TOPIC No.6-7 中国の有人宇宙飛行計画「プロジェクト921」

01. 中国宇宙開発 YAHOO!ニュース
02. 中国宇宙技術 by日本再生ネットワーク
03. 宇宙計画 by中国情報局
04. 中国宇宙局(CNSA)
05. 有人宇宙船「神舟6号」、打ち上げ成功 (2005年10月12日)「人民網日本語版」
06. 宇宙技術発展による国益とブランドを追求、中国初の有人宇宙船(2003年10月15日)Nikkeibp.jp
07. 中国、有人宇宙飛行に成功(2003年10月25日)「神舟5号」 byこどもアサヒ
08. 中国 有人宇宙船打ち上げ時に 軍事情報収集衛星も by国民新聞 平成15(2003)年11月25日号

中国、五輪中継の衛星打ち上げ

2008/06/11 FujiSankei Business i.

 新華社電によると、中国は9日夜、四川省の西昌衛星発射センターから通信放送衛星「中星9号」を運搬ロケット「長征3号B」で打ち上げた。中星9号はテレビ中継を目的とする衛星で、中国の国有大手、中国衛星通信が発注し、フランスのメーカーが製造した。8月の北京五輪の衛星中継にも使われる予定。(北京 共同)

欧州の通信衛星打ち上げ、中国製ロケット使用へ

2008/04/28 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 崔賢黙(チェ・ヒョンムク)記者

 26日付米ウォールストリート・ジャーナルによると、欧州通信衛星機構(ユーテルサット)は衛星打ち上げに中国の長征ロケットを使用することを決めた。中国が西側の主要な通信衛星事業者から発射を請け負うのは初めてだ。これまで西側の衛星事業者は関連技術の漏えいと安全性の低さなどの理由から中国製ロケットの使用を避けていた。

 ユーテルサットによる長征ロケット使用計画は、軍事的、科学的な優越性を基に民間宇宙産業で中心的存在に浮上しようとする中国の野心を裏付けるものといえる。長征ロケットは今回の契約に際し、保険会社からロシアのプロトンロケットより安定したロケットとして評価された。

 米宇宙産業専門メディアのスペースニューズによると、主要国のロケットを使い衛星を打ち上げる際の保険料率は、欧州宇宙機関(ESA)のアリアン5で6.5%、米アトラスで6.6%、中国の長征で7.9%、ロシアのプロトンで10.3%などとなっている。

 ユーテルサットは中国と2010年に衛星1個を打ち上げることで合意したばかりだが、業界関係者はユーテルサットが中国製ロケットを広い範囲で使用する計画を持っているという。ウォールストリート・ジャーナルはSESグローバル、インテルサットなどほかの衛星事業者も中国の長征ロケットを使用する可能性が高いと報じた。

 欧州2位の衛星事業者のユーテルサットが中国製ロケットの使用を決めたことで、中国の宇宙開発計画に対する米議会の懸念はさらに強まるとみられる。

中国、有人宇宙船「神舟7号」を10月打ち上げへ

2008/03/01 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

 中国が今年10月に同国で3番目となる有人宇宙船「神舟7号」を打ち上げる。甘粛省の酒泉衛星発射センターでは打ち上げに向けた準備作業が順調に進んでいる。29日付の中国共産党機関紙、人民日報が伝えた。自国の科学技術が集約された有人宇宙船の打ち上げを通じ、8月の北京五輪成功と改革開放政策30周年を記念し、急成長する国力を国内外に誇示するのが狙いだ。

 神舟7号には宇宙飛行士3人が乗り込み、中国で初めての船外活動も予定されている。中国は宇宙遊泳を行うため、独立した生命維持システムを備えた特殊宇宙服の開発を終えた。神舟7号は宇宙空間でさまざまな実験を実施するほか、小型衛星を載せ宇宙空間に放出する予定だ。なお、宇宙遊泳の模様は全国に生中継される。

 神舟7号に乗り込む宇宙飛行士の訓練と選抜は、神舟5号(2003年打ち上げ)と6号(05年打ち上げ)に搭乗経験がある宇宙飛行士が担っている。中国初の宇宙飛行士、楊利偉氏は中国宇宙飛行士センターの副責任者として訓練を指揮しており、6号に乗った費俊竜、聶海勝の両氏も最終選抜が行われている二つのグループの責任者を務めている。

 旧ソ連と米国に続き有人宇宙船を打ち上げた中国は昨年、初の月探査船「嫦娥(じょうが)1号」を打ち上げ、ロシアと共同で火星探査も進めている。また、2020年を目標に宇宙ステーションの建設を目指すなど着々と「宇宙強国」を目指している。

中国、今度は多目的情報収集衛星「遥感3号」の打ち上げに成功

2007/11/13 Technobahn

 中国は12日、山西省にある太原衛星発射センターから長征(Long March)型ロケットを使って地球観測衛星「遥感(Yaogan)3号」衛星の打ち上げに成功したことを、国営の新華社通信を通じて発表した。

 遥感3号は地表面の資源分布状況、土地利用状況、災害状況などを観測するための多目的情報収集衛星の一種。

 中国は先月24日には四川省にある西昌衛星発射センターから長征3A(Long March 3A)型ロケットを使って月観測衛星「嫦娥(Chang'e)1号」の打ち上に成功して、3週間で2機の衛星の打ち上げに成功するなど、今年に入ってからはアメリカやロシアなど欧米の宇宙先進国のロケット打ち上げをに優るペースで多数の人工衛星の打ち上げを実施している。

新世代ロケットは12年以降=月探査衛星、観測軌道へ−中国

2007/11/05 時事ドットコム

 【北京5日時事】中国国家宇宙局は5日、同国初の月探査衛星「嫦娥1号」が月周回軌道に無事投入されたことを受け記者会見した。同局スポークスマンは新世代の大型運搬ロケット「長征5号」について、2012年以降に飛行試験を行う計画であることを明らかにした。

 長征5号は推進力が大きく、環境に配慮した燃料を使ったロケットとして開発が進められている。月探査プロジェクトは3段階で実施するが、今回の月周回は第1段階。同局によると、月面着陸・探査を行う第2段階で長征5号の使用を検討したこともあったが、現時点では「長征3号B」を使う予定だという。

 一方、嫦娥1号は、月周回軌道に投入されたことで「月周回衛星の仲間入りを果たした」とし、6、7の両日の軌道調整を経て、さらに月に近づき観測軌道に入ると説明した

月周回軌道入りに成功 中国衛星

2007年11月05日 中国新聞ニュース

 【北京5日共同】中国国防科学技術工業委員会は5日、北京で記者会見し、中国初の月探査に向けた周回衛星「嫦娥1号」が月周回軌道に入ることに成功したと発表した。衛星システム担当者が「この軌道変更が今回の飛行計画の鍵だった。成功でわれわれの実力を十分に証明した」と述べ、月探査計画が順調に進んでいることを強調した。

 発表によると、嫦娥は5日午前11時15分(日本時間午後0時15分)、月の周回軌道入りに成功、月から近いところは210キロ、遠いところは8600キロの楕円軌道を1周約12時間かけて周回する。

 6日と7日に1回ずつ軌道修正を行い、最終的には月から200キロを約2時間で周回する円軌道に入る予定。今後は月面の3次元撮影や、月表面のウランやチタンなど14種類の資源の含有量や分布の分析などを1年間行う。

中国が初の月周回衛星 「嫦娥1号」打ち上げ成功

2007/10/24 中国新聞ニュース

 【北京24日共同=芹田晋一郎】中国初の月探査に向けた周回衛星「嫦娥1号」が二十四日午後六時(日本時間同七時)すぎ、四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられ、予定通り地球周回軌道に乗った。

 日本も月周回衛星「かぐや」を打ち上げるなど国際的に月探査の機運が高まる中、胡錦濤指導部は、二期目のスタートを切った直後の月周回衛星打ち上げで、中国の宇宙技術の高さを誇示、国威発揚を図りたい考えだ。

 中国の伝説上の仙女の名を取った「嫦娥1号」は、「長征3号Aロケット」に搭載されて打ち上げられた。今後、地球を周回する楕円(だえん)形の軌道上で地球の重力を利用して加速し、三十一日に月へ向かう軌道に入る予定。十一月五日には月周回軌道に入り、最終的には月から二百キロの円軌道を周回する計画。

「かぐや」見た後?「嫦娥1号」来月30日打ち上げか

2007/09/11 FujiSankei Business i.

 中国人権民主化運動情報センター(本部香港)は10日までに、中国初の月探査衛星「嫦娥(月に住む仙女)1号」について、天候が良好ならば、10月30日に四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられると明らかにした。

 嫦娥1号の発射は当初、10月初めに計画されていたが、軌道変動などの指令を出す海上観測船の事故で延期になっていたという。8月から9月13日に延期された日本の月周回衛星「かぐや」(セレーネ)の発射結果を十分に分析した上で嫦娥1号を打ち上げれば、失敗の危険性が減少するとの判断も延期の原因になったとしている。(北京 時事)

中国、月探査衛星年内打ち上げ…資源開発、基地建設も

2007/08/28 FujiSankei Business i.

国威発揚の場に

 中国の月探査プロジェクトセンター当局は27日までに、独自開発の月探査衛星「嫦娥(じょうが)1号」とキャリアロケット「長征3号甲」の試験と評価を終え、年内に打ちあげる計画を明らかにした。中国で初となる月探査衛星は当初、国慶節(建国記念日)の10月1日打ち上げを予定していたが、海上観測設備を損傷する事故などの影響で延期が見込まれていた。応急措置で年内の打ち上げにメドをつけたもようだ。中国は国威発揚の場としての宇宙開発を急いでいる。(坂本一之)

 ◆TVで中継

 共産党機関紙、人民日報などによると、月を周回する無人探査衛星「嫦娥1号」は、月面の立体映像の撮影や土壌や元素の分析などを行う。嫦娥1号は地球を5〜7回周回した後、打ち上げから11日間前後で月の探査に入るという。打ち上げのようすはテレビで実況中継する見通し。中国が国家威信をかけて進める月周回探査プロジェクトは秒読み段階に入った。

 中国の航空宇宙当局が同プロジェクトを公式にスタートさせたのは2004年。初の月探査を経て、嫦娥計画の第2段階として12年には無人の月面探査車を着陸させる予定。月面探査車の部品も中国が独自開発する。

 さらに、17年には無人機で月面の土壌サンプルを地球に持ち帰るプロジェクトを計画中で、24年に有人宇宙船の月面着陸を目指している。月面での基地建設も視野に入れている。石油や天然ガスなど地球上の天然エネルギー資源を買いあさる中国だが、今後は月面の資源開発でも先行する。

 また、GPS(衛星利用測位システム)の「北斗」の08年本格運用に向けて軍民利用を一部システムで開始するなど準備を進めている。中国が独自のGPSを運用することで台湾海峡の有事などに対応し、宇宙開発で世界を牽引(けんいん)する米国に対抗するものとみられる。中国は今年1月に、高度約850キロにあった自国の気象衛星を地上からの弾頭ミサイルで破壊した経緯もあり、米国などは中国の軍事目的の宇宙開発に目を光らせている。

 ◆平和利用を主張

 これに対し、中国外務省の劉建超報道官は「中国は一貫して宇宙の平和利用を主張、宇宙空間の軍事化と軍備競争に反対するとの立場に変化はない」と釈明。さらに月探査プロジェクトセンターの当局者も嫦娥計画について、「軍事目的ではなく、他国の利益も奪わない」などとしている。

 航空宇宙技術の強化は国威発揚とともに軍事力の強化と外交戦略上の影響力もあり、共産党による政権安定と、中国の国際社会での発言力強化を狙う胡錦濤政権にとって重要な政策。また、中国は宇宙ビジネスも本格化させており、ベネズエラから受注した通信衛星の打ち上げを08年下期にも実施する予定。一旦は延期された中国初の月探査衛星の年内打ち上げの成否に、今後、国際社会の注目が集まりそうだ。

初の有人飛行、失敗瀬戸際 中国、地上交信途絶える

2007年08月13日 中国新聞ニュース

 【北京13日共同】13日の新華社電によると、2003年10月、中国初の有人宇宙飛行船「神舟5号」が地球へ帰還のため大気圏に突入した際、宇宙船と地上の交信が一時途絶えた後に完全復旧せず、機体と搭乗した楊利偉飛行士が危険にさらされていたことが判明した。

 西安衛星観測管制センター(陝西省)の責任者が新華社とのインタビューで明らかにした。中国の威信をかけた初の有人飛行船計画が失敗の瀬戸際にあったことが分かったのは初めて。

 楊飛行士は大気圏突入後、地上との交信ができなくなるエリアを過ぎた後も通信が安定せず、管制センターとの通信が事実上不可能になるという「最悪のシナリオ」に陥った。

 しかし、管制センター側は、光学誘導による着陸方式に切り替えて機体の位置を割り出し、パラシュートを適時に開くなどして無事着陸にこぎ着けた。

ナイジェリア発注の通信衛星、中国が打ち上げ成功

2007年05月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=杉山祐之】新華社電によると、中国は14日、ナイジェリアが発注した中国製通信衛星の打ち上げに成功した。

 打ち上げは四川省の西昌衛星発射センターで行われ、長征3号Bロケットが使用された。中国が衛星製造、打ち上げサービス全体を請け負ったのは初めてという。

 同電は、打ち上げ成功について、衛星ビジネスの市場拡大にとって重要な意義があると伝えた。来年後半にはベネズエラの衛星を打ち上げる予定という。

 今回はまた、中国がアフリカ諸国のために衛星を打ち上げた初のケースとなった。関係者は新華社に対し、「中国とアフリカの友好協力がさらに高い領域に進み、伝統的友好の新たな1ページを開いた」と語った。中国は、宇宙ビジネスの分野でもアフリカとの関係強化を進めると見られる。

12年の月着陸など目標 中国が中期宇宙計画発表

2007年03月11日 中国新聞ニュース

 【北京11日共同】中国の国防科学技術工業委員会は11日までに、第11次5カ年計画(2006−10年)での宇宙科学発展計画を発表した。12年ごろの月面着陸などを柱とし、今後15年以内に中国の宇宙科学は世界最先端の水準に到達可能だとしている。

 中国が月探査に積極的なのはウランなどの資源確保が目的とみられており、計画は、宇宙科学の発展が「国家戦略上必要な重要問題の解決」につながると強調した。宇宙科学の中期的な計画を示すのは初めてという。

 月探査では、07年中に月を周回し、撮影した表面の画像から土壌などを分析。12年前後に月面着陸を実現し、17年前後には月面の土などを地球へ持ち帰るとしている。

 すでに2回成功している有人飛行関連では、飛行士の船外活動やドッキング技術で大きな進展を図るほか、長期に軌道上を飛行する宇宙実験室も開発する。

中国の月探査「資源が狙い」 ウラン・チタンなど豊富

2007年02月08日 asahi.com

 中国が進める月探査計画「嫦娥(じょうが)計画」は、月にあるウランなどの豊富な資源の獲得も目的としていることが明らかになった。中国の月探査計画責任者である欧陽自遠氏が、6日付の中国共産党機関紙「人民日報」(海外版)で明らかにした。中国は今春にも探査機「嫦娥1号」を打ち上げ、月の周回軌道に乗せる予定。

 欧陽氏は、月にはウラン、カリウム、チタンなどの他、核融合発電の燃料となるヘリウム3も豊富であり、「地球の資源貯蔵庫」になりうると指摘。「10トンのヘリウム3による発電により、我が国の1年分の電力需要が満たせる」とした。また、太陽光による発電や「環境観測や軍事戦略的な要地」としての可能性も強調した。

 今後の月探査計画については、2010年ごろまでに月探査機と探査車を着陸させ、20〜25年には宇宙飛行士が月面で活動するのを目標にしていると明らかにした。月探査は「国家の総合力の体現であり、国際的な威信を高め、民族の団結力を強めるために大変な意義がある」とも述べた。

 「嫦娥」は、中国の伝説で月に住む仙女。

中国4番目の衛星発射基地、海南省が建設へ

2007年02月07日 asahi.com

 中国海南省の羅保銘・次期省長はこのほど、新しい衛星発射基地の建設のため、国の関係機関と協調していくと述べた。建設地点は文昌市で、2010年の運用開始を目指すという。完成すれば酒泉(甘粛省)、西昌(四川省)、太原(山西省)に次ぐ4番目の衛星発射センターとなる。

 北緯19度と緯度が低く、地球の遠心力を利用して、より重いものを発射できる。開発中の大型「長征5号」ロケットを投入し、宇宙ステーション、月探査機などの打ち上げが想定されている。

中国はなぜ月探査をするのか(1)

2007年02月06日「人民網日本語版」

▽月探査はせざるを得ない事業

中国の月探査プロジェクトで首席科学者を務める欧陽自遠・中国科学院(科学アカデミー)院士はこのほど、科学者たちによる「科学普及フォーラム」で、中国初の月探査衛星「嫦娥1号」を年内に打ち上げ、月周回軌道を周回せさる計画であることを明らかにした。2010年前後には、月面着陸と月面探査車による探査を行う予定だ。欧陽氏によると、月探査プロジェクトではすべての部品を自主開発し、外国製品は一切使用しない。

欧陽氏は「月探査には各国共に強い関心を抱いており、他国の技術援助を得ることは難しい」と指摘する。「科技日報」によると、月探査計画の第1段階には14億元の予算を要し、3年に分けて完成する。欧陽氏は「中国にとって、これは決して誇張しすぎた金額ではない」と言う。米国のアポロ計画は256億ドルを費やしたが、米国全体の科学技術と経済の発展をけん引した。欧陽氏は「実際、月探査はわれわれがしないわけにはいかない事業」と強調する。

現実の中で、われわれはなお、解決が必要な多くの経済・社会・環境問題を抱えている。地球上の事もまだうまくいっていないのに、それでも月を目指さなければならないのはなぜか。欧陽氏は人々の疑問に対し、「月探査は国家の総合的な国力の体現だからだ」と答える。「その上月探査は、われわれの国家にとって有人宇宙飛行に続く新たな一里塚であり、国家の科学技術発展の目安でもある。また、月の鉱物資源、エネルギー、特殊な環境は、将来人類が奪い合うことになる非常に重要な領域であり、もし中国がずっと手を出さずにいれば、将来何の発言権も持たないことになってしまう」――。(編集NA)

中国はなぜ月探査をするのか(2)

2007年02月06日「人民網日本語版」

▽科学技術全体をけん引

中国の月探査プロジェクトで首席科学者を務める欧陽自遠・中国科学院(科学アカデミー)院士はこのほど、科学者たちによる「科学普及フォーラム」で、中国初の月探査衛星「嫦娥1号」を年内に打ち上げ、月周回軌道を周回せさる計画であることを明らかにした。2010年前後には、月面着陸と月面探査車による探査を行う予定だ。「北京日報」は、欧陽氏の発言を次のように報じている。

月探査は、地球と月のシステム、太陽系、生命の起源と進化などの解明における重要な一部だ。また、人類の生存空間と探求領域を広げることにもなる。1959年に人類は月探査を実現し、月面を近距離から観測した。1959年から1976年には、全世界で月探査熱が高まった。それから18年近くの静かな時期を経て、1994年から再び月探査熱が高まりをみせている。

