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「ザ・コーヴ」広島で公開2010/08/01 中国新聞ニュース

 日本のイルカ漁を扱い、上映をめぐる抗議行動が起こっていた米映画「ザ・コーヴ」の公開が31日、中国地方では初めて、広島市中区のサロンシネマで始まった。

 同映画館は不測の事態に備えてスタッフを1人増員し、通常より30分早く午前9時にオープンしたが、混乱はなかった。

 同10時から始まった初回の上映には29人が訪れた。広島市西区の無職男性(63)は「イルカを含め、命について考えさせられるきっかけになった」。同市安佐南区の高校教諭男性(46)は「感情的で偏った内容に感じたが、上映反対はどうかと思う。まず見て判断すべきだ」と話していた。公開は8月27日まで。

イルカを食べちゃダメですか?」関口氏と「世界屠畜紀行」美人作家が『ザ・コーヴ』の製作背景を問題視2010年07月30日 シネマトゥデイ

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 30日、渋谷のシアター・イメージフォーラムで上映中の映画『ザ・コーヴ』のトークショーが行われ、ノンフィクション作家の内澤旬子さんと動物行動学者の関口雄祐さんが出席。「世界の屠畜とイルカ漁〜実際の体験をもとに語る〜」をテーマに対談を行った。

 10年かけて世界中の屠畜現場を取材し、著書に「世界屠畜紀行」を持つ内澤さんは、イルカやクジラ問題について日本人と世界との考え方の違いを指摘。「政治絡みとか欧米人の考え方自体が日本と根本的に違うから、理解しないとどうにもならない」とコメント。さらに、「普通の気持ちでは観られない」というのは、著書「イルカを食べちゃダメですか?」などで実際にイルカ漁を体験してきた関口さん。「映画自体はよくできている」と観た感想を述べた上で、「展開が早く、ドキュメントとしてはもっと丁寧に観せるべきなのに、娯楽性でまくし立てている。殺されるシーンばかりが観終わった後に残ってしまう」と本作の撮り方への疑問を強く語った。

 そして、こういう映画が撮られる背景に資金力や支持者がいることを内澤さんが問題視すると、関口さんは普通の捕鯨では漁は沖で行われることを例に出し、「一番絵になる『殺す』シーンを浜辺でやっているから撮影しやすいのでは」とズバリ指摘。「興味ある映像が撮りやすいのも狙われた理由じゃないか」と支持者やお金が集まる理由を提言していた。

 日本のイルカ漁を描いた映画『ザ・コーヴ』は、一時抗議活動や街宣予告により上映中止に追い込まれながらも今月3日に公開。現在は20代〜30代をメインに大盛況だという。

映画『ザ・コーヴ』はシアター・イメージフォーラムほかにて公開中

映画「ザ・コーヴ」予想超す人気、イルカ漁議論より話題先行2010年07月25日 読売新聞YOMIURI On-Line

 和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りしたドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」公開から、3週間が経過した。初日こそ一部で抗議行動があり警官が出動したものの、その後は沈静化。アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞という話題もあってか、大都市で客足が伸び、上映館の増加や上映期間延長の動きも出始めた。

 「普段はうちに来ないようなカップルや若者の関心が高い。上映を8月半ばまで延長することにした」。第七芸術劇場(大阪市淀川区)の松村厚支配人は、予想以上の集客力に驚く。

 公開前、「反日映画だ」として中止を求める街宣活動が各地で行われ、トラブルを避けるため上映を取りやめたケースもあった。ところが、そうした動きは初日で終息。同劇場と東京のシアター・イメージフォーラムでは週末に立ち見が相次ぎ、両館の初日から1週間の充席率は86%と、異例の人気を呼んだ。

 こうした状況に、封切りの3日時点で上映を決めていた25館に加え、新潟県長岡、浜松、広島県尾道各市の3館を含め、新たに計10館が上映を決めたという。

 騒ぎが落ち着き、作品そのものに目を向ける動きも活発になった。映画雑誌「キネマ旬報」は今月下旬の特別号で特集を組んだほか、NHKの「クローズアップ現代」(6日放送)では、一部に非難の声もある取材や隠し撮りの手法、構成などについて検証し、ドキュメンタリー映画としての在り方を問うた。

 一方で、肝心のイルカ漁に関する議論が深まっているとは言い難い。30日には、東京で動物行動学者やノンフィクション作家を招いたトークショーが開かれるが、当事者である太地町の漁師らは「一方的な映画だ」と反発。これまでに、こうした公の場への出席要請には応じていない。

 製作したルイ・シホヨス監督も、「この映画でイルカと人間の両方を救おうとしていることが理解された時、また来日したい」と述べるにとどまっている。

 当事者間の対話が実現しないなか、22日夜には、京都市下京区の京都シネマで公開討論会「ザ・コーヴをどう観たか?」が開かれ、来場者から「この映画を受け、私たちはどうやってイルカ漁の実態を海外に伝えていけばいいのか」という戸惑いの声も上がった。

