ヤダリンのひとりごと
盆休み
平成11年8月17日

 勤務先の病院の外来の休診は、年末年始、盆、祭日のみである。今年は、14日から16日が盆休診である。それに合わせて医局も盆休みの体制に入る。私は15日が日直当直に当たっており続けて休みがとれないため、12日の木曜日の午後から14日まで休むことにした。久しぶりに妻、子供2人の4人で旅行してきた。こうして家族で行動するのは、めずらしいことである。12日は、中国自動車道を経由し鳥取まで行った。鳥取市内の温泉に入った。13日は、午前中、但馬(たんば)海岸遊覧船(兵庫県美方郡浜坂町)に乗り、釣鐘洞門(国の天然記念物)を見てきた。午後は、浦富(うらどめ)海岸で子供を泳がせ、バーベキューをした。その後は鳥取砂丘に向かった。山陰の海岸はとても奇麗である。いい海水浴場がいくつもつながっている。砂が奇麗である。水平線も奇麗だった。太陽が日本海に沈むのを眺めた。砂丘センターに泊まった。ここの夕食は食べきれないほどの量であった。14日は、朝、鳥取砂丘の頂上に登った。アベックがたくさんいた。鳥取砂丘には約10年前にも行ったことがある。今回は曇りがちだったため楽だった。日差しが強いときに砂丘を歩くのは大変である。前回は足が火傷を負ったようになり数日後に歩行困難になった記憶がある。頂上での風は心地良いものだった。帰りは、日本海沿いに少し走った。どこまでも続く平地、まっすぐな道路に感動した。建物などがなく、ずっと遠くまで見渡せるような平地は、とても好きである。自分に表現力が無く、これ以上の表現ができないのがとても残念だ。大山を眺めながら米子自動車道に入った。大山近くを走ると阿蘇のやまなみハイウェイを思い出す。10年以上前に行ったやまなみハイウェイも忘れることのできない場所である。今回の家族旅行でも、体力のなさ、行動力のなさ、社会性のなさを改めて実感した。妻の援助がなければ何一つできないのである。情けないものである。私は行動するよりも、デスクワークが向いているようである。また、自然の中で活発に動くよりも1人でいつまでもぼけーっとしているのがいいようだ。
 15日は、日直当直が当たっていた。すごく静かな1日であった。夕方以降は、外線も内線も電話が全くなかった。こんなに静かな夜は初めてであった。消灯後に病棟を回っても、ホールに出ておられる患者さんがほとんどいない。盆の外泊者が多い事を考慮しても、それでも静かである。通常の当直の夜は、こんなことはない。まず、9時過ぎまでは、電話が頻繁にかかる。入院中の患者さんのご家族から病状に関する問い合わせ、また、外来でゆっくりと話ができない患者さんからの相談などである。通常の外来診療よりも時間がかかることがある。1つの電話が終わったかと思うと、また、次の電話。中には7回ほど電話して、やっとつながったと言われる場合もある。こういう時に、外来受診者が来られると大変である。夜間の時間外の外来受診者は、調子が悪いから時間外に来られるわけだから多少診療に時間がかかることがある。電話の連続を脱してからは病棟を回る。その後、通院公費負担制度や障害者手帳を申請するための診断書、入院証明書、障害年金の診断書、医療保護入院者の入院届や定期病状報告書などの書類書きをする。そして、午前2時過ぎぐらいから少し自分の時間がとれることがある。というのが通常の当直である。
 16日は、朝、帰宅。午後は、妻の実家に墓参りに行った。その後、クアハウスによった。水につかったり湯につかったりで体がおかしくなりそうだった。湯に入っているとのぼせそうになるし、水につかるとふるえがくるし。こんなところでは、休養にもならないと思った。おかげで、そろそろ疲れも出て、ぐっすりと眠ることができた。
 17日からは、通常通りの診療体制に戻る。

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