望遠鏡による観測のほか、現在ではさまざまな月探査機が打ち上げられ、月面着陸までも行われている。こうした宇宙探査技術の発展が、科学技術全体の発展をけん引した。最もわかりやすい例が米国の「アポロ計画」だ。科学者は月探査によって、太陽系の物質の由来を研究し、太陽星雲の分留・凝集・形成過程を解明すること、惑星と衛星の大気・電離層・磁場の特徴・起源・進化を研究することを望んでいる。(編集NA)

中国はなぜ月探査をするのか(3)

2007年02月06日「人民網日本語版」

▽中国の月面着陸も遠くない

中国の月探査プロジェクトで首席科学者を務める欧陽自遠・中国科学院(科学アカデミー)院士はこのほど、科学者たちによる「科学普及フォーラム」で、中国初の月探査衛星「嫦娥1号」を年内に打ち上げ、月周回軌道を周回せさる計画であることを明らかにした。2010年前後には、月面着陸と月面探査車による探査を行う予定だ。「北京青年報」は欧陽氏の発言を次のように報じている。

中国は、月探査を実行する条件を完全に備えていると言えよう。われわれは過去に一度も実施したことがなかったにもかかわらず、初の月探査でおおよそ米国が2000年に達成した結果をさらに広げたものに相当する成果を得た。第1回目の探査では主に、月の資源・エネルギー・環境に対する、全面的・総合的なリモートセンシング観測を実施する。

中国はこれらの能力を完全に備えている。ロケットは月探査機器を送り込む能力を完全に備え、なお大きな余力がある。中国の衛星開発水準も完全に要求を満たしている。打ち上げ施設も、月探査機打ち上げの条件を完全に備えている。観測制御システムも確実なパフォーマンスが実現可能だ。われわれは、すばらしいチームも備えている。軌道・飛行器設計・電子情報技術なども実現可能だ。中国人が月面着陸の夢を実現するのも、遠い未来のことではない。(編集NA)

宇宙大国めざす中国、次は月資源に触手 4月に無人衛星

2007/02/06 Iza

 【ニューヨーク=長戸雅子】5日発売の米誌ニューズウィーク最新号は、中国が4月17日に月に向けた無人の人工衛星打ち上げを計画していると報じた。同誌によると、中国は月面に存在するヘリウム3の採掘を最終的な目的としており、段階的にこれを進める計画を持っているという。ヘリウム3はクリーンで安全なエネルギーとされ、核融合発電の燃料になる。

 同誌によると、中国は人工衛星を打ち上げた後、3人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船で地球を周回し、来年は宇宙遊泳を計画。その2年後には月面車による探査、2020年には月面の成分を採取し、地球に持ち帰る探査機を打ち上げるという。

 計画の実行には月面採掘機などをつくる必要があり、膨大な資金と10、20年単位の時間がかかるが、地球科学の専門家は「資本家とのネットワークのある共産体制であれば資金もこれらをやり遂げる能力も持つことができる」と遂行する可能性は高いとの見方を示す。

 カリフォルニア州に拠点を置く宇宙開発企業の代表も「中国の予定表は非常に現実的」と指摘している。

<速報>気象衛星「風雲2号D」から初の衛星写真を受信

2007年01月13日 Record China YAHOO!ニュース

 2007年1月12日の午後2時、指導センターが指令を送り、気象衛星「風雲2号D」が衛星写真の送信を開始した。24分後、中国気象局は「風雲2号D」から初めて衛星写真の受信に成功した。これを見ると画質はかなりよく、地表を覆う雲がきれいに映っている。

 気象衛星「風雲2号D」は昨年12月8日、四川省西昌(シーチャン)衛星発射センターから、キャリアロケット「長征3号甲」に載せて打ち上げられた。この「風雲2号D」と、それ以前に打ち上げられた「風雲2号C」の気象衛星からの2つの画像を合わせると、地表の立体的な観測が実現できるという。

 「風雲2号D」は、中国航天科技集団会社に所属する上海航天科技研究院が中心となって開発した。どんな天候の場所でも、地球の気象の連続的な観測が可能だという。衛星は高さ1.6m(アンテナを含むと3.1m)、直径2.1mの円柱体をしており、重さは1.39t。中国の気象局が利用する。

 衛星の打ち上げ時、総設計士である上海航天技術研究院の李卿(リーチン)研究員はメディアの取材に対し、『気象衛星「風雲2号D」には、2008年北京オリンピックの気象を観察するという重要な任務がある。万全の態勢でオリンピックへのサービスを提供する』とコメントした。

「風雲2号D」気象衛星、静止軌道に到達

2006年12月14日 「人民網日本語版」

8日に四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた「風雲2号D」気象衛星は13日午後5時12分、東経86.5度の赤道上空の静止軌道に到達した。観測データによると、衛星は姿勢が安定し、搭載機器も正常に作動しているという。西安衛星観測コントロールセンターが明らかにした。

04年10月に打ち上げられた「風雲2号C」気象衛星は現在、軌道を正常に運行し、順調に活動を進めている。D衛星が静止軌道に到達したことにより、静止気象衛星2機による連携作業システムが確立され、衛星の軌道運行の連続性、安定性がより強化された。(編集KS)

中国が気象衛星打ち上げ 北京五輪の天気予報に利用

2006/12/09 The Sankei Shimbun

 9日付の中国各紙によると、中国は8日、四川省西昌の衛星発射センターから気象衛星「風雲2号D」の打ち上げに成功した。新華社電によると、9日未明には予定の軌道に乗った。

 中国は2004年10月に国産初の実用気象衛星「風雲2号C」を打ち上げており、今後は2つの衛星で気象観測をする。「風雲2号D」は主に、08年に開かれる北京夏季五輪の期間中に天気予報のデータを提供する。(共同)

中国の国産通信衛星「シノサット2」が故障

2006/11/28 The Sankei Shimbun

 中国の通信社、中国新聞社電は28日、中国が10月末に打ち上げた新世代の国産通信・放送衛星「シノサット2」が故障し、通信・放送衛星としての機能を果たせなくなった、と伝えた。

 シノサット2は自主技術で開発。10月29日に四川省の西昌衛星発射センターから発射、軌道に乗せることに成功した。中国国内や香港、マカオ向けの衛星放送やデジタル放送用などに使われる予定だった。

 シノサット2は静止軌道に乗せる過程で故障。太陽電池と通信用アンテナが機能しなくなった。打ち上げ会社の担当者は、新たな国産衛星シノサット3の開発が進んでおり、来年前半に打ち上げる計画だ、と述べた。(共同)

宇宙探査衛星の打ち上げに成功

2006/10/25 FujiSankei Business i.

 新華社電によると、中国は24日、山西省太原衛星発射センターから、宇宙環境探査衛星「実践6号−02組」2基の打ち上げに成功、同日、予定軌道に乗せた。衛星は上海航天技術研究院と航天東方紅衛星公司がそれぞれ製作した。いずれも2004年9月に打ち上げた「実践6号」の代替衛星という。

 発射には運搬用ロケット「長征4号B」を使用した。長征ロケットは旧式だが、打ち上げは1996年10月以降、50回連続で成功している。

ロケットも「環境」時代 宇宙開発計画 民生・商業化を推進

2006/10/13 FujiSankei Business i.

 【北京=福島香織】中国政府は12日、2006年度版「中国宇宙開発白書」を発表し、今後5年の計画として、環境汚染の少ない新型ロケット開発に取り組むことなどを明らかにした。今年は中国が宇宙開発に取り組み始めて50年目にあたる。中国としては宇宙開発事業を国家発展戦略の重要構成部分と明確に位置づけ、軍用だけでなく民生化、商業化も推進し、欧米が先行する宇宙開発市場に切り込む考えを打ち出した。

 白書では今後5年の主要開発任務として、(1)有人宇宙船プロジェクト(2)月探査プロジェクト(3)高解析率地球観測システム(4)衛星ナビゲーションシステム(5)大型搭載ロケット−などを打ち出した。このうち、大型搭載ロケットについては、大気を汚染しない高性能の安価かつ推進力の大きな新型ロケットとしている。

 これまでの国産長征ロケットシリーズは90回以上打ち上げられてきた。しかし、これらはミサイル打ち上げなどに使用される有毒なジェット燃料を使用。環境汚染が問題視された。今後、衛星打ち上げ代行など本格的な宇宙ビジネス参入する過程で大きな課題とされていた。

 性能面では3万6000キロ上空の地球静止軌道まで打ち上げ可能な最大搭載能力で、これまでの長征が5トンなのに対し新型が14トン、搭載衛星の直径も長征より1・65メートル大きい5メートルになる。液体酸素系のエンジン(120トン級)のほか、日本のH2Aロケットにも使われた水素推進系のエンジン(50トン級)も開発しているという。

 また有人宇宙計画では2008年に宇宙飛行士による船外活動を計画。女性飛行士の育成のほか、科学者や新聞記者など民間飛行士も宇宙に送り出す計画を進める。

 同日、記者会見した孫来燕・国家宇宙局局長は、宇宙開発費用について「有人宇宙船神舟1号から5号まで使った費用は190億元(現在のレートで約2750億円)だが、神舟6号の打ち上げは10億元足らず、月探査プロジェクトの計画も10億元あまり」と述べ、米国の宇宙開発のわずか10分の1と説明した。

中国の月周回衛星、07年の発射を予定

2006年10月13日「人民網日本語版」

国務院新聞弁公室は12日、「2006年中国宇宙白書」を発表するとともに記者会見を行い、中国国家航天局(航天:宇宙飛行の意)の孫来燕局長が中国の宇宙関連事業の発展状況と同白書の内容などについて説明した。

月探査計画に関して、孫局長は以下のように述べた。

月探査計画は「周回、軟着陸・探査、回収帰還」の三段階からなり、全て無人探査となる。月周回衛星「嫦娥1号」の開発は順調だ。衛星の組み立ては終わっており、2007年の発射を予定している。

衛星打ち上げの目的は次の通り。

(1)月面探査プロジェクトの実行可能性と確実性をテストする。探査衛星、ロケット、打ち上げ基地、観測制御およびそれらの応用などに関するプロジェクト目標を達成する。科学的目標は、月表面から200キロの軌道を周回し、地球と月の間の環境を観測すること。

(2)月面の3D画像を作成する。

(3)月の土壌の厚さを測定するとともにその成分を分析する。

孫局長はこのほか、火星探査計画についてはまだ決まっていないと発表した。(編集SN)

10年までの宇宙事業発展に3目標 国家航天局

2006年10月12日 「人民網日本語版」

国務院新聞弁公室は12日、「2006年中国宇宙白書」を発表するとともに記者会見を行い、宇宙飛行事業を担当する中国国家航天局(航天:宇宙飛行の意)の孫来燕局長が中国の宇宙事業の発展状況と同白書の内容などについて説明した。

孫局長によると、今後5年間および、さらに長期にわたる中国の宇宙事業発展の主な目標と任務は以下の通り。

(1)自主開発による重点突破

有人宇宙飛行プロジェクト、月探査プロジェクト、高分解能地球観測システム、衛星「北斗」によるナビゲーションシステム、大型キャリアロケットという5大宇宙科学技術プロジェクトを引き続き進める。要となる技術を開発し、独自の知的財産権を持つ核心技術を把握し、自主開発能力を高め、中国の宇宙事業の飛躍的発展を目指す。

(2)社会に貢献し、人々のために役立つ

長期間かつ安定的に運行する衛星地球観測システム、完備された衛星放送通信システム、地域的な要求を満たす衛星測位システム(GPS)を構築し、宇宙空間応用を進め、応用衛星と衛星応用技術の業務サービス型への転換を図る。積極的に衛星の製造・発射サービス、地上設備の製造・運営サービスを行う宇宙産業チェーンを作り上げ、サービス経済と社会の発展を目指す。

(3)科学技術をけん引し、発展を支える

宇宙科学技術の発展により、関連する科学技術や新興産業の発展をけん引する。宇宙空間科学の研究に力を入れ、独自の成果を出し、関連する基礎学科の刷新と発展を支える。(編集SN)

中国が宇宙航空、宇宙空間技術などの分野で飛躍的発展

2006-10-07 CRIonline

 今月8日は、中国の宇宙航空事業創設50周年の記念日です。中国の宇宙航空事業はこの50年、宇宙空間の技術、応用と科学という3つの分野で飛躍的な発展を遂げました。

 中国国防科学技術工業委員会の責任者は、「中国が自力で開発した『長征』シリーズのロケットは1996年以来、48回連続して打ち上げに成功した。その安全性は世界の先進レベルに達している。また中国は70基の衛星を自力で開発し、打ち上げに成功した。これらは経済、科学技術、文化教育及び国防などの分野で幅広く活用されている。このほか、現在、中国は、無人宇宙飛行船4機と有人宇宙飛行船2機の打ち上げに成功し、自力で有人宇宙飛行を行える世界3番目の国となった」と述べました。

長征ロケットで自主開発の通信衛星打ち上げに成功

2006/09/13 中国情報局

 13日午前0時2分(日本時間12日23時2分)、四川省にある西昌衛星発射センターで長征3Aロケットが打ち上げられた。ロケットは通信衛星「中星22号A」を予定の軌道に投入することに成功した。

 長征3Aは石油系燃料を使用する3段式ロケット。長征シリーズの中では比較的大型のタイプに属する。中国は1997年から連続して49回、宇宙空間へ向けてのロケット発射に成功したことになる。

 13日の打ち上げでは、飛行を開始してから25分後に中星22号Aが近地点高度207キロメートル・遠地点高度4万2000キロメートルの予定されていた軌道に投入されたことが確認された。今後は赤道上空3万5786キロメートル、東経92度の静止軌道に遷移させる予定だ。

 中星22号Aは、中国航天科技集団に所属する中国空間技術研究院が開発・製作した。設計上の寿命は8年間で、中国衛星通信集団公司傘下の中国通信衛星広播公司が使用する。(編集担当:如月隼人)

中国の独自開発衛星「?諾二号」10月打ち上げへ

2006/9/11 MYCOMジャーナル西山楓

 このほど、過去6年にわたり中国が独自研究を続けてきた大型静止軌道通信衛星の公用プラットフォーム(略称: 東四大プラットフォーム)に、重大な進展がみられた。中国空間技術研究院が開発に携わってきた衛星「?諾二号」が4日、中国国防科学技術工業委員会の実施した出荷検定をパスし、2006年10月末にキャリアロケット「長征三号乙」で四川省内にある西昌衛星発射センターから打ち上げられる運びとなったのである。

 「?諾二号」は中国で初めての妨害防止機能付き大型通信放送衛星。衛星には1万ワット、計22本のKu帯高効率トランスミッタが備え付けられる。同衛星の設計寿命は15年。打ち上げが成功すれば、中国大陸や香港、マカオ、台湾向けテレビ放送などの中継業務を担うことになる。

 中国メディアや業界関係者は、衛星の設計を通じて、中国の通信・放送に関する衛星技術は飛躍的な発展を遂げ、いまや90年代末の国際水準に達し、中国における宇宙飛行技術の水準を大幅に高めたと評価している。

 東四大プラットフォームの開発を通じ、中国は多くのコア技術領域で難関を突破。該当領域において独自の知的所有権を獲得し、中国における宇宙航空技術の発展を促すと同時に、部品、電子デバイス、原材料といった基礎産業の技術発展と製品品質の改善を達成したとされる。

 東四大プラットフォームと「?諾二号」の開発、発射、運用は、中国の個人向けブロードバンドインフラの整備、マルチメディア、音声、映像やモバイル通信業務などの高速化ニーズに応えうる基本条件を整え、国民経済の持続的発展と国民生活水準の持続的向上を保証するものと期待されている。

中国、07年に3つの環境衛星打ち上げへ

2006年08月19日 asahi.com

 国家環境保護総局の周生賢局長は18日、「全国環境保護科学技術大会」の席上で、2007年に小型の環境衛星3基を打ち上げる計画を明らかにした。中国独自の衛星による環境モニタリングシステムの構築を目指す。小型環境衛星の数は、近く8基に増える。これにより、中国の環境モニタリング能力は大幅に向上する見通し。

 中国の環境・災害に関するモニタリングや研究は、まだ従来型の手法に頼っており、広範囲かつリアルタイム、動態的なモニタリングは実現していない。宇宙技術と従来型のモニタリング技術を組み合わせることで、今後は国内の生態環境に対する定期モニタリングが可能になるとみられ、生態の質的変化の予測や汚染事故の監視、緊急対策への技術的サポートが期待されている。

中国、スペースシャトルの開発目指す 第1段階で月探査

2006/05/25 The Sankei Shimbun

 【北京=野口東秀】中国は今後の宇宙開発計画を3段階に分け、10年後の2016年までに月面着陸などの月探査を実現するとともに、最終的には地球と宇宙空間を頻繁に往復する「中国版スペースシャトル」の開発を目指していることが判明した。中国の宇宙開発プロジェクトを促進する中国運搬ロケット技術研究院の李洪・副院長が語った。中国は米露と並ぶ「宇宙大国」を目指しており、中国の野心的な開発計画に米国は強く警戒している。

 中国紙「北京日報」などによると、李副院長は3段階に分けた宇宙開発計画の第一段階について、今後10年間をめどに、現在使用している一連の「長征」ロケットを改良することで、有人宇宙飛行や月面探査などを推進、この10年間で、発射の安全性を確立する。

 第2段階では、ロケット燃料の「無汚染性、低コスト、高い安全性」など新技術の開発に主眼を置く。

 第3段階では、大推進力をもつロケットとスペースシャトルの開発を実現する。

 大推進力ロケットによって、有人月面探査を可能にするほか、月よりも遠い宇宙空間での活動なども目指す。一方、「中国版スペースシャトル」の開発について、李副院長は「打ち上げコストの低減化により、宇宙開発の一層の加速を実現する」と指摘している。

中国のロケット開発、「スペースシャトル」も視野

2006/05/22 中国情報局

 中国運載火箭技術研究院(中国運搬ロケット技術研究院)の李洪・副院長は、今後の中国のロケット開発に関して3つの段階が想定されていることを述べた。最終的には、地球と宇宙空間を往復する「中国版スペースシャトル」を開発することも視野に入れている。京晩報が伝えた。

■ポスト「長征」で水素‐酸素ロケットを実用化

 李副院長によると、今後約10年間は現役の長征シリーズ(写真)によって、月面探査を含めた宇宙開発を推進する。そのために、長征シリーズを改良して、適応能力や安全性、発射頻度の向上を目指す。

 その次の段階として、「無毒性」「無汚染性」「低コスト」「高度の安全性」を備えた、新世代のロケットを開発する。燃料としては、炭化水素と液体酸素あるいは液体水素と液体酸素の組み合わせを想定している。低軌道には1.5−25トン、静止軌道には1.5−14トンの打ち上げ能力を実現する。

 長征シリーズは1段ロケットなどの燃料として、四酸化二窒素とメチルヒドラジンを組み合わせて使用している。燃焼装置が比較的シンプルな構造で済むという利点があるが毒性が極めて強く、腐食性も強いために、この燃料を使用していたアメリカのタイタンロケットは燃料漏れによる大事故を何度も起こしている。

