TOPIC No.6-3 国際宇宙ステーション(ISS)

01 日本実験棟「きぼう」/国際宇宙ステーション(ISS)を見よう
02 日本実験棟「きぼう」/国際宇宙ステーション(ISS)
03 国際宇宙ステーション(International Space Station、略称:ISS)  byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
04 宇宙ステーション・きぼう広報情報センターby宇宙航空研究開発機構
05 ISS【国際宇宙ステーション】 WIRED記事一覧


ロボット宇宙飛行士CIMON、国際宇宙ステーションへ

2018年6月30日 by Sarah Wells TechCrunch Japan

 国際宇宙ステーションに向けて今朝、新たな宇宙飛行士が補給物資を載せたSpaceX社のロケットで出発した。その宇宙飛行士は、メディシン・ボールほどのサイズだ。CIMON (Crew Interactive Mobile Companion)は、欧州宇宙機関の宇宙飛行士が宇宙ステーションで行う毎日の業務をアシストするために、AirbusとIBMが共同で開発した人工知能アシスタントだ。重量はわずか11ポンド、メディシン・ボールほどのサイズ。この小さな宇宙飛行士はIBMが開発したワトソンのニュートラルネットワークという武器を持っている。

 宇宙ステーションのクルーは、CIMONと音声コマンドで連携をとり、実験などの手順のデータベースにアクセスできる。AirbusでCIMONプロジェクトを主導したTill EisenbergがSPACE.comに語ったところによると、CIMONはクルーの気分やムードを感知することもできる。

 今年2月に発表されたCIMONの投入についてのニュースリリースでは、CIMONのフレンドリーな顔や声に加え、感情知性でもってCIMONは本物の宇宙飛行士のように働く、とAirbusは述べている。手始めに、CIMONには友達がビルトインされている。

 今日の打ち上げの前に、CIMONはドイツ人宇宙飛行士Alexander Gerstとトレーニングを行った。Gerstの声と顔を認識し、宇宙ステーションで行う3つの異なる実験を完了させられるようアシストするというものだ。CIMONは地球物理学者や火山学者が宇宙ステーションで結晶生成を研究するのを手伝い、ビデオデータを使ってルービックキューブを攻略したり、“高度なカメラ”として医学実験を記録したりする。

 CIMONのGerstとのミッションは今年10月までとなっている。しかしAirbusは将来的にはCIMONがもっと長い期間、宇宙飛行士と行動を共にし、長期宇宙飛行における社会変動ーきたる火星植民の構想を考えるときに重要なテーマとなるーについての科学者の研究を手伝えるようになればと考えている。(翻訳:Mizoguchi)

2024年に引退後、国際宇宙ステーションは民営化。一般宿泊チケットはおいくら?

2018.06.19 GIZMODO

 どんな人達が行くのでしょうね。

 かねてより2024年に引退することが決まっており、その後どうするの? と心配されていた国際宇宙ステーション(ISS)。今後は民間企業が買収し、宇宙飛行士でなくても遊びにいけるようになるんですって。

 買収する企業はAXIOM SPACE。ここは、NASA内外の宇宙航空事業に深く関係してきた精鋭たちが立ちあげた会社です。

 そして、プレスリリースには一般人のチケットの料金が記載されていました。

”10日間で55億円”

 ……せめてゼロがあと4つくらい少なかったら、私たちでも頑張って行けそうですが、まだまだビル・ゲイツ級の億万長者じゃないと敷居が高そう。

 しかもただお金を払えば行けるものでもなく、年齢制限は医療検査に合格した21歳以上と定められており、加えて2年間みっちり特別な訓練を受けて心身を鍛えなくてはならないのです。

 元ISSは改装とモジュール合体が行なわれ、「AXIOM STATION」に名を変えるとのこと。16名までが滞在できるこのステーションには、巣のように居心地の良い個室(内側が柔かい電話ボックスみたいなもの)が与えられ、はるか400km彼方の故郷を眺めながら高速インターネットを楽しむことができるんだとか。宇宙服はイタリアのブランド、モンクレールがデザインし、食事は宇宙食……ではなく宇宙基地に似合わないグルメが提供されます。

 「AXIOM STATION」はただの宇宙ホテルになるのではなく、ISSが行なっていたような研究や実験も引き続き可能です。それに、民間運営なのでロゴや看板などを設置し、企業からの広告も受け付けるんだそう。地上からは、きっと天体望遠鏡から広告が見えるんでしょうね。

 AXIOM SPACEは2020年より事業を本格展開し、ISS引退前から引き継ぎを行なっていく予定です。もし私たちがお金の工面と訓練を乗り越えてここに辿り着けたら、みんなでピッツァを食べながら『スター・ウォーズ』鑑賞会を開きたいものですねぇ。

 ウリのひとつである巨大な窓から見る、低軌道を周回するパノラマは一生モノの経験になるでしょう。かつての宇宙飛行士たちのように、未確認飛行物体を目撃できるかもしれませんよ。

国際宇宙ステーションからの超小型衛星放出サービス事業者として選定

2018年5月29日三井物産

 三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永竜夫、以下「三井物産」)は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川宏、以下「JAXA」)による国際宇宙ステーション(以下「ISS」)日本実験棟「きぼう」からの超小型衛星放出サービス事業の事業者選定入札に応募し、事業者として選定されました。今後、三井物産グループとしてISSから宇宙空間への衛星放出事業を展開すべく、JAXAとの正式契約の締結を目指します。

 ISSは、地上約400km上空の地球低軌道に建設されており、日本の他、米国、ロシア、ヨーロッパ諸国、カナダなど各国宇宙機関による共同運用を通じ、人類の生活や産業の発展に役立つさまざまな実験や研究を行っています。これまで7名の日本人宇宙飛行士がISSに派遣されました。

 本事業は「きぼう」を活用した事業の民間への開放第一段であり、三井物産グループの総力を挙げて、国内外の幅広い利用者に対する超小型衛星放出の機会の紹介、およびそれに付随するさまざまなサービスの提供を通じて、JAXAとの協力関係をさらに深化させつつ、「きぼう」を通じた宇宙空間の有効活用への貢献を目指してまいります。

宇宙ゴミから守れ! 国際宇宙ステーションがレーザー機器を共同開発

2018年05月20日 スプートニク日本

ロシア、日本、フランス、イタリアの研究者らが国際宇宙ステーション用に宇宙ゴミからステーションを守るためのレーザー機器を共同で開発している。

 機器は数センチの大きさの宇宙ゴミとの衝突を避けるためのもの。数センチとわずかな大きさでも宇宙空間にはこのサイズのゴミが多く浮遊しており、これがステーションに衝突すると非常に危険。

 軌道用レーザー機器の開発案は2015年に日本の研究者らから提案されていた。当初の案ではレーザーは1万本のファイバーにエネルギーを集中させるというものだったが、こうした場合、ステーションの発電するエネルギーのすべてが使われることになり、実現は不可能だった。 そこでロシア科学アカデミー応用物理研究所は日本の研究者らにファイバーの数を1万本から100本へと減らすこと、そして通常の光ファイバーを用いるのではなく、同研究所と共同で極細のファイバーを開発することを提案した。こうするとファイバーに使用される電力量はステーションのエネルギー全体のわずか5%で済む。

 国際的な研究者グループが開発製造に取り組むこのレーザー、重量はおよそ500キロで容積は1立方メートルを少し超える程度におさまる。発射時間は10秒、射程距離は10キロ。このレーザーが宇宙ゴミを打ち砕くとゴミは雲状に細かくなり、ステーションにはなんの危険ももたらさない。

もしかしてエイリアン? 国際宇宙ステーションの外で微生物を発見

2017.12.18 産経ニュ−ス

 国際宇宙ステーションの表面でロシア宇宙飛行士らが採集した標本から、モジュールの打ち上げ前には存在しなかった微生物が検出された。どうやら宇宙からやってきたようだが−−それは本当にエイリアンなのか?

 事実はこうだ。ロシアの宇宙飛行士アントン・シュカプレロフは、ロシアのイタルタス通信のインタヴューで、国際宇宙ステーション(ISS)の外部表面で採取された最新のサンプルが、モジュールの軌道投入のあとは存在していなかった微生物を含んでいると語った。

 ひょっとしてわたしたちは、歴史上最も重要な発見のひとつを前にしているのだろうか? わたしたちはエイリアンを見つけたのだろうか?

 あまり興奮し過ぎないようにしよう。そうだとしたら、ニュースの大きさは全く違ったものになるだろう。それにどんな公式ソースもいまのところ、発言に裏付けを与えていない。とはいえ、何か奇妙なものが発見されたようだ。

 しかし、それが何なのか、どのようにして起きたなのか、どこからのものなのかは正確にはわからない。シュカプレロフは、最初の分析によると微生物が危険とは思われないこと、これが宇宙からやって来た可能性が非常に高いことを付け加えただけだ。

 OK。宇宙からやって来たということだ。しかしどこからだろう?

 ひとつの仮説は、地球外生命体が星間塵とともに旅をして、わたしたちのところまでたどり着くことができるというものだ。星間塵は宇宙を通過する旅のなかで、天体の大気と衝突して、自らととも異星の微生物を連れて行くことがあるだろう。

似たようなメカニズにも実現可能性

 ばかげた考えに思えるかもしれない。しかし最近、学術誌「Astrobiology」は似たようなメカニズムの実現可能性を証明する論文を掲載した。実際のところ、この研究は反対方向からこの問題に取り組んでいる。つまり、地球から宇宙への微生物の移動だ。しかし、宇宙のほかの場所で同じことが起きる可能性を排除することはない。

 いずれにせよ、微生物が本当にエイリアンである、つまり宇宙の地球以外の場所からやってきていると断言する前に、非常にたくさんの検証が必要だ。そしてありうることとはいえ、可能性はほかのものよりずっと少ないと言える。理由を見ていこう。

 国際宇宙ステーションは惑星表面から330kmから435kmの高度で地球の周りを回っている。たしかに宇宙だが、まだ地球の大気にとどまっている。熱圏と呼ばれる層だ。ここでは極度に希薄ではあるが、まだ空気がある。したがって、なんらかの微生物(例えばクマムシ)が地球から熱圏に運ばれてきて、このような極限状況で生存することができるということはありえる。

 ひょっとしたら、国際宇宙ステーションの表面に付着するかもしれない。他方で、似たようなことはすでに起きた。これも国際宇宙ステーションの外でのことだが、ロシア人たちがプランクトンの痕跡を見つけたときのことだ。

 さらに指摘すべきは、国際宇宙ステーションが無菌ではないということだ。人間や、地球を行き来する物体であふれているので、無菌であることは不可能だ。したがって、ロシア人たちが発見した微生物が実際に他の天体からやってきた生命体で、ステーション内部との混交の結果ではないと証明するのは、実に困難なことになるだろう。

もうすぐ寿命を迎える国際宇宙ステーションの解体が予定される。巨大な花火を見ることができるかも、とNASA

2017年05月14日 カラパイア

 1999年から軌道上での組立が開始され、2011年7月に完成した国際宇宙ステーションだが、いよいよ寿命が近づいてきた。

 アメリカ、ロシア、カナダ、日本は少なくとも2024年までは運用を継続する方針を発表しているが、いずれ国際宇宙ステーションは資金の問題から解体される予定であることを、NASAの元主任研究員エレン・ストーファン氏が明らかにした。

2028年には寿命を迎える国際宇宙ステーション

 「国際宇宙ステーションの将来はNASAにとって大きな問題です。予算は2024年まではありますが、それは火星への有人飛行ミッションに振り分けるべきものです」とストーファン氏。

 「2024年以降もきちんと維持しようと思えば、火星ミッションの予算が削られますし、2028年には機能しなくなります。サッカー場くらいの大きさですから、大まかな予定としては太平洋に落とすことになっています」

太平洋へ投棄で、地球では流星群のような光景がみられる

 国際宇宙ステーションが大気圏に突入すれば、燃料タンクとモジュールの爆発によって流星群のような光景が見れるそうだ。

別の宇宙ステーション開発の可能性も

 また現在のものよりもさらに野心的な宇宙ステーションに置き換えられる可能性もある。これは火星ミッションのための中継基地の役割を果たす。つまり、「火星行きの宇宙船のモジュールを打ち上げ、それを月軌道上で組み立てる」のだ。

 欧州宇宙機関のデビッド・パーカー氏は、国際宇宙ステーションの年間コストが440億円に達していると指摘する。

 「2020年代中頃からは、この資金を地球低軌道より先の探索に向けようと計画しています。国際宇宙ステーションはいずれ役目を終えることになるでしょう」とパーカー氏。

「目標にしているのは太平洋南部で、大きな流れ星が見られるでしょうね」

 なお報道によれば、中国は、軌道における天舟1号での再補給に成功したことを受け、恒久的に人が駐在する宇宙ステーションの建設に取り掛かる予定だという。

 5日間の再補給の成功は、同国が2022年までの完成を目指す有人宇宙ステーション計画において重要な一里塚であったと伝えられている。

国際宇宙ステーションの不確かな未来

2017.04.04 lifehacker

Popular Science:国際宇宙ステーション(ISS)の運用は2024年に終了します。ただし、それはあくまでも予定です。2024年という期限は、アメリカ連邦議会が2014年に無理やり決定したものであり、その時が訪れたら、議会はISSへの資金提供を継続するか否かという決断を迫られます。まだ7年もあるという見方もできますが、あと7年しかないと考えることもできます。ISSにかかる費用は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人探査向け予算の半分を占めています。残りの半分は、火星や小惑星への有人探査計画などに充てられています。宇宙探査をさらに推し進めたいのであれば、NASAは年間30億ドルや40億ドルものお金をISSに注ぎ込んでいるわけにはいきません。けれども、それを決めるのはNASAではないのです。連邦議会、具体的には下院の科学宇宙技術委員会がNASAの予算額を決定しています。ただし、政治家は宇宙旅行の専門家ではありませんから、公聴会を繰り返し開催して、ISSを使って7年間で何ができるかを話し合っています。民間に引き継がせた方が良いのか? 故障したら燃え尽きて南太平洋に落下するがままにした方が良いのか? 運用を続けるべきか? 直近の公聴会は2017年3月22日に開催されました。

こうした疑問に答えるのは容易ではありません。その理由の1つが、人によってNASAの有益性に対する意見が大きく食い違っている点です。それに伴い、ISSの有用性についても意見が分かれています。たとえば、NASAは宇宙探査に的を絞るべきだと考えている人もいるでしょう。人類がすでに知識を得ていること、足跡を残している場所ではなく、その先にあるものの探査に集中すべきだと思うなら、ISSは最優先にはなりえません。ISS向けの膨大な資金は、低地球軌道と地上の間のモノの移動に使われていて、他の惑星探査には使われていないからです。

その一方、NASAはほかの惑星に人類を送り込む方法を解明すべく、その一環としてISSで実験を行っています。ISSは微小重力状態にあり、相対的に見て、地球大気圏の保護を受けていません。つまり、あらゆる分野の科学者たちがISSで実験を行い、宇宙から受ける影響を調べることが可能だというわけです。実験対象はビールから植物、緩歩動物(いわゆるクマムシ)までほぼ何でもありです。また、低重力状態で長時間過ごした人体にどのような影響が現れるのかについての調査も継続しています。直近の公聴会に出席した政治家の中には、ISSに費用を注ぎ込む価値はあったのかと疑問を呈している人もいますが、いずれにせよ、有意義な科学研究を支援するという点に関しては、科学宇宙技術委員会はさほど実績を残していません。

やり始めたことをなかなかやめられない埋没費用の誤謬という事態は避けたいものの、完成したばかりの巨大プロジェクトを投げ出すのはどうにも残念に思えます。ISSは1998年に建設が始まって以来、大幅なアップグレードを行っており、最後のモジュールが設置されたのはここ数年のことなのです。

だからと言って、ISSにひたすら資金を注ぎ込むべきだというわけではありません。スペースXやヴァージン・ギャラクティックといった一般の宇宙旅行会社が登場し始めたことで、ISSはいずれ、民間に引き継がれていく可能性があります。特に、宇宙空間で使用する製品を開発しようとしている企業が宇宙船などでの実験に多額を投入するようになった場合です。あるいは、おそらくイーロン・マスク氏あたりが、ISSを自分専用の別荘に改造したいと言い出すかもしれず、予想がつきません。

とにかく結論を出すことが大事です。手に入る限りの情報を収集し、検討を加え、行動に移らなくてはなりません。7年と聞くと、時間はまだたっぷりあるような気がしますが、重大な結論を下すとすれば、それほど長くは残っていないのです。NASAへの予算が一気に増えて、あらゆるプロジェクトを続行できるようになる可能性は少ないので、この資金調達問題が、NASAの今後の方針を決めることになるでしょう。科学宇宙技術委員会のみなさん、決定権はそちらにあります。今こそ行動を起こす時です。

No one knows what to do with the International Space Station|Popular Science

Sara Chodosh(訳:遠藤康子/ガリレオ)


