TOPIC No.6-24 まいど1号

01. まいど1号/東大阪市小型人工衛星開発計画
02. 東大阪宇宙開発協同組合 SOHLA
03. AC公共広告機構 まいど1号
04. GIS NEXT EXPRESS NEWS by地理とGISの情報発信サイト


6大学、宇宙でコンピューターの耐久性競う…東北大、慶大など

2010年03月01日 読売新聞 YOMIURI ON-Line

6大学のコンピューターを積む人工衛星

 今年5月に打ち上げられ、金星に向かう小型人工衛星に国内6大学の学生が作ったコンピューターを搭載し、過酷な宇宙空間で耐久性を競うサバイバルレースが行われることになった。

 衛星は1辺35センチの立方体。大学や中小企業が協力して人工衛星や探査機を作る第一歩にしようと、国内の22大学・高専が協力して作製した。日本初の金星探査機「あかつき」を打ち上げるH2Aロケットに相乗りする。

 飛行中の目玉が、コンピューターの耐久性を競うレース。公募で選ばれた北海道工業大、東京理科大、高知工科大、東北大、電気通信大、慶応大の6大学が、耐久性を高めるために材料などを工夫した自作コンピューター計6台を搭載する。

 宇宙空間では高温から低温へと極端に温度が変化し、強い放射線にさらされる。この中で、衛星の主コンピューターがさまざまな課題を6台に出し、どのコンピューターが最後まで正確に処理できるか競う。成績は無線で確認する。

鹿児島大と地元企業が手作り衛星、年内に宇宙へ

2010年02月12日 読売新聞 YOMIURI ON-Line

はんだごてを駆使して衛星に載せる基盤作りに励む学生ら(鹿児島市の鹿児島大学で)

 鹿児島大や県内の電子関連機器メーカーなどでつくる鹿児島人工衛星開発部会(部会長・西尾正則鹿児島大大学院理工学研究科教授)が製作してきた小型衛星「KSAT」が完成し、最終試験のため宇宙航空研究開発機構の筑波宇宙センター(茨城県)へ送られた。今年中に、種子島宇宙センター(南種子町)で打ち上げが予定されるH2Aロケットで、宇宙に放たれる。

 KSATは10センチの立方体で、重さ1・4キロ。地球の上空約300キロを周回し、大気中の水蒸気の分布を調査し、集中豪雨の予測に役立てる。H2Aの主衛星である金星探査機「あかつき」に、早大などが製作した3機の小型衛星とともに搭載される。筑波宇宙センターでは、実際にロケットに搭載しても安全かどうか、などの試験が行われる。

 開発部会は、大学側と複数の企業が、全国で唯一、ロケット発射場を持つ鹿児島県で、宇宙関連産業を発展させようと、2005年8月に発足させた。大気科学が専門の西尾教授(54)が中心となり、試験機の製作を経て、今年1月から、本格的な衛星の製作に入った。理、工両学部の学生、院生計12人が参加。衛星内部の基盤製作などの作業を担当し、研究室の片隅で部品作りに取り組んだ。

 小さい穴が無数に並ぶ10センチ弱四方の基盤に、はんだごてを駆使して配線を取り付けていた理学部4年堤祐樹さん(21)は「これが宇宙に行くのかと思うとわくわくします。作業には神経をすり減らしますが、宇宙で正しく作動したら、楽しいでしょうね」と目を輝かせる。

 西尾教授は「学生と企業が一つになって作った。成功すれば、地域も元気になる」と意気込む。

 宇宙機構は、H2Aの大型衛星打ち上げで、余力のある場合、相乗りする小型衛星を公募しており、昨年1月には、H2A15号機で、東大、東北大、香川大などがそれぞれ製作した小型衛星が発射された。九州内の大学では鹿児島大のほか、九州工業大(北九州市)も今年、インドのロケットで自作の衛星を打ち上げる計画を進めている。

小型衛星 本体部分が完成

2009年12月18日 読売新聞 YOMIURI ON-Line

愛知工科大と蒲郡の企業 全国プロジェクトに参加

完成した小型衛星の本体部分を前にする奥山准教授(左)と伊藤社長

 蒲郡市の愛知工科大学と地元の精密部品加工業「蒲郡製作所」が4月から共同開発していた小型衛星「深宇宙探査機UNITEC―1」の本体部分が完成し、17日に同大で公開された。

 この小型衛星は特殊ジュラルミン製の立方体(1辺35センチ、約20キロ)で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が来年5月、金星探査機と一緒に種子島からロケットで打ち上げる。途中で切り離し、単独で同12月に地球から約6000万キロの金星付近まで接近。宇宙の放射線の測定や微弱電波の受信などの実験を行う予定。

 小型衛星の本体部分は今後、東京大学に搬入され、東京理科大などが開発した6台のコンピューターを組み込み、来年2月に完成する予定。今回の小型衛星プロジェクトには全国21の大学・高専のほか、企業10社も参加している。

