TOPIC No.6-5-2 月の南極に氷 ??/月探査機


月のリンク集
01. 月のカレンダー
02. 月にまつわるさまざまな謎 宇宙不思議発見
03. 月リンク集 by横浜こども科学館
04. 月探査情報ステーション
05. 月・惑星探査 by宇宙情報センター
06. セレーネ計画 −日本の大型月探査機− by NASADA
07. 月周回衛星計画 関連情報 - SERENE project -
08. LUNAR-A(文部省宇宙科学研究所 月探査計画)
 - 2003年度打ち上げ予定 -


月に相当量の水…氷の形態で存在

2009.11.16 中央日報/Joins.com

米航空宇宙局(NASA)が月の衝突実験結果、相当量の水を発見したと14日(現地時間)、明らかにした。

NASAによれば最近、月の表面で、水の存在を確認するために人工衛星とその推進体を月の南極地域に順に衝突させる「エルクロス(LCROSS)プロジェクト」を実施した結果、氷の破片が発見された。NASAは「先月初め2.2トンに達する人工衛星とその推進体を時速9000キロで2度にわたり月の表面にあるカベウス・クレーター(噴火口)に衝突させた」とし「この衝突で発生した破片と塵の柱に7〜45リットルの分量の氷粒子が含まれていた」と明らかにした。また「衝突実験が実施された噴火口内の温度は摂氏零下230度で、ここに氷の形態として水が存在していた」と付け加えた。

今回の実験に参加したブラウン大学のピーター・シュルツ教授は「月の表面で水が発見されることにより、不毛の地だと思われてきた月に対する認識が大きく変わった」とし「ほかの地域でも水が発見される可能性が高い」と述べた。

これによって専門家たちは今後の月に宇宙基地を建設しようとする計画が弾力を受けるものと期待している。月にある水を動力源として使うことができるからだ。専門家たちは「月の表面の水を電気分解した後、水素はロケット燃料として、酸素は宇宙飛行士の呼吸用として使うことができる」と述べた。しかし月の水が飲み水として使用可能かまでは公表しなかった。

一方、NASAは「入手したデータを完璧に分析することにやや時間がかかる」とし「収集したデータを通じて月の表面にある物質に対する精密な情報を得ることができるだろう」と説明している。

月に相当量の水の存在を確認した〜NASA

2009年11月14日 日テレニュース

 アメリカ航空宇宙局(NASA)は13日、「月に相当量の水の存在を確認した」と発表した。

 これは、NASAが先月行った無人探査機による月への衝突実験でわかったもの。衝突実験では、約95リットル分の水分が飛び散ったということで、月には相当量の水が存在すると結論付けている。

 NASAは今後、全体の埋蔵量など詳しい分析を進める方針。

30年までに月面に人を 政府の有人宇宙開発構想

2009/03/06 中国新聞ニュース

 政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)事務局は六日、首相官邸で開かれた有識者による専門調査会に、二〇二〇年までにロボットを、三〇年までに人間を月面に送るとする有人宇宙開発構想を初めて提案した。

 事務局は「日本が得意なロボット技術などを生かせる、一定の現実性がある提案だ」と説明している。

 だが、宇宙開発分野の中で有人開発の優先度はまだ調整されておらず、五月に同本部がまとめる最終的な政府方針「宇宙基本計画」にそのまま盛り込まれるかどうかは、今後の検討次第となる。

 事務局案は、月にある未解明の資源を利用できるかを探るため、当面月探査に重点を置くとした。その上で、二〇年ごろにロボットで月面を無人探査し、二五―三〇年に人間も月に送り、月面に拠点を設けてロボットと連携した本格探査をするとしている。

 宇宙航空研究開発機構や大学、民間企業を交え、今後一、二年でその意義や目標、目指す成果、資金の見積もりなど、具体的な開発の進め方を検討するとしている。

かぐや、月観測軌道に投入 クレーター画像も公表

2007/10/21 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構は二十一日、月周回衛星「かぐや」を月観測軌道に投入することに成功したと発表、高度約九十―百二十キロから撮影したクレーターなどの画像も公表した。

 軌道は、月に近いところで約八十キロ、遠いところで約百二十キロ。かぐやは精密な姿勢制御ができるようになり、観測機器を月に向ける作業も完了。十二月から本格観測を始める予定。

 画像は、かぐやのアンテナや観測機器を監視するカメラで撮影した。一枚は月の南極付近の横約二百キロ、縦約百五十キロの範囲で、約百八十キロ離れた二つのクレーター「デモナックス」と「ヘール」をとらえた。別の画像では、弧を描く南極近くの月面と、その奥に小さく浮かぶ地球が見える。

 かぐやは九月十四日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。順調に飛行し、搭載燃料は予定より数十キロ多く残っているという。

 宇宙機構の滝沢悦貞たきざわ・よしさだプロジェクトマネジャーは「危機的状況が発生する可能性のある段階は終わった。観測の準備に入れるようになり、ほっとしている」と話した。

「かぐや」月観測の軌道へ 宇宙機構が投入作業

2007/10/19 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構は十八日、月周回衛星「かぐや」を観測のための軌道に投入するため、最終的な軌道調整作業を実施した。