無人補給機が宇宙基地到着 日本のHTV、結合へ

2011年01月27日21時42分 中国新聞ニュース

 国際宇宙ステーションの宇宙飛行士がロボットアーム操作でつかまえた無人補給機「こうのとり」(NASAテレビ)

 宇宙航空研究開発機構の無人補給機「HTV(愛称こうのとり)」2号機が27日夜、国際宇宙ステーションの近くに到着し、ステーションに滞在中の宇宙飛行士がロボットアームでつかんでステーションに結合させる作業を進めた。

 22日に打ち上げられたこうのとりは、高度を少しずつ上げてステーションに接近し、27日午後8時半ごろ、ステーションから約10メートルの位置で停止。米航空宇宙局(NASA)のスコット・ケリー宇宙飛行士らがロボットアームを操作し、ステーションの結合部まで運んで取り付ける。

 28日未明にかけてステーションと電気系統や通信機器を接続して内部の状態をチェック。問題がなければ同日夜、ハッチを開けて宇宙飛行士が入室する。

 こうのとりは、食料や実験機器、宇宙機構種子島宇宙センターの水道水からつくった飲料水約80リットルなど、約5・3トンを搭載。アジア各国から託された植物の種、約400グラムも積んでいる。

 結合後に物資を降ろして空いたスペースには、ステーションで出た廃棄物を積み、3月末までに離脱。大気圏に突入して大部分が燃え尽きる。

宇宙補給機の愛称「こうのとり」 公募で決定

2010年11月11日20時24分更新 中国新聞ニュース
 

 愛称が「こうのとり」と決まった無人補給機「HTV」の想像図(宇宙航空研究開発機構提供)

 宇宙航空研究開発機構は11日、国際宇宙ステーションに物資を輸送する無人補給機「HTV」の愛称を「こうのとり」に決めたと発表した。

 赤ん坊や幸せなど大切なものを運ぶ鳥のイメージが、宇宙飛行士の食料など重要な物資をステーションに輸送する任務を的確に表しているというのが選定理由。8月27日〜9月30日に実施した公募に応じた約1万7千件のうち、217件から提案があった。

 無人補給機は2009年9月に1号機が、H2Aロケットを増強したH2Bロケットで鹿児島県の宇宙機構種子島宇宙センターから打ち上げられた。2号機の打ち上げは来年1月20日に予定。これを含めあと6機が15年までに打ち上がる計画で、全機が「こうのとり」の愛称で呼ばれる。

 宇宙機構は打ち上げごとに、提案者の中から1組2人ずつを種子島宇宙センターに招待する。

【主張】HTV成功 世界に誇れる宇宙技術だ

2009.09.20 MSN産経新聞

 すごい。見事な成功だ。日本の無人宇宙貨物船「HTV」が国際宇宙ステーション(ISS)への結合に成功した。

 青と白の彩りが美しい丸い地球を背景にドッキングは進んだ。ISSから細長いロボットアームが伸ばされて、10メートル下方の宇宙空間に相対停止していたHTVの突起を巧みにつかみ、ステーション本体に引き寄せての結合だ。

 今月11日に、大型バスほどの大きさがあるHTVをその先端に載せて宇宙へ運んだ大型最新ロケット「H2B」の打ち上げも完璧(かんぺき)だった。HTVの結合も文句なしの鮮やかさだ。合わせて200点満点を贈りたい。

 何しろ、ISSは高度350キロの軌道上を秒速約8キロという猛烈なスピードで飛んでいる。2分間で鹿児島から東京を移動する速さだ。これに結合するには、HTVの速度をISSの真下でぴったり一致させなければならない。しかもHTVは無人機だ。

 15年ほど前、日本がISS計画への貢献策としてHTVの基本構想を提案したところ、米航空宇宙局(NASA)から、はっきり難色を示された。ドッキングに失敗すると致命的な衝突事故につながるからだ。

 ロボットアームでつかむ結合方式は、苦肉の妥協策だった。しかし、その後の技術進歩で高度に洗練されて安全度の高いドッキング方式となったのだ。

 HTVは、日本の独自技術で開発された。これが大いに誇れる点である。宇宙開発には一国の科学技術力の総合力が反映される。家電製品などで他国の激しい追い上げに遭っている日本だが、技術の格の違いが証明された。

 来年9月末に米国のスペースシャトルが飛ばなくなると、それ以降はHTVが、大型資材や実験装置をISSに輸送できる唯一の手段となる。

 ロシアはソユーズ宇宙船で、米露や日本などの宇宙飛行士の往復を一手に引き受けるが、日本もISSの運用に不可欠のパートナーとしての地歩を固めた。

 HTVの貨物室の一部は、普通の空気で満たされ、室温も20度に維持されている。有人宇宙船に発展し得る構造と機能を実現させている。将来への大きな可能性を秘めた存在なのだ。

 日本の宇宙開発は、H2BとHTVの成功で、一時は失いかけていた質の高さを取り戻した

宇宙実験棟きぼうが完成 7000億円余、24年がかり

2009/07/19 中国新聞ニュース
 

 【ヒューストン(米テキサス州)18日共同】国際宇宙ステーションに滞在する若田光一さん(45)らは18日午後(日本時間19日午前)、スペースシャトル「エンデバー」で運んだ日本実験棟「きぼう」の最後のパーツとなる船外実験施設を、ロボットアームできぼう本体に取り付けることに成功した。

 接続の約3時間後、宇宙航空研究開発機構は船外実験施設の設備を起動して電力供給や冷却開始を確認。実験棟が完成したと発表した。

 1985年の計画以来、開発や建設に7600億円を投じた日本初の有人宇宙施設の完成により、船内と船外の空間をフル活用する日本独自の宇宙実験施設が整った。今後の運用でどのような成果が挙げられるかが問われることになる。

 若田さんはステーションアームを操作し、まず施設をシャトルの貨物室から取り出して、待ち構えたシャトルアームに手渡し。さらにシャトルアームが施設を船首側に移動させている間に、ステーションアームを尺取り虫のように移動させ、あらためて施設を受け取って、きぼう本体に取り付けた。

 ステーションの構造物にぶつけずに組み立てるために、二つのアームの使い分けが必要で、米紙は「ステーションの建設史上、最も複雑な作業」としている。

 きぼう本体と実験施設の結合は日本が開発した独自の形式。コンセントのように、押し込むと電力供給が自動的に始まり、宇宙飛行士の補助作業が不要なのが特徴だ。

 きぼうは3回に分けて打ち上げられ、2008年3月に土井隆雄どい・たかおさん(54)が船内保管室を、同6月には星出彰彦ほしで・あきひこさん(40)が本体となる船内実験室と専用アームを、それぞれロボットアームで取り付けた。

 若田さんはエンデバーで31日にも帰還する予定。

星出さん、地球への帰途に 米シャトル、15日に着陸

2008年06月11日 中国新聞ニュース

 【ヒューストン(米テキサス州)11日共同】星出彰彦さん(39)ら7人が搭乗する米スペースシャトル「ディスカバリー」は、飛行12日目の11日(日本時間同日夜)、地球への帰還に向け、ドッキングしていた国際宇宙ステーションから分離した。

 シャトルの貨物室に搭載されたロボットアームで機体表面の状況を調査。問題がなければ日本時間14日夜、地球周回軌道を離れ、15日午前零時すぎ、フロリダ州の米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターに着陸する。NASAによると、天候は着陸に影響しない見込み。

 星出さんは初の宇宙飛行で、ステーションのロボットアームを使い、日本の実験棟「きぼう」の船内実験室をステーションに取り付けた。きぼうは完成に近づき、宇宙実験をする準備が整った。

 実験室設置後、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)もきぼうを運用する本格的な管制を始めた。

きぼう、ほぼ完成形に 保管室を正規位置に移設

2008年06月07日 中国新聞ニュース

 【ヒューストン(米テキサス州)6日共同】国際宇宙ステーションに滞在中の星出彰彦さん(39)らは飛行7日目の6日(日本時間7日)、ステーションに仮設置されていた実験棟「きぼう」の保管室を、約3時間かけて正規の位置である船内実験室の上に移設した。きぼうはほぼ最終的な形となり、残る船外実験装置の設置で完成する。

 保管室はことし3月、土井隆雄さん(53)らが運び、ステーションに取り付けていた。この日の作業で星出さんは、保管室をいったん切り離す作業と、実験室に取り付ける作業をこなした。ステーションのロボットアームを使って保管室を動かしたのは別の飛行士2人で、保管室をつかんで約11メートル移動させた。

 このほか星出さんは、きぼう専用ロボットアームを起動し、8日目から徐々に動かすための準備も進めた。

 同日、地上と結んだ記者会見で米スペースシャトルのマーク・ケリー船長(44)は、船内実験室について「新車のようなにおいがした。あまりに大きくて、真ん中にいると手すりに届かず動けなくなった」と話した。

「きぼう」本体、宇宙へ 米シャトル打ち上げ成功

2008/06/01 中国新聞ニュース

 【ケープカナベラル(米フロリダ州)31日共同=浅見英一】米航空宇宙局(NASA)は米東部時間三十一日午後五時二分(日本時間六月一日午前六時二分)、星出彰彦ほしで・あきひこさん(39)ら七人が乗り組み、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の本体である船内実験室を搭載したスペースシャトル「ディスカバリー」を、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。

 ディスカバリーは約四十分後に予定の地球周回軌道に入り、打ち上げは成功した。

 初飛行の星出さんは、ロボットアームで実験室をステーションに設置する大役を果たす。シャトルに乗り組むため宿舎を出発した星出さんは終始にこやかだった。

 実験室は、三月のシャトル飛行で土井隆雄どい・たかおさん(53)が仮設置した保管室に続く、きぼう建設第二便。通信システムを組み込んでいるため、日本国内から直接指令を送って遠隔操作することも可能になる。実験は八月にも開始される。

 今回の飛行は作業の大半がきぼう関連。一緒に運ぶ専用ロボットアームの試験や、保管室の最終的な位置への移設に加え、故障したステーションのトイレの部品交換も急きょ任務に加わった。

 NASAによると、打ち上げ時にシャトルの外部燃料タンクから断熱材が五片ほどはがれたのがカメラで確認されたが、影響は小さいという。

 飛行は約十四日間。予定通り進めば、ディスカバリーは六月十四日午前十一時(日本時間十五日午前零時)すぎ、ケネディ宇宙センターに帰還する。その後、若田光一わかた・こういちさん(44)が今年十二月以降、日本人初のステーション長期滞在(約三カ月)を開始。きぼう建設は、来春以降に打ち上げ予定の船外実験装置で完成する。

野口さん、国際宇宙ステに半年滞在へ

2008.5.14 MSN産経新聞

 【ロサンゼルス=松尾理也】米航空宇宙局(NASA)は13日、宇宙飛行士の野口聡一さん(43)が国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在要員に決まったと発表した。ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗して来年11月から約6カ月間、ISSに滞在し、日本の実験棟「きぼう」での実験作業などにあたる。

 日本人のISS長期滞在は、今年12月に出発する若田光一さん(44)に続いて2人目。野口さんの宇宙飛行は2005年7月の米スペースシャトル搭乗以来、2回目。

 野口さんは記者会見で「きぼうでの活動に非常に期待している。きぼうのすばらしさを世界に示したい」と抱負を語った。

 滞在中の過ごし方については「マラソンやガーデニングをするなど、普段の生活を宇宙に持ち込みたい」と楽しみな様子。来春に完成予定のきぼうでは「本を読みながら、うつらうつらする時間を持てたらいいな」と笑顔を見せた。

 ISSでの滞在は計6人態勢で、期間は若田さんの約2倍。「宇宙に半年いることは一人前の飛行士の基準。そこに挑戦できることを光栄に思う。自分に厳しさを持ちながら、仲間とうまくやりたい」と気を引き締めた。

シャトルが発射台に移動 6月に星出さん搭乗

2008年05月03日 中国新聞ニュース

 【ワシントン3日共同】米航空宇宙局(NASA)は3日未明(日本時間同日午後)、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の主要設備である船内実験室を搭載し、星出彰彦さん(39)が搭乗する米スペースシャトル「ディスカバリー」を、ケネディ宇宙センター(フロリダ州)の組立棟から発射台に移動させた。

 ディスカバリーの打ち上げは日本時間6月1日午前6時すぎの予定。今後、実験室などを貨物室に積み込み、5月6−9日には星出さんら乗員が同センター入りして搭乗手順や避難方法の最終確認を行う。

 きぼう建設の第2便となる今回は、実験室をロボットアームで国際宇宙ステーションに取り付け、3月の第1便で土井隆雄さんらが仮設置した保管室を実験室の上に移動させるのが主要な任務になる。

土井宇宙飛行士が軌道上でブーメランを投げる動画、公開

2008年05月02日 AstroArts 天文ニュース

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、3月に国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の最初の組立て作業を行った宇宙飛行士、土井隆雄さんが、地球を周回する軌道上でブーメランを投げるようすをとらえた動画を公開した。

 土井隆雄さんが地球を周回する軌道上でブーメランを投げて見せたのは3月18日。撮影は、日本実験棟「きぼう」をはじめ、欧州や米国の実験棟と国際宇宙ステーション(ISS)とを結ぶモジュールであるハーモニー内で行われた。

 公開された動画の中で、土井さんがブーメランを投げたのは3回で、すべて見事に弧を描き手元に戻ってきた。土井さんは、「宇宙ステーションでブーメランを飛ばすのは、とても楽しかった」とコメントしている。

 なお、公開された動画は、宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターのウェブサイト内にあるライブラリで見ることができる。

宇宙旅した藻は能力倍増 健康食品に活用

2008年05月02日 中日新聞朝刊

 国際宇宙ステーションに滞在した微細藻類が、地上と比べ、肌の美白や細胞の老化抑制に効果があるとされる有機化合物グルタチオンを作る能力を倍増させたと、健康食品製造販売のバイオベンチャー「マイクロアルジェコーポレーション」(岐阜市)が発表した。同社はこの藻を使ったお茶を開発し、2日から発売する。

 この微細藻類は、緑藻デュナリエラ・ターティオレクタ。宇宙滞在した酵母を使った日本酒開発にかかわった高知県宇宙利用推進研究会や有人宇宙システムと協力し、2006年春に打ち上げられたロシアのロケットに搭載してもらった。この緑藻は国際宇宙ステーションに滞在し、10日間の宇宙旅行をした。

 栄養生化学が専門の富田純史九州共立大教授らが調べたところ、帰還から9カ月後、宇宙滞在した緑藻は、株分けして地上にとどまったものと比べ、約2倍のグルタチオンを含んでいた。

 同社が発売するのは「藻恵美茶(もえみちゃ)ビュー・ティ タティオ」。粉末で、緑藻のほか、コラーゲンやキシロオリゴ糖、緑茶粉末なども含む。1袋1・4グラムで50袋6300円。問い合わせは同社=フリーダイヤル(0120)485504=へ。

JAXA、「宇宙ブランド」のロゴマークを付与する制度を開始

2008年05月01日 NIKKEY Trandy NeT

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本の宇宙開発技術などを利用した商品やサービスに対して「宇宙ブランド」のロゴマークを付与し、宣伝や広告に使えるようにするプロジェクトを始めた。日本の食品メーカーが開発し、国際宇宙ステーションで利用される「宇宙日本食」などが対象となる。

 プロジェクト名は「JAXA COSMODE PROJECT」。ロゴマークは日食をもとにした図柄で、皆既日食に映る太陽のエネルギーと、COSMODEの頭文字「C」を意味する。またログマークを付与した商品によって新しい発見や体験を得たり、宇宙を感じる瞬間を象徴する。

 ロゴマークを付けられるのは、JAXAと企業や大学の共同研究「宇宙オープンラボ」の成果を利用した商品をはじめ、JAXA保有の特許技術を利用する「知的財産利用プログラム」で開発した商品、そしてJAXAの「宇宙日本食認証制度」などで認定を受けた商品。JAXAはロゴマークを付けた商品の売り上げに対して0.1%の使用料をとる。

ISS、ATVで初めての軌道上昇

April 28 - 2008 SORAE.jp

 5月31日に打ち上げられるスペースシャトル・ディスカバリー(STS-124)の到着に備え、国際宇宙ステーション(ISS)の軌道高度を上げるため、4月25日にATV第1号「ジュール・ベルヌ(Jules Verne)」による初めての噴射が行われた。

 協定世界時間4月25日4時22分(日本時間13時22分)から噴射は12分20秒間行われ、その結果、国際宇宙ステーション(ISS)の高度は4.5km上昇し、342kmとなった。

 「大気抵抗によって国際宇宙ステーションの高度は低下する。これまでの軌道上昇はプログレスかスペースシャトルによるものしかなかった。今日の成功は、ATVもこの重要な機能を果たすことができることを証明した」

 ATVによる初めての国際宇宙ステーション(ISS)の軌道上昇について、ATVミッション・ディレクターのアルベルト・ノベリ(Alberto Novelli)氏はこのように述べた。

