魚雷戦ゲーム

敵艦見ゆ!!発射用意!!発射!!撃沈!!
はるか水平線上に敵戦艦の無気味な姿が浮かびます。
リフレクトスコープがついて一層の現実感を加えたすばらしい戦闘ゲームです。
(解説文より)

 


迫力の箱絵がカッコイイぞ!

 

というわけで魚雷戦ゲームだ!!
このゲームは、わしが小さい頃からずっと欲しいと思っていたのだが、つい最近になってようやく入手する事が出来たものだ。
二十年以上求め続けてようやく手に入れたということで感慨もひとしおである。
しかし、今迄ずっと探していて見付からなかったというのに、自分の住んでいるところからそう遠くない、それも前々から頻繁にうろついていた地域にある店からあっさり新品で見付けてしまった。なんとも皮肉なものだ。
なんだか「青い鳥」のお話みたいである。

さて、そんなわけでこの「魚雷戦ゲーム」は探すのにちょっと手間取るかもしれない。
いいものを紹介して、世に広めるという趣旨から少しはずれるかもしれないが、ロボット玩具などが根こそぎ荒らされているような店でも、こういったゲームの類いは結構手付かずで残っている事が多いので、意外とあっさり見付かる事も多いんじゃないかと思う。

 


これが魚雷戦ゲームだ!

 

ゲーム内容は両側から魚雷にみたてた鉄球を互いに撃ち合って敵艦を多く撃破した方の勝ち、といういたってシンプルなもの。

リフレクトスコープの中には反射板が入っていて、上からのぞき込むと敵陣営が見える。スコープを操作すると魚雷発射管が連動して動く。スコープに敵艦を捉えたら発射管の後ろにあるレバーを押して魚雷発射だ!

ポイントは、ゲーム盤が二段になっている事だ。
上段は、青い透明プラスチック板が張ってあって、海面を表現している。そこから透けて見える下段は、当然海中だ。
発射された球が盤面の上を通らずに、下の方を通って敵艦に進んでいく辺りがいかにも魚雷戦という感じである。
走っていく魚雷の航跡が、青い海の中にうっすら見えるのが気分を盛り上げてくれる。

 


妙にリアルなリフレクトスコープと魚雷発射管

 

このゲームでは、ゲームそのものよりも「雰囲気を盛り上げる」事の方に重点が置かれている。

スコープなんかも、ものすごくカッコイイし操作していて楽しいのだが、はっきりいって命中率はあまりよくない。あてにならない。ヘタをすればこんなスコープなど無いほうがよっぽどよく当たるかもしれない。しかし、それじゃあダメなのだ。
スコープも、じかに見るのではなく、反射板を通して見るからいいのだ。
たとえブレて、命中率が下がっても、スコープと発射管が連動してるのがいいのだ。

操作盤の脇の魚雷モールドや、方位盤を意識した盤面の角度表示や、妙にリアルな発射管など、ゲームには全く関係の無い部分にやたらめったら気合いが入ってるのが魚雷戦ゲームの魅力だと思う。
わしはコンピュータゲームで遊ぶ時でも、見た目からしていかにもゲームという感じのゲームはあまり好きなほうではなくて、どちらかといえばゲーム性を度外視しても「らしさ」にこだわったゲームのほうが好きだ。
魚雷戦ゲームに再会して、わしはガキの頃からずっと変ってないということがよく分った。
「生き残り頭脳ゲーム」や「沈没ゲーム」も好きだったが、何より好きなのは「魚雷戦ゲーム」であったというのは、非常に象徴的だ。

だから、そういう気持ちが分らない人にとっては、このゲームはきっと単調でつまらないゲームだろうと思う。
しかし、箱に書かれているような「一層の現実感」にこだわる人であれば、その人にはきっと「魚雷戦ゲーム」の楽しさが分ってもらえると思う。

 

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