TOPIC No.6-27 民間宇宙旅行

01. 民間宇宙旅行
02. Space Future Japan
03. Vergin Galactic


日本人63人の遺灰打ち上げ 今月末に米で宇宙葬

2008/07/26 【共同通信】47News

 【ニューヨーク25日共同】「宇宙葬」を手掛ける米企業セレスティスは25日、今月末に日本人63人分の遺灰をロケットで打ち上げることを明らかにした。同社によると、米国で行われる日本人の宇宙葬では過去最大。

 宇宙葬は1997年に米国で開始。故人の遺骨や遺灰を宇宙空間にまくというスタイルが現代人の心をとらえ、参加希望者は年々増加。米国では同社など数社が手掛けており「希望者は米国人に次いで日本人が多く、日本は宇宙葬の有望な市場」(同社の広報担当者)という。

 同社によると、ロケットはマーシャル諸島の米軍基地から発射される。日本など世界各地の208人分の遺灰がカプセルに入れられ、衛星に積み込まれる。1人当たりの遺灰の分量は1−14グラム。衛星は地球を数年間、周回した後、大気圏内で燃え尽きるという。費用は1人約2500ドル(約27万円)から約7500ドル。

09:27

米大富豪 宇宙ホテル実現へ ステーション、10年で3基建設

2007/04/14 FujiSankei Business i.

 ■来週にも試験船打ち上げ

 米ラスベガス(ネバダ州)のホテル王が来週にも、世界初となる民間版国際宇宙ステーション(ISS)建設に向け小型の原型宇宙船を打ち上げる。ISSで宇宙飛行士を大量養成し、宇宙でホテルビジネスを始める計画だ。民間版ISSは2013年にも完成する予定で、個人向けの商業宇宙ビジネスの幕開けが視野に入った。

 宇宙ホテル事業を計画しているのは、ラスベガスのホテルチェーン「バジェット・スィート」を展開する富豪、ロバート・ビゲロー氏。1999年に米航空宇宙局(NASA)などと提携し、商業宇宙事業を行う「ビゲロー・エアロスペース」を設立した。

 同社の発表によると、来週、同社が開発した試験用宇宙船「ジェネシスII」を露オレンブルク地域にある同国の宇宙関連企業、ISCコスモトラスの宇宙基地からドニエプルロケットで打ち上げる。

 ジェネシスIIは、NASAの設計によるもので、長さ4・4メートル、打ち上げ時の直径は1・9メートルだが、軌道に乗ると直径が2・54メートルに膨らむ風船構造を持つ。外壁は水を充填(じゅうてん)した柔らかい構造で、長期間使用した場合の耐久性なども調べる。

 各種センサーをはじめ、実用宇宙船に必要とされるさまざまな機器を搭載。これらの機器のほか、サソリや、ペットとして人気があるマダガスカルゴキブリ、アリの巣なども搭載し、宇宙空間での生態をネットで公開する。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、ジェネシスIIの約3倍の大きさを持つ居住用の宇宙船「サンダンサー」もすでに開発中で、10年末に完成する。350キロの地球の周回軌道に乗せたサンダンサーをいくつも連結することで、最終的に90メートル四方のISSとする構想だ。ISSには居住空間だけでなく、さまざまな施設を備える。13年までに1基、17年までに3基のISSをそれぞれ建設する。

 ただ、ISSが完成しても、ただちに宇宙ホテルを開業するわけではない。同紙によると、ビゲロー氏は「現在、現役の宇宙飛行士は世界に225人いるが、なぜ2250人いないのか」と述べ、ISSを利用して宇宙飛行士の養成に取り組む考えを示した。50〜60カ国から宇宙空間での訓練を希望する飛行士を募集するという。

 宇宙ホテル事業については、宇宙船の運賃と4週間のISS滞在費を合わせて1人1490万ドル(約17億7000万円)と高額の料金を想定しているものの、JTBなどが販売しているカザフスタン・バイコヌール基地からのツアー(約30億円)は下回る。

 宇宙旅行事業をめぐっては、ビゲロー氏のほか、英ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン氏が「ヴァージン・ギャラクティック・スペース」を立ち上げるなど富豪による事業計画がめじろ押しだ。(佐藤健二)

米、2008年までに民間宇宙旅行を認可

2006年02月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】ミネタ米運輸長官は、2008年までに民間による宇宙旅行を事業認可する方針を決めた。

 来年中に安全確認のための試験飛行を認め、安全性が実証されれば、認可に踏み切る見通し。

 米国は2年前から有人飛行による民間商業利用を可能にするため、民間宇宙船の安全装置義務づけなどの国内諸制度の改正を始めており、今回の方針表明は、この流れに沿ったものだ。

 今月9日に開かれた宇宙の商業利用に関する企業家らとの会合で、ミネタ長官は「2年以内の認可はSFではなく、現実的な日程」と強調したという。

 米国では、英ヴァージン・グループが宇宙観光船の08年の初打ち上げを目指し、米西部で発射基地建設を決めるなど、複数の事業家が参入を表明している。

民間人の宇宙旅行、08年までに米から打ち上げと

2006.02.10 CNN/AP

 ワシントン――ミネタ米運輸長官は9日、民間人の宇宙観光客を乗せたロケットの米国内からの打ち上げを2008年までに実現させる、との計画を明らかにした。AP通信によると、宇宙関連ビジネスの起業家との会合で表明した。

 実験飛行の許可は来年に出す見込み。これが成功すれば、本番用のライセンスを発行するとしている。

 民間人の宇宙旅行はこれまで、ロシアが手掛けており、計3人を国際宇宙ステーションなどに飛ばしている。料金は推定2000万ドル相当となっている。

宇宙旅行ビジネスに参入 ライブドア堀江社長が個人事業で

2005/10/16 The Sankei Shimbun

 ライブドアの堀江貴文社長は16日、福岡市で始まった国際宇宙会議福岡大会の会場で記者会見し、世界各国を対象とした宇宙旅行ビジネスに、2008年にも参入する計画を発表した。