 同機構によると、作業は順調に終了し、今後、予定通り高度約百キロの円軌道を回っているかどうかが最終確認されれば、九月半ばの打ち上げから続いた月への飛行は成功したことになる。

 二十一日ごろまでに軌道の最終確認を終え、その後、観測機器の点検を経て、十二月から本格観測に移行する予定。

 かぐやは今月上旬に月を回る楕円だえん軌道に投入された後、月から遠い場所の高度を徐々に下げながら円軌道に近づいた。途中、竹取物語にちなみ「おきな」と「おうな」と名付けた二基の子衛星を順次放出。十四日からは、最終的に観測の軌道に投入するための軌道調整を断続的に実施し、十八日に最後の作業を行ったという。

 観測では、搭載した機器で月面の元素や重力の分布などを調べ、月の起源や成り立ちの解明を図る。ハイビジョンカメラで月の地平線から昇る「地球の出」も撮影する予定。

かぐやが子衛星を分離 監視カメラで月も撮影

2007/10/09 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構は九日、月周回軌道に入った衛星「かぐや」が、月の裏側の重力分布の様子を世界で初めて直接観測するための子衛星一基を分離したと発表した。分離後の子衛星とかぐやの状態は正常だという。同時に、アンテナ監視用カメラで撮影した月の画像も公開された。

 宇宙機構によると、かぐやは九日午前九時半すぎ、二基ある子衛星のうちの一基の「リレー衛星」を分離した。

 リレー衛星は、重さ約五十キロの八角柱状で、最も近いところで高度約百キロ、遠いところで約二千四百キロの楕円(だえん)軌道で月を回る。かぐやが地球からは見えない月の裏側に入った際に電波を中継する。その際、月の重力の影響でわずかに変化するかぐやの飛行状態を、電波の届き具合から追跡し、月の成り立ちと密接に関係する重力分布を探る。

 かぐやは十二日ごろに残る子衛星を分離。十九日ごろには予定した高度約百キロの円軌道に入り、十二月中旬ごろから本格観測を始める予定。

JAXA、月周回衛星「かぐや」を軌道に投入

2007.10.05- CNN

 東京(CNN) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、月周回衛星「かぐや(SELENE)」が同日午前6時20分、月の周回軌道に入ったと発表した。かぐやは今後約1年間にわたり、軌道上から月面を観測する。

 かぐやは9月14日、種子島宇宙センターから打ち上げられた。月の起源や現在に至る進化を探るためのデータ収集が目的。月に近い所で高度約100キロ、遠い所で約1万1700キロのだ円軌道に投入された。今後、主衛星から2基の子衛星を切り離しながら、高度約100キロの円軌道に入る予定だ。

 かぐやには、「月に願いを!」キャンペーンで寄せられた41万2000人以上の署名とメッセージも搭載されている。

 月周回衛星は日本に続き、中国が年内、インドと米国が来年にも打ち上げを計画している。

1かぐや、月周回軌道に=世界41万人の名前載せ−宇宙機構

2007/10/05- 時事通信

 宇宙航空研究開発機構は5日、探査機「かぐや」を計画通り、月周回軌道に投入したと発表した。同機構宇宙科学研究本部(神奈川県相模原市)で記者会見した滝沢悦貞マネジャーは「ミッション成功に大きなステップ」と述べた上で、搭載シートに書かれた世界約41万2600人の名前やメッセージを「月へお届けしました」と笑顔を見せた。

 運用チームは4日早朝、かぐやが月に接近したところでエンジンを約25分間噴射させ、減速。5日早朝、高度約100〜1万1700キロで月を周回する楕円(だえん)軌道に入ったことを確認した。今後徐々に円軌道に近づけ、9日と12日ごろに子機を一つずつ分離し、親機を19日ごろに同約100キロの観測軌道に投入する。

青い地球、闇に浮かぶ 「かぐや」がハイビジョン撮影 2007/10/01 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構などは一日、九月に同機構種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた月周回衛星「かぐや」が、搭載しているハイビジョンカメラで初めて撮影した地球の動画を公開した。

 九月二十九日、かぐやが地球の周回軌道から離れ月に向かって飛行中、地球から約十一万キロの位置で撮影した。

 真っ暗な宇宙空間に、ほぼ右半分が太陽光で照らされて青く輝く地球が浮かび、南米大陸の西海岸の海岸線や、大西洋上にある雲がくっきりと映っている。

 宇宙機構によると、今回の撮影はカメラの点検が目的で、正常に作動することが確認された。地球のハイビジョン映像は、高度約三百四十キロのスペースシャトルなどの軌道から撮影した例はあるが、これほど遠くからとらえたのは初めて。

 かぐやの飛行は順調で、今後、月周回軌道に入った後に計十四ある観測機器の点検を実施し、十二月中旬ごろから本格観測を始める予定。ハイビジョンカメラでは、月の地平線から昇る地球の姿も撮影する。

かぐや、2度目の軌道調整 月めざし、地球に別れ

2007年09月30日 asahi.com

 月探査機「かぐや」は29日、地球の周回軌道から離れて月の周回軌道へ向かうため、2度目の軌道調整をした。宇宙航空研究開発機構によると、同日昼に地球から約8500キロまで接近。計画通りエンジンを噴かして軌道を変え、順調に月をめざしているという。10月4日に月の周回軌道に入る見込みだ。

