「空に帰ったあなたへ」
今もこの胸に、痛みと儚さを植えつけた
傍にいたあの子へに、この歌を捧げます。
そう言いながら、最後の曲を歌い出した!
城では、今日も下僕のためいきが聞える。
下僕「どうしてこうなるんだ・・・」
ブツブツいいながら王子の部屋を開けると・・
クイーンサイズのベットの上で寝ているふたりを発見!!
下僕「王子・・ルビーなんですか・・王子!!妹なんですからね!ルビーは」
王子「んん・・・煩いなぁ〜下僕は・・別にいいじゃないかぁ
ただ一緒に寝てるだけだろう」
下僕「一緒に寝てるだけなら・・服を着なさい・・ほらルビーも」
ルビー「にゃあ〜本当に下僕頭固いのね・・
私!もともとネコの生活が長かったから服苦手なの・・
それに血が繋がってると言っても・・人間じゃあないんだからねえ・・
ガクト!」
王子「俺達裸族だからさ・・・」
下僕「どうして・・ルビーはこんなに早くもとの姿に戻ったんだろう」
王子「それは・・(下僕が傍にいるからだろう)しかし性格が違うんだよなあ
」
下僕「これは・・貴方に似てますよね。前のルビーどんなだったか
よく知りませんが、あの少女とは明らかに違いますね」
王子「ルビーとも違うよ・・」
下僕「貴方の傍においたのが間違いだったですね。碧にでも育ててもらえば」
ルビー「2人とも煩いな・・ブツブツ!ねえガクト練習に行かないの」
王子「そうだな・・そろそろ行ってみるかな」
下僕「そろそろって・・かわいそうに・・碧また痩せてたぞ」
ルビー「碧かわいいよね・・イジメがいのある感じで・・私シャワー浴びてくる」
下僕「ガウン羽織りなさいガウンを・・ほら!もう心労が2倍ですよ」
王子「一緒にするなあ・・」
下僕「そっくりです・・それにしてもおぼこからファックスと留守録が
がんがん入ってますから・・連絡しないと」
王子「ええイヤだな・・下僕してよ!保護者でしょう」
下僕「似てるじゃないですか・・・・」
王子「ハハ・・僕もシャワー浴びてくるよ」
下僕「また別々に入るんですよ・・王子」
王子「まあまあ怒らない・・・」
あれから(下僕の生写真小遣い稼ぎ事件)・・
まあその前から王子は私を恐れて
バンド活動を止めて・・・keyの所に逃げていたのだが・・
育て方が悪かったのか・・・
それとも写真ごときで怒った私が悪かったのか・・
ファンが付いてきてたのに休業状態!!
しかし最近やっと・・動き出す気配が!!
本当に王子には・・頭がいたい!!
<人間界の棲み家へ>
王子「アロアロ〜」
空「ああ・・王子!今まで何をしてたんですか?」
王子「あれ・・碧に聞いてなかったの?イロイロ忙しかったんだ。」
ルビー「わあ・・・み・ど・り!元気!!」
碧「わあああ・・・ルビー様も来てたんですか?」
蒼「何・・恐れてるんだ?この子は誰なんだ?」
碧「彼女は・・この間城に新しい歌の楽譜をもらいに行った時に・・」
ルビー「まどろっこしいな・・・ええとそこのかっこいい!お兄さん
ハグハグ私はルビー・ガクトの妹よ」
蒼「ガクお前・・妹なんていたのか?もしかしてノワールが生んだのか?」
葵「じゃあ父親は??」
王子「なんで・・下僕が生んだ子が俺の妹になるんだよ!!この子は
本当に腹違いの妹なんだよ!似てるんだろう?」
碧「似てますね・・性格が」
ルビー「どんな所が?・・ねえ!み・ど・り・・」
腕に絡みつかれ・・・甘えるルビーにたじたじになりながら
碧「時間ないんですよ・・おぼこ様との約束のタイムリミットが・・・
いくら城が異次元空間にあっても!!長すぎですよ!
key様の所にもいらっしゃったし・・こちらでも
もう4ヶ月経ってるんですよ。」
王子「もういいだろう・・曲も出来たし!!練習しようぜ!
それにさ・・・いい者を手に入れたし」
蒼「いい者って」
王子「このルビーさ!この子は俺のイメージ通りに曲のアレンジが出来るんだ
以心伝心てヤツかな!これで下僕に頭下げなくても・・インだよ」
碧「まあイロイロ・・問題はありますが・・アレンジの才能は凄いですよ」
空・葵「この間の・・新曲ルビーがアレンジしたの?スゴーイ!!」
ルビー「そう・・凄い!へへ〜ン!!」
王子「あんまし・・そうやって碧を苛めるな!!今から練習するから
そこで・・見てなさい。」
ルビー「苛めてないもん!!・・・ああ暇だなガクト!!ガクト・・
もう聞いてない・・少し出てこようかな?」
練習に熱が入り出した5人はルビーが出ていったのに、
気付かなかった。
生まれ変わって初めての下界
それも日本!!
