なおも1万2892人が入院治療を受けていることを明らかにした。1579人は入院後に退院。病院で簡単な治療を受けて回復した乳幼児は3万9965人に上った。入院患者のうち104人は重症。

 中国政府は22日、品質管理や検査を担当する国家質量監督検験検疫総局の李長柄局長(閣僚級)を更迭し、後任に王勇・国務院副秘書長を充てた。温家宝首相は21日、北京の小児科病院を訪問し、「政府の責任者として非常に恥ずかしい。このようなことが再発しないようにする」と謝罪した。

 台湾では中国製の輸入原料を使ったコーヒーとミルクティー、シンガポールではあめからメラミンがそれぞれ検出され、加工食品のメラミン汚染も拡大している。

中国、粉ミルクで検疫総局長更迭 対応遅れで責任

2008年09月22日  中国新聞ニュ−ス

 【北京22日共同】粉ミルクに有害物質メラミンが混入、乳幼児5人の死亡が伝えられ、腎臓結石などの患者数も5万人を超えた事件を受け、中国政府は食品の安全問題を担当している国家品質監督検査検疫総局の李長江総局長(閣僚級)を更迭した。新華社が22日伝えた。

 検疫総局には6月に問題の粉ミルクが疑わしいとの情報が寄せられていながら対応が遅れたため、監督責任を取らせたとみられる。後任には国務院(政府)の王勇副秘書長を任命した。

 また、汚染された粉ミルクを製造したメーカー、三鹿集団(河北省石家荘市)の地元の河北省共産党委員会は22日、石家荘市トップの呉顕国市党委員会書記の解任を決定。同市では、市長らも解任されている。

 温家宝首相は21日、北京市内の病院で被害者の乳幼児らを見舞い、「今回の事件では政府の監督の努力不足が明るみに出た」と政府の責任を認めた上で、「一部の企業では職業道徳が欠如している」と批判した。

中国汚染ミルク 香港、台湾、シンガポールでも

2008年09月22日 asahi.com

 【香港=奥寺淳、シンガポール=杉井昭仁】中国製の牛乳や乳製品が化学物質メラミンに汚染されていた問題は21日、香港や台湾、シンガポールにも相次いで飛び火した。香港では世界最大手の食品メーカー、ネスレ(スイス)の中国製牛乳からメラミンが検出され、政府機関がネスレに製品回収を求めている。被害はさらに拡大する勢いだ。

 香港でメラミンが検出されたのは、中国山東省青島で製造された業務用の「ネスレ・デイリー・ファーム・ピュア・ミルク」(1リットル)。香港政府の食品安全センターによると、メラミンの濃度は1・4ppmで「通常に飲む程度なら健康に影響はないが、子供には飲ませない方がいい」(同センター)としている。

 また、香港の大手スーパー各社は、ネスレの中国産粉ミルクも撤去を始めた。香港紙・蘋果日報が乳製品の調査を検査機関に独自に依頼した結果、黒竜江省製のネスレの粉ミルク(900グラム缶)からメラミンが検出されたと21日付で報じたため。濃度は0・6ppmと微量だったという。

 これに対し、ネスレは「どの製品もメラミンに汚染されていない自信がある。中国の農家とも緊密な関係を築き、牛乳の質の向上を指導している」と発表し、報道の根拠はあいまいだと批判した。

 一方、台湾の衛生当局は21日、粉ミルクなどすべての中国産の乳製品の輸入を全面的に禁止すると発表し、即日実施した。飲料メーカー「金車」がインスタントコーヒーに使っていた中国産原材料から微量のメラミンが検出されたといい、同社も製品の回収を始めた。

 シンガポールの農業・食品・獣医庁も、中国製の「ホワイト・ラビット・クリーミー・キャンディー(大白兔乳糖)」からメラミンを検出。中国製の牛乳と乳製品、中国製牛乳を原材料に含む菓子類の輸入・販売を全面禁止し、地元食品メーカーにも使わないよう命じた。

<WorldNow>外国産牛乳を買い求める中国人たち

2008.09.21 Joins.com/北京=チン・セグン特派員中央日報

北京東のメイン・ストリート亮馬橋路。韓国、米国、イスラエル、マレーシア大使館と上海協力機構(SCO)事務局が位置する通りだ。そのため外国人が多く、近くの商店は主に輸入ワインや菓子、乳製品などを販売している。

普段はここの商店街は閑散としている。何人かの外国人が訪れるぐらいでおおむね静かな雰囲気だった。

しかし国家質量検事局が18日「一部の牛乳からもメラミンが少量検出された」と発表するとたちまち変わった。

19日午前、亮馬橋路近くのあるスーパーマーケット。レジの前に中国人の客が長く並んだ。皆、牛乳やチーズ、バターなどをいっぱい抱えている。ある中国人客に「普段もここで買い物をするのか」と尋ねると、この男は「今日がはじめてだ」と答えた。中国産乳製品、特に牛乳が信じられないから仕方なく輸入乳製品を買おうとここを訪れたというのだ。

国家質量局は「体重60キロの大人を基準に1日2リットル以上飲まなければメラミンが含有されたとわかった中国産牛乳を飲んでも問題はない」と説明したが、一般人たちは全く安心しない様子だ。

商店で会った女性は「メラミンが入っているという事実そのものが問題。今すぐ問題はないからといって有毒物質が入った牛乳を飲むようなばかな人が一体どこにいるというのか」と興奮した。

普段、朝食として牛乳を飲んで出勤するというあるタクシー運転手は「メラミンが含まれた乳製品が発見されたというよりこの問題を2カ月以上隠していたという事実の方が腹立たしい」とし「法が強化されれば終わる問題ではなく、政府と企業を相手取って損害賠償訴訟を申し立てるなど集団的に対応する必要がある」と話した。

こうした牛乳の事件を聞いた西側外交官は「もう中国で何を食べればいいのかため息が出るばかりだ」と困り果てた顔をした。

毒粉ミルク問題、21企業が消費者に対して賠償・疾患への責任を認める

2008年09月21日掲載  Explore 上海

 新華社の報道によると、今回中国各地で発生したメラミン毒粉ミルク問題に関して、製造に関連した21の企業は、国家質検総局に対して、国家基準に基づく賠償、被害患者に対しての責任を負うことを認めた。

 また、今後は検査態勢を強化し、メラミンなど有害物質が製品に混入されないように管理を徹底すること承諾した。

世界最大手のネスレ牛乳からもメラミン検出…香港政府発表

2008年09月21日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【香港=吉田健一】中国での有害物質メラミンによるミルク汚染事件で、香港政府は21日夜、スイスの世界最大手の食品・飲料メーカー「ネスレ」(中国名・雀巣)が中国で製造し、香港でも流通している牛乳からメラミンが検出されたと発表した。

 通常の飲用では健康に重大な影響はない軽度の汚染だが、香港政府はこの牛乳の販売停止と回収を飲食業界に要請するとともに、「小さな子供には飲ませないように」と警告している。

 発表によると、メラミンが検出されたのは、山東省青島にある「青島雀巣有限公司」が製造した牛乳(1リットルパック)。この牛乳を体重7・5キロ・グラムの1歳の子供が1日3・38リットル飲めば、米食品医薬品局(FDA)の安全基準値を上回ることになるという。

丸大食品、病院など3千施設に納入 メラミン混入の恐れ

2008/09/21 中国新聞ニュ−ス

 丸大食品(大阪府高槻市)が有害物質メラミン混入の恐れがある五商品の自主回収を始めた問題で、回収対象の菓子約三万袋(約三十万個)が給食大手の日清医療食品(東京)を通じ、全都道府県の病院や老人保健施設など計三千五十四施設に納入されていたことが二十一日、分かった。

 中国で死者まで出したメラミン混入事件の影響が日本でさらに拡大した。

 日清医療食品によると、五商品のうちの一つの菓子「クリームパンダ」で、一袋に十個入った業務用。七月から九月二十日までに合計三十万千五百四十個(三万百五十四袋)をデザートとして納入し、大半が既に食べられたとみられる。健康被害の報告はないという。