 かぐやは、14日に鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられた後、約2週間かけて超長円の地球周回軌道を2周した。

 地球から月までの距離は約38万キロで、直接目指せば数日で到達できるが、今回は約1年間の観測に不可欠な太陽電池パネルやアンテナの準備などに十分な余裕を持たせるため、あえて回り道したという。

 月に近づくと、最初は月からの距離が約100〜1万3000キロの長円軌道に入る。この「難関」をくぐり抜けると、月との距離を少しずつ詰めながら2基の子衛星を分離。高度100キロを回る円軌道に乗れば、12月中旬から観測を始める予定だ。

「かぐや」で何をするの?

2007年09月26日 asahi.com(提供:朝日学生新聞社)

ケン:月探査機「かぐや」は、今どうしているんだろう。

高山記者:地球の周りを回りながら、月に向かうタイミングを調整しているんだよ。十四日に打ち上げられた「かぐや」は地球の周りを二周してから月に向かうんだ。今ごろは二周目の中ごろあたりだと思う。十二月ごろから観測が始まる予定だよ。

ジャン:いま、なぜ月を調べるのかしら?

高山記者:月は地球の衛星で、最も近い天体だってことは、みんなも知ってるよね。でも、月の素顔は意外に知られていないんだ。

●一年間回りながら月の成り立ちなどを調べるよ

◆岩石の特徴など詳しく 水や氷があれば大ニュース

ケン:アポロが地球に持ち帰った月の石をくわしく調べたって聞いたことがあるけど……。

高山記者:アメリカ(米国)のアポロ計画では6回も宇宙飛行士が月面に降り立ったんだけど、月の表面のたったの1割しか調べられなかったんだ。飛行士の安全を最優先にしたため、6回とも地球から見える月の表側の平らな場所に着陸するしかなかったからね。アメリカが1990年代に打ち上げた小型の探査機二機は、観測機器の大きさや精度が十分でなく、満足のいくデータが集められなかったんだ。

ジャン:そもそも月はどうやってできたのかしら?

高山記者:月の起源について、おもに次の4つの仮説があるよ。 ▽45億年ほど前に地球といっしょにできた ▽地球からちぎれて生まれた ▽地球の引力につかまった ▽地球にほかの天体がぶつかったときに飛び散った破片が集まった。 今のところ、天体が衝突した説が有力なんだ。

ポン:「かぐや」は、どうやって月を調べるのかな?

高山記者:「かぐや」は日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機で、38年前に月に初めて人間が着陸したアポロ計画以来の本格的な探査なんだ。月の上空100キロほどの高度を一年間ほどぐるぐる回りながら、岩石の特徴やクレーターの形、地下数キロメートルのようすなどをカメラや電波でくまなく調べるんだ。

ケン:ふーん。ずいぶんいろんなことが分かりそうだね。

高山記者:世界の研究者は、水や氷について何か手がかりが見つかるんじゃないかって楽しみにしているみたいだよ。過去のアメリカの探査機が「月の極地(地球でいえば北極や南極)にたくさんの水や氷があるかもしれない」というデータを送ってきたので、さらにくわしい情報がつかめれば大きな発見になるね。

ジャン:どうして、月の水や氷が大ニュースになるのかな?

高山記者:だって、人間が月で暮らすのに必要な空気と飲み水をつくることができるし、水にふくまれる水素をロケットの燃料として使えるかもしれないからね。将来、人間が月に滞在できるようになれば、さらに遠い火星のような天体をめざす足がかりにもなるって期待されてるんだ。

ケン:すごーい。月から火星に飛ぶ時代がくるんだあ。

高山記者:もちろん、月で暮らすのはかんたんじゃないよ。月面では昼と夜の温度の差が200度以上もあるし、人体に有害な放射線の一種(宇宙線)も降り注いでいるからね。人間が月面で安全に過ごすには、課題が多い。

◆米・中・インドも打ち上げへ 日本は月面着陸も検討中

ジャン:月をめざしている国はたくさんあるのかな?

高山記者:アメリカは新しい宇宙船をつくって、再び人間を月に送って滞在させることをめざしている。ロシアも独自の計画を持っているみたいだよ。「かぐや」のすぐ後にも、中国の「チャンア1号」が年内に、来年にはインドの「チャンドラヤーン1号」が打ち上げられるんだ。ヨーロッパの国々も探査を検討していて、まさに月探査ラッシュだね。

ケン:日本はどうなの?