 なお、ATVによる国際宇宙ステーション(ISS)の軌道上昇は6月12日、7月8日、8月6日にも予定されている。

韓国初の宇宙飛行士、イ・ソヨンさんが帰国

2008.04.28 中央日報 Joins.com

韓国初の宇宙飛行士として12日間にわたる任務を無事に果たした李ソ燕(イ・ソヨン、29)さんが28日午前9時15分、仁川(インチョン)国際空港に到着した。

イさんは今月8日、ロシアの宇宙船ソユーズ(TMA−12号)で宇宙へ向かった。10日から19日まで国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、18の科学実験と各種パフォーマンスなどを行う任務を遂行した。また、19日にソユーズ(TMA−11号)に乗って帰還した後は、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターで休息を取り、検診と地球適応訓練などを受けていた。帰還当時の衝撃による筋肉痛などがまだ一部残っているとされる。

これに関連、韓国航空宇宙研究院のペク・ホンリョル院長は「イさんの健康状態は飛行と長距離旅行に問題がないほど良好な状態だ」と話している。イさんはまた、青瓦台(チョンワデ、大統領府)との日程調整が済み次第李明博(イ・ミョンバク)大統領を表敬訪問する。6月には国連(UN)へ向かい宇宙パフォーマンスで使った「国連旗」を潘基文(パン・キムン)国連事務総長に渡す計画だ。

イさんは今後、宇宙科学分野の「研究員」として働きながら、宇宙科学関連の講義、講演、教育活動を行い、マスコミとのインタビューに臨むなど科学文化の拡散に向けた広報大使としても活動する計画だ。

宇宙船に故障、21億円出してもダンマリの韓国政府

2008/04/28 朝鮮日報/朝鮮日報JNS イ・ヨンワン記者

 韓国初の宇宙飛行士、イ・ソヨンさん(30)と控えの宇宙飛行士、コ・サンさん(32)が28日午前9時25分、仁川国際空港に到着する。しかし、イさんが乗り込んだ宇宙船「ソユーズ」の帰還船が深刻な故障を引き起こしていたとの報道が相次いだことで、韓国人宇宙飛行士の育成事業をめぐり再び論議が巻き起こっている。韓国政府はロシア政府に膨大な資金を出資したにもかかわらず、宇宙飛行士の生命と直結した問題については意見することができなかった。

 外信の報道や専門家たちの証言をまとめると、イ・ソヨンさんの今月19日の帰還過程には「事故」の形跡が見られるという。米航空宇宙局(NASA)のウィリアム・ゲルステンマイアー副執行官は、米国のメディアとのインタビューで「大気圏に突入する前に帰還船とその後ろ側にある推進船を分離するが、この過程に問題があった」と話している。また、航空宇宙研究院のチェ・ギヒョク宇宙飛行士事業団長は「大気圏突入後に帰還船の姿勢を調整する過酸化水素燃料の推進体も作動しなかった」と明らかにしている。

 結局、帰還船は予定よりもはるかに鋭角で落下することになった。このため予定よりも2分早く、予定着水地点より420キロも西寄りの海上に着水した。にもかかわらず、宇宙飛行士事業団の関係者は「否定的な報道が出ないよう、ロシア側と協力することで話し合いがついた」とし、これ以上問題には口を挟まない姿勢を示している。

 これに対し、宇宙航空分野のある大学教授は「200億ウォン(21億円)もの金額を出した顧客の言うことではない。宇宙飛行士事業は、政府の交渉力不足で甲と乙の関係が完全にひっくり返ってしまっている」と指摘した。

 イ・ソヨンさんは22日、モスクワで行われたインタビューで「落下速度があまりにも速く、(軟着陸のための逆推進)エンジンが作動していたにもかかわらず、衝撃が大きかった。これでは死人も出かねない(という気がした)」と話した。さらに、ロシアのインターファクス通信は、匿名希望のロシア人関係者の話として、大気圏に突入したとき、胴体が逆さになったため放熱板が後ろに行ってしまい、ハッチが直接大気にさらされてしまった」と報じた。最悪の場合、大気との摩擦でハッチが溶け、宇宙飛行士たちの生命が危険にさらされる可能性があったというのだ。

 こうした政府のあいまいな態度は、打ち上げ前日の記者会見でも確認されていた。当時韓国から参加していた取材陣は、記者会見に一人も参加することができなかった。中継権を獲得したテレビ局が来るため、これ以上、韓国の取材陣は受け付けられない、というロシア側の主張を韓国政府が受け入れたためだ。

 また、宇宙服と発射体の表面に張り付けることになっていた企業広告が消えてしまったのも、同じ背景からだ。1社当たり30億ウォン(約3億1500万円)以上の広告費を受け取っていたにもかかわらず、地上官制塔のモニター前にある立て看板にようやくロゴが張り付けられただけだった。

 さらに、一部では「許可されていない教材を韓国国内に持ち込もうとしたことが引き金となって、コ・サンさんが正規の宇宙飛行士になれなかったという点にも疑問が残る」との声も上がっている。当時、韓国政府はロシア側の主張をそのまま国民に伝え、宇宙飛行士の交代の最終決定は韓国政府が下したとの点だけを強調していた。

記録更新した米国人宇宙飛行士ら、無事帰還

2008年04月21日 AstroArts 天文ニュース

 ロシア連邦宇宙局(FSA)のソユーズTMA -11宇宙船が、長期滞在クルー2名と初の韓国人宇宙飛行士イ・ソヨン氏を乗せて、バイコヌール時間の4月19日(土)午後2時30分頃(日本時間同日午後5時30分頃)に帰還した。帰還した長期滞在クルーの一人であるペギー・ウィットソン氏は、今回を含めた計2回の長期滞在により、米国人宇宙飛行士の宇宙滞在日数の最高記録を樹立した。

 2007年10月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた第16次長期滞在クルーである宇宙飛行士ペギー・ウィットソン氏とユーリ・マレンチェンコ氏、さらに今月8日に宇宙へ飛び立った初の韓国人宇宙飛行士イ・ソヨン氏を乗せたソユーズ宇宙船が、バイコヌール時間の4月19日午後2時30分(日本時間午後5時30分)頃、カザフスタン共和国に帰還した。

 ペギー・ウィットソン氏のISS長期滞在は、今回で2度目。宇宙滞在日数は計377日に達し、米国人宇宙飛行士としての宇宙滞在日数の最長記録を樹立した。

 なお、ソユーズTMA-11宇宙船では、今年2月5日にプログレス補給船で打ち上げられたJAXAのタンパク質結晶生成実験装置(ISSにおける9回目の実験)も帰還した。

韓国人宇宙飛行士、無事帰還

April 19 - 2008 SOARE.jp

 韓国人初のイ・ソヨン(Yi So-yeon)宇宙飛行士、第16次長期滞在クルーのペギー・ウィットソン宇宙飛行士とユーリ・マレンチェンコ宇宙飛行士を乗せたソユーズ有人宇宙船(ソユーズTMA-11)は4月19日、無事地上に帰還した。

 国際宇宙ステーション(ISS)で別れの挨拶をした後、ソユーズTMA-11は予定通り、アメリカ東部夏時間4月19日1時6分(日本時間14時6分)、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングを解除した。

 ソユーズTMA-11はアメリカ東部夏時間4月19日3時40分(日本時間16時40分)に軌道離脱噴射を行い、4時30分(日本時間17時30 分)に着陸したが、途中から音信不通に陥り、さらに前回のソユーズTMA-10と同じように、弾道で大気圏再突入(Ballistic Reentry)したため、予定の着陸地点から大きく外れた。

 ロシア連邦宇宙局は直ちに2機の救助ヘリコプターを出動させ、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している第17次長期滞在クルーの情報を元に、着陸予定地から西に約475km離れた地点でソユーズTMA-11を発見し、救助に向かった。また、着陸後にソユーズTMA-11との交信も、衛星電話を通じてでき、搭乗クルーは全員無事で、健康状態に問題ないことも確認された。

 ロシア連邦宇宙局はその後記者会見を開き、弾道で大気圏再突入したことについて、今後調査すると述べた。

 搭乗クルー3名は健康診断などのため、今後、モスクワ郊外にある星の街で数週間を過ごす予定となっている。なお、女性2人がソユーズ有人宇宙船に搭乗して帰還したのは今回が初めて。

宇宙ステーション補給機を公開、来夏に初号機打ち上げへ

2008/04/17 NIKKEI NeT

 宇宙航空研究開発機構は17日、開発中の宇宙ステーション補給機「HTV」を、筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で報道陣に公開した。食料や日用品のほか、大型の実験装置などを国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ。宇宙環境での性能を確認する最終試験を経て、日本の実験棟「きぼう」完成後の来年夏ごろに初号機を打ち上げる。

 HTVは直径4.4メートル、全長10メートルの円筒形をした無人輸送機で、三菱重工業など国内約100社が開発に参加した。大型ロケット「H2B」で種子島(鹿児島県)から打ち上げて、宇宙ステーションには自力で到達する。

 現在は、物資を入れる「補給キャリア」と、電子機器や燃料を積む制御部分に分割された状態。熱や振動に対する耐久性能などを確認後、全体を組み上げて試験する。

大リーグ:史上初 宇宙から始球式

2008年04月17日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【ニューヨーク高橋秀明】当地のヤンキースタジアムで16日夜に行われた米大リーグ、ヤンキース・レッドソックス戦の試合で、史上初となる「国際宇宙ステーションからの始球式」が行われた。

 ヤンキースファンで米航空宇宙局(NASA)の米国人宇宙飛行士、ギャレット・ライスマンさんが、ライブ映像で結ばれた国際宇宙ステーションから投球。映像は球場内の大型スクリーンに映し出された。

 宇宙からの始球式は同スタジアムが今年で閉場することから企画された。

金妍兒さん、宇宙飛行士イ・ソヨンさんと16日に映像対話

2008.04.14 中央日報 Joins.com

‘フィギュアの妖精’金妍兒(キム・ヨナ)さんが、韓国人初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんと対話する。

金妍兒さんは16日午後8時20分、SBS(ソウル放送)テレビ「宇宙生放送3次」に出演し、国際宇宙ステーション(ISS)で任務遂行中のイ・ソヨンさんと映像対話を行う。

「宇宙は新科学の宝庫」をテーマに放送される「宇宙生放送3次」は、地球とは違って無重力と真空状態の宇宙空間は科学を一段階発展させる未来科学の開拓地、という点を強調する。

韓国人初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんが宇宙ステーションでの実験内容を伝え、金妍兒さんは電送されてくる映像を見ながら対話する。 イ・ソヨンさんの任務の重要性を再確認し、国民の科学的な関心を喚起する。

イ・ソヨンさん「国民が宇宙を楽しめる日が来ますように」

2008.04.11 中央日報 Joins.com

韓国初の宇宙飛行士イ・ソヨンさん(30)が11日0時50分ごろ(日本時間)、国際宇宙ステーションに感激の第一歩を踏み入れた。

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙飛行士がソユーズ宇宙船のハッチを開くとソユーズ宇宙船長のセルゲイ・ボルコフさんに続き、2人目にイさんが国際宇宙ステーション(ISS)に入った。イさんは宇宙ステーション到着後、即座に行われた記者会見で「大韓民国の全ての国民が宇宙で楽しめる日が早く実現できれば」と話した。

ソユーズ宇宙船がドッキングし、宇宙飛行士らが国際宇宙ステーション(ISS)に移動する過程はモスクワにあるソユーズ宇宙船任務統制センター(MCC)の大型画面にいきいきと中継された。米航空宇宙局(NASA)のホームページでも生放送された。

イさんは白鴻ス(ペク・ホンヨル)韓国航空宇宙研究院長と映像電話で話し、感激極まった声で感想を述べた。健康状態が良いとも伝えた。

イさんとともに国際宇宙ステーション(ISS)に移動した宇宙飛行士らは宇宙服を脱ぎ、動きやすい宇宙作業服で着替えた後、国際宇宙ステーション(ISS)に泳ぐようにして入った。ソユーズ宇宙船は国際宇宙ステーション(ISS)のロシアモジュールであるズベズダとザーリャモジュールの間にドッキングした。

国際宇宙ステーション(ISS)に新メンバーに加わるイさんをはじめとした宇宙飛行士らは以前から常駐していた宇宙飛行士らとともに地上のMCCと映像電話をした後、歓迎式を行った。イさんは国際宇宙ステーション(ISS)での初めての食事を取ってから、ISSについてのオリエンテーションを受けた。そして地上から持ってきた実験装備を整えすぐにショウジョウバエと植物の発芽、細胞実験など3種類の科学実験を始めた。

これに先立ち、ソユーズ宇宙船は10日午後9時57分、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。打ち上げからは約50時間、地球を34周した後のことだった。続いてソユーズ宇宙船と国際宇宙ステーションはドッキング直後からハッチを開く前の11日0時50分までの約3時間、連絡通路がきちんとつながっているかを点検し、互いの気圧をあわせた。MCCではロシアの専門要員、数十人がドッキングの一部始終を見守り管制した。ソユーズ宇宙船のイさんとロシアの宇宙飛行士らは地球を31周した後、脱いでいた宇宙服を再び着用しドッキングに備えた。ドッキングの過程で宇宙船の密封状態に異常が起きることに備えたのだ。

宇宙船ドッキングのすべてあらゆる過程は自動モードで実行された。しかしセルゲイ・ボルコフ宇宙船長は宇宙船が国際宇宙ステーションに近づき、ドッキングのための微調整を数十回行わなければならず、微調整を行う度に極度の緊張に包まれていた。万が一の場合には手動で転換を行い、船長がモニターを見ながらドッキングをしなければならないからだ。以前、ソユーズの貨物船が自動でドッキングする際に国際宇宙ステーションとぶつかる事故が発生した。そのためボルコフ船長はよりいっそう緊張の糸を切らすことができなかった。

ハッチのオープンはドッキング部分で気圧と密封状態が完全だということが確認された後に行われた。36周目の地球周回が始まったときのことだった。ハッチは宇宙船とつながった通路を防いでいるドアのようなもので宇宙飛行士が手でねじをひねるように開けた。ハッチは6カ月ほど使用していなかったので宇宙飛行士が力を入れて開けなければならなかった。

“ウエルカム!ソヨン”宇宙ステーションで歓迎受ける

2008.04.11 中央日報 Joins.com

国際宇宙ステーション(ISS)で韓国初の宇宙飛行士のイ・ソヨンさん(30)と10日を一緒に過ごす飛行士たちは、公認されているベテランだ。昨年10月10日ソユーズに乗ってISSに来たペギー・ウィットソン(48、女、米国)船長とユーリ・マレンチェンコ(47、男、ロシア)エンジニア、そして先月11日、米国宇宙往復船エンデバーに乗って到着したギャレット・ライスマン(39、男、米国)さんら3人だ。ライスマンさんはイさんと同じISS第17遠征隊で、残りは第16遠征隊の一員だ。

◇ISS滞在のメンバーたち=ペギー・ウィットソン船長はISS初の女性船長で、2002年第5遠征隊の一員として参加し、184日をISSで送った。マルレンチェンコさんも2003年第7遠征隊の船長を務め、6カ月以上宇宙生活をしながら初の宇宙結婚式を挙げて話題となった人だ。当時、結婚式は新婦が米国のジョンソン宇宙センターと衛星でつないで行われた。4回の宇宙飛行記録のあるマレンチェンコさんは、これまでISSで新しいモジュールを組立て、点検してきた。10日間、イさんの科学実験任務を手伝う。

ウィットソン船長とマレンチェンコさんはイさんとともに19日に地球に帰還する。来月5日、地球に帰還するライスマンさんは日本の実験モジュールきぼうを設置する任務担当者だ。彼ら3人は10日、イさんを含め3人の新しいISS遠征隊を迎えるための準備で慌ただしかった。

◇宇宙飛行士の24時=ISSで生活する宇宙飛行士の1日は米航空宇宙局(NASA)インターネットホームページを通じて確認することができる。彼らはイギリス時間(グリニッジ標準時)によって動く。地球周辺を90分で1度回ることから1日に昼と夜が16回繰り返される。生体時計が故障するため、眠るときは目隠しと耳栓が必須だ。耳栓は宇宙船内70デシベル(dB)以上の機械騒音を遮断するためだ。睡眠に支障をきたす騒音は40デシベル以上だ。重力が作用せず、いびきをかかないという点も特異だ。いびきは横になって寝る場合、舌が重力によって気道の方に押し寄せることで出る音だからだ。

これらは通常、午前6時、施設点検で1日を始める。朝食は6時40分ごろ。排泄は真空清掃器のようにも見えるトイレを利用する。男女共用だ。小便はゴムホースのような管を使い、大便は座便器に出ている直径10センチの穴に正確に合わせなければならない。し尿が無重力環境で浮き上がるといけないからだ。イさんはこのような施設を利用して大小便をする訓練も受けてきた。

昼休みはだいたい12時から1時の間だ。狭い空間で生活するだけに1日1時間ずつ運動は必須だ。サイクル運動器具を使ったり宇宙用バーベルを持ったりする。バーベルは重力を感じるよう特注で製作されたものだ。運動を終えてシャワーを浴びるときはただタオルに水をつけてぬぐう程度だ。就寝は午後9時半から壁に固定された寝袋で寝ることになる。