中国粉ミルク汚染:メラミン検査義務化を通知−−厚労省

2008年09月21日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 中国で製造された牛乳に化学物質メラミンが混入していた問題を受け、厚生労働省は20日、全国の検疫所と輸入業者に対し、中国製の牛乳を使ったすべての食品を輸入する際、メラミン混入の検査を義務付ける通知を出した。また流通している食品も点検し、結果を報告するよう求めた。メラミンには農薬のような残留基準がなく、これまで検査されていなかった。

 厚労省によると、ここ1年間の中国からの牛乳・乳製品の輸入は216トン。菓子(冷凍も含む)の輸入は8万7356トンあるが、乳製品を含むものがどの程度あるかは不明という。また菓子以外で、原料に牛乳が使われている食品もある。

 一方、農林水産省も20日、伊利集団の牛乳を使った商品がないか、各食品メーカーに点検を指示した。【清水健二】

業界に自主チェック要請 メラニン混入、厚労省が監視強化

2008/09/21 中国新聞ニュ−ス

 丸大食品がメラミン混入の疑いがある商品の回収を決めたのを受け、厚生労働省は二十日、全国の検疫所に中国製加工食品の検査強化を指示、菓子などの食品団体に自主検査を実施するよう指導した。食品団体を通じ、加工食品の輸入企業に対しても点検を指導。混入が確認された場合は、自主回収などを呼び掛けるという。

 農林水産省も同日、食品メーカーや流通業界団体を通じ、メラミンが検出された中国メーカーとの取引状況について早急に確認するよう求めた。

 中国企業の公表を受け、日本政府は今月十二日、中国からの乳製品の輸入手続きを保留していたが、加工食品の材料として使われる場合はその対象外になっていた。二十日から、乳製品が材料として使われた中国製加工食品もメラミンの有無を検査し、安全性を確認した上で輸入を認めるという。

 厚労省によると、過去一年間の中国製乳製品の輸入実績は約二百十六トン。輸入量はオーストラリアやニュージーランドに比べると、全体に占める割合は低い。いずれもマーガリンの原料となる乳脂肪調整品だったが、中国国内で問題となったメーカーの乳製品は使っていなかった。

 ほかに、乳製品が使われた疑いがある菓子類は約三千三百二十二トン、冷凍食品は八万四千三十四トンに上る。輸入加工食品の材料として使われている場合、中国産が含まれているかどうかは分かるが、含有量の統計調査はないという。

 中国製品のメラミン混入をめぐっては、米国で昨年、中国が輸出した小麦グルテンを原料に使ったペットフードを食べた犬や猫が相次いで死ぬ問題が表面化。厚労省は今年四月、中国産のコメや小麦を原料とするタンパクなどの検査を強化するよう業者に指導していた。

菓子にメラミン混入の恐れ 丸大食品、5商品を回収

2008/09/21 中国新聞ニュ−ス

 丸大食品(大阪府高槻市)は二十日、同社の「抹茶あずきミルクまん」など菓子や総菜の五商品に、有害物質メラミンが混入している恐れがあるとして、商品の自主回収を始めたと発表した。メラミン混入の牛乳を製造し、中国国内で死者まで出した現地の大手乳製品メーカー「伊利集団」から牛乳を購入、商品に使っていたことが分かった。

 大手のジャスコやイトーヨーカ堂などスーパー各社はこの日、該当商品を全国の店舗から撤去した。厚生労働省は各地の検疫所に中国製加工食品の検査強化を指示、農林水産省も食品メーカーなどに取引状況の確認を要請した。メラミン混入事件は中国から日本へ波及。冷凍ギョーザに続き、中国製食品の安全性に対する不安が広がりそうだ。

 丸大食品によると、商品は合計約二千八百袋を全国に出荷し、多くは既に消費されたとみられるが、これまでに健康被害の報告はないという。丸大は「使っている牛乳の量が少なく、もしメラミンが混入していたとしても健康に影響はない」としている。

 回収対象は他に「クリームパンダ」「グラタンクレープコーン」「角煮パオ」「もっちり肉まん」。全商品とも四―八月の間に出荷していた。

 丸大は二十日、高槻市保健所にメラミン混入の可能性を通報。在庫を日中両国の検査機関に提出し、混入の有無を調べている。結果は二十五日以降に分かる見込みだ。

 中国での事件を受けて丸大が調査し、伊利集団の牛乳を使用していることが分かった。

 牛乳は住友商事の現地子会社の仲介で、丸大の中国子会社が伊利集団から購入、加工食品三種類を製造した。残りの二つは、住金物産が現地企業に作らせ、丸大に納入していた。

 問い合わせは丸大のお客さま相談室、フリーダイヤル(0120)338845。

中国産乳製品を輸入禁止 シンガポール

2008.09.20 MSN産経新聞

 シンガポールの食品当局は19日、中国産の牛乳と乳製品について輸入と販売を全面禁止した。小売業者に回収を、食品メーカーには使用差し止めを指示した。

 同当局の検査で、中国の乳製品大手、伊利のアイスキャンデーなどから有機化合物メラミンが検出されたことを受けた予防措置という。

 消費者には中国産の牛乳と乳製品を口にしないよう勧告している。(共同)

バングラなど5カ国に輸出 中国の汚染ミルクメーカー

2008.09.20 MSN産経新聞

 世界保健機関(WHO)は19日、有機化合物メラミンで汚染された粉ミルクを製造した中国企業22社のうち2社がバングラデシュ、ブルンジ、ミャンマー、ガボン、イエメンの5カ国に製品を輸出していたことを明らかにした。

 現時点では、輸出品の汚染は確認されていないが、WHOは加盟国間の食の安全に関するネットワークを通じて5カ国に警告を発した。WHOによると、中国当局は2社に対し、5カ国への輸出品についても回収命令を出したという。

 WHO報道官は、中国当局からの情報提供に遅れはみられず「これまでのところ(国際的な情報共有は)順調に機能している」と話した。(共同)

【前田徹の上海的故事】(23)メラミン混入粉ミルク

2008/09/19 FujiSankei Business i.

 ■増産至上命令が招いた悲劇

 中国製ギョーザ中毒事件について、「それって何のこと」とか「日本で農薬が混入されたんですってね」という冷たい答えしか上海の街では返ってこない。ギョーザ中毒事件について中国メディアやネット情報が報じることはまずなく、「汚染源はやはり中国だった」ということがわかった後も報じられることはない。

 つまり、「しょせんは日本の出来事」という無関心さが背景にあったわけだが、そんなことは言ってられない事態が起きた。

 メラミン混入粉ミルク事件がそれだ。河北省石家荘にある中国最大の粉ミルクメーカー、「三鹿」製造の粉ミルクを飲んだ乳児が腎臓結石を起こし、2人が死亡したと9月11日に突然、公表された。17日付の上海紙、東方早報などによると、その後の調べでメラミン混入ミルクは実は「三鹿」に限らず、大手国有系牛乳メーカー22社でも製造されており、被害は中国全土に広がっていた。

 おそらくメラミン汚染は牛乳メーカーにとって必要悪に近いものだったのだろう。中国ではここ数年、食生活の西洋化などから乳製品の需要が急増している。だが、その原料である乳原料の生産が間に合わない状態が続き、また、世界的な飼料高騰もあってコスト下げを狙って乳原料に水を混ぜる慣習ができたという。

 問題なのは、水っぽさを補うためにタンパク質の含有量を増やすメラミンが添加されるようになったことだ。最初は尿素や水酸化ナトリウムを添加していたが、異臭がするためにメラミンに切り替えられた。

 だが、そのメラミンはメラミン樹脂の主原料である工業用化合物で、人体に入ると腎臓結石を促す作用がある。昨年、米国とカナダに中国から輸出されたペットフードにもタンパク質増を目的に添加され、数百匹のペットが腎機能異変で死んでしまった。

