統合失調症は本当に治るんですか。
適切な治療を受ければ、完全とは言えないまでもかなり良好な状態にまで回復することは可能です。中には、薬を飲んでいるとか通院していることを口にしなければ、全く正常人との差異を見い出しがたいくらいまで良くなる場合もあります。ほぼ普通に仕事ができる人もいます。
ただ本当に病状が安定するまでには、ある程度の時間が必要です。時には何年もかかることがあります。
また安易に考えてはなりません。繰り返しやすい病気です。高血圧や糖尿病、心臓病と同様、慢性疾患ですので長期にわたり治療を継続することが必要です。でもきちんと治療を続けていれば、繰り返す頻度はぐっと少なくなります。悲観的になる必要はありません。治療を継続することで普通に近い生活ができるほうが、再発を繰り返して本人も周囲もしんどい思いをするより、はるかにいいと思いませんか。病気とうまくおつきあいすることが大切です。治療の中では、病気とのつきあい方についても学んでいきます。
一方、治療をしてもなかなか良くならなかったり、どんどん悪化していくことや、中には不幸にも何年もあるいはそれ以上も精神病院で生活しなければいけない人もおられるのは事実です。しかし、我々はあきらめるべきではないと考えています。それでもちょっとしたことがきっかけで劇的に状態が良くなったり退院が可能になることもあるのです。治療者側は常に希望を持って努力するべきです。たとえ病院外での生活が困難な場合であっても、病院で楽しめ落ち着けるならいいと考える例もあります。