 現在、米国、欧州、日本の新しいロケットでは、燃料として液体水素と液体酸素の組み合わせが一般化している。中国も、長征シリーズの後継シリーズとして、液体水素と液体酸素を燃料とするロケットを開発する公算が高い。

■中国版スペースシャトルで宇宙開発を加速

 李副院長は更に、中国のロケット開発の更に続く段階として、大推進力を持つロケットと、地上と宇宙を往復する運搬機の開発を二大目標として挙げた。

 大推進力ロケットに関しては、中国が計画している有人月面探査を可能とするだけの能力を持つロケットを開発する。また月よりも遠い、いわゆる「深宇宙」に探査機を送り込むことを念頭に入れる。

 一方、中国は大気圏を通過して地上と宇宙空間を往復できる運搬機を開発する。この「中国版スペースシャトル」の実用化により、打ち上げコストの低減と、宇宙開発の一層の加速を実現する計画だ。(編集担当:如月隼人)

宇宙開発は「中国・ロシア」、「米・インド」の2極に2006年05月15日 NB Online 門倉 貴史

 有力新興国としてライバル関係にある中国とインドは、ともに軍事力を強化していますが、宇宙開発の分野においても熾烈な競争を繰り広げています。

 まず、中国の宇宙開発の動向から見ていきましょう。中国の宇宙開発の歴史は1956年に幕を開けました。2003年10月15日、中国は初めての有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功します。ソビエト(ロシア)、米国に続いて中国が世界3番目の有人宇宙飛行達成国となったわけです。また2005年10月12日には、2度目となる有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げにも成功しています。

「中国版アポロ計画」も進行中

 2回の有人宇宙飛行の成功は、中国の国力、科学技術水準の高さを世界に示す絶好の機会となりました。国内のメディアは打ち上げの成功を大きく取り上げ、こぞって中国の国威をアピール、新聞の号外も多数発行されました。ちなみに「神舟」は旧ソ連の技術を参考にして開発された中国国産のロケットで、名づけ親は江沢民氏です。

 「神舟6号」の成功で宇宙開発への自信を深めた中国は、早くも「神舟7号」の打ち上げプロジェクトを立ち上げています。「神舟7号」は2007年から2008年の間に打ち上げられる予定です。このプロジェクトでは、3人の飛行士が搭乗し、宇宙遊泳に挑みます。「神舟8号」以降の打ち上げ予定の詳細はまだ明らかになっていませんが、8号を打ち上げた後は、ほぼ1カ月の間隔で9号、10号を打ち上げて宇宙開発を加速させる方針です。

 さらに、中国は月への着陸や大型宇宙ステーションの建設、火星探査機の打ち上げなど壮大な宇宙開発計画を視野に入れています。これらの計画はいずれも宇宙大国ロシアと全面協力しながら進めていく予定です。中国の月面探査計画は、「嫦娥(じょうが)計画」(嫦娥は月の別称)と呼ばれ、ロシアの技術支援を受けながら、2020年までに有人宇宙船による月面着陸を目指します。

 月面探査計画では、米国と中ロの熾烈な争いが展開されることが見込まれます。中ロが協力することで、これまでの米国優位の宇宙開発の構図が大きく塗り替えられる可能性が高いと言えるでしょう。

 また、宇宙開発をきっかけに中ロの軍事協力関係も強化されるとみられ、米国と中ロの緊張関係が高まる恐れもあります。

中国3回目の有人宇宙飛行、08年後半に延期か

2006年03月09日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=末続哲也】中国政府が進める有人宇宙プロジェクトの顧問、黄春平氏(67)は8日夜、本紙などと会見し、3回目の有人宇宙飛行となる「神舟7号」の発射時期が、「(準備の)工程がとても複雑」なため、予定されていた「2007年前後」から、08年後半に延期されるとの見通しを明らかにした。

 黄氏は延期の理由について、「中国は全資金を宇宙飛行につぎ込めない。『新農村建設』もやる必要がある」と述べ、中国政府の農村対策の重視方針を受けて、宇宙開発に予算面の制約が生じる可能性を示唆した。神舟7号は中国初の飛行士の船外活動に取り組む予定。技術的には、宇宙服や宇宙船の気圧調整技術の開発を課題に挙げた。

 宇宙の軍事利用については、「中国はまだ、軍事的(宇宙)開発を行う必要はない」と述べたが、「相手(米国)が進めるなら、こちらも考えざるを得ない」と、米国をけん制した。

 黄氏は、中国が宇宙開発を行う目的について、 <1>月にあるヘリウム3など新エネルギー探査 <2>通信、資源探査、測位システムなどでの衛星利用 <3>無重力状態での育種 ――などを挙げた。

神舟7号打ち上げ、08年に延期=中国

2006/03/05(時事通信)YAHOO! NEWS

 【北京4日時事】新華社電によると、中国の宇宙開発部門責任者の1人、黄春平全国政治協商会議(政協)委員は4日、同国3度目の有人宇宙飛行船となる「神舟7号」の打ち上げが予定より約半年延期され、2008年となることを明らかにした。神舟7号では飛行士が初の船外活動(宇宙遊泳)に挑戦する。 

【中国】ベネズエラが中国に接近、衛星を購入「研究者も派遣」

2006年03月02日 (サーチナ・中国情報局)YAHOO! NEWS

 ベネズエラが2月28日に、中国から人工衛星を購入する契約を締結した。ベネズエラは宇宙開発を担当する機関を2007年に創設することを目指すなど、このところ宇宙計画を急ピッチで進めている。3月1日付でボイス・オブ・アメリカ(VOA、中国語版)などが伝えた。

 中国から購入する人工衛星は、ベネズエラの国民的英雄にちなんで「シモン・ボリバール号」と命名された。2008年8月までの打ち上げが予定されており、自然災害の監視のほか、中南米諸国向けのテレビ番組放送のために利用されることになる。

 この契約に関連してベネズエラは、中国に研究スタッフ30人を派遣する。07年にはさらに60人を向かわせる計画だという。(編集担当:菅原大輔・如月隼人)

中国、「空飛ぶ円盤」開発へ 太陽エネルギー使用 

2006年02月27日 「人民網日本語版」

垂直昇降、ホバリング、無人飛行――。SF映画のものだった「空飛ぶ円盤」が、もうすぐ現実になるかもしれない。北京大学の地球宇宙科学院はこのほど、中国が太陽エネルギーを利用した成層圏飛行システムのシミュレーションシステム開発に成功し、現在、国に特許を申請中であることを明らかにした。

「円盤」の外観は円ではなく星型で、空中で姿勢を自動制御できるという。同学院の晏磊教授によると、動力は太陽電池。ベアリングレス電動プロペラを採用しているため、無音飛行を実現できる。さらに、垂直昇降、長時間のホバリングも可能で、航行は自動制御、または地上からの遠隔制御となる。武器の搭載も可能で、国防への応用も考えられるという。(編集NA)

中国、初の測量・作図衛星を打ち上げへ

2006年02月25日 「人民網日本語版」

国家測絵局(測量・作図部門)の鹿心社局長はこのほど行われたインタビューで、中国初の測量・作図用衛星の打ち上げが、2008年に実現する見通しを明らかにした。人民日報海外版が伝えた。

鹿局長によると、長期間の準備や懸命の研究活動の結果、中国独自開発の高分解能立体測量・作図衛星を打ち上げるチャンスが熟しつつある。現在、同局は他の関連部門との協力で、高分解能立体測量・作図衛星のプロジェクトについて、全体的なプランニングを行い、すでに検証段階に入った。打ち上げは、2008年になる予定という。(編集UM)

中国月面探査計画のシンボルマーク決定

2006年02月12日 「人民網日本語版」

「月探査計画、シンボルマーク公募活動」が終了し、上海のデザイナー顧永江さんの作品「月の上で」が同プロジェクトのシンボルマークに決まった。同プロジェクトの首席科学者である欧陽自遠氏は、「嫦娥1号」を2007年4月に打ち上げることを表明している。選ばれた「月の上で」は、中国書道の筆遣いによって、抽象的に丸い月を描いた。月を表す孤の中に2つの足跡があり、月探査の最終的な夢を象徴している。丸い月の書き始めは、自然に竜の頭のようになり、中国の宇宙プロジェクトが巨大な竜の如く天空を舞うことを表した。また孤の「はらい」の部分は一群の白い鳩から成り、中国が宇宙空間を平和利用する素晴らしい願いを表現した。(編集CS)

神舟6号の軌道モジュール、宇宙滞在100日に

2006年01月26日 「人民網日本語版」

北京航天飛行控制センターは25日、神舟6号の軌道モジュールが同日午前3時44分までに地球周回軌道を1653周し、宇宙滞在は100日に達したと発表した。プラットフォームも正常に作動。科学実験は順調に進み、多くの成果を上げている。

同センターは軌道モジュールの残留飛行を通して、宇宙船システム・プラットフォームの設計の合理性と長期安定性を全面的に検査したほか、実際の飛行効果の分析を通して、後続する同種のプラットフォームや他の衛星プラットフォームへのさまざまな設計改善を進めた。軌道モジュールは計6カ月間、宇宙に滞在する計画だ。(編集NA)

中国の宇宙開発、06年は月周回探査に重点

2006年01月6日 「人民網日本語版」

 国防科学技術工業委員会の金壮竜副主任(同委員会広報官)は5日、有人宇宙飛行プロジェクトの全体計画に基づき、中国は2006年も引き続き有人飛行プロジェクトを進め、同時に月周回探査プロジェクトにも力を入れる、と述べた。

金副主任は、2006年を月周回探査プロジェクトの「決戦の年」と位置付けた。目下、同プロジェクトは衛星の正式サンプルを製作する段階に差しかかっている。今年は中国初の月面探査衛星「嫦娥(じょうが)1号」と、キャリアロケットの関連製品を、研究・生産の重点に据えるという。(編集CS)

月周回衛星「嫦娥1号」、07年打ち上げへ

2005年12月30日 「人民網日本語版」

中国月探査計画の欒恩傑・総指揮は29日、月周回衛星「嫦娥1号」計画が初期サンプルから正式サンプルの段階に移行すると発表した。衛星本体とキャリアロケットの部品生産が始まるほか、観測制御・発射場・地上運用もシステム統合と連携テストの段階に入る。打ち上げは2007年の予定だ。(編集NA)

ドッキング衝撃緩和テストが成功 神舟8号に向け

2005年11月08日 「人民網日本語版」

 上海航天局の袁潔局長は7日、中国の有人宇宙飛行プロジェクトにおける宇宙空間でのドッキング技術の研究が進められている上海でこのほど、ドッキングの第1回緩衝テストが成功したことを明らかにした。「東方早報」が報道した。

中国2基目の有人宇宙船「神舟6号」の帰還後、中国の有人宇宙飛行プロジェクトは第2段階に入った。第2段階は▽飛行士の船外活動(神舟7号の目標)▽飛行体同士のドッキング(神舟8号の目標)▽宇宙実験施設の建設――の3部に分かれる。

神舟8号の目標となるドッキングの技術は、上海航天局が研究を担当する。ドッキングとは、複数の飛行体(宇宙船・スペースシャトルなど)が、宇宙の軌道上で接近、連結して一体化すること。宇宙空間での組立作業や回収作業、補給、メンテナンス、飛行士の交代などを実現させる上での前提条件となる。

専門家によると、ドッキングのプロセスでまず解決すべき問題は衝突の緩和だ。つまり、ドッキングの全プロセスを穏やかに進め、宇宙船の姿勢に影響するような激しい揺れを回避する必要がある。今回の緩衝テストでは、船体工学などによって衝撃をできるだけ緩和し、飛行体が支えきれる範囲内に抑えるテストが行われた。(編集SN)

神舟10号でドッキング予定 中国の有人宇宙船計画

2005/11/03 The Sankei Shimbun

 3日付の中国各紙によると、中国ロケット技術研究院幹部は2日、2007年に打ち上げ予定の有人宇宙船「神舟7号」で飛行士3人による船外活動(宇宙遊泳)を実現し、10号で有人宇宙船と軌道モジュールなどとのドッキングを成功させるとの計画を明らかにした。

 同幹部は「7―10号は宇宙ステーション建設に向けた活動」と指摘。8号が成功すれば9、10号を「1カ月余りのうちに(相次いで)打ち上げる」と述べ、計画実現に自信を示した。

 計画によると8、9号は無人で、軌道モジュールなどを打ち上げる予定。10号で有人宇宙船によるドッキングを成功させるとしている。

 中国の有人宇宙飛行プロジェクト責任者は先月、中国で2度目の有人宇宙船「神舟6号」の成功後、09―12年に宇宙船と軌道モジュールのドッキングを目指すと表明していた。(共同)

その名も「風雲」、中国が初の実用静止気象衛星

2004/10/19 読売新聞 Yomiuri On-LIne
 【北京=藤野彰】新華社電によると、中国四川省の西昌衛星発射センターは19日、中国初の実用静止気象衛星「風雲2号C」の打ち上げに成功した。

 中国は今後数年以内に、さらにいくつかの同型衛星を打ち上げる計画で、気象観測システムの段階的な整備は中国軍の軍事作戦能力向上にも貢献すると見られている。

 「風雲2号C」は中国が独自開発した気象衛星で、同日午前、「長征3号A」ロケットで打ち上げられた。今後、赤道上空の東経105度の位置に静止、地球表面の3分の1をカバーし、画像を地上に送信する予定。

 中国は1988年に最初の気象衛星「風雲1号A」を打ち上げて以来、これで計7つの気象衛星を打ち上げたことになる。

中国の衛星、民家直撃

2004/10/17 The Sankei Shimbun
 17日の中国各紙によると、中国の帰還式の科学技術試験衛星が15日、地上に落下した際、四川省東部の遂寧市大英県の民家を直撃していたことが分かった。

 パラシュートを開いて落下した衛星は4階建て民家の屋根に落ちて建物は大破。住人はその5分前に外出していて危うく難を逃れ、付近の市民にもけがはなかった。

 衛星は9月27日に打ち上げ。落下予定地となった同市は事前に回収本部を設けて衛星を追跡、落下から10分後に現場の民家に担当者が駆け付けて回収した。衛星の観測機器に異常はなかったという。(共同)

2007年前後に船外活動…中国が宇宙での目標を明示

2005年10月17日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=竹腰雅彦】中国有人宇宙飛行プロジェクトの唐賢明主任は17日、北京で記者会見し、2007年前後に打ち上げる次期宇宙船で飛行士の船外活動を実現し、2009〜12年の間に宇宙船同士のドッキングを行うことを計画していると発表した。

 飛行士2人が搭乗した中国2機目の有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げ、帰還の成功で、3段階に分かれる中国の有人宇宙飛行プロジェクトは、第2段階の初期目標をクリアした。唐主任の発表は、最終目標の「長期滞在可能な大規模宇宙ステーション建設」に至る当面の目標時間を明示したものだ。

 唐主任は、神舟6号では、次の課題の船外活動に向け、宇宙船内の生活環境、飛行士の生命保護などの面で十分な実証データが得られたことを明らかにした。また、初の有人宇宙飛行に成功した「神舟5号」で10億元(140億円)だった打ち上げ費用について、6号では9億元(約126億円)と説明した。

神舟6号、無事帰還 有人宇宙船、2度目の成功

2005/10/17 中国新聞ニュース

 【北京17日共同=渡辺陽介】中国の二度目の有人宇宙船「神舟6号」は十七日午前四時三十二分(日本時間同五時三十二分)、約五日間にわたる地球周回を終え、予定通り内モンゴル自治区内に着陸した。搭乗していた二人の飛行士は無事で、北京の管制センター責任者は国家威信をかけた宇宙プロジェクトの成功を宣言した。

 十二日に打ち上げられた神舟6号の飛行時間は約百十五時間半で、二○○三年十月の中国初の有人宇宙船、神舟5号が記録した約二十一時間から五倍以上に伸びた。中国は今回の成功により宇宙開発技術の進歩を世界に誇示、米国、ロシアに次ぐ「宇宙大国」の地位を一段と固めた。

 国内メディアは飛行状況を連日大きく報じ国民の愛国心を鼓舞。胡錦濤指導部は今後も宇宙開発を加速させ、一層の国威発揚を図る考えだ。

 午前五時半すぎ、カプセルから宇宙服姿で出てきた費俊龍(40)、聶海勝(41)の両飛行士は「体調は良好。祖国に感謝する」と笑顔であいさつ。管制センターでは呉邦国・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)が「わが国の国際的地位をいっそう高め、全国各民族人民の団結心を鼓舞した」とたたえた。飛行士の出身地では盛大な祝賀行事が行われた。

 両飛行士は今回、船内で宇宙服を脱いで移動。無重力状態が人体に与える影響を調べたり、持ち込んだ植物の種子が宇宙空間で受ける影響などについて実験を行った。

 中国は○七年にも神舟7号を打ち上げ船外活動(宇宙遊泳)などを行う方針で、最終的には宇宙ステーションを建設する計画。月探査計画「嫦娥(じょうが)プロジェクト」も進めており、○七年にも月周回衛星「嫦娥1号」を打ち上げ、一○年までに観測機器による月面探査を開始する予定という。

中国有人宇宙船:17日早朝に帰還予定

2005年10月16日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【北京・大谷麻由美】中国が12日に打ち上げた有人宇宙船「神舟(しんしゅう)6号」は17日早朝、内モンゴル自治区南部の四子王旗着陸場に帰還する予定だ。新華社通信によると、四子王旗着陸場は帰還に向けた準備も整い、厳戒態勢に入っている。一両日の天候は良好だという。

中国:米国との宇宙開発競争が本格化

2005年10月12日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 中国は12日、2度目の有人宇宙船の打ち上げに成功し、軍事超大国の米国を視野に宇宙ステーション建設や月面着陸に向けて着々と準備を進めている。一方、スペースシャトルに代わり、再び人類を月に送る計画を明らかにした米国はライバルの台頭を意識し、豊富な月の資源を真っ先に確保する狙いがあるとみられる。大国同士の宇宙開発競争が本格化する中、日本は米国の「方針転換」に振り回されている。【酒泉(中国甘粛省)西岡省二、ワシントン・和田浩明、科学環境部・永山悦子】

 ◇温家宝首相「中国の宇宙開発は平和利用が目的」

 打ち上げ直前まで小雪が散らつき、氷点下に冷え込んだ酒泉衛星発射センター。午前9時39分(日本時間同10時39分)、費俊龍(40)、聶海勝(41)両飛行士が乗った神舟6号の打ち上げ成功が確認されると、現地管制本部で温家宝首相が演説した。「中国の宇宙開発は完全に平和利用が目的だ。今後も世界と手を携えて進んでいく」。「中国脅威論」の対象が宇宙空間にも広がるのを警戒した発言だった。