ガクトに教わって目立つ赤い目には、茶色のコンタクトを入れ
髪も薄茶色にした。
それでも・・すれ違う人が私を見るのは何故?
ルビーの格好は確かに髪!顔はイイ・・
しかしルビーの服は、まだとても寒いこの季節なのに・・・
豹柄の短パンに生足・上は毛皮のボレロとシースルーのインナー!
肌がやたら白いからなんか寒そうだよ足が・・・・
ルビー「面白くないな・・・あれ前から来るのは確か」
ブツブツ言ってルビーが見つけたその先には
1人の男が・・・・
ルビー「あれは確かガクトの友達の・・ええと!!ああぁ・・ガヴィ!」
そう言ったと同時にルビーはガヴィに抱きつくハグハグ
そのとっさの行動にも可愛い子は見逃さないガヴィは、しっかり
ルビーを抱きしめるのであった!!
「きゃあああ・・ガヴィ!!イヤ〜ン何?」
ファンの叫び声と・・メンバーの声の中
ガヴィ「キミは?」
ルビー「え!覚えてないの?私ルビー」
ガヴィ「ルビー? ああガクのところの髪と目の色が違うからわかんなかったよ!ガク来てんの?」
ルビー「今新曲練習してるよ!退屈だから出ちゃった・・ガヴィは何してんの」
ガヴィ「ん!今からツアーの打ち合わせ・・俺の後ろのがメンバーだよ」
ルビー「ふ〜ん・・そうか」
黄桜「ガヴィ誰この人は・・まさか新しい彼女?」
蔵王「杏ちゃんに怒られますよ。」
ガヴィ「何イロイロ言ってんだ・・彼女はガクの妹なんだよ!
この間紹介されたんだ。」
ルビー「私ルビーです!何時でも恋人募集中・・よろしくね。ハグハグ」
ハグハグされて顔の赤い2人
黄桜「ガクトさんの妹だとわかる気がする・・・」
蔵王「そうだね・・・ルビーも見に来る?美味しいケーキがあるよ」
ガヴィ「あれもしかして・・杏来てるの・・マズイかな」
ルビー「杏て・・ガヴィの彼女?」
ガヴィ「うん・・そうかな?」
ルビー「フ〜ンじゃあ邪魔しないよ!私はもう少し散歩する!!」
ガヴィ「いや待てよ・・ここで別れたらガクに後で何言われるか・・
迎えに来させるから・・おいでルビー」
ルビー「だって・・知らないよ」
打ち合わせの場所では,杏が他のメンバーに自家製のクルミのケーキと
アッサムティーを振舞っていた。
ガヴィ「お待たせ・・」
その声に笑顔で振りかえった杏の顔がくもる。
白龍「あれその子は誰?」
ガヴィ「ガクの妹でルビーだよ」
杏「王子ああいやガクトさんの妹なんて私聞いてませんよ!」
ルビー「でも本当なの・・・最近だけどね!ガクと出会ったの今はね
(小声で)城で暮らしてるの」
杏「じゃあ貴方の・・おとうさんて」
ルビー「それは,秘密ね!でもそうだよ!」
杏「そうですか?」
ルビー「でも安心してガヴィには興味ないから今興味なるのはね〜」
そこへ汗だくの碧が・・・
碧「ごめんなさい・・ガヴィさん忙しいのにルビーは」
ガヴィ「ああいいよ!でもそんなに急がなくても」
碧「急がないと・・王・・ガクトさんと似てるから何処に行くやら
それにウチの大切なアレンジャ―だから」
碧を見ると飛びついて一言
ルビー「遅い〜杏さん!今興味があるのは・・碧なの!(好きなのは、違うけどね)じゃあ帰るね。ありがとうね!ガヴィ」
碧「どうも・・・ガクトさんがよろしくと」
ガヴィ「今度は当分歌頑張るの?このルビーがアレンジ?」
碧「さあ?あのガクトさんの事だから・・・??
