Q | てんかんでもないのに、てんかんの薬が出ています。こんなことがあるのでしょうか。 |
A |
薬は、それぞれ投与する際の適応疾患が決められています。しかし、医療の現場では必ずしもそのとおりに使われているとは限りません。 ■てんかんの治療に使われる抗てんかん薬の一部は、気分安定薬として、精神分裂病や躁うつ病の治療でも使用することがあります。気分安定薬として使われる抗てんかん薬には、バルプロ酸ナトリウム(商品名として、バレリン、デパケンなど)、カルバマゼピン(商品名として、テグレトール、テレスミンなど)、クロナゼパム(商品名として、ランドセン、リボトリール)などがあります。てんかんの薬が出されているからといって必ずしも「てんかん」とは限らないわけです。 ■同じような質問に、「パーキンソン病でもないのにパーキンソン病の薬が出ているのが不思議だ」というのがあります。抗精神病薬(メジャートランキライザー)の副作用としてパーキンソン症状があります。その予防のため、副作用止めとしてパーキンソン病の治療薬を合わせて処方することがよくあります。 ■また、抗うつ薬のあるものは、強迫神経症や、パニックディスオーダーの治療に用いることがあります。薬を調べて、抗うつ薬が出ているからといって「うつ病」とは、必ずしも言えないことになります。 ■同様に抗精神病薬が出ているからといって精神分裂病とは限りません。躁うつ病でも痴呆の問題行動やせん妄状態にも使うことがあります。 現在、薬に関する書物はたくさん出ていますが、書物により知識を得て必要以上に不安をいだくことがあるようです。主治医の先生を信頼し、わからないことは聞くようにして下さい。 |