第6章、第3項、 シュッテイ判断と気象予測。 1、 安全、特に気象判断についての基本。 よく、少しでも不安があれば乗艇しない、と教えられます。 しかしそれでは安全機能は育ちませんし、むしろ「潜在的危険」を増やしているだけです。 「絶対な安全」はあり得ません。 まったく不安のない乗艇ということ自体、ありえないか、そのように判断すること自体、見落としがあるといえます。 指導者だけでなくクルー自身も、自分自身で、毎回の乗艇に、準備が整っているか、特に気象条件は大丈夫か考えましょう。 シュッテイ判断を人任せにしてはいけません。 「気象予報や、自分たちの判断・予測は外れることがある」ことを受け止め、そこでどう安全確保していくかを、考えるようにしましょう。 楽観視は避けるべきです。 2、 シュッテイの決断。 リスクとは別に、シュッテイの「決断」は明確でなければなりません。 その乗艇が、気象や環境については「ほぼ」危険のない状態なのか、または、明確なリスクがあるのか、または、待機すべき状況なのか、または、乗艇を中止すべきなのか、です。 3、 気象予測。 最近は気象情報の精度も上がり、情報も、テレビ、ラジオ、電話などで容易に入手できます。 当日の気象リスクのレベルを把握しておきましょう。 また「実際に空を仰ぎ、大気からのメッセージ、数時間後の局地的な気象変化を聴こうとする姿勢」、いわゆる「カンテンボウキ」が何より重要です。 視覚に障害があるからカンテンボウキはできない、ということはありません。 カンテンボウキとは遠い空の様子や視覚情報だけではありません。 視覚的な制約があるとしても、自分を直接取り巻く空気の感触もとても重要です。 風、気温、湿度、日差しの感触などを、自分のもつ感覚機能を最大限に活用して捉えようとする意識が大切です。 「現在の穏やかなコンディションが、あと、どれだけ続くのか?」様々な自然からの情報を読み、予測と評価を繰り返し、予測水準を向上させましょう。 波と突風: ボートでは、波と風、突風が大きなリスクとなります。 低気圧や前線の接近、潮汐と風向の関係など、ここでは詳しく述べませんが、基礎的な知識を身につけておきましょう。 また乗艇中、常にその変化に神経を研ぎすまし、急に悪化しても岸まで帰り着けるように時間の計算ができるようにしておくことが何より大切です。 長い水域では退避可能な場所をたくさん確保しておくべきです。 落雷: ボートでは、南アフリカで、エイトへの落雷・死亡事故が1例あります。 落雷については、間違った言い伝えも多くあります。 平坦な水面上では、ボートは雷のかっこうの標的で、有効な防護手段がありません。 雷鳴がなったら、いかなる場合も乗艇すべきではなく、また雷鳴が止んでから約30分は様子を見ましょう。 乗艇中に雷が鳴り始めたら、早めに岸や橋梁の下に待避することが大切ですが、大木、塔、橋脚などからは4m以上離れるべきです。 近くに落雷し「かなり危険」と感じられる場合には、あまり動かず体を伏せて静かに待ちましょう。 以上で、「シュッテイ判断と気象予測」の説明を終わります。