 本体部分の設計・製作を担当した愛知工科大学の奥山圭一准教授(46)(宇宙工学)と蒲郡製作所の伊藤智啓社長(49)は「大学や企業などの民間組織だけで、このような宇宙プロジェクトに取り組むことに大きな意義がある」と話した。

大学や高専の人工衛星製作

2009年11月04日 読売新聞 YOMIURI ON-Line

物作り学習 絶好の機会

 大学や高等専門学校の学生たちが人工衛星を製作し、打ち上げる活動が広がってきた。構造設計やコンピュータープログラム開発、電子回路の組み立てなどを分担、協力して衛星を完成させる過程は物作りを学ぶ絶好の機会になっている。

 東京都立産業技術高専の人工衛星「輝汐(きせき)」が今年1月、宇宙航空研究開発機構の大型ロケットH2Aで宇宙へと旅立った。1辺約15センチの立方体形。信号の送受信システム不調のため、宇宙空間を移動させる実験は延期しているが、今月にもシステムを復旧させ、再挑戦する予定だ。

 「学生たちの成長は目覚ましかった」。同高専の石川智浩准教授は5年がかりの衛星作りを振り返った。「最初は受け身だったが、問題が起きる度に自分たちで話し合い、解決するようになった」と評価する。

 かかわった学生は約40人。教員の支援も受け、放課後や夏休みなどに取り組んだ。4年生の岡田奈雄登さん(18)は「未明までプログラム作りをやったこともある。目標に向かってやり遂げる根性がついた」と話す。

 4年後の打ち上げを目標に新たな衛星作りも始まった。5年生の土田裕紀さん(19)は「人工衛星は高いレベルの技術者が作るというイメージがあったが、自分たちでも努力すればできる」と実感を語る。

 学生による衛星作りは、宇宙機構が教育活動などを目的とした小型衛星を公募し、無料で打ち上げる体制を作ったことで本格化。今年1月は、東北大、東京大、香川大の衛星も搭載された。来年打ち上げ予定のH2Aロケットには、全国40の大学・高専が参加する「大学宇宙工学コンソーシアム」や早稲田大、鹿児島大、創価大の計4基が相乗りする。コンソーシアム理事長の中須賀真一・東京大教授は「打ち上げられると、もう直せない。そこから物作りの厳しさも学べる」と意義を話す。(三井誠)

工業高校の技術で衛星作り

2009年07月25日 読売新聞 YOMIURI ON-Line

全国から公募 5年後打ち上げへ

全国工業高校長協会で衛星作りの基礎知識を説明する村上久美子さん(東京・千代田区で)=飯島啓太撮影

 「工業高校の生徒たちに衛星作りを通じて、物づくりの自信を持たせたい」――。全国工業高等学校長協会が創立90周年の記念事業として、「工業高校衛星」作りに乗り出した。

 大学や高等専門学校などが小型衛星を作り、ロケットで打ち上げる活動がここ数年盛んになっているが、全国規模で取り組むのは珍しい。同協会に所属する工業高校・工業科は624校で、生徒数は28万人にのぼる。文部科学省宇宙開発利用課では「宇宙開発に興味や関心を持つ若者が一挙に広がるのではないか」と期待を寄せている。

 工業高校は中堅技術者育成が目標。高度経済成長期には人気も高く、製造業を支える人材育成の場になってきた。しかし、最近では少子化、高学歴志向、理工系離れなどから、生徒数減少が続く。

 このため、同協会では、各種技術の検定事業を実施したり、「ロボット相撲全国大会」などのイベントを開催したりして、ものづくりの魅力をアピールしてきた。新たに衛星作りを加え、製作過程で得られた技術や技能などの情報を全国に発信、教材としても活用する予定だ。

 同協会では、重さ3キロから5キロの小型の観測衛星を、5年後にH2Aロケットで打ち上げ、アジアの緑の状況を調査する計画を練っている。

 全国の加盟校から電子回路、アンテナ、ソフトウエアなどの得意技術を公募し、教員の指導のもとで生徒たちが協力して作り上げる。「工業高校の力を社会に見せたい」と同協会では意気込む。

 ただ、様々な技術・技能を持つ教員がいても、衛星全体をとりまとめるのは初めて。このため、15年近くにわたって三菱電機の宇宙機器部門でエンジニアとして活躍した、長野県岩村田高校電気科教諭・村上久美子さんに助っ人を依頼。衛星作りの基礎知識の勉強を開始した。

 村上さんは「工業高校はものづくりは得意だが、衛星はその段階に持っていくまでの全体設計が大事。打ち上げまでに時間がかかるので、その間に生徒の興味をひく目に見える成果を出すことも重要」と、エンジニア時代とはひと味違う“設計条件”に知恵を絞る。工業高校の挑戦は始まったばかりだ。(編集委員 知野恵子)

