鳥人戦隊ジェットマン クロスチェンジャー

音と光のクロスチェンジャーで変身だ!!

 

 

 

「鳥人戦隊ジェットマン」は、人体を強化する「バードニックウェーブ」を浴びて、超人=鳥人となった五人の若者達の物語だ。次元戦団バイラムとの戦いだけでなく、メンバー達の対立や恋模様なども描かれ、異色の戦隊ヒーローとして話題になった。

 

ジェットマンの変身アイテム「クロスチェンジャー」は、右腕につける変身用ブレスと、左腕につける通信用ブレスの二種がセットになっているのが特徴だ。
左右セットのブレスというと、この後にも五星戦隊ダイレンジャーの「オーラチェンジャー」や超力戦隊オーレンジャーの「パワーブレス」などが登場するが、それらは基本的に「左右ブレスの組み合わせでギミックが作動する」というものであった。それに対して、クロスチェンジャーは「変身専用」「通信専用」と、機能によって使い分けているところが独特で面白い。

 


バードエンブレム変形状態。

 

右腕に装着する変身用ブレスは「バードエンブレム」と呼ばれる。五角形をしたブレスのボタンを押すと、鳥の顔と翼がスプリングアクションでバシッと飛び出し、鳥の形をしたジェットマンのエンブレムに変形する。
現在のブレスのようなライト&サウンドギミックは仕込まれておらず、変形アクションだけというのが少々寂しいが、逆に言えばそのためにサイズも小さく薄い。
変身ブレスはたいてい、「むやみにバカでかい」という印象があるものだが、この「バードエンブレム」はスマートだ。まあ、これに限らず昔の変身ブレスは小さかったのだが。
現在の目で改めて見ると、コンパクトにまとまっている「バードエンブレム」はなかなかカッコよく見える。

 


これがコレスポンダー。残念ながらバードロックが発見できなかった。


バードロック装着状態。左は通常。右はカバーを開いた状態。

 

左腕に装着する通信用ブレスは「コレスポンダー」と呼ばれる。変身用ブレスになかったライト&サウンドギミックは、このコレスポンダーのほうについている。ボタンを押すと、電子音を発しながらチカチカと光るのだ。
また、鳥形エンブレムが描かれた部分は取り外しが可能だ。この部分は「バードロック」と呼ばれ、巨大メカの起動キーになる。
放送当時、巨大ロボット「グレートイカロス」のコクピットを再現した「ジェットシミュレーター」という玩具が発売されていたが、この玩具の操縦パネルにも、バードロックをはめ込む部分がちゃんとついていて、劇中と同じように遊ぶ事が出来るようになっている。

 

「変身ブレスは通信機にもなる」という都合のいい設定を廃し、通信機を別に用意するというのはリアルだ。見た目にもはっきり通信機である事を意識した形状をしており、説得力を感じさせる。さらによく見ると、ラジカセのような録音・再生・停止・早送り・巻戻しボタンと思われるモールドもあったりして面白い。もしかすると、もともとバードロックは録音用メディアだという設定だったのかもしれない。

ただ、ギミック的には「ブレスを組み合わせると作動」というほうが楽しいのは確かだ。
通信用ブレスが単なる通信機なんだったら、なにも二つのブレスを一緒にしておく必要などない。変身用ブレスがありさえすればそれでいいわけだ。
まあ、左右ブレスを両方あわせた名称が「クロスチェンジャー」なのだし、やはり両方欲しいところではある。しかし、ただの通信機が「チェンジャー」っつうのもどうかとは思う。

 

 

鳥の姿をした五人組ヒーローといえば、誰もが思い出すのがタツノコプロの超傑作アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」だ。
戦隊ヒーローの源流とか、五人組の基本とか言われているアニメだが、実は、ガッチャマンの変身アイテムもブレスレットだった。ラスト直前で、ギャラクター本部に潜入していたレッドインパルスの残党が、壊れているジョーのブレスレットを使ってガッチャマン達にモールス通信を送るところなど、印象的な場面も多かった。

ところで、ガッチャマンのブレスレットも、やはり本体部分が五角形をしていた。変身する瞬間に鳥のエンブレムが現れるところまで一緒だったりする。
鳥の戦隊という時点で、ガッチャマンと比較されるのはわかりきっているのに、なにもわざわざ五角形のブレスで変身させなくてもいいじゃないか、とスタート当初は思ったものだ。

その後も見続けていると、「五台のメカが合体して完成する大型戦闘機」で、「火の鳥となって敵に体当たり」する必殺技、その名も「ジェットフェニックス」なんてのまで出てきて、大笑いしてしまった。やっぱりわざとやってたのか。
いや、カッコイイんだけどね。

もしかすると、戦隊ヒーローがブレスレットで変身するのは、ガッチャマンの影響だったのかもしれない。

 

 

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