高山記者:「かぐや」を月に着陸させようという計画もあったんだけど、一歩ずつ着実に進めるために着陸はあきらめたんだ。「かぐや」が成功すれば、月面探査車「ローバー」を走らせようという構想もあるよ。国の宇宙開発委員会は、日本人を月面に降り立たせるような有人探査をやるかどうか、いま話し合っているんだ。まずは、「かぐや」による観測を成功させることが大事だね。

●おもな月探査機

1959年「ルナ3号」(旧ソ連)月の裏側を初めて撮影

  66年「ルナ9号」(旧ソ連)月面着陸に初めて成功

  69年「アポロ11号」(アメリカ)人類が初めて降り立つ

  90年「ひてん」(日本)日本初の探査機

  98年「ルナ・プロスペクター」(アメリカ)月の極地に「氷の可能性」

2003年「スマート1」(ヨーロッパ)

2007年〜「かぐや」(日本)、「チャンア1号」(中国)、「チャンドラヤーン1号」(インド)、「ルナ・リコネサンス・オービター」(アメリカ)

●きょうのポイント

▽月探査機「かぐや」がH2Aロケットで打ち上げられた(9月14日)。月の周りを回る軌道に入って、12月ごろから観測が始まる。

▽38年前に月に着陸したアメリカのアポロ計画以来の本格的な探査になる。月の周りを約1年間回りながら、岩石の特徴やクレーターの形などをカメラや電波でくわしく調べる。

▽日本に続き、来年までにアメリカ、中国、インドが探査機を月の周回軌道に送りこむ予定。ヨーロッパの国々も探査を検討していて、各国の月探査への関心が高まっている。

記者:高山 裕喜(朝日新聞科学グループ)

「かぐや」の旅 月の上空100キロから観測

2007年09月13日 asahi.com

 H2Aロケットで打ち上げられた「かぐや」は、まず地球を2周して衛星としての基本的な機能を確認する。この間に、約13畳分の広さがある「太陽電池パドル」や通信用「ハイゲインアンテナ」を展開する。(アサヒ・コム編集部)

 打ち上げ時は、燃料約1.2トンを搭載しており、総重量約3トン。月周回軌道に入ると、徐々に高度を下げながら、二つの子衛星(それぞれ重量約50キロ)を、高度2400キロと800キロで分離。軽量の子衛星には推進や姿勢制御のための装置がないので、切り離す時に回転を与えて安定させる。回っているコマが倒れないのと同じ原理だ。

 打ち上げ約35日後には、主衛星が月の上空約100キロの円軌道に入る。観測用のマストやアンテナの展開、機器の立ち上げ、動作チェックを終え、通常観測を始めるのは、打ち上げ約3カ月後の12月半ば。10カ月間観測をする。

 太陽光圧の影響を受けるため、100キロの円軌道に主衛星を維持するには、燃料が必要。燃料が尽きたら、月の表面に落下し、月にとどまることになりそうだ。

 ところで、打ち上げの日時は、なぜ秒まで決まっているのだろう。1秒ずれると、地球の自転や月の公転のために、月の方向や月までの距離が変わってしまう。燃料を極力使わず、効率的に月へ向かう最適の経路をたどるには、打ち上げの瞬間は、1日の中の1点に限られてしまうのだ。

 13日午前10時35分47秒に打ち上げ予定だったが、天候の悪化が予想されることから、11日のうちに延期が決まった。新たな日時は、14日午前10時31分01秒。21日までが打ち上げ予備期間で、延期されれば打ち上げ日ごとに時刻が設定される。

 日本では漁業との関係で、打ち上げが可能なのは原則、夏と冬。打ち上げに適した条件が整うのは月に10日間ほどという。

月周回衛星「かぐや」公開 8月打ち上げへ準備順調

2007年06月18日 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構は18日、H2Aロケット13号機で8月16日に打ち上げを予定している月周回衛星「かぐや」を、鹿児島県の種子島宇宙センターで公開した。搭載された機器類の試験は既に終了。トラブルはなく、準備は最終段階に入っているという。

 かぐやは観測機器を搭載した主衛星と、地上と主衛星の電波中継などを行う2つの子衛星で構成され、主衛星の上部に子衛星が搭載された状態で打ち上げられる。全体の高さは約5・5メートル、重さ約3トン。ことし3月に同宇宙センターに搬入された。

 打ち上げ後は約1年にわたって月の重力や磁場の分布、表層構造などのデータを取得。身近だが、いまだに謎の多い月の起源やどのように形成されたかの解明を目指す。米国のアポロ計画以来、初めての本格的な観測だという。

 ハイビジョンカメラも搭載し、月の地平線から昇る地球の映像を撮影、地球に送信する計画もある。

かぐや、8月16日打ち上げ 月を周回へ

2007年06月13日 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構などは13日の宇宙開発委員会で、月周回衛星「かぐや」を搭載したH2Aロケット13号機を、8月16日午前9時30分に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げると明らかにした。

 かぐやは、観測機器を搭載した主衛星と、地上と主衛星の電波の中継などを担う2つの子衛星で構成される。主衛星は高度約100キロを周回しながら月の詳細な地形や表面の元素、鉱物分布、重力などを観測。最も身近な衛星なのに謎に包まれている、月の起源や進化過程の解明を目指す。ハイビジョンカメラも搭載し、月の地平線から昇る地球の姿を高画質で撮影し、地球に送信する。

 また、同機構は13日までに、これまで約115億円としてきた13号機の打ち上げ費用を約110億円と訂正した。H2Aは本年度から三菱重工業に民間移管され、今回が移管後初の打ち上げとなる。

月衛星、愛称「かぐや」に 打ち上げ8月中旬で調整

2007年06月06日 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構は6日、公募していた月周回衛星「セレーネ」の愛称を「かぐや姫」にちなんだ「かぐや」と決めたと公表した。約1万件あった応募のうち、最多の約1700件を占めたという。