ガクトさんが言うにはルビーはノワール様の横で
音を聴きながら育ったので自然とその能力が備わってるらしいです。
でも本当に今回の新曲とてもいいですよ!」
ガヴィ「そうか今度行くよ・・ガクに伝えててね」
ルビー「は〜い!じゃあお邪魔しました。一人今いない人にもよろしくね」
汗だくの首に抱き付きお姫様抱っこで帰る碧とルビーを見送りながら
杏「何か可哀相・・碧!デモ似てるねガヴィ様」
ガヴィ「うん・・ほんとうにさ!ガクに似てる」
杏「ガヴィ様・・好みでしょ!王子似の女の子」
ガヴィ「そんな事ないよ!本当さ」
実は一番の好みは,女装の王子! ガヴィは内心ドキドキなんだよね。
ガヴィ「ルビーか・・・・」
それから無事!新曲の発売日までは,何事もなく日々が過ぎ
王子も忙しすぎて遊ぶ暇もなく・・・
でも遊ぶ暇があまりにないから・・・・・
王子「ああ・・・・遊びた〜い」
下僕「何いってるんですか?ファンの子と約束してたツアー早く実現しないと
そんな暇ないでしょう」
王子「でも魔界の彼女達との約束も〜しかし何時の間にか下僕が
マネージャしてるんだ!活動反対だった筈じゃないか」
下僕「それは今もですが・・貴方がいなかった間、来ていたファンの方達の
手紙を読んでいたら本当に待ち望んでいるから・・・・ね。
あまり目立つ事は、したくないんですけどね。」
王子「何・・下僕読んだの・・僕に来た手紙!!」
下僕「あまりに・・溜まっていたから まあ後貴方のPCにも沢山残ってますから・・出来たら返事出してあげてください。」
王子「ブツブツ・・・」
ルビー「ガクト・・こっち!!」
呼ぶ声の方を見るとルビーが手を振っていた。
王子「ん〜・・・ああ待ってて」
とにかくその場を早く離れるため・・・下僕の小言を大人しく聞いて
PCの中にあったメールにも返事を送った。
<ルビーの部屋>
王子「コン・コン・何?ルビー」
ルビー「ねえ・・私最近夢である人に出会うの!懐かしいのだけど思い出せないの」
王子「どんな感じの人?」
ルビー「それが靄がかかってよく顔が見えないのだけど・・・
シルバーの長い髪にブルーの肌そして悲しい瞳」
王子「それは・・・(Keyじゃないか)ルビーはそれが誰か思い出せないの
まだ・・」
ルビー「ガクトは知ってるの?」
王子「自分で思い出さないと・・・でもそうだな今どうしてるんだろうな
(key・・・)」
ルビー「その人・・・今大変なんじゃないかな?」
王子「え・・それはどう言う事!!」
ルビー「怪我か・・・病気か!!そんな感じがしたの」
王子「ええ・・・それは・・・(ルビーの能力・・)どうしょう!
何とかしてkeyを探さなきゃああ・・・どうしたらいい?」
ルビー「その人実在の人物なのやっぱり!・・
keyて言うんだ。あと私にわかるのは、後にお城が見えことだけかな」
王子「そうか・・・わかったありがとう!ねえねえルビーさ!変身出来ないかな?」
ルビー「誰に・・・わたし猫以外に姿を変えた事がないんだけど」
王子「僕に変身して欲しいんだ!確か地下の書庫にそんな本があった筈」
ルビー「面白そう・・いいよ!」
王子「じゃあ探してくるよ。」
ルビー「ああ・・待って私も行く!!」
その後探し当てたその本で練習したルビーは、
直ぐに僕に変身できるようになった!
ルビーには人の心と姿を自分に移せる能力があると思っていたんだけど
まさに完璧!!
元々性格は,下僕も俺にそっくりと言うぐらいだから
ファンの子やメンバーには見分けがつかないみたいだ。
後は・・下僕!!まあ人間界にいればそれも大丈夫だろう!!
わあ・・まずい!マネージャーだったけ?ん・・どうするかな??
まあ後で考えよう!バレルとも限らないし・・
さてこれで退屈ともおさらば・・じゃない!
keyを探しに行かなきゃあ・・・
無茶してなきゃあいいけどな。
お城のある日の午後
王子「お〜いい!ルビー・・何処だ」
バタン・・バタン
ドアを開けてルビーを探す王子!!