 フリージャーナリストの綿井健陽さんは「イルカ漁に対する問題提起になっていると思うので、製作者側やマスメディアが、太地町や水産庁の人らを交えた議論の場を作っていくことを期待したい」と話している。(文化・生活部 中井道子)

『ザ・コーヴ』アメリカでは絶賛する声が98パーセント!イギリスでは批判!「映画を観たほうがちゃんと攻撃できるのに!」2010年07月23日 シネマトゥデイ

 映画評論家の町山智浩氏が23日、映画『ザ・コーヴ』上映中の渋谷、シアター・イメージフォーラムで行われたトークショーに出席。「『ザ・コーヴ』はなぜアカデミー賞を受賞できたのか?」をテーマに、本作に対するアメリカでの評価や日本での抗議活動について語った。本作は第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞している。

 アメリカ在住の映画評論家として幅広く活躍する町山氏は、「受賞した理由は分からないけど(笑)、アメリカでは絶賛する声が98パーセント。ただ、ほかの候補作がどれも地味だった、というのが一番の理由かもしれない」と分析。一方、イギリスのガーディアン紙が「政治的に偏りすぎている」と本作を批判しているなど、ヨーロッパでは賛否が分かれている状況を紹介した。さらに、「アメリカではヒットしていないから、製作費は回収できていないはず。儲け度外視のボランティア映画として、ここまで注目されれば大成功なのではないか」と語った。

 度重なる抗議活動や街宣予告によって、一時は日本公開が中止になりそうだった映画『ザ・コーヴ』。こうした事態については、「イルカ漁の歴史や、イルカが持つ知能の定義など、ツッコミどころもたくさんあるから、映画を観ずに抗議するのは間違っている。映画を観たほうが『ここがおかしい』って、ちゃんと攻撃できるのに!」と提言。ちなみにトークショー前には、クジラ料理専門店で食事をしてきたといい、「今日食べた刺身がすごくおいしかった。子どものころ、給食で食べたクジラはまずかったのに……」と町山節で客席を笑いに包んでいた。

 シアター・イメージフォーラムの従業員に話を聞くと、映画『ザ・コーヴ』の客層はほぼ男女半々で、ほかの上映作品に比べて若い観客が多いそう。上映から3週間経つ現在でも、土日はかなり混雑しているとのことだった。

映画『ザ・コーヴ』はシアター・イメージフォーラムほかにて公開中

公開初日のザ・コーヴ混乱なし 東京の劇場は満席2010年07月03日 中国新聞ニュース

 和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に取り上げた米映画「ザ・コーヴ」は3日、青森・八戸、仙台、東京、横浜、大阪、京都の6館で公開初日の上映が無事終わった。一部の映画館の周辺では、上映中止を求めるグループが抗議活動をしたが、大きな混乱はなかった。

 東京都渋谷区の「シアター・イメージフォーラム」では、3回の上映がいずれも満席となった。劇場側は「無事に上映することができ、ほっとしている」とのコメントを出した。

 「横浜ニューテアトル」の前には右翼団体の関係者とみられる7人が集まり、上映反対を訴えた。幹部を名乗る男性(48)は取材に「日本の食文化を踏みにじる反日的な内容だ」と話した。

 一方、上映を支持する市民団体の3人は「ザ・コーヴ、上映したっていいじゃん」などと書かれたプラカードを掲げた。近くには警察官約10人が待機し、トラブルを警戒した。

イルカ漁映画『ザ・コーヴ』が、ニコニコ動画で全編無料配信決定2010/06/17 CINRA.NET

 国内の公開予定劇場で次々と上映の中止や見合わせが発表されている、イルカ漁の実態を描いたドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』が、明日6月18日にニコニコ動画で全編無料配信されることがわかった。

 『ザ・コーヴ』は、和歌山県の太地町で行われている立ち入りのイルカ漁を捉えた作品。アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞するなど高い評価を得ているが、上映に対する抗議運動を受けて、東京・シアターN渋谷をはじめとする一部の劇場で上映中止が発表されていた。ニコニコ動画での配信は、2000名限定となる。

 また、6月21日には『ザ・コーヴ』に対する討論番組がニコニコ動画上で生放送される。当日は、一水会・最高顧問の鈴木邦男、宝島社『この映画がすごい!』編集長の藤江ちはる、「ひろゆき」こと西村博之の3名が、『ザ・コーヴ』をめぐる問題について討論を行う。

アカデミー賞:「ザ・コーヴ」受賞に和歌山反発2010年03月08日 毎日新聞

 第82回アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー主催)の長編ドキュメンタリー賞に日本のイルカ漁を告発した米映画「ザ・コーヴ」が受賞したことについて、和歌山県太地町の三軒一高町長と同町漁協の水谷洋一組合長は「漁は県の許可を得て適法・適正に行っている。(作品は)科学的根拠に基づかない虚偽の事項を事実であるかのように表現しており、(授賞は)遺憾だ。さまざまな食習慣があり、地域の伝統や実情を理解したうえで相互に尊重する精神が重要だ」とするコメントをそれぞれ発表した。