 だが、21世紀の軍事戦略は宇宙空間でどれだけ優位に立てるかが左右するといわれ、中国は宇宙開発でも米国を視野に入れた未来図を描いているようだ。

 中国政府は有人宇宙船計画を3段階に分けており、今回の成功で最初の段階をクリアしたと位置づけている。同計画の胡世祥・副総責任者は「第2段階は短期間滞在できる小型宇宙ステーションの建設、第3段階は長期滞在の大型宇宙ステーション」と語る。

 07年に打ち上げ予定の神舟7号では初の船外活動、さらに同8号、9号で船体同士のドッキングも計画。宇宙ステーション建設に向けて着実に前進しており、将来的には実験・研究を行う場になる。ロケットの設計や生産を担う国防省系企業、中国航天科技集団公司の馬興瑞副社長も「有人宇宙船の打ち上げの次は、宇宙実験施設の設置計画に移る」と明らかにしている。

 さらに、03年から月面探査の「嫦娥(じょうが)(月に住む仙女)計画」に着手し、20年までに有人宇宙船の月面着陸成功という大きな目標を掲げている。

 中国は欧州連合(EU)が主導する民用衛星利用のGPS(全地球測位システム)「ガリレオ計画」への参画も決め、7月に協力契約に調印した。カーナビゲーションに使われるGPSは、ミサイルの飛行位置を測定するなど軍事転用も可能で、中国の軍事力拡大につながるという見方もある。

 ◇米国で中国の対外活動への警戒感強まる

 神舟6号の打ち上げ成功は米主要メディアも報じた。ワシントン・ポスト紙(電子版)は「中国は軍事的応用も考慮していると見る米専門家もいる」と指摘。ニューヨーク・タイムズ紙は「宇宙計画は純粋に平和目的だ」とする胡錦涛国家主席の発言を紹介した。

 米国では中国の軍拡や、経済成長を支えるエネルギー資源確保を狙った対外活動への警戒感が強まっている。宇宙分野でも、旧ソ連との競争に言及しながら「中国の動きを念頭において月や火星の有人探査を進めるべきだ」(米宇宙政策専門家)との主張が聞かれる。

 月に再び宇宙飛行士を送る計画は、04年1月にブッシュ大統領が「新宇宙探査計画」でぶち上げた。実現すれば1972年以来となる。旧ソ連との宇宙開発競争で国民の熱狂的な支持を受けたアポロ計画の時代とは状況が違う。それでも米国の積極的な姿勢の背景に、中国の台頭があるというのが大方の見方だ。宇宙先進国の米国に肩を並べようとする中国の機先を制する目的がのぞく。

 月の豊富な資源も探査を急ぐ理由とされる。月の岩石中にはアルミニウムやチタンなどの金属が含まれているとみられる。将来の核融合発電に有用なヘリウムの同位元素も月の大量の砂に付着している。

 NASAが先月19日に発表した具体的な計画について、グリフィン長官は「費用面でも最も効率のいい方法だ」と説明する。しかし新計画では、2018年の初飛行までの費用は1040億ドル(約11兆8000億円)が必要とされ、共和党内にも批判は根強い。大型ハリケーンで2000億ドル(約22兆8000億円)を超える損害が出たうえ、イラク戦費も重い。

 共和党の下院議員100人以上が参加するグループはハリケーン復興費用をねん出する方法の一つとして、「新宇宙探査計画を中止すれば10年で440億ドル節約できる」(ウェストモーランド議員)と指摘。新計画の予算は議会の承認が必要で、説得が難航することも予想される。

 ◇ 2年前、中国の有人宇宙船第1号の成功で日本の宇宙開発関係者に「神舟ショック」が走った。人工衛星では中国に先んじたが、花形の有人飛行で大きく引き離されたからだ。そして今回、中国との距離はさらに開いた形だ。未来工学研究所の稗田浩雄理事は「まだまだ米露のレベルには遠いと思うが、中国は安定的な技術力を世界に見せつけた」と認める。

 宇宙へ人を送る独自手段を持たない日本は現在、米国のシャトルかロシアのソユーズ宇宙船に乗せてもらっている。金だけ払い、米露の動向に一喜一憂する日本は「他力本願」と皮肉られている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が4月に公表した長期ビジョンでは、20年後に独自の有人輸送機開発に着手すると明記したが、今後10年は「財政的には厳しい」(立川敬二理事長)という。

 ◇「日本の戦略を早急に見直し」指摘も

 米国は2010年のシャトル引退を決め、飛行回数の削減案をまとめた。シャトルで機材を運んで組み立てる国際宇宙ステーションには日本も参加しているが、完成できるか危ぶまれている。

 文部科学省宇宙開発委員会では委員から「米国に振り回される日本がむなしい」という声も漏れる。宇宙工学アナリストの中冨信夫さんは「月・火星を目指す米国にとって、ステーションはお荷物でしかない。最後にはしごを外される可能性もある。日本の戦略を早急に見直すべきだ」と言う。(以下略)

中国:有人宇宙船打ち上げ成功 胡政権に追い風 生中継、国家戦略の成果を誇示

2005年10月12日 毎日新聞 東京夕刊Mainichi INTERACTIVE

 【北京・飯田和郎】中国が12日、2回目の有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げに成功したことで、胡錦濤指導部は政権運営への追い風になると受け止めているのは間違いない。中国はハイテク技術の進歩を21世紀の国家戦略の柱とし、宇宙開発はそれを象徴する事業と位置づけているからだ。国民の強い関心を集める宇宙開発を今後も推進することで、政権への求心力を高める効果も計算しているとみられる。

 神舟6号の打ち上げ日程設定には政治的な考慮もあった模様だ。56回目の国慶節(建国記念日、10月1日)を祝う連休後、共産党は向こう5年間の発展指針「第11次5カ年計画(06〜10年)」案を審議する中央委員会総会を開催。打ち上げは総会閉幕翌日に設定されるなど、連続する重要イベントの一つに組み込まれた。

 同計画案は、経済発展の方式の転換を打ち出し、そのキーワードの一つが「科学技術の振興」だ。連続での宇宙船の打ち上げ成功は「宇宙大国」米露両国を視野に宇宙開発水準が着実に向上していることを証明するとともに、胡錦濤指導部が進める指針が正しいことをアピールするモデルケースになった。

 打ち上げはテレビ、ラジオで生中継した。成功への自信とともに、科学技術の成果を国内外に見せつける狙いからだ。

 多様化する国民意識をまとめ上げるためにも、アジアで唯一、有人宇宙船を打ち上げる技術力は、大きな意義を持つ。

 胡錦濤主席は神舟5号の打ち上げ・帰還成功を記念する祝賀会での演説で「宇宙航空事業は共産党と国家がわが国の経済、科学、国防の実力、民族の結束力を高めるための戦略的方策である」と強調。5号の技術力をさらに進歩させた同6号の打ち上げも当然、指導部を中心にした13億国民の団結に活用するだろう。

 中国は当面の宇宙開発目標を宇宙ステーション建設に置いている。民用・軍用を問わず、国家戦略の一部と位置づけられており、その重要性は今後さらに増しそうた。

 <神舟>

 中国が自主開発した宇宙船。中国の別称「神州」(shenzhou)と中国語の発音が同じことから、国土と宇宙を結ぶ船として名付けたとされる。江沢民・前国家主席が命名した。99年11月の1号をはじめ4号まで無人状態で、03年10月に初の有人宇宙船として打ち上げた。6号は5号とほぼ同じ3室構造で、帰還カプセル、乗組員が活動したり休憩する軌道モジュール(船室)、推進モジュールから成る。最大収容人員は3人。

中国:宇宙食はアワビや大エビなども含んだ豪華メニュー

2005年10月12日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【北京・大谷麻由美】中国が12日に打ち上げた有人宇宙船「神舟(しんしゅう)6号」では、飛行士が5日間の飛行中にとる睡眠や食事といった点にも国民の注目が集まっている。食事のメニューは、中華料理が主流で、アワビや大エビなどの料理も含まれた豪華メニューだ。

 中国航天食品研究室の白樹民主任が中国紙に語ったところによると、03年10月に有人宇宙船「神舟5号」を打ち上げた当時、中国の開発した宇宙食メニューは20〜30種類だった。しかし、今では40〜50種類のメニューがある。缶詰のほか、フリーズドライの果物、餅菓子、主食、飲み物と多種多様だ。

 料理は、▽アワビ▽イカ団子▽肉団子▽焼き豚▽豚肉を砂糖としょうゆで煮込んだ「紅焼豚肉」▽肉とカシューナッツを炒めた「宮保鶏丁」−−などのほか、主食類は▽白飯▽カレーご飯▽五目チャーハン▽八宝飯−−の4種類から選ぶことができる。

 神舟5号では、「宮保鶏丁」や、餅米と木の実などを蒸した「八宝飯」など中国伝統の味が用意されたと報じられたが、実際は即席食品だけだったという。

日本人実業家が候補に 4人目の宇宙観光客

2005/10/11 The Sankei Shimbun

 ロシア宇宙庁は10日、国際宇宙ステーションに滞在する4人目の「宇宙観光客」として、日本人が有力候補に挙がっていることを宇宙庁のウェブサイトで明らかにした。名前は「エノモト」さんとしており、これまでにウェブサイトで宇宙旅行の準備を進めていることを公表していた元ライブドア取締役で投資家の榎本大輔さん(34)とみられる。

 宇宙観光は2001年に実現した米国人実業家、02年の南アフリカの実業家ら3人に続く4人目で、最終決定すれば日本人としては初めてとなる。

 宇宙庁によると、既に医学的な検査にパスしており、来年秋に宇宙旅行が実現する可能性がある。

 この宇宙旅行はロシア政府と提携した米スペース・アドベンチャーズ社が手掛けている。地球軌道を周回する国際宇宙ステーションを宇宙船ソユーズで訪れ、1週間滞在する。訓練費用も含め2000万ドル(約23億円)の旅行代金は榎本さんが個人負担する。(共同)

神舟6号打ち上げに成功 中国、2度目の有人宇宙船

2005/10/12 中国新聞ニュース

 【酒泉(中国甘粛省)12日共同】中国の二度目の有人宇宙船「神舟6号」が十二日午前九時(日本時間同十時)、内モンゴル自治区西部の酒泉衛星発射センターから二人の宇宙飛行士を乗せて打ち上げられた。6号は予定の軌道に乗り、打ち上げは成功した。

 二○○三年十月に打ち上げた初の有人宇宙船、神舟5号に次ぐ打ち上げ成功で、中国は米国、ロシアに続く「宇宙大国」の地歩を固める一方、軍事、ビジネスの両面からも宇宙開発を一段と加速させる考え。胡錦濤指導部は打ち上げ成功をアピールして国威発揚を図り、共産党政権への求心力強化に結び付ける構えだ。

 6号に乗り込んだのは、費俊龍飛行士(40)と聶海勝飛行士(41)。打ち上げに使われたロケットは、5号と同じ「長征2号F」。5号が一人乗りで飛行時間は約二十一時間(地球十四周)だったのに対し、6号は高度三百四十三キロの円軌道を周回して約五日間飛行、同自治区の砂漠地帯に帰還する予定とみられる。

 費飛行士は打ち上げ後、地上との交信で「良い感じだ」と語った。

 中国メディアによると、6号では飛行士二人が船内で宇宙服を脱いで内部を移動、各種の科学実験を行う。無重力状態が人体に及ぼす影響を調べたり、持ち込んだ豚の精子を帰還後に繁殖に利用し、どのような影響が出るかを実験するという。

「神舟6号」12日に発射、中国2度目の有人宇宙飛行

2005年10月09日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【香港=吉田健一】9日付の中国系香港紙「文匯報」は、中国の有人宇宙船「神舟6号」が12日午前11時(日本時間同日正午)に打ち上げられる予定だと報じた。

 中国の有人宇宙飛行は、2003年10月の「神舟5号」に次いで2回目。打ち上げ1時間前から、中国中央テレビが実況中継する予定という。

中国 宇宙でも対日攻勢 アジア各国囲い込み

平成17(2005)年10月9日 The Sankei Shimbun

 日本と中国が東シナ海の石油ガス田開発だけでなく、宇宙でも激しいつばぜり合いを演じている。宇宙の平和利用をめぐり、アジア地域で人工衛星の防災情報提供が日本の主導で計画されているのに対し、中国が別の多国間枠組み構築を目指して参加国の囲い込みを活発にしている。二度目の有人宇宙飛行に挑む中国に比べ、出遅れ感が否めない日本の宇宙戦略。衛星データの解析ソフトなど関連産業をめぐる思惑も競争激化の背景にある。(杉本康士)

 日本の計画は、独立行政法人「宇宙航空研究開発機構」(JAXA)とアジア・太平洋地域の二十五カ国が加盟するアジア防災センター(ADRC)が、災害発生現場を人工衛星で撮影し、アジア各国の防災機関に無料で画像提供する防災危機管理システム。来年七月にも開始する。発展途上国の防災に役立てるのが目的だ。

 具体的には、JAXAが来月にも鹿児島県の種子島からH2Aロケットで陸域観測技術衛星(ALOS)を打ち上げ、ALOSで撮影した画像をJAXA経由で各国の防災機関に配信する。

 衛星の解像度は最大二・五メートル。衛星や災害把握用の航空機を持たない国でも、地震による道路の被災状況や洪水による浸水状況などを確認でき、救助活動に役立てることができる。すでに七カ国が非公式にシステムへ参加の意向を伝えている。

 今回の計画には、日本のアジア諸国に対する防災面での国際貢献という意義だけでなく、ライバルの中国を横目に、将来の「宇宙ビジネス」で主導権を握るための“先行投資”という思惑も見え隠れする。

 アジアにおける宇宙利用の多国間枠組みとしては、日本の提唱で平成四年に発足したアジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)がある。中国はこれとは別に、アジア太平洋宇宙協力機構(APSCO)の発足を目指している。

 APRSAFが情報交換の場と位置づけられる一方、APSCOは、参加国と共同で衛星の開発・打ち上げを行い、画像などの衛星データを共有するといった、より戦略的な構想を持つ。

 今年六月には中国、タイ、パキスタン、ペルーが中国のAPSCO加盟に向けた国内手続きを終え、加盟国はさらに拡大する見込みだ。

 中国は今月中旬にも、二〇〇三年十月以来二度目となる有人宇宙船「神舟6号」を打ち上げる見通しだ。こうした精力的な動きに、宇宙開発に携わる日本国内の専門家は政治・経済両面から警戒感を強めている。

 JAXAの松浦直人主任開発部員は「中国は宇宙分野でも覇権主義的な傾向があり、参加国の囲い込みを図っている」と指摘。また、経済面でもAPSCO参加国が使用する衛星データや解析ソフトは原則として中国製となるため、域内の関連産業市場で中国企業にとって圧倒的に有利になりかねないという。

 国内関係者は、今回の日本の計画が中国の動きへの対抗策であることを否定しておらず、日中間の激しいデッドヒートはまだまだ続きそうだ。

「神舟6号」打ち上げへ 国威発揚、宇宙開発も加速

2005/10/08 The Sankei Shimbun

 中国が2003年10月以来2度目となる有人宇宙船「神舟6号」を今月中旬にも打ち上げる見通しだ。天候次第でずれ込む可能性はあるが、共産党の第16期中央委員会第5回総会(五中総会=11日まで)後の数日間が有力。成功すれば米国、ロシアに続く「宇宙大国」の地位を一段と固めることになり、胡錦濤指導部は国威発揚を図りながら、宇宙開発もさらに加速させていく考えだ。

 中国初の有人宇宙船「神舟5号」は1人乗りだったが、6号には宇宙飛行士2人が搭乗、飛行予定時間は5号の約21時間を大幅に上回る約5日間。北京郊外の施設で訓練中の3組計6人の飛行士から2人を選ぶ。最終的な選出は打ち上げ数時間前との見方が強い。

 中国の有人宇宙飛行プロジェクトの幹部は「6号の成功と同時に7号の準備を進めていく」と今回の打ち上げ成功に自信を示し、次の打ち上げに照準を定めていることを示唆している。

 5号の打ち上げに成功した際、当時の江沢民・中央軍事委員会主席(前国家主席)は、搭乗した楊利偉飛行士に「宇宙英雄」の称号を与えて盛大に祝福。今回成功すれば、共産党、政府、軍の三権を掌握した胡錦濤国家主席を中心に成果をアピールすることになりそうだ。

 中国の専門家によると、6号では約5日間の宇宙生活が人体に及ぼす影響などを調査。地球周回軌道に乗った後は飛行士が約10キロの宇宙服を脱ぎ、宇宙船内で複数の科学実験を行うという。

 宇宙船には豚の精子を持ち込み、無重力の影響を受けた精子を帰還後に繁殖に利用して、豚の肉質が向上するかどうかも実験する。専門家は「7号、8号では船外活動(宇宙遊泳)も実施する計画で、6号はそれに向けた事前調査」にしたいとの考えも示している。

 中国は軍民一体で宇宙開発を推進。商業衛星ロケット打ち上げや月面探査計画のほか、欧州連合(EU)が進めている衛星利用測位システム(GPS)「ガリレオ」への参加に04年に正式合意、宇宙開発を活発化させている。

 有人宇宙船「神舟」開発の経過は次の通り。

 1992年1月 中国政府が有人宇宙飛行プロジェクトを正式決定

 99年11月 初の無人宇宙船試験機である1号を長征2号Fロケットで打ち上げ。地球を21時間周回して飛行データを収集。内モンゴル自治区でカプセル回収にも成功

 2001年1月 2号打ち上げ。約7日で地球を108周。カプセル分離後、本体は周回を継続

 02年3月 無人の3号打ち上げ。108周し、ダミー人形でデータ収集。軌道修正や脱出システムの実験成功。本体はその後2821周

 12月 4号打ち上げ。有人飛行に向け生命維持システムなどを最終点検

 03年10月 楊利偉(よう・りい)飛行士が搭乗した5号を打ち上げ、地球を14周。ロシア、米国に続く3番目の有人宇宙船打ち上げ国に

 05年10月 飛行士2人乗りの6号打ち上げ予定

 <神舟号> 中国が自主開発した宇宙船。中国の別名「神州」と発音が同じで、「地上と天を結ぶ舟」との意味を込めて「神舟」と名付けられたとされる。1999年11月―2002年12月までに、無人で1号から4号を打ち上げ、有人飛行に備えてダミー人形を搭載し緊急脱出装置や生命維持システムなどを点検。03年10月に打ち上げた5号には宇宙飛行士1人が搭乗し、地球を約21時間かけて14周し無事に帰還。中国は旧ソ連(ロシア)、米国に次ぐ世界で3番目の有人宇宙飛行に成功した国となった。(共同)

中国の2人乗り宇宙船「神舟6号」中旬にも打ち上げ

2005年10月03日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=末続哲也】中国各紙によると、中国の有人宇宙船「神舟6号」が、今月中旬にも打ち上げられる見通しとなった。

 2003年10月に初の有人宇宙船として打ち上げられた同5号と比べ、飛行士が1人から2人に増え、飛行時間も約21時間から約5日間へ大幅に延びる予定。6号は、5号と同じく、中国西部の酒泉衛星発射センター(甘粛省、内モンゴル自治区)から発射され、地球を周回する軌道に乗った後、同自治区の草原地帯に着陸する。