最近は,ルビーにバンド活動を任せて・・
keyを探しに魔界を探索していたのだが、
思いのほか難航してて・・気分転換に人間界に行ってた筈の王子だが・・
バタ〜ン
ルビー「どうしたの?ガクト??」
王子「ルビー!!なんだよ〜あれは!!」
ルビー「なんの事??」
王子「最近の俺の写真は,色気があるとかて!それに妙に男にモテルし」
ルビー「それは仕方ないじゃない・・私は本来女なんだから自然と
滲み出るのよ・・ああそれとノワールにばれてるかも」
王子「どうしたんだ・・それ」
ルビー「今マネージャ!執事がノワールの変わりに・・やってんだけど
会った?でねこの間の撮影で首根っこ捕まれて!!ギャクだったんだけど
思わず猫に戻りそうだったもの・・あれノワールだったんじゃないかな?」
王子「今日会ったよ!・・人間界に行ってマスマス・・大きくなった気がするよ・・でもあれにも何かしたのか?」
ルビー「何にも・・・元々ガクトの事が可愛いのよ!!あれは・・・」
王子「そうか・・でもでもお前・・男ばかりと仲良くするのやめろよ」
ルビー「そんなこと言っても・・私男の方がいいもの!
ガクトこそ・・早く貴方の・・愛しの人を探しなさいよ!!」
王子「それなんだけど・・もう探す所がないよ!何か降りてこない?」
ルビー「ん・・少し待って」
そう言うと・・なんのことはない・・ルビーは寝てしまった!!
しばらくそれを・・知らずに待ったいた!!王子も何時の間にか
一緒に寝てしまった!!
そして・・ルビーの見てる夢にリンクしていた!!
見なれた城
その城の部屋の隠し部屋の鏡の中からかすかなオルゴールの音色♪
また別の風景
霧の中から先ほどの音色が前よりハッキリと聞える・・・
ああそのオルゴールがあった!!
「ああぁ私のオルゴール・・それをもって来て頂戴!!貴方の探し物と
交換しましょう」
「貴方には何処へ行けば・・会えるの!!貴方の所に行けばkeyに
会えるの?」
「早く・・早く!!オルゴールを!お願い・・私は・・・」
王子「あれいい所で,目が覚めてしまった!おいルビー俺は、
ガラスの城に行ってくるから後頼むよ!
あんまし色気は出さないこと」
ルビー「ニャンニャン了解!!フニャ・・・」
見なれた城それは・・そうおばあさまのガラスの城じゃないか
そのオルゴールて・・おばあさまの所にあるのかな?
ふ〜う!探すのかあの・・あの・・考えまい!!
王子「おばあさま・・・おいババ・・・痛い」
何処からともなく扇が飛んできた!!
王子「何を投げるんですか・・」
グラン・マ「今何か言ったかい?」
王子「何も言ってませんよ!それよりおばあさまオルゴール持ってませんか?」
グラン・マ「どんなオルゴールだい?何に使うんだ」
そこで・・・王子は経緯をグラン・マに話した。
グラン・マ「ンン・・・そのオルゴールは確かに預かっていたような??
何処だったかね・・たしか地下室にあるよ」
王子「地下室だね・・ありがとう探すよ」
グラン・マ「だけどまだ大切な事を忘れているような??なんだったかね
まあ・・アレを探すまでにはまだまだ時間があるからね」
そのころ地下では・・・
王子「なんだよ・・この地下室は・・喘息が出そうだよゴホゴホ!!
それに何処探せばいんだよ」
ごみ・・いや宝の山は・・ホコリをかぶりそこに山積みされていた。
その日からこつこつ・・作業は始まった!!
日頃は直ぐ根を上げてしまいそうな王子なのに・・・
グラン・マ「あれ・・綺麗になってるね!!後少しだ」
王子「おばあさま・・僕に掃除をさせるつもりじゃないの?」
グラン・マ「ゴホゴホ・・そそんなことないよ!この奥にあるはずさ」
王子「なかったら・・おばあさまが見つけてよ!!
元元おばあさまが・・返し忘れるのがいけないんだぞ」
グラン・マ「そんな事言ってたら・・まだ沢山ああやめよう」
王子「まだまだ・・あるな!返し忘れ」
グラン・マ「おおそうだ!ガクトその踏み台にしてる箱!
それを開けて見なさい」
王子「この汚い箱のこと?」
ミカン箱を少し頑丈にした感じの箱を王子が開けてみると中から
小さなブルーの宝石のついたオルゴールが出てきた。
王子「わああ・・高そうなオルゴールだな!だから返さなかったの?