 堀江氏は、ライブドアではなく個人事業として宇宙ビジネスを手掛ける「ジャパン・スペース・ドリーム」を設立。ロシアの宇宙機関が保有し、現在は利用されていないカプセル型の小型宇宙船(高さ約8メートル、直径約2メートル)を使用することにしており、カプセルの使用権を持つ米国企業と独占的な契約を結んだ。

 カプセルは1974年から83年にかけて実際に打ち上げられた実績を持ち、再利用が可能だという。堀江氏は「低コストで安全で安価な宇宙旅行に送り出せる」と強調した。

 計画によると、カプセルには、3人が搭乗可能。各国の富裕層を中心に顧客を募集し、当面は1日以内の短い滞在期間で地球の軌道上を回る。将来は市場で資金を調達して宇宙ステーションの打ち上げも検討している。

 堀江氏は、保有するライブドア株の一部を6月に売却した資金で数十億円を投資し、運営主体の経営に共同で参画。現在の宇宙旅行で22億円程度とされる費用を「目標は10分の1以下。5分の1以下は実現できるのでは」と“低価格”にする考えを示した。

 カプセルはこの日、会議関係者らに披露され、堀江氏は「夢に向けて第一歩を踏み出した。初の飛行には乗りたい」と意気込んだ。(共同)

太陽帆船、打ち上げ失敗 ロケットのエンジン停止

2005/06/22 The Sankei Shimbun

 民間団体の米惑星協会(本部カリフォルニア州)は米東部時間の21日午後(日本時間22日未明)、太陽の光の圧力だけで宇宙空間を進む世界初の太陽帆船(ソーラーセール)「コスモス1」をバレンツ海のロシア原子力潜水艦から打ち上げた。

 しかしロシアのタス通信がロシア宇宙関係者の話として伝えたところでは、弾道ミサイルを改造した三段式ロケットの一段目エンジンが途中で停止、地球周回軌道への投入に失敗した。

 ソーラーセールは、燃料がいらない究極の省エネ宇宙船で、将来の惑星間飛行の手段として各国が注目する技術。日本の宇宙航空研究開発機構が昨年8月、宇宙空間で直径約10メートルの帆を広げる実験に成功しているが、帆を使った航行に挑戦したのは同協会が初めて。

 コスモス1はロシアで製作、長さ約15メートルの帆8枚を持つ。約400万ドル(約4億3000万円)という宇宙船としては超低コストで実験に臨んだ。(共同)

懸賞金11億円を獲得 宇宙飛行、2回目も成功

2004/10/05 The Sankei Shimbun
 米航空宇宙開発会社「スケールド・コンポジッツ」は4日午前(日本時間同日深夜)、カリフォルニア州南部モハーベ砂漠で、懸賞金1000万ドル(約11億円)をかけた2回目の宇宙飛行実験に挑戦、宇宙船は高度100キロに達し実験は成功した。同社が発表した。

 9月29日に続く高度100キロ飛行の成功で、民間の宇宙旅行を促進するための基金「エックス・プライズ」から懸賞金を獲得する。本格的な民間宇宙旅行の時代に向け、大きな一歩となった。

 高度100キロ以上の飛行に3人乗りが可能な宇宙船で2週間以内に2回成功するのが懸賞金獲得の条件。世界各地の26団体が懸賞金争いに参加したが、6月に初めて100キロ到達に成功した後も実績を重ねているコンポジッツ社が事実上、独走状態にあった。

 実験用の小型宇宙船「スペースシップ1」は空中で運搬機から切り離された後、ロケット噴射で最終的に民間としては最高記録となる高度112キロまで上昇。その後はグライダーのように滑空しながら地上に帰還。3人乗りだが、操縦士1人に人間2人分相当の重りを積載した。

 宇宙空間が始まる高度100キロへの飛行では、上方の空が宇宙空間のように黒く、地球の青い輪郭が見える上、船内では約3分半の無重力状態も体験できる。(共同)

米実業家、宇宙旅行へ出発 ステーション要員と同乗

2005/10/01 The Sankei Shimbun

 民間人として国際宇宙ステーションを訪れる米国人実業家とステーションの交代要員2人が搭乗したロシアのソユーズロケットが1日午前(日本時間同日午後)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。

 ロケットは約10分後に3段目までを順調に切り離し、宇宙船を予定の軌道に投入。打ち上げは成功した。

 ステーションの乗員は米国のウィリアム・マッカーサー飛行士(54)とロシアのワレリー・トカレフ飛行士(52)の2人。半年間の訓練を含めて費用2000万ドル(約22億6000万円)を自費で支払った米国人実業家のグレゴリー・オルセンさん(60)が同乗した。

 オルセンさんはステーションに8日間滞在して地球の眺めや無重力を味わった後、4月14日以来ステーションに滞在していた米ロ2人の飛行士とともに、11日に地球に帰還する予定。

 交代する2人の飛行士はステーションで約6カ月間、装置の取り付けや次のスペースシャトルによる建設作業に向けて準備などに当たる。

 オルセンさんは光学機器の開発で財産を築き、米国の旅行会社スペースアドベンチャーズがあっせんした今回の宇宙旅行に応募。打ち上げ前の9月30日、滞在先のホテルで「(健康問題で一時中断したが)2年間の厳しい訓練だった。宇宙では目いっぱいリラックスして、楽しみたい」と抱負を語った。宇宙では子ども向けの科学実験などをして過ごすという。(共同)