 飛行中の船内では、育種などの科学実験も行われる。発射の様子は、中国の中央テレビが中継する予定で、高視聴率が期待されるため、中継の合間に流すCMの料金は「5秒で146万元(約2000万円)」に高騰しているという。

 発射日は、7日までの国慶節(建国記念日)連休に続いて開かれる共産党中央委員会総会の後に設定される見通しだ。

中国:2回目の有人宇宙船、打ち上げは10月13日

2005年09月24日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【香港・成沢健一】24日付の香港紙「明報」などによると、中国で2回目となる有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げ予定日が来月13日午前11時(日本時間同正午)に固まった。前回と同様、内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから打ち上げられる。最終的には天候や準備状況によって確定するが、順調に行けば、5日後の18日に帰還する見通しという。

 03年10月に打ち上げられた中国初の有人宇宙船「神舟5号」には、宇宙飛行士1人が乗り込み、21時間余りで帰還した。今回は2人が搭乗し、飛行時間も119時間と前回を大幅に上回る予定だ。宇宙飛行士が宇宙服を脱いで初めて軌道モジュールに移動し、科学実験を行うことも計画されている。

中国:2回目の有人宇宙船、10月中旬に打ち上げ

2005年09月19日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 中国で2回目の有人宇宙船「神舟6号」が10月中旬に打ち上げられる見通しとなった。飛行士2人が搭乗、飛行時間は5〜7日間で、03年10月に中国初の有人宇宙船として打ち上げられた同5号の約21時間を大幅に上回る予定。中国各紙によると、5号に搭乗した楊利偉飛行士がこのほど、江蘇省南京市での講演で明らかにした。

 楊氏は神舟6号について「飛行士が過ごしやすいよう工夫されている」と述べ、1人乗りだった5号と比べ居住性などが改良されていると強調。自身は現在、飛行士の選抜や指導の仕事に就いているため、今回は搭乗しない。

 6号は飛行時に船内で科学実験をする計画。中国産の豚の精子を持ち込み無重力の影響を調査するほか、地球観測や宇宙遊泳実験なども行う予定。(北京・共同)

中国、2度目の有人宇宙船打ち上げへ 豚の精子持ち込み

2005年09月07日 asahi.com

 中国にとって2度目となる有人宇宙船「神舟6号」が、早ければ今月にも打ち上げられることになった。宇宙船には、2010年に開かれる上海万博の旗と、品種改良のための豚の精液が持ち込まれる。国威発揚と国民生活の質の向上という、政府にとって重要な目的も期待されての打ち上げとなりそうだ。

 華僑向け通信社・中国新聞社などによると、「神舟6号」の開発を担当する中国航天科技集団公司の張慶偉総経理が6日、「神舟6号の打ち上げは9月か10月になる」と明らかにした。

 「神舟6号」には2人の宇宙飛行士が乗り込む予定で、現在数組が訓練を受けている。近日中に、船内での機器操作などのテストを行い、最終的に乗り込む飛行士を発表するという。

 船内には、5年後に開催される国家的プロジェクト、上海万博の万博旗が載せられる。飛行士が旗を掲げる様子を宇宙から中継し、国威の発揚や政権の求心力の強化に一役買わせようとの狙いとみられる。

 また、「栄昌猪」という優良品種の豚の精液40グラムも持ち込む。無重量状態や宇宙線の影響を受けた精子を持ち帰って人工授精し、肉質の向上などの品種改良に役立てられないかを調べる計画だ。

神舟6号に豚の精子 中国、遺伝子実験で品質向上探る

2005/07/17 The Sankei Shimbun

 新華社電は17日までに、中国当局が10月をめどに打ち上げを予定している有人宇宙船「神舟6号」に中国産の豚の精子を持ち込み、地球帰還後に試験管内で体外受精を行うと報じた。

 無重力や宇宙線の影響を受けた精子を使って豚を誕生させた場合、肉の品質向上につながるかどうかを調査するのが主な目的。新華社電は「動物の精子を対象とした遺伝子実験を宇宙で行うのは前例がない」としている。

 実験準備を進めてきた重慶市牧畜科学院によると、「神舟6号」に持ち込まれるのは、優良品種に指定されている重慶産豚の精子40グラム。(共同)

中国が第4の発射基地建設へ、「宇宙強国」へ布石

2005/05/07 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=佐伯聡士】有人宇宙飛行第2弾となる「神舟6号」を今秋発射する中国が、国内4か所目の発射基地建設や中国版GPS(全地球測位システム)計画など「宇宙強国」に向けて着々と布石を打っている。

 中国誌「瞭望東方週刊」によると、四川省西昌、内モンゴル自治区と甘粛省にまたがる酒泉、山西省太原に次ぐ4番目の宇宙発射基地を南部の海南省に建設することが固まったという。

 新たな発射基地は、推進力が大きく、運搬能力の高い大型ロケットを打ち上げるのが目的だ。大型ロケットは、宇宙ステーション打ち上げや月面探査など本格的な宇宙開発に欠かせない。商業衛星打ち上げビジネスや軍事利用にも力を発揮するものと見られる。2008年に新型の「長征5号」の打ち上げが見込まれており、同基地はそれまでに使用開始できる見通しだ。

 海に面した海南省は、鉄道輸送に頼らざるを得ないその他の内陸の基地に比べ、大型ロケットを海上輸送できる利点がある。その上、中国で最も緯度が低いため、内陸よりも静止軌道に乗せやすい長所もあるという。

 この発射基地のほかに、2010年を目指し上海と山東省煙台で宇宙研究基地を着工する計画だという。

 一方、中国紙「21世紀経済報道」によると、中国は今年夏にも、測位システム「北斗」の新型衛星を打ち上げる。既存の測位衛星と組み合わせ、2008年には中国版GPSの大規模な市場運用を目指している。

 さらに、中国は欧州連合(EU)が独自に開発を進める衛星測位システム「ガリレオ計画」への協力を推進している。

 今後は、同計画も並行利用して、米国のGPSに対抗できるネットワークを整備する方針だ。

 また、月面探査の準備も進んでいる。2007年までに、月を周回する無人月面探査衛星を打ち上げる計画だ。

 第2段階で必要となる月面探査車の開発もすでに始まっているという。

 ◆神舟6号=2003年秋に打ち上げた神舟5号が飛行士1人だったのに対し、2人が搭乗して5日間程度飛行し、宇宙船内で各種の実験を行う。5組10人の飛行士が訓練を続けており、打ち上げ1か月前に3組に絞り、最終的に1組が搭乗する計画だ。早ければ9月にも打ち上げ可能という。

中国、通信衛星「APSTAR-6」の打ち上げ成功

2005年04月13日「人民網日本語版」

中国・西昌衛星打ち上げセンターで12日午後8時、通信衛星「APSTAR-6(亜太6号)」の打ち上げが行われた。中国が1999年以降初めて打ち上げた国際商用通信衛星となる。キャリアロケットは「長征3号乙」。

「APSTAR-6」はフランスのアルカテル・スペース社の製造。香港亜太通信衛星公司が購入し、運営を担当する。中国長城工業総公司が衛星打ち上げを請け負った。

「APSTAR-6」は、中国が打ち上げに成功した30番目の海外衛星となる。(編集SN)

月面探査で有人船計画 中国科学技術協会

2005/04/04 The Sankei Shimbun

 4日の新華社電によると、中国の月面探査計画を指揮している中国科学技術協会の欒恩傑副主席は、宇宙開発の専門家を集めて北京で行われたフォーラムで、無人探査の成功後に有人探査船を月に送る方針を明らかにした。

 中国は無人の月面探査計画で、周回衛星打ち上げを2007年、無人機による月面着陸と探査を10年、月面でのサンプル採取と回収を20年に実施する予定。有人探査船の打ち上げは20年以降になる見通し。

 また同副主席は、将来的に月面基地を他国と共同建設する考えがあることも明らかにした。(共同)

神舟6号発射9月にも、女性飛行士選抜は年内開始

2005/03/05 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=佐伯聡士】中国の有人宇宙飛行プロジェクトの顧問、黄春平氏(66)は4日、読売新聞などと会見し、有人飛行第2弾の「神舟6号」について、「宇宙飛行士の訓練などすべては計画通り順調に進んでいる」と述べ、最も早ければ、今年9月にも打ち上げが可能との見通しを明らかにした。

 また、中国初の女性飛行士の選抜は「年末から来年初めには始まる」との見解を示した。女性飛行士は、宇宙空間で大型宇宙ステーション建設に向けた実験などを行う施設「宇宙実験室」への搭乗が見込まれている。

 黄氏によると、神舟6号には飛行士2人が搭乗して5日間程度飛行し、宇宙船内で各種の実験を行う。5組10人の飛行士が訓練を続けており、打ち上げ1か月前に3組に絞り、最終的に1組が搭乗する計画だ。

 黄氏は2003年10月に打ち上げた神舟5号で、ロケット部門責任者として中心的役割を果たした。北京で開会中の人民政治協商会議の全国委員を務めている。

有人宇宙船「神舟6号」打ち上げは10月ごろ 香港紙

2005/01/20 The Sankei Shimbun

 20日付中国系香港紙、文匯報は、中国で2番目となる有人宇宙船「神舟6号」の打ち上げ時期について、今年の「10月ごろ」と報じた。推進、帰還、軌道の三つのモジュールの組み立て作業が最終段階にあり、7−8月には完成するという。

 飛行士については、内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターで今後、候補者の最終訓練を実施し、2人を選抜する。

 6号は、飛行時間を前回の約20時間から5日間に延長し、船外活動やドッキング実験などを実施。軌道モジュールは半年間飛行を続け、地球観測や科学実験を行う。5号の飛行時には使用しなかった加熱器を備え、飛行士は温めた食事を取れるという。(共同)

中国宇宙局長が来週訪米へ NASA局長と会談

2004/11/24 The Sankei Shimbun
 ロイター通信が23日伝えたところによると、中国国家宇宙局の孫来燕局長が12月2日に訪米、米航空宇宙局(NASA)のオキーフ局長と会談することになった。

 中国はこれまで、宇宙開発分野で米国と直接の協力関係を結んだことはない。今回の会談は、特別な議題のない表敬訪問とされているが、米中の宇宙分野での協力につながる可能性がある。

 中国は昨年10月に同国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功した。米国はブッシュ大統領が今年初めに発表した、月面基地の建設と火星の有人探査を目指す新宇宙政策で国際協力を掲げており、NASAが各国宇宙機関関係者を集め今月、ワシントンで開いた会合には、中国代表も参加した。(共同)

業務用の静止気象衛星打ち上げに成功 中国では初

2004年10月19日「人民網日本語版」

中国の独自開発としては初の業務用静止気象衛星「風雲2号C星」が19日午前9時20分、西昌衛星打ち上げセンターから「長征3号甲」ロケットで打ち上げられた。

「風雲2号」のA星とB星は試験衛星で、1997年と2000年にそれぞれ打ち上げられた。今回のC星は重さ1.38トンで、技術的な性能が多数改良されている。

中国は1988年に初の気象衛星を打ち上げて以来、合計7基の気象衛星を打ち上げている。国家気象衛星発展計画によれば、今後数年間で「風雲2号」型の業務用気象衛星を複数打ち上げる予定。継続的に運用できる一連の静止気象衛星業務システムを構築し、気象予報や地球大気環境観測などのニーズに対応する。

打ち上げに使われたロケット「長征」シリーズは、今回が81回目の発射。同シリーズは1996年以降、39回連続で発射に成功している。(編集YH)

中国版シャトル、2020年完成か 香港紙報じる

2004/09/01 The Sankei Shimbun

 1日付香港紙、文匯報は、中国が2020年ごろをめどに、米スペースシャトルのように複数回の宇宙飛行が可能な国産宇宙船を開発する計画を進めていると報じた。

 同紙によると、宇宙船の形状など詳細は未定だが、長期的な重点目標になるという。昨年の「神舟5号」打ち上げ成功後、性能アップに向け開発が進むロケット技術などを応用する見通しだ。(共同)

中国、有人宇宙船の発射台公開 外国メディアに初

2004/09/01 The Sankei Shimbun
 中国政府は1日、昨年10月に世界で3カ国目となる有人宇宙飛行船「神舟5号」の打ち上げに成功した内モンゴル自治区西部の酒泉衛星発射センターを外国メディアに初公開した。

 中国北西部の甘粛省酒泉市中心部から北東方向へ車に揺られ約4時間、広大な砂漠の一本道を走ってセンターのある東風航天城に到着。同地区は人民解放軍の管理下にあり、自由な取材はこれまで認められなかった。

 撮影が許可されたロケット発射台は、高さ約105メートルの鉄製で水色の塗装がされ、複雑に鉄骨が組まれた重厚な造り。人工衛星打ち上げ用の発射台と合わせて計2台の発射台が砂漠の中にそそり立っていた。この発射台は来年に打ち上げが予想される「神舟6号」にも使用される。

 「神舟5号」に搭乗した楊利偉飛行士が生活した部屋やトレーニング室も公開され、部屋の扉には出発直前に書いたというフェルトペンのサインが残されていた。(共同)

神舟にアジアの人も…中国宇宙飛行士、毛利さんに語る

2004/07/30 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】中国初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗した宇宙飛行士、楊利偉氏は30日北京で、日本科学未来館館長を務める宇宙飛行士の毛利衛氏と会談し、「将来的には、(神舟に)アジアの人たちも一緒に乗せて行きたい」と語った。

 毛利氏が「『神舟』にぜひ乗ってみたい」と話したのに応えたもの。楊氏は、「将来的には、軍以外の各部門から、科学者や技術者を中心に宇宙飛行士を選びたい。女性飛行士もその中で選ばれる」と語った。

 次の神舟の打ち上げは来年後半で、飛行士2人が5日程度飛行する予定だ。

中国、観測衛星「探測2号」を打ち上げ

2004/07/26 The Sankei Shimbun
 中国中央テレビなどによると、中国は25日午後、山西省の太原衛星発射センターから欧州宇宙機関(ESA)との共同宇宙観測プロジェクト用の衛星「探測2号」を「長征2号C」ロケットに搭載して打ち上げ、約30分後に予定の軌道に乗せることに成功した。

 中国の人工衛星打ち上げは4月18日以来。衛星は重量343キロで、南極と北極の上空の環境観測などに利用されるという。

 長征ロケットの打ち上げは1970年以来、今回が77回目。(共同)

候補はミセス?…中国の女性宇宙飛行士2010年にも

2004/06/18 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】女性宇宙飛行士の養成に乗り出した中国が、2006年に全国から飛行士を選抜し、訓練を重ねた上で、2010年にも第1号を誕生させる計画を進めている。

 中国の科学雑誌「科学探索」が有人宇宙飛行プロジェクトの訓練責任者の話として伝えた。同誌によると、女性宇宙飛行士は、昨秋、初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗した男性飛行士のように空軍パイロットに絞り込んで選抜するのではなく、範囲を一般に広げて選抜する予定。任務は宇宙船の操縦でなく、実験などを担当する研究員としての役割で、既婚女性を想定しているという。

 中国は今年、中央軍事委員会が女性宇宙飛行士の養成計画を承認。今後5年以内に、大型宇宙ステーション建設に向けた科学的実験などを行う宇宙実験室を建設する方針で、女性飛行士は、宇宙実験室に搭乗することが見込まれている。

有人宇宙飛行−世界で3番目の技術を求めて

2004/06/17 中国情報局

 2003年2月1日、アメリカのスペースシャトル「コロンビア」号の空中分解事故が発生、この大惨事がアメリカはもとより、世界的にも宇宙開発戦略の見直しの機運が高まることが予想される。そうした中で、中国では20世紀90年代から始まった有人飛行計画が2003年、実を結んだ。2003年10月15日に有人宇宙飛行船「神舟5号」の打ち上げに成功、翌16日には無事帰還を果たした。

 「神舟」シリーズの4度にわたる無人宇宙飛行の実験に成功、すでに有人飛行のための打ち上げと地球への帰還、回収の一連の技術を中国では取得していた。アメリカ、ロシアに次いで、独自技術としては世界で3カ国目になる有人宇宙飛行技術保有を実現したことで、国全体での盛り上がりを見せている。宇宙開発競争に拍車をかけるか、それとも協力体制が構築されるか、世界の宇宙開発事業に一石を投じる形となった。

中国:月面探査計画が順調、2017年打ち上げ

2004/06/08(火) 中国情報局

 中国月面探査プロジェクトの首席科学者である欧陽自遠氏は5日、中国の月面探査プロジェクトが順調に進展し、計画の第一段階である「周回」プロジェクトはすでに初期段階に突入、2017年には無人往復機の打ち上げを行う。6日付で中国新聞社が伝えた。

 欧氏は、中国月面探査プロジェクトは「周回」「着陸」「帰還」の三つの段階に分けられ、その第一段階とされる「嫦娥1号」は、07年に開発を完了して打ち上げられると説明。月面の三次元映像を入手し、月表面の有用な元素の分布の特色を分析、月の土壌の厚さ、月面環境、地形などの観測を実施していく方針であるとしている。

 また、第二段階となる月面着陸計画は、2012年を目処に実施される見込みで、着陸船の打ち上げを行い、月面環境、天体観測など月面基地の建設に必要なデータを収集。さらに地球帰還計画までを含む第三段階は、2017年を目処に実施、月表面の地質、岩石などの内部構造を分析するサンプルを採集して地球に持ち帰る計画とされる。

 欧氏は、中国の月面探査計画における有人の月面着陸について、現時点では時期尚早であるとし、今後、「神舟6号」などの有人宇宙飛行計画などを着実に進めることで、関連技術の成熟と開発を図るべきとの考えを示した。(編集担当:田村まどか)

中国:宇宙飛行計画、「神舟7号」まで策定済み

2004/05/05(水) 中国情報局
 中国科学技術館で4日、「有人宇宙飛行科学普及展覧会」が開幕。中国有人宇宙飛行プロジェクトの技術責任者を務める中国工程院の王永志氏は開幕式に出席し、「神舟7号」までがすでに宇宙飛行計画として立てられていることを明らかにした。5日付で中国新聞社が伝えた。

 王氏は2005年打ち上げを予定している「神舟6号」に関し、各種研究は順調に進んでいると説明。搭載される機器は製造を開始しており、打ち上げには「長征2号F」ロケットを使用することになっている。

 「神舟7号」については、2010年打ち上げを計画しており、船外活動、宇宙遊泳、長時間航行、短期型実験モジュール運用などを予定していると述べた。(編集担当:緒方隆次)

中国:今後の宇宙計画、シャトル、実験室に注力

2004/04/28(水) 中国情報局
 中国航天科技集団公司有人宇宙飛行事務局の周暁飛・主任は26日に北京市で開催された「2004年国際空間法フォーラム」で、「中国有人宇宙飛行の発展と展望」というテーマで講演を行なった。今後の有人宇宙飛行の発展に関し、有人宇宙飛行計画の第二段階として、スペースシャトル、宇宙実験室の開発に注力していく方針を明らかにした。中国新聞社が伝えた。

 周・主任は、中国は03年有人宇宙飛行船「神舟5号」の打ち上げ成功をステップに、スペースシャトルの開発及び宇宙実験室の建設を目指すと説明。これは将来、長期運用型の宇宙ステーション建設の基礎となると述べた。