小型衛星の軌道投入に成功 いぶきも正常な飛行確認

2009/01/24  中国新聞ニュース

 H2Aロケット15号機に相乗りして打ち上げられた七個の小型衛星のうち、「まいど1号」など公募で選ばれた小型衛星が予定の軌道に入ったのを確認したと、宇宙航空研究開発機構など開発に当たった各機関が二十三日、発表した。

 相乗り衛星は、日本の宇宙開発のすそ野を広げるため、宇宙機構が募集し、無料で打ち上げるプロジェクトの第一弾。主衛星の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」は太陽電池パネルの展開に成功し、正常に作動していることが確認された。

 二十三日夜までに予定軌道に入ったのが確認されたのは、大阪府東大阪市の中小企業で作る東大阪宇宙開発協同組合のまいど1号のほか、東北大の「雷神」、香川大の「KUKAI(空海)」、宇宙機構の「小型実証衛星1型」、東京大の「ひとみ」、都立産業技術高等専門学校の「輝汐きせき」。

 地球一周に約一時間半かかるため、各周回で日本付近に戻ってきたタイミングで衛星が発信する電波を捕捉するなどして、順調に作動していることを確認したという。

 残る小型衛星一個は、同日深夜にも飛行が確認できる見通しという。

宇宙開発への新風を歓迎 専門家、人材育成に期待

2009/01/24  中国新聞ニュース

 十代の学生や町工場が独自に開発した小型衛星が宇宙へ飛び立った。専門家は「人材育成につながる」「不景気の中で明るいニュースだ」と、宇宙開発に新風を吹き込む新規参入組の挑戦を歓迎した。

 民間非営利団体の活動を通じて学生の宇宙開発を支援してきた八坂哲雄やさか・てつお・九州大名誉教授は「人工衛星作りは難しく、お金もかかり、大手しかできないと考えられてきたが、目的を絞れば学生にも作れることを示した。国民の見る目や意識を変える」と喜ぶ。

 八坂氏は、メーカーの人工衛星作りでは担当分野が多岐にわたるが、小型衛星なら設計から製造、運用まで一連の作業を学べるのが利点だと指摘。「将来の宇宙開発を担う人材の育成に、非常に意味がある」と話した。

 宇宙航空研究開発機構の的川泰宣まとがわ・やすのり技術参与は「不景気が押し寄せ、先行きが暗い中で『まいど1号』のように地域の小さな会社を含めた前向きな人が衛星を上げたのは、明るいニュース」と声を弾ませる。

 的川氏は「『いぶき』のような大型衛星を補完する、新しい技術を迅速に取り入れた小型衛星も必要だ」と指摘。「社会的な要請が大きい環境問題などに機動的に対応できる小型打ち上げロケットを開発する努力もしてほしい」と注文を付けた。

東大阪の人工衛星「まいど1号」にアマチュア無線の予備免許交付

2008.10.23 MSN産経新聞

 総務省近畿総合通信局は23日、町工場の技術を結集して東大阪宇宙開発協同組合(今村博昭理事長)が打ち上げを計画している人工衛星「まいど1号」に搭載するアマチュア無線局に予備免許を交付した。

 まいど1号は、2系統の無線を搭載し、4月には衛星を制御する実験局の予備免許を受けている。衛星と地上局との交信にはアマチュア無線の周波数帯域を使用し、一般の無線愛好家らも太陽などのデータを地上で受信できる。

 まいど1号は約50センチ四方の小型衛星。温室効果ガス観測技術衛星、GOSAT(ゴーサット)とともに今冬、鹿児島県の種子島からH2Aロケットで打ち上げられ、雷雲などを観測する予定。

 今村理事長は「現在、茨城県の筑波宇宙センターで最終チェックを受けており、いつでも飛ぶことができる状態。いち早く宇宙からの電波をキャッチしたい」と話している。

スプライト観測衛星を公開 東北大、H2Aで打ち上げ

2008年05月15日 中国新聞ニュース

 東北大は15日、最終的な組み立て段階に入った、高層大気の発光現象などを調べる「スプライト観測衛星」を報道陣に公開した。本年度中にH2Aロケットで、東大阪宇宙開発協同組合(大阪府東大阪市)が開発した衛星、愛称「まいど1号」などと打ち上げられる予定。

 衛星は約50センチの立方体で重さ約50キロ。高橋幸弘・同大大学院理学研究科講師と吉田和哉・同工学研究科教授のグループが開発した。地上から約650キロを1日約15周する予定。観測用カメラ3台を搭載し、近年発見された「スプライト現象」などを観測、発光のメカニズムや分布状況、雷との関係を調べる。同現象の真上からの観測は世界初という。