13トンの衛星搭載可能、ロケット打ち上げ成功

2004/12/22 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=笹沢教一】米ボーイング社は21日、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地で、商業ロケットの積み荷としては最も重い13トンの静止衛星打ち上げ能力を持つデルタ4ヘビー(増強型)ロケットの初打ち上げに成功したことを明らかにした。

 同ロケットは通常1基の主エンジンを3つ並べた構造を持ち、主に軍事衛星などの打ち上げに利用される。

 打ち上げ能力の大きい増強型のロケット開発は、日本でもH2Aで検討されていたが2年前に断念、コストを抑えた別のタイプの開発が進められている。

米80歳女性が無重力体験 ギネスが「最高齢」認定

2004/11/30 The Sankei Shimbun
 宇宙観光旅行をあっせんする米旅行会社スペース・アドベンチャーズ(バージニア州)は29日、同社が手配した航空機の弾道飛行で無重力を体験したドロシー・シンプソンさん(80)がこのほど、さまざまな世界記録を集めたギネスブックに「無重力を体験した世界最高齢の女性」として認定されたと発表した。

 飛行はモスクワ近郊で行われ、航空機が弾道飛行を繰り返し、完全な無重力状態を何度かつくり出した。ドロシーさんは「新記録を作るつもりはなかったわ。でも無重力体験は忘れられません」と話しているという。

 ドロシーさんは自らも航空機の操縦資格を持つ宇宙航空ファンで、76歳だった4年前にもロシアの戦闘機で高度約2万4000メートルまで上昇、音速の2倍以上のスピード飛行を体験している。(共同)

太陽光で飛行…米ソーラーセール宇宙船を来春打ち上げ

2004/11/11 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=笹沢教一】米国の研究者組織「惑星協会」は9日、太陽の光を巨大な帆に受けてヨットのように宇宙空間を飛行するソーラーセール宇宙船を来年3月に打ち上げると発表した。

 コスモス1と名付けられた宇宙船は、風車状に配列された長さ約15メートルの三角形の帆、計8枚を持つ。打ち上げ時はたたんだ帆を、宇宙空間で展開。太陽光(太陽から放出される光の粒子)の圧力を受けて推進する。

 コスト節減のため、打ち上げには、バレンツ海のロシア原潜の弾道ミサイルが使用される。3―4月の打ち上げを予定しており、ロシア海軍と調整中。

 日本でも宇宙航空研究開発機構のソーラーセールが今年8月、宇宙空間で帆の展開試験に成功しているが、同協会は「地上施設からの追尾と飛行制御を行うソーラーセールの打ち上げは初めて」としている。

 空気や重力のない宇宙では、太陽光の微弱な圧力でも推進力に活用できる。宇宙船に燃料を搭載する必要がなくなることから、ソーラーセールは、木星以遠の惑星探査などへの応用が期待されている。

 今回の飛行は、同協会を設立した著名な天文学者カール・セーガン博士の生誕70周年を記念して行われる。

米社、高度100キロ飛行に成功 「宇宙旅行の夢」近づく

2004/09/29 The Sankei Shimbun
 米航空宇宙開発会社「スケールド・コンポジッツ」は29日午前(日本時間30日未明)、カリフォルニア州南部モハーベ砂漠の実験場で、同社によると、宇宙空間が始まる高度100キロへの第1回の飛行に成功した。

 民間の宇宙旅行を促進するための基金「エックス・プライズ」は高度100キロへの飛行に1000万ドル(約11億円)の懸賞金を掛けており(1)3人乗り宇宙船で(2)2週間以内に2回成功−を条件としている。この日の成功でコンポジッツ社は懸賞金に王手をかけた。10月4日に2回目の飛行を行う予定。

 同社はことし6月に民間会社として世界で初めて宇宙飛行を達成。今回の成功は「宇宙観光」を目指す機運に一層、弾みをつけ、特別な訓練を受けずに体験できる宇宙旅行の夢がさらに近づいたといえそうだ。

 29日に使用されたのは6月と同じ「スペースシップ1」で、流線形の本体に幅5メートルの翼を付けた小型宇宙船。今回の実験では操縦士1人が2人分の重りを積んで飛行した。

 運搬用の大型機で実験場を離陸、高度約15キロまで運ばれた後、切り離された。

 スペースシップ1は、ロケット噴射で高度100キロまで上昇した後、グライダーのように滑空しながら地上に帰還。飛行時間は合計で約1時間半。高度100キロでは、上方の空が宇宙空間のように黒く見え地球の輪郭が目視できる上、約3分半の無重力状態が体験できる。(共同)

07年に民間宇宙旅行 R・ブランソン氏が計画発表

2004/09/28 The Sankei Shimbun
 航空会社などを傘下に持つ英ヴァージン・グループを率いるリチャード・ブランソン氏は27日、商業目的の民間宇宙飛行を2007年までに実現する方針を発表した。同氏は「世界初の商業宇宙飛行」としている。

 英BBC放送などによると、“運賃”は11万5000ポンド(約2300万円)からで、乗客は訓練を受けた後、宇宙との境界とされる高度100キロを超える宇宙旅行を体験できるという。

 同グループは、民間初の有人宇宙飛行船スペースシップワンの打ち上げに今年6月、成功した米モハベ・エアロスペース・ベンチャー社と、15年間で最大1400万ポンドを支払う契約を締結。

 同社の技術協力を受けスペースシップワンを大型化し、5機の飛行船の建造を来年から始める。当初は米ロサンゼルス近郊から打ち上げ、5年間に3000人を宇宙に送り出す計画という。(共同)

小企業の宇宙開発参加を 野口さんら交えNYで会議

2005/09/02 The Sankei Shimbun

 小企業のユニークな発想や高度な技術を宇宙開発に取り入れていこうと、米航空宇宙局(NASA)は1日、中小企業経営者らを集めた会議をニューヨーク市内で開催。スペースシャトル「ディスカバリー」の宇宙飛行士、野口聡一さんらを交え、技術力活用の方策などを話し合った。