16カ国参加する国際宇宙ステーション、2年後完工

2008.04.10 朴邦柱科学専門記者/中央日報 Joins.com

韓国の初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんがロシアソユーズに乗って目指す国際宇宙ステーション(ISS)は、世界列強の宇宙実験室だ。

今年1月、建設を始めてから10年目になった。2010年に完工する計画で、所要予算は総額350億ドル以上だ。中でも半分は米国が負担する。

サリュート(ロシア)、スカイラブ(米国)に続き、人類の3つ目の宇宙ステーションだったロシアのミールを廃棄した後、国際共同の宇宙ステーションウを建設することにしたことによるものだ。建設には米国とロシア、日本、カナダ、欧州宇宙機関11カ国など計16カ国が参加している。韓国は参加していない。

ISSはこれまで米国の宇宙往復船とロシアのソユーズ貨物船、フランスのアリアンロケットなどに載せられた部品を組立てて今日の姿になった。米国のデスティニー、日本のきぼう、ヨーロッパのコロンブスなどの実験モジュールが建設される。現在、日本の実験モジュール部品が到着している状態だ。長さは108メートル、幅88メートル、重さ507トン規模である。

2000年から2〜3人の宇宙飛行士が常駐しはじめ、完工されれば6人が常駐することができる。イ・ソヨンさんら3人が到着すると米国とロシア宇宙飛行士3人と合流して計6人がとどまることになる。このステーションにはいつでも脱出することができる非常用ソユーズ宇宙船が待機している。脱出後、地球に到着するにはわずか4時間程度しかかからない。

ISSは1998年、ロシアが初のモジュールであるザーリャをカザフスタンのバイコヌール宇宙基地で打ち上げ、建設に取り掛かった。8日、イ・ソヨンさんが乗ったソユーズ宇宙船が打ち上げられた所だ。ザーリャは、米国航空宇宙局(NASA)の支援を受けてフルニチェフ国立研究生産宇宙センターが作った。重さは20トン、長さは12.56メートル程度だ。

同年、米国は宇宙往復船エンデバーにユニティモジュールを乗せて打ち上げた。アルミニウムのこのモジュールは、米国ボーイング社が製作し、6のドッキングポートがついている。ドッキングポートのひとつはザーリャと永久結合し、残り5つはほかのモジュール連結に使われる。ユニティモジュールは宇宙ステーションに必要な生命維持装置、電力システムなどを揃えている。このモジュールには5万個以上の機械装置が設置され、液体とガスを移す216の線路と、長さが10キロにもなる電気ケーブルが内外に結合されている。

イ・ソヨンさんが実験と生活するズベズダモジュールは3番目に作られた。ズベズダはミール宇宙ステーションの中心モジュールのようなデザインで、元々はミール2宇宙ステーションの建設を目的に開発されたが、旧ソ連の崩壊で計画が変更され、2000年ISSに装着される。ズベズダモジュールは生命支援システムが揃い、宇宙飛行士が食べて寝て休んで用も足せる生活空間の役割をする。

またコンピューターや通信機器があり作業空間としても活用する。ここはまたステーションの軌道と姿勢を正すことができる調整装置もある。ズベズダは重さ19トン、長さ13.1メートル、最大直径4.15メートルだ。太陽光電池パネルの長さは29.7メートルにもなる。

アジア国家としては初めて日本がISSに実験モジュールであるきぼうを設置した。最大4人まで滞在でき、ロボットアームがついている。今年初め、初の部品が運送された状態だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)がきぼうと名付けた。日本はこのモジュールに材料工学と地方観測、生命科学などを研究する所で使う予定だ。

8回の交信に成功、今夜宇宙ステーションにドッキング 韓国初の宇宙人

APRIL 10, 2008 東亜日報

韓国初の宇宙飛行士、李ソヨンさんの乗ったロシアの有人宇宙船「ソユーズ」号は、現在巡航中で、10日(以下韓国時間)、国際宇宙ステーション(ISS)に到着する予定。

教育科学技術部と韓国航空宇宙研究院(航宇研)は9日、李さんの乗ったソユーズTMA―12号とモスクワの任務統制センター(MCC)が同日午後3時現在、8回のラジオ通信に成功したと発表した。

これに先だち、教育科学技術部は午前9時、ソユーズが南大西洋の上空を正常に通過したという情報が、MCCから伝わったことを発表。

航宇研関係者は、「李さんを含む3人の宇宙飛行士は、MCCと計約20分にわたって交信し、李さんもロシア語で話をした」と伝えた。

航宇研の白鴻ス(ペク・ホンヨル)院長は「李さんを乗せたソユーズ号が10日午後10時9分、ISSとドッキングする」と述べている。

宇宙飛行士と宇宙船の状態は、いずれも良好であるという。ソユーズ号は現在90分に1周のスピードで地球を周回しつつ、軌道を5、6kmずつ高くしている。2日間で、地球を34周して後、地上350kmの宇宙軌道を秒速7.4kmで周るISSに接近する。

ソユーズ号は10日午後10時、ISSが視認できる距離まで接近し、ドッキングのため、推進機のオン・オフを繰り返し、秒速数cmから数十cmのスピードでISSに接近する。宇宙船の先頭部分には探針がついており、ISSのドッキング装置と合体するようになっている。

ドッキングが終わると、ISSと宇宙船は双方の気圧を合わせる。気圧が異なると、ハッチが開いたさい、急激に空気が拡散して危険なためだ。すべてのプロセスは自動制御で行われ、必要な場合は、船長が手動操縦に切り替える。約3時間のドッキング作業が終われば、11日午前0時50分に、李さんとセルゲイ・ボルコフ船長、オレク・コノネンコ飛行エンジニアなど3人の宇宙飛行士はソユーズ号のハッチを出て、本格的なISSでの生活が始まる。

ISSに到着すれば、ISSに先着しているロシア宇宙飛行士ユリ・マレンチェンコさんが李さんらをガイドする。

ISSでは、新しく訪れた宇宙飛行士への歓迎式が行われ、歓迎式が終われば、李さんはMCCに待機中の家族や韓国代表らと簡単な対話を交わすことになる。このプロセスは11日午前1時20分頃、SBSを通じて生中継される。

その後、李さんは簡単なオリエンテーションを受けた後、科学実験や科学講演など、本格的な任務に入る。

李さんの初任務は、あらかじめISSに送ってある大根と豆の種子を取り出し、無重力状態で成長過程を見守る植物の生長実験だ。航宇研はこのために、2月に11種の植物の種子を先にISSに送っている。

宇宙へ旅立ったショウジョウバエ“老化の秘密”を探るカギに

2008.04.09 中央日報 Joins.com

国際宇宙ステーション(ISS)に向かっているイ・ソヨンさん(30)の任務は宇宙実験だ。一部から指摘があるように「200億ウォン規模の宇宙観光」ではないことを証明するものだ。

重力とは反対の方向へと動くショウジョウバエが重力のない宇宙空間ではどのように動くのか。宇宙で植物はどのように育つか。このような疑問を「宇宙実験専門家」という役割を担うイさんは、宇宙ステーションで解決しなければならない。実験が無事に終了すれば、韓国はロシア、米国、フランスなどに続き世界で12番目に宇宙で科学実験を行った国家となる。

イさんが遂行する研究は青少年の教育資料に活用する教育実験5種類と産業や経済的な活用価値が大きい基礎科学実験13種類の計18種類だ。教育用の実験は子どもたちが疑問に思うことを中心に内容が構成されており、大衆向けのイベント的な側面もある。

イさんが宇宙ステーションで過ごす日程の大半は科学実験だ。水をはじめとする液体が宇宙でどのような形態を帯びるのかを探ることによって地球と宇宙での表面張力の違いやその原理は何か、宇宙で水が凍る過程が地球とどのように違うのかなどを研究する。ボールペンは重力によってインクが下に流れる原理でできている。では無重力の状態では文字が書けるだろうか。また、地球と宇宙で植物が育つ姿を比較し、重力が植物の生長に及ぼす影響を分析する。

基礎科学実験のテーマは実にさまざまだ。

最も関心を集めているのはショウジョウバエを利用した重力反応および老化遺伝子の調査実験だ。無重力の宇宙空間でショウジョウバエの動きは新しい仮説を提供してくれるかもしれない。ショウジョウバエの寿命は60日だが、10日間を宇宙で過ごせば、人に例えると10年以上宇宙で生きているのと同じことになる。地球への帰還後、ショウジョウバエの遺伝子の変化を調査することによって宇宙で10年間生きてきた人間の遺伝子の変化を予測することができるのではないかと期待されている。この実験を提案したチョ・ギョンサン建国(コングック)大学教授は(38)「ショウジョウバエは人間と遺伝子が約75%も一致する“モデル動物”だ。人の遺伝子の変化を解明する糸口になる」と説明した。

チョ教授はショウジョウバエ1000匹が無事に宇宙ステーションに到着し、地球に戻って来られるよう、重さ600グラムほどの特殊なショウジョウバエの家を製作し、イさんに渡した。

宇宙では重さをどのように量るのか。このような好奇心から開発されたのが宇宙重量計だ。重さの測定は重力を活用したものなので無重力の宇宙空間では一般的なはかりは使い道がない。イさんは国内で開発された宇宙重量計の実用性を実験する。このはかりは無重力の環境で5キロ以下の物体の重さを誤差0.5グラムの範囲内で測定する。

宇宙ステーションの騒音問題を把握し、改善する実験も関心を集めている。防音材はその多くが可燃物質でできているので、国際宇宙ステーション(ISS)には特別な防音装置がない。このため騒音は宇宙飛行士を困らせる大きな敵だ。イさんは宇宙ステーションの騒音を測定し、騒音源を特定するシステムを作り、改善する実験を行う計画だ。最先端の食品加工技術で国内開発されたキムチとラーメン、紅茶などの宇宙食品も宇宙ステーションで披露される。

教育科学技術部と韓国航空宇宙研究院はイさんが宇宙で科学実験を終えて地球に戻った後、宇宙飛行士の生活風景とともに実験結果をCDにまとめ、全国の小中高校に教育資料として配布することにしている。

淡墨桜の種 宇宙旅行 8月打ち上げ「きぼう」で実験

2008年04月07日 中日新聞朝刊

 岐阜県本巣市の国天然記念物、淡墨(うすずみ)桜の種が、宇宙に運ばれることになった。8月にカザフスタンからロシアの貨物宇宙船で打ち上げられ、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で8カ月間保管する実験を行う。

 この計画は宇宙実験などを手掛ける民間会社「有人宇宙システム」(JAMSS)が企画し、きぼうの有償利用として宇宙航空研究開発機構が採用した。

 JAMSSによると、来年3月まできぼうに保管した後、宇宙飛行士の若田光一さん(44)とともにスペースシャトルで地球に戻す。

 「宇宙帰りの淡墨桜」として、地域おこしに活用するのが狙いで、無重力の影響などを調べる生体学研究に一部の種を使うほかは、地元へ返す。

 淡墨桜以外にも国内各地に自生する植物の種も宇宙へ運ぶ計画で、岐阜市のヤマザクラ「高桑星桜」や、ラン、スミレの在来種なども候補となっている。

 淡墨桜については、計画に携わる岐阜県出身の研究者が、中学時代の恩師である元教員加藤毅さん(67)=同県安八町=を通じ、地元の根尾中学校に協力を打診し、実現した。

 宇宙へ旅立つ種は、今年6月にも地元の老人クラブ連合会「淡墨会」が、中学生と共に集めることになりそう。

 加藤さんは「夢のある話だ」。淡墨会の川口武雄会長(83)も「子どもにとっていい思い出になれば」と楽しみにしている。

◆朗報!満開近し

 岐阜県本巣市根尾板所で、淡墨桜が満開近くの見ごろとなった。山里に春本番を告げている。

 樹齢1500年余のエドヒガンザクラで高さ約17メートル、枝が約27メートルに広がる。花の咲き始めは薄いピンクで満開時は白色、散りぎわは、淡い墨色に変化するという。

 今年の開花は例年より5日ほど早く、晴天で花見日和の6日は八分咲き。

 15年間見てきた樹木医浅野明浩さん(67)は「今年はいままでみた中でかなりよく咲いている」と太鼓判。気温の変化にもよるが、週末まで楽しめるという。

日本人初の宇宙長期滞在へ、若田さん「緊張感保つ」

2008/03/20 NIKKEI NeT

 【ヒューストン=田中深一郎】国際宇宙ステーションに滞在する土井隆雄さん(53)は21日(日本時間22日)、米スペースシャトル「エンデバー」の機体点検作業に取り組んだ。地球帰還に向け、「スペースデブリ」と呼ぶ宇宙ごみや隕石(いんせき)による傷がないか、ロボットアームとセンサーで調べた。

 NASAのジョンソン宇宙センターでは、12月から3、4カ月にわたり日本人で初めて宇宙ステーションに長期滞在する若田光一さん(44)が記者会見。滞在中に日本実験棟「きぼう」を完成させる大仕事があるだけに「最後まで息が抜けない。緊張感と技術を維持したい」と話した。

 若田さんは長期滞在に向け、米ロや日本の施設で厳しい訓練を積んでいる。救急医療の訓練として歯の注射の練習や、月面での船外活動を模した海底での訓練までこなしたという。冬山に10日間こもってのサバイバル訓練が「一番きつかった」と振り返った。きぼうについては「静かでいい所だと思うので、ぜひ寝てみたい。どんな夢を見られるか楽しみ」と期待を語った。

宇宙でブーメラン戻った・土井さんが発案者に報告

2008/03/20 NIKKEI NeT

 宇宙滞在中の土井隆雄さんが、微小重力の国際宇宙ステーション内でブーメランを投げる実験をし、地球と同様に手元に戻ったと大阪の実験発案者に報告したことが20日、分かった。

 宇宙航空研究開発機構によると、土井さんは18日の自由時間に実験。飛び方の詳細は不明だが、狭い船内で飛ばすために工夫した紙製のブーメランは、地上と同様に手元に戻ったという。

 宇宙機構を通じて報告を受けた発案者の栂井靖弘さん(36)=大阪府大阪狭山市=は「ブーメランだから戻ってきてほしいと思っていた。貴重な時間を割いて夢をかなえてもらい、驚きと喜びで感無量です」と話した。〔共同〕

アシックス、「宇宙用」のトレーニング靴開発

2008/03/19 NIKKEI NeT

 アシックスは19日、宇宙ステーションで使うトレーニングシューズを宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発したと発表した。年末に宇宙に向かう予定の宇宙飛行士、若田光一さんに使ってもらえるよう調整している。ロシア人宇宙飛行士から助言を受けながら開発した。

 無重量状態の宇宙ステーションでは、骨密度が低下したり、筋力が衰えたりするため、ランニングマシンなどを使ってトレーニングする必要がある。その際、足に負荷がかかりやすくなるように靴底のつま先部分を厚くし、かかと部分を薄くした。また足袋のように親指が分かれた形状で、バランスを取る力を維持しやすくした。ヒモは、宇宙ステーション内の壁につかまって体を固定しながら、片手で締められる。

土井さん、「きぼう」保管室内の作業順調

2008/03/16 NIKKEI NeT

 【ヒューストン=田中深一郎】国際宇宙ステーションに滞在中の土井隆雄さん(53)は15日(日本時間16日)、日本の実験棟「きぼう」の船内保管室で機器の設定作業に取り組んだ。土井さんの作業は順調で、当初計画より前倒しで進んでいる。今後、土井さんの帰還後に予定する仕事を先取りして実施する可能性もあるという。

 土井さんは14日夜に船内保管室に初めて入室。15日は2日目の作業に臨んだ。きぼう室内に固定していたラック(棚)の金具を外したほか、船内保管室の温度を測定した。16日以降は、ラックの設定作業などをこなす。

 船外では米国の宇宙飛行士が約7時間にわたり活動。大型ロボットアーム「デクスター」の組み立てを本格化した。デクスターは人間の上半身のような形で、二本の腕できめ細かな作業をこなす。一時は電源が入らない問題が発生したが復旧。今後ステーションの組み立てなどで活躍する。

土井さん、「きぼう」に日の丸・宇宙空間に初の「日本領」

2008/03/15 NIKKEI NeT

 【ヒューストン=田中深一郎】国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の船内保管室に14日夜(日本時間15日午前)入室した宇宙飛行士の土井隆雄さん(53)は15日午前(日本時間15日午後)、保管室内の壁に日本の国旗を張り付けた。ステーションに取り付けた施設はそれぞれの国が独自の判断で運用できる「領土」になる。日の丸は宇宙空間に初めて日本領ができたことを表した。

 土井さんは14日夜(日本時間15日午前)にスペースシャトル「エンデバー」から保管室に入り、室内で作業を始めた。張り付けた国旗の大きさは縦1メートル、横1.5メートルほど。日本の筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で国際宇宙ステーションと交信した宇宙飛行士の山崎直子さんは「きれいな旗ですね」と声をかけた。