 それでもメラミン混入をやめられなかったのは牛乳増産の至上命令があったからではなかろうか。

 温家宝首相は重慶にある乳原料生産地を訪ねたさい次のようなことを話し喝采(かっさい)を浴びたことがある。

 「私には夢がある。中国のすべての子供たちが毎日500グラムの牛乳が飲めるときがやって来ることを」

 かつて毛沢東は農工業大増産を目指す大躍進を号令したことがある。その無理な政策は大失敗し、2000万人の飢餓者を出したといわれている。もちろんそれと比較できないが、牛乳増産がメラミン汚染の背景にあったのは間違いないのではないか。 (産経新聞上海支局長)

中国:牛乳からもメラミン 汚染粉ミルク…集団訴訟を準備

2008年09月19日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【北京・浦松丈二】中国の大手乳製品メーカー「三鹿集団」(本社・河北省石家荘市)が製造した粉ミルクに有機化合物メラミンが混入し、乳幼児が腎臓結石などにかかった事件で、新疆ウイグル自治区政府は18日、同自治区で乳児1人が死亡したと発表した。これまで甘粛省2人、浙江省1人が死亡しており、死者は計4人となった。

 事件では三鹿集団のほか全国21社の粉ミルクからもメラミンが検出され、中国全土で6200人以上の健康被害が報告されている。中国中央テレビは同日、大手乳業メーカー3社の牛乳からもメラミンが検出されたと報じた。

 中国国民の「食の安全」への不信感が強まる中で18日、今回の事件の被害者や弁護士が、製造業者と政府機関を相手取った集団訴訟を準備していることが分かった。中国で政府と大手企業を相手取った集団訴訟は、極めて異例。既に中国14省市の弁護士31人による被害者弁護団が結成されている。

 中心メンバーの弁護士は毎日新聞の取材に「個人で訴えても勝訴できる可能性が低く、集団訴訟が最良の方法。業者だけでなく、政府機関に違法行為があれば一括して責任を問いたい」と語った。

 中国では近年、環境汚染や強制立ち退きをめぐる行政訴訟が増加しているが、住民側が勝訴することは極めてまれだ。準備段階で、原告側が当局から訴訟を起こさないよう強い圧力を受けることもあるといわれる。一方で、公正な裁判を通じた消費者保護の必要性が指摘されている。

上海市、3歳児以下には無料で検尿、有害粉ミルク事件受けて

2008年09月19日掲載 Explore 上海

 上海市では、2005年9月1日以降(3歳以下)に生まれた子供を対象に、無料で尿検査をする方針を発表した。メラミン含有の有害粉ミルクを使用してた乳幼児に、腎臓結石が急増しているのを受けての処置。また、現在上海市内の病院では、子供にエコーを受けさせる親が急増している。

 また、各区では「粉ミルク患者外来」を設置して、専門的に治療するシステムを立ち上げている。また、腎臓結石の症状のある子供に対しては、各区の中心医院、上海児童医院、上海児科医院、上海児童医学中心、新華医院での検査を受けるように呼びかけている。

 上海市では17日現在、100人の乳幼児の結石患者が確認され、6人が入院している。

中国、これまでに約1200トンの粉ミルクを回収

2008年09月19日掲載 Explore 上海

 中国国家工商行政管理総局によると、9月18日までに回収されたメラミン含有の有害粉ミルクは、全部で1197.8トンになることが明らかにされた。また、回収した小売り業者はのべ81.8万件になるという。

 国家工商行政管理総局では、小売店経営者に対して、メラミン含有粉ミルクの即時販売停止と、市場への流入を禁止し、メーカーに対しても回収された粉ミルクが市場に出回らないように監督強化を訴えた。

ヨーグルトもメラミン汚染、中国の粉ミルク死者は5人に

2008年09月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=牧野田亨】中国で有害物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎結石になった事件で、中国国家品質監督検査検疫総局は19日、乳製品メーカー大手の「蒙牛」「伊利」「光明」の3社について、牛乳に加え、ヨーグルト製品からもメラミンが検出されていたことを明らかにした。

 3社は牛乳同様、自主回収を始めた。在北京日本大使館によると、日本にはどちらも輸出されていないという。

 また、江西省のニュースサイト「大江網」は同日、同省で7月に男児1人が腎結石で死亡していたと伝えた。新疆ウイグル自治区でも1人の死亡が確認され、死者数は計5人になった。

 同サイトによると、江西省の死者は生後6か月で、「三鹿集団」(河北省石家荘市)が製造・販売した汚染粉ミルクを飲んでいた。被害が拡大している現状を受け、北京、河南など23省・市の弁護士73人が弁護団を結成、訴訟を視野に被害者からの相談受け付けを始めた。

 ◆輸入粉ミルク求め香港へ◆

 中国での有害物質メラミンによる粉ミルク汚染事件を受け、香港に外国製粉ミルクを買い出しに来る中国本土の住民が急増、香港の一部小売店では輸入粉ミルクの販売制限も始まった。

 香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストなどによると、中国との境界に近い上水地区では、事件発覚後、輸入粉ミルクの買いだめをしようとする中国人客が急増。小売店側は、香港人客への供給確保のため、中国人客に対し、1人あたり2〜4缶に販売を制限した。日本製粉ミルクを扱うネットショップも人気の的。中国内から注文が相次ぎ、1週間で売り上げが3倍に跳ね上がった店もあるという。(香港支局 吉田健一)

中国で牛乳からも有害物質メラミン、大手3社が自主回収へ

2008年09月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=牧野田亨】中国中央テレビは18日、有害物質メラミンによる粉ミルク汚染事件を受け、中国政府が全乳製品を対象に実施している品質検査で、国内大手メーカーの「蒙牛」「伊利」「光明」の3社が製造、販売する牛乳からもメラミンが検出されたと伝えた。

 粉ミルク以外の乳製品から検出されたのは初めて。

 同テレビは「検出量は微量で健康に大きな影響はない」としているが、中国政府は3社に対し、自主回収を指示した。

 一方、乳幼児が腎結石になった事件では、18日付の中国紙「新京報」が河北省の楊崇勇副省長の話として、同省石家荘市が市内の乳製品メーカー「三鹿集団」から8月2日に粉ミルク汚染の報告を受けながら、今月9日まで省に報告しなかったと伝えた。楊副省長は市の対応について「企業と癒着がなかったかどうか調査中だ」と語った。

 また、楊副省長は中国紙「21世紀経済報道」の取材に対し、牛乳にメラミンを混入してたんぱく質含有量を高める手口が2005年4月から行われていたことを明らかにした。中国外務省の姜瑜・副報道局長は18日の定例記者会見で、国内2社が汚染粉ミルクをミャンマーなど5か国に輸出しており、回収を指示したことを明らかにした。

メラミン混入、3年前から=牛乳仲買業者が不正−中国・汚染粉ミルク

2008/09/18 時事ドットコム

 【北京18日時事】中国で汚染粉ミルクによる乳児の腎結石が最初に判明した乳製品メーカー「三鹿集団」(河北省石家荘市)の事件で、同省の楊崇勇副省長は17日、水で薄めた牛乳に有害物質メラミンを混ぜてたんぱく質含有量を高める不正が2005年4月から行われていたことを明らかにした。18日付の中国紙・21世紀経済報道が伝えた。

 楊副省長は「不正の張本人は酪農家から牛乳を買い集めて、乳製品メーカーに売る業者。酪農家はむしろ被害者だ」と指摘。逮捕された容疑者の供述によると、メラミンは水に少ししか溶けないが、牛乳の温度を上げて、クエン酸ナトリウムや油などを加えることによって、メラミンを大量に混入していたという。

 同省公安庁は酪農家、仲買業者、乳製品メーカーすべてを対象にメラミンなどの有害物質がないか調査を開始。有害物質を違法に取引する業者やインターネットのサイトの取り締まりも始めた。