 2003年のコロンビア空中分解事故以来、2年半ぶりとなった今回の再開飛行でも外部燃料タンクから断熱材が落下するなど、シャトル飛行をめぐる技術上の不安はぬぐいきれていない。

 大企業にはない発想の活用などを狙うNASA側からは幹部やディスカバリーのコリンズ船長、野口さんらが参加し、100人以上の出席者に技術協力を要請した。

 野口さんは会議後「スモールビジネスがこれからの宇宙開発を支えるのは確か。シャトルの中には日本の製品も結構あり、新しいアイデアを持った中小企業の参加を望みます」と語った。(共同)

宇宙旅行を22億円で販売 JTB、月へは110億で

2005/08/18 The Sankei Shimbun

 JTBは18日、宇宙旅行を手掛ける米スペースアドベンチャーズと提携し、同社が企画する宇宙旅行を10月から販売すると発表した。国際宇宙ステーションに1週間滞在するツアーを約22億円で販売するほか、約110億円で月に行く計画もあるという。

 スペースアドベンチャーズは、これまで米実業家ら2人を宇宙旅行に送り出した実績がある。JTBは「宇宙旅行は現実的で身近になりつつあり、高額でも宇宙に行きたいという人は多いはずだ」と話している。

 国際宇宙ステーションに滞在するツアーは、ロシアの宇宙船「ソユーズ」を利用。無重力や超音速の体験など、宇宙飛行士と同じような訓練を6―8カ月にわたり受ける必要がある。

 月への旅行は早ければ2008年に実現する。ソユーズを利用し、月まで片道約3日間かけて行き、月の裏側を飛行して地球に戻る。地球の低軌道で別のロケットとドッキングし直接月に向かう場合は期間が8―9日、いったん国際宇宙ステーションに滞在する場合は9―21日となる。

 このほか航空機で高度100キロまで上昇し、地球を見下ろしたり無重力を体験する旅行を約1100万円で販売。航空機の急上昇と急下降により無重力を体験するツアーをロシアと米国で実施する計画もあるという。(共同)

身近になった?宇宙旅行 8日滞在で23億円など 民間ツアー相次ぐ

2005/08/15 Fuji Sankei Business i.

 宇宙からのメッセージを残し、スペースシャトル「ディスカバリー」が先週、無事、帰還した。かつて厳しい訓練に耐えたほんの一握りの選ばれた宇宙飛行士だけが踏み入れることができた宇宙。しかし、時代は巡り、民間宇宙旅行のツアー募集が開始されるなど宇宙との距離が確実に縮まっている。

 旅行代理店のクラブツーリズム(東京都新宿区)は、英ヴァージングループの宇宙旅行会社、ヴァージン・ギャラクティック社と提携、同社が二〇〇八年春から実施する宇宙旅行プランの日本での販売枠を確保している。七月二十九日に抽選会(当選者枠は一人)を実施、「当選者の性別や年齢は秘密」(同社)だが、〇八年中にも宇宙に旅立つ予定だ。

 ヴァージン・ギャラクティック社が手掛ける宇宙旅行は、飛行前に三日間の訓練をした後、飛行機で約二時間三十分から三時間の飛行を楽しむ。そして、飛行機に取り付けられた宇宙船に乗り、高度一万五千メートル地点で切り離された後、ロケットエンジンが点火し、音速の三倍というスピードで宇宙空間とされる上空百キロメートルにまで到達する。乗客は約五分間の無重力状態を体験することができるという。

 認知度や業績向上を図るため、宇宙旅行に注目する企業も現れた。タイの日用品メーカー、サハパタナピブン社は即席めんの拡販キャンペーンとして「宇宙の入り口への旅」と銘打った景品を用意した。景品名に“入り口”とあるように、ロシアのジェット戦闘機で上空十六キロメートルまで上昇する。

 ◆一般人に高い敷居

 数日間の訓練だけであこがれの宇宙空間に誰もが行けるが、高いハードルが存在しているのも事実。その最大のネックが旅行代金だ。

 宇宙旅行の値段の一例をあげると、民間宇宙旅行のパイオニアである米スペース・アドベンチャーズ社は二〇〇一年からロシアの宇宙船ソユーズで八日間滞在できる宇宙旅行ツアーを実施、その参加料は何と一人当たり二千万ドル(約二十三億円)。

 〇一年には米カリフォルニア州の大富豪、デニス・チトーさん(60)が、〇二年には南アフリカ共和国の青年実業家、マイク・シャトルワースさん(28)が、それぞれ宇宙への切符を手に入れているが、一般人には簡単には手が出ない。

 ヴァージン・ギャラクティック社が計画している宇宙旅行でも、一人当たりの旅行代金は二千二百万円。「宇宙に行くという貴重な経験はお金で買えない」という価値観を持つ人ならこの金額でも何ら問題はないが、一般の人ならこの価格を聞いただけで、尻込みするにちがいない。

 ただ、旅行業界関係者の間では、「時期は分からないが、旅行代金が二百万−三百万円ぐらいになれば敷居はぐっと低くなるだろう」(大手旅行代理店)との見方が強い。(松元洋平)

英会社主催の宇宙旅行、川崎在住の56歳女性が当選

2005/07/30 YAHOO!ニュース(読売新聞)

 英国の宇宙旅行開発会社「ヴァージンギャラクティック社」が2008年に主催する宇宙旅行の参加者を決める抽選が29日行われ、川崎市内の団体職員の女性(56)が当選した。

 1人の参加枠に7人が応募していた。抽選は、日本での代理店となっているクラブツーリズムの本社で公開された。当選した女性は「小さいころから星が好きで、宇宙に行くのが夢だった。無重力空間を泳いだり、地球を外から見るのが楽しみ」と話している。