おばあさま」
グラン・マ「失礼なヤツだね!違うよ・・持って行きな」
王子「ありがとう!しかし何処に行けばいいのだろう?おばさまこれ
誰から猫ばばしてたの?」
グラン・マ「なんだって・・本当に失礼なヤツだね!」
王子「わあ・・ごめんなさい!お願いおばあさま思い出して」
グラン・マ「確か・・・魔界女学校で一緒だった!バサラだったような」
王子「そのバサラて人は」
グラン・マ「私と・・1・2を争う美貌と魔力の持ち主で・・・・・・」
王子「おばあさまの自慢話聞く時間ないの・・それは今度聞くから」
グラン・マ「でも・・家柄がね!!だから何処かの城で乳母をしてた筈なんだよ」
王子「もういいや・・自分で探すよ」
そこへ
執事「ご主人さま・・ああの」
グラン・マ「なんだい・そんなに慌てて」
執事「あの・・・keyさまが居間のソファーの方に現われて」
グラン・マ「現われて?」
執事「そうなんです!急に空間から現われて」
王子「それで元気なの?keyは」
執事「それが・・・意識が」
王子「ええ!!〜もういい・・・」!!
グラン・マ「待ちなさい・・ガクト!!」
グラン・マの言う事など耳の届かないガクトは・・ああ行っちゃったぁ
バタ〜ン!!
王子「key!!」
急いで駈けよりkeyの胸に耳を近づけるとかすかに心臓の音が聞えた。
王子「ああよかった!さてどうやったら目覚めるのかな?
やはりここは,王子さまのキスかな?チュ〜・・・・あれ???
後は・・なにあれかな?でも意識がないと面白くないしな」
グラン・マ「何してるんだ?ガクト」
王子「え!ちょっと・・・・・」
グラン・マ「見事に寝てるね!しかしkeyにこれだけの魔法をかけれるとは」
王子「でも・・・keyてドン臭いよね!本当に強いの?」
グラン・マ「強いよ!でも優しいさがネックになってるんだろうね」
王子「どうしようか?このオルゴールと関係あるのかな開けて見ようかな」
そう言いいながら王子がオルゴールを開けると同時に
金髪の豊満な女性が現われた・・・
グラン・マ「バサラ!!」
バサラ「久しぶりだね!keyさまを返してもらうよ!本来の姿で」
グラン・マ「え!!マズイ・・ガクト・・逃げるよ」
王子「え!!どうして?ああ〜」
その言葉とを放つと同時に・・ガクトの肩からは鮮血が迸った!
振りかえったガクトが見たものは
何時もよりも色濃く映し出される紋様と長く伸びた爪に滴る血を舐めている
燃えるような瞳のkeyの姿だった!!
王子「どうしたんだ!!key」
グラン・マ「ダメだ・・覚えちゃあいないよ!早く逃げるんだ・・・
あのオルゴールの音色は大切なものを忘れさす力があるんだよ!
詳しい説明は後だ・・ほら」
何が何だかわからないまま・・・逃げ足の速さに駈けては右に出るものがいないグラン・マの手を取った。
あのkeyは・・それにバサラとの関係は!
バタ〜ン
グラン・マ「重いよ・・とっておくれ」
執事「ノワールさま!!大変です・・・」
グラン・マ「そんな事言う前にこれを運んどくれ!!!」
執事「ああ申し訳ごさいません!!ハイ王子!!大丈夫ですか?」
王子「うるさい!そして唾が飛ぶからそんなに顔の近くで喋るな」
執事「ああお元気そうで・・・」
そこへアフタヌンティーの時間だった下僕とルビーが
怪訝な顔で入って来た。
下僕「なんですか騒がしい!」
グラン・マ「ごめんよ私が付いていながらさ!まさかバサラがこんな事を
するとは」
何が起こったからわからなかった下僕が執事に抱かれてる王子を見て
下僕「誰にやられたんだ・・その傷」
執事「傷の方は,大丈夫みたいですが!誰が私の王子に」
王子「やめてくれ・・・誰がお前のものだって」
下僕「まあ奥のソファーに連れて行ってくれ」
ルビー「大丈夫?ガクト!!」
王子「大丈夫さ!それより向こうの方は?」
ルビー「今は休み!だから執事と帰ってきたんだ!ノワールにも知られちゃったーやっぱり」
王子「そうなんだーうっ!!」
下僕「少し黙っていなさい!!」そう言うと傷口に手をかざしたそうすると
不思議に痛みと意識が無くなってきた。
さっき城に戻るとき聞いたkeyとバサラの話が頭の中でぐるぐる回りながら
王子「う!・・・あぁ」
ルビー「目が覚めたの?傷はほぼもう大丈夫だと思うけど」
王子「それより・・・おばあさまと下僕は?」
ルビー「向こうの部屋でなにやら話してるよそれに魔界少し大変かも」
王子「key?」
ルビー「よくわからないけど・・・色んな所で戦が始まってるみたい」
王子「・・・・ 」
そのまま黙っておばあさまと下僕のいる部屋に向った。
下僕「どう言う事なんですか?おばあさま」
グラン・マ「ああ・・・バサラは女学校時代に一番仲のいい子だったんだよ
お前の母親は少し神経の細い子だったからね。そのためにあのオルゴールを
借りていたんだ!しかし依存するようになったから隠してたんだ。
そして忘れたー」
下僕「それがどうして今頃!!それをなんでkeyに使うんです?