中国の粉ミルク汚染死者4人に 逮捕者は18人

2008年09月18日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京18日共同】中国で有害物質メラミンが粉ミルクに混入され乳幼児が腎臓結石などにかかった事件で、中国新疆ウイグル自治区政府は18日、同自治区で1人が死亡したと発表した。事件の死者は4人となった。これまでの死者は甘粛省2人、浙江省1人で、地域的に被害が拡大した。

 一方、新華社電によると、河北省石家荘市は同日、警察当局が新たに12人を逮捕したと発表。逮捕者は計18人となった。

 逮捕された18人はいずれも石家荘市在住。6人はメラミンを牛乳業者に販売し、残る12人はメラミンを混入させた牛乳を粉ミルクメーカー三鹿集団(石家荘市)に出荷した疑い。警察当局は、このほか28人を拘束して取り調べている。

 18日付の中国紙、新京報は「粉ミルクへのメラミン混入は一時的な事件ではなく、業界内で“暗黙のルール”になっていた」との分析記事を掲載した。

最大手の乳製品から毒物 五輪、パラリンも納入

2008/09/17 Serchina

 河北省石家荘市の食品メーカー、三鹿集団が製造した粉ミルクによる健康被害が出た事件に絡み、中国国家質検総局が調べたところ、17日までに、中国乳業最大手の伊利、蒙牛、光明の製品からも毒物のメラミンが検出された。同局は、製品の早期回収を指示するとともに、係官を各社に急派して監視を強化する方針を明らかにした。17日付香港紙・明報が伝えた。

 中国中央テレビ局の報道によると、同局が全国の乳業メーカー109社の製品491種類を調べたところ、22社の69種類からメラミンが検出された。中国には粉ミルクのメーカーが175社あったが、66社が検査前に製造を中止した。

 22社中には中国のトップメーカーも含まれており、うち伊利集団が製造した乳性飲料は今年開催の北京五輪と北京パラリンピックにも納入された。中央テレビ局は「五輪とパラリンピックの製品には問題がない」と報じた。

健康志向で躍進、裏で汚染ミルク=五輪CM・人気番組も−中国乳製品大手

2008/09/17 時事ドットコム

 【北京17日時事】乳児の腎臓結石の原因となった有害物質メラミンが粉ミルクから検出されたとして、中国政府が16日に公表した乳製品メーカー22社の中には「伊利実業集団」や「蒙牛乳業集団」(ともに内モンゴル自治区)という業界大手も含まれた。国民の健康志向を背景に、五輪選手を起用した派手なコマーシャルや人気番組のスポンサーで売り上げを伸ばしたその裏で、有害物質で汚染された原材料を使うというずさんな生産実態が浮き彫りになった形だ。

 中国では国民の生活が豊かになるにつれ、食生活が西洋化し、牛乳や乳製品が食卓に上るようになった。過去10年間、乳業の生産額は年20%の高い伸びを示しており、今後10年間も6〜10%で成長する見通し。

毒物混入ミルク事件で、製造元が記者会見で謝罪

2008/09/16 Serchina

 15日付中国新聞社電によると、河北省政府が同日午後に行なった「毒物のメラミン混入ミルク事件」に関する記者会見で、出席した製造元の石家荘三鹿集団の張振嶺副総裁が謝罪した。

 同事件では、15日午前までに同社製粉ミルクを使用した乳幼児ら1253人が腎臓結石などを発症。2人が死亡し53人が重症という。同日には、たんぱく質含有量を多く見せかけるために、三鹿集団に納入する原乳にメラミンを混入したとして、容疑者2人が逮捕された。

 三鹿集団の張副総裁は、社会各界と広範な消費者に真剣にお詫びすると述べ、問題がある8月6日までに出荷された製品をすべて回収するだけでなく、それ以降に出荷された製品も、消費者からの求めがあれば返品に応じるとした。

 また、健康被害が出た乳幼児に対して、同社は代価を惜しまず、積極的に救済措置を行なうと約束した。(編集担当:如月隼人)

中国の粉ミルク汚染、21社の製品からメラミン検出

2008年09月16日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=牧野田亨】中国中央テレビによると、中国政府は16日、有害物質メラミンによる粉ミルク汚染事件で、製品の汚染を認めた乳製品メーカー「三鹿集団」(河北省石家荘市)のほか、全国で21社のメーカーの製品からもメラミンが検出されたと発表し、製品と企業名を公表した。

 粉ミルク汚染が1企業の問題ではなくなったことで、中国製品の「食の安全」に対する不安が一層高まるのは避けられない事態となった。

 調査は、三鹿集団の製品による汚染事件が発覚したのを受け、中国政府が全国で操業中の109社を対象に実施した。メラミンが検出された企業のうち、1社の製品はミャンマーなど一部の外国にも輸出されていたという。日本は含まれていない。

粉ミルク汚染で患者1000人超 中国、2容疑者を逮捕

2008/09/15 中国新聞ニュ−ス

 【北京15日共同】中国衛生省は十五日、有機化合物メラミンに汚染された粉ミルクで乳幼児が腎臓結石などにかかった問題で、患者数が全国で千二百五十三人に達したと発表。河北省公安庁は同日、メラミンを牛乳に混ぜて同省石家荘市のメーカー三鹿集団に出荷した疑いで、同市内の男二人を逮捕したと発表した。

 衛生省によると、死者数は一人増えて二人となった。いずれも甘粛省の乳児で、一人は生後五カ月の男の子で五月に死亡、もう一人は八カ月の女の子で七月に亡くなった。患者のうち三百四十人が入院治療中で、うち五十三人は重症だという。

 また河北省公安庁によると、二容疑者は兄弟で二〇〇四年に牛乳の生産、販売を開始。約三百頭の乳牛を飼育、三鹿集団に粉ミルクの原材料となる牛乳を出荷していた。

 牛乳が三鹿側から数回にわたり不合格になったため、昨年末からタンパク質の含有量を増やすためメラミンの添加を始めた。メラミン二十キロを石家荘市内で購入、メラミンを混ぜた牛乳の出荷量は日量約三トンだった。

中国・粉ミルク汚染、衛生省が食品安全の監督強化を指示

2008年09月15日 AFP BB News発信地:北京/中国

【9月15日 AFP】中国衛生省の高強(Gao Qiang)氏は14日、中国各地で工業用化学物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ乳児が腎臓結石を発症する事例が400件以上発生していることを受け、食品の安全に対する監督を強化していく姿勢を示した。

 高氏は、関係各局に対し、中国国内の食品の安全に対する監督を「新たな水準」にするため、新システムの導入を指示したという。

■製造会社は発覚前に汚染把握か

 一方、ニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)は、同社と共同事業を行っている中国の大手乳製品メーカー三鹿グループ(Sanlu Group)が汚染粉ミルクを販売している事実を、問題が発覚する数週間前に把握しており、商品回収を至急行うよう求めていたことを明らかにした。

 また、政府の捜査当局も、三鹿グループが前月、自社の粉ミルクがプラスチックやのりなどを製造する際に使うメラミンに汚染されていることを把握していたことを明らかにしている。

 だが、三鹿グループが商品の回収を指示したのは、この問題が表面化した後の11日になってからだった。この汚染問題では、少なくとも乳児1人が死亡している。

 高氏は13日、3月から汚染粉ミルクを販売していたとみられる三鹿グループに対し、相次いで訴訟が起こされていることを明らかにした。

 三鹿グループが本社を置く河北(Hebei)省の当局幹部によると、この問題に関し、これまでに19人が逮捕され、78人が事情聴取を受けているという。(c)AFP/Peter Harmsen

ミルクで結石の乳幼児432人に 違法混入で19人拘束

2008年09月13日 中国新聞ニュ−ス

 【北京13日共同】中国衛生省当局者は13日、有機化合物メラミンに汚染された粉ミルクで乳幼児が腎臓結石などにかかった問題で記者会見し、国内各地から報告のあった結石患者数が432人に上り、河北省当局が石家荘市のメーカー三鹿集団の生産停止を決めたと発表した。

