ヤダリンのひとりごと
もう大晦日・・・

平成22年12月31日

  昨夜は寒かった。布団に頭からもぐりこんでも肩のあたりが寒くて寝つきが悪かった。こういうことはめずらしい。年に何度かあるかないかである。今年も少し前までなかなか気温が下がらなかった。秋を一足飛びして冬に突入し、もう大晦日って感じである。夏に壊れた自室のエアコンを買い替えようと考えたのに、そのまま真冬になってしまった。
  今年は、これまで以上に時間に追われる毎日であった。週休も心理教育プログラムへの参加や公的な仕事で本当の休みは少なかった。なぜか、私は11月1日付けで、広島市長表彰(広島市公衆衛生事業功労者等[保健衛生事業功労])を受けた。おそらく、年をとれば順番にいただけるものなのであろうと考えてはいる。カルテは電子化されたが、まだまだ、患者さんの情報は紙や自分のパソコンに多く残っており、電子カルテが真に威力を発揮するには、これらの情報が電子カルテに集約される必要があり、もう少し時間がかかりそうである。作業のやり方や入力法などまだまだ工夫すべきことがあるように思う。いつも私が口にすることだが、「楽をしよう」と努力する時こそ進歩することが多い。先日知らないうちに、私は「電子カルテ等システムレベルアップ会議」の議長になっていた。別の予定があり、初回の会議に参加できず、実はこれを知ったのは、初回の会議終了後数日を経過してであった。
  今年は、Web講演会に参加することが多かった。インターネットを介したライブ講演会であり、出かけずに院内で聴講できるので便利である。おそらく20以上は視聴したように思う。その都度、おいしいお弁当がいただけるのでカロリーオーバーになってしまう。Webは今後の講演会の中心になるかもしれない。
  当院の医師のリストなどによると、医局員は多いように見えるが、定期的に週1回以上は当直をやっている精神保健指定医は4人である。これは少なすぎる。救急医療施設であることが浸透してきた関係もあり、時間外に受診者がゼロである日はほとんどない。当直をしていただける指定医が増えて欲しいものである。
  1月には講演が3つある。年末年始の休みは、そのスライド作りに集中している。講演準備は、自分の勉強である。私の話は科学的な面がほとんどなく、経験と勘に基づく内容がすべてである。昔、某先生に「生活の知恵は医学ではない」とのご批判をいただいたが、私はこの「生活の知恵」が重要だと思っている。現場では、統計学的に有意差があるないといった話は全く役に立たない。自己愛的だと言われかねないが、自分が経験上持つ印象が最も信頼できると考えている。「印象」を正確なものにするために、常に「感覚」を研ぎ澄まされたものに保つ緊張感を持ち続けたい。1月2月は公的な仕事が多く、準備が不十分になるとは思うが、お聞きいただける方々に少しでも役立つ内容、良かったと感じていただける内容にしたいものである。
  パソコンのモニターを見つめる時間が増えたのと、食生活の不規則からであろう、視力低下が著しい。約30年前に角膜移植を受けた右眼はほとんど機能していないと言われているが、左眼も少しずつ障害が進んでいるのは確かである。免許更新は、視力検査をする人がいい加減だったので、うまくすり抜けられた。検診では、もう何年も前からずっと高脂血症を指摘され続けている。体重が増え、もう痩せているとは言えなくなった。ズボンが入らなくなり、年に2度も大きいウエストのものに買い替えるはめになってしまった。来年は健康にも注意していきたい。
  1月には、本邦8番目の非定型抗精神病薬となるインヴェガ(パリペリドン)が発売になる。当院の薬事委員会では既に採用が決まっている。これは、OROS(浸透圧放出システム)という技術を使い、1日1回服用で安定した血中あるいは脳内濃度が保てる徐放製剤である。3、6、9mgの錠剤があり、大きさは同じ。1日1回1錠がほとんどであり、まれに2錠となることがある。維持用量で開始できることも特徴である。すなわち、開始時の細かい用量調節を考える必要がないということになる。今でも十分シンプルな処方になっているとは思うが、更に処方の単純化が期待できそうである。ただ、服用が「朝」であること、分包できないことが難点ではある。リスパダール(リスペリドン)の代謝物ということなので、おそらく効果副作用面ではリスパダールとさほど変わらないことが予測されるが、服用法や剤形はアドヒアランスに影響を及ぼすので、注意深く反応を見ていきたい。

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