爆竜戦隊アバレンジャー ダイノマインダー

レバーを引いて変身!!

 

 

天才的な腕を持つ外科医、仲代壬琴は、自分の望むもの全てを易々と手に入れ、何一つとして不自由のない生活を送っていた。
だが、誰もがうらやむようなその生活に、壬琴は満足していなかった。彼にとっては、退屈で虚しい日々の繰り返しでしかなかったのだ。
そんなある日、刺激を求める彼の前に、驚くべき事件が起こった。エヴォリアンの襲撃、夜の大都会で暴れまわる爆竜たち、そしてアバレンジャーの誕生。
想像を絶する出来事の連続!壬琴の心は踊った。
「ときめくぜ!」

そして壬琴は、爆竜の卵と共に、白いブレスレットを手に入れる。しかし、そのブレスを装着した瞬間、壬琴は、ブレスからほとばしる凄まじいパワーに耐えられず、その場に倒れ、気を失ってしまう。

彼は重傷を負いながらも、ブレスの力を必ず自分のモノにしてやると心に決めた。
苦痛に耐えながら何度も何度も変身を試み、やがて…ついに白いアバレスーツの戦士がアバレンジャーの前に姿を見せる時がやってきた。
アバレッドの凌駕は新たな仲間だと喜ぶが、白い戦士は仲間になるどころか「お前らと組む気はさらさらないんだ」と言ってアバレンジャー達に襲いかかる。

「お前らがアバレンジャーなら…フッ、こんなのはどうだ?」
白い戦士は手にした羽根ペン型の武器で空中にサラサラと何やら書き始めた。するとそこには、金色に光り輝く「アバレキラー」の文字が浮かんでいた!

 

 

 

アバレキラーの白いブレスレット「ダイノマインダー」は、レッド、ブルー、イエローのスーツより以前に作られた「0号」と呼ばれる試作型のブレスという設定だ。
ただ一人でエヴォリアンと対等に戦えるほどの強力なパワーを持っているが、内部の超小型エネルギー増幅炉の制御が不安定で、大爆発のおそれがある為に封印されていた、という事になっている。もしも爆発すれば、一瞬にして大都市を丸ごと消滅させてしまうという、とんでもない変身ブレスだ。
しかも、アバレキラー自身はそれを知っても、驚くどころか「スリルが増えて面白い」と考えているのがスゴイ。

外観は、ダイノブレスやダイノコマンダーと同じく、爆竜の姿をかたどったスタイルになっている。
アバレキラーの相棒、爆竜トップゲイラーはトゥプクスアラという翼竜から進化したヤツなので、ブレスも細く尖ったクチバシで翼竜らしさを出している。

ダイノブレスやダイノコマンダーと同じような形をしていて新鮮味はあまりなく、特に同じ翼竜の仲間という事で、アバレイエローのブレスとはかなり似ている。だが、直線的でスマートなスタイルと大きなトサカ、それに白い色で違いを際立たせており、印象が薄くならないように配慮されている。
白い色ということで、見た目が安っぽい感じにならないかと心配していたのだが、その白い部分はパールホワイトで塗装されていて、意外にもかなりキレイなものに仕上っている。

アバレンジャーのブレスと同じような形ではあるが、その中にも「鋭く、攻撃的で、美しい」というアバレキラーのイメージがしっかり盛り込まれているのはさすがだ。

 

 

それではギミックを見てみよう。
電源スイッチをオンにすると、爆竜トップゲイラーの鳴き声を思わせる起動サウンドが鳴って、作動を開始する。

本体右端にあるゴールドで塗装された部分を右へ引っ張ると、連動してシルバーの下アゴ部分が動く。
ダイノブレスのように、シルバーのパーツを直接動かすのではなく、離れた場所にあるレバーの操作に連動して動くのが楽しい。
この下アゴパーツは、ダイノブレスやダイノコマンダーのものに比べると、かなり細長い形をしており、しかも開く角度もかなり大きくなっている。いかにも翼竜らしいデザインだし、開いた時の印象が大きく異なるので、前の二種との差別化もしっかり出来ているのが上手い。

 


ダイノブレスより下アゴが細長く、口が大きく開くのが特徴

 

レバーをいっぱいまで引っ張るとカチッと音がして、口が開いた状態でロックされ、変身待機サウンドが鳴りはじめて待機状態に入る。
この待機サウンドが、「さあ、今から変身するぞ!」という気分を盛り上げてくれるぞ。
ロックした状態で、翼竜のノドにあたる部分にある赤いスイッチを押すと、スプリングアクションで下アゴがバシッと閉じ、同時に変身サウンドが鳴る!眼が光る!

 


ステゴスライドンのプレートを装着した状態

 

アバレンジャーの変身アイテムにおける目玉、ダイノプレートの交換ギミックも、バッチリ盛り込まれている。
ダイノマインダーには、爆竜ステゴスライドンのダイノプレートが付属しており、トップゲイラーのプレートと付け替えて遊ぶ事が出来るのだ。

ステゴスライドンのプレートを装着した状態では、変身サウンドのかわりに、爆竜合体サウンドが鳴るようになっている。
また、合体サウンドにかぶるように、爆竜の声が鳴り響く。パッケージによれば、これは「爆竜の嘆き声」なのだそうだ。なかなか面白い。

ちょっと残念なのは、ステゴスライドン以外のプレートを装着しても、鳴るサウンドは常に同じ、ということだ。
つまり、ティラノやブラキオ、バキケロやディメノコなど、色々付け替えて遊ぶ事は出来るが、何に付け替えてもアクションサウンドはステゴのものと同じなのである。
ダイノコマンダーの場合は「プレート付け替えによってそれぞれ違った音が出る」というギミックが非常に楽しかった。それに対して、ダイノマインダーは収録サウンドが「トップゲイラーで変身音、それ以外の爆竜で合体音、合計二種のみ」となっていて、ちょっと寂しい。発売時期が近いだけに、大幅にパワーダウンしたように感じてしまった。

 

レバー操作をせず、爆竜の口が閉じた状態で赤いスイッチを押すと、おなじみ通信コールサウンドが鳴る。
このコールサウンドは、他の二種のブレスとは違う音になっている。アバレキラーが単純なアバレンジャーの仲間ではない事を表現しているのだろう。

 


ダイノプレート未装着状態

 

外観もギミックも、基本的にはダイノブレスと同じだ。そのため、総合的な感想としては、際立った特徴の乏しいアイテムという印象がある。
ダイノコマンダーが「キーを差し込んで回転」「プレートごとに異なる多数のサウンドを搭載」という要素を盛り込んで、ダイノブレスと大きく差別化していたのに比べると、少々物足りなく感じる。

しかし、過去を振り返ってみると、ドラゴンレンジャーの「ドラゴンバックラー」や、キバレンジャーの「キバチェンジャー」などのように、主役の変身アイテムの色をちょっと変えたり、一部の仕様を変更した商品を「新戦士の変身アイテム」として発売した例は今までにいくつもあった。今回だって、ダイノブレスのプレートと内蔵サウンドだけを変更して発売すれば、それでよかったはずだ。
それなのに、わざわざ完全な別物として本体から新造しているわけで、そう考えると、なかなか頑張っていると言えるかもしれない。ダイノプレートの付け替えギミックが外せない以上、似たようなモノになってしまうのは仕方のないところだろう。

それから、ダイノコマンダーを持っているなら、ステゴスライドンのプレートの声を聞くためには、この「ダイノマインダー」が必要になる。
そういう意味でも、アバレンジャーのファンならば、ぜひ欲しいアイテムといえるだろう。

 

 

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