 捕鯨で知られる同町では、鯨類追い込み網漁としてイルカ漁にも町漁協の約10人が従事している。漁を許可している県などによると、今年の漁獲枠は2845頭。県の担当者は「江戸時代から約400年続く食文化なのに……」と困惑している。

 この映画を巡っては、町と姉妹都市提携しているオーストリラリアのブルーム町に抗議のメールや手紙が届き、提携が一時停止されるなど影響が出ている。しかし、町内には、「反発すれば、映画の宣伝になるだけ」という声も強く、関係者の口は重い。

イルカ漁批判の映画受賞 米アカデミー賞 2010/03/08 中国新聞ニュース

 【ロサンゼルス共同】映画界最大の祭典、第82回米アカデミー賞の発表・授賞式が7日(日本時間8日)、ロサンゼルスのコダックシアターで開かれ、日本のイルカ漁を批判した米映画「ザ・コーヴ」(ルイ・シホヨス監督)が長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

 作品賞は、イラクで爆発物処理に当たる米兵の緊張感をリアルに描いたキャスリン・ビグロー監督の「ハート・ロッカー」が受賞。同作品は、3D映像で大ヒット中のジェームズ・キャメロン監督の「アバター」を抑え、女性初の監督賞を含む最多の6部門を獲得した。両監督は元夫婦。

 「ザ・コーヴ」は、テレビドラマ「わんぱくフリッパー」にイルカ調教師役で出演、現在は保護運動をしているリック・オバリー氏らが、和歌山県太地町の海に隠しカメラなどを仕掛けて漁の様子を撮影する過程を写した。日本では5〜6月ごろ公開予定。同部門で候補だった、ミャンマーでジャーナリスト長井健司ながい・けんじさん=当時(50)=が射殺されたシーンが含まれるデンマーク映画「ビルマVJ 消された革命」は受賞を逃した。

 主演男優賞は「クレイジー・ハート」のジェフ・ブリッジスさん、主演女優賞は「しあわせの隠れ場所」のサンドラ・ブロックさん。長編アニメ賞は「カールじいさんの空飛ぶ家」が選ばれた。

 アカデミー賞は映画関係者で構成する米映画芸術科学アカデミーが主宰する賞で、現在約6千人いる会員が主に前年の米国公開作品を対象に、投票で各賞を決める。

第33回日本アカデミー賞は『劔岳 点の記』が最多6部門で受賞。作品賞は『沈まぬ太陽』に。2010/03/07 週間シネママガジン10th

 3月5日(金)、品川のグランドプリンスホテル高輪にて、第33回、日本アカデミー賞授賞式が開催された。最優秀作品賞は『沈まぬ太陽』が逆転受賞。『劔岳 点の記』は最優秀作品賞こそ逃したが、最多6部門で最優秀賞を受賞する圧倒的な強さで授賞式を盛り上げた。編集部記者がその一部始終を取材した。ここでは日本アカデミー賞授賞式を担当記者の視点から、時間軸に沿ってたっぷりとレポートさせていただく。

 映画ファンには、日本アカデミー賞というと、本場アメリカのアカデミー賞に比べるとずいぶんと地味で小さな賞だと軽視されがちである。かくいう私自身もかつてはそうだった。しかし今回初めて授賞式を生で見て、その考えを改めざるを得なくなった。去年の話題をさらった映画人たちが一堂に会する会場の華やかさ。誰が勝者となるか、その緊張感には圧倒された。そして何より勝者となった映画人が、目に涙を浮かべながら、仲間たちに感謝の気持ちを込めてぎゅっと握手する姿を間近で見て、私も思わず目頭が熱くなった。日本の映画人にとっては、この賞で最優秀賞に選ばれることは最高の栄誉なのだとひしひしと実感した。テレビ放送では半分近くがカットされていたので、この記事でテレビでは伝え切れなかった部分が伝われば幸いである。

 第33回アカデミー賞の優秀賞受賞作品ラインナップは以下の通り。この内の1本だけが栄えある「最優秀作品賞」となる。

 ・『ヴィヨンの妻 ?桜桃とタンポポ?』

 ・『沈まぬ太陽』

 ・『ゼロの焦点』

 ・『劔岳 点の記』

 ・『ディア・ドクター』

 日本アカデミー賞以前に前哨戦といえる賞がいくつか開催されているが、その結果を見てみると、受賞作品が各賞バラバラに分かれていて、日本アカデミー賞はどれが取るのか全くの未知数であった。下馬評では『沈まぬ太陽』か『ディア・ドクター』のどちらかだろうと言われていたが、大作という意味では『沈まぬ太陽』が有利で、批評家受けが良かったのは『ディア・ドクター』だった。この年はいつも以上に予想が難しかったのではないだろうか。

 ちなみに私が選ぶ2009年の邦画マイ・ベストは『劔岳 点の記』。まだ他の映画賞で賞を取っていない作品なので、せめて日本アカデミー賞だけでも『劔岳』が取って欲しいと内心応援していた。何かひとつでも応援している映画があると、授賞式のドキドキもまた違ってくるものだ。