 衛星を搭載したH2Aロケット13号機の打ち上げは、8月中旬とする方向で調整中。具体的な日程は近く発表する。

 同機構は、今回の打ち上げ費用がロケット製作や地上の安全管理などを含め計約115億円になることも公表した。H2Aは今回から民間移管で三菱重工業が打ち上げ主体になるが、費用に占める同社への支払額は明らかにしなかった。

 また三菱重工は、これまでH2Aの打ち上げ前に実施していた「極低温試験」を今回から取りやめると表明した。

 「かぐや」は月の上空を周回し、詳細な地形とともに表面の鉱物や元素分布、重力分布などを観測。月がどのように形成されたかの解明を目指す。

月の内部探査を中止 機器開発遅れで宇宙機構

2007年01月15日 中国新聞ニュース

 宇宙航空研究開発機構は、15日の宇宙開発委員会部会で、月に「ペネトレーター」と呼ばれるやり形の観測機器を打ち込んで内部構造などを探る、ルナA計画を中止する方針を明らかにした。

 ペネトレーター開発に手間取り、約10年前に完成した母船が劣化してしまったためという。

 同機構は、ペネトレーター開発は継続し、将来国内外で実施される月や惑星探査で使いたい考え。既にロシアなどから使用の打診があったという。中止は、部会の評価を受けて正式決定する。

 ルナA計画は、地震計などを搭載したペネトレーターを母船から月面に打ち込み、内部構造や、地球の地震に当たる「月震」発生の仕組み解明などを目指していた。当初は1995年に打ち上げ予定だったが、ペネトレーターの開発遅れで度々延期されてきた。

 同機構は、母船の修理や新たな母船製作も検討したが、費用がかかり過ぎるため断念した。

月探査機を08年10月に打ち上げ NASA

2006年05月19日 asahi.com

 米航空宇宙局(NASA)は18日、月探査機「ルナリコネッサンス」を08年10月に打ち上げると正式に発表した。高度約50キロの周回軌道から月面の詳細な地形、温度、水の分布、宇宙線(放射線)の強さといった「住環境」を詳しく調べ、将来の有人宇宙船の着陸地点選びなどに役立てる。

 NASAは2018年に月に4人の宇宙飛行士を送り込み、1週間程度滞在させる計画だ。この探査機はその実現に向けた最初のステップとなり、月を南北に回る軌道に投入される。6種類の観測装置を搭載し、約1年間、調査を続ける。

 また、水の存在を確かめる小型観測機も相乗りさせる。月の周回軌道に入った後、燃えがらのロケットと小型観測機を月の南極に相次いで衝突させ、飛散してくる物質を観測する。NASAは先月、この月版の「ディープインパクト」を、ルナリコネッサンスの飛行とあわせて、実施することを発表している。

月に衝突させ、水の存在探る NASAが08年打ち上げ

2006年04月11日 asahi.com

 米航空宇宙局(NASA)は10日、月の南極にロケットの燃えがらと小型の人工衛星を相次いで衝突させ、飛び散った物質を観測して水の存在を確かめる計画を発表した。昨年7月に彗星(すいせい)に子機をぶつけて内部物質を調べた探査機「ディープインパクト」の月版。08年10月に打ち上げる。

 計画では、探査機「ルナリコネッサンス」と小型衛星を一緒に打ち上げ、まずルナリコネッサンスを月の周回軌道に投入する。これで燃料を使い切ったロケットを月の近くで小型衛星から分離し、南極付近に衝突させる。

 その15分後、飛散物が舞い上がっているところに衛星を突っ込ませ、成分などを観測する。この衛星も、そのまま南極付近に衝突させる。

 一連の衝突の様子は、ルナリコネッサンスでも観測する。

 もともと、ルナリコネッサンスの打ち上げ計画があったところに、月版ディープインパクトを相乗りさせることにした。

 ロケットの燃えがらの重さは約2トン。衝突の際に飛散物が舞い上がる様子は、地球上からも観測できるほどだという。NASAは、衝突地点には「深さ5メートル、フットボール場3分の1ほどの広さのクレーターができる」としている。

 ルナリコネッサンスは月を南北に回る周回軌道に投入される。月の詳細な地形や水の分布などを調べ、将来の月有人探査の再開に必要なデータを集める。

 米国のブッシュ大統領が04年に発表した新宇宙戦略によると、08年までに複数の無人月面探査機を打ち上げ、早ければ15年にも月面へ飛行士を送る。その後、長期滞在用の活動拠点をつくり、火星などの探査を目指すという。

有人月探査のため日欧中露印に協力呼びかけ…NASA

2005年11月29日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)のグリフィン長官は、2018年の再開を目指す有人月着陸実現のため、日本、欧州、中国、ロシア、インドの5か国・地域に協力を求めることを決めた。手始めに、各国が打ち上げる月探査機の観測データの提供を呼びかける構想を示している。

 長官がこのほどワシントンの政策研究機関で行った講演の中で明らかにした。それによると、NASAは、インド初の月探査衛星「チャンドラヤーン1」に観測機器2個を、米国の月偵察周回機にロシアの中性子検知器を搭載する計画を進めているという。