何を忘れるために」
グラン・マ「ああ・・・・・」
そこへ
王子「バサラて・・・keyの乳母だったんだって」
グラン・マ「もう大丈夫なのかい?ガクト」
王子「うん!下僕とルビーのおかげで!話せばいいよおばあさま!
僕に話したようにさ・・・下僕にも」
グラン・マ「そうだね・・・keyの国が何故2大勢力と言われ
氷の国コキュートスと呼ばれていたか知ってるか?ノワール」
下僕「ん〜ん知らない。」
グラン・マ「あの一族には隔世遺伝で何代かに1人氷の様に冷たいとても
残虐な者が生まれるのだ!ここ数1000年はこの世を作った最上界の
神の配慮でその者が生まれた時のは必ずその者の良心となる者を
対として使わされていたんだ」
下僕「それが・・その残虐な者がkeyだと言うのか」
グラン・マ「今までわからなかったけどね。
しかし王がその話しを恐れあの一族を根絶やしにしたんだよ!
バルバロッサは子孫を残しそうにないしアレだから見逃してるが
王にとってお前と同じぐらいkeyの存在は邪魔な筈」
下僕「しかし何故・・今頃になって!それにどうしてkeyの記憶を消す必要があったんだ」
王子「だから・・・その良心となる者の存在を忘れさす為だよね!
おばあさま」
グラン・マ「keyの良心!そうだね・・keyは凄く優しい子だから
力があっても今回の様にヘマしちゃうんだよね。
バサラは時間をかけてその事実をを調べたんだろうね。
そして耐えられないんだろうよ!あのコキュートスの王子がその気になれば
魔界の王にもなれるのに」
王子「そんなに強いの・・じゃあこの戦はどうなるんだろう」
グラン・マ「そのことなんだけどね・・・さっきも我が一族についてる
魔物からの報告によるとかなりの被害が出ているらしいよ」
下僕「keyの良心て!なんなんですか?」
グラン・マ「それは・・・お前だよ!ノワールそしてガクトお前さ」
王子「僕もなの?じゃあ僕がkeyを止めるよ」
グラン・マ「今のお前の力じゃ無理だよ!ノワールでさえ無理じゃないか」
下僕「なぜ私が・・・keyの良心なんですか?」
グラン・マ「過去の事を忘れてるお前に言える事は・・・・あの子の最初の
良心はあの子の妹の中にあったんだよ」
王子「モノだったのkeyの良心て?痛い・・叩かなくても」
グラン・マ「その心が目覚めたのがだよ!keyが自分よりも大切に
思ったもの!その妹が殺されそして廃人同様でここに運んだ時
その人形のような心に温もりを与えたのがお前なんだよ」
下僕「私ですか・・・・」
グラン・マ「そして・・お前の唯一良心ガクト!!
お前達2人がkeyにとっての良心唯一の弱点な筈だよ!」
王子「下僕の最愛の人って俺?痛いそんなに叩くと頭悪くなっちゃうよ」
下僕「どちらにしろ・・keyを倒さないと!この魔界は・・・」
王子「ダメだよ・・keyは今僕らを忘れてるだけなんだから!
いっぱい助けてもらったんだよ!僕ら」
グラン・マ「倒せればいいけど・・今のkeyにはたして勝てるか」
下僕「それでもやらないと・・罪もないもの達が戦に翻弄されるだろう」
王子「嫌だよ・・・じゃあ下僕思い出せよ!昔の事をkeyとの事を」
キツイ言葉を投げ
王子は自室に戻った
王子「くそう!!何でこんな事になるんだよ!!」
ルビー「入っていい?」
そうイイながらルビーは静かに部屋に入って行き王子の傍に座った。
王子「俺・・・下僕に悪い事言っちゃった」
ルビー「うん・・わかってるんだよね!ガクトはどうしなければいけないか」
王子「・・・・このままじゃいけないよな」
ルビー「沢山のものが亡くなってる!きっと本当のkeyは今の自分を
望んでなんかいないと思うよ」
王子「でも・・でも!」
ルビー「ガクト!」
王子「なんだよ・・」
ルビー「頑張れ!」
ルビーは王子の口にありったけの優しさを込めくちづけた。
毎日のように魔物から連絡が入った。
魔界は今血の海かて?いや・・・
keyはむやみには争いは起こさなかった!