 脚本賞

 まず最初に発表されたのは最優秀脚本賞。作品賞と全く同じラインナップの中で勝者に輝いたのは『ディア・ドクター』だった。監督の西川美和が脚本を執筆。小説を映画化するという構図が大半を占める現代の日本の映画シーンにおいて、『ディア・ドクター』は映画のオリジナル脚本ということで、何より納得できる結果であった。この段階から『ディア・ドクター』が最優秀作品賞に選ばれるのではないかという兆しが見えて来た。

 撮影賞

 最優秀撮影賞は『劔岳』が受賞。これも大方の予想を裏切らない結果。もともと木村大作監督は日本アカデミー賞では常連のベテラン・カメラマンなので順当な選出である。ステージにあがるなり「これが取れなかったら帰ってるよ」とマイクなしで怒鳴っていた。いつもスピーチが長い木村は「僕はここに来るのは21回目。今回4度目の受賞です。いつも思うんですけど、ここはしーんとしてるんですよね。お祭りなんだから皆もっとパーっとしようよ! 本当はね、僕はこの賞だけでは満足できません! この後、浅野君に主演賞を取ってもらいたいし作品賞も取って帰りたいんだよ! 鶴瓶さん、ごめんなさいね。主演男優賞は浅野君が取るから! 渡辺さんもごめんなさいね。主演男優賞は浅野君ともう決まってるから!」と馬鹿でかい声で勝利宣告し、渡辺謙はテーブル席で大笑いしていた。

 音楽賞

 最優秀音楽賞は『劔岳』が受賞。意外である。これは誰しも『劔岳』以外が取ることを予想していた。というのも、他の映画はオリジナル楽曲であることに対し、『劔岳』だけは既存のバロック音楽のアレンジだった。受賞者の池辺晋一郎は日本アカデミー賞の常連ではあるが、「普段は作曲をしていますが、今回は編曲だけでこの賞をいただきました。映画における音楽の仕事が認められたことですので、今回はいつも以上に格別の喜びを感じています」とスピーチしている。この結果からも、ひょっとしたら作品賞も『劔岳』が取るのではないか?とそんな流れを予感させたものだ。

 外国作品賞

 最優秀外国作品賞のプレゼンターを務めるワーナー・ブラザース映画のウィリアム・アイアトンは「ワーナーが3年連続でこの賞を取っていまして、”ワーナー、いい加減にしろよ”と言われたので、今年は他社に譲りたいと思います」とコメント。しかし、封を開けてみると、そこに書かれていたのはワーナーの『グラン・トリノ』。これには関係者も失笑していた。クリント・イーストウッド監督はこの5年間で最優秀賞を4本受賞する快挙である。イーストウッドは式には出席していないが、本人から届いた「心よりお礼申し上げます」というお礼の手紙が読み上げられた。

 アニメーション作品賞

 最優秀アニメーション作品賞は『サマーウォーズ』。この部門が新設されたとき、それを制したのは細田守監督であったが、この年も勝利の女神は細田に微笑んだことになる。細田監督は神木隆之介をステージに連れ出し、トロフィーを神木に手渡し、その栄光を二人で分かち合っていた。

 会長功労賞

 会長功労賞は長年『釣りバカ日誌』シリーズで国民に笑いと感動を与えた三國連太郎と西田敏行に贈られた。二人はレッドカーペットで誰よりも大きな拍手と歓声に迎えられた。西田は感慨深げに「本当は僕もコンペティションの方でステージに立ちたかったけど、やっぱりタイトルは大事で、『釣りバカ』といったらタイトルがあまり作品賞という感じにならないんですよね(会場笑)。まあ『おっぱいバレー』もそうだけど(会場大爆笑)。功労賞というと、もう引退みたいに思われがちですが、まだまだ現役なので、これからも役を下さい!」と会場の笑いを大いに誘っていた。意外にも『火天の城』に言及しなかった。

 助演女優賞

 最優秀助演女優賞は『ディア・ドクター』の余貴美子が受賞。関根勤とダブル司会を務めていた木村多江も『ゼロの焦点』で賞レースに参戦していたが、去年『おくりびと』でも同賞を受賞していた余が2年連続で受賞することになった。日本アカデミー賞では、前年の最優秀賞受賞者がプレゼンターを務めることになっているため、プレゼンターとして立った余は、封を開けて自分の名前を見て思わず笑みがこぼれた。「授賞者」が「受賞者」となった大変珍しいケースである。

 助演男優賞

 最優秀助演男優賞は『劔岳』の香川照之が受賞。名前を呼ばれた香川はテーブル席で浅野忠信と木村大作監督の手をぎゅっと握りしめて深々とお辞儀すると、ゆっくりとステージにあがり、プレゼンターの山崎努からトロフィーを受け取った。「私の尊敬する山崎努さんからこのような素晴らしい賞をいただき、大変光栄です。スタッフの皆が35mmフィルムと、重たい機材を担いで山を登っていく姿を思い出しました。この映画の出演が決まったとき、西田敏行さんから”お金をかける映画は沢山あるけど、命をかける映画は少ないよね”というエールをいただきました。これは苦行ではないと自分やみんなに言い聞かせながら頑張りました。過酷な撮影の中、リーダーとしてとても頼もしかった浅野忠信さんを私は心から尊敬しています。木村監督は”たとえ客が一人も来なくても僕はやるんだ!”といっていました。この困難な映画を最後まで作り上げた木村監督に心からの感謝を捧げます」と目に涙を浮かべ、声を震わせながらスピーチし、客席から温かい拍手を贈られていた。それはまさにこの式のハイライトといえる瞬間であった。