 長官は、日欧中が独自に打ち上げる月探査機についても「観測で得られた成果を共有し合うのが我々すべての責任だ」と言明し、国際宇宙ステーション(ISS)と同様に多国間で進めるのが望ましいとの考えを強調した。

月面基地でも酸素は安心? 米、探査再開へ鉱物観測

2005/10/20 The Sankei Shimbun

 米国が2018年に有人探査再開を計画している月の表面に、酸素の供給源になるチタン鉄鉱が広く分布している可能性があることが、米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡の観測で19日明らかになった。

 NASAは月面基地に宇宙飛行士を滞在させ、将来の火星探査への足掛かりとする計画。大気がない月で、飛行士の生命維持に欠かせず、ロケットの燃料にも使える酸素が調達できる利点は大きく、NASAはデータを詳細に分析するとしている。

 ハッブル望遠鏡は、反射の違いで月の表面の成分を見分けられる紫外線カメラなどで、1971年と72年に月に着いたアポロ15号、17号のそれぞれの着陸地点と、これまで探査されたことがない直径約42キロの「アリスターカス」というクレーター付近を観測。同クレーターと17号の着陸地点で、チタン鉄鉱らしい鉱物分布を見つけた。

 NASAによると、チタンと鉄の酸化物であるチタン鉄鉱からは容易に酸素を抽出できる。アポロ飛行士らが持ち帰った月の石にも一部含有されていたが、分布の規模は分かっていなかった。(共同)

NASAが宇宙用原子炉計画…月面や火星探査で

2005年10月01日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)が月面などでの使用を想定した宇宙用原子炉の開発に着手することが30日明らかになった。

 将来の月面基地や火星有人探査では、大電力を安定供給する必要があるため、宇宙での原子力利用法を開発する「プロメテウス計画」の新たな優先目標に設定された。

 月や火星に設置される原子炉は宇宙飛行士の装備や生命維持用に電源を提供するだけでなく、長期滞在に不可欠な水や燃料の製造、資源利用のためのエネルギー源として活用される。

 原子炉や核燃料の打ち上げなど、安全性の確保で多くの困難が予想されるが、将来的には探査設備の大規模化で100キロ・ワットを超える電力が必要になるうえ、火星のように太陽光が弱い場所で有人探査を行うには、太陽電池では困難と考えられ、NASAは原子力を有人探査の主力電源と位置づけている。

 方針転換のあおりを食うのは、原子力推進ロケットで、プロメテウス計画の最優先事項から外された。

 10月からの2006会計年度の同計画予算は、当初要求された3億2000万ドルから半分近い1億4000万ドルまで削減され、浮いた予算はシャトル後継機開発に回される。

2018年、再び月へ NASA有人飛行計画

2005/09/20 The Sankei Shimbun

≪アポロから46年ぶり≫

 米航空宇宙局(NASA)のグリフィン局長は19日(日本時間20日)記者会見し、スペースシャトルの後継機となる宇宙船を開発して2018年に飛行士を月に送ると発表した。

 ブッシュ大統領が昨年打ち出した新宇宙政策に沿った計画で、予定通り実現すれば1972年の「アポロ17号」以来46年ぶりの月面着陸となる。将来は火星有人探査への活用も目指す。

 同局長によると、後継機は、宇宙飛行士と貨物を同時に運ぶこれまでのシャトルのシステムと異なり、月に4人を運べる有人探査機(CEV)と、貨物専用の大型輸送ロケットに役割を分ける。貨物ロケットで月面着陸機を地球を回る軌道に打ち上げ、CEVとドッキングさせて月に向かわせる。開発費は18年までに計1040億ドル(約11兆6000億円)を見込む。

 CEVは、シャトルの固体補助ロケット(SRB)を基本的に活用し、人が乗るカプセル型の宇宙船を搭載する。アポロ宇宙船への回帰を思わせる形だが、能力は格段に向上。4人の飛行士を7日間、月面に滞在させる計画だ。

 問題が起きた際に脱出できるシステムを備えるなど、宇宙飛行士の安全をより重視した構造で、10回ほどの再使用が可能。帰還時はパラシュートとエアバッグで陸地に降りるが、着水もできるという。NASAは10年までにシャトルの飛行を取りやめることを決めており、12年にCEVを地球周回軌道にまず打ち上げたい考えだ。

 125トンを運べる大型貨物ロケットは、主エンジンなどシャトルの主要構成要素を大幅に活用し、開発期間の短縮やコストの低減を図る。

 月面基地建設の候補地としては氷やエネルギー源となる太陽光が豊富だとみられる月の南極が浮上している。NASAは08年から無人探査で適地を探すとしている。(共同)

18年にも月に再び飛行士を NASA計画、米紙が報道

2005年09月18日 asahi.com

 米航空宇宙局(NASA)が2018年にも月に宇宙飛行士を送る計画であると16日、米紙ニューヨーク・タイムズが宇宙開発関係者の話として伝えた。月や火星への有人飛行を目指すスペースシャトルの後継宇宙船の開発計画について、ホワイトハウスから基本的な同意を得たという。月への有人飛行が実現すれば、1972年の米アポロ17号以来となる。

