戦場の狼
悪の軍団を壊滅せよ!!
ストーリー
某国ジャングルの奥深く。
この秘境の地では激烈なゲリラ戦が展開されていた。特殊訓練を受けた兵士”スーパージョー”は、極秘任務を受け、今まさにこの激戦の中に乗り込もうとしている。
極秘任務とは、このジャングルの奥深くから、全世界にその魔の手を広げようとしている悪の軍団を壊滅させる事である。
情報によると敵軍本部は難攻不落の要塞で、すでに我が軍の何人ものコマンドーたちが捕虜になっているらしい。
果して、実行不可能とも思えるこの無謀な任務を遂行できるだろうか!?
群を抜く緻密さ
85年当時、このゲームは緻密でリアルなグラフィックが異彩を放っていた。
同時期の他のゲームとは全く違う。
「デフォルメされたキャラクターに原色ベタ塗り」が当り前だった時代に、よくこれだけの物を作れたものだ。後発の「怒」などと比べても、「リアルさ」という点でいえば、絶対的な差がある。
「戦場の狼」というタイトルもまた、洋モノ戦争映画に日本の配給会社が勝手に付けた邦題みたいで雰囲気はバッチリだ。なんだかよくわからない英語のタイトルよりも、よほどインパクトがあると思う。
戦場を突き進め!
縦画面で縦方向の任意スクロール、操作は1レバー2ボタンだ。
レバーで8方向に移動、左ボタンは向いている方向にライフルを撃つ。右ボタンでは上方向に手榴弾を投げるぞ。
ライフルの弾数は無制限なのでバリバリ撃ちまくってガンガン突き進もう。
手榴弾は数に限りがあるが、数人まとめて吹っとばす事ができる強力な武器だ。また、塹壕や壁の向こう等に隠れていてライフルでは倒せない敵も攻撃できるし、ジープやトラックなどの耐久力のある敵も一発で撃破できる。他にも木やトーチカのような、一見破壊不能に見えるものも壊す事ができたりする。
補充する機会は多いので、ケチらずにどんどん使おう。
手榴弾は、弾薬箱を拾う事で補充できる。
アルファベットの書かれたパネルなどではなく、あくまで「弾薬箱」なのが上手い所だ。戦場に置いてあっても不自然でないものを配置する、その心配りが素晴らしい。
それに、敵地のド真ん中に主人公を助ける品物など、都合よくあるわけがない。そこを「敵の武器を奪って反撃する」という燃える要素にまでもっていくのだから恐れ入る。
しかも、ただ置いてあるだけではなく、塹壕に陣取った敵兵の脇だとか、土嚢の陰から迫撃砲で攻撃してくる兵士の傍に積み上げてあったりするのだ。実にニクイ見せ方である。
ただなんとなく、当り前のようにパワーアップアイテムを登場させる近頃のゲームとは違い、小物ひとつとっても上手くつかって「ドラマ」を見せるこだわりには、全く頭が下がる。
敵陣突破!戦士の休息
敵を倒しながらどんどん突き進むと、やがてゲートに辿り着く。スーパージョーの進行を阻む、敵の総攻撃だ。
わらわらと出てくる敵兵を全て倒す事が出来れば、ステージクリアだ。
気のきいたクリアデモ
1ステージ突破するごとに、スーパージョーの休息する姿が映し出される。
当時は、このようにクリア時にデモシーンを挿入するようなゲームはほとんど無かったので、非常に新鮮であった。またそれぞれの絵も、煙草をふかしたり武器の手入れをしたりと、いかにもそれらしく気分を盛り上げる物で、プレイヤーを楽しませてくれた。
さあ、決戦だ!!君は生き延びる事が出来るか!?
「戦場の狼」は「リアル」であったとよく言われるが、ゲーム自体ははっきりいって非常にシンプルなものだ。それをリアルに感じさせているのは、細かい部分にまで行き届いた配慮や、それらしく見せようとするこだわりなのである。