Q | 入院時の状態について「昏迷状態」と説明を受けましたが、どういうことですか。 |
A |
■「動かない。しゃべらない」状態です。話しかけても全く返事がなく、まるでこちらの言うことを聞いていないかのような印象を与えます。しかし、意識障害ではないので、実際には周囲の人の言ったことは理解できているし覚えています。 ■昏迷状態をきたす代表的な病気は統合失調症です。しかし、統合失調症になると皆がこういう状態を呈するわけではありません。うつ病やヒステリーでも見られることがあります。向精神薬の重要な副作用である「悪性症候群」では昏迷状態を呈します。 ■働きかけても食事や更衣をも拒否する「拒絶症」、不自然な姿勢をとり続ける「カタレプシー」、同じ行動を繰り返す「常同」、周囲からは全く理解できない興奮である「緊張病性興奮」などとともに「緊張病症状」の仲間です。「緊張病症状」は不自然な硬い印象を与えます。 ■全く反応がなくても突然、興奮状態や衝動行為に及ぶことがあるので注意が必要です。 ■積極的な薬物療法の対象になるし、基本的には入院治療が必要でしょう。救急受診になることも多いようです。 ■とりあえず昏迷状態を脱するには、麻酔薬や抗不安薬の静脈注射が即効的です。注射の途中からでもしゃべり出すことがあります。 ■昏迷状態の背景には、幻覚や妄想が活発なことがあります。話せるようになってから患者さんに聞くと「動くな。しゃべるなと言われていた」などと説明してくれることがあります。 ■あまり長く続くと栄養不良や脱水状態になることがあるのできちんと管理しないといけません。 |