ヤダリンのひとりごと
アルコール依存症
平成11年11月27日

 私にかかったアルコール依存症の患者さんは気の毒である。まず治らない。というか、私に治す能力がない。治そうとする熱意がないのであろう。短期間で退院し、また飲酒して問題を起こす。「酒をやめます」と言ってやめてくれた人はいない。アルコール依存症の治療は、精神分裂病や躁うつ病に比べてはるかに難しいと思う。特別な技術が必要のようだ。私の手に負えない。私は不得意なので、「自分は専門ではないこと」を伝え、基本的には引き受けないようにしている。従って、私が受け持っているアルコール関連の患者さんはほとんどいない。「門前払いするつもりか」「私を見捨てるつもりか」などと怒鳴られたこともある。患者さんを選ぶなどとんでもないことだと非難されるかもしれないが、できないことをやるよりも、他の病院に紹介する方が患者さんやご家族のためになると考えている。本当に申し訳ない。たまたま私が当直の時などに診察を依頼された患者さんやご家族の方にはおわびをしたい。「見捨てた」のではなく、ご本人さんのことを考え引き受けないのである。しかし、困ったことにアルコールに関連した患者さんを紹介する先生方や病院がかなり限られているのである。アルコール依存症の患者さんは、かなりの数おられると予測される。もし、アルコール依存症の治療ならおすすめという先生や病院があれば教えていただきたいものである。

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