彼の憎悪は自分の国を根絶やしにした王に対してだけ
向けられてるみたいだった。
だから大変なのはバルバロッサやシノンたちなんだけど・・
別にあいつらなんてどうでもいいけどさ
それでも巻き添えになる罪もないもの達が、沢山いた。
下僕の場合は美しい森の木々や花と・・対象が少し違うんだけどね!!
王子「ねえ!おばあさま!何そんなにのんびりしてるの・・・
keyまた城を1つ落としたよ」
グラン・マ「この城は全然被害ないからね・・あの子もいい子だよ!!
心配してたけどむやみな殺生はしないじゃないか!
私は自分に被害のないことは、気にならないからね」
王子「まあそうなんだけど・・このままじゃあkeyがやられてしまうかも」
グラン・マ「ん・・・しかしね!今のお前じゃあ歯向うとやられてしまうぞ」
王子「でもね・・下僕はもう限界みたいだよ!お気に入りの森を
いくつも焼かれてるからね。」
グラン・マ「マズイね・・ふたりがぶつかると王の思うつぼに
ふたりが共倒れになりかねないからね」
王子「そうだよ!まだ記憶を思い出す方法を見つけられないの?
おばあさま」
グラン・マ「そんなに簡単にはね・・バサラなら調べてるかもしれないが」
王子「頼りない・・おばあさま!そうだその前に僕知りたかった事があるんだ
むかしkeyは何故下僕の傍を離れたの?
あれさえなければ今頃アツアツでしょ」
グラン・マ「まだ話したことなかったけ?あれ・・・タイムスリップして
過去へは来てたよね!フルールの事は知ってるよね。」
王子「フルールとは仲良くしてたけど
その頃僕あんまし・向こうに行けなくなってたから!」
グラン・マ「ええと・・何を話せばいいのかな」
王子「誤魔化して・・keyが何故・・下僕から逃げたのか!てこと」
グラン・マ「ふたりの秘密だよ・・・あのね」
〜回想〜(詳しくは「王子過去へ行く」を持ってるからいる人は言ってね。)
ふたりがどんな感じだったかは、覚えているね。
あの後
keyは傷がだんだんと癒えそれと同時に
心と裏腹に身体が人のエナジーを欲しがったのだ。
だんだん力がつくごとに・・・
その身体は、フルールを欲しがった。
「何故なの?keyならあの頃も思いのままだったじゃないか」
グラン・マの自室の隠れ部屋
グラン・マ「やれやれ!こんな所に居たのかい
フルールが泣いていたよ・・・お前が冷たいと」
key「グラン・マ俺・・俺このままだとフルールの事・・・・
俺は、この身体が恐ろしい・・何時言う事を聞かなくなるか」
グラン・マ「あの子の事愛しいんだろ?可愛いんだろ?」
key「そうだ・・だけど時々どうしようもなくあの身体が
あの魔力が欲しくなるんだ・・・
アレほどの力をあの子が持ってるなんて」
グラン・マ「そうだね。私があの子が生まれた時に
力を封印したんだ、でもそろそろその封印が溶けそうだ。」
key「何故封印したんだ・・」
グラン・マ「もう気付いてると思うが・・
アレの母ローザは、アレを生んだ時から少しづつ・・
精神が壊れてきてるのだ・・・いくら記憶を消してもダメなのだ。
肝心の記憶は消えない!」
key「どうして・・・」
グラン・マ「寂しいのであろうな・・幾ら聞いても話さないが
アレの父親には忘れられない者がいたからね。そしてアレの兄は
力があると解かれば間違いなく襲ってくるだろう。」
key「どう言うことだ・・・何故襲ってくる。」
グラン・マ「力が邪魔なのだ・・・だから封印した。」
key「じゃあどうして溶けかかってる。」
グラン・マ「お前の力と、共鳴しているのであろう。お前に力が戻る
ほど・・・あの子の封印が・・・・」
key「俺は、どうしたらイイ・・」
グラン・マ「フルールがもう少し大人なら・・・最強のペア−なのだ が・・・幼いからね・・・・」
key「どう言うことだ・・」
グラン・マ「身体を合わせてしまえば、お互い凄い力を得ることが
出来る。」
key「あんたらしいよ。グラン・マ!
フルールもあんたに似てたらな・・・・・
俺甘えすぎていた。もう大丈夫だから・・・
城を出るよ。明日の朝」
グラン・マ「泣くよ・・フルール」
key「グラン・マから上手く言っておくれ!