 衛生省によると、水で薄めた原料の牛乳に含まれるタンパク質の量を増やすため、違法にメラミンが混入されていた。河北省幹部も13日の会見で、警察が容疑者19人を拘束したと発表。原料購入段階で混入されたと述べたが、具体的状況は明らかにしなかった。

 三鹿製の粉ミルクは一部が台湾に出荷されていたが、残りはすべて国内で販売。これまでに約8200トンが回収されたが、問題の粉ミルクを飲んだ「潜在的被害者」は3万人を超すとの推計もある。

 一方、三鹿製の粉ミルクに問題があるとの情報が当局やメーカー側には早くから伝えられており、インターネット上などで「公表が遅れた理由を明確にすべきだ」と批判が広がっている。

中国粉ミルク汚染、故意に有害物質混入? 全国調査開始

2008.09.13 MSN産経新聞

 【北京=野口東秀】中国で大手メーカーの粉ミルクを飲んだ乳児が相次いで腎臓結石となり、死者も出た。公安当局は故意に有害物質のメラミンを混入させた疑いを視野に入れ、これまでに78人を取り調べた。中国紙によると、被害は甘粛、江蘇、陝西、山東、安徽など約10省に広がっており、当局は全国調査を始めた。大手メーカーでも食品の安全問題が生じたことに政府は衝撃を受けており、徹底した調査をするとしている。

 このメーカーは「三鹿集団」(本社・河北省石家荘市)。メラミンに汚染された製品は今年3月から8月5日までに製造されたとみられている。

 石家荘市政府は「酪農家から牛乳を買い取る過程で、不法分子が利益を上げるため、水で薄めた牛乳にメラミンを添加した」とみて、公安当局が関係者を取り調べたことを明らかにした。メラミンを添加したのはタンパク質の純度を高くするためとみられる。メラミンは化学工業用物質で、人体の泌尿器系に結石を発生させる作用もある。

 昨年、中国から米国に輸出されたペットフードにもメラミンが含まれており、問題となった。

 今回の粉ミルク問題では、すでに100人以上が腎臓結石を発症。甘粛省では乳児1人が死亡した。

 北京の日本大使館は「現時点で日本に輸出していないという連絡を受けている」としている。中国衛生省は「事件を世界保健機関(WHO)と関係国に連絡した」と発表した。

ミルクで結石の乳幼児432人に 違法混入で19人拘束

2008年09月13日 中国新聞ニュ−ス

 【北京13日共同】中国衛生省当局者は13日、有機化合物メラミンに汚染された粉ミルクで乳幼児が腎臓結石などにかかった問題で記者会見し、国内各地から報告のあった結石患者数が432人に上り、河北省当局が石家荘市のメーカー三鹿集団の生産停止を決めたと発表した。

 衛生省によると、水で薄めた原料の牛乳に含まれるタンパク質の量を増やすため、違法にメラミンが混入されていた。河北省幹部も13日の会見で、警察が容疑者19人を拘束したと発表。原料購入段階で混入されたと述べたが、具体的状況は明らかにしなかった。

 三鹿製の粉ミルクは一部が台湾に出荷されていたが、残りはすべて国内で販売。これまでに約8200トンが回収されたが、問題の粉ミルクを飲んだ「潜在的被害者」は3万人を超すとの推計もある。

 一方、三鹿製の粉ミルクに問題があるとの情報が当局やメーカー側には早くから伝えられており、インターネット上などで「公表が遅れた理由を明確にすべきだ」と批判が広がっている。

「利益目当て、メラミン添加」=粉ミルク汚染、78人取り調べ−中国

2008/09/13 時事ドットコム

 【北京12日時事】新華社電によると、中国で有害物質のメラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ乳児が腎臓結石になった問題で、粉ミルクを生産していた乳製品メーカー「三鹿集団」がある河北省石家荘市政府は12日、「酪農家から牛乳を買い取る過程で、不法分子が利益を上げるため、水で薄めた牛乳にメラミンを添加した」とみて、警察当局が関係者78人を取り調べたことを明らかにした。

 中国衛生省は同社の粉ミルク製造過程で混入がなかったか、さらに調査を進めている。

 同社幹部は、メラミンに汚染されていた製品は今年3月から8月5日までに製造された乳幼児用の粉ミルクと指摘しており、同月上旬ごろにはメラミン汚染に気付いていたとみられる。同月8日に北京五輪が開幕し、食の安全問題が注目されていたことから、五輪期間中は問題を隠ぺいしていた可能性がある。

中国で粉ミルク汚染を全国調査 78人を取り調べ

2008年09月12日 中国新聞ニュ−ス

 【北京12日共同】新華社電によると、中国衛生省当局者は12日、中国甘粛省などで同一商品名の粉ミルクを飲んだ乳児が相次ぎ腎臓結石にかかった問題で、全国調査を始めたと発表した。また、ミルクの工場がある河北省石家荘市の幹部は同日、事件と関連のある78人を既に取り調べたことを明らかにした。

 この問題では、甘粛省だけで乳幼児1人が死亡し、50人以上が発病。製造元の三鹿集団は製品の回収を決めている。北京の外交筋によると、この粉ミルクは日本には輸出されていない。

 衛生省は各地の関係部門に対し、発病状況などについて早急に報告するよう要求。衛生省を中心とする政府関係部門で構成する合同調査チームも立ち上げ、三鹿集団の工場を調査している。

 石家荘には、日本と中国で被害が発生したギョーザ中毒事件で、製造元の工場がある。

赤ちゃん14人が腎結石 中国、また偽粉ミルクか

2008.09.10 MSN産経新聞

 新華社電などによると、中国甘粛省蘭州市の軍病院当局者は10日、今年6月下旬以降、同病院で腎臓結石にかかった14人の乳児を診察したことを明らかにした。いずれも1歳未満。乳児が腎臓結石になるのは珍しいとされ、飲んでいた粉ミルクが偽物か粗悪品だった可能性があるという。

 中国では2004年に安徽省で、でんぷんなどを原料とした粗悪な偽粉ミルクが原因で乳児10人以上が死亡。甘粛省衛生当局は「病気と粉ミルクとの関係はさらに調査が必要」としているが、結石になった乳児はいずれも同じ商品の粉ミルクを飲んでいた。

 問題の粉ミルクは他の商品と比べ値段が安く、乳児の住む甘粛省東部の農村では最もよく買われていた。14人のうち最も小さな乳児は生後6カ月足らずで、血中カリウムの濃度が大幅に上がり、一時は死亡する可能性もあったという。(共同)


乳製品:業界人暴露、「水銀添加」など問題山積み

2005/06/17 Serchina News

 ここ数年、中国では光明やネスレといった、有名ブランドの乳製品が品質基準を満たしていなかったなどの事件が発生した。歴史的に、中国人(漢族)は乳製品を利用するという習慣があまりなく、乳業は経済発展にともなう新興産業として急速に発展したという経緯がある。それだけに、品質管理などには多くの問題が潜んでいるようだ。16日付で北京北京晨報が伝えた。

 ある業界人は、「乳業会社が大部分の原料乳を個別の農家から買い上げているケースがある。これは問題だ」と指摘している。農家は搾乳量を増やすために、乳牛の飼料の中に水銀やカリウムを添加する場合があるというものだ。

 「長年、乳業にたずさわってきた」と語る別の業界人は、「生産ラインに入る前に、すでに90%以上の原料乳が汚染されている」と証言している。

 また、ネスレの場合には粉ミルクから基準を上回るヨードが検出されたわけだが、「原料乳の成分には変動がある。ネスレがヨードに関する検査をしなかった分の製品が出回ってしまったのだろう」とする、専門家の意見がある。