 学内協力などで製作費を約1億円に抑え、開発に要する時間も短縮できた。吉田教授は「打ち上げが成功し成果があげられるよう幸運が続いてほしい」と話している。

まいど1号、宇宙へ--JAXA、H-IIAの“相乗り”小型衛星を選定

2007/05/18 CNET Japan田中好伸(編集部)、目黒譲二

 「苦しい時こそ夢を持たなアカン!」――。不況に苦しむ中、職人集団が立ち上がって、中小企業の技術力を結集して人工衛星を打ち上げようと2002年に設立されたのが、東大阪宇宙開発協同組合(Space Oriented Higashiosaka Leading Association:SOHLA)だ。

 SOHLAは、工場集積率No.1という大阪府東大阪市に拠点を置く中小企業を中心に結成された製造業の協同組合。2002年から小型人工衛星の開発を進めており、2003年からは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として、開発プロジェクトを進めている。

 同組合が開発する人工衛星は打ち上げに成功すれば、「まいど1号」と命名されることが決まっている。東大阪宇宙開発協同組合やSOHLAという名前は覚えていなくても、まいど1号という名前を記憶している人は多いだろう。そのまいど1号が、ついに宇宙への切符を手にした。

 2008年8月にH-IIAロケットで打ち上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT」に相乗りする小型衛星として、まいど1号が宇宙航空研究開発機構(JAXA)に5月16日に選定されたのである。

 JAXAでは2006年5月、国内の宇宙開発利用の裾野を広げることなどを目的として、H-IIAロケットによる打ち上げ機会提供を希望する小型衛星の公募を実施。民間企業や大学等から応募があった21件のうち、書類選考をパスした19件を「小型衛星搭載候補リスト」に登録した。

 今回、リストに登録された13件の小型衛星を対象に、小型衛星選定委員会を開催し、50cm級2基、10〜30cm級4基の計6基の小型衛星を選定した。

 選定されたのは、50cm級の2基として、SOHLAの「SOHLA-1」(打ち上げが成功すれば、まいど1号)と、東北大学の「スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)」。そして、10〜30cm級では、ソランの「かがやき」、東京大学の「PRISM」、香川大学の「STARS」、都立産業技術高等専門学校の「航空高専衛星KKS-1」が選ばれた。

 JAXAは今後、今回選定された小型衛星を開発した各機関と「打上げ実施のための取決め」を締結し、さらに詳細な技術調整および各種試験等を実施するとしている。最終的な搭載の可否に関しては、JAXAが最終的な責任を負い、打ち上げ前に判断するという。

 なおJAXAでは、今回提供される打ち上げ機会に選定されなかった小型衛星について、提案者に意思を確認の上、引き続きリストに登録する。また、新規の小型衛星にかかわる提案も随時受け付けるとしている。

人工衛星「まいど1号」、完成は07年秋に 東大阪

2006年06月27日 asahi.com

 東大阪宇宙開発協同組合(大阪府東大阪市、竹内修理事長)は27日、町工場の技術を生かした人工衛星「まいど1号」の完成時期が07年秋ごろになると発表した。当初目標は今春だったが、初めての試みで研究開発の遅れなどが重なったという。打ち上げは08年度以降になる見込み。

 まいど1号は一辺50センチの立方体に太陽電池を張った小型の多目的人工衛星。03年10月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が約7億円の助成を決め、同組合と宇宙航空研究開発機構(JAXA)、大学などが技術提携して安価での量産を目指している。

「小型衛星、タダで打ち上げます」H2A相乗り公募

2006年05月11日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 宇宙航空研究開発機構は10日、H2Aロケットに搭載する1〜50キロ・グラムの小型衛星を公募すると発表した。

 大型衛星の相乗りで打ち上げ費用は無償。宇宙利用の拡大につながる研究や、人材教育のための衛星開発を支援するのが狙いだ。2008年度から最低年1回は機会を提供する。衛星を一般公募し無償で打ち上げるのは世界的にみても極めて珍しい。

 第1号は08年度、温室効果ガス観測衛星「GOSAT」と一緒に打ち上げる予定で、複数基搭載する可能性もある。

 今回の公募では打ち上げ時期を特定せず、候補衛星を広く集める。11日から8月31日まで応募を受け付け、9月には搭載候補衛星として登録される。打ち上げ機会の15か月前に、主衛星との組み合わせから搭載衛星を選ぶ。衛星の製造や試験の費用などは応募者が負担する。立川敬二・同機構理事長は「10個くらいは(応募が)出ると想定している」と話している。

 国内では、東京大学や東京工業大学が、有料のロシアのロケットで学生が開発した1キロ・グラムの衛星を上げている。学生の手作り衛星打ち上げ支援を行う大学宇宙工学コンソーシアムの川島レイ・事務局長は「打ち上げ費用は1キロ・グラム当たり1万ドルが相場で、衛星の分離機構など含めると1キロ・グラムの衛星でも300万〜400万円かかる。学生らの大きな励み」と歓迎している。

