新病棟オープンをひかえ
平成12年2月13日

 いよいよ勤務先の病院が、3月1日、リニューアルオープンする。その見学会が2月26日、27日と行われる予定である。おそらく私が勤務する期間内での最大のイベントになるであろう。新病棟は7階建てで、ベージュ色に包まれ、シースルーのエレベーターがある。外見上、精神病院には見えない。新病棟は、老人性痴呆疾患病棟110床とストレスケア・個室病棟50床を含んでいる。トータルで466床(精神科429床)とかなり大きな個人病院となる。先日、少しだけ覗いてみる機会があった。それぞれの病棟のスペースはかなりゆったりととってある。閉鎖病棟もあるが、閉鎖的な空間を感じさせないくらい広い。これまでの病棟が、やけに狭く古く感じられた。ストレスケア・個室病棟は、内側から鍵がかけられ完全に一人きりになれる空間が提供できる。個室の時代に育った若者達は、共同生活を苦手とし一人だけの時間や空間を求める。そういった環境での療養が、治療経過の上で新しい展開を示すことを期待している。外来部門も移転する。ただ、外来の看護婦さんが数少なく、事務的なことに追われ、私が望むように、患者さんがゆっくりと話を聞いてもらったり相談にのってもらったり一緒に考えてもらえるような余裕は、たぶんないであろう点が心配ではある。
 多くの患者さんやご家族の方が、結果的に、より幸せで充実した日々を送れるように、我々もこの際、気分を引き締めて診療を行いたい。
 見学会にはどなたが参加されてもよい。ミニコンサートやリハビリ作品展、介護福祉機器の展示やケースワーカーによる入院相談も行われる。1人でも多くの方に来ていただき、生まれ変わる精神病院を見ていただきたいものである。

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