 土井さんは今後、シャトルからきぼうへ荷物を運び、機材の設定や配置換えなどを実施する。

スペースシャトル、ドッキング完了・国際宇宙ステーションと

2008/03/14 NIKKEI NeT

 【ヒューストン=田中深一郎】土井隆雄さん(53)が搭乗した米スペースシャトル「エンデバー」は12日午後10時49分(日本時間13日午後零時49分)に国際宇宙ステーションとドッキングした。ドッキングから約1時間半後に土井さんら7人の宇宙飛行士がステーションに入室、長期滞在する飛行士と対面する。

 打ち上げから3日目に入り、地球の周回軌道を飛行。ドッキングの約6時間前から軌道調整に入った。地球から高度400キロメートルを回るステーションとの距離を縮め、ステーション最前部にドッキング。今後、ロボットアームをステーションに移す作業に入る。

 7人の飛行士はドッキング作業に先立ち、12日午後(日本時間13日未明)に起床。映画「ゴジラ対スペースゴジラ」の挿入曲と米国バンドが演奏する「ゴジラ」を組み合わせたテーマ音楽で目を覚ました。この曲は土井さんの妻ひとみさんが乗組員を激励するためにリクエストした。起床後、米航空宇宙局(NASA)のジョンソン宇宙センターの管制に「おはようございます、ヒューストン。ドッキングが楽しみです」と応じた。

シャトル、損傷見つからず・点検終了、土井さんが操作

2008/03/13 NIKKEI NeT

 【ヒューストン=田中深一郎】土井隆雄さん(53)が搭乗した米スペースシャトル「エンデバー」は12日、ロボットアームとセンサーを使った機体の損傷点検作業を終えた。結果は地上に送り詳しく解析するが、これまでのところ地球への帰還に支障となる傷などは見つかっていない。

 12日夜、国際宇宙ステーションにドッキングし、土井さんら7人の乗組員が入室する予定。

 損傷点検は専用のセンサーやテレビカメラを付けた長さ約15メートルのアームをエンデバーのロボットアームに取り付けて実施。シャトルの両翼や先頭部の耐熱パネルなどを調べ、土井さんはロボットアームを操作した。

シャトル点検作業を開始・土井さんがロボットアーム操作

2008/03/12 NIKKEI NeT

 【ヒューストン=田中深一郎】土井隆雄さん(53)が乗った米スペースシャトル「エンデバー」は飛行2日目の11日午後(日本時間12日午前)、打ち上げ時に機体の両翼や先頭部が損傷したかどうか点検する作業をロボットアームと専用センサーを使って始めた。

 11日未明(日本時間同日午後)に打ち上げられたエンデバーは約2時間後に貨物室のドアを開放し、日本の実験棟「きぼう」が宇宙空間に姿を現した。ロボットアームの起動作業も順調に終えた。軌道を調整しながら高度400キロメートルにある国際宇宙ステーションに向かっている。予定通り行けば飛行3日目に同ステーションとドッキングする。

 7人の搭乗員は打ち上げから約6時間後にいったん眠りにつき、8時間の睡眠をとった。

シャトル打ち上げ成功、土井さん「きぼう」建設へ

2008/03/11 NIKKEI NeT

 【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)=田中深一郎】日本人宇宙飛行士の土井隆雄さん(53)が搭乗したスペースシャトル「エンデバー」が米東部時間 11日午前2時28分(日本時間11日午後3時28分)、米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。約45分後に地球周回軌道に入り、打ち上げは成功した。

 米欧ロなど世界15カ国が参加する国際宇宙ステーションで、構想から20年以上を経て、日本初の有人宇宙施設「きぼう」の建設が始まる。

 土井さんら7人の乗組員は宇宙服を身に着けて打ち上げの約4時間前に発射場へと出発、次々にシャトルへと乗り込んだ。エンデバーの機体は固体ロケットブースターを点火すると発射台からゆっくりと離陸し、速度を増して上昇。爆音を残して雲間へと消えた。

韓国初の宇宙飛行士女性に ロシアの交代要求受け

2008年03月10日 中国新聞ニュース
 

 【ソウル10日共同】韓国教育科学技術省は10日、4月にロシアのソユーズ宇宙船に搭乗する韓国最初の宇宙飛行士を、予備の飛行士として待機中の女性、李☆燕さん(29)に交代させると発表した。

 搭乗予定だった男性(31)が訓練教材を外部に持ち出すなどの「規則違反」をしたとして、ロシア当局が韓国側に交代を要求してきたという。

 韓国では約3万6000人の応募者の中から男女2人を飛行士候補に選抜。昨年9月、科学技術研究所に勤務する男性を最初の飛行士に決定していた。 (注)☆は、火ヘンに召

きぼう船内実験室を公開、5月にシャトルで宇宙へ

2008/03/10 NIKKEI NeT

 【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)=田中深一郎】宇宙航空研究開発機構は9日、国際宇宙ステーションに設置する日本実験棟「きぼう」の船内実験室を米航空宇宙局(NASA)の同センターで報道陣に公開した。11日に打ち上げる米スペースシャトル「エンデバー」に続き5月に日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんが搭乗するシャトルで宇宙へ運ばれる。

 公開した船内実験室は直径4.4メートル、長さ11.2メートルの円筒形。内部は常温に保たれ、細胞の培養やたんぱく質の結晶を作る作業に使う。船外実験施設の装置を交換するロボットアームと一緒に打ち上げる。重量などを最終点検中で、報道陣への公開は今回が最後となる。

 NASAが9日開いた記者会見によると、宇宙飛行士の土井隆雄さんが乗り込む「エンデバー」の打ち上げ準備作業は順調で、天候による延期の可能性も低いという。エンデバーは実験機器などを収めた船内保管室を運び、きぼうの組み立てが始まる。

土井さん「集中高まる」・「きぼう」建設で11日宇宙へ

2008/03/04 NIKKEI NeT

 11日に米スペースシャトルに搭乗する土井隆雄宇宙飛行士(53)が4日、米航空宇宙局(NASA)のジョンソン宇宙センター(テキサス州)で記者会見を開いた。土井さんは日本の宇宙実験施設「きぼう」の保管室をロボットアームで国際宇宙ステーションに取り付ける作業を担当。「興奮している。訓練への集中度も高まっている」と出発直前の心境を語った。

 土井さんは日本初の有人宇宙施設。米国と日本を結んだテレビ会議の会見で、土井さんは「保管室のハッチを開ける瞬間が最も楽しみ」と話し、「宇宙に日本が自由に使える家ができる。大きな成果が得られると思う」と期待を示した。

 今回の宇宙飛行は約16日間の予定。自由時間には国際宇宙ステーションから星や地球を眺めて過ごすという。うどんやそば、焼き鳥などの宇宙食を持って行く計画も明らかにした。

土井飛行士「ついにここまで来た」・シャトル搭乗最終訓練

2008/02/25 NIKKEI NeT

 【ケープカナベラル(米フロリダ州)23日共同】3月11日に打ち上げ予定の米スペースシャトル「エンデバー」に搭乗する土井隆雄宇宙飛行士(53)ら7人の乗員が23日午前、打ち上げ前の最終訓練のため米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センターに到着した。

 ジョンソン宇宙センター(テキサス州)近郊の空軍基地からジェット練習機で到着し、滑走路に降り立った土井さんは「(国際宇宙ステーションの日本の実験棟)『きぼう』の第一便打ち上げまでもうすぐだ。今まで激しい訓練をしてついにここまで来た。非常にうれしい」と笑顔であいさつした。

 土井さんは、シャトル搭乗までの予行演習や緊急脱出訓練などを25日まで行った後、いったんジョンソン宇宙センターに戻る。

 土井さんの飛行は、日本初の有人宇宙施設となる「きぼう」の一部である保管室を、国際宇宙ステーションに取り付けるのが主要な任務。今月29日の飛行準備審査会で打ち上げ日程が最終的に確定する。


機器の故障、すべて復旧 国際宇宙ステーション

2007年06月17日 中国新聞ニュース

 【ワシントン16日共同】米航空宇宙局(NASA)は16日、国際宇宙ステーション(ISS)のロシア区画で発生したコンピューターの故障はすべて復旧したと発表した。ドッキング中の米スペースシャトル「アトランティス」は、修復した損傷部分を含め耐熱材の点検に合格、21日(日本時間22日)に帰還する見通しとなった。

 NASAによると、ロシア区画で13日に停止したISSの姿勢と生命維持を制御するコンピューターは3系統すべてで正常に稼働し始めたことを確認した。

 また、昨年12月からISSに滞在しているインド系米国人宇宙飛行士のサニタ・ウィリアムズさん(41)は16日未明、滞在時間が188日と4時間を超え、女性としての連続宇宙滞在記録を更新した。

 ウィリアムズ飛行士は今回の滞在でさらに、女性としての通算宇宙遊泳記録29時間17分も打ち立てている。

国際宇宙ステーションの米女性宇宙飛行士、「連続宇宙滞在記録」を更新

2007年06月16日 発信地:ワシントンD.C./米国 AFP BB News

 【6月16日 AFP】米国の女性宇宙飛行士スニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)さんが16日、「連続宇宙滞在記録」を更新した。

■数々の記録を塗り替えてきた強者

 ウィリアムズさんはインド西部グジャラート(Gujarat)州出身の父親を持つ、インド系米国人。2006年12月10日から、国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)のエンジニアとして宇宙に滞在している。

 米当局によると、ウィリアムズさんは16日午前5時47分(GMT)、米国のシャノン・ルシッド(Shannon Lucid)さんが1996年に樹立した188日4時間という、これまでの連続宇宙滞在記録を塗り替えた。

 しかし、ウィリアムズさんが宇宙での記録を打ち立てたのは、これが初めてではない。今年2月には総船外活動時間が29時間17分となり、それまでキャスリン・ソーントン(Kathryn Thornton)さんが持っていた記録を更新した。

 さらに今年4月にはISSからボストンマラソンに参加、4時間24分で完走した。宇宙からのフルマラソンへの参加と完走は初めて。

■コンピュータの故障も記録破り?

 一方、米航空宇宙局(NASA)の報道官は15日、スペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」の断熱材にできた亀裂の修理と、故障したISSのコンピューターの48時間にわたる前例のない長時間の復旧作業が行われたことを明らかにした。

 同報道官は「午後7時(GMT)ごろ、コンピューターが復旧したことを確認した」と述べ、技術チームが引き続き監視していると付け加えた。「今のところ正常に動作している。うれしい知らせで、とても勇気づけられる」と語った。(c)AFP/Jean-Louis Santini

国際宇宙ステーションでコンピューター障害発生

2007年06月15日 09:50 発信地:ワシントンD.C./米国 AFP BB News

 【6月15日 AFP】国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)で14日、コンピューター障害が発生したが、数時間後に一部復旧した。米航空宇宙局(NASA)が明らかにした。今年初のスペースシャトルの飛行任務で、断熱被覆の亀裂に続くトラブルとなった。

 テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)で開かれた記者会見で、NASAは、ISS内で酸素と水の供給を制御するロシア製のコンピューターが故障したが数時間後に復旧したと発表した。NASAのBill Gerstenmaier氏によると「状況は安定している」という。

 「トラブルはあったが、それを乗り越える方法が見つかるだろう。時間はある」と述べ、このトラブルが「宇宙ステーションを放棄しなければならないほどの問題を引き起こす可能性は著しく低い」との見解を示した。

 NASAのBill Jeffs広報担当はAFPに対し、この問題は夜間に「コンピューターがオフライン」になることで起こったと述べた。この種の事故は初めてで、今回の任務が短縮される可能性もある。現在のところは、モジュールとロシアの中央コンピューター間での「接続は再開している」という。

 また、Jeffs氏によると「ロシア側の報告では、問題の原因となったのはソフトウエアのトラブルではなく電力の問題だと考えている」と語った。

 宇宙ステーション設計の大部分を担当したEnergia社は14日、コンピューターが停止したのはアトランティス(Atlantis)の乗船員が設置したソーラーパネルが原因だろうとの見方を示した。同社の広報担当はこの新しい「エネルギー供給源」が、宇宙ステーションのロシアと米国区画内の電力供給システムの「繊細な部品に影響を及ぼし異常が発生した」と述べたと、タス通信(ITAR-TASS)が伝えた。(c)AFP

国際宇宙ステーションで新たな太陽電池パネル展開

2007年06月13日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】国際宇宙ステーションで米東部時間12日(日本時間13日未明)、3組目となる太陽電池パネルが展開された。

 来年に設置される日本の実験棟「きぼう」などの重要な電力源となる。

 展開されたパネルは4枚で、全体で幅約12メートル、長さ約73メートル。小さく折り畳まれた形で米スペースシャトル「アトランティス」によって運ばれ、11日にロボットアームや船外活動によって取り付けられた。

シャトル、宇宙ステーションに結合…耐熱材の一部損傷判明

2007年06月11日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】米スペースシャトル「アトランティス」が米東部時間10日午後3時半過ぎ(日本時間11日午前4時半過ぎ)、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。

 約7日間の結合中、3セット目となる太陽電池パネルの設置や、資材の運び込みなどを行う。

 一方、アトランティスは、機体後部の上側を覆う布状の耐熱材(ブランケット)が一部めくれていることが、カメラ付きのロボットアームによる点検で9日わかった。大気圏再突入時の温度上昇は比較的緩やかな個所だが、米航空宇宙局(NASA)は念のため、軌道上で修理する必要があるかどうかを調べている。同様の損傷は一昨年、野口聡一さんが搭乗したシャトル飛行の際も発生したが、「安全性に問題ない」として、修理せずに帰還した。

スペースシャトル「アトランティス」打ち上げ、予定軌道に

2007年06月09日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】米航空宇宙局は米東部時間8日午後7時38分(日本時間9日午前8時38分)、スペースシャトル「アトランティス」をケネディ宇宙センター(フロリダ州)から打ち上げた。シャトルは8分後、予定の軌道に達した。

 11日間の飛行中、国際宇宙ステーション(ISS)に新しい太陽電池パネルを取り付ける。

 乗組員は、フレドリック・スターカウ船長(45)ら7人。ISSに滞在中の3人のうち1人が、今回の乗組員の1人と交代する。

 アトランティスは3月に打ち上げられる予定だったが、発射台上でひょうを伴う嵐に直撃され、外部燃料タンクの断熱材が4200か所以上も損傷。同センターで修理していた。

 シャトルの飛行は今年初めて。年内にあと3回予定されている。順調に進むと、来年初めに日本実験棟「きぼう」のISSへの取り付けが始まる。

若田さん、宇宙長期滞在へ 日本人初、来年秋から3カ月

2007年02月13日 中国新聞ニュース

 【ヒューストン(米テキサス州)12日共同】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、日本人宇宙飛行士の若田光一さん(43)が日本の実験棟「きぼう」を完成させるため、来年秋から国際宇宙ステーションに約3カ月間滞在することになったと発表した。日本人飛行士の宇宙長期滞在は初めて。

 JAXAのヒューストン駐在員事務所で記者会見した若田さんは「大変光栄に思う。新しい領域に挑戦したい」と抱負を語った。

 若田さんは「きぼう」の保管室と実験室が打ち上げられた後、2008年秋にスペースシャトルに搭乗。米国、ロシアの飛行士と計3人で基地に滞在し、船外実験装置を搭載して同年末に打ち上げるシャトルで帰還する予定。若田さんは3回目の飛行で、日本人最多となる。

 滞在中は実験室での実験や機能の点検、船外実験装置の組み立てを行う。これまで経験しなかった船外活動も行う予定だ。

日本の宇宙ステーション施設野ざらし…米の計画縮小で

2007年02月10日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 日本が製造し、米国が国際宇宙ステーション(ISS)で運用するはずだった「生命科学実験施設(セントリフュージ)」が、完成することなく、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で野ざらしになっている。

 セントリフュージは、日本の実験棟「きぼう」を米スペースシャトルで打ち上げてもらう対価として、日本側が製造し米国に納入する計画だった。だがシャトル計画の縮小のあおりで、2005年9月に米国が開発中止を決定、行き場を失った。

「きぼう」建設担う乗組員を発表 NASA

2007年01月30日 asahi.com

 米航空宇宙局(NASA)は29日、国際宇宙ステーション(ISS)で日本実験棟「きぼう」の建設開始を担うスペースシャトル・エンデバーの乗組員を発表した。日本人宇宙飛行士の土井隆雄さん(52)の搭乗はすでに決まっており、ドミニク・ゴリー船長(49)ら5人が新たに追加された。今後、ISS長期滞在の交代要員1人を選び、最終的に計7人が乗り組む。打ち上げは来年1月の見通しだ。

 「きぼう」はシャトルで3回に分けて運ばれる。エンデバーはその第1便で資材などを入れる「船内保管室」を運ぶ。NASAによると、この設置などのため、エンデバーの飛行では4回の船外活動をする。

 土井さんのシャトル搭乗は97年以来で2回目。前回は日本人初の船外活動をした。乗組員の役割分担の詳細はこれから決まるが、土井さんは「船外活動もいいし、ロボットアームを使う作業にも参加してみたい」と話していた。