東大生手作りの超小型衛星、露のロケットで打ち上げ

2005年10月27日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 東大の学生らが製作した超小型衛星「サイ・ファイブ」が27日、ロシアのプレセツク宇宙基地から、ロシアのロケット「コスモス」で打ち上げられ、予定の軌道に投入された。

 東大の「手作り衛星」の打ち上げは、2003年6月に続き2回目。2号機は、約10人の学生が市販の電子部品などで作った。開発費は、2機で計約400万円と、衛星としては格安に抑えられた。

 高度688キロ・メートルの軌道上では、宇宙航空研究開発機構が開発した新型太陽電池の宇宙での性能評価や、高解像度デジタルカメラで地球の撮影などを行う。

東大生が作った超小型衛星、露ロケットで再び宇宙へ

2005年09月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 東京大の学生が製作した超小型衛星が、30日にロシアのロケットで打ち上げられる。

 一辺10センチの箱形で重さ1キロ・グラムと超小型ながら、宇宙航空研究開発機構が開発した新型太陽電池の軌道上試験という使命も担う。2003年6月に打ち上げた初号機に続く2号機。

 2号機は、01年から初号機と並行して開発を進め、搭載ロケットが決定した昨年から10人ほどの学生が中心になって改良を加えてきた。初号機はデジタルカメラで地球の画像を撮影し希望者1100人に送っている。2号機はさらに解像度を上げて同様のサービスを行う。開発費用は2機合わせて約400万円。

 打ち上げはドイツ、ノルウェーの学生が作った同型衛星と一緒に小型衛星に収納される。高度686キロ・メートルで小型衛星が分離された後、3個の超小型衛星が飛び出す。

 開発を指導した東大の中須賀真一教授は「大型衛星のおまけとして搭載される子衛星の、さらにその中にある孫衛星で、珍しい打ち上げ方式」という。

1億円の衛星用ロケット、茨城の中小企業15社が構想

2004/09/13 読売新聞 Yomiuri On-Line
 茨城県内の中小企業15社が、小型ロケットの製造・打ち上げを目指して16日に研究会を発足させる。

 宇宙ビジネスを巡っては、大阪府東大阪市の中小企業が小型人工衛星の開発に乗り出しているが、小型ロケット製造などを専門的に行う民間企業は国内にはなく、中小企業による新規事業開拓に期待がかかる。

 研究会の構想では、ロケットは高さ17メートル、直径2メートルで、2段式液体燃料の使用を想定。高さ400キロの低軌道に小型衛星や実験装置を打ち上げる能力を持ち、価格は同じ能力を持つ他国のロケットの5分の1から10分の1に抑え、1機1億円を目標にする。

 参加する15社は、機械加工、小型モーター、精密洗浄、ベンチャー支援などで、ロケット部品製造に携わったことがあるメーカーが中心となる。1社50万円ずつ資金を出し合い、今年度中に小型ロケットの市場調査や、民生技術による製造・打ち上げの可能性を探る。県も100万円を助成する方針。ビジネスとして可能性があると結論が出れば、新会社を設立、2008年の打ち上げを目指す。

 小林敏明代表幹事は「疲弊した中小企業が元気になることが出発点。技術、資金などの問題点をつかんで、夢を実現させたい」と話している。

伊藤忠:民間衛星打ち上げへ 4社と共同で企画会社を設立

2004年08月09日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 伊藤忠商事は9日、国内初の民間企業による商用地球観測衛星打ち上げに向けて、NTTデータや衛星通信のJSAT(ジェイサット)など4社と共同で企画会社「ワールドスペクトラム」を同日付で設立した。来年6月までに事業化の可否を判断し、09年度中の打ち上げを目指す。

 衛星には、世界初の次世代型「ハイパースペクトラル・センサー」を搭載する。健康な樹木と根腐れがある樹木を区別したり、海藻の密度を判別することができ、植生管理や環境監視、資源探査などへの応用ができる。擬装した兵器を見分けることも可能だという。伊藤忠などは総事業費400億円を予定し、国内外の需要を取り込んでいく方針だ。【清水憲司】

ビジネスホテルが超小型衛星=東横イン、東工大と共同製作−来年打ち上げへ

2004/06/27 (時事通信)YAHOO! NEWS
 全国にビジネスホテルを展開する「東横イン」(東京都大田区、西田憲正社長)グループが、東京工業大の松永三郎助教授らと共同で超小型衛星を製作し、来年打ち上げることが26日分かった。宇宙機関や大学以外が衛星を手掛けるのは、東大阪の中小メーカーによる小型衛星「まいど1号」の例があるが、サービス業では初めて。 