敵討ちに出かけたとでも・・・・俺は傷つけたくたくないフルールを」
そう言ってkeyが出ていって間もない頃だよあの事件が起きたのは
今考えるとそれを狙っていたのかもしれないけどね。
それに・・アスランお前の親父はアレの存在自体をアレほど憎悪してるとは
あの時には気付かなかったのだ。
王子「ふ〜ん!なんかさあ解かるような気がするけど・・バカだなkeyて」
グラン・マ「なかなかあの時のフルールにはいくらお前でも手が出せないだろう」
王子「でも!無理強いする訳じゃあなく・・・上手く」
グラン・マ「まあ・・私やお前にはなかなか理解出来ないことだよね・・・
しかしそこでアツアツだとお前は生きてはいないよ!まあ運命ってヤツ?」
王子「そうだね・・・今からでもどうにでもなることだよね!
過去は帰られなくても未来なら!!」
グラン・マ「お前のそういう考え・・好きだよ」
王子「ありがとう!!でその後の事件は」
グラン・マ「私もね・・丁度留守にしてて駆けつけた時はローザの死体と
その傍らに変わり果てた姿で気を失っていた・・アレを見つけただけだったんだ」
王子「その時keyはどうしてたの?」
グラン・マ「あの子も・・血だらけで立ってたよ!ほぼ完全体の体で
私の少し前に駆けつけたみたいだ・・きっと私よりも何か知ってるかも
私に気がつくと・・アレを抱きかかえ私に託し!黙って消えていったので
私も詳しく聞いてないんだよ!」
王子「きっと後悔してたんだろうな・・keyの事だから」
グラン・マ「そうだね!多分前に言ってたことがあるよ!アレがkey
の事を忘れ憎むようになってから・・俺を忘れ憎む事でフルールの精神が
安定するなら!それでいいよ俺はと・・言い訳も正当化もしないと」
王子「でもでも・・・・その時の事はアスランが話してたよ!
この前の事件の時に」
グラン・マ「今のアレにはそれだけで・・精一杯の筈それにまだ
あの事件の全容思い出した訳でもないみたいだし」
王子「あああ・・そうだね」
あの時の下僕の変容思い出して・・次を続けるのをやめた
今のkeyとあの時の下僕が戦ったら考えただけで
左手が疼いた!ソロモンの剣だけが戦いを喜んでるように
それから僕はとにかくソロモンの剣を扱えるように
真面目に修行をした修行と言ってもkeyはいないし
下僕は僕がこの剣を扱うのを見るだけでいやがるので
もっぱら相手は、執事!!
これが年の割には、さすが凄腕最近やっと勝てるようになった
相手をしてもらうようになって解かったが
執事てメチャメチャ尾茶目なんだ・・デカイ図体してさ!!
執事「参りました!!王子」
王子「何時もありがとう・・そうだルビーは上手くやってる?」
執事「はい・・もう違和感なく!しかしルビー様も心配されてますよ」
王子「俺のことを?keyの事を?」
執事「ルビー様はkey様の事は・・お忘れになってるはずじゃあ」
王子「下僕と同じ立場なんだよね!ただルビーは僕の血が流れてるからな」
執事「王子じゃあなく・・アスラン様の血ですよね・・ああ失言でした」
王子「まあ・・強いからな」
執事「じゃあ私は、人間界に戻ります!そうそう!もう直ぐツアーですよ」
王子「何とかして・・行けるようにするよ!ルビーをよろしく」
俺がそうしてやっとソロモンの剣を前より扱えるようになった頃
事件が起こった!!
下僕のお気に入りだったあの花畑が・・焼かれたのだ!!
下僕「あいつ・・私の大事なあのお花畑を」
下僕の体からは明らかに戦闘態勢のオーラが
王子「おかしい・・いくら忘れててもkeyがあの花畑を焼くなんて」
城では
「王様・・仰せの通り焼いて参りました!」
「今も炎に包まれています」
サフィール「ああ解かった・・下がっていいぞ」
アスラン「フフ・・・これでどうなるかな!」
サフィール「これでいいのかね!アスラン」
アスラン「これで・黙っていてもkeyとノワールは戦うだろう!
keyの奴がまさか!コキュートス伝説の男だとはな!
長老達の失敗だなあの時根絶やしにしてなかったのは!
まあどうなるか楽しみだな・・・ハハハハ」
思い出の花畑・・昔よく遊んだあの花畑だよな〜
誰だよ・・・・燃やしたのは!!
アレから僕が止める言葉にも耳を貸さない下僕!!は
とうとう・・・keyと戦うことに
前にあったときより・・また一段と紋様は濃くなり
瞳の赤とは反対に肌の色はより青くなっていた
あの瞳に睨まれただけで・・・背筋が凍りつきそうになった。