実験棟「きぼう」、打ち上げ08年にずれ込み

2007年01月24日 asahi.com

 国際宇宙ステーション計画を協議する日米欧ロなどの宇宙機関長会議が23日、パリの欧州宇宙機関(ESA)本部で開かれた。会議後に記者会見した宇宙航空研究開発機構の立川敬二理事長は、同ステーションに3回に分けて設置される日本の実験棟「きぼう」の最初の打ち上げが、当初の今年12月から来年にずれ込む見通しであると認めた。

 「きぼう」の部品を積み込む米スペースシャトルの打ち上げが遅れ気味であるため。立川理事長は「同じ年度内のことであり、計画には影響しない」との立場を強調した。

 立川理事長は「(年内の打ち上げは)かなりきつい。これまでの例でも遅れ気味だ」と言明。一方で「全般的には(計画は)いい方向に行っている」と楽観的な見方を示した。会議では、打ち上げは「遅れても1カ月」との点で合意。08年1月の打ち上げとなる可能性が高いという。

 当初の計画では、「きぼう」の部品は07年12月と、08年の2回の計3回に分けてシャトルで運ばれることになっていた。

 米航空宇宙局(NASA)のマイケル・グリフィン長官は「きぼう」について「なるべく考慮したい」と述べ、日本への配慮をうかがわせた。

きぼう12月打ち上げで合意 1カ月程度の遅れも

2007年01月24日 中国新聞ニュース

 【パリ24日共同】国際宇宙ステーション(ISS)建設に参加する日米欧などの宇宙開発機関長会議が23日、パリで開かれ、今後のISS建設計画などを協議。スペースシャトルによる日本実験棟「きぼう」の第1回打ち上げを予定通り12月上旬に行うことで合意する一方、1カ月程度の遅れがあり得ることを確認した。

 宇宙航空研究開発機構の立川敬二理事長は会議後「2007年の(打ち上げ)計画に合意し、当初設定した通りでいこうということになった」と説明。ただ今年のシャトルの飛行は5回に上る強行軍が予定されていることを踏まえ「日程的に調整が発生するかもしれないが、(第1回打ち上げは)最悪でも来年1月になる」と述べた。

宇宙ステーション滞在に意欲 3宇宙飛行士が帰国会見

2006/03/09 The Sankei Shimbun

 ことし2月、スペースシャトルの運用などができる米航空宇宙局(NASA)の資格を取得した日本人飛行士、古川聡(ふるかわ・さとし)さん(41)、星出彰彦(ほしで・あきひこ)さん(37)、山崎直子(やまざき・なおこ)さん(35)の3人が8日、東京都内で記者会見し、訓練の苦労や、国際宇宙ステーション滞在に向けた抱負を語った。

 3人はおそろいの青いつなぎの飛行服に身を包み、ちょっと緊張気味の笑顔で応答。古川さんは「(資格取得の)勉強が大変で受験生のころを思い出した。(日本の実験棟)『きぼう』の組み立てや利用に全力を尽くしたい」と語った。

 訓練のために夫が会社を辞め、長女とともに家族で渡米したという山崎さんは「資格が取れたのは家族の力があったからこそ。お世話になったすべての方に感謝したい」と話した。

 星出さんも「月や火星の有人探査にも参加したい」と夢を語った。

 3人は2007―08年に打ち上げ開始予定のきぼうが完成した後、長期滞在し、無重力や真空を利用した実験に取り組むことを目指していたが、資格取得によりきぼうの組み立てに携わることも可能になった。

宇宙ステーション予定通り建設 計18回で、NASAが連絡

2006/02/08 The Sankei Shimbun

 国際宇宙ステーション(ISS)建設について文部科学省は8日、米航空宇宙局(NASA)から、スペースシャトルを2010年の退役までに計18回打ち上げ、日本の実験棟「きぼう」を含めて予定通り完成を目指すとの連絡を受けたと宇宙開発委員会に報告した。

 7日に発表した2007会計年度の予算案の内容と合わせて伝えてきたという。文科省によるとNASAの同年度のISS関連予算は前年度比3.3%増の約18億1000万ドル(約2130億円)という。

 今後NASAとの交渉を経て、3月に各国の宇宙開発機関の長が集まる会議で最終的に建設手順をまとめる。

 宇宙開発をISSから月や火星の探査に転換する姿勢を鮮明にしている米国は昨年9月、日本などに対し、スペースシャトル打ち上げ回数を当初計画から減らし、ISSも規模を縮小して完成させるとする見直し案を提示していた。(共同)

国際宇宙ステーション、NASAが縮小方針決定

2005年09月30日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 米航空宇宙局(NASA)は、スペースシャトルが2010年に退役するまでの飛行回数を、現行計画の27回から18回程度に削減し、国際宇宙ステーション(ISS)の建設を縮小する方針を決め、日本側へ伝えてきた。

 文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が30日、発表した。

 縮小に伴う打ち上げ中止の対象には、日本が製造中の生命科学実験施設(セントリフュージ)が含まれている。セントリフュージは、日本実験棟「きぼう」の打ち上げ費として米国に物納するものだが、「きぼう」は国際協定どおり、2007〜08年をめどに3回に分けて打ち上げられる。

 セントリフュージは、直径4・5メートル、長さ9メートルの円筒形で、回転装置により人工的に重力を発生させ、重力の有無が生物に与える影響を調べる。開発費700億円で、既に9割以上が完成している。

シャトル、宇宙基地は誤り NASA局長発言と米紙

2005/09/29 The Sankei Shimbun

 米航空宇宙局(NASA)のグリフィン局長は、28日付米紙USAトゥデーとのインタビューで、スペースシャトル計画と国際宇宙ステーション(ISS)建設について「誤りだった」と表明した。

 同局長は、これまでも両計画の問題点や限界について発言してきたが、ここまで踏み込んだのは初めて。日本や欧州との認識の隔たりがいっそう明確になった。

 同紙によると、発言は同紙編集幹部らとの会合で出た。「シャトルは誤りだったのか」との問いに対し局長は「私の意見ではそうだ」と言明。「設計が極端に挑戦的」などと理由を説明した。局長は、月へのアポロ計画からシャトルへの方向転換が「正しい道ではなかったということは、今では一般的な受け止め方だ」との認識も示した。

 ISSについては「私に決定権があれば、現在の軌道(地球を周回する低軌道)には建設していなかっただろう」と述べた。

 NASAは今月中旬、アポロ宇宙船に似た新型宇宙船を開発して2018年に宇宙飛行士を月に送る新計画を発表したが、米国内ではそれほど大きな関心を集めていない。

≪「一概に誤りと言えない」 局長発言に文科省疑問≫

 米航空宇宙局(NASA)のグリフィン局長が米紙USAトゥデーに対し、スペースシャトル計画と国際宇宙ステーション(ISS)について「誤りだった」などと述べたことについて、坂本修一(さかもと・しゅういち)文部科学省宇宙利用推進室長は「人と荷物を同時に宇宙に運ぶことにどのような困難が伴うか、シャトルから得られた知識や教訓は大きい」と話し、一概に誤りとは言えないと疑問を呈した。

 ISSについても坂本室長は「宇宙利用イコール探査という視点から見れば、ISSには不満な点が多いかもしれない」としながら、「科学実験を通して確立される宇宙生理学、宇宙医学といった学問が、将来の宇宙有人探査に必ず必要になる」と指摘。「近視眼的に探査に偏重した計画を立てると、大きなしっぺ返しを食らうのでは」と述べ、ISS完成を強く求めた。(共同)

実験棟「きぼう」打ち上げ延期も、NASAが通告

2005年07月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)のグリフィン長官が先月、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関に対し、国際宇宙ステーション(ISS)に取り付ける日本実験棟「きぼう」と欧州の実験棟について、「打ち上げ方法を変更するか、打ち上げを延期する可能性がある」と通告していたことが分かった。

 米科学誌サイエンス電子版が21日、伝えた。

 2010年のISS完成までに必要な28回のシャトル打ち上げが事実上困難なためで、シャトル後継機による代替打ち上げのほか、計画全体を「劇的に」縮小して、いくつかの施設の打ち上げを白紙にすることも検討しているという。

 同誌は「延期という言葉を用いて、表現を和らげているに過ぎない」とする当局者の談話を紹介。これに対し、日欧とも強く反発しているという。

 NASAはすでに、日本が製造するISSの実験装置について、米国の予算上の制約から廃止対象になっていることを認めている。

ソユーズが無事帰還、国際宇宙ステーションから

2005/04/25 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【モスクワ=五十嵐弘一】タス通信などによると、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた米露伊3人の宇宙飛行士を乗せたロシアの宇宙船ソユーズTMA5が、モスクワ時間25日午前2時8分(日本時間同日午前7時8分)、中央アジア・カザフスタン南東部のアルカリク近郊に着陸、無事帰還した。

 米露の飛行士は昨年10月から約半年間、ISSに滞在。イタリア人飛行士は、米露の交代乗員とともに、10日間だけ滞在していた。

 2003年2月の米スペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故以降、ISSへの乗員打ち上げ、地球への帰還はロシアの宇宙船ソユーズによって行われてきた。

NASAのロボット宇宙船、ドッキング実験に失敗

2005/04/17 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)は16日、人間の操作に頼らずに目標の衛星と接近(ランデブー)飛行する初のロボット宇宙船が軌道を外れ、実験が失敗に終わったと発表した。

 NASAは、このままの状態で廃棄を決定、いずれ地球へ落下して燃え尽きるという。

 同機は「自律ランデブー技術実証機」と呼ばれ、国際宇宙ステーションに物資などを運ぶ際の自動ドッキング技術を確立するのが目的。15日にカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地上空から、飛行機発射型のペガサスロケットで打ち上げられた。

ソユーズ、宇宙基地に到着 宇宙ステーションとドッキング

2005/04/17 The Sankei Shimbun

 米国、ロシア、イタリアの宇宙飛行士計3人を乗せたロシアの宇宙船ソユーズが米東部時間の16日深夜(日本時間17日午前)、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。

 米ロの飛行士2人は、これまでの滞在要員と交代して10月までの約半年間滞在し、米航空宇宙局(NASA)が来月の打ち上げを目指す、野口聡一さん(40)らを乗せた米スペースシャトル「ディスカバリー」を迎えるのが大きな任務になる。

 2人は、ディスカバリーがISSとドッキングする約180メートル手前で機体を回転させる際に、耐熱タイルに損傷がないかどうかを複数の望遠レンズを使って撮影することになっている。

 一昨年2月のコロンビア空中分解事故でシャトル飛行が中断し、積載量が少ないロシアの宇宙船に物資の輸送を頼っているため、3人だったISSの滞在要員は2人に減っている。イタリアの飛行士は今月下旬に地球に帰還する。(共同)

宇宙ステーション、来春から日米の利用ピンチ

2005/03/23 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】イランの核開発などを阻止するために米政府が制定した「イラン不拡散法」の影響で、国際宇宙ステーション(ISS)に将来、米国や日本の飛行士が滞在できなくなる恐れが出てきた。

 核開発の支援国として、ロシアに対する資金拠出を同法が禁じているためだ。来春以降、露宇宙船「ソユーズ」を、日米は使えなくなる。

 米議会事務局は、同法の修正などを提言した報告書を今月まとめ、早急な検討を議会に促した。

 現在のソユーズを使った乗組員の無償輸送は1996年の米露合意に基づいており、その運用は今秋まで。来年春以降は、米側もソユーズの打ち上げ費用を負担する必要が生じる。

 ところが同法は、イランに対するロシアの核・ミサイル技術拡散の疑いがある限り、ISS建設に関する対露資金援助を禁止している。同法が制定されたのは2000年だが、その後、米国のISS予算削減やスペースシャトル事故によって、ソユーズへの依存度は高まってきた。滞在する乗組員の緊急脱出用のほか、スペースシャトルが使えない場合の人員輸送でも、ソユーズはISSの維持に不可欠となっている。

 最近のロシアは、イランの核開発に理解を示しており、ブッシュ米大統領が同法の適用を止める考えはないと見られている。

 米国は、10年にシャトルが退役してから後継機が導入される14年まで、自前の人員輸送手段がない。日本人飛行士の滞在が始まるのは早くても09年とみられ、シャトル退役に間に合わなければ、ソユーズが唯一の頼り。

 日本人飛行士の活動は日米間の契約に基づいているため、文部科学省は今のところ「ロシアと交渉する考えはない」として、米国の対応を見守っている。

 ◆国際宇宙ステーション=日米露など15か国の協力で高度400キロ・メートルに建設中の有人施設。約90分で地球を一周する。1998年から組み立てが始まり、2010年に全長108メートル、全幅72メートルのサッカー場大の施設が完成する予定。日本の実験棟「きぼう」は07年に打ち上げられる。

日本の補給船を物資輸送に活用、宇宙機関長会議で確認

2005/01/27 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】日米欧露カナダの5極による宇宙機関長会議が26日、カナダ・モントリオールで開かれた。

 5極を中心に建設中の国際宇宙ステーションについて、現在は2人になっている搭乗員を、今年5月に予定されるスペースシャトルの飛行再開後、早期に増やすことや、日本が計画する宇宙補給船HTVを将来の物資輸送に活用することを確認した。

 また、<1>日本実験棟「きぼう」など各国の宇宙ステーション構成部分を2010年までに予定通り組み立てる<2>完成後、当面の間は宇宙探査や無重力利用の拠点として活用する<3>シャトル飛行再開後の今秋、同会議で改めて将来計画を話し合う――などを合意した。

 日本からは立川敬二・宇宙航空研究開発機構理事長が出席した。

宇宙ステーションに謎の付着物、相次ぐ異常の原因か

2005/01/27 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】国際宇宙ステーションで26日、不調の空調装置を点検するために船外活動をしていた米露2人の宇宙飛行士が、機体の外部に起源不詳の付着物を発見した。

 付着物には2種類あり、黒いぬるぬるとした油状と、白い蜂(はち)の巣状の付着物があるという。

 船外活動では、ドイツと日本の船外実験装置の付け替えもあわせて行われたため、これらの機器から油などが漏れた可能性もあるが、同ステーションではこのところ、空調が原因不明の故障を繰り返したり、機器から怪音が聞こえるなどの異常が相次いでいる。

 管制を担当する米航空宇宙局とロシア宇宙庁では、一連の異常と何らかの関連があるものと見て付着物の正体を調べている。


空腹?飛行士ひと安心 国際宇宙基地にXマス食料補給

2004/12/26 asahi.com
 保存食料が減少し、滞在中の米露2人の宇宙飛行士に初の「食料節約指令」が出ていた国際宇宙ステーションに、米東部時間25日夜(日本時間26日朝)、食料や水を補給するロシアの宇宙貨物船プログレスがドッキングした。

 米航空宇宙局(NASA)によると、プログレスの積み荷は計69箱の食料のほか、水や酸素、修理用部品や飛行士へのクリスマスプレゼントなど計約2・5トン。食料は112日分あり、次に補給がある来年3月まで十分にもつ量という。

 米国のチャオ飛行士とロシアのシャリポフ飛行士は今年10月からステーションに滞在。今月上旬の点検で食料が予想以上に減っていることが判明し、2人は1日の摂取カロリーを5−10%減らすよう求められていた。今回の補給が何らかの事情で遅れていれば、宇宙飛行士を地球に帰還させざるを得ない状況だった。(共同)

日の丸無人機に出番、宇宙ステーションへの物資輸送へ

2004/11/13 読売新聞 Yomiuri On-Line
 日本で開発中の国際宇宙ステーション補給機HTVを、スペースシャトルの後継として米国の物資輸送に利用する方向で検討されていることが、明らかになった。

 この構想が実現すれば、HTVの使用頻度が増えるが、予定していた日本のH2Aロケットだけでなく、米のアトラスやデルタロケットでも打ち上げられる可能性が出てきた。

 米ロケット打ち上げ企業「インターナショナル・ローンチ・サービシズ」のマーク・アルブレクト社長が明らかにしたほか、宇宙航空研究開発機構も、米の複数企業からHTV活用の打診があったことを認めている。

 物資を搭載したHTVはロケットで上空約300キロ・メートルまで運ばれたあと、小型エンジンで自力航行して物資を届ける無人機。ステーション維持に必要な水や食料などの補給は各国で分担することになっており、日本は2008年から6トンの物資を搭載できるHTVを、年1―2回のペースでH2Aで打ち上げる予定だった。

 一方、米はシャトルが退役する2010年以降の物資輸送手段が決まっておらず、HTVを米ロケットで上げて米の分担分を運搬する計画が、米航空宇宙局(NASA)に提案される見込み。

宇宙ステーション日本実験棟、2007年度に打ち上げ

2004/08/04 読売新聞 Yomiuri On-Line
 国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」を2007年度に米スペースシャトルで打ち上げることが決まり、宇宙航空研究開発機構は4日、文部科学省の宇宙開発委員会に報告した。

