第5章,第3項。 リガンと着岸。 1, リガン,岸から離れること。 ボートを浮かべてから、リガンするまでの一例を説明します。 まず、ボートを水面に浮かべたら、オールをオールロックに装着し、沖側のオールを出します。 漕手が、「アシかけて」の声にしたがって、中央のステッププレートか沖側のレールに足をかけます。 次に、「けりだそう、1・2・3」の指示で岸をやさしく押します。 静かにシートに座り、ストレッチャーに足を入れます。 けりだしたら安全なところまでとりあえず漕いで岸から離れます。 その後、ソックスを履き、ストレッチャーに足を固定、オールロック、リガー、スライドや各部の固定を確認します。 特にオールロックは重要です。 なお、アダプティブクルーや状況によっては、安全に配慮して、一人ずつゆっくり乗り組んで座ってから、岸を押して離れるのが良いでしょう。 その場に応じて、安全で確実なリガンの方法を考えます。 また、流れに対して逆流でリガンするのが、基本です。 順流では、岸に沿って流され危険です。 ボートを水面に置くときにすでに方向を考えておくべきですが、もしバウが下流方向に向いた状態で浮かべた場合は、バックロウで岸から離れるようにします。 2, 着岸。 着岸の基本手順を説明します。 適当な位置で降りる用意をします。 具体的には、オールロックのゲートピンを少しだけ緩め、シューズを緩め、靴下を脱ぎます。 それから、流れの下流側から岸に接近します。 つまりここでも、逆流が原則です。 岸に斜め約30°程度で、流れにあわせて艇速を調整します。 はやすぎることもおそすぎることも、危険です。 かなり接近したところで、沖側のサイドがバランスからストップロウをして岸に平行にします。 コックスの指示に従い、一人ずつ降ります。 補足1:艇の状態をコックスからアナウンスしてもらう。 離着岸はコックスもいそがしく作業するために、必要最小限のことが次々と指示されることになります。 基本的にはそれに従えばよいのですが、視覚障害者にとっては、ボート全体のおかれた状況がどうなっているのか、最初はわかりにくいかもしれません。 状況がわからないことは、単純に不安であるということだけでなく、ボートの安全機能に参画できないことを意味します。 熟練したコックスであれば、ボートがどういう位置にいるかの情報を、少しアナウンスして、クルー全員が安心して着岸操作に参加できるようにするでしょう。 補足2:陸上からの補助。 クルーは、自力で離着岸できるようになるべきですが、安全を考え、無理せず補助者に協力してもらっても良いでしょう。 もし補助者がいても自分で着岸まで持っていきたい場合は、補助者とのコミュニケーションをとって、補助の必要,不要,タイミングを調整しましょう。 手伝ってもらったら、忘れずにお礼を言いましょう。 陸上の補助者は、アダプティブクルーでも安易に手を出さず、まずクルーの技量と意思(独力でつけたいのか,手伝ってもらいたいのか)を確認しましょう。 手伝う場合、ブレードの押しひきは、シャフトを水面と平行にするよう心がけます。 以上で,「離岸と着岸」の説明を終わります。