統合失調症患者の家族として、どのようなことに注意をすればよいでしょうか。
■主治医の先生との信頼関係を保つことが大切です。気楽に相談ができるようにしましょう。
■「病気」と「薬」についてよく理解しておきましょう。「病気」を受け入れることが必要です。どのような病気か知識を持っておくことが大切です。薬物療法は統合失調症治療の基本です。薬の重要性と副作用について知っておきましょう。周囲が薬の副作用に敏感になりすぎ、必要以上に早く薬を減らしたり、服薬させないようにして再発に至る例があります。
■回復には時間が必要です。急性期の次には休息期が来ます。周囲からは、ゴロゴロして怠けているように見える時期があります。焦りは禁物です。先を焦って失敗する例が多いのです。症状の改善は月単位、半年単位で考えていきましょう。病状の安定度を高める必要があります。「もろい時期」にはゆっくり休みエネルギーを貯えることが必要です。ストレスをためこまぬよう、趣味や余暇を楽しむゆとりが持てるようにしてあげましょう。
■がんばらせすぎないようにしましょう。目標を上げすぎないことです。無理をさせすぎないことです。周囲が期待しすぎてしまっては、患者さんの負担が大きくなります。
■口うるさく言わないようにしましょう。患者さんは、批判的発言に敏感です。できないことは、そのままにしておいた方がよいこともあります。
■無理のない約束事や目標を決めておきましょう。たとえば、「当分の間、週2回はデイケアに参加する」とか、「朝は8時までに起きる」など。当然のことながら、規則正しい生活をし十分な睡眠時間をとり、食事をきちんと食べるように協力をしてあげましょう。
■人とのかかわりは大切です。自分の殻に閉じこもるのはよくありません。生活にめりはりをつけるためにも毎日通える場所を持っていることはとても大切です。
■悪いところばかり見ないようにしましょう。良いところをほめましょう。誰でもほめられると気分が良くなり、意欲が出てくるものです。
■話はわかりやすく具体的にはっきりと言いましょう。患者さんは、思考の混乱が起こりやすい傾向があるので、わかりやすく話してあげることが大切です。また、患者さんは、要領よく話せないことが多いので、ゆっくりと話を聞いてあげましょう。
■子供扱いしないようにしましょう。
■できることは自分でさせましょう。面倒を見過ぎてしまうと、できることもできないままになってしまいます。
■乱暴なことに対してははっきり注意しましょう。患者さんといっしょになって興奮しないようにしよましょう。恐怖感を持つ場合はきちんと伝えましょう。
■注意サイン(警告サイン)を知って、様子がいつもと違うときは、早めに担当医に相談しましょう。落ちついた時に、病気のことについてよく話し合っておきましょう。
■さまざまな社会資源や制度を利用しましょう。
■ご家族の方も自分の生活を大切にしましょう。周囲が気持ちにゆとりを持つことが大切です。