 打ち上げは3回に分けて行われ、そのうち少なくとも1回は日本人飛行士がシャトルに搭乗する。

 当初計画では2006―2007年に予定されていた「きぼう」打ち上げは、昨年2月の「コロンビア」事故の影響で時期が未定になっていた。今年7月、宇宙ステーション計画に参加している各国の宇宙機関代表による会議が開かれ、新たなスケジュールが確定した。

日本人宇宙飛行士:シャトル搭乗目指して3人が渡米

毎日新聞 2004年6月7日 Mainichi INTERACTIVE

 国際宇宙ステーションの滞在要員として養成された日本人宇宙飛行士3人が、スペースシャトルでの船外活動などもできる搭乗運用技術者(ミッションスペシャリスト=MS)の資格取得を目指し、14日から米国で訓練を始める。7日の記者会見で、3人は「新しい知識を身につけ、日本の宇宙開発に貢献したい」などと抱負を語った。

 会見したのは古川聡さん(40)、星出彰彦さん(35)、山崎(旧姓角野)直子さん(33)。日本には既に3人のMSがおり、計6人態勢で国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の打ち上げや組み立てに臨む。

 米航空宇宙局(NASA)は来年3月にもスペースシャトルの運航を再開する計画だが、搭乗機会は大幅に減ると予想される。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「乗組員に選ばれるには、MSの資格を身につけた方が有利」と判断した。訓練は来年末までの予定。

 山崎さんには1歳の長女優希ちゃんがいる。夫の大地さん(31)は勤務先の民間企業を退職して米国に同行する。これまで旧姓を名乗っていたが、「家族の理解に感謝したい」と、戸籍名を使用することにしたという。【西川拓】

露、国際宇宙ステーション維持に60億円の追加予算

2003/11/23 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【モスクワ=三井誠】日米欧露など15か国で建設を進めている国際宇宙ステーションの機能を維持するために、ロシアは15億ルーブル(約60億円)の追加予算を投入する方針を決めた。

 航空宇宙局のコプチェフ長官が21日、読売新聞などと会見し明らかにした。また日本などの参加国に資金援助を強く求めた。

 今年2月の米スペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故により、現在はロシアの宇宙船が、ステーションへ飛行士や物資を運ぶ唯一の手段になっている。滞在する飛行士を3人から2人に減らすなどしているが、同局は水や食糧などの物資補給船を増やす必要があると判断し、予算を増額することにした。

 しかし、この増額について同長官は「要求していた25億ルーブルを大きく下回るうえ、予算の大半が輸送船に費やされ、実験棟などの建設に向ける余裕がなくなっている」と、困窮している現状を強調した。

 宇宙ステーションは、2004年の完成を目指して5年前に建設が始まったが、費用の増大や各国の財政難などにより、大幅に遅れている。最新の計画で「2008年以降」としていた完成予定も、シャトル事故の影響でさらに不透明になっている。

宇宙飛行士:国際宇宙ステーションから無事帰還 米露の3人

2003年10月28日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【モスクワ杉尾直哉】タス通信によると、国際宇宙ステーションでの6カ月の長期滞在の任務を終えた米露の宇宙飛行士ら3人が28日、ロシアの宇宙船「ソユーズTMA2」のカプセルで中央アジア・カザフスタンのアルカリク郊外に着地し、無事帰還した。

 帰還したのはロシアのマレンチェンコ氏と米国のルー氏。18日に同ステーション入りし、10日間の実験活動を行ったスペインのデューク氏も一緒に帰還した。

ソユーズ:ロシアが打ち上げ 宇宙ステーション要員交代へ

2003年10月18日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【モスクワ町田幸彦】国際宇宙ステーション(ISS)の交代要員を乗せたロシア宇宙船「ソユーズTMA3」が18日午前(日本時間同日午後)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。同機には米国、ロシアと初のスペインの宇宙飛行士計3人が搭乗した。今年2月の米スペースシャトル「コロンビア」事故後、ソユーズによる要員派遣は4月に次いで2度目。米露の飛行士は約200日間、ISSに滞在する。

米露の3飛行士、ソユーズで帰還

2003/05/04 中国新聞ニュース
 【モスクワ4日共同】タス通信によると、国際宇宙ステーションに滞在していた米国とロシアの飛行士三人を乗せたロシアの宇宙船ソユーズTMA1が四日午前、カザフスタン中部のアルカルイク近郊に帰還した。

 インタファックス通信によると、三人の健康状態は良好という。

 二月に起きた米国のスペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故以降、宇宙基地からの飛行士の帰還は初めて。米航空宇宙局(NASA)の飛行士がソユーズで地球に帰還するのも初めて。

 帰還したのは米国人のケネス・バウアーソックス船長(46)、ドナルド・ペティット飛行士(48)、ロシア人のニコライ・ブダリン飛行士(50)。三人は宇宙でコロンビア事故の悲報に接した。

 三人は昨年十一月二十三日(米東部時間)にスペースシャトル「エンデバー」で宇宙に飛び立った。本来は今年三月に帰還する予定だったが、コロンビアの事故の影響で滞在が二カ月延び、約五カ月ぶりの地上帰還となった。

 国際宇宙ステーションの運用は今後、一人減員の二人体制で行う。四月二十八日に到着した米国とロシアの宇宙飛行士二人が十月まで滞在し、新たにソユーズで同ステーションに到着する次の飛行士と交代する。

米ロ飛行士が無事交代 国際宇宙ステーション

2003年04月28日 The Sankei Shimbun
 ロシアと米国の飛行士2人を乗せたロシアの宇宙船ソユーズTMA2が28日午前9時56分(日本時間午後2時56分)、国際宇宙ステーションにドッキング、2人は無事ステーションに乗り込んだ。

 2人はユーリー・マレンチェンコ船長(41)=ロシア=とエドワード・ルー飛行士(39)=米国=で、ステーションに約5カ月間滞在してきた米ロの3人の飛行士と交代、10月までステーションに滞在する。

 交代は当初、日本人宇宙飛行士野口聡一さんも搭乗して3月に打ち上げ予定だったスペースシャトル「アトランティス」で行う計画だったが、2月に起きた「コロンビア」空中分解事故で米航空宇宙局(NASA)がシャトルの運用を停止したため、初めてソユーズで行うことになった。(共同)

露宇宙船:ソユーズ打ち上げ 米で高い関心 テレビで生中継

2003年04月26日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ワシントン斗ケ沢秀俊】26日のソユーズ宇宙船打ち上げは、スペースシャトル「コロンビア」事故後初めての有人宇宙船打ち上げとあって、米航空宇宙局(NASA)がNASAテレビで放映するなど、米国でも関心を集めた。

 コロンビア事故の調査は順調に進んでいる。コステルニクNASA副長官は「年内の打ち上げ再開を目標に作業している」と話しているが、今夏に予定される調査委員会の報告書提出後、多項目の再発防止策を講じる必要があるとみられ、実際には来年春以降になる見通しだ。今後約1年間、宇宙ステーションの維持をソユーズに依存することになる。

 打ち上げ時間は米国では深夜になるが、米CNNテレビが現地から生中継するなど、メディアも注目している。CNNにはソユーズに搭乗して宇宙ステーションを訪れた初の民間人チトー氏が出演し、「宇宙飛行には危険が伴うが、人類が宇宙に行くことは大きな意義がある」と語った。

露宇宙船:ソユーズ打ち上げ 国際宇宙計画の唯一の生命線

2003年04月26日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【モスクワ町田幸彦】ロシアのソユーズ宇宙船が日本時間の26日午後、打ち上げられた。米スペースシャトル「コロンビア」の空中分解から約3カ月、国際宇宙計画を担う唯一の生命線だ。関係者は同日、打ち上げの瞬間を緊張して見守った。

 今回の打ち上げはとりわけ、重要な意味を持つ。失敗すれば、昨年11月からステーションに滞在して交代要員を待つ3飛行士の安全にも影響しかねないからだ。

 米航空宇宙局(NASA)のテレビ中継で打ち上げの瞬間を見守る日本の宇宙開発事業団の職員らも、「どうか無事にステーションにドッキングしてほしい」と話した。

 ソユーズに搭乗したのは、ロシアのユーリ・マレンチェンコ飛行士(41)と、米国のエドワード・ルー飛行士(39)。2人とも今回が3回目の宇宙飛行で、00年には宇宙遊泳も一緒に経験した。

 7人が犠牲になったコロンビアの事故(日本時間2月1日)から2日後、ソユーズの打ち上げが正式に決まった。ルー飛行士は搭乗の数日前、「最初の数週間は仲間の死を思ってつらかった。しかし、国際宇宙ステーション計画は続けるべきだ。いまはまっさらの新車に乗るような気分。準備万端だ」と意欲を語っていた。

 宇宙ステーションで船長を務めるマレンチェンコ飛行士も「事故の後、我々の飛行計画は厳密に点検されたので大丈夫だ」と自信を示した。

世界で2番目の「宇宙観光客」出発

2002/04/25 The Sankei Shimbun
 昨年4月の米国人実業家に続き、世界で2番目の「宇宙観光客」となる南アフリカの実業家、マーク・シャトルワースさん(28)を乗せたロシアの宇宙船ソユーズが25日昼すぎ(日本時間午後)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。

 ソユーズは打ち上げ十分後に予定通りの軌道に乗った。27日午後に国際宇宙ステーションとドッキングする予定。

「きぼう」実験室を公開

2003年04月11日 The Sankei Shimbun
 米国への輸送を来月に控えた国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の主要部分となる船内実験室が11日、宇宙開発事業団筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で公開された。

 実験室は全長11・2メートル、直径4・4メートルの円筒形。米フロリダ州のケネディ宇宙センターで8月に始まる組み合わせ試験のため、5月2日に横浜から船で米国に向かう。

 船内実験室が置かれたクリーンルームでは、22日の同センター出発に向け、専用のコンテナに入れるための準備作業が続いていた。

 米シャトル空中分解事故でステーション計画の遅れが懸念されているが、角野直子飛行士は「開発にも参加したので、米国への輸送は心待ちにしていた大きな節目。子どもを送り出す心境です」と話していた。

4月26日に打ち上げ 宇宙ステーション要員交代

2003年03月19日 The Sankei Shimbun
 タス通信によると、ロシア航空宇宙局のゴルブノフ報道官は19日、国際宇宙ステーションの交代要員2人を乗せたロシアの宇宙船ソユーズの打ち上げが4月26日となる見通しを示した。

 交代要員はロシア人、米国人1人ずつ。米シャトル空中分解事故を受けて、米ロは当面ソユーズで要員を交代することで合意している。(共同)


国際宇宙ステーション内で撮影された“宇宙CM”が2002年元日よりオンエア

(2001年12月17日) by ASCII 24
 (株)電通は、国際宇宙ステーションで撮影した映像を用いて、大塚製薬(株)の健康飲料『ポカリスエット』のCMを制作、17日に日本科学未来館で完成披露記者発表会を行なった。(全文)

「アトランティス」が国際宇宙ステーションにドッキング

(2001.07.14) CNN.co.jp
 12日に打ち上げられた米スペースシャトル「アトランティス」は米東部時間13日午後11時18分(日本時間14日午後零時18分)、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。 (全文)

『ウィンドウズNT』のトラブルに悩む国際宇宙ステーション乗組員

(2001年04月07日)Wired News

 新しい『国際宇宙ステーション』(ISS)は、『ミール』と同様のコンピューター・トラブルに早くも見舞われている。

 ウェブサイトに最近掲載された指揮官の搭乗日誌によると、稼働を始めてまだ5ヵ月足らずのISSは、コンピューターのトラブルにほぼ毎日見舞われているという。

 そのほとんどは、米マイクロソフト社のウィンドウズNT関連のトラブルらしい。それに較べるとロシア製ソフトウェアのほうが信頼性が高いようだ。

 ISS指揮官のビル・シェパード飛行士は、2月22日付の記録に「今日は出だしから不調だ。ネットワークへのサーバーの接続がどうにもうまくいかない。昨夜も0100時まで格闘したが、解決できなかった……」と記している。

 「……2200時ごろは、ウィンドウズNTのせいでバックアップ処理中に誤った場所に置かれてしまった電子メール・ファイルの再構成を行なっていた」

 シェパード飛行士の略語だらけの日誌によると、トラブルのほとんどは、電子メールや巨大なISSネットワークの安定性に関する、比較的軽度のもののようだ。

 ネットワークには、米IBM社のAIX(UNIX)とウィンドウズNTサーバーとロシア製ノートパソコンが混在するようだ。このノートパソコンで作動するオペレーティング・システム(OS)の詳細は不明。

 これらの各種マシンはイーサネットと低速のワイヤレス・ネットワークを介してつながっている。(全文)

米国の予算不足で国際宇宙ステーションの乗組員削減か(上) (2001.03.22)Wired News
 ブッシュ大統領は予算案で、『国際宇宙ステーション』(ISS) 計画の膨大なコスト増加を食い止めるために、乗組員の削減を提案している。それには、アメリカ製居住モジュールや、乗組員帰還船 (開発コードX-38; 通称CRV) などの開発中止も含む。一部の科学者は、もしそうなれば科学研究が充分に行なえなくなり、ISS計画自体の存在意義がなくなってしまうと懸念している。(全文)

シャトル、宇宙ステーションとドッキング(2001.02.24)asahi.com

宇宙ステーション飛行士を認定(2001.01.24)asahi.com

米シャトルが着陸

2000.12.12【ワシントン11日=共同】The Sankei Shimbun
 国際宇宙ステーションに、ジャンボ旅客機の両翼を合わせた長さより長い巨大な太陽電池パネルを取り付けるのに成功した米スペースシャトル「エンデバー」が米東部時間十一日夕(日本時間十二日午前)、米フロリダ州のケネディ宇宙センターに着陸した。

 太陽電池パネルは長さ約七十三メートル。当初はうまく展開せず、エンデバーの乗組員が船外活動を行って完全展開に成功した。この結果、ステーションではこれまで電力不足で使えなかった区画も含めて利用可能になり、来年一月には、米国製実験棟がドッキングして本格的な宇宙環境利用が始まる。

国際宇宙ステーションに入居 米ロの3宇宙飛行士(2000.11.02)asahi.com

水増し総額は計56億円 宇宙開発でNECと関連2社(2000.11.01)asahi.com

国際宇宙ステーション建設に大きく貢献 若田さん2000.10.25(11:32)asahi.com

ロシア・ソユーズ打ち上げ 宇宙定住時代へ(2000.10.31)asahi.com

若田さん無事帰還 「本当に素晴らしいフライト」(2000.10.25)asahi.com

若田さん帰還、24日に延期/強風でシャトル着陸できず

2000.10.23 【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)22日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 日本人宇宙飛行士の若田光一さん(三七)が乗っているスペースシャトル「ディスカバリー」は、二十二日午後(日本時間二十三日未明)にケネディ宇宙センターへ帰還する予定だったが、米航空宇宙局(NASA)は同日午後、現地の強風のため帰還を二十四時間延期すると発表した。

 ディスカバリーは二十三日午後に軌道を離脱し、午後二時五十一分(同二十四日午前三時五十一分)に同センターへ帰還する。

 NASAは二十二、同センター着陸場の風が最大三〇メートルを超えるほど強かったため、着陸予定の約二時間前に延期を決定。強風は二十三日になっても弱まらない可能性があり、NASAは米カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地への着陸も検討している。

 日本人宇宙飛行士は過去に延べ六回シャトルに乗ったが、毛利衛さんは九二年にエンデバー、向井千秋さんは九四年のコロンビアに乗った際に、着陸の延期を経験している。

アーム操作の自己採点は95点と、シャトルの若田さん(2000.10.22)asahi.com

「ステーションでの宿泊は快適」とシャトルの若田さん(2000.10.22)asahi.com(時事)

NASA、日本に開発と負担要求/宇宙ステーション用宇宙服

2000.10.21 【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)20日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 米航空宇宙局(NASA)が国際宇宙ステーション(ISS)用の宇宙服の開発を日本に要請していることが二十日までに、宇宙開発事業団(NASDA)の関係者の話から明らかになった。ISSは日米欧など十六カ国が参加する国際プロジェクトだが、スペースシャトルをはじめ米国の負担が膨らむ中で、NASAはISS用宇宙服の単独開発を断念、日本へ資金負担とハイテク技術の提供を求めてきた。

 NASAが現ン使用している宇宙服はシャトル用に開発されたもので、一着数億円。宇宙でシャトルの外に出て遊泳・作業をすることが前提。真空と無重力、温度の高低差など厳しい環境に耐えられるように、ヘルメットから靴にいたるまで、十四層にもグラスファイバー、ポリウレタン、金属箔を重ねて身体を保護する構造になっており、重量は百二十キロを超える。船外活動に必要な手袋は野球のグラブのようにかさばり、細かい作業が難しい。NASAでは、少しずつ改良を加えているが、「一九八〇年代以降基本的な構造は変わっていない」というのが現状だ。