東大阪宇宙開発、「まいど1号」でJAXAと技術協力調印

2004/05/21 NIKKEI NET
 小型人工衛星「まいど1号」の独自開発に取り組む東大阪宇宙開発協同組合(青木豊彦理事長)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、小型衛星技術の協力取り決めに調印した。JAXAが小型衛星の技術情報を民間企業に提供する第一号だ。

 JAXAは同協組が開発する小型衛星1号機、2号機の開発に必要な技術情報を提供。JAXAが所有する試験設備や施設も利用できるようにし、製造面でも技術支援に当たる。JAXAは将来はロイヤルティー収入も見込む。

 2005年度打ち上げ予定の1号機はJAXAが独自開発して打ち上げにも成功した「マイクロLabSat」の技術を使って開発。50センチメートルの立方体に内接する八角柱形で重量は50キログラム以内。衛星本体に張り付けた太陽電池で電力を得る。

宇宙機構が「まいど1号」支援 大阪で開発中の人工衛星

2004/05/20 The Sankei Shimbun
 民間で独自に人工衛星「まいど1号」の開発を進めている大阪府の中小企業グループ「東大阪宇宙開発協同組合」に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が小型衛星に関する技術情報を提供し支援する取り決めの調印式が20日、東大阪市で行われた。

 この取り決めにより、同組合は2005年度のうちにまいど1号を、次いで同2号を開発し、小型人工衛星を産業化、地域の活性化を目指す。一方、JAXAはこれまでの研究開発成果を社会に還元し、経済発展に貢献するとしている。

 技術支援の対象は人工衛星のうち姿勢制御や電力制御など衛星の運航、管制にかかわるシステムの開発。取り決めの期限は5年間で、その後延長していく。

 同市の大規模企業支援施設「クリエイション・コア東大阪」での調印を終えた青木豊彦同組合理事長は「これからが本番だ。期待と緊張とがあるが、がんばりたい」と気を引き締めていた。

東大阪の人工衛星「まいど1号」がついに始動!

2004/03/22(月)放送

小型衛星「まいど1号」、理科教材に 画像送信や温度観測―東大阪宇宙開発協同組合

2003/10/23(毎日新聞) GIS NEXT EXPRESS NEWS
 東大阪の中小企業でつくる「東大阪宇宙開発協同組合」が05年にも打ち上げる小型衛星「まいど1号」が、小中学校の理科教材として使われる見通しとなった。同組合の青木豊彦理事長が22日、発表した。衛星を教育に役立てるプログラムを開発し、将来の商用化につなげる考えだ。

 東京大大学院の中須賀真一助教授(航空宇宙工学)らとの共同研究。独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究事業に採択され、今後5年間で約7億円の助成を受ける。最終的には、30〜40cm四方、厚さ5cm程度のパネルを組み合わせた「PETSAT(ペットサット)」と呼ばれる小型の多目的衛星を開発し、08年に打ち上げる。雷雲を観察して雷の発生を予報するといった機能を検討している。

 「まいど1号」はその試験機の位置付け。撮影や通信などの機能を備え、地球の画像を地元の小中学校に送信したり、機材の温度変化などを観測することで、宇宙や地球の環境を学ぶ。青木理事長は「子どもに宇宙への興味を持ってもらうことで、宇宙産業を関西に根付かせるための人材育成につなげたい」と話した。

大阪の“独自”人工衛星計画、国の研究助成が内定、5年間で7億円

2003/10/09(読売新聞)GIS NEXT EXPRESS NEWS
 大阪府東大阪市のモノづくり技術を生かして宇宙を目指す人工衛星の開発計画が、国の試験研究プロジェクトに採択され、今年度から5年間で約7億円の助成を受けることが8日、明らかになった。東大阪宇宙開発協同組合(理事長=青木豊彦・アオキ社長)の計画で、東京大大学院の中須賀真一助教授(航空宇宙工学)の研究グループと組み、量産化できる超小型衛星を開発する。5年後の2008年をめどに商業利用できる衛星の打ち上げを目指している。

 新たに開発する多目的衛星「PETSAT(ペットサット)」は、様々な機能を持たせた正方形のパネルを必要に応じてつなぐ構造だ。打ち上げ時は畳んでおき、宇宙空間で広げる。全体で5―20kgと軽く、6―9か月という開発期間の短さで、低コスト化と量産化を可能にする。

 軍事や気象などの特殊な目的だけでなく、広い産業分野で利用を期待できるのが特徴だ。雷予報のシステム開発を目指すほか、衛星を望遠鏡のように広げて地表の画像撮影に使う計画もあり、ビジネスとしての市場開拓を狙う。

 協同組合は、中須賀助教授と協力し、独立行政法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する委託研究事業にテーマを提案していた。NEDOが審査して採択を内定した。

