覚醒剤で精神病が起こりますか。
精神科では、時々アルコールや特殊な薬物によると思われる精神障害に出会うことがあります。覚醒剤は、非常に依存性が強い物質です。つまり、使い始めるとやめられなくなる物質です。さまざまな精神症状を呈します。幻覚や妄想が生じ、人格の変化をきたします。急性中毒症状として、錯乱状態になることもあります。覚醒剤による精神障害は、経過や病像が精神分裂病に非常に似ています。区別がつかないことがあります。覚醒剤は恐ろしい物質です短期間使用しても、どうも脳に永続的な変化を与えるようです。覚醒剤によりいったん精神病を発生すると、その後数年以上経過しても再発しやすさが残ります。自然に再燃したり、少量の使用や飲酒により再燃します。覚醒剤を使用する者は背景に人格障害(性格の偏り)がからんでいることが多く、犯罪や非行など反社会的行為ともつながりやすいため、治療は困難をきわめることがあります。とにかく、このような不法な物質には手をつけないことが一番です。