 主演女優賞

 最優秀主演女優賞は大方の予想を裏切ることなく『ヴィヨンの妻』の松たか子が受賞。プレゼンターは司会の木村多江(前年『ぐるりのこと。』で主演女優賞を受賞)が務め、「私たちもこの封を開けるまで誰が選ばれるかわかりません」と言って発表した。松は「いただきました!」と言ってトロフィーを掲げた。外国人初受賞のチャンスを逃した『空気人形』のペ・ドゥナは、共演したい日本の俳優は誰かと聞かれて「かがわてるゆきさん」と答え、頬を真っ赤にして顔を手で覆い隠す乙女な一面を見せた。これを見てニタニタしていた香川は「一緒に山に登ろう!」と呼びかけていた。なお、『おっぱいバレー』の綾瀬はるかは併設されている話題賞を受賞した。

 主演男優賞

 最優秀主演男優賞は『沈まぬ太陽』の渡辺謙が受賞。浅野忠信は『ヴィヨンの妻』と『劔岳』の2作(座席では『劔岳』チームのテーブルに座っていた)で参戦する健闘を見せたが敗北を喫した。日本アカデミー賞はベテランに甘い傾向があるが、有力視されていた『ディア・ドクター』の鶴瓶が勝てなかったのは俳優としては新人だったからかもしれない。渡辺はステージに上がるなり、撮影賞の木村監督のスピーチを受けて「木村大作さん、すみません!」とやや皮肉を込めて喜びを表し、会場を沸かせた。

 監督賞

 最優秀監督賞は、『劔岳』の木村大作監督が受賞。木村監督の名前が読み上げられたときには客席から「おお!」という歓声があがったと同時に「ということは作品賞も『劔岳』だろうね」という声があちこちから聞こえて来た。命がけで映画を作ったこともさることながら、公開期間中PRのため全国を車で回った仕事ぶりが評価されたのだろう。木村監督は受賞できたことがちょっと自分でも予想外だったのか「今日はおかしいですね」とコメント。「話せば長くなるからね。どのくらい喋っていいの?」と確認した上で「今こうしてここに立ててますが、僕は監督になったから映画を撮ったんじゃないんです。僕はこの映画を撮りたいから監督になったんです。投票でこうしてこの賞が決められたのはまた違った意味があります。しかし、2年間かけて撮った映画なので、浅野君が主演男優賞を取れなかったのは本当に納得できません! 断腸の思いです!」、「人間欲深いもので、あとひとつ、作品賞だけが残ってますが、これも取りたいね。ここまできたら全員で壇上に立ちたいね。もう結果は決まってるんだけど、封筒にマジックで『劔岳 点の記』と書きたいくらいです! もっと話したいことがあるけど、いいか。あとは作品賞取ったときに言うから。以上!」と木村節がここでも炸裂。授賞式のおいしいところを全部持っていった感じだ。

 作品賞

 これまで『劔岳』は最優秀賞6部門受賞という圧倒的な強さを見せつけ、『ヴィヨンの妻』、『沈まぬ太陽』、『ディア・ドクター』はそれぞれ最優秀賞2部門受賞で追いかけて来た。『ゼロの焦点』は焦点をあてられず受賞ゼロ。演技部門全4部門では結果が割れていたので、最優秀作品賞の予想も難しかったが、香川照之の素晴らしいスピーチと、木村大作監督中心に展開していった授賞式の流れから言って、ほとんどの人が『劔岳』の受賞を予感していたように思われる。ところが、フタを開けてみると、受賞したのは『沈まぬ太陽』だった。どちらかというと客席の雰囲気は「あれ?」という感じに近かったが、監督賞を取った者が作品賞を制するとは限らないのが日本アカデミー賞の面白さ。渡辺謙はステージに登壇すると、すかさず「木村大作さん、すみません! 主演男優賞よりもこっちの方が嬉しいです」と得意げに木村監督にまた皮肉の雄叫びをあげた。木村監督はテーブル席から手にフォークを持ったまま立ち上がり、マイクも持たずに何やら叫んでいた。

 スペシャルゲスト 鳩山由紀夫首相

 作品賞発表後、鳩山由紀夫首相が来場。鳩山首相は「正直言ってまだ映画を見てないんですが、これが良い映画だとはわかります」、「映画の舞台になったJALは沈んじゃったみたいですが、渡辺謙さん、あなたこそ”沈まぬ太陽”です」、「私の妻は毎日映画を作るんだと話しています。映画はそれくらい魅力的なもの」など、ユーモラスなスピーチで盛り上げた。