 たんぱく質の水分の比率に関しては、全製品をチェックしなければならないが、ヨードに関しては、サンプル検査でよいことになっている。また、ヨードの検査に必要な設備や薬品は高価であるために、毎日検査をするのは、比較的困難だとされている。

 また、国家品質監督検験検疫総局(AQSIQ、質検総局)が定める「検査免除企業」の制度を問題視する声もある。ヨードミルク事件を起こした「双城雀巣有限公司(双城ネスレ有限公司)」も2002年から3年の期限で、この「検査免除企業」の資格を得ていた。

 もともとは設備や管理が優秀な企業を優遇することにより、製品の質を高めていこうという意図があったわけだが、ネスレのヨードミルク事件では、この制度が裏目に出たことになる。

 そのため、「検査免除企業の制度は消費者の利益に合致しない」という声が出はじめている。(編集担当:如月隼人)

ネスレの粉ミルク:上海でも基準違反で大量回収

2005/06/17 Serchina News

 上海市食品薬品監督管理局は15日、市内で販売されていたネスレブランドの「雀巣・金牌成長3+〓粉」(粉ミルク)のヨード含有量が国家基準を上回っていたことを発表。ネスレ(中国)有限公司に対してこの製品をすべて回収するよう命じた。東方早報が伝えた。(〓=女へんに乃)

 この問題についてはすでに浙江省工商局が省内で販売されていた製品の一部で基準違反があることを指摘。今回上海で見つかった製品は、浙江省で見つかった製品とは製造年月日などが違っていた。ネスレ(中国)は浙江省工商局の指摘について、「基準違反となるのは特定の時期に製造されたもののみだろう」との見解を示し、全製品の回収は行わずに交換、返品に応じると表明していた。

 ネスレ(中国)は15日夜までに上海市内に出回っていた製品約100ケースを回収している。

 上海市食品薬品監督管理局ではネスレ(中国)に対して問題となっている製品の生産、販売停止を求めた。またこの製品に関する調査を本格化し、法律にもとづいてネスレ社側を罰する方針も示している。(編集担当:恩田有紀)

ネスレ:粉ミルクのヨード量基準違反で返品も

2005/06/09 Serchina News

 スイスのネスレ社と黒龍江(こくりゅうこう)省の食品会社による合弁企業「双城雀巣有限公司」が生産する「雀巣・金牌成長3+〓粉」(粉ミルク)に含有されるヨードの量が基準を上回ると指摘されている件について、ネスレ中国有限公司は7日、「購入者の要求があれば、返品に応じる」と表明した。ただし返品に関する詳細は明らかにしていない。8日付で新京報が伝えた。(〓=女へんに乃)

 この問題に対するネスレ側の対応では、「問題発覚後も商品の自主回収をしない」「謝罪がない」「返品に応じる構えがない」などの点が指摘されており、中国マスコミは連日、ネスレの消極的な姿勢を非難する論調で報じていた。

 中国では近年、消費者保護の意識が高まりつつある。批判的な世論に後押しされる形で、ネスレ中国有限公司は5日になって謝罪を表明し、該当製品の交換に応じる意向を示していた。

 問題の製品は主に上海市、浙江(せっこう)省・杭州(こうしゅう)市、広東(カントン)省・広州(こうしゅう)市などで販売されており、杭州、上海のスーパーマーケットででは大部分が自主的に返品に応じ、購入価格を全額返金しているもようだ。(編集担当:恩田有紀)

ネスレ:粉ミルクのヨード含有量規準違反で謝罪

2005/06/06 Serchina News

 浙江(せっこう)省工商局の品質検査により「双城雀巣有限公司」が生産する「雀巣・金牌成長3+〓粉」(粉ミルク)に含有されるヨードの量が基準を上回ると指摘された件について、ネスレ中国有限公司中国エリアの穆立・総裁は、謝罪の意を表明した。5日付で新華社が伝えた。(〓=女へんに乃)

 穆・総裁は、「ヨードの含有量が遺憾にも国家の規準を超えてしまったことに対し、消費者のみなさまにお詫びいたします」「一貫して国家の規準を遵守してきたにも関わらず、今回のような事態を起こしてしまいました」などとし、謝罪の意を表した。

 基準値違反が確認された「雀巣・金牌成長3+〓粉」は、2004年9月21日付で製造された合計13.5トンで、浙江(せっこう)省・杭州(こうしゅう)市、上海市、広東(カントン)省・広州(こうしゅう)市などを中心に販売されている。現在は該当製品は販売停止となっており、ネスレでは良品との取替え作業を行っている。

 なお、ネスレ社では専用電話を設けて消費者の問い合わせに対応している。(編集担当:齋藤浩一)

ネスレの粉ミルクがヨード含有量の基準違反

2005/05/27 Serchina News

 浙江(せっこう)省工商局は同省内の寧波(ニンポー)市、温州(おんしゅう)市、湖州(こしゅう)市で販売されている栄養補助の粉ミルクなどを含む子供向け食品について行った品質検査の結果を発表。成分の比率などで基準が守られていないとして「不合格」とされた製品の中には、有名ブランド「Nestle(ネスレ)」と中国企業の合弁会社による製品も含まれていた。26日付で東方早報が伝えた。

 この製品は、スイスのネスレ社と黒龍江(こくりゅうこう)省・双城(そうじょう)市にある食品会社の合弁企業「双城雀巣有限公司」が生産している「雀巣 金牌成長3+〓粉」(粉ミルク)で、含有されているヨードの量が基準を上回っていた。(〓=女へんに乃)

 ヨードは甲状腺ホルモンの原料となるが、過剰に摂取すると甲状腺機能低下症などを引き起こす危険性がある。

 これについて、中国でネスレ社の広報代理を務める北京環球公関公司は「不合格とされたことは、すでにネスレ社も把握しており、非常に重視している。詳しい状況についての発表を行う予定だが、今しばらく時間がかかる」とコメントしている。(編集担当:恩田有紀)


粉ミルクの法規制06年施行、安全性確立へ

2005/03/27 Serchina News

 粉ミルクなど、乳幼児用食品で粗悪製品が多く出回っていることから、メーカーに関する安全信用体制確立のための試験作業に着手している。この作業が終わる2006年4月までには、中国で初となる乳幼児粉ミルクに関する規正法が施行される予定だ。25日付で第一財経日報が伝えた。

 試験作業では広東省深セン市、福建省廈門(アモイ)市など7都市のメーカー20社を選び、「乳幼児用粉ミルク生産経営規範」を適用。これをもとに、原材料の段階から製造・販売までの各過程が記録されることになる。試験作業終了後には、その結果をふまえて全国規模での政策へと移行していく計画だ。

 また、粉ミルクに関する法制定は、生産過程などについて厳しい規則を設け、これを遵守しない企業は生産停止処分とするといった内容が盛り込まれるとみられる。

 また、現在は食品に「児童食品(子供用食品)」と表示することについて、国は特に基準を設けていないが、これに一定の基準を設けることも検討されている。(編集担当:恩田有紀)

悪質粉ミルク事件:懲役4−8年、被告に一審判決

2005/01/07 Serchina News

 安徽省阜陽市で、2003年4月に発生した悪質粉ミルク事件に関して、阜陽市東穎区法院は、蒼南誕宝乳品有限公司の監事及びアフターサービス部主任を兼任していた池長板被告を含む元販売業者5人に、懲役4−8年の実刑判決を言い渡した。6日付で中国新聞社が伝えた。

 池長板被告以外の李純霞、張学傑、黄丙印、韓東風の4人の被告は、すべて卸売市場などの個人事業主だった。

 池長板被告は、蒼南誕宝乳品有限公司が粉ミルク製品の生産許可証や製品の品質検査合格証などを取得せずに、悪質な粉ミルク製品を生産。03年3月、この悪質製品を1箱あたり115元で李純霞被告に売却。李純霞、張学傑、韓東風の被告3人が卸売り市場で販売したという。