 参加費用は一人約2200万円で、クラブツーリズムは、今回の1人のほかに、2008年中に6人分の参加者枠も確保しており、8月31日まで申し込みを受け付けているという。

宇宙旅行に向けベンチャー設立 ヴァージンと米開発会社

2005/07/30 The Sankei Shimbun

 英ヴァージン・グループは29日までに、民間宇宙ツアーに使う宇宙船の開発・製造を行うベンチャー会社「スペースシップ・カンパニー」を近く設立することで米航空宇宙開発会社スケールド・コンポジッツ社と合意したと発表した。

 合意によると、このベンチャー会社は新型宇宙船「スペースシップ2」を開発し製造。ヴァージン・グループが宇宙ツアーの広報、販売業務を担当する。2008年までに民間では世界初となる宇宙ツアーを実施するという。価格は1人当たり20万ドル(約2200万円)の見通し。

 コンポジッツ社は昨年6―10月、小型宇宙船「スペースシップ1」で、宇宙空間の始まりとされる高度100キロへの飛行に3回成功。スペースシップ2はこの改良型となり、乗客は短時間の無重力状態や上空の宇宙空間、眼下の青い地球を楽しむことができるという。(共同)

宇宙旅行は1泊1億1千万円 ガイド本出版

2005/07/27 The Sankei Shimbun

 国際宇宙ステーション(ISS)滞在は1人当たり約22億円、宇宙ホテルへの宿泊は将来1泊約1億1000万円で−。宇宙旅行のノウハウを、旅行ガイドブック風にまとめた「宇宙の歩き方」が27日、ランダムハウス講談社から出版された。

 ISS滞在や飛行機で無重力状態を体験できるツアーなど現在実施されている旅行のほか、将来実現が見込まれる宇宙や月、火星での滞在などを詳しく紹介した。出版元は「本気で宇宙に行く気があれば、絶対に役に立つ本」とアピールしている。

 日本や米国、ロシアなどが建設に参加し、地球を周回しているISSにはこれまで、米スペースアドベンチャーズ社の宇宙旅行で民間人2人が各約2000万ドルの費用で滞在した。また同社や英国のヴァージンギャラクティック社などは2008年ごろから、弾道飛行の宇宙船で5−25分間にわたり宇宙に滞在できるツアーを計画している。

 ガイドブックは、こうした各社の宇宙旅行計画の詳細や申込先をカラー写真を使って紹介。将来は「宇宙に約5分間滞在する弾道飛行なら約1100万円」などと取り上げた。

 「宇宙飛行士には日本のレトルトカレーが大人気」「ISSからは世界中どこへでも電話できる」との豆知識や無重力状態での食事、トイレの方法など注意事項も掲載した。

 著者は、宇宙飛行士についての著作も多いフリーライターの林公代さん。税別1600円。(共同)

月周遊飛行のお値段は…112億円 露企業が承認申請

2005/07/26 The Sankei Shimbun

 宇宙船「ソユーズ」の生産などで知られるロシア企業エネルギヤは、1人1億ドル(約112億円)で民間人を初の月周遊飛行に招く計画をまとめ、ロシア宇宙庁に承認申請した。26日付イズベスチヤ紙が伝えた。

 「添乗員」の宇宙飛行士1人とともに、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地をソユーズで出発。米ロなどが運営する国際宇宙ステーションに1週間滞在した後、軌道上にあらかじめ打ち上げておいた別の補助ロケットを使用し、さらに1週間かけて月の上空100―200キロを周回、地球に戻るという。

 現在の宇宙観光は、米国の旅行社がロシアと提携、国際宇宙ステーションに1週間滞在するパック旅行で、費用は訓練費も含め2000万ドル。(共同)

クラブツーリズムが英Virgin Galacticと提携、弾道宇宙飛行を国内販売へ

2005/05/13 MYCOM PC WEBニュース

 英Virgin Galacticは、計画中の有人弾道宇宙飛行の国内販売についてクラブツーリズムと提携、12日に開催された記者発表会にて、ツアーの概要について説明した。日本国内での独占販売権をクラブツーリズムに提供するもので、同社はツアー参加者の募集を開始、2008年に予定される運行開始後1年以内に、貸し切りのフライトを1回催行する。このような他企業との販売委託契約は、Virgin Galacticにとっては初めてという。

 同社を傘下に持つVirginグループは、昨年、世界で初めて民間機による有人弾道宇宙飛行に成功した「SpaceShipOne(SSO)」の技術をベースとして、商業宇宙飛行サービスに参入することを発表している。製造されるのは5機のSpaceShipTwo(SS2)「VSS(Virgin SpaceShip) Enterprise」と2機の母船とされ、2008年からのサービス提供を目指している。Virgin Galacticによると、すでに118カ国より、2万8千人が予約登録を済ませたそうだ。

 Virgin Galacticは、同社のフライトを最初に利用する100名分を「ファウンダーシート」として販売しているが、この提携を受け、このうち1名分をクラブツーリズムに割り当てる(2005年7月末までに申し込む必要がある)。さらに、運行開始後1年以内には、同社向けに貸し切りのフライト(定員6名)も予定されており(同12月末まで)、現状、計7名の枠が設定されている。価格は1人当たり20万ドル(約2,200万円)で、米国で3日間のトレーニングを受けた後、カリフォルニア州モハベ空港から宇宙へ向け出発することになる。

 SS2はSSOと同様の飛行システムとなるようで、高度5万フィートまで母船で運ばれ、上空で切り離された後、ロケットエンジンを点火。音速の3倍というスピードで、高度100キロの宇宙空間まで上昇する。宇宙滞在は約25分、無重量状態となるのは4〜5分で、フライトに要する時間は2時間半〜3時間となる見込みだ。デザインなどはSSOと同様だが、SS2は定員6名+パイロット2人となるため、機体のサイズはSSOの3倍程度になるそうだ。

