私は、不眠症の診断で睡眠薬を服用しています。先日、夜中に起こされることがありましたが、その時の記憶が全くないのです。今後、薬が効かなくなり、どんどん量が増えるんじゃないかということも心配です。このまま睡眠薬を飲み続けていてもよいのでしょうか。
「睡眠薬には頼らないようにしたい」とよく言われます。しかし、不眠症はつらいものです。現在、使用されている睡眠薬の多くはベンゾジアゼピン系と言われているもので、医師の指導の下で適切な服薬をすれば、まず安全で、良質の睡眠が得られます。
副作用としては、翌日に眠気が残るとか、服用後や、いったん眠りにつき途中で起こされた時の記憶がないということ(健忘と言う)があります。睡眠薬には、作用時間の短いものから長いものまでいろいろありますが、この傾向は、特に作用時間の短いもので起こりやすくなります。また、アルコールとの併用でも起こりやすくなります。
これを防ぐには、薬は寝る前に飲む、薬を飲んだら行動をせず早く就床する、途中起こされ行動をしないといけないような状況下では睡眠薬を服用しない、睡眠薬を飲む時にはアルコールを飲まないという注意点が必要です。これらを守れば安全です。
睡眠薬の量を常に減らしていこうと試みることは意味がありますが、たとえゼロにすることができない場合、長期間にわたり服薬していく場合もあるかと思いますがそのような場合でも安全です。
依存性は全くないわけではありませんが、処方された量を守っていれば通常だいじょうぶです。眠れない時に睡眠薬代わりに飲酒を続けるよりはずっと安全です。依存の形成には、未熟で逃避的な性格傾向も影響します。