 ブッシュ大統領は昨年1月に「新宇宙戦略」を発表し、遅くても20年までに月に飛行士を送るとしていた。

 開発される後継宇宙船は事故の危険を減らすため、シャトルとは異なり、人と荷物を別々の宇宙船で運ぶ方式が採用されそうだ。打ち上げにも、それぞれ違うタイプのロケットが使われる。

 同紙によると、こうした計画について、NASAのマイケル・グリフィン長官が15日にホワイトハウス側に説明し、同意を得たという。後継宇宙船の最初の打ち上げは、12年ごろとみられる。

 月への有人宇宙飛行については、中国が20年以降に飛行士を送る計画を公表。欧州宇宙機関も20年ごろに実施するとしている。月は、米国がアポロ計画で初めて人類を送り込んだ「聖地」だけに、他に後れをとるわけにいかないという事情がある。

月クレーターなぜ誕生? 40億年前に小惑星が集中衝突

2005年09月17日 asahi.com

 月や火星などにある古いクレーターの多くは、約40億年前に起きた小惑星の集中的な衝突によって形成された――。こんな結論を国立天文台と米アリゾナ大の研究チームが導き出し、16日発行の米科学誌サイエンスに発表した。

 約46億年前に誕生した太陽系では約40億年前ごろ、激しい天体の衝突が集中的に起きたと考えられている。その結果、地球や月、火星などに多くのクレーターができたが、衝突した天体が彗星(すいせい)か小惑星かは、はっきりしていなかった。

 チームは月と火星、水星の計1万数千個のクレーターを調べ、直径から衝突した天体の大きさごとの割合を求めた。さらに、火星と木星の間に数多く存在する小惑星の大きさの割合を調べたところ、衝突した天体の大きさの割合とほぼ一致し、衝突した天体が小惑星だったと結論づけた。太陽系の形成過程の一端が解明された形だ。

 研究に加わった伊藤孝士・国立天文台主任研究員によると、約40億年前の太陽系では何らかの要因で、木星と土星の軌道が変化したとみられる。伊藤さんは「巨大な木星や土星が動いたことで、惑星間の引力のバランスが崩れて小惑星の軌道も変わり、月や火星などに降り注いだのではないか」と話している。

2018年、4飛行士を月に NASAが新計画発表へ

2005/09/16 The Sankei Shimbun

 2018年に4人の宇宙飛行士を月に送る計画を米航空宇宙局(NASA)が固め、週明けにも詳細を発表する、と米宇宙専門メディアの「スペースドットコム」が15日までに報じた。人類の月面着陸は1972年の「アポロ17号」以来で、計画通り実現すれば46年ぶりの月回帰だ。

 ブッシュ大統領が昨年打ち出した新政策に従い、将来、火星などの有人探査を行う拠点として月を活用する狙い。最初は飛行士らが1週間滞在、やがては月の南極付近に基地の建設を検討するという。

 計画では、宇宙飛行士を乗せた有人探査機(CEV)と、推進装置に結合させた月面着陸機を別々に打ち上げ、地球周回軌道でドッキングさせて月に向かわせる。

 CEVは、10年までに退役するスペースシャトルの後継機で、固体補助ロケット(SRB)などシャトルの主要構成要素を活用した推進部の上に、カプセル形の宇宙船が載る構造。NASAはシャトル引退後1年以内の初飛行を目指すという。

 着陸機の打ち上げには、125トンまで運べる貨物専用輸送機を開発するが、これもSRBや主エンジンなどシャトルの要素を多く利用する。(共同)

20年後には月面無人基地も…日本の宇宙開発中間案

2005/01/07 読売新聞 Yomiuri On-Line

 日本の宇宙開発の20年後を見据えた、宇宙航空研究開発機構の長期ビジョンの中間取りまとめ案が6日、わかった。

 月面無人基地の建設や国際協力による有人活動、惑星探査の中継点となる深宇宙港構想などが柱となっている。来週から外部有識者による検討を始め、3月に最終報告案をまとめ、国の第3期科学技術基本計画(2006年度―2010年度)に反映させる。

 案によれば、月に無人の「平成基地」を作るとともに、各国と協力し有人活動拠点に日本人飛行士を滞在させる。太陽光発電衛星を開発し、月面の基地などに供給する。また、地球から150万キロの宇宙空間を「深宇宙港」と位置づけ、光学やエックス線の望遠鏡を置いたり、木星や土星の探査の足がかりにする。


月周回軌道に初到達 欧州の探査機

2004/11/17 The Sankei Shimbun
 欧州宇宙機関(ESA)は16日、小型月面探査機「SMART1」が15日夜(日本時間16日未明)、欧州の探査機としては初めて、月を周回する軌道に乗ったと発表した。来年6月までの予定で月面の鉱物や水分の状況などを調べる。

 ドイツ南部ダルムシュタットのESAオペレーションセンター担当者によると、SMARTは15日午後6時48分(日本時間16日午前2時48分)、月から約5000キロの位置に到達。初めて採用された太陽電池による推進システムをテストしながら、月面の撮影などを続ける。

 同様の計画は日本や中国も数年以内に実施する予定。(共同)