手作り衛星大学発−東大・中須賀真一助教授、宇宙への思い学生と

2003/08/19(日本経済新聞)GIS NEXT EXPRESS NEWS
 巨大プロジェクトの象徴である宇宙開発に、手作り衛星で挑戦する大学研究者が相次いでいる。研究室の開発費は微々たるものだが、学生の力を借り斬新なアイデアで勝負し、宇宙開発機関や巨大企業顔負けの技術力を示す。手の届かない遠い宇宙を身近な存在にしてみせただけでなく、宇宙ビジネスの「価格破壊」の担い手としても注目されている。

 「正直、ここまでできるとは思わなかった」。東京大学の中須賀真一助教授(42)は驚きを隠さない。10cm角のサイコロ型衛星「XI(サイ)」を6月、ロシアで打ち上げたが、搭載したカメラは今も地球の画像を送信している。

 カナダやデンマークなど6基の大学衛星が同時に打ち上げられたが、このうち軌道投入後の交信に成功したのは日本の2大学の衛星だけ。「大学衛星の人材育成効果を実感した」と満足げだ。

 中須賀助教授には苦い経験がある。宇宙工学の世界を夢見て大学に入ったが、研究室は宇宙と程遠い研究が続き、結局コンピューター企業に就職した。しかし宇宙への思いを断ち切れず、母校に戻った。学生を率いて独自の宇宙開発を手がける。

 「サイ」と一緒に打ち上げられた東京工業大学の衛星「CUTE(キュート)」も成功。開発した松永三郎助教授(40)は「研究室の技術力の高さを証明した」と強調する。

 キュートは秋葉原の電気街で買ったコンピューターなど多数の市販品で作った。乏しい開発費のために市販品を使わざるを得なかったが、「打ち上げ成功で宇宙関係企業が驚き、研究室を訪ねてくる。大学衛星ならリスクが高くても先端技術に挑戦できる」と胸を張る。

 小型衛星で宇宙ビジネスを狙う研究者も出てきた。北海道工業大学の佐鳥新助教授(38)は地元企業と協力して衛星を開発中。佐鳥助教授は1999年まで文部科学省宇宙科学研究所の助手だった。「イオンエンジン」と呼ぶ衛星のエンジンを研究し、特許を持つ。

 最初の目標は宇宙から農作物の成長を評価する衛星で、2005年度の打ち上げを目指している。開発費は約5億円。衛星と言えば通常は数百億円かかるだけに、安上がりだ。佐鳥助教授は「小型衛星でも宇宙ビジネスの担い手となることを示したい」と語る。

 大学の宇宙開発研究を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)「大学宇宙工学コンソーシアム」の理事長、八坂哲雄九州大学教授(61)は、大学衛星のPRに奔走する。大学衛星の打ち上げは、今は外国のロケット頼み。八坂教授は「何とか国産主力ロケットH2Aで打ち上げたい」と話す。

 小型衛星をH2Aに積み込むための技術仕様書を作り、担当する宇宙開発事業団や三菱重工業に提出した。八坂教授は「将来の宇宙開発の人材となる学生が作った小型衛星を日本のロケットに載せる意義の大きさを考えてほしい」と訴える。


超小型衛星実用化へ、大阪の開発協同組合が名乗り

2003/07/05 読売新聞 Yomiuri On-Line
 独自の人工衛星プロジェクトで注目されている大阪府東大阪市の「東大阪宇宙開発協同組合」(理事長=青木豊彦・アオキ社長)が、東京大大学院の中須賀真一助教授(航空宇宙工学)の研究グループなどと組み、超小型衛星の開発、実用化に乗り出すことが4日、明らかになった。

 5年後にも商業利用できる衛星を目指し、地表の画像撮影や雷予報などの衛星ビジネスを軌道に乗せる考えだ。

 開発を目指すのは、「PETSAT(ペットサット)」と名づけた多目的衛星だ。CPU(中央演算処理装置)や太陽電池、制御機器などを埋め込んだパネルの規格を標準化し、必要に応じて組み合わせる。1枚のパネルは30―50センチ四方、厚さ3―5センチで、重さは3キロ程度となる。小型衛星の開発費は通常数十億円規模だが、ペットサットは最低5000万円程度で開発でき、打ち上げ費用を含めた顧客の負担を、最低1億円程度に抑えたい考えだ。

 地元の東大阪の中小企業には、ペットサットのカギとなるパネル同士の接続部の構造や素材に関する新技術を求める。

「東大阪衛星」量産めざす、超小型/パネル式/低コスト、東大チームが全面協力

2003/07/04(読売新聞)GIS NEXT EXPRESS NEWS
 中小企業の集積地である大阪府東大阪市のモノづくり技術で宇宙を目指す人工衛星プロジェクトが、東京大大学院の中須賀真一助教授(航空宇宙工学)の研究グループと組み、超小型衛星の開発、実用化に乗り出すことが4日、明らかになった。小泉首相が昨秋の所信表明演説で経済再生の取り組み例に挙げ、注目されているが、具体的計画が明らかになったのは初めてだ。5年後にも商業利用できる衛星を実現し、地表の画像撮影や雷予報などの衛星ビジネスを軌道に乗せる計画だ。