 『沈まぬ太陽』は、山崎豊子の600万部を超えるベストセラー小説を角川映画が映画化。アフリカ・イラン・タイをロケ。激動の昭和を背景に、巨大企業で冷遇されながらも信念を貫く男の生き様を描いた3時間を超える大作。(レポート:澤田英繁)

「本当に誇り」と滝田監督 米アカデミー賞が閉幕2009/02/23 中国新聞ニュース

 【ロサンゼルス23日共同=山下修】第八十一回米アカデミー賞は、滝田洋二郎たきた・ようじろう監督の「おくりびと」が外国語映画賞を受賞するなどして二十二日(日本時間二十三日)閉幕、滝田監督らは会場近くのホテルで会見した。

 滝田監督は「日本の素晴らしい技術が認められたと思っています。本当に誇りです」と話し、スタッフやキャストの演技をほめたたえた。

 主演の本木雅弘もとき・まさひろさんは「言葉にならない。まだまだ気持ちの整理がつかない」とコメント。出演者の広末涼子ひろすえ・りょうこさんは「壇上からの景色はファンタスティックで言葉にできない格別な思い。映画人としてこの上ない幸せです」と話した。全員でステージに上がることは、事前に監督らと話し合って決めていたという。

 候補作にイスラエルの「戦場でワルツを」やフランスの「クラス」など、世界的な有名作がひしめく中での受賞について、間瀬泰宏ませ・やすひろエグゼクティブプロデューサーは「コミカルな部分があって、笑いながら泣けてしまう。他の四作品とは違ったところが良かったのではないか」と分析した。

 会見には、本木さんのほか「おくりびと」で初めて映画の脚本に挑んだ小山薫堂こやま・くんどうさん、出演者の余貴美子よ・きみこさんも出席。日本映画の快挙を成し遂げた喜びを分かち合った。

 アカデミー賞は、クイズ番組に出演した青年の半生を描いた「スラムドッグ$ミリオネア」(ダニー・ボイル監督)が作品賞、監督賞など計八部門を制覇し、閉幕した。

イルカ漁隠し撮り米映画、画像修整して公開へ2010年03月06日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米国のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」が、同町や地元漁協の要請を考慮した画像修整などを行って公開されることが、5日分かった。

 映画配給会社アンプラグドによると、昨年10月の東京国際映画祭で上映後、同町・漁協関係者から、漁民らの肖像権を侵害する恐れがあり、内容にも事実誤認があるとの指摘があった。

 そのため、イルカ漁の場面で漁民らの顔にぼかしを入れるとともに、映画の最後に「イルカ肉から2000ppmの水銀値が検出されたとあるが、イルカ肉すべてが高い値であるとは限らない」「イルカ肉を鯨肉として偽装販売しているという表現があるが、太地町は、水産庁の調査でもそのような事実はないと反論している」などと字幕を入れた。

 同社は「太地町への個人攻撃ではなく、問題提起が目的なので、修整を施した」と話している。

イルカ漁隠し撮り映画、漁協抗議で上映会中止2010年03月03日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米国のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の立教大学(東京都豊島区)での上映会が、地元漁協などの抗議を受けて中止されていたことが3日、分かった。

 立教学院広報課によると、上映会は、同大の環境教育などに関する研究機関であるESD研究センターの主催で、3月6日に同大池袋キャンパスで開催を予定。2月9日、大学のホームページに告知情報を掲載した。しかし18日、太地町と町漁協から上映中止を求める内容証明郵便が届いたのを受け、中止を決定。19日にホームページの告知情報を削除し、23日には、町と町漁協に上映中止を伝える文書を送付した。

 立教学院広報課は、「内容証明郵便に『作品制作者に対して法的責任を問う予定がある』とあったので、法的紛争があると判断。解決のめどがつくまで大学として上映は見合わせる」とコメントしている。

「おくりびと」10冠 日本アカデミー賞2009/02/21 中国新聞ニュース

 第三十二回日本アカデミー賞授賞式が東京都内で開かれ、十三部門で優秀賞に選出されていた「おくりびと」(滝田洋二郎たきた・ようじろう監督)が、作品、監督、主演男優、助演女優など最優秀賞十冠。「おくりびと」がたっぷりと“贈られる”夜となった。

 葬儀の際に遺体をひつぎに納める「納棺師」を演じて最優秀主演男優賞に輝いた本木雅弘もとき・まさひろを、司会を務めた義母樹木希林きき・きりんが「まじめなんで、私は安心して本木さんの扶養家族になっております」と語って沸かせると、本木は「まじめというのは役者としては情けなく、役の何が大事か分からないから(役作りで所作やチェロを毎晩)練習していて…」と、きまじめなスピーチ。

 十冠決定後は、樹木が「私は安心して送られます」と言い、最優秀助演男優賞の山崎努やまざき・つとむも「(本木を)予約しておきます」とニッコリ。本木は「心を込めて送らせていただきます」と今度は恭しく返してみせた。


