先日妻が精神科に入院しました。数日後に面会したところ、ろれつは回らず、ぼおうっとしており、外見上本当の病人のように見えました。入院させて、むしろ悪くなったように思います。
■薬物療法が始まると、まず、薬の効果が出るよりも、まず、副作用の方が先に出てきます。
薬の効果は、最低数日、あるいは数週間くらいは待つ必要があります。
副作用は、早ければ1回あるいは1日服薬しただけでも生じてきます。入院してまもなく、外見上、ぼおうっとしたり言葉がはっきりしなくなることはよくあります。
ご家族がそのような姿を見て「こんなことになるのなら入院させなければよかった」と思われるのも当然のことかもしれません。
■しかし、治療者側からみると、そのくらいのことが起こるくらいのやり方でなければ、急性期をのりきることはできないと考えます。経験的に言うと、副作用をおそれすぎて少しずつ薬を使うと、かえって急性期の症状を長引かせ、治療関係も悪化し、最終的に使用する薬の総量が逆に多くなってしまうように思います。
■結局、以上のようなことを理解していただいた上で、「しばらく待つ」ことが一番大切と考えます。
■もし、主治医の治療に疑問を持たれるようならば、思い切って主治医に聞かれることをおすすめします。時々、ご家族から急に退院の申し出があり、後で看護者から、実は上記の質問のようなことが理由であったと聞かせれ残念な思いをすることがあります。医療者側と患者さん側の行き違いをなくすために、医療者側は最初に予測されることを説明し、患者さん側は疑問に思うことを遠慮なく聞くことが重要です。