 「東大阪宇宙開発協同組合」(理事長=青木豊彦・アオキ社長)が中須賀助教授に協力を依頼して具体化したもので、衛星を利用した実験・研究では大阪大や専門企業とも連携する。

 中須賀助教授らは超小型衛星の研究に実績があり、6月末には、学生手作りの衛星をロシアから打ち上げるのに成功している。 新たに開発を目指すのは、「PETSAT(ペットサット)」と名づけた多目的衛星だ。正方形のパネルを必要に応じてつなぐブロックのような独自の構造で、打ち上げ時は折り畳んでおき、宇宙空間で広げる。CPU(中央演算処理装置)や太陽電池、制御機器などを埋め込んだパネルの規格を標準化し、必要に応じて組み合わせる。1枚のパネルは30―50cm四方、厚さは3―5cmで、重さは3kg程度となる。量産して在庫を持っておけば、衛星を安く、短期間で次々に製品化できる。

 中須賀助教授は「特注品だった衛星の概念を、根本的に変える方式だ。宇宙の産業化につなげられる」という。小型衛星の開発には数10億円規模の費用がかかるが、ペットサットは最低5千万円程度で開発でき、打ち上げ費用を含めた顧客の負担を、1億円程度に抑えたいとしている。

 東大阪宇宙開発協組は、地元の東大阪の中小企業には、ペットサットのカギとなるパネル同士の接続部の構造や素材に関する新技術を求め、それ自体が地元に新たな産業を生むことも期待している。

 同協組は2006年から、実証試験用の衛星を3段階に分けて打ち上げる構想だ。青木理事長は「年間26個程度を打ち上げて、商業ベースに乗せたい」としている。

実験衛星:安価な電子部品積み打ち上げへ 露基地から10月

2003年07月02日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 
 財団法人「無人宇宙実験システム研究開発機構」などは2日、今年10月8日、ロシア・プレセツク宇宙基地から、既製の安価な電子部品が宇宙で正常に作動するかどうか調べる実験衛星「SERVIS(サービス)」1号機を打ち上げると発表した。

 衛星は約2メートル角の箱形で重さは850キロ。ドイツとロシアの合弁会社のロケットで打ち上げる。

 携帯電話に使われるリチウムイオン電池、デジタルカメラに利用されているCCD(電荷結合素子)などの部品を使った9種類の試作品を搭載。高度1000キロの軌道上で2年間、部品の放射線や高熱による性能の変化を調べる。

 現在、衛星の電源系などの基本システムは特注品が使われている。今回、既製品の耐久性を分析することで、宇宙で既製品使用の道を開き、コストを3分の1程度に引き下げることを目指す。【田中泰義】

重さ1kg 日本の学生ら手作りのサイコロ衛星打ち上げ成功―ロシアから

2003/07/01(北海道新聞)GIS NEXT EXPRESS NEWS
 東京大や東京工業大など4カ国の学生らが手作りした世界最小級の人工衛星6個が30日午後6時15分(日本時間同11時15分)、ロシアのプレセツク宇宙基地から、同国とドイツの合弁企業ユーロコット社のロケットで打ち上げに成功し、人工衛星はロケットから分離された。これらの衛星は世界で50以上の大学が取り組む「キューブサット」プロジェクトの第1陣で、アマチュアでも宇宙に手が届く時代になると期待される。

 このロケットは、旧ソ連の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「SS19」を改良した「ロコット」で、ほかにチェコなどの主衛星2個と衛星の模型1個を搭載した。

 先にチェコの大気観測衛星とカナダの宇宙望遠鏡衛星を分離。打ち上げから約1時間半後に、東大の中須賀真一助教授研究室の「サイ」や東工大の松永三郎助教授研究室の「キュート」などキューブサット6個を、北極と南極の上空を通る高度820kmの円軌道に順次投入した。

 キューブサットは、一辺10cmの箱型で、重さ1kgが標準。サイとキュートは太陽電池で発電し、アマチュア無線で通信を行うなどの基本機能はほぼ同じ。サイは搭載カメラで地球の画像を撮影し、中須賀研に送信。画像は一般の希望者に電子メールで無料配信される。キュートは太陽電池パドルを展開する。製作費はそれぞれ120万円と150万円で、打ち上げ費用は計約600万円。

 デンマークの工科大とオールボー大、カナダ・トロント大の衛星は天体観測などを行い、米クエークファインダー研究所の衛星(重さ3kg)は、地震の直前に発生する電磁波の観測に挑戦する。

HOMETopic No.6 宇宙・科学