金獅子賞に中国作品 ベネチア映画祭が閉幕 2006/09/10 The Sankei Shimbun

 【ベネチア9日共同】第63回ベネチア国際映画祭の授賞式が最終日の9日夜(日本時間10日未明)、イタリア北部ベネチアで開かれ、最高賞「金獅子賞」に中国の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の「三峡好人」が選ばれた。映画祭は同日、閉幕した。

 「三峡好人」は中国・長江流域の三峡ダム建設で消えゆく町を舞台に、別れた妻とよりを戻そうとする男、音信不通の夫を捜す女の姿を通し、人の心の移ろいを描いた。

 日本からコンペティション部門に出品されていた大友克洋監督の「蟲師(むしし)」と今敏監督のアニメ「パプリカ」の2本はいずれも受賞を逃した。

 ほかの主な賞は次の通り。

 銀獅子・監督賞=アラン・レネ「心」▽銀獅子・新発見賞=エマヌエーレ・クリアレーゼ「ゴールデン・ドア」▽最優秀男優賞=ベン・アフレック(「ハリウッドランド」)▽最優秀女優賞=ヘレン・ミレン(「クィーン」)

宮崎監督に栄誉金獅子賞 ベネチア国際映画祭で 2005/02/09 中国新聞ニュース

 今年八月開幕の第六十二回ベネチア国際映画祭で、宮崎駿監督に「栄誉金獅子賞」が贈られることが九日までに決まった。東宝によると、宮崎監督のアニメ映画製作の業績が評価された。日本人の受賞は初めて。アニメ映画の監督に同賞が贈られるのは初めてという。

 宮崎監督の「千と千尋の神隠し」は米アカデミー賞長編アニメ賞などを受賞。昨年のベネチア国際映画祭でも「ハウルの動く城」を製作したスタジオジブリがオゼッラ賞に輝き、作品の芸術性が高く評価された。

 宮崎監督は「僕の作品を公開するために努力してくれた世界の友人たち、そして作品を評価してくれた世界の人々に心から感謝します」とのコメントを発表した。

「ハウルの動く城」世界50か国程度で公開へ

2004/11/20 読売新聞 Yomiuri On-Line
 20日封切られた宮崎駿監督のアニメーション映画「ハウルの動く城」が、韓国、フランスなどでも公開されることが決まった。

 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが同日、明らかにした。

 韓国での公開は12月24日からで、来年1月以降、フランス、台湾、香港と続く。さらに、米国を始め、世界50か国程度での公開も予定されている。米国での上映規模について、鈴木プロデューサーは「『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞を受賞したこともあり、上映館数は『千と千尋――』より多くなるのではないかと聞いている」と語った。

「ハウルの動く城」封切り 宮崎駿監督の最新アニメ

2004/11/20 The Sankei Shimbun
 宮崎駿監督の最新アニメ「ハウルの動く城」が20日、東京・六本木の映画館を皮切りに封切られた。

 初日は全国約450スクリーンで上映。約304億円に上る日本映画歴代1位の興行収入を記録した前作「千と千尋の神隠し」の初日を上回るスクリーン数。

 六本木の映画館では20日午前零時から、3つのスクリーンで公開。米アカデミー賞長編アニメ賞を獲得した「千と千尋−」から3年ぶりの宮崎アニメ封切りとあって前評判は高く、朝まで待ち切れないファンが足を運んだ。大阪府堺市から来た30代の女性会社員は「新しい宮崎作品がどんなものか、一刻も早く見たかった」と興奮気味に話していた。

 「ハウル−」は魔女によって90歳にされた18歳の少女と、魔法使いハウルの物語。今年のベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、オゼッラ賞に輝いた。


映画の著作権保護 70年に延長へ

2002年12月15日 The Sankei Shimbun
 文化庁は15日までに、映画の著作権の保護期間を現行の公表後50年から70年へ延長する方針を固めた。文化審議会著作権分科会で保護期間の延長で合意したことを受け、順調にいけば来年の通常国会に著作権法改正案を提出する予定。

 「お茶漬けの味」(小津安二郎)、「西鶴一代女」(溝口健二)は今年末、「東京物語」(小津安二郎)、「雨月物語」(溝口健二)は来年12月末に著作権が消滅−。日本映画の黄金期だった1950年代の作品の著作権切れが目前に迫っているだけに、延長の方向に、十数年に及ぶ要望を続けてきた映画製作者ら関係者は「長かった…」とひとまず安どの様子だ。

 現行の著作権法では、小説や絵画など一般の著作物が著作権で保護される期間は著作者の死後50年。加えて著作者が生きている間も守られるため、実質的にはさらに長い期間、保護されることになる。映画にはこれに相当する「プラスアルファ」の期間がない。

 文化審議会著作権分科会では「なぜ映画だけ延長するのか」「いずれ70年が100年と歯止めがなくなるのではないか」などの慎重な意見も出されたが、ほかの著作物との実質的な格差解消という点では一致。延長は1回だけで再延長しないことで合意にこぎ着けた。