 中国の宇宙開発計画において、有人宇宙飛行は計画の第一段階で、まだ完成されてはいないというのが周・主任の見解。有人宇宙飛行計画では、まだランデブー技術や宇宙遊泳技術を成功させておらず、計画の第二段階実現には、まずこうした宇宙空間での活動能力の向上が必要不可欠であることに言及した。

 宇宙ステーション建設については、ステーション内部のインフラ設備の整備を重視し、宇宙開発における利用効率を高めるとともに、月面探査計画や宇宙探査計画のサポートシステムとして機能させるとの計画を掲げている。(編集担当:田村まどか)

中国有人宇宙飛行事業、11年間で180億元を使用

2004年04月28日「人民網日本語版」
中国航天科技集団公司の有人宇宙飛行弁公室の周暁飛主任は26日、2004年国際空間法研究討論会で次の内容を説明した。

中国の有人宇宙飛行事業は過去11年間で、有人宇宙船・ロケット、その他の関連設備の研究開発プロセスに180億元を費やしている。

180億元のうち、約80億元は各種施設の建設に用いられた。酒泉衛星打ち上げセンターの施設の一部や、宇宙飛行士の訓練センター、北京航天(宇宙飛行)センターなどが含まれる。

 残る100億元は、有人宇宙船「神舟」号、キャリアロケット、中国有人宇宙飛行事業の7大システムの建設に使われた。このうち、これまでの4回の無人宇宙船の打ち上げでは、製品や各種の消耗品に毎回約9億元が使われた。また、有人宇宙船の打ち上げ1回につき、約10億元が費やされる。(編集SN)

中国:月探査計画に氷の存在確認作業を盛り込む

2004/04/04(日) 中国情報局

 中国の月面探査プロジェクト「嫦娥」における衛星「嫦娥1号」に搭載される月面探査用の機器のサンプル製作が2日より開始された。専門筋によれば、この月面探査機器では初めて月の南北極の水や氷の存在の確認を行うという。4日付で中国新聞社が伝えた。

 今回「嫦娥1号」搭載される探査機器は6セット24件に及ぶ。3Dによる立体カメラやマイクロ波による探査機器なども含まれており、中国においては、マイクロ波探査機器は有人宇宙船「神舟5号」の最終テストとしての「神舟4号」でもその機能が確認されていた。

 「嫦娥1号」のプロジェクト副総設計士である姜景山氏によれば、マイクロ波探査機器は適時月面の土壌の情報を収集するほか、月の南北極の地表の情報収集も行うとしている。現在まで、月面の観測では、南北ともに緯度60度までが限界とされており、南北極に水や氷の存在を確認することはできていなかった。

 姜氏は、「マイクロ波による探査機器で月面探査を行うのは世界でも初めて。『嫦娥1号』が月面を周回する際には、マイクロ波探査機器によって、氷や水など生命の痕跡を示す要素の確認を進める」としている。この報道では、もし水の存在が確認されれば、月面への移住は不可能なことではないとしている。(編集担当:鈴木義純)

「嫦娥計画」:2期からは海外との協力も考慮

2004/03/30(火) 中国情報局

 正式に始動した中国の月面探査計画「嫦娥」プロジェクトに関し、国家航天局の欒恩傑・局長は2期プロジェクト以降における海外との共同開発の可能性をほのめかした。29日付で中国新聞社が伝えた。

 欒・局長によれば、1期プロジェクトは全て中国の技術、製品、設計による「純国産品」の計画になるとしている。「嫦娥1号」は中国初の月面探査計画としての威信がかかっていることもあり、中国としても完全に自国の力だけでプロジェクトを成功させたいところ。

 しかし、米国、ヨーロッパなどから共同探査を希望する声も上がっており、こうした海外の動きを鑑み、2期、3期プロジェクトでは海外との協力を考慮していることを示唆。以前、米国が自国の宇宙開発計画に海外からの参加を求める意向を示し、また中国が共同開発のパートナーとして十分な資格を有しているとする旨のコメントを発していることから、両大国による共同宇宙開発の可能性も取り沙汰されている。

  現在進行中の「嫦娥1号」プロジェクトについては、欒・局長は、実施作業段階に突入後、最高の技術を投入して衛星及びロケットの建造に取り組んでおり、打ち上げ成功を十分に保証するほどの作業レベルを維持していると自信をみせた。(編集担当:緒方隆次)

中国:低コスト低リスク月面探査、ヘリウム3期待

2004/03/29(月) 中国情報局
  中国の月面探査プロジェクト「嫦娥」の首席科学者に任命されている欧陽自遠氏は、中央電視台(CCTV、中央テレビ)に出演、中国の月面探査は技術的にすでに成熟しており、単に技術レベルだけを見れば、すでに実行可能だとする見解を示した。28日付で中国新聞社が伝えた。

  欧陽氏は、中国初の月面周回衛星「嫦娥1号」プロジェクトの実現は、中国の宇宙空間科学と関連技術の領域に大きな進展をみることになるだろうとし、低コストで低リスクを実現するが、国の戦略的なプロジェクトとしての意義の大きさを強調した。

  また欧陽氏は、中国が月面に飛び立つという夢を実現させること、月面に中国国旗を打ち立てることができることを信じるとした。さらに「国連では、月がいかなる国や個人に属するものではないことを明記」「現在の状況では、最も早く開発利用したものが利益を得られることになる」との見解を示した。

  特に月面の太陽エネルギーに注目、月面には太陽をさえぎるものは何もなく、ほとんど無制限に太陽エネルギーパネルを設置でき、また月面の表面には100万−500万トンのヘリウム3があるとされ、中国の通年の発電量で必要なものはヘリウム3が8トン、現在の技術からみて、一度に地球に持ち運べる量は13トンと考えられ、その可能性の大きさを強調した。(編集担当:鈴木義純)

中国月面探査計画:「嫦娥計画」を正式名称に

2004/03/26(金) 中国情報局
  有人宇宙飛行計画「神舟5号」成功の勢いに乗り、中国が進めている月面探査計画は、中国の神話にちなんで「嫦娥(月に住む伝説上の仙女)」計画と呼ばれていたが、25日に行なわれた活動会議でこの名称が正式に用いられた。また、1基目の月面探査衛星が「嫦娥1号」と命名された。25日付で中国新聞社が伝えた。

  北京市で開催された月面探査計画プロジェクトに関する第1回工作会議で、中国国防科学技術工業委員会副主任及び「嫦娥」プロジェクトの総指揮を兼任する国家航天局の欒恩傑・局長は、プロジェクトに関わるすべてのスタッフ及び関連部署に対し、宇宙資源の利用により人類平和に貢献するという意識を持ってプロジェクトに注力するよう呼びかけた。

  欒・局長は、「嫦娥」プロジェクトにおける衛星、ロケット、地上業務、打ち上げ、観測コントロールという五大システムの総指揮者及び総設計者に任命書を交付した。2004年は月面探査計画の第1期工程に14億元が投じられ、07年までに「嫦娥1号」の打ち上げを目指す。(編集担当:田村まどか)

女性宇宙飛行士の選抜、来年からスタート=人民網

2004年03月13日「人民網日本語版」
  第10期全国人民代表大会第2回会議に出席している、中国有人宇宙飛行プロジェクトの胡世祥・総指揮は12日、記者のインタビューに答え、「中国は2005年後半に女性宇宙飛行士の選抜をスタートする計画だ」と説明した。

  胡総指揮によると、最初の女性宇宙飛行士は、中国大陸部と香港・澳門(マカオ)を対象に選抜され、女性パイロットには限定されない。中国はこれまで、「神舟1号」から「神舟5号」まで5回の宇宙飛行が成功しており、ロケットの発射や宇宙船の軌道運航、帰還などの技術は相当成熟し、宇宙飛行士自身の身体的資質に関する条件が低くなった。

  同時に、宇宙飛行士への訓練レベルも向上し続けており、一般人でも、健康であれば専門の訓練により宇宙飛行士として宇宙に行くことが可能になった。もちろん、これには女性も含まれる。

  胡総指揮は「最初の女性宇宙飛行士は、選抜後、3〜4年の訓練を受ける。身体能力や宇宙飛行技術の訓練のほか、宇宙空間での科学研究・実験に関する知識や技術を学び、基礎作りをする」と説明した。(編集UM)

神舟6号:上海での部品製造完了、組立て段階へ

2004/02/25(水) 中国情報局
 『中新網』24日付報道によれば、2005年打ち上げ予定の宇宙飛行船「神舟6号」は現在、上海における部品及び電子機器の製造が完了し、まもなく組み立て段階に入る。

 また、上海航天局が開発を担う「神舟6号」のキャビンシステムは04年5月の搭載を予定している。

 中国は現在「神舟」シリーズの発射と同時に、宇宙での船外活動計画を進めている。これは短期滞在用の実験モジュールを建造し、これを基盤に長期滞在用と有人宇宙ステーションを建造していくというもの。ここで重点ポイントとされるのが、人工衛星と宇宙ステーションの連携技術で、このシステム構築を上海航天局が担うことになる。

 現段階で、上海航天局はコア技術の基礎開発を完了したことが明らかになっている。世界でもロシアだけが研究と生産を行っているこのシステムで、中国はその後を追う形となる。

中国:「神舟7号」「8号」計画では船外活動も

2004/02/23(月)中国情報局
  中国有人宇宙飛行プロジェクトの技術責任者でもある中国工程院の王永志氏は先日、「神舟6号」プロジェクトについて、その内容のいくつかを語ったが、さらに「7号」「8号」についても、ある程度の予定が立てられていることを明らかにした。『中新網』23日付が伝える。

  王氏が先日、受けたテレビインタビューで、「神舟6号」で計画している長期飛行とともに、「7号」「8号」では船外活動を予定に入れていると説明。また、短期滞在用の実験モジュール建造も計画しており、この段階に達した時、中国の宇宙船は本当の意味で、地球と宇宙を行き来する輸送目的を確立すると述べた。

  王氏によれば、短期滞在用実験モジュールはあくまでも長期滞在用モジュール、果ては宇宙ステーション建造の前段階に過ぎないと強調。宇宙空間を利用した無重力実験に必要な、大規模な実験スペースを建造することが最終目的であると語った。

5−7日間の有人飛行目指す 中国「神舟6号」

2004年02月21日 The Sankei Shimbun
 中国の有人宇宙飛行プロジェクト責任者は21日、中国中央テレビの取材に対し、来年打ち上げ予定の中国で2番目の有人宇宙船「神舟6号」は2人乗りで5−7日間の飛行時間を計画していることを明らかにした。

 昨年10月に打ち上げた初の有人宇宙船「神舟5号」は、約21時間かけて地球を14周。6号はさらに厳しい安全設計が必要となるが、同責任者は「研究は順調に進んでいる」と語った。

 中国メディアはこれまで、6号に乗り込む飛行士の訓練が3月から本格的に始まると伝えていた。中国は有人宇宙飛行の実績を重ねた上で(1)宇宙遊泳(2)宇宙船のドッキング(3)宇宙実験室建設−に取り組む方針を示している。(共同)

中国:宇宙計画「嫦娥」「神舟6号」着々進行

2004/02/03(火) 中国情報局
  『中新網』2日付報道によると、中国の次なる有人宇宙飛行計画「神舟6号」に関し、3月にも宇宙飛行士の集中トレーニングが開始されることが明らかになった。また、月面探査計画「嫦娥」についても、月面車開発が進んでいる。

  中国の宇宙飛行士大隊は「神舟5号」計画の終了後、今まで待機状態にあり、基本的な体力トレーニングと宇宙船の操作マニュアルの復習を行っていた。3月から集中トレーニングを開始するが、中国宇宙飛行士選抜・訓練研究室の黄偉芬氏によれば、訓練メニューは原則としてこれまでと同じものになるという。

  「5号」と「6号」の最大の違いは宇宙船が単座から復座に変わる点で、訓練メニューの一部も復数人での操作を想定したものに変更。14人の候補生は2人一組でトレーニングを進めていくことになる。この中から3組が選出され、最終的に1組が選抜される。この中には「5号」の宇宙飛行士を務めた楊利偉氏も含まれており、2度目の「宇宙旅行」に赴く可能性も十分にあるという。

  「嫦娥」計画については、この計画に15億元が投入され、メーカー10社で月面車の開発、製造が競われている状態。二輪タイプから十二輪タイプまで各社はさまざまなデザインを出しているが、この中から一つが採用される。「嫦娥」計画の主席科学者を務める中国科学院の欧陽自遠・院士は、あと3−5年のうちに月面探査計画は実現するとコメントしている。

中国:下半期に小型ロケット「開拓者1号」発射

2004/01/28(水) 中国情報局
 『中新網』27日付報道によると、実験衛星を搭載した小型ロケット「開拓者1号」が、2004年下半期(7−12月)にも山西(さんせい)省・太原(たいげん)市の衛星発射センターから打ち上げられることが明らかになった。

 「開拓者1号」は固体燃料ロケットで、重量100キロ以下の小型衛星の打ち上げに使用される。大型衛星打ち上げ用の「長征」シリーズを補う、次世代衛星打ち上げロケットとして、中国の宇宙計画における重要な担い手となる。

 「開拓者1号」の建造総指揮を努める楊樹誠氏は、操作が簡単なことや発射準備に要する時間が短縮できる点が、このロケットの大きなメリットになっていると説明。中国で洪水や地震などの災害が発生した際、即座に観測衛星を打ち上げて衛星軌道上から被害情況を調査することが可能になると性能をアピールした。

 システムチェックとマッチングテストはすでに終了しており、現在はロケット本体の建造に取りかかっている段階。予定では6月にロールアウトし、打ち上げを待つことになる。

中国:今年の宇宙計画は「9ロケット10衛星」

2004/01/10(土) 中国情報局
  昨年、有人宇宙飛行を成功させた中国は「6衛星1宇宙船」を打ち上げた。今年の計画について、『中新網』9日付は香港『文匯報』の報道を引いて、大型プロジェクトこそないものの、宇宙計画自体は「9ロケット10衛星」とその規模を拡大している報じている。

  『文匯報』によれば、2005年打ち上げが予定されている第二の有人宇宙飛行計画「神舟6号」や2006年予定の月面探査計画をひかえ、今年はこれら大型プロジェクトの準備にあてられる年になるという。

  「神舟6号」計画については、12人の宇宙飛行士候補生が「春節(旧正月)」前後に六つのチームに分かれ訓練に入る予定。月面探査計画については、中国国防科学技術部が7日に行われたプレスブリーフィングで本格始動を宣言した。

  衛星打ち上げ計画については、「長征4号乙」型ロケット2基、同「丁」型ロケット1基打ち上げのほか、6月に四川(しせん)省・西昌衛星発射センタから、中国で3基目となる静止衛星が打ち上げられることが現時点で判明している。

中国:米国に刺激、2020年までに独自火星探査

2004/01/04(日) 中国情報局
 『中新網』3日付報道によれば、中国の「地球空間双星探測計画(双星計画)」首席科学者である劉振興・博士は、中国でも2020年以前に火星に向けて探査機を発射すると語った。

 

  劉・博士は、中国の月面探査計画も始動したばかりであるが、中国でも火星探査を放棄したわけではないという。火星へ探査機を送り込むことも中国の宇宙開発における中長期計画のうちの一つと位置付けた。

 

  米航空宇宙局(NASA)が昨年6月、火星に向けて打ち上げた小型無人探査車1号機の「スピリット(精神)」が、米東部時間3日深夜(日本時間4日昼)に火星への軟着陸を試みるが、昨年、有人飛行を成功させている中国でもこの火星探査に大きな注目が集まっている。

中国:今年、月面探査が本格始動、予算20億元

2004/01/02(金) 中国情報局

 『北京晨報』1日付報道によれば、国家航天局の孫来燕・副局長は、2004年から中国では正式に月面探査計画を発動、2007年に初の月面探査衛星を打ち上げることを明らかにした。孫・副局長は「中国の宇宙開発による宇宙探査に向けた第一歩」と語る。

 孫・副局長によれば、月面探査衛星を打ち上げることは中国の月面探査プロジェクトの第一歩に過ぎないとする。38万キロの月を周回する技術は中国においても前代未聞であるが、現在の中国が保有する「長征」シリーズロケットであれば可能と指摘する。

 孫・副局長は、月面探査プロジェクトは基本的に、「周回」「着陸」「帰還」の三段階に分かれて実施されるという。現在、「周回」のための探査衛星の設計は完了しており、テスト機の設計に移っているという。

 2007年に周回衛星を実現した後、2010年には「着陸」、2020年には「帰還」を実現する見通し。これらすべて無人によるプロジェクトになるという。孫・副局長は、中国の今年の宇宙開発予算は総額20億元に上ることになるとしている。

中国:気象観測衛星「探測1号」が発射に成功

2003/12/30(火) 中国情報局
 『中新網』30日付報道によると、北京時間の同日午前3時6分、気象観測衛星「探測1号」が四川(しせん)省・西昌衛星発射センターより発射された。

 「探測1号」はロケット「長征2号丙改良型」(CZ−2C/SM)に打ち上げられ、順調に予定軌道に送り込まれた。

 今回の打ち上げは、中国とヨーロッパが2001年7月より共同で進めている「地球空間双星探測計画(双星計画)」の第1段階。半年後には「探測2号」が発射される予定である。今後、ヨーロッパですでに発射されている四つの衛星と協力して、人類史上で初めて六方向による立体観測の実現が期待されている。(編集担当:佐藤妙子)

有人宇宙飛行計画「神舟6号」は05年発射

2003/12/08(月) 中国情報局

 『中新網』8日付報道によると、有人宇宙飛行「神舟5号」が成功を収めた中国では、すでに「神舟6号」計画の立ち上げに着手している。計画では遅くとも2005年秋には甘粛(かんしゅく)省・酒泉衛星発射センターから打上げられるという。

  現在明らかにされているところでは、「神舟6号」計画では宇宙ランデブーや船外活動はまだ行われず、宇宙飛行士は12人の候補生の中から選出と、「神舟5号」時とほぼ同じ内容。なお、選出方法については、候補生2人1組のチームを作り、3組が最終候補に剪選抜されるということで、女性飛行士登場の可能性はないという。

  飛行時間については、「神舟5号」の記録を更新することがすでに目標とされており、登場人員数も複数になることが決定。無重力実験についても、中国独特の内容が準備されると伝えられているが、現時点で詳細は明らかにされていない。

  また、月探査計画「嫦娥1号」についても、探査衛星の基本設計、飛行日程、観測項目などができあがっているという。「嫦娥1号」の正式な打上げ時期はまだ決まっていないが、「神舟5号」の成功を機に、中国の宇宙計画は着実に加速している。

今度は2人乗り? 「神舟6号」は05年予定

2003年11月16日 The Sankei Shimbun
 15日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーによると、有人宇宙プロジェクトを担当する中国宇宙科学技術集団の当局者は「(宇宙船『神舟6号』による)中国の2回目の有人宇宙飛行は2005年に予定されている」と語った。