 この悪質粉ミルク製品を食した乳児のうち、1人が栄養失調、呼吸器系疾患で死亡。2人が栄養失調による合併症などにかかった。

 阜陽市東穎区法院は、池長板、李純霞、張学傑、黄丙印、韓東風の5人にそれぞれ、懲役7年と罰金5万元、懲役8年と罰金2万元、懲役7年と罰金5000元、懲役6年と罰金2万元、懲役4年と罰金500元を言い渡した。

 5人の被告は、一審判決に不服を申し立て控訴している。(編集担当:田村まどか)

悪質粉ミルク事件:浙江省で関係者19人を逮捕

2004/10/03 Serchina News

 安徽省阜陽市で2003年4月に発生、04年に入って社会問題化した悪質粉ミルク事件に関し、浙江省の粉ミルクメーカー及び販売業者19人が逮捕された。そのうち7人はすでに起訴されている。2日付で中国新聞社が伝えた。

 同省では、今年9月までに168件の悪質粉ミルクによる被害が発生している。当局による摘発件数は30件に及び、身柄を拘束された関係者は51人。そのうち逮捕者は19人、司法観察中が3人、保釈中が27人に上っている。

 偽造メーカーらによる手口は、当局発行の生産ライセンスや現地の保健センターが発行する検疫証明書を偽造し、麦芽や膨化米の粉末などを原料に製造、有名ブランドのパッケージにつめて販売するというもので、メーカー側、販売業者が連携して行なうケースが多い。この1年間で1件当たり平均14万トン前後の悪質粉ミルクが摘発されている。(編集担当:緒方隆次)

中国:粉ミルク企業54社をブラックリストに

2004/08/13 Serchina News

 中国国家品質監督検験検疫総局(AQSIQ、質検総局)は12日、中国全土の粉ミルク企業に対して実施したサンプル調査結果で、54社のブラックリストを発表した。

 関連部門は、悪質粉ミルクによる乳児死亡事件の発生以来、国家基準を定めるなど徹底した取り締まりと管理を実施している。12日付で中国新聞社が伝えた。

 質検総局は今年4月から、中国全土の496社の粉ミルク企業すべてに調査を実施。ブラックリストの54社の商品は、タンパク質、脂肪などの主要栄養物質の含有量が国家基準を大幅に下回った。

 この54社に対しては、すでに生産停止が命じられ、このうち30社を対象に、中国公安部に調査を移管、10人を刑事拘束、法人代表者5人を指名手配した。

 さらに質検総局は、品質技術監督局に対し、管轄区内にあるブラックリスト企業の劣悪商品と原材料の没収及び回収を要求。さらに当地政府と関連部門に、該当企業を閉鎖、あるいは営業ライセンスを剥奪するよう申し出を行なっている。(編集担当:吉田雅史)

粉ミルク事件:阜陽市政府の責任者を行政処分

2004/06/11 Serchina News

 中国国務院の要請を受けて監察部は、安徽省監察庁と関連部門の協力のもと、阜陽市の悪質粉ミルク事件の責任問題に関する調査を行い、責任者の行政処分を決定した。9日付で中国新聞社が伝えた。

 栄養成分不足の大量の粉ミルクが4月、河南省鄭州市、安徽省合肥市、〓埠市、阜陽市の卸売り市場から阜陽の農村の販売所に流入した。これにより阜陽市では、189人の嬰児が軽中度の栄養失調、12人の嬰児が死亡した。事件はさらに中国全土に波及しており社会問題としてクローズアップした。(〓=虫偏+豊)

 この事件について、阜陽市政府は粉ミルク販売の管理監督面で、阜陽市工商局は流通条例制定に関連した措置で、市衛生局は「食品衛生法」の制定を巡る食品安全監督管理に対してそれぞれ責任を問われている。

 今回の決定では、阜陽市人民政府の劉慶強・市長を重大過失記録処分に処した。工商関連を管轄する馬明業・副市長は党内警告と重大過失記録処分ならびに辞職処分に、衛生関連を管轄する杜長平・副市長は過失記録処分となった。

 また、市工商局の周毅生・局長が党内厳重警告と重大過失記録処分ならびに辞職処分、工商局管轄下の市場監督管理局の楊偉・副局長は党内での職責を剥奪。工商局公平交易局の楊樹新・局長は党籍を剥奪、職務を解任され、送検された。

 さらに、市衛生局の曹化之・局長を党内厳重警告と過失記録処分、市衛生局の食品衛生を管轄する丁麗玲・副局長は厳重警告と重大過失記録処分ならびに辞職となった。今回の事件が中国社会に与えた影響の大きさを考慮し、厳しい処分が下された形。(編集担当:中村彩)

重慶:悪質粉ミルクで3人死亡確認、被害は全土へ

2004/04/29 Serchina News

 安徽省阜陽市で起きた悪質な粉ミルクによる赤ちゃんの死亡事件に関し、重慶市奉節県でも3人の赤ちゃんが悪質な粉ミルクを飲用したことにより死亡していたことが明らかになった。28日付で中国新聞社が伝えた。

 これは、同市の王鴻挙・市長が、27日に開催された「第2四半期(4−6月)安全生産会議」の席上で発表したもの。現在、同県では国家工商行政管理総局(SAIC、工商総局)、品質技術監督局(質監局)、衛生部門などが全面的な調査を展開している。

 同県では、3月30日から4月17日にかけて悪質な粉ミルクを飲んだとされる赤ちゃん4人が市内の病院に運ばれ治療を受けたが、うち生後4カ月から8カ月の赤ちゃん3人が死亡。1人は現在病院で治療を受けている。死因については安徽(あんき)省での事件と同様、蛋白質の不足から脳の肥大などの合併症を引き起こしたことによるものと確認されている。

 先日、広東省広州市でも同じような症状を持つ赤ちゃんが見つかっており、被害はすでに中国全土に波及している。現在、国務院は大々的な安全調査を実施、悪質な製品の摘発を徹底している。(編集担当:田村まどか)

中国:粉ミルク事件の取締り関連で誤報、誤認も

2004/04/28 Serchina News

 安徽省阜陽市の粉ミルク赤ちゃん死亡事件に端を発する粉ミルクの一斉検査では、次々に悪質な製品が摘発を受けている。その一方で、粉ミルクに対する消費者の不信感が高まっていることから、合格品を製造しているメーカーの販売に被害が出始めている。27日付で中華工商時報が伝えた。

 河北省・唐山(とうざん)市の乳製品メーカーである田力乳業では、立ち入り検査が行われ、約20トンに及ぶ悪質粉ミルクが差し押さえられた。また、浙江(せっこう)省ではブラックリスト企業が製造した6トンの悪質粉ミルクを発見。陜西省・西安(せいあん)市では省外で生産された蛋白質が極端に少ない粉ミルクが見つかった。

 こうした厳しい摘発が続くなか、検査の誤りやメディアによる誤報が相次いでいる。合格品を製造する一部の有名国内メーカーは、悪質製品を製造していると誤解されその販売に影響がでている。

 被害にあったメーカーは南山〓粉と三鹿集団。南山〓粉は8日に行われたサンプル調査で合格とされていたにも関わらず、一部マスコミでは不合格と伝えられた。(〓=女+乃)

 また、粉ミルク製造業界トップの三鹿集団は、阜陽市が誤って偽の「三鹿」ブランドの粉ミルクを調べたことから、22日にブラックリスト記載が発表されるという被害を受けた。すでに100人以上の被害を出している事件だけに、取締りも厳しいものになっているが、その過程において生じる混乱もまた増している。(編集担当:中村彩)

中国:悪質粉ミルクで22人拘束、広東でも被害

2004/04/25 Serchina News

 安徽省阜陽市で起きた悪質な粉ミルクによる赤ちゃんの死亡事件に関し、国務院が大々的な調査に乗り出しているが、23種類の悪質製品に関してその出所が明らかになり、同時に公安当局によって、この日までに計22人を検挙したという。25日付で中国新聞社などが伝えた。