 クラブツーリズムは2001年より「宇宙旅行クラブ」(年会費1,000円、会員数約500名)を立ち上げるなど、早くから宇宙旅行ビジネスに興味を持ってきた。会見の冒頭、高橋秀夫・同社代表取締役会長兼CEOは、「夢の実現へのカウントダウンが始まった」とコメント。「2007年には団塊の世代の人たちが還暦を迎える」と、顧客としてシニア層に注目していることも明らかにした。「40〜50年後には月・火星への旅行に進化していくのは夢ではない。今回の提携が、日本の宇宙旅行時代の幕開けの一助となることを心から願っている」と同氏。

 Will Whitehorn・Virgin Galactic社長は、「民間の飛行機と同じくらい」とSS2の安全性を強調。上空から発射するスタイルや、ゴムと亜酸化窒素を燃料とするロケットシステム、カーボンファイバーでできた機体など、安全性に貢献する要素をあげた。また、打ち上げ時には4〜5G程度の負荷がかかるが、搭乗者の身体的な制限は特にないそうで、「(Virginグループの設立者である)Richard Branson氏や、90才になる彼の父親も搭乗予定」であることも紹介、誰でも参加できることをアピールした。

 20万ドルという価格は依然として高価だが、「10年で宇宙旅行を何千・何万人に手が届くものにしたい」(同氏)とのことで、5年以内には10万ドルまで価格を下げることも検討。SS2の運行は、当初は週1便で開始し、6カ月後には週2便に、そして3機目のSS2が完成した時点で、毎日運行することを目指すそうだ。(大塚実 )

元ライブドア取締役、宇宙旅行へ…邦人初、代金20億

2005/03/13 読売新聞 Yomiuri On-Line

 宇宙旅行を手がける米スペースアドベンチャーズ社は12日、元ライブドア取締役の榎本大輔さん(33)が今年10月、ロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーションに行き、1週間滞在する見通しであることを明らかにした。

 旅行代金2000万ドル(約20億8000万円)の一部は手付金として払われている。ロシア側の最終判断を待ち来月にも正式決定する。

 民間人の宇宙ステーション滞在は、2001年の米実業家、02年の南アフリカの実業家に次いで3番目。日本人では初の個人旅行者になる。榎本さんは現在、IT企業への投資活動を行っている。昨年11月に申し込み、米露で健康診断などを受けてきた。

 榎本さんは「宇宙ステーションでは好きなプラモデルを作るなどして、個人旅行者として楽しみたい」と抱負を述べている。

スペースシップワン、米航空宇宙博物館に展示へ

2005/03/12 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】米スミソニアン協会は、昨年、宇宙の実証飛行に成功した世界初の民間有人宇宙船「スペースシップワン」を今夏、ワシントン市内の航空宇宙博物館に展示すると発表した。

 宇宙船を開発したスケールド・コンポジッツ社のバート・ルータン社長と、マイクロソフト社の共同創設者で宇宙船に出資したポール・アレン氏が寄贈を決めた。

 同協会によると、博物館中央の歴史的偉業のコーナーに、単独大西洋横断飛行を果たしたリンドバーグの「スピリット・オブ・セントルイス」と世界初の超音速機「ベルX1」の間に展示されるという。同じ場所には、最初の動力飛行に成功したライト兄弟の「ライトフライヤー」も、年内に展示される。

宇宙旅行ビジネス、投資家の慎重な姿勢が障害に

2004年10月29日 WIRED NEWS

 バート・ルータン氏とポール・アレン氏の魅力的な外観の小型宇宙船、『スペースシップワン』は『アンサリXプライズ』の賞金1000万ドルを獲得(日本語版記事)して滑走路に戻ったばかりだが、Xプライズを立ち上げたピーター・ディアマンディス会長は、様子を見守っているであろう世界中の投資家にメッセージを送っている。

 「みんな、投資を始めるんだ。市場はここだ……。(宇宙旅行は)本当に金になる」と、ディアマンディス会長は10月、スペースシップワンの歴史的フライトの後に語った。

 ディアマンディス会長の投資の呼び込みは、1つの具体的な成果につながっている。英ヴァージングループ社のリチャード・ブランソン最高経営責任者(CEO)とアレン氏のモハーベ・エアロスペース・ベンチャーズ社は、5人乗りの弾道飛行用宇宙船を5機建造する協定を結んだ。早ければ2007年に飛行を開始できる見込みだ。ブランソンCEOによれば、宇宙船の建造費に1億ドルかかるほか、モハーベ・エアロスペース社の技術のライセンス契約に2000万ドルかかる可能性があるという。

 だが、宇宙旅行サービスを始めたい者にとっても宇宙旅行に行きたい者にとっても、さしあたって問題となるのは、ヴァージングループ社に続く具体的な投資の話がないことだ。

 世界には今のところ、実験的な宇宙船に喜んで大金をそそぐアレン氏のような億万長者はあまりいないようだ。投資の元を取れる見込みにこだわる伝統的な考え方の投資家は、思い切って投資する前にもっと多くの実績を見たいと話している。

 ベンチャー企業米スペース・トランスポート社(ワシントン州)をエリック・マイヤー氏とともに立ち上げたフィリップ・ストーム氏は、「金や融資のことを考えると、あれこれ手を出すのはためらわれる」と語る。スペース・トランスポート社は、わずか42万ドルの予算で弾道飛行用宇宙船を開発することを目指している。2人はこれまでに予算の半分を少し超える資金を集めた。

 ストーム氏は10月、「2500万ドルあれば、計画しているXプライズ型の宇宙船を何回も打ち上げられるだろう。われわれの構想を実証できる」と話す。2500万ドルというのは、アレン氏がスペースシップワンの開発に注いだとされている金額だ。