 同当局者はまた、6号の打ち上げ前の「今後14カ月間で(15日未明に打ち上げた通信衛星を含め)計11基の衛星を打ち上げる」と述べた。計画通りなら05年の2、3月ごろに打ち上げのタイミングを迎えることになる。

 10月の「神舟5号」による初の有人宇宙飛行は21時間だったが、6号は5日−7日間で、2人以上の宇宙飛行士が乗船するという。(共同)

中国初の有人宇宙船

2003年11月16日 さきがけ on the Web
 ことしの10月は中国が初めて人間を乗せた宇宙船「神舟(しんしゅう)5号」を飛ばした月として記憶(きおく)されるでしょう。楊利偉飛行士が地球を14周して10月16日朝、内モンゴルの草原に着陸しました。見事な成功でした。

 これまで、人を宇宙に運ぶ有人飛行を行ったのは旧ソ連のロシアとアメリカだけです。中国は3番目の国になったわけです。ソ連とアメリカが有人飛行を始めたのは1961年ですから、42年ぶりの出来事です。

 人間を宇宙に送り出して地球に無事もどすには、大変な技術が必要です。人が乗っているので、失敗は許されません。

 中国は92年に有人飛行計画を決めて、4回の試験飛行を重ね、初飛行を実現しました。打ち上げロケットや宇宙で生命を保つ装置、地球に無事帰る技術などに自信があったようです。今後、宇宙船のドッキングや宇宙遊泳も予定しています。

 今回の飛行は大きな意味があります。第一に国の力を示し、中国の人々をはげましました。有人飛行はお金がかかりますが、夢を感じさせます。

 しかし、もっと重要なのは、中国の技術のすごさを世界に伝えたことです。中国の工業製品は価格が安く、各国に輸出されています。中国は世界の工場になっています。これからは、性能のよさも評価されるでしょう。

 有人飛行で追いこされた日本では、さびしさが少しただよいました。日本は無人で飛ばす技術を優先させ、有人はアメリカのシャトルにたよる道を選んできました。日本人5人が宇宙飛行を体験していますが、シャトルなどに乗ったものです。

 いま日本が独自に有人飛行を目指すのはとても難しいのです。宇宙からの地球観測や効率的なロケット開発などで成果をまずあげる方針です。

 予算も減っています。大事な地球観測衛星が使えなくなることなども続いています。日本が宇宙開発をどう進めたらよいか、考え直すときです。

神舟6号:現時点で定員3人で7日間の飛行可能

2003/11/08(土) 中国情報局
 『中新網』5日付報道によると、中国航天科技集団公司の王礼恒・科学技術委員主任は、「神舟6号」は、現段階ですでに3人の飛行士を乗せた7日間の宇宙飛行が可能であると語った。

  同氏は、中国航天関連機関は、現在「神舟5号」の飛行データをもとに詳細な研究、分析を重ねており、この結果によって今回のようなデータ予測を導き出したと発表。また今後も同様の研究を続け、「神舟6号」の打ち上げ準備に取りかかると発表した。

  中国は、有人宇宙飛行船「神舟5号」打ち上げで大成功に収めたが、飛行データに関しては引き続き詳細な分析が必要で、回収後のデータを用いて「神舟6号」の打ち上げ準備に取りかかる予定。

  中国初の有人宇宙飛行船「神舟5号」は先月15日酒泉衛生発射センターで打ち上げに成功。初の飛行士となった楊利偉氏は、「神舟5号」で地球を14周し、21時間の宇宙飛行から無事帰還した。初の有人飛行の打ち上げ、回収成功は愛国精神、民族の誇りを鼓舞し、「神船6号」の研究、開発にもさらなる期待がかかっている。

「神舟6号」は3人乗り 1週間飛行できると中国紙

2003年10月28日 The Sankei Shimbun
 28日付の上海紙、青年報などによると、中国が1、2年以内に打ち上げを予定している有人宇宙船「神舟6号」は、3人の宇宙飛行士が乗り込み、宇宙空間を1週間飛行できる設計となる。

 有人宇宙飛行試験チームの関係者が27日、四川省成都市で神舟6号の部品生産の準備作業を検査した際に明らかにした。

 関係者によると、今月15日に打ち上げた中国初の有人宇宙船「神舟5号」は「1人乗りで1日の宇宙飛行」の設計だったため、変更を加えるという。(共同)

「宇宙ステーションも可能」中国が施設の先進性強調

2003年10月24日 The Sankei Shimbun
 24日付の中国紙、中国青年報によると、中国の有人宇宙飛行プロジェクトのロケット打ち上げ担当者は、中国の発射施設が10トンの宇宙ステーションを打ち上げる能力を備えていると語った。

 初の有人宇宙船「神舟5号」を打ち上げた酒泉衛星発射センターについて、1週間以内に2回の打ち上げが可能で「宇宙での宇宙船のドッキング実験にも対応し得る能力がある」と施設の先進性を強調した。(共同)

中国が衛星2基打ち上げ

2003年10月21日 The Sankei Shimbun
 中国中央テレビによると、中国は21日午前、山西省の太原衛星発射センターから、ブラジルと共同開発した2基目の地球資源探査衛星「資源1号」と、中国科学院が開発した小型通信技術試験衛星「創新1号」を1つの運搬ロケット「長征4号B」で同時に打ち上げ、予定の軌道に乗せることに成功した。

 探査衛星は両国が4基まで共同開発に合意。1999年10月に中国が1基目を打ち上げており、3基目も中国、4基目はブラジルが打ち上げる予定。

 長征ロケットは4タイプ計12機種があり、衛星や宇宙船の打ち上げは今回で72回目。打ち上げ成功は96年以降連続30回に上り、今月15日には2号Fが中国初の有人宇宙船「神舟5号」を打ち上げている。(共同)

「神舟5号」楊飛行士の保険は6千5百万円

2003年10月21日 The Sankei Shimbun
 32日付の中国紙、中国青年報によると、中国の生命保険最大手、中国人寿保険は、同国初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗した楊利偉飛行士に、受取金額が最高500万元(約6500万円)の保険を掛けていたことを明らかにした。

 担当者によると、同社が契約した宇宙飛行士に対する生命保険は、死亡時に支払われる保険金額が(1)訓練時は100万元(2)(地上での)宇宙飛行に関する業務時は200万元(3)宇宙飛行中は500万元−の3段階。中国の宇宙飛行関係部門が契約者になっているが、実際は保険会社側が掛け金を負担し飛行士に贈与する内容になっていたという。(共同)

中国初の有人飛行成功 内モンゴルに無事着陸

2003/10/16 中国新聞ニュース
 【北京16日共同=塩沢英一】中国が初めて打ち上げた有人宇宙船「神舟5号」は予定通り約二十一時間かけて地球を十四周し、十六日午前六時二十三分(日本時間同七時二十三分)、中国内モンゴル自治区中部の草原地帯に着陸した。飛行士の楊利偉中佐(38)は元気で中国は初の有人宇宙飛行を成功させた。国営通信、新華社が伝えた。

 有人宇宙飛行の成功は米国、ロシアに次いで三カ国目。中国は米ロに次ぐ「宇宙技術大国」となったといえ、宇宙の軍事利用やビジネスの分野でも一気に存在感を高めるのは確実。今後、宇宙開発を加速させ、二、三年後には将来の月面探査実現に向けた探査衛星の打ち上げを目指す。

 新華社電によると、温家宝首相は楊中佐と交信し「順調な帰還」を祝福。その後、楊中佐は着陸地点に駆け付けた捜索隊員らに手を振りながらカプセルから姿を現した。健康状態は良好という。

 北京の指揮管制センターは「中国初の有人宇宙飛行は滞りなく成功した」と宣言した。

 宇宙船は高度三百四十三キロの円軌道で最後の周回を終えた後、軌道モジュールを分離、逆噴射して一気に減速。軌道から外れて高度を下げ、推進モジュールも切り離して高度約百キロで大気圏に突入した。

 高度約十キロからパラシュートを使い秒速十m前後まで減速。最後に高度二・五メートルで、接地の衝撃を和らげるため地面に向けて噴射して着陸した。

 楊飛行士は直ちに北京市郊外の空港へ移動、健康検査を受けた後、帰還を歓迎する盛大な祝賀式典に出席する予定。

中国が初の有人宇宙船 神舟5号、打ち上げ成功

2003/10/15 中国新聞ニュース
 【酒泉(中国甘粛省)15日共同】中国初の有人宇宙船「神舟5号」が十五日午前九時(日本時間同十時)、内モンゴル自治区西部の酒泉衛星発射センターから宇宙飛行士一人を乗せ、打ち上げられた。神舟は約十分後、予定の軌道に乗り、打ち上げは成功、飛行士を乗せた帰還カプセルは十六日午前六時(日本時間同七時)ごろ、同自治区に着陸する。国営通信、新華社などが伝えた。

 有人宇宙船打ち上げは一九六一年に旧ソ連(ロシア)と米国が相次いで成功して以来三カ国目。中国は「宇宙大国」の仲間入りを果たし、一段と国威発揚を図る考え。月探査計画などを含め軍事、ビジネス両面で宇宙開発プロジェクトを加速させる方針だ。これまで米ロが独占してきた有人宇宙飛行は中国の参入で新たな競争段階に入った。

 全長八・九メートル、重さ七・八トンの神舟5号は胡錦濤国家主席や曹剛川国防相らが見守る中、長征2号Fロケット(全長約五十八メートル)で打ち上げられ、胡主席は発射後「祖国の栄光」と誇示した。

 飛行士の楊利偉・軍中佐(38)は発射から三十四分後に無線で「気分は良好」と地上に連絡。同四十二分後にプロジェクト総責任者の李継耐・軍総装備部長が打ち上げ成功を宣言した。宇宙船は高度三百四十三キロの円軌道を十四周する予定。

 楊中佐は打ち上げの約二時間後から約三時間休憩。食事は中華料理の宇宙食が用意されたという。北京の宇宙飛行管制センター内の指揮所には大型スクリーンが設けられ、船内の状況などをモニターした。

 楊中佐は十六日の帰還後、直ちに北京へ移送。共産党・政府は北京で祝賀式典を開く方針だ。

 中国はミサイル防衛など宇宙空間を利用した米国の軍事力増大をけん制するため宇宙開発に力を入れてきた。宇宙遊泳や、宇宙船と母船のドッキングなどの実験を進め、有人宇宙ステーション建設も目指している。

「神舟5号」打ち上げは15−17日 中国初の有人宇宙船

2003年10月10日 The Sankei Shimbun
 中国の有人宇宙飛行プロジェクト本部は10日、中国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げを「15日から17日の間にタイミングを見て行う」と正式に発表した。新華社電が報じた。

 中国筋によると、打ち上げ時間は15日午前9時(日本時間同10時)にほぼ固まっている。悪天候による延期などを考慮して15日から17日まで幅を持たせたとみられる。

 15日午前9時に打ち上げられれば、宇宙船は約21時間かけて地球を14周した後、翌16日の午前6時(同7時)ごろ、帰還カプセルが内モンゴル自治区に帰着する見通し。

 宇宙船は内モンゴル自治区にある「酒泉衛星発射センター」から打ち上げられ、地球を14周。いったん高度200キロ−350キロのだ円軌道を周回した後、高度343キロの円軌道を回るという。

 同本部の担当者は「厳格な選抜を経て、初の有人宇宙船任務につく宇宙飛行士チームが既に編成されており、総合的な訓練を終えた。発射前の準備作業は順調だ」と述べた。

 打ち上げには胡錦涛国家主席が立ち会い、飛行中の宇宙飛行士と交信、会話するという。

 中国紙によると、宇宙飛行士チームは12人で、このうち1人が搭乗する。(共同)

中国:月面探査「嫦娥」計画を3年以内に実行へ

2003/10/07 中国情報局
  『中新網』6日付報道によると、中国の神話にちなんで名付けられた月面探査計画「嫦娥(月に住む伝説上の仙女)」プロジェクトの飛行コースが決定し、3年以内に実行の見通しが立ったことが国家航天局によって明らかになった。

  科学者によれば、地球から月までの距離38万キロの飛行コースにおいて、三つの段階をすでに想定しているという。

  打ち上げから地球周回軌道については、ロケット切り離し後、3度のスイングバイを経て、月遷移軌道に投入。月遷移軌道段階では、月探査衛星は途中1回及び2回の軌道修正を行い、ロケット軌道投入誤差などを修正、打ち上げより約5日後に月周回軌道に投入する。周回軌道投入後は月面より高度200キロまで降下の後、減速に入り月観測円軌道に投入、軌道上より観測を開始する。

  衛星の設備には、長距離飛行を考慮して双方向性の通信アンテナを設置。また、オゾン層のない月面上での強烈な紫外線対策として、新開発された紫外線探知機を搭載する。人工衛星、有人宇宙飛行に続き、中国宇宙開発の3番目の要として「嫦娥」計画は着々と進んでいる。

打ち上げは3中総会後か 中国初の有人宇宙船「神舟5号」

2003年10月01日 The Sankei Shimbun
 1日付の中国系香港紙、文匯報は消息筋の話として、中国初の有人宇宙船「神舟5号」は、今月11−14日に北京で開かれる第16期中央委員会第3回総会(3中総会)後に打ち上げられることがほぼ決まったと報じた。

 秋に打ち上げられるのは、酒泉衛星発射センター(甘粛省)付近の天候が安定しており、気温などが適当なため。早ければ10日にも打ち上げられるとの一部報道については、誤りとしている。

 また、神舟5号の飛行時間は1日で、有人飛行の実現が主な任務。これまでに打ち上げられた神舟2、3、4号の飛行時間は平均約1週間に達し、飛行船の運航能力、船内環境のデータ収集などを行っており、長期の有人宇宙飛行の基礎はできているという。(共同)

有人宇宙船:搭乗予定の宇宙飛行士が到着 中国

2003年09月29日[毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
 【香港・成沢健一】29日付の中国系香港紙「文匯報」は、来月中旬とみられている中国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げを前に、宇宙飛行士12人が甘粛省の酒泉衛星発射センターに到着したと報じた。同センターでの訓練は最終段階を迎えており、このうち1人が「神舟5号」に乗り込む予定という。

 12人は、昨年12月に打ち上げられた無人宇宙船「神舟4号」に発射前に乗り込み、1週間の適正検査を受けている。

中国が有人宇宙船打ち上げへ、早ければ来月10日

2003/09/16 asahi.com
 
 香港の中国系紙文匯報は16日、中国消息筋の話として、同国が早ければ10月10日にも実際に人間を乗せた有人宇宙船「神州5号」を打ち上げると報じた。成功すれば旧ソ連、米国に続いて世界で3カ国目となる。

 同紙によると、打ち上げのための準備はすでに終わっており、発射予定日は10月中旬から12月中旬の間。天候などを踏まえて最終決定されるとみられる。

 神州5号は甘粛省酒泉の基地から、ロケット「長征2号F」を使って発射される。宇宙船本体は3室からなり、うち1室は実験機器を積んだ実験室、もう1室が操縦室で、地上には操縦室部分だけが帰還する。2人の宇宙飛行士が乗れる設計だが、今回、実際に搭乗するのは1人の予定だという。

有人宇宙船を100日以内に打ち上げ 香港紙報道

2003年07月21日 The Sankei Shimbun
 21日付の中国系香港紙、文匯報は関係者の話として、中国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げが「100日以内に」酒泉衛星発射センター(甘粛省)で行われる見通しだと報じた。宇宙飛行士も既に決まっているという。

 船内が狭いため、科学実験は実施しない見通し。これまでの報道などによると、神舟5号の飛行士は1人。打ち上げには、運搬ロケット「長征2号F」が使われる。(共同)

中国が有人宇宙実験室を計画、2010年に建設

2003/03/29 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【香港=関泰晴】29日付の中国系香港紙「大公報」は、中国が2010年に有人の宇宙実験室を建設する計画を進めている、と報じた。

 中国のロケット技術研究機関の関係者によると、中国初となる有人の宇宙実験室の規模は10トンクラスのものとなり、甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げる。将来の有人の宇宙ステーション建設を視野に入れて、様々な実験を行う予定だ。

 今年秋に予定する中国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げの成否に関係なく、宇宙実験室の建設計画は進められていくという。

中国国家宇宙局、年内に月探査プロジェクト着手

2003年03月01日 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】新華社電などによると、中国国家宇宙局は1日、年内に、月探査プロジェクトに着手する方針を明らかにした。

 同プロジェクトは3段階で進める計画で、第1段階は月探査ロケットを打ち上げ、月面の3次元映像を入手、分析することで月面の状況を探査する。第2段階で月探査機を着陸させ、第3段階で月面の実地調査とサンプル採取を行う。すでに探査ロケットの打ち上げ準備に入っているが、具体的な時期は明らかにしていない。

 中国は昨年末、無人宇宙船「神舟4号」の打ち上げ成功を踏まえて、今年秋に、初の有人宇宙船を打ち上げる計画を進めている。

神舟5号は有人宇宙船に 中国

2002年08月22日 The Sankei Shimbun
 22日付の中国紙、京華時報は中国の宇宙船技術開発を担当している「航天科学技術集団」の専門家の話として、現在打ち上げ準備を進めている無人宇宙船「神舟4号」が成功すれば次の「神舟5号」は中国で初の有人宇宙船になると伝えた。

 4号は遅くとも来年1月10日までに打ち上げられ、宇宙飛行士の模擬人形2体を搭載、有人飛行に向けて生命安全保障装置など最後の実験を行うという。(共同)

中国有人宇宙船は03年後半見込み

2002年12月31日 The Sankei Shimbun
 
 31日付の中国紙、解放日報によると、中国の上海宇宙局の袁潔局長は中国初の有人宇宙船となる見込みの「神舟5号」の打ち上げが、2003年後半になる見込みだと言明した。

 袁局長は同宇宙船は中国の有人飛行という「歴史的突破」を実現するだろうと述べたとしている。

 中国は30日、有人宇宙船の準備として無人の神舟4号を打ち上げたばかり。上海宇宙局は中国の宇宙船開発などを担当している。(共同)

中国が4回目の無人宇宙船打ち上げ

2002年12月30日 The Sankei Shimbun
 
 新華社電によると、中国は30日午前零時40分(日本時間同1時40分)、無人宇宙船「神舟4号」を運搬ロケット「長征2号F」を使って甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げ、十数分後に予定の軌道に乗せることに成功した。

 中国の無人宇宙船打ち上げは今年3月の同3号以来4回目。4号の飛行実験が成功すれば、2005年までに初の有人宇宙船「神舟5号」を打ち上げる方針とされ、今回は発射前に宇宙飛行士の候補者が実際に宇宙船に乗り込み訓練をした。

 神舟号は中国が自力で開発した宇宙船で、1999年11月に初めて打ち上げられた。胡錦涛・共産党総書記を中心とする中国の新指導部は、国威発揚のため宇宙船開発の進展を国内外に積極的に誇示していく考えだ。

 発射センターで打ち上げに立ち会った李鵬・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)は「わが国の総合国力と科学技術の実力が著しく高まったことを示し、民族の偉大な復興実現に向けた中国人民の強い信念を十分に示した」と成功をたたえた。