 ISSが本格的に活動を開始すると、宇宙飛行士の船外活動もさらに広がり、「より軽く、機動性に富み、身体の保護機能も高い宇宙服が必要になる」という。

 NASDAの宇宙環境利用システム本部副本部長の堀川康博士(工学)は「宇宙服のような厳しい環境条件に耐えられる素材やシステムの研究開発は、スポーツ用品など地上の生活を快適にするものにも応用がきく。日本の景気が回復し、先端産業の目が宇宙に向くことが期待される」と話している。

「夢を持ち続けよう」と若田さん、若者に電子メール(2000.10.21)asahi.com

「宇宙でしこは無理だった」 シャトルの若田さん(2000.10.21)asahi.com

若田さん任務完了 宇宙ステーション建設

2000.10.19 【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)18日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 国際宇宙ステーション(ISS)建設のため飛行中の米スペースシャトル「ディスカバリー」は十八日(日本時間十八日夜ゥら十九日)、若田光一さん(三七)の同僚宇宙飛行士二人が最後の船外活動を実施。若田さんはこれまで同様、船外活動の飛行士をロボットアームに乗せて支援する任務を無事こなした。

 この日は、ISSに取り付けたステーションの姿勢制御や通信機能を備えた構造体の「Z1トラス」のケーブル受けを開くなど仕上げ作業。これで今回予定されていたISSの建設日程はすべて終了した。

 十九日には、長期滞在に必要となる物資を宇宙ステーションに運び込む予定。若田さんもステーションに入り、相撲のしこを踏むパフォーマンスを行う。

 ジョンソン宇宙センターで十八日午前(同十九日未明)に記者会見した毛利衛さん(五二)は「若田さんのロボットアーム操作は、ジャズピアニストの指のように自由自在だ」と称賛した。

「宇宙では、ぼくも好投手」 若田さんが実験披露(2000.10.17)asahi.com

最難関もクリア 若田さん、新ドッキング装置を取り付け(2000.10.17)asahi.com

若田光一さん、ロボットアームでZ1トラス設置に成功(2000.10.15)asahi.com


若田さん搭乗のシャトル、宇宙ステーションとドッキング(2000.10.14)asahi.com

若田さん、宇宙で和食 ご飯とみそ汁「とても美味」/電子メールで地上に報告

2000.10.14【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)13日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 「せんべいを、ふわふわ浮きながら食べました」−。スペースシャトル「ディスカバリー」に乗り、国際宇宙ステーションとのドッキングに成功した若田光一さん(三七)から、米中部時間の十三日午後四時ごろ(日本時間十四日午前六時ごろ)、宇宙での生活ぶりを伝えるメッセージが電子メールで地上に届いた。

 宇宙開発事業団がインターネットのホームページで公募した質問に答えたもので、第一の質問は「宇宙食はおいしいか?」。

 若田さんは「今回のミッションの二日目(日本時間十三日)には、日本のご飯とみそ汁、シュリンプカクテルなどを食べました。とてもおいしい。宇宙飛行初期のころ(一九六二、三年)はチューブや一口サイズのスナックだったが、いまでは地上と変わらないほどの食事ができる」と回答した。

 また、「私の出身地に近い草加(埼玉県)から送ってもらった香ばしいせんべいを、シャトルの中でふわふわと浮きながら楽しく食べた」と報告。

 ただ、「無重力で胃の中で重さが感じられないので、満腹感はそれほど感じられない」と、実感を込めて伝えた。

 米航空宇宙局(NASA)では、チキンシチュー、ピラフ、ストロベリーヨーグルト、レモネードなど百種類の飲食品を用意しているという。

 もう一つの質問は「打ち上げのときに着るオレンジ色の宇宙服」についてで、若田さんは「与圧服と呼ばれ、シャトル内の酸素やキャビン圧力が失われる緊急事態が発生した場合などに、宇宙飛行士を保護するもの」と説明。

 「今回の飛行では四人の宇宙飛行士がこれを着て、約六時間半にわたる船外活動を計四回行う」と述べた。

若田さん、順調に飛行 (2000.10.12)asahi.com

11日に再延期/若田さん搭乗シャトル打ち上げ

2000.10.10【ケネディセンター(米フロリダ州)9日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 日本人宇宙飛行士の若田光一さん(三七)らが搭乗する米スペースシャトル「ディスカバリー」は、九日夜(日本時間十日朝)に打ち上げを予定していたが、米航空宇宙局(NASA)は同日、強風のため再び一日延期して、十日午後七時四十分(同十一日午前八時四十分)にすると発表した。

 打ち上げは、当初五日夜(同六日午前)に予定されていたが、外部燃料タンクからメーンエンジンへ液体酸素を供給する配管のバルブの不調を発見、バルブ換のために四日間延期された。

若田さん搭乗のシャトル打ち上げ、強風で11日に延期(2000.10.10)asahi.com(時事)

打ち上げる確率、依然30%/若田さん搭乗のシャトル

2000.10.09 【 ケープカナべラル(米フロリダ州)8日=共同】The Sankei Shimbun
 航空宇宙局(NASA)は八日、若田光一さん(37)らが搭乗する米スペースシャトル「ディスカバリ−」の技術的問題は解決、米東部夏時間九日午後八時五分(日本時間十日午前九時五分)に打ち上げると発表した。

 しかし横風が強い悪天候が続いており、実際に打ち上げる確率は依然三〇%。NASAは天候改善を期待している。

 ディスカバリ−は当初五日に打ち上げ予定だったが、事前の点検で、主エンジンに液体酸素を沂汲キるバルブがスムーズに動かないことや、外部燃料タンクとシャトルを結合しているボルトが正常に分離しない恐れがあることが判明し、打ち上げが延期されでいた。

 NASAはシャトル本体後部にある問題のバルブは交換し、ボルトについては、技術的な検討の結果打ち上げに支障はないと判断した。

打ち上げ10日に延期/ディスカバリー

2000.10.06【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)5日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 米航空宇宙局(NASA)は五日午後(日本時間六日未明)、同日夜に予定していた若田光一さん(三七)ら七人を乗せたスペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げを、米東部夏時間九日午後八時五分(日本時間十日午前九時五分)に延期すると発表した。

 NASAによると、九月に打ち上げられた「アトランティス」の船体と外部燃料タンクを結合する長さ十四インチ(約三十五センチ)のボルトが、燃料タンクを切り離した後も、タンク側に完全ノ収納されず、飛び出したままになっていた事実が判明し、タンクの分離状況に問題があった可能性が指摘された。ディスカバリーも同じボルトの構造になっており、「事故につながる懸念が否定できない」としている。

 また、外部燃料タンクとシャトルのメーン・エンジンをつなぐバルブの不調がテスト中に発見され、安全性を確認する必要が出てきたという。

 若田さんは日本人として初めて、国際宇宙ステーション(ISS)の建設に参加する予定だ。

若田光一さん、いよいよ宇宙へ出発 (2000.10.06)asahi.com

打ち上げ100回 宇宙旅行見えた?/若田さん搭乗シャトル6日打ち上げ

2000.10.04【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)3日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 日本人宇宙飛行士の若田光一さん(三七)が搭乗する米スペースシャトル「ディスカバリー」は五日午後九時三十九分(日本時間六日午前十時三十九分)に打ち上げられる。一九八一年四月にスタートした米航空宇宙局(NASA)のシャトル計画は今回フ打ち上げで百回目を迎えるが、この百回はNASAにとって、安全性向上への闘いだった。カギとなったのは、約百万の部品を制御するシステムの確立で、IT(情報技術)革命なしには、成し遂げられなかった。二度シャトルに搭乗した向井千秋さん(四八)は「一般人の宇宙旅行がいよいよ可能な時代がやって来る」と語った。

 ケネディ宇宙センターでは、三日午前零時(同日午後一時)から打ち上げに向けてカウントダウン(秒読み)が始まった。NASA当局者は、「百回目も通常の打ち上げと同じ」(シャトル整備を担当するデイブ・キング氏)と言いながらも、緊張感は高まっていく。

 今回の打ち上げに参加する宇宙開発事業団(NASDA)の宇宙環境利用システム副本部長の堀川康博士(工学)は「シャトルの事故は打ち上げ時に集中する」と語った。

 NASAの計算によると、八〇年代の当初、事故の確率は、七〇−八〇分の一だった。つまり、七、八〇回に一回の割合で事故が起こると予想された。だが、現在では、四八三分の一と計算されている。

 シャトルは、雷、強風、雨、雲による視界不良など悪天候に弱く、打ち上げは気象条件に大きく左右される。今回も五日夜にハリケーン接近の影響で大雨が降ることが予想され、「打ち上げ実施の可能性は六〇%」とみられている。

 シャトル最大の事故となった一九八六年一月の「チャレンジャー」の空中爆発は、極寒の中で起こった。固体ロケットブースターをシールドするゴムのパッキングが凍り付いて、燃料が漏れていたのに気付かなかったのが原因だった。

 シャトルは約百万の部品から作られており、今では、その一つにでも問題があれば、事故につながる危険性があるため、打ち上げは中止される。NASAは、これら百万の部品を一個一個が正常に機能するかどうかチェックし制御するシステムを確立した。堀川博士は「部品一つを作る技術は、日本が非常に優れている。しかし、百万の部品を制御するためには、延々と気の遠くなる計算作業をしなければならない」と指摘する。九〇年代にコンピューターと情報通信技術が飛躍的に向上したことが、シャトルの安全性を高めるのに役立った。

 もっとも、シャトル一回の打ち上げの費用は、打ち上げるだけで五百億円と見積もられ、日ごろのメンテナンス費用などを含めると一千億円に達する。百回の打ち上げに、十兆円の金が掛かった計算だ。

 シャトルの今後の大きな課題は、宇宙飛行士でない一般人を運べるだけの安全性を確立できるかどうかだ。NASAは二〇〇二年までに、事故の確率は一〇〇〇分の一にまで向上すると予想している。向井さんは「ペイロード(搭載荷重)を積載しなければ、シャトルには五十人の乗客が乗れる。シャトルに乗るだけの訓練ならば数日間で可能だ。私のような宇宙飛行士が、世話をする添乗員を務めれば宇宙旅行ができる」と将来の可能性を示唆した。

若田さん準備万端 シャトル搭乗へ/ケネディセンター到着

2000.10.02【ケープカナベラル(米フロリダ州)1日=中田雅博】The Sankei Shimbun
 五日夜(日本時間同六日朝)打ち上げられる米スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗する宇宙開発事業団の若田光一さん(三七)ら宇宙飛行士七人が一日、米テキサス州のジョンソン宇宙センターからケネディ宇宙センターに到着。今回は一九八一年のシャトル初飛行以来、百回目となるが、若田さんは、四年九カ月ぶりに再び宇宙に飛び立ち、日本人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)の組み立てに参加する。若田さんは記者会見で、「準備は万全。青く輝く地球を目の当たりにしながら、国際宇宙ステーションの組み立てを楽しみにしている」と抱負を語った。

「準備は万端」宇宙飛行士の若田さん (2000.09.15)asahi.com

スペースシャトル、国際宇宙ステーションとドッキング(2000.09.11)asahi.com

宇宙へ日用品配達 スペースシャトル打ち上げ(2000.09.09)asahi.com

無人貨物船が居住棟と結合/「国際宇宙ステーション」計画

2000.08.09【モスクワ9日=高木桂一】The Sankei Shimbun
 日米露など十六カ国が参加する「国際宇宙ステーション」(ISS)計画で、ロシアが打ち上げた補給船「プログレスM1」が九日未明(日本時間同日早朝)、高度約四百キロの地点でISS本体の宇宙飛行士の居住棟「ズベズダ(星)」の後部との自動ドッキングに成功した。ロシア宇宙局が発表した。

 ソユーズ宇宙船を改良した「プログレスM1」は燃料や宇宙飛行士用の空気、水、食料品、衣服、実験装置などを搭載したISS初の無人貨物輸送船で、ISSの高度を上昇させられるほか、自らのエンジンを噴射してISSの軌道変更を行う役目も担っている。

 「プログレスM1」は、十月末に米露の宇宙飛行士がロシアのソユーズ・ロケットで「ズベズダ」に乗り込んで本格的な宇宙での滞在を開始する直前にISSから切り離され、大気圏に再突入する予定だ。

露が宇宙貨物船を打ち上げ

2000.08.07【モスクワ6日=共同】The sankei Shimbun
 日本と米国、ロシア、欧州諸国、カナダなどが建設する国際宇宙ステーションに向けたロシアの宇宙貨物船「プログレスM1−3」が日本時間七日午前三時二十七分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。

 プログレス打ち上げは、四カ月間の初の有人滞在飛行に向け十月三十日に出発する予定の米ロの宇宙飛行士三人の活動に必要な燃料や食料などを届けるのが目的。プログレスは九日午前、地球軌道を周回中の基本モジュール「ザリャー」などとドッキングする予定。

 国際宇宙ステーションには十月五日、日本人宇宙飛行士、若田光一さんらが米スペースシャトルで向かい、姿勢制御装置などの取り付けを行う。

国際宇宙ステーション運用で三菱重工とボーイングが協定(2000.07.26)asahi.com

国際宇宙ステーションのロシア製居住棟、打ち上げ成功(2000.07.12)asahi.com

ロシア製ロケット、米通信衛星の打ち上げに成功

2000 年 7 月 2 日[モスクワ 1日 ロイター]
 タス通信は、ロシアの宇宙開発当局の話として、米国製の通信衛星を載せたプロトン・ロケットが、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたと報じた。 衛星は打ち上げから2時間過ぎで予定の軌道に乗ったという。 12日には、2年以上遅れている国際宇宙ステーション(ISS)のロシア製モジュール「ズベズダ」の打ち上げが控えている。

国際宇宙ステーション住居棟、7月12日に打ち上げ(2000.06.28)asahi.com

スペースシャトル・アトランティス、ようやく打ち上げ(May19,2000)asahi.com

シャトル打ち上げ、またも延期(May17,2000) asahi.com

遅れに遅れたスペースシャトルの打ち上げ、秒読み始まる

(2000年5月16日)[ケープカナベラル(米フロリダ州) 15日 ロイター]
 国際宇宙ステーション(ISS)の修復・補給ミッションのため、18日に打ち上げ予定の米スペースシャトル「アトランティス」の秒読みが始まった。

 米航空宇宙局(NASA)は4月、打ち上げを3度試みたもののいずれも悪天候のため延期され、その後、衛星の打ち上げが相次いだことから今回まで予定がずれ込んだ。

 建設途中のISSは現在、通常の軌道を外れたまま地球を周回し、電力不足から人間の居住がままならなくなっている。今回のミッションでは、太陽電池の交換やISSの軌道修正など、一連の復旧作業が実施されるほか、これまでのISS補給ミッションで飛行士らが病気にかかった理由を調査するため、ステーション内の空気サンプルを採集する。

アトランティスの打ち上げは5月18日 NASA発表(April30,2000)

アトランティスの打ち上げ、強風のため延期(April25,2000)

国際宇宙ステーション用のロシア製部品、7月打ち上げへ(February12,2000) asahi.com

国際宇宙ステーション、ロシア分をNASAが肩代わりか(February05,2000) asahi.com

宇宙基地に“民間不動産“

(1999年12月11日)【ワシントン共同】
 軌道上で建設が始まっている、国際宇宙ステ−ションに、民間所有の実験棟をドッキングさせる計画に、米スペ−スハブ社とロシアが10日までに合意した。エンタープライズと名付けられ、宇宙ステーションのロシア部分に接続する。製造費は約1億ドル。内部では、宇宙飛行士が生活することも可能で、同社は「民間が所有する初の宇宙不動産になる」としている。

宇宙基地で吐き気や頭痛

(1999年8月8日)共同通信社【ワシントン共同】
 今年5月に打ち上げられた米スペースシャトルに乗って、軌道上で建設中の国際宇宙ステーションに資材を運び込んだ宇宙飛行士らが、宇宙滞在中に吐き気や頭痛、目の痛みに悩まされていたことが分かった。7日付の米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。ステーションに使われている化学物質のにおいや二酸化炭素が原因とみられる。

愛称は「きぼう」 国際宇宙ステーションの日本実験棟(April24,1999) asahi.com

国際宇宙ステーションのゆくえ

by日経サイエンス1996年8月号
 国際宇宙ステーションは270億ドル(約3兆円)もする軌道実験室であり,現在,アラバマ州ハンツビルのボーイング社の工場やモスクワのクルニチェフをはじめ,世界各地の工場でその姿を着々と整えつつある。もちろん日本も参加する。

 宇宙ステーションについては,多くの輝かしい見通しが発表されてきた。しかしそれは,科学的な可能性というより,地球上の政治と深い関係をもった“期待”かもしれない。

 宇宙ステーションの支持者たちは,莫大な科学的かつ商業的な見返りがあると何年にもわたって主張してきた。しかし,スペースシャトルで10年以上続けられてきた実験から得られた科学的な収穫は,時に興味深いものはあったものの,基本的な識見を生みだすことはなかった。

 米国宇宙研究委員会のような科学的な討論会でも,予想される収穫はその施設の全費用に見合ったものではないと警告している。多くの科学者は,この大がかりな計画に反対しているが,その政治的な勢いは止めようがないのが現実らしい。

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