 阜陽市は42種類以上の検査不合格の悪質粉ミルクが確認されている。そのうち出所が明らかになった23種類はいずれも同市から河南(かなん)省鄭州市、浙江(せっこう)省義烏市、江蘇(こうそ)省徐州市、安徽省蚌埠、合肥、亳州の各市に輸送されたもよう。

 25日には公安部門などが安徽省などで非合法業者などに対して強制捜査を行い、合肥市では容疑者2人を拘束。また、国務院が中心となって、中国全土で業者の摘発に動いている。河南省や安徽省などでは特に非合法業者の拠点が点在しているとされる。

 25日までに、悪質粉ミルクを製造したとして計22人が拘束されている。こうした調査は国務院、特に温家宝・首相による直接の指示によるところが大きい。大規模な事故やこうした悪質な事件が多発する中、この悪質粉ミルクに関しても、中国当局は神経を尖らせている。

 最新の報道によれば、広東省広州市でも頭部が肥大した乳児が見つかり、大量の悪質粉ミルクが発覚している。安徽省を中心とした地域のみならず、被害は中国全土に広がっている。(編集担当:鈴木義純)

安徽:悪質粉ミルク事件で政府が医療費など負担

2004/04/22 Serchina News

 安徽省阜陽市で起きた悪質な粉ミルクによる赤ちゃんの死亡事件に関し、同市は21日、悪質な粉ミルクを飲んだことで赤ちゃんが死亡した遺族への賠償金1万元の支払いを決定した。中国新聞社が伝えた。

 同省が、被害を受けた赤ちゃんに対して徹底的な調査を行った結果、2003年5月より171人の赤ちゃんが栄養失調に陥り、そのうち13人の死亡が確認されている。

 またこの調査で、悪質粉ミルクによる被害が阜陽市の8県に拡大していることが確認された。中でも阜南県、穎上県での発症率が54.5%と非常に高いとの結果も出ている。発症した赤ちゃんの両親は、昼間働きに出て家を留守にし、代わりに祖父母が近所のスーパーなどで購入した粉ミルクを与え、孫の面倒を見るケースが多かった。

 同市の工商局消費苦情センターと同市消費者協会は、03年から04年の間に受理したクレーム19件に対しては賠償金8.12万元を、赤ちゃん2人が死亡した遺族に対してはそれぞれ1万400元、1万2000元の賠償金を支払うことを決定した。同市政府は、国家工商行政管理総局(SAIC、工商総局)、国家品質監督検験検疫総局(AQSIQ、質検総局)などの関連部門に対し、賠償提訴を早急に処理するよう上申した。

 さらに、同市の医療機関では、悪質な粉ミルクにより合併症を発症した赤ちゃんを対象に無償治療を実施、そのほかの諸経費に関しても政府がすべて負担する。同市政府は、赤ちゃんの治療に専念するとともに、事件の再発防止に努めていく方針。(編集担当:田村まどか)

安徽:悪質粉ミルク事件、13人の乳児死亡を確認

2004/04/21 Serchina News

 安徽省阜陽市で起きた悪質な粉ミルクによる赤ちゃんの死亡事件に関し、同省は被害を受けた赤ちゃんに対して徹底的な調査を行なった。それによると、2003年5月より171人の赤ちゃんが栄養失調に陥り、そのうち13人が合併症を引き起こして死亡。また、現在、2人の赤ちゃんが病院で治療を受けているという。20日付で中国新聞社が伝えた。

 安徽省は、食品の品質管理の不徹底や市民への宣伝活動が不十分であったこと、問題の原因究明が難航していることなどが事件の被害を拡大させていると指摘。また、これらの悪質な粉ミルクが他省から流入しており、問題の全面的な解決には、社会全体が連携し問題の解決に取り組む必要があるとして、各地の協力を要請している。

 また阜陽市では、自由市場、粉ミルクの保管倉庫、各販売所などに対し、悪質粉ミルクの種類、流通経路、品質証明、販売状況、保管状況などについての綿密な調査を実施。ブラックリスト上の商品は即刻処分扱いとし、各種証明書がない商品に関しては検査が終了次第処分することで対応を急いでいる。

 同市は、すでに粉ミルクを扱う3782社のメーカーを対象に109のサンプルを収集。その結果、6110袋の粉ミルクが不合格で、保存期限を過ぎた粉ミルク382袋を没収した。さらに、大手の小売メーカーに対しても全面的に調査を行なう方針。

 さらに、安徽省は悪質な粉ミルクにより合併症などを発病した赤ちゃんの治療を徹底していくよう各医療機関に通達した。各医療機関では赤ちゃんの治療に専念、症状を最小限に抑えるよう努める。(編集担当:田村まどか)

温家宝:乳児死亡の粉ミルク事件で徹底的な調査

2004/04/20 Serchina News

 安徽省阜陽市で起きた悪質な粉ミルクによる乳児死亡事件に関し、中国の温家宝首相は国家食品薬品監督管理局(SFDA)に対して事件の全面的な調査を行うよう指示した。20日付で華西都市報が伝えた。

 これを受けて、国家品質監督検験検疫総局(AQSIQ、質検総局)、国家工商行政管理総局(SAIC、工商総局)やそのほかの衛生部門は19日、同市に調査団を派遣、事件の早期解決を図る。

 この悪質な粉ミルクは同省だけでなく、山東省、河南省など中国全土に被害が及んでおり、調査団は事件の真相究明を急ぐとともに、被害を最小限に抑えるよう努める方針。

 同市は2003年に劣悪な粉ミルクを販売する業者189社を摘発、テレビや新聞などのマスコミを利用して33種類のブラックリストを公開した。しかし、その後も悪質な粉ミルクは市場に多数出回っていたが、その流通を取り締まることができず今回のような悲劇をもたらした。

 温首相は、ここ数日、国内で発生した安全対策の不徹底によるガス爆発事故、化学肥料問題などの品質管理の不徹底が大惨事をもたらすとして何度も厳しく指示を出していた。(編集担当:田村まどか)

中国:悪質粉ミルクで多数の赤ちゃんが犠牲に

2004/04/20 Serchina News

 安徽省阜陽市では、2003年4月から10月にかけて悪質な粉ミルクを飲んだ多数の赤ちゃんが発病、死亡するという事件が相次いだ。中国各メディアが報じた。

 同市の農村では、出産時は健康だった赤ちゃんが、突然、体の変形や脳の肥大などの症状を起こすという出来事が続いた。市内の病院では同様の症状が連続して発生することに不審を抱き、調査を行なったところ、赤ちゃんが毎日口にする粉ミルクに原因があることを突き止めた。

 同市の疾病コントロールセンターもまた、各家庭及び市場で売られている粉ミルクを対象にしたサンプル調査を開始。全体の6割を占めるおよそ50種類が不合格商品という事実が発覚した。さらに、赤ちゃんの発育に不可欠な蛋白質が97%の粉ミルクで極端に不足していたことも判明した。

 蛋白質が極端に不足した赤ちゃんは、栄養不足から免疫力の低下、顔や頭部の肥大、ひどい皮膚荒れなどさまざまな合併症を引き起こす。さらに症状が悪化すると、呼吸困難から死に至るという。

 こうした悪質の粉ミルクは市場に多数出回っているが、同市も流通を取り締まることができず野放し状態になっている。悪質の粉ミルクは同省だけでなく、山東(さんとん)省、河南(かなん)省、河北(かほく)省など全国各地に被害が及んでいる。

 悪質粉ミルクにより幼い赤ちゃんを失った両親は、同市の裁判所に提訴し、賠償金の支払いを求めている。しかし、事件は同市だけでなく、全国各地に波及しており、効果的な解決策を見出すことができないというのが現状。なお、現在までに、この粉ミルクによる被害を受けた赤ちゃんは100人以上、死に至ったものは60人近くに及ぶとみられている。(編集担当:田村まどか)

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