 神舟5号の宇宙飛行士の候補者は空軍出身のベテランパイロットで、北京郊外の施設で訓練中。

 中国は長期的な宇宙開発計画も策定しており、中国メディアによると2010年までに月探査、40年前後には火星探査の実現を目指している。(共同)

中国の宇宙開発計画 8年以内に月へ

2002年10月22日 The Sankei Shimbun
 中国の時事週刊誌「暸望」(新華社系)最新号は、2010年までに月探査、40年前後に火星探査の実現を目標とする中国の宇宙開発計画を報じた。

 同誌は宇宙開発の狙いについて「国威発揚」とともに「宇宙の商業利用」にあると指摘。薬剤や合金分野のほか宇宙観光の可能性を挙げており、宇宙ビジネスを視野に着々と宇宙大国化を狙う中国の姿勢を示している。

 中国は1999年から今年4月まで3度の無人宇宙船打ち上げに成功した。

 同誌が宇宙開発担当者の話として伝えたところによると、年末に予定される4度目の「神舟4号」の打ち上げが成功すれば、05年までに初の有人宇宙船「神舟5号」を打ち上げる。

 月探査については、10年までに宇宙船による探査を実現、その後はロボット、次に宇宙飛行士を送り込む。20年以降は国際協力により月面に太陽エネルギーを利用したステーションの建設を目指し、順調にいけば火星探査を次の目標とする。

 宇宙飛行士の候補者は空軍出身のベテランパイロットたちで、北京郊外の施設で毎日10時間の特訓を受け、2、3人が神舟5号の乗組員に選ばれる。(共同)

中国が月着陸を計画中? 中国英字紙報道

2002年09月09日 The Sankei Shimbun
 9日付の中国の英字紙、上海デーリーは、中国が約10年間かけて月の着陸探査を行う計画を立案中で、今年11月の第16回党大会の後にも、同計画を正式策定する見通しだと報じた。

 上海宇宙技術研究院当局者が同紙に明らかにしたもので、月着陸計画は1月軌道への人工衛星打ち上げ2無人宇宙船の月着陸3月の石などを採取した無人宇宙船の地球への帰還4月探査をした有人宇宙船の地球への帰還−の4段階。

 中国の月への着陸探査は、月を宇宙観測の拠点とするほか、石油や石炭の枯渇に備え、新たなエネルギー資源を月に求めることも目的としている。(共同)

中国、有人宇宙船05年までに実現

2002年05月19日 The Sankei Shimbun
 19日付の中国紙、中国青年報によると、今年3月に中国が打ち上げた独自開発の無人宇宙船「神舟3号」の王壮・副総設計士ら中国の宇宙科学専門家は18日の報告会で、中国の月面探査計画について「(実現は)2010年まで待つ必要はない」と述べ、順調に準備が進んでいることを明らかにした。

 中国は1999年以来、無人宇宙船の打ち上げに3回成功しているが、有人宇宙船についても同専門家らは「2005年までにきっと実現できる」と強調。現役の戦闘機パイロットから選ばれた12人が現在、訓練を受けているという。(共同)

<中国>第3番目の無人宇宙船「神舟3号」を打ち上げ

2002年03月26日(毎日新聞)YAHOO!ニュース 宇宙開発
 【北京・坂東賢治】新華社電によると、中国の第3番目の無人宇宙船となる「神舟3号」が25日午後10時(日本時間同11時)すぎ、中国甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、順調に地球を回る軌道に乗った。数日間、地球を周回し、一連の科学実験を行う。江沢民国家主席が現地で発射の様子を見守った。

 中国は99年11月に初の無人宇宙船である「神舟1号」の打ち上げに成功、昨年1月には「神舟2号」を打ち上げており、3度目の打ち上げ成功を受けて早ければ来年にも米露に次ぐ有人宇宙船の打ち上げを目指すとみられている。同電は今回初めて緊急時の安全を確保するための脱出システムの実験を行うと報じた。

 25日の香港の中国系紙「文匯報」によると、「神舟3号」には有人宇宙船用のデータを集めるため、人型のシュミレーション設備が搭載されている。打ち上げロケットは過去2回と同様の「長征2号F」。

 同紙は年内にもう一度、無人宇宙船の打ち上げが予定されていると報じており、安全性確保を最優先に有人宇宙船打ち上げに向けたデータ収集を目指していると見られる。

月面に人類居住区の設立を計画 10年後をメドに

2001年10月10日「人民網日本語版」
9日閉幕した中国工業ハイテク・フォーラムの席上、注目すべき計画が明らかになった。計画によると、中国国家航天局は欧州の宇宙関係機関と協力して、宇宙探査計画をスターとさせ、2010年をメドに月面に人類居住区を設立する。10年後には中国人が月面に到着することになる。

中国では過去10年間、月面探査計画が何度も出されてきた。1990年代初めには、宇宙分野の科学者が政府に月面探査のための衛星打ち上げを提案。1997年にはアカデミー会員を含む科学者らが863計画の中で、「中国の月面探査技術の発展に関する提案」を発表した。また中国政府が2000年に始めて発表した宇宙白書の中では、月面探査を主とした宇宙探査のための研究をスタートさせることが記された。2000年および2001年初め、清華大学では2回にわたり「月面探査技術シンポジウム」を開催した。多くの科学者らは、月面探査に関する理論および技術の分野について、中国では実践に向けた準備がすでに整ったと認識している。

中国が月面への探査機投入に意欲

(2001.10.10) CNN.co.jp
北京―中国国営の新華社通信は9日、中国政府が月面へ探査機を送り込むことを計画していると報じた。また、「人民日報」の日本語版(インターネット版)は、10年後には中国人が月面に到達すると伝えた。

新華社通信は国家航天局(CNSA)のルアン・エンジ局長の話として、月面探査機は大型ロケット「長征」で打ち上げられると伝えた。しかし、具体的な計画が決定されたかどうかは明らかにされていない。 (全文)

中国宇宙船に動物搭乗 露紙報道

2001.01.12 【モスクワ11日=高木桂一】The Sankei Shimbun

 生命維持装置実験目的か 有人飛行へ最終段階

 ロシアの有力紙「独立新聞」は十一日、中国の宇宙開発に関与する複数の情報筋の話として、中国当局が十日未明に打ち上げに成功した無人宇宙船「神舟2号」に複数の動物を搭乗させたと伝えた。

 宇宙飛行士の生命維持システムの機能を確認する実験が狙いとされ、米露に次ぐ有人飛行の実現を急いでいる中国当局の準備が最終段階に入っていることを裏付けている。

 「神舟2号」に乗せられた動物の種類や数など詳細は不明だが、モスクワの宇宙専門家は産経新聞に対し、「種類はサルやイヌ、ネズミなどの可能性が高い」との見方を示した。

 独立新聞は情報筋の分析として「今回の動物実験が成功すれば、中国は二〇〇二年中か二〇〇三年初頭には有人飛行を行う見通しだ」と指摘しており、中国当局が目標とする二〇〇五年までの有人飛行の実現が予想以上に早期に果たされる公算も出てきた。

 中国当局は、今回の無人宇宙船の打ち上げについて「宇宙空間の生命科学」を含めた有人飛行に必要な科学データの収集が目的であると公式に表明しているが、実験目的で動物を搭乗させたか否かに関しては明らかにされていない。

 「神舟2号」は、宇宙滞在空間、地上帰還カプセルなど三つの部分で構成され、数日間にわたり軌道上にとどまる予定だ。

中国、2度目の無人宇宙船の打ち上げ成功

2001.01.10(19:35)asahi.com
 新華社電によると、中国は10日、独自に開発した無人宇宙船「神舟2号」を甘粛省の酒泉衛星発射センターから打ち上げ、予定の軌道に乗せることに成功した。中国の宇宙船打ち上げは1999年11月の実験飛行以来で2回目。今後、複数回の無人宇宙船の打ち上げを行った後、有人飛行を実施する計画だという。打ち上げには大推力運搬ロケット「長征2号F」が使われた。

【中国】宇宙船「神舟二号」10日発射/甘蕭省酒泉宇宙センターで再度

2001.01.05 The Word Times

甘蕭省酒泉宇宙センターで再度

有人宇宙飛行で軍事転用も

 【香港5日深川耕治】香港紙「太陽報」(五日付)が北京の消息筋の話として報じたところによると、中国国産の無人宇宙船「神舟二号」の再度打ち上げが十日、甘蕭省酒泉宇宙センターで予定されており、三度の無人宇宙船打ち上げ成功した後には、有人宇宙船の来年発射の計画があり、中国の宇宙開発が着実に進歩を遂げている。

 フランス通信社電が報じた有人宇宙飛行計画を統率する「中国宇宙科学技術集団公司」の女性スタッフによると、中国は今月中に再度、無人宇宙船を打ち上げる準備を進めているものの、五日の打ち上げ説を否定した。

 北京の西側宇宙開発技術者筋によると、神舟二号は甘蕭省酒泉宇宙センターから打ち上げられ、三度の無人宇宙船打ち上げが達成されれば、最短で来年、有人宇宙飛行を実現する見込み。人民解放軍総装備部が有人宇宙飛行計画の重要担当部署となり、有人宇宙飛行が最終的には宇宙ステーションの完成まで計画実現し、軍事用に転用できるように画策中という。

中国、新型人工衛星の研究に着手

2001.01.01【北京31日=共同】The Sankei Shimbun
 新華社電によると、中国の上海宇宙局は新たな地球観測衛星「風雲3号」の研究開発に着手すると発表した。

 発表によると、現在使われている「風雲1号」に替わる衛星で、二○○四年末から二○○五年にかけ打ち上げる予定。高度八百九十キロの上空から高速道路を見分けることが可能で、現在米国が運用している衛星ノアの性能を上回るとしている。

 中国は十一月、有人宇宙飛行や宇宙空間利用など宇宙事業計画を盛り込んだ初の宇宙白書を発表、「宇宙大国」を目指している。

中国、有人打上げに向けた無人の宇宙船を試験(AP)

2000/07/04
 政府系の新聞によると、中国は宇宙飛行士を打ち上げるために設計された宇宙船の2回目の無人打上げ試験にむけて準備がほぼ完了していると報じた。

新型宇宙船は3人の宇宙飛行士が搭乗でき、前回のShenzhou(シェンツアウ:神船)も有人に向けて設計されていたが、それよりも今回はより技術的に改良されている。香港のWen Wei P氏は、氏名を明らかにしないながら、中国航空宇宙高官が語った内容によると、今回の改良点の大きな特徴は、配線部分が大きく改良され、このことで宇宙船の重量が100kg軽量化され、また、配線が露出されなくなったことで、ダメージに対して耐久性が向上したとしている。

科学者が装置の微調整を継続的に行っており、中国は初の有人宇宙打上げに向けた準備を着々と行っていると報じている。中国語でtaikonauts(宇宙)と呼ばれている宇宙飛行士は突発的な状況で宇宙船を如何にコントロールするか等の研究を行ってきている。

昨年、中国はShenzhouの最初の無人打上げ実験を行っている。この実験では21時間の地球軌道周回後、モンゴル国内に無事着陸した。

西側専門家は、国家の秘密裏の宇宙プログラムを打ち破る形で、今年終盤にも最初の有人打上げを行うのではないかと見ている。江沢民主席は1992年にプロジェクト921(Project 921)と呼ばれる有人宇宙プログラムを承認した。このプログラムは大部分が農村地帯の国の国威高揚の目的で行われており、大部分の平均収入は2万6千円程度の状況の中での実験実施である。(訳:スペースレフ)

中国、宇宙ステーションを10年以内に建設

April 21, 2000
 華僑向け通信社の中国新聞社電によると、中国・甘粛省にある酒泉衛星発射センターの張建啓・副主任(少将)は、中国が10年以内に宇宙ステーションを建設すると語った。同センターは昨年秋、中国で初めての無人宇宙船の打ち上げ実験に成功しており、張副主任は「中国のロケット技術は世界の先端グループに属し、人工衛星の成功率でも世界の前列にいる」と自信を見せている。

 張副主任によると、2年以内に異なった種類の先端衛星をさらに多く打ち上げる。また無人宇宙船の成功を機に、10年間で有人宇宙船の打ち上げ、宇宙でのドッキング、宇宙ステーション建設というプロセスを完成させる計画だ。米国やロシアはこのプロセスに20年前後かかったという。

 中国は年内にも米ロに続く世界で3番目の有人宇宙飛行をめざしているが、張副主任は「ここから宇宙へ向かうだろう」と語り、酒泉センターから打ち上げる予定であることも明らかにした。

中国海外発展、新華社や中国人民銀行と共同で衛星事業に進出へ

2000年1月4日 15時32分[香港 4日 ロイター]
 中国本土系香港企業の中国海外発展(COL)は、新華社や中国人民銀行(中央銀行)などと共同で、衛星事業に進出することを明らかにした。

 中国海外発展の声明によると、同社は今月3日、合弁事業「チャイナ・デジタル・サトネット・リミテッド」を設立する契約書に署名した。  合弁事業のパートナーは、新華社傘下のゴールデン・トライポッド(ホールディングス)リミテッド、中国航天科技集団と中国航天機電集団がそれぞれ実質50%ずつ保有するチャイナ・エアロスペース・サイエンス・アンド・テクノロジー(HK)リミテッド(CAST)、ゴールデン・トライポッドのディレクター、Zhang Guo-liang氏とCASTのディレクター、Tian Hong氏が折半出資するファースト・エクセル・マネジメント・リミテッド。

 合弁事業は、香港に設立し、衛星を利用したデジタル・広帯域サービスを提供する。 また合弁事業の株式の一部は、中国航天科技集団、中国人民銀行、中国国家開発銀行、上海市政府が25%ずつ出資するSINOサテライトに売却する計画。

「神舟」号宇宙船が北京に到着

1999年11月24日人民日報「海外版」
11月21日3時41分、内蒙古自治区の中部地区で着陸に成功した中国初の無人宇宙飛行船「神舟」号の帰還部は、宇宙空間での飛行試験を完了させた後、23日12時30分に専門列車で北京に運ばれ、中国空間技術研究院に引き渡された。

紹介によると、「神舟」号試験飛行船は推進部、帰還部、軌道部からなっている。宇宙船の帰還部は地球に戻る過程で軌道部と分離したが、軌道部は引き続き宇宙空間を運行し、計画通りに科学実験を行う予定である。

中国空間技術研究院の検査により、「神舟」号の帰還部には何の異常もなく、これから帰還部の計器が記録した各種のデータに対して分析・判断を行ない、今後の有人宇宙船のための技術的準備に備える。写真は無事に地球に戻った帰還部

中国、無人宇宙船の打ち上げに成功−−「有人」を来年に計画

[毎日新聞1999年11月22日] Mainichi INTERACTIVE

中国が初めて、無人宇宙船打ち上げ試験に成功

11:27a.m. JST November 21, 1999
 新華社通信によると、中国は20日午前6時半(日本時間同7時半)、甘粛省の酒泉衛星発射センターで、有人宇宙飛行へ向けた無人試験船の打ち上げに成功した。試験船は約21時間後の21日午前3時41分(同4時41分)、内モンゴル自治区中部に無事着陸した。中国による宇宙船の試験飛行は初めてで、ロシア、米国に続く有人宇宙船の打ち上げが2000年にも行われる可能性が出てきた。

 試験船は「神舟号」名付けられ、江沢民国家主席が命名した。新たに建設された酒泉センターの有人飛行船発射場から新型「長征」ロケットで打ち上げられ、10分後にロケットを分離し、予定の軌道に入った。試験船は宇宙空間で一連の科学実験を行い、地上管制センターと太平洋、インド洋の公海上に待機した4隻の観測船がこれをモニターした。

 この試験船は、航空・宇宙開発を担当している中国航天科技集団の運搬ロケット技術研究院と空間技術研究院、上海航天技術研究院が中心になって、独自に開発した。

 中国は1992年に有人宇宙飛行プロジェクトをスタート。「神舟号」の打ち上げ成功は「重大な突破口」とされ、党中央、国務院、中央軍事委員会が連名で祝賀メッセージを寄せた。新華社電によると、今回の実験結果を受けて各システムに改良を加え、今後さらに数回、無人飛行実験を行う計画という。(時事)

中国が無人宇宙船打上げ成功

1999年11月20日 宇宙情報センター

有人宇宙飛行に向け試験船を打上げ
 1999年11月20日、中華人民共和国は、甘粛省酒泉宇宙センターから有人宇宙飛行の試験船打上げに成功しました。「神舟号」と名づけられた試験船は、予定の軌道を約21時間にわたって周回した後、内モンゴル自治区中央部に着陸しました。

 中国では1992年から有人宇宙飛行プロジェクトをスタートさせていましたが、無人での試験打上げは今回が初めてです。今後数回にわたり飛行実験を行ったのち、2005年前後には有人での打上げをめざす方針で、これが成功するとロシア、アメリカに続き第3番目の国になります。

ロシアのソユーズをもとに開発
 打上げに使われたのは、中国が独自に開発した「新型長征運搬ロケット」で、先端部のソユーズに似たカプセルに試験船が収められました。試験船は3つの部分からなり、宇宙飛行士が居住し実験などを行う「軌道モジュール」、打上げと帰還のときに乗り込む「帰還モジュール」、動力を供給する「推進モジュール」で構成されています。帰還のときには、ソユーズ同様パラシュートで減速し地上に降下します。これらはロシアのソユーズの技術をもとに開発が行われたとみられており、両国の協力ぶりがわかります。

 また中国では、宇宙飛行士の訓練をロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでおこなっており、今後、軌道上での宇宙船の建設協力などにも合意しています。

中国が有人宇宙飛行に向け研究開発

7:38p.m. JST July 15, 1999
 中国のロケット工学専門家である中国航天科技集団公司の張麗輝研究開発部長は15日、中国が早ければ今世紀末にも有人宇宙飛行を実施する方向で研究開発に取り組んでいることを確認した。米議会の「コックス報告」に反論するために国務院新聞弁公室が主催した内外記者会見で明らかにした。

 成功すれば世界で3番目になる中国の有人宇宙飛行については、最近欧米の専門家の間で、建国50周年を祝うため今年10月にも宇宙船の打ち上げテストが行われる可能性があるなどの観測も出ていた。

 張部長は「国家が定めた2020年までの中長期計画に沿って、有人宇宙飛行技術面で今世紀末か来世紀初めに1つの突破を実現するべく関係研究機関、大学などが仕事をしている」と発言。開発目的を「ロケット工学の領域におけるわが国の国際的地位を保持するためだ」と説明した。

中国、初の有人宇宙船打ち上げを計画

1999年5月27日 15時46分 [北京 26日 ロイター]
 中国の各メディアは、10月1日の国慶節の前に、同国が有人宇宙船の打ち上げを計画していると報じた。 これが実現すれば、同国は米国、ロシアに次ぎ3番目の有人宇宙船打ち上げ国になるというが、詳細については報じていない。

 中国は98年3月に有人宇宙船と月探査機を打ち上げる方針を表明していたが、その時点では、打ち上げの時期を21世紀初頭までとしていた。 同国は70年に最初の衛星打ち上げに成功した。

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