ヤダリンのひとりごと
今日・・・
平成12年9月16日

 今日もすっかり疲れてしまった。などとぼやいてはいけないが、かっこうをつけず正直に書こう。今日は土曜日。いつもどおり30分早く8時半から外来診療を始めた。比較的流れは良かったが、受診者数がとにかく多く全く切れ目がない。一人当たりの診療時間は数十秒から数分。ちまたでは私の診療は十秒診療などと言われているらしい。来週が祭日で休診のせいがあるかもしれない。全エネルギーを使い、ものすごい早口でしゃべり次々と処方箋を書いていっても、午前中に受けつけた患者さんを診終わったのが午後2時過ぎ。午後の診療開始時間はとうに過ぎ、もうすでに何冊もカルテが出されていた。待たせるのは申し訳ないため引き続き午後の診療に入ったが、やはり全く切れ目がなく最終的に午後7時前に外来診療を終了。今日も10時間以上診察室から一歩も出られなかった。その後、昼の弁当になった。ほとんど限界を超えていた。とにかくすごかった。待つことができず帰られた方もおられる。最後の数人の患者さんにはかなりいい加減な応対になってしまった。頭がぼおっとして回転していないのが自覚できた。自分が何をカルテに書いているのかもわからず、おそらく後で読み返しても読めないであろう。当然、病棟に入るのはやめにした。そんな元気はない。来週も火曜日と金曜日は遅刻しよう。そのくらいのことが許されてもいいはずだ。
 今週は木曜も同様の状況であった。状態が良くなく診療に時間がかかる患者さんが何人か出てくるが、その一部の方々のために多くの方が待つことになるのを防ぐため、診療の順番を受付順にはしない。患者さん皆の待ち時間の総計が短くなるように計算をしながら診療をすすめる。外部からも院内からも電話は、まずつながないようにしてもらっている。電話を受ける時間などない。また、原則、私の外来では新患は受けないことにしている。すべて他の先生に診てもらっている。(ご迷惑をかけすみません。)新患は私の外来時間以外の枠で、時に診させていただくことにしている。もう私の外来は完全にパンクしている。適切な診療が提供できる限界を超えている。たとえ外来診療時間を増やしても、今すでに溢れている患者さんがそこに移動するだけで、すぐに同様の状態になるであろう。今週から時間を要すると予測される方や待ち時間を非常に気にされる方を別にして、木曜日の午後の枠を予約制にしてみたが、予約時間までに午前中の患者さんを診終えることができず、一部の方をかなり待たせてしまう結果になった。まだまだ工夫が必要である。
 今、20世紀最後になるシドニーオリンピックの真っ最中。先ほど田村亮子選手が金メダルを獲得したと報じられていた。それにしても今回のオリンピック開会式での聖火台への点火の演出は神秘的画期的であった。想像もしないような大がかりなしかけに感動した。
 病院では、デイケアメンバーの就労支援がエネルギッシュな新しい医師により展開されている。ハローワークなど当てにならないところを介さず、病院が直接職場と交渉し、雇ってもらおうとする画期的な試みである。これまでデイケア止まりであった患者さんに次のステップを積極的に提供することになる。マンネリを脱するには時々革命的な動きが必要だと思う。是非、患者さんに就労して新しい生きがいを見出してもらいたいものである。
 それにしても来週月曜日に講演の際の配布資料の原稿のパソコン上のファイルが壊れて開けなくなってしまった。こねやろう。幸いすでにプリントアウトしていたので最悪の状態は免れたが・・・。

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