 スペース・トランスポート社のように小規模で地味な取り組みをしているところだけが、資金調達に苦労しているわけではない。長年にわたる業務の実績があり、政府とロケット技術契約を結ぶだけの信頼性がある一部企業も、やはり投資の呼び込みに苦心している。

 米XCORエアロスペース社のジェフ・グリーソン社長は、「6月にスペースシップワンが飛行した後も、目に見えて関心が高まるようなことは一切なかった」と語る。カリフォルニア州モハーベにあるXCOR社の本社は、ルータン氏が経営する米スケールド・コンポジット社の駐機場のすぐ近くにある。

 XCOR社は現在、弾道飛行用宇宙船『ジーラス』(Xerus)の開発に取り組んでいる。ジーラスは、従来型の航空機のように離陸して大気圏を抜け、着陸時も地上の滑走路を使う。プロジェクトの資金が十分に集まれば、1年半〜2年後には飛行が可能だと、グリーソン社長は説明する。グリーソン社長の見積もりでは、1000万ドルの資金が必要だという。XCOR社はすでに米スペースアドベンチャーズ社(バージニア州)との間で、1人あたり9万8000ドルの料金で弾道飛行を行なう契約を結んでいる。

 「これまでわれわれの足かせになっていたすべてのことが、1つずつ、大いなる進歩を遂げている。だが、相変わらず残っている根本的な障害は、『資金を調達できるのか?』ということだ」とグリーソン社長。

 宇宙旅行を請け負う起業家がなぜ、資金調達の障害を取り除くのにそれほど苦労しているのか? どうやら、世間が宇宙飛行に無関心だからではないようだ。

 過去10年間の調査で、米国などの富裕な国々では宇宙旅行への関心が広がっていることが明らかになっている。米国の最富裕層には、弾道飛行で数分間宇宙にいられるだけでも25万ドルもの大金を払ってもいいと考える人が多い。

 ブランソンCEOが1ヵ月前にヴァージン・ギャラクティック社の宇宙飛行サービスについて発表して以来、1人約20万ドルかかる搭乗客の候補として約7000人が署名している。5年間で3000人を宇宙に運ぶという構想をブランソンCEOが実現すれば、何億ドルもの売上につながるだろう。

 だが、この魅力的な可能性も今まで、従来のベンチャー・キャピタリストや投資銀行をほとんど説得できていない。

 ベンチャーキャピタル米メイフィールド社(カリフォルニア州メンロパーク)のマネージング・ディレクター、ピーター・レバイン氏は、「われわれは5年で収益を出すことを目指す」と語り、「この計画では、投資額を回収できるのは何年も先、はるか先のことになる」という。レバイン氏はさらに、宇宙船の信頼性や安全性、業界をどうやって規制するかなど、宇宙旅行の可能性をめぐる基本的な疑問への答えが出ないことには、従来のベンチャーキャピタルは関与しないと付け加える。

 だが、レバイン氏によると、宇宙旅行会社など宇宙関連業界にとって役に立つ技術――ロケットエンジン、宇宙船用の先端材料、航空電子工学システムなど――を開発している企業は、魅力的な投資対象になるかもしれないという。

 ルータン氏に技術を提供した主要な企業に米ローラス・ファンズ社(ニューヨーク)が投資したのも、こうした背景からだ。ローラス・ファンズ社のヘッジファンドは小規模な上場企業に広範囲に投資しているが、8月にはカリフォルニア州南部に本拠を置く米スペースデブ社に250万ドルを投資した。スペースデブ社は、スペースシップワンのハイブリッド[固体燃料と液体燃料]推進システムの主要部品を開発、供給した。

 ローラス・ファンズ社の上級投資アナリスト、パトリック・リーガン氏は、「スペースデブ社は小型衛星に関わり、政府からの受注実績があり、持続可能な中核ビジネス――エンジン、推進装置、ロケット燃料など、これまで取り組んできたもの――がある。(宇宙ツアーが実現しなくても)まだ既存のビジネスがある」と語る。

 だが、リーガン氏によれば、スペースシップワンの成功をもってしても、新興の宇宙旅行会社への投資はギャンブルであることに変わりはないという。スペースシップワンは宇宙旅行の構想を実証してみせたが、宇宙旅行産業の発展についてはまだ多くの疑問がある。

 「どれくらいの時間がかかるのか、どのくらいの売り上げを出せるのか、市場規模はどれくらいになるのか?」と、リーガン氏は問いかける。「3分間の飛行に20万ドル払う人が何人いるか、誰にわかるだろう?」

 スペースデブ社を創立したジム・ベンソンCEOも、宇宙開発関連の新興企業への投資は低調だと認める。ベンソンCEOはその理由として、1990年代後半に登場した小規模な宇宙関連起業家の多くは経営経験がなく、製品開発に成功した実績もないことを指摘する。たいていの場合まだ開発中の技術をあてにした計画だと、ベンソンCEOは付け加えた。

 だが、投資家の側にも乗り越えるべき障害がある。

 「投資家は臆病になりやすい傾向がある。羊のように群れ、何であれそのときどきの流行を一心不乱に追いかける」とベンソンCEO。

 スペースデブ社の場合は、特にスペースシップワンの成功に果たした役割のおかげで事情が変わった、とベンソンCEOは言う。同社は35人の従業員がロケット・ブースターや小型衛星、弾道飛行用宇宙船『ドリーム・チェイサー』などのプロジェクトに携わっている。「資金提供を申し入れてくる投資家に悩まされているくらいだ」と、ベンソンCEOは話す。

