6nimmt!

絶対に面白いカードゲームの傑作!!


ここ数年の、トレーディングカードゲーム(以下TGC)の人気は驚くほど凄い。
RPGマガジンなんかは、はっきりいってTGCマガジンに誌名変更したほうがいいんじゃないかという感じだ。
どうかタクティクスからRPGマガジンが分離して、本家のほうがつぶれていった悪夢の歴史がそのまま繰り返されたりしませんように。

……などと書いた矢先にRPGマガジンが本当にリニューアルする事になった。
いやー、そのうちやるんじゃねえかとは思っていたが、いざ現実になってみるとやっぱり悲しいねえ。
わしにとってはボードゲームもシミュレーションゲームも、カードゲームもRPGも、面白けりゃァなんでも大好き、全部一緒なのだが、世の中はどうしてみんな一緒に盛り上がるという事が無いのかねえ。
特定の分野にのみ人気が集中するという状況は何とかならんのか。

 

TGCは確かに面白い。すげえ面白い。
だがそれは、TGCだけが面白いカードゲームだという事ではない。カード集めをしないカードゲームにだって、面白いものはたくさんあるのだ。
しかし不思議な事に、さんざん遊ばれまくっているのはどれもTGCばかりである。
日本中に大量発生した自称カードゲームファンの皆さんも、自らそう名乗るからにはもう少しいろいろな種類のゲームで遊んでみて欲しいものである。

 

さて、いきなりTGCの話、それも愚痴からはじめてしまったので、もしかするとマニア向けのゲームを紹介するのかと思われたかもしれないが、全然そんなことはない。それどころか「アイアンドリル」のなかでは最も一般性の高いものである。

「アイアンドリル」が、特定のジャンルに固執しない何でもありの状態なのは、今まで知らなかった分野にここで出会い、興味を持ってくれたら……という願いから意図的にやっている訳だが、だからといってモノには限度があるという事も承知しているつもりだ。
特撮にもSFにも、全く興味を持たないごく普通の成人男性が、いきなり「妖星ゴラス」なんか観せられたって、面白いとは思わないだろう。玩具にしても、子供の遊び道具を大人が買うなんて全く理解できない、という人も多いだろう。

アイアンドリルでわしが「オススメだ!!」と叫んでいても、それはわしの好みなのだ。
わしにとっては、ウラガンに頼んでキシリア様に届けて欲しいくらい「いいもの」だが、他の人にとっては必ずしもそうではない。
ある程度は趣味や嗜好の一致というものが必要なのだ。

だが今回ここでとりあげる「6nimmt!」は違う!
これこそ真の意味で万人に楽しめると言い切れる、誰にでもオススメの超傑作カードゲームなのだ!!

お願い、信じて。

 

6ニムトって何?

さて、すっかり前置きが長くなってしまったが……。

「6nimmt!」はドイツのカードゲームだ。
輸入販売も行われているので、日本でも買う事が出来る。ボードゲームやカードゲームを扱っているゲームショップなら大抵置いてあるし、東急ハンズなどにもある。1800円と値段もお手頃だ。

日本で売られているものには、ちゃんと日本語版の説明書が付属してくるし、カードには数字とマークがかかれているだけなので、ドイツ語が読めなくても大丈夫。数字さえ読めれば、小学生でも楽しめる。

 

ルールは非常にシンプルだ。
数字の書かれたカードを、十枚配られたうちから一枚選んで一斉に出し、一定のきまりに従って数の小さい順に四列に並べていく。各列とも五枚目までは置く事が出来るのだが、六枚目は置く事が出来ない。六枚目になってしまう場合は、並んでいる五枚のカードを取らなければならない。
この、取ったカードが失点になる。これを十回繰り返したら終了。
カードの上のほうに一個から七個の牛のマークが描かれていて、終了時にこの牛マークの合計が最も多かったものが負け。

 

文章で書くとなんだかややこしい感じがするが、実際に遊んでみればそんな事はない。
全く何も知らなくても、とりあえず一回やってみればルールは完全に理解できるはずだ。
三回目にはカードの出し方のセオリーというものがつかめてきているだろうし、五回目には策略を巡らして周りの誰かを罠にかけたりといった、様々な技を駆使する事が出来るようになっているはずだ。

では頭のいい奴が常に有利かというと、それがまた難しいところだったりするのだ。
知恵を使ったほうがいいのは確かなのだが、ほんの僅か読みがズレただけで、あるいは何も考えていない人のセオリー無視の行動や、手詰まりから出されたヤケクソの一枚などのために番狂わせが起こったりして、逆に酷い目にあってしまったりする事があるからだ。

狙いがピタリと決まった時の痛快さは最高だし、逆に意外なやりかたで見事にハメられた時の悔しさといったら、もう!!
絶対ダメだとあきらめていたところに他の人がもっとダメなカードを出してきて「助かっちゃった大ラッキー!」とか、反対に「何でそんなカードを出すんだよ!!」と思うような事も。
はっきりいって盛り上がり度は最高である。
一回のプレイ時間はすごく短いのだが、もう一回もう一回と、延々遊んでしまう。
そして、もうお開きにしよう、となると大抵こう言う奴が出てくるのだ。
「コレ、面白いなあ。どこで売ってるの?今度買いにいくからさ、教えてよ!」

 

とにかく、誰でも楽しめる絶対に面白いゲームだという事は確かだ。
友達と皆で旅行にいくとか、正月に親戚が集まるとか、学校や会社の昼休みだとか、そういった、人の集まる機会にはトランプやUNO、花札、将棋、麻雀などで遊ぶという事がよくあることだろうと思う。
これからは、それらのかわりに「6nimmt!」をぜひ持っていって欲しい。

 

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