 著作権法で言う「映画の著作物」は、映画だけでなくアニメやゲームソフトなども含む。このため、コンテンツ(情報内容)産業の国際競争力強化を図って知的財産立国を目指そうとする国の方針も、保護期間延長への追い風となった。

 日本映画製作者連盟の福田慶治専務理事は「過去の日本映画は文化遺産。保護期間を70年とする欧州連合(EU)などとの公平性から考えても妥当だと思う」と話している。

「千と千尋」にロス映画批評家協会アニメ賞

2002年12月15日 Yomiuri On-Line
 【ロサンゼルス14日=森田清司】ロサンゼルス映画批評家協会は14日、今年の各賞を発表し、アニメ部門の最優秀作品に宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」を選んだ。授賞式は来年1月15日に行われる。

 ハリウッドに影響力を持つ著名な批評家らが選出する同協会の映画賞は、アカデミー賞の行方を占うとも言われる権威ある賞。

 「千と千尋」は、英語吹き替え版が今年9月に米国とカナダで公開され、現在までに約500万ドル(約6億円)以上の興行収入を記録している。同作品は今年2月、世界3大映画祭の1つのベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞に輝いたほか、今月初めには全米映画批評会議の最優秀アニメ作品にも選ばれている。

 アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーは11日、長編アニメ賞の対象作品に「千と千尋」を含む17作品を決定している。来年2月11日にこのうち最大5作品が正式ノミネートされ、3月23日に受賞作が決まる。

「命」がグランプリ アジア・太平洋映画祭2002年10月04日 The Sankei Shimbun
 東映に入った連絡によると、韓国・ソウルで開かれていた第47回アジア・太平洋映画祭で4日夜、日本から出品した「命」(篠原哲雄監督)が、グランプリと江角マキコさんの主演女優賞を受賞した。

 「命」は人気作家柳美里さんの小説を原作に、柳さんの出産や東京キッドブラザースの故・東由多加さんのがんとの闘いを描いた作品。

 同映画祭はアジア・太平洋地域18都市の映画団体などが、毎年持ち回りで開催しており、今年は計39本(短編を含む)が出品された。

モントリオール映画祭閉幕、日本の「命」は受賞逃す

2002年09月03日 Yomiuri On-Line
 【モントリオール2日=土屋好生】先月22日からカナダのモントリオール市で開かれていた第26回モントリオール世界映画祭は2日、グランプリに、親子三代にわたる家族の群像を描いたイタリア映画「私の人生の最良の日」(クリスティナ・コメンチーニ監督)を選んで閉幕した。また、最優秀監督賞には、夫婦の亀裂とその修復をテーマにしたフランスの女優ソフィー・マルソーの初監督作「パルレ・モア・ダムール」が選ばれた。

 日本から出品された作家の柳美里(ユウ・ミリ)さん原作の「命」(篠原哲雄監督)は受賞を逸した。

 そのほかの主な受賞は次の通り。

 ▽審査員特別大賞=「インノウホェアランド」(トルコ)▽最優秀芸術貢献賞=「サロメ」(スペイン)▽同女優賞=マリア・ボネビ(「アイ・アム・ディナ」)、レイラ・ハタミ(「ザ・ディザーテッド・ステーション」)▽同男優賞=アレクセイ・チャドフ(「ザ・ウォー」)。

「市民ケーン」が1位 英国映画研究所投票で

2002年08月09日The Sankei Shimbun
 9日付の英紙ガーディアンなどによると、英国映画研究所が1952年から10年に1度行っている「映画の史上ベストテン」を選ぶ投票で、オーソン・ウェルズ監督・脚本・主演の米映画「市民ケーン」(41年)が、批評家と映画監督のいずれの投票でもベストワンに選ばれた。

 「市民ケーン」は1992年の投票でも両部門で1位だった。新聞王の人生と孤独を描いた作品で、監督が25歳で発表した。

 日本映画では小津安二郎監督の「東京物語」(53年)が批評家選出部門の5位。黒沢明監督の「羅生門」(50年)と「七人の侍」(54年)が、ジャン・ルノワール監督のフランス映画「ゲームの規則」(39年)と同点で、監督選出部門の9位に選ばれた。(以下略)

キネマ旬報の経営権が、西友から角川へ

2001/08/23 Movie Watch
 映画評論誌「キネマ旬報」の経営権が、大手スーパー西友から角川書店へ売却された。西友の出版事業をになう子会社として、生活情報誌「レタスクラブ」や「マネージャパン」の出版を手掛けていたエス・エス・コミュニケーションズ(本社・東京)の発行済み株式80%が、角川書店に売却されることが21日に発表となった。

 これに伴い同社の子会社である、映画評論誌「キネマ旬報」の経営権も角川に移ることになる。「キネマ旬報」は、1919年に創刊され、日本で最も歴史のある映画雑誌(現在の発行部数は、5万2000部)。91年にエス・エス社が経営支援に乗り出し、同社の完全子会社となっていた。

 エス・エス社の親会社である西友が小売り本業に徹するため、生活情報誌を手がけたい角川書店からの株式譲渡の申し出に応じたという。

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