日本の月探査機さらに3年延期、計画中止の可能性も

2004/08/11 読売新聞 Yomiuri On-Line
 9年間も打ち上げが延期されている月探査機ルナーAについて、打ち上げ中止の検討も含めて抜本的に計画を見直すと、宇宙航空研究開発機構は11日、文部科学省宇宙開発委員会に報告した。

 探査装置に不備が見つかり、さらに3年の延期が必要になったため。

 同機構は来月中に結論をまとめるとしている。

 ルナーAはヤリ型の探査装置を2本、月面に打ち込み、月の内部構造を調査する衛星。1995年度打ち上げ予定だったが、探査装置にひびが入る危険性や、衛星本体と探査装置の分離の機能不全などを理由に6回延期されてきた。

 今年1月からの点検では、探査装置で収集したデータを衛星本体に送信する方式が不安定で、改良には3年かかることが判明。

 ルナーAの当初予算は200億円だったが、すでに30億円超過。さらに延期されれば25億円程度が必要になる。

 日本の科学衛星で9年以上も打ち上げが延期された例はない。総合科学技術会議はルナーAには厳しい評価を下すなどしており、ルナーA計画は中止される可能性が出てきた。

宇宙開発事業団が月探査計画を2回に分散

2000.06.18(09:39)asahi.com
 宇宙開発事業団と文部省宇宙科学研究所が協力して月探査に挑む「セレーネ計画」が、大幅に変更されることになった。当初計画では、同事業団の次世代主力ロケットH2Aを使って2004年度にすべての装置を打ち上げる予定だったが、月の周りを回る観測衛星と月面への無人着陸実験機を別々に打ち上げることにした。1回目は2004年度、2回目は2006年度以降になる予定。ロケット打ち上げの相次ぐ失敗などを教訓にリスク分散を図った。

 当初計画では、人工衛星(約2.9トン)を2004年度に打ち上げ、月の周囲を1年間回って元素や鉱物の分布などを調べた後、衛星の一部を切り離して月面軟着陸の実験をすることになっていた。

 しかし、同事業団と宇宙研は、1回の打ち上げ失敗ですべてを失う危険を避けるため、2回に分ける方針を固めた。宇宙開発委員会で近く正式決定される見通し。

 2回に分けることで、約300億円だった総費用は100億円以上増える見込み。宇宙開発分野のリスクを加味した経済性を追求するモデルケースとなりそうだ。

 宇宙研によると、2回目の打ち上げまでに、米国製を使う予定だった月面着陸のための高度・速度計を国産化する。また、着陸場所に障害物があったときに避ける技術も開発する。宇宙研の計画担当者である水谷仁教授(惑星科学)は「これで5%程度と見込んでいた着陸失敗の確率をさらに下げられる」という。

 同事業団広報室は「日本で初めての本格的な月探査計画なので、成功に向けて、より慎重に計画を進めることにした」と話している。

月探査機、目的のクレーターに突入

(August01,1999)
 米航空宇宙局(NASA)の月探査機ルナプロスペクターは31日午前5時52分(日本時間同日午後6時52分)、月の南極に近いクレーターに突入した。NASAエームズ研究センターの管制室によれば、ほぼ目的の場所に衝突した、という。衝突によるチリや蒸気が見えたという報告はすぐにはなかったが、今後、氷の存在を示唆する水蒸気が観測されたかどうかを分析する。

 木星に衝突したシューメーカー・レビー第9すい星の発見者で、月面に立つのが夢だったユージン・シューメーカー博士の遺灰は、探査機とともに、念願の月に到達した。

31日夕、探査機が月に突入 宇宙研究者の遺灰も月に

(July 30,1999)
 米航空宇宙局(NASA)の月探査機ルナプロスペクターが31日午前5時51分(日本時間同日午後6時51分)、月の南極に近いクレーターに突入する。氷があるかどうかを調べるのが目的だ。探査機には、木星に衝突したシューメーカー・レビー第9すい星の発見者であるユージン・シューメーカー博士の遺灰も積み込まれている。クレーター研究の第一人者で、かつては自ら月面に立つ夢も抱いた博士は、ついに念願の月に眠る。

 ルナプロスペクターは総費用6300万ドルの安上がり探査機で、昨年1月打ち上げられた。月の周りを回りながら磁場の観測などを続け、中性子の観測で氷の存在をうかがわせるデータも得た。クレーターへの突入はもともとの計画にはなかったが、衝突でまき散らされるチリを地上や宇宙の大望遠鏡で観測すれば、水蒸気があるかどうかわかるはずと、最後のひと働きが計画された。

 シューメーカー博士は月とクレーターに関心を持ち、初期の月探査計画からかかわってきた。

月の南極に氷が存在か=米研究者

(1999年06月04日)[ワシントン 3日 ロイター]
米コーネル大学と米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所の科学者グループがサイエンス誌に発表した研究結果によると、月の南極に、氷が何万年間も溶けないで埋まっているクレーターが存在することを確認した。 昨年1月に打ち上げられたNASAの無人月探査機は、月の両極で広範囲におよぶ水素を発見した。科学者グループは、これが氷の存在を示す証拠としている。 レーダー探査した結果、将来の月世界探査では水を入手ることができるとしている。

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