 スペースデブ社は、再利用可能な軌道飛行用宇宙船の建造にいつかつながる可能性のある政府プロジェクトを追い求め、取り組んでいる。たとえば、『ドリーム・チェイサー』計画は、米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所との提携の一環で、従来のロケットのように垂直に飛び立ち、スペースシャトルのように水平に着陸する弾道飛行用宇宙船を開発するというものだ。

 「一度に少しずつ物事を行なうのが当社のやり方だ。これは、ある程度の時間をかけて経済的な弾道飛行用宇宙船を開発するのに適切なアプローチだと思う」と、ベンソンCEOは語った。[Dan Brekke/日本語版:矢倉美登里/高森郁哉]

ヴァージン、民間宇宙旅行の2007年実現を目指し米ベンチャーと提携

2004/09/28 CNET News.com

 Sir Richard Bransonは、同氏の新しい会社が、他に先駆けて冒険好きな旅行者を宇宙に送るようになることを願っている。

 Bransonは27日(米国時間)、自らの所有するヴァージングループが、Microsoft共同創業者であるPaul AllenのMojave Aerospace Venturesと技術ライセンス契約を結んだと発表した。この提携に基づき、BransonのVirgin Galacticでは、民間の乗客を宇宙飛行させる初のビジネスベンチャーとなる計画を進める。

 「我々は宇宙旅行ビジネスを開発する夢をいつも抱いていた。そして、Paul Allenのビジョンと、(航空機デザイナーの)Burt Rutanの素晴らしい技術が組み合わさり、夢が現実に一歩近づいた」とBransonは声明を発表している。

 Virgin Galacticは自己資金で宇宙船の建造や関連機材の構築、旅行会社の運営を行なう。同社は来年はじめに株式会社となる見込みで、2007年には初の宇宙飛行が実施される見通しだ。

 「VSS Enterprise」での2時間の宇宙飛行を楽しむためには、飛行前に最低3日間のトレーニングを受け、1人約19万ドルの料金を支払うことになる。同社は来年初めから預かり金の受付を開始する予定で、現在すでに宇宙飛行希望者の登録を受け付けているという。

 今回の技術ライセンス契約によって、Mojave Aerospaceは今後15年間、Virginが構築する宇宙船の数に応じて最大2150万ドルを受け取ることになる。Virginでは今後5年間にトレーニングを受ける宇宙旅行者は3000人に上ると予想している。

 Mojave Aerospaceは、Rutanと彼の会社Scaled Compositesが設計したSpaceShipOneの開発に資金を提供した。Allenは最初の宇宙船建造のためにRutanを雇用した際、再利用可能な宇宙船を作りたいと考えていたと述べている。

 SpaceShipOneは6月に、Mike Melvill操縦によるテストフライトを行い、大気圏を越える高度100キロまで到達した初の民間宇宙船となった。

 Virgin Galacticの発表は、SpaceShipOneが「Ansari X Prize」での優勝を狙い、モハベ砂漠から発射する直前に行われた。Ansari X Prizeは、高度100キロまでの飛行を2週間以内に2回達成した最初の民間ベンチャーに1000万ドルの賞金を提供するという、1995年に始まったコンテストだ。

 Rutan率いるSpaceShipOneチームは、29日午前に正式な初飛行を行う予定だ。もし全てが計画どおりに進めば、同チームは10月4日にも飛行を行い、賞金を手にすることになる。AllenはSpaceShipOneの資金の一部を提供している。

 Rutanは以前、単独無着陸・燃料無補給地球周航で世界記録を樹立した際にも、Bransonと協力したことがある。 (Dawn Kawamoto)

ソユーズで豪華ペア宇宙旅行は健在! 公式サイトも楽しくリニューアルに

2003/12/18 MYCOM PCWEBニュース

 米Space Adventuresは、民間人を宇宙に送り出す旅行計画「Space Adventures-1(SA-1)」公式PRサイトのデザインを一新した。詳しいパッケージ内容がリアルに提供され、旅行者の応募が受け付けられている。

 同社は、2001年にアメリカ人のデニス・チトー氏、2002年に南アフリカ人のマイク・シャトルワース氏を、民間人として初めて宇宙旅行に送り出し、大富豪の夢をかなえた企業として注目を集めた。同社の設立には、アポロ11号やスペースシャトルに乗り込んだかつてのNASA宇宙飛行士が多数関わっており、さらなる宇宙旅行の機会を一般の人々に与えるべく、現在はSA-1のプロデュースに力が入れられている。

 2005年に、ロシアの宇宙船ソユーズで旅行者を国際宇宙ステーション(ISS: International Space Station)へと送り届け、8日間の宇宙滞在を楽しめるSA-1は、新たな試みとして民間人向けに2座席が確保されており、ペアで宇宙旅行を実現する機会となる。SA-1のミッション遂行中に、地球を120回以上も周回できる予定になっている。

 未だ2名の旅行者は正式決定に至っておらず、同社は今回、インターネット上で広くPRしていく方針を採用。美しいグラフィックスで全旅行計画を詳しく紹介し、ちょっとしたバーチャルツアーを体験できる。今後は、ビデオや3D映像も次々とアップされていくほか、有名人の宇宙対談などのコンテンツも提供されるという。

 募集要項に並ぶ条件はわずか3つ。まず、18歳以上であること。次に、約半年に及ぶ、宇宙での生活に備えるトレーニングが受けられること。そして、やはりラストは最大の条件となる、US2,000万ドルの旅行費用を支払えること。この旅行総額は、過去2回の民間人宇宙旅行パッケージと変わっておらず、まだまだ一般人には容易に手が出せない金額であろう。

 新サイトのトップページには、デニス・チトー氏の「Space Adventuresは私の宇宙旅行の夢をかなえてくれた。次にかなえるのはあなただ」という言葉が載せられている。スペースシャトルによる宇宙計画は一時的にストップしているものの、ソユーズは今も健在であると同社は強くアピールし、SA-1の旅行者を募っている。

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